JPH0956090A - 回転電機の界磁装置 - Google Patents

回転電機の界磁装置

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JPH0956090A
JPH0956090A JP20585395A JP20585395A JPH0956090A JP H0956090 A JPH0956090 A JP H0956090A JP 20585395 A JP20585395 A JP 20585395A JP 20585395 A JP20585395 A JP 20585395A JP H0956090 A JPH0956090 A JP H0956090A
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JP
Japan
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peripheral surface
sleeve
adhesive
field device
yoke
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JP20585395A
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English (en)
Inventor
Masami Niimi
正巳 新美
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 堅牢でありながら、材料費、設備費、組み立
て工数、加工工数など全てのコストを含めてより安価に
製造できることすることを目的とする。 【解決手段】 軟磁性材料からなる略中空円筒形のヨー
ク1と、該ヨーク1の内周面に対面して接着剤4により
接着された外周面をもつ複数個の永久磁石2と、該永久
磁石2の内周面に押圧力をもって当接する外周面をもつ
薄肉の中空円筒形のスリーブ3とを有する回転電機の界
磁装置である。スリーブ3は円筒形で安価であり、スリ
ーブ3によって押圧付勢された各永久磁石2が、接着に
よりヨーク1内周面に固定されるので、材料費、設備
費、組み立て加工工数が少なくても、堅牢な製品が得ら
れる。接着剤4に、自己硬化型接着剤を使用すれば、当
接面に浸透して強固な接着面を形成するので、組み立て
がより簡便かつ堅牢である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石をステー
タの界磁磁極とする回転電機の界磁装置に関し、特に、
自動車エンジンのスタータモータ等、高温や高振動の悪
条件下での使用に適した回転電機の界磁装置に関するも
ので、回転電機の技術分野に属す。
【0002】
【従来の技術】従来の発電機または電動機などの回転電
機には、永久磁石をステータの界磁磁極とする界磁装置
が多く実用化されている。この回転電機の界磁装置の組
付け方法としては、界磁磁石の外周面およびステータ内
周面のうち、すくなくとも一方に接着剤を塗布して互い
に接着する方法が、古くから採用されている。また、こ
の作業を簡易化する技術としては、一例として、特公昭
62−33826公報に開示された「回転電機の界磁用
磁石の固定方法」がある。
【0003】上記公報には、筒状のヨーク内に金属製マ
グネットカバーを挿入した上で、両者の間のマグネット
カバーの小径部分の空間に磁石を圧入し、接着剤を滴下
して磁石を固着する回転電機の界磁装置の組付け方法が
記載されている。また、マグネットカバーとしては、磁
性体、非磁性体を問わず任意の材質のものを適用可能で
ある旨も言及されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術では、磁石またはステータ内周面に接着剤を塗布して
張りつける工程で工数が掛かる上、自動化のための設備
も大がかりになる。また、スリーブを使用した前記公報
の技術では、磁石の内周面に当接する小径部と、ヨーク
内周面に嵌着して磁石の圧入深さを規制する大径部と
が、マグネットカバーの外周面に設けられていることが
前提になっている。
【0005】それゆえ、マグネットカバーを最低限でも
二段円筒に成形する必要が生じ、絞り加工などの工程を
要するので、円筒材を使用する場合に比べ加工コストが
