JPH095601A

JPH095601A - 光学装置

Info

Publication number: JPH095601A
Application number: JP15374696A
Authority: JP
Inventors: Klaus-Peter Hipp; ペーターヒップクラウス
Original assignee: Richard Wolf GmbH
Current assignee: Richard Wolf GmbH
Priority date: 1995-06-14
Filing date: 1996-06-14
Publication date: 1997-01-10
Anticipated expiration: 2016-06-14
Also published as: FR2735586B1; GB9610618D0; GB2302600B; FR2735586A1; JP3043615B2; US5706143A; GB2302600A; DE19521654A1; DE19521654C2

Abstract

(57)【要約】【目的】密閉されたハウジング内の光学的構成部品の位
置調節を可能とした光学装置であって、衝突その他の意
図しない負荷があっても、光学的構成部品の自由な移動
が防止されるものを提供する。【解決手段】光学装置は、その内部に移動及び回転可能
に配置された光学的構成部品を備えたハウジングを有
す。光学的構成部品は、その光学的構成部品に設けられ
た内側の磁石を介してハウジングの外側に配置された外
側の磁石と磁気結合している。外側の磁石を回転させる
と、内側の磁石を備えた光学的構成部品が外側の磁石に
追従して移動する。内側の磁石はハウジング固定の螺旋
形通路内で案内されており、磁石間の結合が途切れても
光学的構成部品は元の位置に止まる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、密閉されたハウジ
ング内の光学的構成部品をこれに設けた磁石とハウジン
グ外に設けた磁石の間の磁力結合によって任意に固定し
又は移動させるようにした光学装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の光学装置は、例えば医療分野で
内視鏡の先端部とビデオカメラとの間で対物レンズとし
て使用される。従って、この装置は、衛生上の理由から
殺菌処理へ送ることができるように構成される。そこ
で、この装置のハウジングは、光学的な構成部品を確実
に保護できるように、端部側の閉鎖窓を除いて気密に閉
鎖されている。

【０００３】しかし、焦点の調節をするために、ハウジ
ング内部で対物レンズ群を光軸方向に移動できるように
する必要がある。ハウジング内部にあるこの光学的構成
部品と、外部から接近させる構成部品との間の結合は、
ハウジング壁を通して磁気的に行われる。そのため、内
側の構成部品には磁石が設けられ、そして外側の構成部
品にはそれに対応して結合する磁石が設けられている。

【０００４】この種の装置は、例えばドイツ実用新案第
８８１００４４Ｕ１号または米国特許明細書第５，３５
９，９９２号に記載されている。その中では、内側の光
学的構成部品を軸方向に細かく調節可能にするため、外
側の構成部品はネジの形状か又は適当な凹部の形状の螺
旋状の通路内を案内されている。

【０００５】しかし、この公知の技術の欠点は、突然の
振動または衝突があった場合に磁石相互間の結合が途切
れる場合が生じ、ハウジング内部に調節可能に配置され
ている光学的構成部品が自由に移動してしまう可能性が
あることである。特にその構成部品が自重によって移動
した場合には、まず磁石間の結合を再形成して、次に焦
点の調節を改めて行うことが必要となる。更に、磁石間
の保持力がハウジングを透過することが必要となる点が
技術的問題となる。磁石が光軸方向に分極している場合
にはこの保持力は特に小さなものとなる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、米国特許明
細書第５，３５９，９９２号に示されている技術に基づ
いてこのタイプの装置を改良し、衝突の負荷を受けた場
合でも磁石間に形成される磁場が途切れず、また、光学
的な構成部品の自由な移動を特に防止できるものとする
ことを、その課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、内側の
構成物品に設けられた磁石がハウジングに設けられた螺
旋形通路内を案内されることによりこの課題が解決され
る。この螺旋形通路は、光学的構成部品の光軸方向の移
動に関して、実際的にセルフロック（自然にかみ合う状
態）が存在するようなピッチで形成されている。そのた
め、この種の移動は外部からの意図的な作用によっての
み、即ち外側の磁石を然るべく移動させることによって
のみ可能となる。この通路の構成は、最も単純な形式で
はボルトの溝の形状とされ、その中を内側の磁石が強制
的に案内される。

