JPH0951946A - 血液処理用ポリオレフィン製複合微多孔質膜 - Google Patents

血液処理用ポリオレフィン製複合微多孔質膜

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JPH0951946A
JPH0951946A JP7206127A JP20612795A JPH0951946A JP H0951946 A JPH0951946 A JP H0951946A JP 7206127 A JP7206127 A JP 7206127A JP 20612795 A JP20612795 A JP 20612795A JP H0951946 A JPH0951946 A JP H0951946A
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microporous
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JP7206127A
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Michio Sugano
道夫 菅野
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来開発されてきた血液処理用微多孔質膜の
難点であった高分子量成分の濾過性を大幅に改善し、血
漿分離膜、血球分離膜、血漿成分分離膜、腹水処理膜等
として用いた際の安全性は極めて高い、血液処理用微多
孔質膜を得ること。 【解決手段】 分離機能を担う微多孔質層a層の少なく
とも片面に補強機能を担う微多孔質層b層を積層し、微
孔が該複合微多孔質膜の一表面から他表面に向かって連
通しており、該微多孔質膜の微孔を構成するミクロフィ
ブリル束及びスタックドラメラの結節部が、複合微多孔
質膜プレカーサー100重量%に対して3〜30重量%
の親水性共重合体にて覆われているとともに、a層中に
存在する微孔のミクロフィブリル束間の平均距離Da
と、b層中に存在する微孔のミクロフィブリル束間の平
均距離Dbの比が1.3≦Db/Da≦15となるよう
血液処理用微多孔質膜を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は血液より血球成分と
血漿成分との分離、腹水中の属性有機成分の除去、各種
輸液成分の除去、各種の除菌フィルターとして有用に用
いられる血液処理用親水性多孔質ポリオレフィン中空糸
膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】親水化された多孔質ポリオレフィン中空
糸膜は、強度が強く破損しにくいこと、乾燥した膜でも
特殊な親水化処理を施さずに使用しうるというハンドリ
ング性の良好さから、血液処理用中空糸膜として有用に
用いられているが、延伸開孔法によって作ったポリオレ
フィン中空糸膜の孔形状はスタックドラメラと、スタッ
クドラメラ間を結ぶミクロフィブリルとによって形成さ
れる短冊状構造であり、血液処理を行った際、血球成分
に欠損を与える難点があるといわれている。
【0003】血液処理に用いるポリオレフィン製中空糸
膜で、血球成分に損傷を与えにくい膜とするには、ポリ
オレフィン多孔質膜を構成するミクロフィブリルをリニ
アポリマーで結束し、短冊状微孔を長円状化する方法が
特公平4−1653号公報、特公平3−70539号公
報に示されている。
【0004】特公平4−1653号公報に開示された発
明は、延伸開孔法によって作った多孔質ポリオレフィン
中空糸膜をエチレン−ビニルアセテート共重合体の溶液
で処理し、スタックドラメラ間を結合するミクロフィブ
リルを結束して長円状の微孔を有する多孔質構造の中空
糸膜に変換し、次いでエチレン−ビニルアセテート共重
合体を加水分解してエチレン−ビニルアルコールに変換
し、親水化ポリオレフィン中空糸とするものである。
【0005】特公平3−70539号公報に示された発
明は、繊維軸方向に配向した複数のミクロフィブリル
を、線状高分子で結束したミクロフィブリル束と、該束
とその両端において交差して結合するスタックドラメラ
からなる結節部とにより、形成されるセル構造の膜を有
する網目状多孔質中空糸膜であって、ミクロフィブリル
およびスタックドラメラは結晶性高分子からなり、更に
該セル構造の膜は、全体としてほぼ均一なる次元網目構
造をなし、その空間部分は、繊維軸方向に配向した長円
状の貫通孔を形成しておりスタックドラメラ間の平均間
隔(1s)μm、ミクロフィブリル束の平均間隔(d
b)μmおよび両者の比が 0.2≦1s≦5 (μm) 0.1≦ds≦3 (μm) 1≦1s≦ds≦5 の関係にあり、かつ内表面部のミクロフィブリル束の平
均間隔(dbi)μm、外表面部のミクロフィブリル束
の平均間隔(dbo)μm、膜厚方向中央部のミクロフ
ィブリル束の平均間隔(dbc)μmが 0.8≦dbc/dbi≦1.2 0.8≦dbc/dbo≦1.2 の関係ある、中空糸膜にある。