かかる。また、隣合う磁石の間隔を保証するために、し
ごき工程を経て磁石間のマグネットカバーに突出部(し
ごき部)を設けるとなると、設備費と工数がなおかか
り、有効なコスト低減にはつながらないという不都合が
あった。
【0006】そこで、本発明の回転電機の界磁装置で
は、従来技術に劣らぬ磁石の固定保持力を有しながら、
材料費、設備費、組み立て工数、加工工数など全てのコ
ストを含めてより安価に製造できることを、解決すべき
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1構成は、軟
磁性材料からなる略中空円筒形のヨークと、該ヨークの
内周面に対面して自己硬化型接着剤により接着された外
周面をもつ複数個の永久磁石と、該永久磁石の内周面に
押圧力をもって当接する外周面をもつ薄肉の中空円筒形
のスリーブとを有する回転電機の界磁装置である。
【0008】ここで、ヨークは、両端が開口した円筒状
のものであっても、キャップと一体になったものでもよ
く、また、ケーシングを兼ねていてもいなくてもよい。
接着剤としては、互いに接合すべきヨークの内周面と永
久磁石の外周面の材料と、温度、振動などの使用環境お
よびコストなどを勘案して最適なものを選定する。永久
磁石としては、フェライト系や希土類系の磁石が使用で
きるが、これに限られるものではない。スリーブは、薄
肉の中空円筒状のものを用いるが、厳密に中空円筒形で
ある必要性は必ずしもない。すなわち、適宜、テーパ部
を有していたり、全体が緩いテーパ状に形成されていた
り、中間部に樽状の膨らみを有していたり、一端に大径
部を有したりするスリーブをも採用できる。同様に、ス
リーブを形成する材料についても、磁性体・非磁性体を
問わず、金属製であるなしをも問わない。
【0009】本発明の第2構成は、上記第1構成におい
て更に、前記スリーブは、前記永久磁石の前記内周面に
接着剤により接着されている前記外周面を有することを
特徴とする。本発明の第3構成は、上記第1構成におい
て更に、前記スリーブは、板材を丸めて形成されてお
り、該板材の周方向の突き合わせ部は、前記永久磁石の
内周面上に位置していることを特徴とする。
【0010】本発明の第4構成は、上記第1構成におい
て更に、前記スリーブは、円周方向に等間隔に配設され
回転軸と平行な方向に伸びる突条を外周面に有する合成
樹脂により形成されていることを特徴とする。ここで、
上記突条は、所定の間隔を隔てて平行に配設された二本
一組の突条が円周方向に等間隔に配設されたものであっ
てもかまわない。
【0011】本発明の第5構成は、上記第1構成または
第2構成において更に、前記ヨークの前記内周面、前記
スリーブの前記外周面、前記永久磁石の前記外周面およ
び前記内周面のうち少なくとも一つに、少なくとも一端
が該永久磁石との接合面の周縁に開口する溝を有するこ
とを特徴とする。
【0012】
【作用および発明の効果】本発明の第1構成では、自己
硬化型接着剤が使用されているので接着剤の流動性が高
くなり、接着剤は、毛管現象により微細な隙間にも浸透
する。また、自己硬化型であるので溶剤の揮発等を要せ
ず、空気に触れない微細な隙間の奥でも硬化して、強固
な接着面を形成する。それゆえ、永久磁石に当接するヨ
ーク内周面またはスリーブ外周面の、永久磁石との接合
面の周縁部分に接着剤を滴下するだけで、この接合面全
体に接着剤が行き渡って接着される。
【0013】したがって、本構成によれば、十分な永久
磁石の固定保持能力を保ったまま、材料費、設備費、組
み立て工数、加工工数など全てのコストを含めて、より
安価に製造される回転電機の界磁装置を提供することが
できる。さらに、組み立て前に接合面に予め接着剤を塗
布しておく必要がないので、組み立て作業がいっそう簡
易化され、より安価に回転電機の界磁装置を製造するこ
とができるという効果がある。
【0014】本発明の第2構成では、さらに、永久磁石
の内周面がスリーブに接着されており、この接着面も押
圧力を受けているので剥離しにくく、永久磁石はスリー
ブに対してもずれる恐れがない。したがって、本構成に
よれば、接着剤に要する軽微な費用がかかるだけで、上
記第1構成よりもより堅牢な回転電機の界磁装置を提供
することができる。
【0015】本発明の第3構成では、スリーブが板材を
丸めて形成されているので、安価な矩形の平板材を材料