【０００８】内側の磁石を円形磁石とし外側の磁石を矩
形磁石とした場合に、更に、分極方向を光軸方向ではな
く光軸に対して直角の半径方向にした場合に本装置は特
に効果的なものとなる。そうすることにより、先ず、磁
石間に比較的強い磁場が生じ、それに伴い磁石間に大き
な保持力が形成される。更に、この構成が、矩形磁石を
外側の構成部品内で回転可能に配置することと結び付い
て、２つの磁石間の磁場が事実上途切れないようにな
る。この場合、矩形の磁石は装置の軸方向において、こ
の方向における円形磁石の移動距離に相当する長さに渡
って設けられている。

【０００９】内側の構成部品はハウジング内部で回転可
能に、且つ、光軸方向に移動可能に設けられているが、
これらの動作は別々に行うことはできず、螺旋形通路の
ガイドを受けるために、同時にのみ行われることとな
る。また、その動作は外側の構成部品に意図的に力を加
えることによってのみ行うことができ、従って、外側か
らの衝撃や他の機械的影響によって生ずることがない。
たとえ、磁石間の結合が途切れた場合でも、内側の構成
部品は強制的に案内されているので、それは元の位置に
留まることになる。

【００１０】また、半径方向に分極する矩形磁石を用い
ることによって、内側の構成部品が移動する距離の全体
にわたって確実な磁気結合が可能となり、更に、磁石の
大きさを変更することによって磁場中の磁束密度を増大
させ磁石間の保持力を増大させることが可能となる。

【００１１】本発明の装置で、内側の磁石と外側の磁石
が半径方向に分極される場合には、互いに向き合った内
側と外側の磁石の有効な端面の面積比は、２〜３の間で
選択され、好ましくは約２．５とされる。従って、外側
の矩形磁石の円形磁石に面した側の端面は、円形磁石の
外側の磁石に面した側の端面の約２．５倍の面積とされ
る。

【００１２】製造技術的に特に好ましいのは、ハウジン
グ内部に固定されたスリーブを設けることによって螺旋
形状の通路を形成することであり、この通路はスリーブ
の壁に設けられた適切な螺旋形状の凹部によって構成さ
れる。このような構成とする場合は、構成部品の固有の
安定性を損なわないようにするために螺旋形状の通路の
周面角度を約２７０゜か又はそれ以下の角度とする必要
がある。

【００１３】内側の構成部品は位置調整が必要となる部
材であり、所定の遊びをもってハウジング内部またはス
リーブの内部で案内されるようにしなければならない。
従って、内側の構成部品は特にその移動終端部分におい
て、僅かではあるが傾同する危険が常にあり、これは装
置の光学特性に悪い影響を与える。そこで、スリーブ内
部を一周するストッパを設けることも考えられるが、そ
れは製造技術的に比較的複雑であり、また、内側の構成
部品が既にストッパに達している場合でも外側の構成部
品がさらに回動されることもあり得る。その場合、磁場
が途切れ、あるいは弱くなる危険が生じる。

【００１４】従って、本発明では、外側の構成部品がど
ちら側にも回転できないよう制限するため、ハウジング
に固定したストッパを設けている。このストッパは、好
ましくは、位置調整が必要となる部材である内側の構成
部品が性格上与えられた終端位置（それがスリーブの端
部であろうと、ガイド通路の端部であろうと構わな
い。）に達する前に、外側構成部品が終端位置に達する
ように配置されている。このようにして、上述の場合で
は発生し得る内側構成部品での光学的損失は、内側の構
成部品が外側の構成部品より先に通路の終端位置に達す
ることによって確実に防止される。