【0006】そして、この多孔質中空糸膜は、延伸開孔
法によって作ったポリオレフィン中空糸膜前駆体をエチ
レン−ビニルアルコール共重合体で処理し、前駆体中の
ミクロフィブリルをエチレン−ビニルアルコール共重合
体で結束すると共に、スタッドラメラを被覆することに
よって前駆体中の短冊状孔を長円状の微孔に変えてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】多孔質中空糸膜を血液
処理膜として用いる場合、膜には次のような機能や特性
が要求される。 血球成分の阻止率が高く、血漿成分の濾過特性に優
れていること 小型の血液分離装置とすることができ、かつ、低圧
での血漿分離能を備えていること 血液分離処理の際、膜構成成分の血液中への溶解成
分を有していないこと
【0008】治療を目的とする血漿分離においては、血
液よりの除去対象物質として免疫グロブリン、免疫複合
体、低比重リポ蛋白等が挙げられ、これらの除去物質は
一般的に分子量が数十万〜数百万、分子サイズは300
Å〜500Åという巨大高分子である。
【0009】一方、血漿分離においては、有用血漿成分
を採取する必要があり、血漿成分を構成するアルブミン
の分子量は6万、分子サイズは40Å×120Åと比較
的低分子の物質であり、免疫グロブリン、フィブリノー
ゲンは分子量34万、分子サイズ30Å×150Åと比
較的高分子な物質もある。このように治療、血漿採取に
行われる濾過では、膜に透過すべき物質の分子サイズは
数百Åの巨大高分子であり、膜の分画特性は目的に応じ
たものであることが必要である。また血液処理装置とし
ての観点よりみると、血液処理をできるだけ短時間で行
い得ること、体外循環血液量、すなわちプライミングボ
リュウムの小さな血液処理装置となしうることが必要と
なる。
【0010】このような観点よりみると、特公平4−1
653号公報、及び、特公平3−70539号公報に示
された発明の中空糸膜は血液処理用中空糸膜としての適
性を備えているが、その膜厚は40〜70μと比較的厚
く、かつ、長円状貫通孔が膜壁内に均一に開孔されてい
るため、血液の濾過速度を高めることが難しく、また、
可成りの濾過圧をかける必要があり、プライミングボリ
ュウムのより小さな血液処理装置を作るには、いま、一
歩低圧での血液濾過ができ、かつ、濾過速度のより大き
な血液処理用微多孔質膜の出現が待たれているところで
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
高分画特性を有し、高透水性を備え、血液濾過に用いた
場合、血液構成成分に損傷を与えにくい血液処理用多孔
質中空糸膜を得るべく検討した結果本発明を完成した。
【0012】本発明の要旨とするところは、分離機能を
担う微多孔質層a層の少なくとも片面に補強機能を担う
微多孔質層b層を積層したポリオレフィン製複合微多孔
質膜であり、a層及びb層の各層が膜の延伸軸方向に配
向した複数のミクロフィブリル束とミクロフィブリル束
の両端において結合するスタックドラメラの結節部にて
構成される楕円状の微孔の積層体にて構成され、該微孔
が該複合微多孔質膜の一表面から他表面に向かって連通
しており、該微多孔質膜の微孔を構成するミクロフィブ
リル束及びスタックドラメラの結節部が複合微多孔質膜
プレカーサー100重量%に対して、3〜30重量%の
親水性共重合体にて覆われているとともに、a層中に存
在する微孔のミクロフィブリル束間の平均距離Daと、
b層中に存在する微孔のミクロフィブリル束間の平均距
離Dbの比が1.3≦Db/Da≦15となる範囲にあ
ることを特徴とする血液処理用ポリオレフィン製複合微
多孔質膜にあり、とくに、b層中の微孔のミクロフィブ
リル束間の平均距離Dbが0.2〜1.0μmであり、
b層中の、スタックドラメラの結節部間の平均距離Lb
が、0.4〜4.0μmであることを特徴とする血液処
理用ポリオレフィン製複合微多孔質膜である。また、本
発明のポリオレフィン多孔質膜はバブルポイント法で測
定した膜の最大孔径が0.05〜1.0μmである点に
も特徴を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の血液処理用微多孔質膜は
膜厚が5〜500μの範囲にあり、補強機能を受け持つ
微多孔質層b層が分離機能を受け持つ微多孔質層a層の
片面に積層されている複層構造となっている。本発明の
血液処理用の微多孔質膜の構造中の、a層及びb層は、
微孔を有しており、該微孔は膜の延伸軸方向に配列して
おり、かつ、該微小空孔はa層内、b層内、及び、a層
b層間で互いに連通して、該複合微多孔質膜の一方の表
面から他方の表面まで積層連通した微孔を形成した非対
象構造膜である。
【0014】a層において形成される微孔は、膜の延伸
軸方向に配列したミクロフィブリル束と、膜の延伸軸と
垂直方向に配列したスタックドラメラとの結節部とから
形成され、ミクロフィブリル束と該結節部との間隙部分
が楕円状微細孔となっている。a層中の微孔の大きさと
しては、ミクロフィブリル束間の平均距離Daで、0.
