JPH09512364A - 定性物理による機械故障の隔離 - Google Patents

定性物理による機械故障の隔離

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JPH09512364A JP7527656A JP52765695A JPH09512364A JP H09512364 A JPH09512364 A JP H09512364A JP 7527656 A JP7527656 A JP 7527656A JP 52765695 A JP52765695 A JP 52765695A JP H09512364 A JPH09512364 A JP H09512364A
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Abstract

(57)【要約】 機械の故障は機械の制約一時停止と機械の定性物理モデルとを用いて特定される(58)。受信した機械信号がモデル中に伝搬され(69)、変数に割り当てられた値のインプリカント(implicant)が求められ、他の変数にはインプリカントの集合に従って限定が加えられる(187)。ユーザは機械の構成を変更させる機械検査手順の実行を指示される(72)。検査実行時間は、ユーザが行う最良の検査を選択する際の要因となる(286)。機械の定性物理モデル(310)は、モデルの機械部晶の選択および相互接続を行う(306)グラフィカルユーザインタフェース(302)を用いて構成され、これによりユーザは標識ドメインを規定してモデルの変数の定性的値空間を定義できる。モデルの構築には一般的検査用テンプレートを用いることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】 定性物理による機械故障の隔離 本出願は、米国特許出願連続番号第07/549,520号(1990年7月 6日出願、放棄済み)の継続出願である第08/128,255号(1993年 9月28日出願)の一部継続出願である。技術分野 本発明はコンピュータソフトウェアの分野に関し、より特定的には人工知能コ ンピュータソフトウェアに関する。背景 機械が故障すると、その症状の原因を説明する選択肢は多岐にわたる場合が多 い。通常は、故障原因と考えられるすべての部品を修理したり交換したりするよ りも、機械をより詳細に観察してこれら選択肢のいくつかを除外するほうが経費 効率が高く、かつ時間の節約になる。機械を反復的に観察して、機械の故障原因 と考えられるものを除外していくプロセスは「故障隔離(failure isolation)」 と呼ばれる。 故障隔離は、故障ツリーと呼ばれる故障隔離の反復的検査除去方法を示したフ ローチャートの様なものを用いて手動で行える。ユーザは故障ツリーの各要素の 指示に応じてある特定の観察を行う。各要素からは複数の枝が伸びており、この 枝の各々は故障ツリーの異なる箇所へつながる。ユーザは現在の要素の指示する 検査の結果に基づいて特定の枝に従って進む。こうしてある点までくると、そこ からは枝分かれがない要素にたどりつく。この要素が故障を起こした特定の部品 または部品のグループを示すのである。 非常に大規模で複雑な機械では、この故障ツリーは何ページにもわたることが あり、時によっては何冊にもおよぶため、すべてたどり終えるのが困難である。 この解決策として、故障ツリーからの情報を含むプログラムであるルールベース 故障隔離システムが搭載されたコンピュータを使用して、このコンピュータから の指令に従ってユーザが検査を行い、結果を入力していく方法がある。 しかし、ルールベース故障隔離システムでも故障ツリーでも、ユーザが遭遇す る可能性のある故障モードは、作製時にすべて決定されていなければならないと いう問題がある。これは構造の単純な機械であればたやすいことだが、もっと複 雑な機械では不可能、または少なくとも極めて実行困難である。故障ツリーの設 計者またはルールベース故障隔離システムのプログラマは、機械の故障モードの いくつかを無視することがよくある。これはタスクの誤りによる不注意によるこ ともあるし、または出来上がりのサイズを現実的な制約内に抑えるために故意に 行うこともある。 このように故障ツリーまたはルールベース故障隔離システムが考え得るすべて の故障を隔離できないことを解決する方法は、Davis,Randall"Diagnostic Reas oning Based on Structure and Behavior",Artificial Intelligence,24(1984 ),347-410に記載されている。この中で、デイビスは「制約一時停止:コンスト レイント・サスペンション(constraint suspension)」 と呼ばれる、コンピュータが複数の機械モデルを生成する故障隔離システムを提 案している。各モデルは異なる部品または(部品グループが故障)したと仮定し 、検査結果と一致したモデルによってどの部品または部品のグループが故障して いるかが示される。 この制約一時停止方式の欠点は、多くのアナログ量を含む複雑な機械のモデル 化は非常にプロセッサ集約的であり、システムの稼働に要する時間が長くかかり すぎることである。これに対する解決策は、"HELIX: A Helicopter Diagnostic System Based on Qualitative Physics",Hamilton,Thomas,P.,International Journal of Artificial Intelligence in Engineering,Vol.3,No.3,July ,1988,pp 141-150に記載されている。この中でハミルトンは、制約一時停止を 定性物理と結合することを提案している。定性物理とは、アナログ量を有限組の 値をとり得る変数として表すモデル化技術である。有限の定性値の各々は異なる 範囲のアナログ量を表す。ただしハミルトンの論文は、当業者が定性物理の故障 隔離システムを作り上げてそれを用いることができるような詳細については述べ ていない。発明の概要 本発明の一実施形態では、機械の故障の特定は、以下のステップによって行わ れる。 1)複数の機械検査手順の各手順の一部を実行する推定時間の合計を求めること によって、各手順の実行時間を推定するステップ。各検査手順のうち現在の検査 構成では不必要な部分については合計には含まない。 2)機械検査手順のグループの中から検査成績が最高点の1つの検査手順を選択 することによって、ある特定の検査手順を選び出すステップ。検査成績は前記合 計に反比例する。 3)選び出した特定の検査手順をユーザに実行させてその結果を入力させるステ ップ。 