【００１５】

【発明の実施の形態】次に、図面に示される実施例を用
いて本発明を詳細に説明する。図示された対物レンズと
して用いる光学装置は、内視鏡の先端部をビデオカメラ
と接続するために用いられる。その光学装置は、光軸２
に対してほぼ回転対称に配置され、中空体として形成さ
れ、そして両端部をやや斜めになった閉鎖窓３及び４に
より閉鎖したハウジング１を構成部品とする。閉鎖窓３
と４は、Ｏリング７、８とねじリング５、６を介してハ
ウジング１と圧密に結合されている。ねじリング５は、
閉鎖窓３だけでなく、ハウジング１に挿入されたほぼ円
筒状のスリーブ９も固定している。図１から明らかなよ
うに、閉鎖窓３とそれに対応して形成されたスリーブ９
のフランジ１０が斜めに配置されていることによって、
このスリーブ９は光軸２方向に固定されるだけでなく、
回転もできないように固定されている。

【００１６】スリーブ９の円筒状の壁の内側には、光軸
方向に移動可能且つ回転可能に僅かな遊びを持たせて案
内させるようにして、マウント１１が設けられている。
このマウント１１内に、対物レンズ群のレンズ１２が収
容されている。マウント１１とレンズ１２から形成され
るこの構成部品群は、前述したように、内側の構成部品
とも呼ばれており、参照符号１３で示している。

【００１７】マウント１１の周面には半径方向の小孔が
設けられており、この小孔内に円形磁石１４が挿入され
ている。この円形磁石は、マウント１１の外側輪郭を越
えて突出し、光軸２に対して螺旋状となるようにしてス
リーブ９に設けてある帯状の凹部１５内に嵌まって、そ
の中で強制的に案内されている。螺旋形状として設けら
れた凹部１５は円形磁石１４の直径とほぼ等しい幅であ
り、そのピッチは図２で示すようになっている。図３で
は通路（凹部１５）の端部を示すが、これから明らかな
ように約２７０゜の周面にわたって螺旋形通路が延びて
いる。

【００１８】凹部１５が設けられた部分のハウジング１
の壁は肉薄に形成されている。この領域に、矩形磁石が
光軸２を中心に回転可能に配置されている。矩形磁石１
７は光軸２の方向では、内側の構成部品１３の移動する
長さにほぼ対応して設けられている。また、矩形磁石１
７の幅は内側の円形磁石の直径にほぼ対応して設けられ
ている。

【００１９】矩形磁石１７は外側の構成部品１８の一部
であり、この外側の構成部品は内側に配された支持リン
グ１９とこの支持リングの外側を包囲する調節リング２
０を備えている。支持リング１９は半分に分割されてお
り、また、２つの軸受リング２１によってハウジング１
の段部上に配置されている。従って、矩形磁石１７は、
その背後に円形磁石１４が置かれているハウジング１の
薄壁部分に接近して配される。

【００２０】支持リング１９は、この支持リングを包囲
し、且つ、一体的に形成された調節リング２０によって
ハウジング１上に保持されている。調節リング２０は、
ハウジング１の両端で２つのリップシール又は割りワッ
シャー２２により、ハウジング１に対して保持されてい
る。この割りワッシャー２２は、埃や消毒薬の侵入防止
のためにも用いられる。

【００２１】外側の構成部品１８は、光軸２を中心とし
て回転可能であるが、光軸２方向に移動しないようにハ
ウジング１上に組み付けられている。外側の構成部品１
８の両方向への回転動作は、止めピン２３によって制限
される。この止めピン２３は、光軸２に平行にハウジン
グ１内に設けられ、支持リング１９の内側端縁部に形成
された凹部２４と協働することでストッパとして機能す
る。この凹部２４は周面の約２６５゜にわたって延びて
いるので、外側の構成部品１８が回転可能な角度は、こ
の方向における帯状の凹部１５の延びる角度よりも小さ
い。