1〜0.8μmであることが好ましく、より好ましくは
0.3〜0.5μmの範囲である。ミクロフィブリル束
間の平均距離Daを0.3μm以上とした本発明の微多
孔質膜で透水量高く、低圧での血液濾過性が良好であ
り、また、Daが0.5μm以下の微多孔質膜は微粒子
の阻止能力が良好、つまり高分画な膜となっている。
【0015】a層の厚みは、0.5〜20μmであるこ
とが好ましく、より好ましくは3〜12μmの範囲であ
る。a層の厚みを0.5μm未満とすると、a層中にピ
ンホール欠陥が発生しやすい傾向にあり、一方、a層の
厚みを20μmを越えたものとすると、複合微多孔質膜
の透水量が低下する傾向にあり、低圧での血液濾過性が
不足しプライミングボリュウムの小さな血液処理装置と
することが難しくなる。またa層の膜厚は全膜厚の1/
3以下であることが好ましく、これより厚い複合微多孔
質膜は透水性能が急激に低下し、低圧での血液濾過特性
の低下が認められるようになる。
【0016】微多孔質層b層は、複合膜において分離機
能を受け持つ微多孔質層a層を支持する補強機能を担っ
ている。b層もa層と同じく膜の延伸軸方向に配向した
微孔の積層構造を有しており、この微孔はミクロフィブ
リル束とスタックドラメラの結節部とから形成されてい
る。b層中の微孔の大きさとしては、ミクロフィブリル
束間の平均距離Dbで、0.2〜1μmであることが好
ましく、より好ましくは0.4〜0.5μmの範囲であ
る。Dbが0.2μm未満となる微孔からなるb層を有
する複合微多孔質膜では水透過速度が低下する傾向にあ
り、一方、Dbが1μmを越える場合、微孔を有するb
層を備えた複合微多孔質膜の機械的強度が低下する傾向
にある。
【0017】また、b層中のスタックドラメラの結節部
間平均距離Lbは、0.4〜4.0μmであることが好
ましく、より好ましくは0.7〜2.0μmの範囲であ
る。Lbが0.4μm未満となる微孔からなるb層を有
する複合微多孔質膜では水透過速度が低下する傾向にあ
り、Lbが4.0μmを越える場合、複合微多孔質膜の
機械的強度が低下する傾向にある。
【0018】本発明では、DbとDaの比が1.3≦D
b/Da≦15なる範囲であることが必要である。Db
/Daが1.3未満の複合微多孔質膜では、本発明の目
的とする高分画で透水量が大きい膜とはなりにくい。ま
た、Db/Daが15を越えるような複合微多孔質膜
は、その膜を安定に製造することが難しい傾向にある。
【0019】本発明の複合微多孔質膜では、バブルポイ
ント法により求めた膜の最大孔径が0.05〜1.0μ
mなる範囲にあることが好ましい。最大孔径が0.05
μm未満の複合微多孔質膜では水透過速度が低下する傾
向にあり、1.0μmを越える場合、機械的強度が低下
する。本発明の複合微多孔質膜の特徴は、微多孔質膜が
上記の複合構造を有しているため、高分画で高フラック
スであることにある。
【0020】本発明の微多孔質膜を形成する素材として
用いるポリオレフィン類は、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4
−メチルペンテン−1、ポリフッ化ビニリデン単独又は
これら重合体の混合物を用いることができる。本発明の
血液処理用微多孔質膜は、膜素材として溶出成分の含有
量が少なく、かつ、血液適合性を備えた素材を用いるこ
とが好ましい。
【0021】本発明において用いるポリオレフィン類の
ASTM D−1238によって測定したMI値(メル
トインデックス値)は0.1〜50の範囲、好ましくは
0.3〜15の範囲である。MI値が0.1未満のポリ
オレフィンはその溶融粘度が高過ぎるため、その賦形が
難しく所望とする微多孔質膜を作ることができない。ま
たMI値が50を越えるポリオレフィンは逆に溶融粘度
が低過ぎて安定な賦形を行うことができない。
【0022】本発明を実施するに際して用いるポリオレ
フィンの密度は用いる素材によって異なるが、例えばポ
リエチレンの場合には0.95g/cm以上である
ことが好ましく、ポリプロピレンの場合には0.91g
/cm3 以上であることが好ましい。
【0023】本発明の微多孔質膜を作るに際し、a層形
成用ポリオレフィンのMI値MIaとb層形成用ポリオ
レフィンのMI値MIbとはMIa<MIbなるように
選定すると、a層形成用ポリオレフィンの密度ρaと、
b層形成用ポリオレフィンρbがほぼ等しくても、本発
明の複合微多孔質膜を得ることができる。逆に、ρa<
ρbとなる様にそれぞれのポリオレフィンを選定する
と、MIa、MIbがほぼ等しくても、本発明の複合微
多孔質膜を得ることができる。好ましくは、MIa<M