として容易にスリーブが形成される。したがって、本構
成によれば、パイプ材等からスリーブを形成する場合よ
りもいっそう安価に回転電機の界磁装置を提供すること
ができる。本発明の第4構成は、スリーブの外周面に軸
長方向に伸びる円周方向に等間隔に配設された複数の突
条を有するので、永久磁石の位置は突条により規制さ
れ、特別な治具を要せずに永久磁石が所定位置に配設さ
れる。同様の理由で、永久磁石が周方向に剪断ずれを起
こすことも規制される。また、スリーブが合成樹脂製で
あるから、簡単な型を用いてこれを安価に大量生産する
ことが可能である。
【0016】したがって、本構成によれば、スリーブの
部品価格が(量産すれば)安く、かつ、治具の費用や組
み立て工数が減少するので、堅牢な界磁装置をいっそう
安価に提供することができる。本発明の第5構成では、
永久磁石との接合面の周縁部に開口した溝が、互いに接
着される面の少なくとも一方に形成されている。接着剤
は、周縁部の開口からこの溝を伝って接合面の内奥部に
まで流入し、さらに、この溝から周囲の接合面に浸透す
る。
【0017】したがって、本構成によれば、接着剤の流
動性および濡れ性と接着面積とを勘案し、接合面全体に
接着剤が浸透するかどうか不安な場合(例えば界磁装置
が大きい場合)にも、接合面全体に接着剤を確実に浸透
させることができる。その結果、大きな回転電機の界磁
装置であっても、接着すべき面同士を対面して当接した
のちに接着剤を周縁部に滴下する簡易な手段で、より堅
牢、確実かつ安価に製造することができるという効果を
生じる。
【0018】
〔実施例1:パイプ材からなるスリーブをもつ回転電機の界磁装置〕
(実施例1の構成)本発明の実施例1の回転電機の界磁
装置は、図1および図2に示すように、外周側から順
に、ヨーク1、複数の永久磁石2、およびスリーブ3か
ら構成されている。そして、ヨーク1の内周面と、これ
に対面して当接する永久磁石2の外周面とは、自己硬化
型接着剤4によって互いに接着固定されている。
【0019】ヨーク1は、透磁率および磁束飽和密度が
高い軟磁性合金からなり、回転対称な略中空円筒形の一
体に成形された部材であって、回転電機のケーシングを
兼ねている。ヨーク1の中空円筒状部分の軸長方向の一
端は、断ち切ったような開口端1aを形成している。ヨ
ーク1の他の一端には、軸孔1dを中心にもつ前蓋1c
が連続して形成されており、前蓋1cの外周部近くに
は、ヨーク1の内部空間に突出したリング状あるいは各
々単独の突起部1bが形成されている。
【0020】このように、ヨーク1は回転軸を中心に回
転対称な形状をしているので、鋳造や切削などの加工が
極めて容易であり、安価に製造されている。永久磁石2
は、フェライト系の磁石で形成され、内周面と外周面と
は回転電機の回転軸と同心円筒状の曲率を有し、軸長方
向には同一断面を有するブロックである。ただし、永久
磁石2の内周面には、図1に示すように、ヨーク1の開
口端1a側の端部にテーパ部分2aが形成されている。
永久磁石2は、全部で6個あって回転軸回りに角度均等
に配設されており、各永久磁石2はヨーク1の内周面に
接着固定されている。
【0021】スリーブ3は、中空円筒状の継ぎ目がない
一体の部材で、肉厚0.3mmの非磁性のステンレス鋼
のパイプ材から、永久磁石2と同程度の長さに切り出さ
れて形成されている。したがって、スリーブ3には特別
な加工工程は不要で、スリーブ3を製作するための材料
費および加工費は、極めて安価である。スリーブ3の外
径は、ヨーク1内に接着された6個の永久磁石2の内周
面の直径よりもわずかに大きいので、各永久磁石2の間
に保持されたスリーブ3は、各永久磁石2との接触面に
押圧力を定常的に生じている。(したがって、スリーブ
3は幾分か弾性変形し、その真円度は若干低下してい
る。) それゆえ、ヨーク1の内周面およびスリーブ3の外周面
と各永久磁石2との間には、常に当接面と垂直な押圧力
(圧縮応力)が生じ、振動や衝撃加速度が加わっても引
張応力が働くことがない。同様に、通常の運用において
は、上記当接面に大きな剪断力が加わることもない。し
たがって、接着面に剥離やずれが生じる心配はなく、各
永久磁石2はヨーク1内に強固に固定保持されている。
【0022】自己硬化型接着剤4は、シアノアクリレー
ト系の自己硬化型接着剤であり、ヨーク1の内周面と各