【００２２】焦点の調節のために必要となるレンズ１２
によって構成されるレンズ群のハウジング１内部での移
動は、調節リング２０を回転させることによって行われ
る。それによって、外側の構成部品１８は、その内側に
配置された矩形磁石１７と共にハウジング１の外周面の
に沿って回動される。この矩形磁石１７は円形磁石１４
と磁気結合している。この場合の分極の様子は図１で示
されている。ハウジング１の壁を通過した磁場は、円形
磁石１４と矩形磁石１７間の結合をもたらす。ここで、
外側の構成部品１８が回転すると、矩形磁石１７がハウ
ジング１の周面に沿って回転し、両磁石間の結合によっ
てこの矩形磁石１７の移動に円形磁石１４が追従する。
しかし、円形磁石１４は、光軸２を中心として螺旋状に
スリーブ９内に設けられた凹部１５内で強制的に案内さ
れているため、矩形磁石を上述したように軸２を中心と
して回転運動した場合に、光軸２の方向にも強制的に移
動させられる。この様にして、レンズ群を光軸２方向の
所望位置に調節可能となる。矩形磁石１７は通路の光軸
２方向の全長に渡って延びているので、２つの磁石１４
と１７との間の磁場はそれぞれの位置とは無関係に常に
維持されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による対物レンズの長手方向の断面図。

【図２】対物レンズのスリーブの長手方向の断面図。

【図３】第２図に示すスリーブの正面図。

【符号の説明】

１ハウジング２光軸３閉鎖窓４閉鎖窓５ねじリング６ねじリング７Ｏリング８Ｏリング９スリーブ１０フランジ１１マウント１２レンズ１３内側の構成部品１４円形磁石１５凹部（通路）１６通路端部１７矩形磁石１８外側の構成部品１９支持リング２０調節リング２１軸受リング２２割りワッシャ２３ピン（ストッパ）２４凹部

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【手続補正書】

【提出日】平成８年６月１４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図２

【補正方法】変更

【補正内容】

【図２】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ハウジング（１）と、ハウジング（１）内に移動及び回転可能に配置され、且
つ、内側の磁石（１４）が設置された光学的構成部品
（１３）（内側の構成部品）と、内側の磁石（１４）と磁気的に結合可能に、且つ、可動
にハウジング（１）に組付けた外側の構成部品（１８）
に設けられた外側の磁石（１７）と、からなる光学装置において、内側の磁石（１３）がハウジング（１）に設けられた螺
旋形通路（１５）内で案内されることを特徴とする光学
装置。
【請求項２】内側の磁石（１３）が円形磁石であり、
外側の磁石（１７）が矩形磁石であることを特徴とする
請求項１記載の光学装置。
【請求項３】光軸（２）方向について、円形磁石（１
３）が移動する螺旋形通路の長さ以上に矩形の外側の磁
石（１７）が延びていることを特徴とする請求項１又は
請求項２記載の光学装置。
【請求項４】矩形の外側の磁石（１７）が外側の構成
部品（１８）に配置され、且つ、この外側の構成部品を
介して回転可能にハウジングに組み付けられていること
を特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の光学
装置。
【請求項５】外側の磁石の内側の磁石（１７と１３）
と向き合った有効な端面と、内側の磁石の有効な端面に
対する比が２から３、好ましくは約２．５であることを
特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の光学装
置。
【請求項６】螺旋形通路（１５）がハウジング（１）
の内部に固定されたスリーブ（９）内壁の凹部（１５）
として形成されており、この凹部が周面角度の約２７０
゜に渡って延びていることを特徴とする請求項１〜５の
いずれか１項に記載の光学装置。
【請求項７】外側の構成部品（１８）の回転運動が両
方向においてハウジングに固定されたストッパ（２３）
によって制限されていることを特徴とする請求項１〜６
のいずれか１項に記載の光学装置。
【請求項８】磁石（１３、１７）が半径方向に分極さ
れていることを特徴とする請求項１〜７のいずれか１項
に記載の光学装置。
【請求項９】外側の構成部品（１８）が外側の磁石
（１７）を収容する支持リング（１９）を有し、この支
持リングが２つの半曲面板からなり、且つ半曲面板を包
囲する一体的な調節リング（２０）によって保持されて
いることを特徴とする請求項１〜８のいずれか１項に記
載の装置。