Ib、ρa<ρbなる関係を両方満たす様に、それぞれ
のポリオレフィンを選定すると、本発明の複合微多孔質
膜を効率よく作ることができる。
【0024】なお、本発明でいう微孔のミクロフィブリ
ル束間の平均距離は次の如くして測定したものである。
微多孔質膜より膜の延伸方向に極薄切片を切出したサン
プルの6500倍の透過型電子顕微鏡写真より6cm角
の部分を画像処理装置のCRT画面に取り込む。(図1
にこの画像を示す)。取込画像の上辺部より膜延伸方向
に直角となる方向に、下辺部まで、順次0.052μm
ピッチで1本目からn本目までの走査線を引く。そし
て、ミクロフィブリル束間の平均距離が測定できない微
孔部分は除外して、1本目の走査線の内、孔部部分を通
過する線分の各距離、例えばa1 の和を求め、次いで、
2本目の走査線について同様に例えばb1 からb6 の和
を求め、順次n本目の走査線の例えばn1 からn6 の和
を求めて総和(距離総和)を出す。次に、各走査線が通
過した微孔の数(1本目の走査線では5つ、2本目は6
つ、n本目は6つ)の総和(数総和)を求めて、距離総
和/数総和を平均間隔Da、Dbとする。
【0025】本発明の複合微多孔質中空糸膜を作るに
は、先ず中間体たる複合多孔質中空糸膜プレカーサーを
作り、次いで、親水性共重合体で被覆処理を行えばよ
い。そして該プレカーサーを作るには、上記条件を満足
したポリオレフィンを選定し、複合紡糸法によって製膜
するのがよく、同心円状に配設した二つの円環状の吐出
口を有するノズルを用いるのがよい。
【0026】紡糸温度としては、ポリオレフィンの融点
以上(好ましくは融点より10〜100℃高い温度とす
る)、吐出物は10〜40℃の雰囲気中0.1〜3m/
秒なる取引速度で引取り、得られた多層体を、そのまま
か、又は、ポリオレフィンの融点以下の温度(好ましく
は融点より5〜50℃低い温度)で熱処理を行ってスタ
ックドラメラを形成させた後、延伸し多層体に開孔処理
を行う。延伸は冷延伸に引き続き、熱延伸を行うのがよ
い。冷延伸は、比較的低い温度で多層体の構造破壊を起
こさせてスタックドラメラ間にミクロクラックを発生さ
せる過程であり、この冷延伸は0℃〜ポリマーの融点よ
り50℃低い温度の範囲で行うのが好ましい。ポリオレ
フィンとしてポリエチレンを用いた場合、この冷延伸温
度は0〜80℃、好ましくは10〜50℃の範囲であ
る。また、冷延伸倍率としては、5〜100%が好まし
い。5%以下ではミクロクラックの発生が不十分とな
り、目的とする孔径が得られ難くなる。また、100%
以上ではミクロクラックの発生数が多くなり支持層(b
層)に目的とする大きい孔径を形成し難くなる。
【0027】次いで行う熱延伸は多層体中に発生させた
ミクロクラックを拡大させ、スタックドラメラ間にミク
ロフィブリルを形成せしめ、スリット状の微孔を有する
多孔質膜とする過程である。熱延伸温度としては、ポリ
オレフィンの融点を越えない範囲で、できるだけ高い温
度で行うのがよい。また、熱延伸倍率としては、目的と
する孔径により適宜選択すればよいが、50〜2000
%、好ましくは100〜1000%の範囲とするのが工
程安定性の点でよい。さらに得られた微多孔質膜プレカ
ーサーの寸法安定性を得るため、この膜を定長下、また
は、少し弛緩させた状態で熱セットを行う。熱セットを
効果的に行うためには、熱セット温度は延伸温度以上、
融点温度以下であることが好ましい。
【0028】次に、得られた多層複合膜プレカーサーに
恒久親水性を付与する。本発明で用いる親水性共重合体
は、エチレンを20モル%以上、親水性モノマーを10
モル%以上含む共重合体であり、これら共重合体は、ラ
ンダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポ
リマー等いずれのタイプの共重合体であってもよい。共
重合体に占めるエチレン含量が20モル%未満では、共
重合体はプレカーサーに対して親和性が弱く、プレカー
サーを親水性共重合体溶液に浸漬処理し、プレカーサー
100重量%に対して3〜30重量%なる割合で親水性
共重合体を被覆することができず、好ましくない。
【0029】本発明で使用する親水性共重合体を重合す
る際に使用する親水性モノマーとしては、例えばビニル
アセテート、(メタ)アクリル酸及びその塩、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリル酸エステル、ビニルピロリドン、ア
クリルアミド等のビニル化合物をあげることができる。
また、本発明に用いる親水性共重合体は、エチレン及
び親水性モノマー以外の第三成分を一種以上含んでいて
もよく、第三成分としては例えば酢酸ビニル、(メタ)