永久磁石2の外周面との互いに対向する面の間に形成さ
れている微小な隙間に充填されて固化して、両者を接着
している。その接着面には、前述のようにスリーブ3の
バネ弾性により常に押圧力が掛かっており、剥離やずれ
はまず生じない。
【0023】自己硬化型接着剤4は、硬化する以前は流
動性および各材料に対する濡れ性が高く、毛管現象によ
って細部にも浸透する性質がある。また、同接着剤は、
硬化が速い上、硬化に際して加熱や溶媒の蒸発などを要
せず、体積の収縮もほとんどない。さらに、硬化後の同
接着剤4は、衝撃的な引張応力には比較的弱いものの、
その接着力は極めて強く、化学的な安定性も高い。
【0024】本実施例の回転電機の界磁装置は、以上の
ように構成されているので、振動や衝撃の多い劣悪な環
境下での使用に耐えることができる。そればかりでな
く、構成要素の価格が極めて安いので、以下に述べる製
造方法が安価に実施できれば、回転電機の界磁装置を極
めて安価に製造できるようになる。 (実施例1の製造方法)本実施例の回転電機の界磁装置
の主要な構成要素は、前述のようにヨーク1、6個の永
久磁石2、およびスリーブ3であり、いずれも安価に製
造できるので、部品コストは安価である。
【0025】本実施例の回転電機の界磁装置の組み立て
製造は、次の手順で行うことができる。先ず、簡便な組
み立て治具で、6個の永久磁石2を円周方向に等間隔に
保持し、ヨーク1内の所定位置に挿入してヨーク1内周
面に押圧力をもって当接せしめる。その挿入に際して
は、ヨーク1前蓋1cに形成されたリング状の突起部1
bの頂部が、挿入された各永久磁石6の先端面に当接
し、その挿入位置を規制するので、挿入深さを規制する
特別な治具は要さない。
【0026】次に、ヨーク1の内周面に対面して当接す
る各永久磁石2の当接面の周縁部に、自己硬化型接着剤
4を滴下する。接着剤4は、ヨーク1の内周面と各永久
磁石2の外周面との間に形成された微細な隙間に毛管現
象によって浸透し、当接面に行き渡ったのち硬化して両
者を強固に接着する。ここで、前述の微細な隙間は、通
常、工作の仕上げ精度によって自然に形成されるので、
特別に凹凸を形成して微細な隙間を作る工程を必要とは
しない。ただし、このような工程を設けたり、または加
工を行うことも可能である。
【0027】また、自己硬化型接着剤4を滴下する各永
久磁石2の当接面の周縁部上の位置は、当接面の大きさ
と接着剤4の浸透力などを勘案して決定する。例えば、
浸透力が十分にあれば、各永久磁石2の後端部の周縁に
滴下するだけで当接面全体に接着剤4は行き渡り、接着
に要する工数は極めて少ない。逆に、これでは浸透力は
不十分と判断されるときは、接着剤4を各永久磁石2の
両側面とヨーク1内周面とが形成する軸長方向に伸びる
両周縁に沿って、接着剤4を供給すれば、当接面全体に
接着剤4を浸透させることができる。ヨーク1内奥の両
周縁に接着剤4を供給するには、細長いノズルを用いて
要所々々に接着剤4を滴下する方法と、接着剤4の流動
性を利用する方法とがある。後者は、ヨーク1を水平面
に対して垂直または斜めに保持し、その開口端1aに近
い周縁部に適量の接着剤4を滴下して、重力で周縁に沿
って流れ下るに任せる方法である。
【0028】こうして接着剤4によって各永久磁石2が
ヨーク1内周面に接着されたのち、スリーブ3が、6個
の永久磁石2の内周面に沿って適正な深さまで挿入され
る。この挿入工程は、前述のようにスリーブ3の外径は
大きめであるので、圧入することになる。たとえば、水
平な台の上に開口端1aを上にして置かれたヨーク1の
上に、永久磁石2のテーパ部分にガイドされたスリーブ
3を置いて、上から水平な下端面をもつ押圧具で圧力を
掛けるなどすればよい。したがって、スリーブ3の挿入
工程は、特殊な組み立て治具や装置を要さず、極めて容
易に行うことができる。
【0029】なお、ヨーク1内に各永久磁石2を保持し
ていた治具は、ヨーク1と各永久磁石2との接着後に取
り去っても、スリーブ3の挿入後に取り去っても構わな
い。また、スリーブ3の挿入後に、スリーブ3の外周面
と各永久磁石2の内周面とを、前述と同様の方法で自己
硬化型接着剤4により接着することもできる。すると、
本実施例の界磁装置の堅牢性がいっそう増して、好まし
い。
【0030】ところで、以上の組み立て手順(第1の製
造方法)とは異なる方法で、本実施例の回転電機の界磁