アクリル酸エステル、ビニルアルコール脂肪酸エステ
ル、ビニルアルコールのフォルマール化物若しくはブチ
ラール化物等をあげることができ、とくに、エチレン−
ビニルアセテート共重合体の加水分解物であるエチレン
−ビニルアルコール共重合体が好ましい。
【0030】微多孔質膜プレカーサーへの親水性共重合
体の被覆量はプレカーサー重量換算で3〜30重量%の
範囲とする。親水性共重合体の被覆量が3重量%未満の
微多孔質膜は水との親和性が乏しく、微多孔質膜への通
水性が不足し、一方、親水性共重合体の被覆量が30重
量%を越えて多くなると共重合体による微多孔質膜の孔
の閉塞などが起こり易く、その透水性が低下し易い。
【0031】本発明において用いられる共重合体の溶剤
は、水混和性有機溶剤であることが好ましく、その具体
例としては、メタノール、エタノール、N−プロパノー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等をあげること
ができる。これら溶剤は単独でも用い得るが、水との混
合物は親水性共重合体に対する溶解性が強いので、より
好ましい。また、親水性共重合体を被覆した微多孔質膜
を乾燥するに際して用いる溶剤の蒸気含有雰囲気の作り
易さ、すなわち、溶剤の蒸気圧の低さ、人体に対する低
毒性の点から、沸点100℃未満のアルコール類例えば
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等と
水の混合系溶剤を用いることが特に好ましい。
【0032】水混和性有機溶剤と水との混合割合は、そ
のプレカーサーへの浸透性を阻害せず、共重合体の溶解
を低下せしめない範囲であればよく、用いられる共重合
体の種類によっても異なるが、有機溶剤としてエタノー
ルを用いる場合、エタノール/水の割合は、90/10
〜30/70(vol%)の範囲であることが好まし
い。
【0033】親水性共重合体溶液の濃度は、0.1〜1
0重量%程度、好ましくは0.5〜5重量%の範囲であ
る。濃度が0.1重量%未満の溶液でプレカーサーを処
理したものは親水性共重合体の均一な被覆を行うことが
難しく、10重量%を越えると溶液粘度が大きくなり過
ぎ、該溶液でプレカーサーを処理すると、多層複合膜の
微孔が共重合体で閉塞されてしまう。親水性共重合体溶
液にプレカーサーを浸漬する方法としては、同じ濃度の
共重合体溶液に2回以上浸漬処理を行ってもよく、濃度
の異なる溶液に浸漬を2回以上行ってもよい。
【0034】浸漬処理を行う親水性共重合体溶液の温度
は、高い程その粘度は低下し、プレカーサーへの溶液の
浸透性が向上し好ましいが、安全面からその溶液の沸点
以下であることが好ましい。浸漬処理時間は、用いるプ
レカーサーの膜厚、微孔径、空孔率により異なるが、数
秒〜数分の範囲とするのが好ましい。
【0035】プレカーサーは親水性重合体溶液に浸漬
後、乾燥処理を行う前に有機溶剤の蒸気が3vol%以
上含まれ、温度が室温から該溶剤の沸点以下の温度にあ
る雰囲気下に立ち上げ少なくとも30秒間以上滞在させ
セッティング工程を施すことが必要である。
【0036】この処理工程の目的は、プレカーサーを構
成するミクロフィブリルとスタックドラメラとの結節部
の表面に親水性共重合体の皮膜を形成することによる微
孔の閉塞を防止することにある。又、ミクロフィブリル
を結束させてスリット状の微孔を大孔径化して楕円状の
微孔を作り、透水量の増大を図ると共に、処理水との親
和性を高めることにある。
【0037】本セッティング工程中での親水性共重合体
のプレカーサー表面での皮膜形成を防ぐには、プレカー
サー表面での急速な乾燥を防ぐ必要があり、そのために
は、共重合体溶液のプレカーサー表面での蒸発速度を押
え、かつ、プレカーサー表面が溶剤で濡れている状態に
保つことが必要であり、この観点から、セッティング工
程の雰囲気は水混和性有機溶剤の蒸気が3vol%以上
の雰囲気下にすることが必要となる。
【0038】該セッティング工程におけるプレカーサー
よりの溶剤の蒸発速度は極力遅くする方が好ましく、セ
ッティング工程の雰囲気は溶剤の飽和蒸気濃度に近い雰
囲気とする方がよい。また、この工程でのプレカーサー
表面での溶剤の蒸発を遅くするには、セッティング温度
を低温にする方がよいが、余り低過ぎるとセッティング
工程での脱溶剤が進まないという現象が起こり好ましく
ない。従って、該雰囲気の温度は室温以上、水混和性溶
剤の沸点以下とすることが好ましい。
【0039】浸漬後のプレカーサーは浸漬浴より該雰囲
気中に立ち上げるが、立ち上げの角度は45°〜90°
の範囲とするのが好ましい。立ち上げることによりプレ
カーサーに付着した共重合体溶液の一部が自重によって
プレカーサーより脱液される。その脱液量は、プレカー
サーの浴よりの立ち上げる速度、浸漬溶液の粘度、プレ
カーサーの浴面からの立ち上げる高さ等により異なる。
このセッティング工程での脱液効果を高めるための補助
手段として、ガイド、スリット等によりプレカーサー表
面にある溶液の拭き取りを併用してもよい。
【0040】このセッティング時間は、少なくとも30
秒が必要であり、この間に、溶剤のプレカーサーからの
蒸発に伴う共重合体溶液の濃縮と膜のミクロフィブリル
とスタックドラメラ表面でのマイグレーションによる均
一化が行われる。特に、プレカーサーを連続的に親水性
共重合体溶液にて処理する場合、このセッティング時間
は、少なくとも30秒以上必要である。
【0041】30秒未満のセッティングでは溶剤の蒸発
に伴う濃縮が不十分であって、過剰の溶液がプレカーサ
ーに付着した状態で乾燥を行うことになり、親水性共重
合体により微孔の閉塞が発現し、併せて、共重合体の膜
構造内での均一付着化が不十分となり、透水性能、分画
性能の良好な微多孔質膜が得られにくい。なお、上記セ
ッティング時間を30秒とした時の溶剤のプレカーサー
からの蒸発量は、用いた親水性共重合体溶液の15〜3
0%程度であることが好ましい。
【0042】セッティング工程でのプレカーサーよりの
溶剤の蒸発量をコントロールする方法としては、セッテ
ィング雰囲気温度、該雰囲気中に空気や不活性ガス等の
気体を送風する方法等をあげることができる。セッティ
ングを終了したプレカーサーの乾燥処理は、真空乾燥、
熱風乾燥等公知の乾燥方法によればよい。乾燥温度は複
合微多孔質膜が熱によって変形を受けない温度であれば
よい。例えばポリエチレン製複合微多孔質膜の場合には
120℃以下の温度で乾燥するのが好ましく、40〜7
0℃の温度で乾燥することが特に好ましい。
【0043】複合微多孔質膜に対する親水性共重合体の
付着量は、基質である複合微多孔質膜プレカーサーの重
量に対して、濾過特性の点からおよぞ1〜30重量%、
好ましくは3〜15重量%である。
【0044】この親水性共重合体の被覆処理により微多
孔質膜プレカーサーのミクロフィブリルは収束されてミ
クロフィブリル束となり、また、スリット状微孔は楕円
状微孔となる。
【0045】また、本発明の血液処理用多孔質中空糸膜
は、エチレンオキサイトガス処理、高圧水蒸気処理、γ
線照射処理によって殺菌することができる。
【0046】本発明の血液処理用中空糸膜は乾燥状態で
取扱えられるという良好なハンドリング性を有している
とともに、従来開発されてきた血液処理用微多孔質膜の
難点であった高分子量成分の濾過性は大幅に改善されて
おり、血漿分離膜、血球分離膜、血漿成分分離膜、腹水
処理膜等として用いた際の安全性は極めて高い。また、
本発明の血液処理用中空糸は高分画であるにもかかわら
ず、濾過速度が高いため、プライミングボリュウムが小
さく、かつ、血球成分に損傷を与えにくい膜である。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。なお、実施例中の各種測定、評価は下記の方法
によった。
【0048】1 雰囲気中のエタノール濃度は、ガス検
知管(商品名{ガステック検知管}ガステック株式会
社)を用いた。
【0049】2 親水性共重合体の被覆量は下記式に従
って算出した。
【数1】
【0050】3 膜の透水量は有効膜面積70〜90c
2 のミニモジュールを作成し、差圧1kg/cm2
イオン交換水を濾過しその時の透水量を測定した。
【0051】4 ラテックス標準粒子による捕捉粒子径
は、膜面積が約50cm2 の中空糸膜のモジュールで
0.1wt%の界面活性剤(ポリエチレングリコール−
p−イソオクチルフェニルエーテル)水溶液で膜内の空
気を置換した後、圧力0.7kg/cm2 で0.1%の
所定粒子径の単一分散粒子径のポリスチレンラテックス
粒子を濾過し、濾液のラテックス粒子の濃度を日立分光
光度計(U−3400)により320nmの波長で測定
し捕捉率を求めた。
【0052】5 バブルポイント(以下B.P.と略
す)は、膜面積約50cm2 の中空糸膜のモジュールを
中空糸膜の部分が完全に浸るように濃度95%以上のエ
タノール中に浸漬する。中空糸膜の多孔質内部がエタノ
ールで十分濡れるように中空糸膜内部からエタノールを
100ml以上吸引した後、浸漬状態のままで中空糸膜
内部に窒素を送り込み10秒ごとに0.1kg/cm2
きざみで空気圧を昇圧する。気泡が中空糸膜のほぼ全表
面から発生し気泡発生箇所の間隔が1mm以内になった
時の窒素圧力をバブルポイントとする。なお、B.P.