装置を製造することもできる。以下に、第2の製造方法
と、第3の製造方法とを、簡単に説明する。第2の製造
方法とは、ヨーク1内にスリーブ3を挿置したのち、両
者の間隙に6個の永久磁石2を円周方向に等間隔に保持
したまま挿入する方法である。この方法では、スリーブ
3の押圧力によってヨーク1内周面に押圧保持された各
永久磁石2が、第1の製造方法と同様に接着剤4で接着
固定される。
【0031】ここで、スリーブ3は、その先端がヨーク
1の前蓋1cの内面に当接して止まるよう、図1に示し
たものより少し軸長方向に長く製造されていることが望
ましい。また、ヨーク1の開口端1a部の内周面や、各
永久磁石2の先端部の内周面および外周面にも、テーパ
部が設けられていると、挿入作業がより容易になって好
ましい。
【0032】第3の製造方法とは、スリーブ3の外周面
に各永久磁石2を接着剤4で接着して中間構造体を作
り、しかるのちに同構造体をヨーク1内に挿入して接着
固定する方法である。本製造方法でも、挿入工程では圧
入が行われるので、上記第2の製造方法と同様に、ヨー
ク1の開口端1a部の内周面か、各永久磁石2の先端部
の外周面かに、テーパ部が形成されていることが望まし
い。
【0033】以上の三つの製造方法のいずれにおいて
も、組み立て作業に特殊な治具や装置、設備等は必要な
く、また、組み立て工数も極めて少ないので、本実施例
の回転電機の界磁装置の組み立て製造に要する費用は、
極めて安価である。 (実施例1の効果)以上詳述したように、本実施例の回
転電機の界磁装置は、構成要素が少なく、かつその部品
価格および組み立て製造時の加工工数が極めて低いの
で、たいへん安価に製造することができるという効果が
ある。
【0034】また、スリーブ3が各永久磁石2をヨーク
1内周面に押圧するので、自己硬化型接着剤4に剥離が
生じることがなく、各永久磁石2はヨーク1内に極めて
強固に固定保持される。その結果、本実施例の回転電機
の界磁装置は、振動や衝撃の多い劣悪な環境でも使用に
耐え、極めて堅牢である。 (変形態様1)上記実施例1の変形態様1として、図3
に示すように、中心側へ突起し軸長方向に伸びる突条1
1を、永久磁石2と同数、円周方向に均等な間隔で内周
面に有するヨーク10を備えた構成が可能である。すな
わち、ヨーク10の断面形のみが実施例1と異なり、各
永久磁石2およびスリーブ3は実施例1と同様な、回転
電機の界磁装置である。各永久磁石2は、実施例1同
様、スリーブ3により押圧付勢された上で、ヨーク10
に自己硬化型接着剤4で接着固定されている。
【0035】本変形態様では、その組み立て作業にあた
って、各突条11が各永久磁石2の位置を規制するの
で、組み立て治具が簡便なものでこと足り、あるいは全
く治具なしの組み立ても可能である。その結果、実施例
1の効果に加えて、組み立て治具等の費用および組み立
て工数が、いっそう低減されるという効果がある。ま
た、例え接着面に不具合が発生しても、各永久磁石2の
円周方向の位置がずれることがないという効果もある。
そればかりか、図示しない前蓋および後蓋の突起など
で、各永久磁石2の軸長方向の位置をも規制すれば、接
着剤4をも使用すること無く、回転電機の界磁装置の組
み立て製造をすることが可能である。
【0036】(変形態様2)上記実施例1の変形態様2
として、図4に示すように、円周方向に等間隔に配設さ
れ、軸長方向に伸びる突条31を、永久磁石2と同数、
外周面に有するナイロン樹脂製のスリーブ30を備えた
構成が可能である。各突条31は、互いに隣合う永久磁
石2の間隔に嵌合し、各永久磁石2の円周方向の位置を
規制している。ここで、ヨーク1および各永久磁石2
は、実施例1のそれらと同様である。
【0037】本変形態様においても、各突条31が各永
久磁石2の位置を規制するので、前述の変形態様1と同
様の効果を発揮することができる。あわせて、合成樹脂
製のスリーブ30は、大量生産すれば極めて安価に製造
できるから、変形態様1よりもいっそう安価な回転電機
の界磁装置を提供することができる。なお、スリーブ3
0を形成する合成樹脂は、製造上の都合や製造後の使用
環境に合わせて、ナイロン以外にも多様なものが採用で
きる。例えば、永久磁石2の内周面と図示しないロータ
とのギャップが小さく、ロータの外周部とスリーブ30
の内周面とがわずかに接触して、摺動すると予想される
場合には、摩擦抵抗が少なく摩耗しにくいテフロンを使
用することもできる。あるいは、非常な高温下での使用
が予想される場合には、ポリイミドなどの耐熱性のある
樹脂でスリーブ30を形成することが、推奨される。
【0038】(変形態様3および4)変形態様3および
4は、実施例1または上記各変形態様において、図5お
よび6に示すように、各永久磁石2の外周面の曲率と、
これらに対面するヨーク1または10の内周面の曲率と
を、微妙に違えた回転電機の界磁装置である。両者の曲
率をわずかに違えることによって、意図的に両者の当接
面に微小隙間5が形成される。微小隙間5によって、自
己硬化型接着剤4は当接面内に十分に浸透し、強固な接
着面が形成されている。この微小隙間5の最大厚みは、
10〜20μmが最も適当で、シアノアクリレート系接
着剤4が浸透しやすく、強力な接着力を発揮することが
わかっている。(接着剤4の組成の違いなどで、この値
は変化しうる。) すなわち、変形態様3は、図5に示すように、ヨーク1
または10の内周面の曲率半径r1が、各永久磁石2の
外周面の曲率半径r2に比べ、わずかに長い。その結
果、当接面の両脇に微小隙間5が形成され、各永久磁石
2の当接面の周縁部から接着剤4を浸透させることが、
より容易になっている。
【0039】また、変形態様4は、図6に示すように、
ヨーク1または10の内周面の曲率半径r1が、各永久
磁石2の外周面の曲率半径r2に比べ、わずかに短い。
その結果、当接面の円周方向の中央部に微小隙間5が形
成され、各永久磁石2の端部の周縁から接着剤4を浸透
させることが、より容易になっている。以上のように、
本両変形態様によれば、適切な微小隙間5が形成される
ことにより、当接面全体に接着剤4が容易に浸透し、強
力かつ確実な接着力が発揮される。その結果、より堅固
な回転電機の界磁装置を提供することができる。
【0040】(変形態様5)変形態様5は、図7に示す
ように、前述の実施例1および各変形態様おいて、軸長
方向に伸びる複数の溝21,22が、各永久磁石2の外
周面および内周面に形成されている回転電機の界磁装置
である。この両面には、自己硬化型接着剤41,42が
浸透して硬化しており、強力な接着面を形成している。
【0041】すなわち、 (その他の変形態様)図1に示した実施例1のスリーブ
より軸長方向に長いスリーブを有し、そのスリーブの両
端部が、前蓋1cの内面および後蓋の内面にそれぞれ当
接することを特徴とする変形態様も可能である。
【0042】本変形態様では、各永久磁石2およびヨー
ク1内周面とこれらを接着する接着剤4とからなる界磁
形成部分が、長いスリーブにより図示しないロータが隔
離されている。その結果、実施例1の効果に加えて、次
のような効果をも生じる。すなわち、空気抵抗による損
失が減るほか、界磁形成部分で発生したさびや接着剤4
の破片などのゴミがロータに巻き込まれることがないの
で、これに起因する不具合が未然に防がれるという効果
も生じる。
【0043】反対に、実施例1のスリーブより軸長方向
に短いスリーブを採用し、各永久磁石2は、軸長方向の
中間部分でこのスリーブからの押圧力を受けて付勢さ
れ、実施例1同様に接着剤4により接着固定されている
変形態様も可能である。本変形態様では、各永久磁石2
の両端部が、短いスリーブの両端からそれぞれはみ出し
てロータに対して露出しているので、隣合う永久磁石2
の間の空間も、ロータを含む空間に開放している。その
結果、実施例1の効果に加えて、次のような効果が生じ
る。すなわち、ロータの空気抵抗をあまり増やすことな
く、ロータの発熱等で温まった空気をヨーク1内周面に
循環させることができ、回転電機の冷却を良好にする効
果が生じる。
【0044】同様の効果は、短い(筒状またはリング状
の)スリーブが、軸長方向に複数個配設されている変形
態様によっても、達成される。なお、以上の各変形態様
は、単独でも複数の変形態様を組み合わせても、適用す
ることができる。 〔実施例2:丸め板材からなるスリーブをもつ回転電機
の界磁装置〕本実施例の回転電機の界磁装置は、図8に
示すように、外周側から順に、ヨーク1、複数の永久磁
石2、およびスリーブ32から構成され、接着剤4,4
3により接着固定されている。このうち、ヨーク1およ
び各永久磁石2は、実施例1と同一のものであり、各永
久磁石2は、スリーブ32に押圧付勢されて、その外周