からの平均孔径は以下の関係式より算出した。 P=2σcosθ/r P:圧力(バブルポイント値) σ:エタノールの表面張力 θ:エタノールと膜の接触角 r:平均細孔半径
【0053】6 膜の空孔率は、カルロエルバ社製水銀
ポロシメーター221型を用いて測定した。
【0054】7 微孔のミクロフィブリル束間の平均距
離は、前記の方法で測定した。 8 a層又はb層中の微孔のスタックドラメラとミクロ
フィブリル束との結節部間の平均距離La又はLbは、
微孔のミクロフィブリル束間の平均距離の測定方法と同
じ方法(ただし、走査線は膜延伸方向であり、ピッチ巾
は0.045μmとした)で算出した。
【0055】血漿濾過速度(ml/m2 .hr.mmH
g)の測定は牛ACD(クエン酸−クエン酸Na−ブド
ウ糖)加血液(ヘマトクリット35%)を用い、37℃
にて膜に対する高圧30mmHgをかけた時の血漿濾過
速度を測定。
【0056】<実施例1>密度0.968g/cm3
MI値0.35の高密度ポリエチレン(BU004F、
三菱化成株式会社製)67重量%と、密度0.962g
/cm3 、MI値0.35の高密度ポリエチレン(BT
004、三菱化成株式会社製)33重量%とを二軸押出
機により温度180℃にて溶融混練し、密度0.966
g/cm3、MI値0.35のブレンドポリマーを得
た。
【0057】次に、このブレンドポリマーをa層形成用
ポリマーとして、上記の密度0.968g/cm3 、M
I値0.35の高密度ポリエチレンをb層形成用ポリマ
ーとして同心円状に配置された二つの円管状の吐出口を
有する中空糸製造用ノズルを用いて吐出温度180℃、
巻取速度35m/分にて溶融紡糸した。このとき、外側
の吐出口からブレンドポリマー、内側の吐出口から前記
の高密度ポリエチレンをそれぞれ吐出量比1/5、全体
の吐出量7.5cc/分、吐出口、吐出線速度57cm
/分、ドラフト比75となるように吐出した。さらにノ
ズルから吐出された糸に温度20℃、風速0.5m/秒
の冷却風を糸の周囲に均一に流しながら巻取り、未延伸
複合中空糸を得た。
【0058】得られた未延伸中空糸をボビンに巻いたま
ま、125℃に加熱した空気中で16時間熱処理した。
さらにこのアニール処理糸を30℃に保たれたローラー
間で16%冷延伸し、引き続いて119℃に加熱された
加熱炉中で総延伸量が400%になるようにローラー間
熱延伸を行い、さらに123℃に加熱した加熱炉中で定
長のまま熱セットを行い、二層よりなる複合微多孔質中
空糸膜プレカーサーを得た。
【0059】次に、エチレン含有量32モル%のエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体(ソアノールDC320
3、日本合成化学株式会社製)を70℃のエタノール/
水=40/60vol%混合溶液に2.0重量%溶解し
た親水性共重合体溶液を調整した。この親水性共重合体
溶液中に上記のプレカーサーを30秒間浸漬した後、プ
レカーサーを引き上げ、ガイドにより該プレカーサー表
面に過剰に付着した親水化剤溶液の一部を絞り落とし
た。引き続き、エタノール蒸気濃度40vol%、60
℃の雰囲気中に立ち上げ角度90°で立上げ、80秒間
滞在させて複合中空糸の微小空孔内表面に親水化剤を均
一付着させた後、70℃の熱風にて溶剤を乾燥した。そ
の時のエチレン−ビニルアルコール共重合体の付着率は
10.5重量%であった。
【0060】得られた複合微多孔質中空糸膜を走査型電
子顕微鏡にて観察したところ、該複合微多孔質中空糸膜
の内外表面及び微孔内表面はエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体の薄膜で均一に覆われており、内層中の微孔
のミクロフィブリル束の平均距離は0.54μm、外層
中の微孔のミクロフィブリル束間の平均距離は0.35
μmであった。このとき、孔径比はDb/Da=1.5
4、分離機能層である外層の膜厚は8μmであった。得
られた膜の膜特性を表1に示す。
【0061】<実施例2>紡糸における外側と内側の吐
出比を1/4、全体の吐出量を3.0cc/分、吐出口
とした以外は実施例1と同じ条件で複合微多孔質中空糸
膜を作作成した。得られた複合微多孔質中空糸膜の膜特
性を表1に示す。
【0062】<比較例1>一つの円管状の吐出口を有す
る中空糸製造用ノズルを用いて、密度0.968g/c
3 、MI値5.5の高密度ポリエチレンを吐出量7.
8g/分で吐出した。その時の吐出温度は160℃であ
り、100m/分の巻取速度で巻取った。
【0063】得られた未延伸糸をボビンに巻いたまま空
気中で115℃で12時間熱処理を行った。さらに、こ
の熱処理糸を30℃以下に保たれたローラー間で80%
冷延伸し、引き続いて110℃に加熱された加熱炉中で
総延伸量が400%になるようにローラー間熱延伸を行
い、さらに120℃に加熱した加熱炉中で総延伸量の2
5%緩和させた状態で熱セットを行い多孔質膜を得た。
親水化処理工程は実施例1と全く同様にして行った。得
られた微多孔質中空糸膜の膜特性を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】本発明の血液処理用ポリオレフィン製複
合微多孔質膜は乾燥状態で取扱えられるという良好なハ
ンドリング性を有しているとともに、従来開発されてき
た血液処理用微多孔質膜の難点であった高分子量成分の
濾過性は大幅に改善されており、血漿分離膜、血球分離
膜、血漿成分分離膜、腹水処理膜等として用いた際の安
全性は極めて高い。また、本発明の血液処理用中空糸は
高分画であるにもかかわらず、濾過速度が高いため、プ
ライミングボリュウムが小さく、かつ、血球成分に損傷
を与えにくい膜である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の血液処理用ポリオレフィン製
複合微多孔質膜の、ミクロフィブリル束間の平均距離及
びスタックドラメラ間の平均距離を測定するに際して用
いたCRT画像の模式図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分離機能を担う微多孔質層a層の少なくと
    も片面に補強機能を担う微多孔質層b層を積層したポリ
    オレフィン製複合微多孔質膜であり、a層及びb層の各
    層が膜の延伸軸方向に配向した複数のミクロフィブリル
    束とミクロフィブリル束の両端において結合するスタッ
    クドラメラの結節部にて構成される楕円状の微孔の積層
    体にて構成され、該微孔が該複合微多孔質膜の一表面か
    ら他表面に向かって連通しており、該微多孔質膜の微孔
    を構成するミクロフィブリル束及びスタックドラメラの
    結節部が複合微多孔質膜プレカーサー100重量%に対
    して3〜30重量%の親水性共重合体にて覆われている
    とともに、a層中に存在する微孔のミクロフィブリル束
    間の平均距離Daと、b層中に存在する微孔のミクロフ
    ィブリル束間の平均距離Dbの比が1.3≦Db/Da
    ≦15となる範囲にあり、b層中の微孔のミクロフィブ
    リル束間の平均距離Dbが0.2〜1.0μmであり、
    b層中の、スタックドラメラの結節部間の平均距離Lb
    が、0.4〜4.0μmであることを特徴とする血液処
    理用ポリオレフィン製複合微多孔質膜。
  2. 【請求項2】 バブルポイント法で測定した膜の最大孔
    径が0.05〜1.0μmであることを特徴とする請求
    項1記載の血液処理用ポリオレフィン製複合微多孔質
    膜。
  3. 【請求項3】 親水性共重合体がエチレン−ビニルアル
    コール系共重合体であることを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載の血液処理用ポリオレフィン製複合微多孔
    質膜。
JP7206127A 1995-08-11 1995-08-11 血液処理用ポリオレフィン製複合微多孔質膜 Pending JPH0951946A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5211071B2 (ja) * 2007-12-06 2013-06-12 旭化成メディカル株式会社 血液処理用多孔質中空糸膜

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