面をヨーク1内周面に当接させ、接着剤4で強固に接着
固定されている。
【0045】一方、スリーブ32は、パイプ材を使用し
た実施例1とは異なり、矩形(長方形)の板材を丸めて
円筒状に形成されている。したがって、図8に示すよう
に、板材の両端32a,32bが、互いに端面を突き合
わせて接合されている。(同図では、理解を容易にする
ためにギャップを空けて描かれている。) この両端32a,32bの突き合わせ部分は、すれ違っ
て重なることがないよう、ちょうど永久磁石2の内周面
上に接着固定されている。スリーブ32は、上記突き合
わせ部分で接着固定されているばかりでなく、各永久磁
石2の内周面と、これらに対面して当接するスリーブ3
2の外周面とは、接着剤43で強固に固定されている。
【0046】これらの接着剤4,43には、実施例1と
同様に、シアノアクリレート系の自己硬化型接着剤を使
用している。したがって、上記各部材の組み立て(当
接)後に、当接面の周縁部から接着剤4,43を浸透さ
せることによって、強固な接着面を形成することができ
るので、組み立てが容易となり、工数を低減することが
できる。また、実施例1と同様、各接着面はスリーブ3
2のもつ押圧力で予め圧縮応力を受けており、運用中の
振動や衝撃により接着面に引張応力が発生することは少
ないので、回転電機の界磁装置は強固に形成される。
【0047】以上のように、本実施例によれば、実施例
1と同様の効果が発揮される上に、スリーブ32の材料
に、パイプ材よりもいっそう安価な板材を使用したの
で、よりいっそう安価に回転電機の界磁装置を提供する
ことが可能になる。なお、本実施例においても、実施例
1と同様な変形態様をとって、同様の効果を上げること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の回転電機の界磁装置の軸に沿った断
面図
【図2】実施例1の界磁装置の断面図(図1のII−I
I断面)
【図3】実施例1の界磁装置の変形態様1の構造を示す
断面図
【図4】実施例1の界磁装置の変形態様2の構造を示す
断面図
【図5】実施例1の界磁装置の変形態様3の構造を示す
断面図
【図6】実施例1の界磁装置の変形態様4の構造を示す
部分断面図
【図7】実施例1の界磁装置の変形態様5の構造を示す
部分断面図
【図8】実施例2の回転電機の界磁装置の軸に沿った断
面図
【符号の説明】
1,10:ヨーク 11:突条(ヨーク内周面に形
成) 1a:開口端 1b:突起部 1c:前蓋 1
d:軸孔 2,20:永久磁石 2a:テーパ部分 21,22:
溝(接着剤浸透用) 3,30,32:スリーブ(パイプ材、合成樹脂、板
材) 31:突条 4,41,42,43:自己硬化型接着剤(シアノアク
リレート系等) 5:微小隙間(10〜20μm)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性材料からなる略中空円筒形のヨー
    クと、 該ヨークの内周面に対面して自己硬化型接着剤により接
    着された外周面をもつ複数個の永久磁石と、 該永久磁石の内周面に押圧力をもって当接する外周面を
    もつ薄肉の中空円筒形のスリーブと、を有する回転電機
    の界磁装置。
  2. 【請求項2】 前記スリーブは、前記永久磁石の前記内
    周面に接着剤により接着されている前記外周面を有する
    請求項1記載の回転電機の界磁装置。
  3. 【請求項3】 前記スリーブは、板材を丸めて形成され
    ており、該板材の周方向の突き合わせ部は、前記永久磁
    石の内周面上に位置している請求項1記載の回転電機の
    界磁装置。
  4. 【請求項4】 前記スリーブは、円周方向に等間隔に配
    設され回転軸と平行な方向に伸びる突条を外周面に有す
    る合成樹脂により形成されている請求項1記載の回転電
    機の界磁装置。
  5. 【請求項5】 前記ヨークの前記内周面、前記スリーブ
    の前記外周面、前記永久磁石の前記外周面および前記内
    周面のうち少なくとも一つに、少なくとも一端が該永久
    磁石との接合面の周縁に開口する溝を有する請求項1ま
    たは請求項2記載の回転電機の界磁装置。
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