4)複数の未決仮定を生成するステップ。各仮定には変数および等式を用いて故 障していないと推定される機械部品の動作を説明する合流点(confluen ces)の組が関連付けられる。 5)合流点の組に検査結果を示す値を伝搬させ(propagate)、合流点 の変数の値についての予測値の組を生成するステップ。 6)矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップ。 7)矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存するステップ。 8)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応答し て、1つ以上の特定の機械部品の故障の存在を示すステップ。 部品の健康状態検査の実行とその結果の入力、機械のパラメータの観察とその結 果の入力、またはそれらの組み合わせを行うようユーザに指令することが可能で ある。 本発明にさらに従えば、機械の故障の特定は、以下のステップによって行われ る。 1)ユーザに複数の機械検査手順のうちの1つを実行させて、その結果をプロセ ッサに入力させるステップ。検査手順は特定の部品または特定のパラメータのい ずれかに適用される一般的(generic)テンプレートである。 2)複数の未決仮定を生成するステップ。各仮定には変数および等式を用いて故 障していないと仮定される機械部品の動作を説明する合流点の組が関連付けられ る。 3)合流点の組に検査結果を示す値を伝搬させて、合流点の変数の値についての 予測値の組を生成するステップ。 4)矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップ。 5)矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存するステップ。 6)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応じて 、1つ以上の特定の機械部品の故障の存在を示すステップ。 本発明にさらに従えば、定性物理モデルは、以下のステップによって構成され る。 1)ユーザにモデルの機械部品の選択および相互接続を行うことのできるグラフ ィカルユーザインタフェースを与えるステップ。 2)ユーザによるプロセッサへの入力に応じて定性物理モデルを作成および操作 するステップ。 3)ユーザに機械の部品およびパラメータについての検査手順を示すデータを入 力させるステップ。ユーザは所定の一般的な検査用テンプレートを選択すること により、特定の部品についての検査手順を指定できる。 本発明にさらに従えば、定性物理モデルは、以下のステップによって構成され る。 1)ユーザにモデルの機械部品の選択および相互接続を行うことのできるグラフ ィカルユーザインタフェースを与えるステップ。 2)ユーザによるプロセッサへの入力に応じて定性物理モデルを作成および操作 するステップ。 3)モデルの部品を階層的に分類するステップ。サブ構成部品は特定の部品の子 部品として階層的に表される。 4)ユーザ入力に応じてモデルの部品を再構成するステップ。 再構成に含まれるステップは、少なくとも1つの子部品に対する親部品を変える ステップ、複数の部品を新たな1つの複合部品として再分類するステップ、また は自動的に部品を再分類して、関係のある部品からなるグループを形成するステ ップである。 本発明の他の実施形態では、機械の故障の特定は、以下のステップによって行 われる。 1)ユーザに複数の機械検査手順のうちの1つを実行させて、その結果を得るス テップ。検査手順のうち少なくとも1つの手順は機械構成を変更させる。 2)複数の未決仮定を生成するステップ。各仮定には変数および等式を用いて故 障していないと推定される機械部品の動作を説明する合流点の組が関連付けられ る。 3)合流点の組に検査結果を示す値を伝搬させて、合流点の変数の値についての 予測値の組を生成するステップ。 4)矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップ。 5)矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存するステップ。 6)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応じて 、1つ以上の特定の機械部品の故障の存在を示すステップ。 機械構成の変更は、ユーザに機械制御入力を変更させるか、またはユーザに侵入 検査を実行させて行う。機械構成の変更に応答して、プロセッサは検査手順を実 行する予測値と結果値とを保存し、構成変更の結果として入力された構成に対応 する予測値と結果値とを復元できる。 本発明にさらに従えば、推定される機械症状の最初の組を用いて機械の故障を 特定することは、以下のステップによって行われる。 1)未決仮定の最初の組を生成するステップ。各仮定には変数および等式を用い て故障していないと推定される機械部品の動作を説明する合流点の組が関連付け られる。仮定は推定される機械症状の最初の組と機械のモデルとを用いて生成さ れる。 2)ユーザに複数の機械検査手順の1つを実行させて、その結果を得るステップ 。 3)合流点に検査結果を示す値を伝搬させて、合流点の変数の値についての予測 値の組を生成するステップ。 4)矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップ。 5)矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存するステップ。 6)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応じて 、1つ以上の特定の機械部品の故障の存在を示すステップ。 本発明にさらに従えば、推定される機械症状の最初の組を用いて機械の故障を 特定することは、以下のステップによって行われる。 1)未決仮定の最初の組を生成するステップ。各仮定には変数および等式を用い て故障していないと推定される機械部品の動作を説明する合流点の組が関連付け られる。仮定は推定される機械症状の最初の組と機械のモデルとを用いて生成さ れる。 2)複数の機械検査手順の推定される結果を与えるステップ。 3)合流点内に検査結果を示す値を伝搬させて、合流点の変数の値についての予 測値の組を生成するステップ。 4)推定される機械症状の最初の組と機械検査手順の推定される結果とに応じて 、複数の診断用論理ツリーを生成するステップ。 5)ユーザに機械検査手順の実際の結果を入力させるステップ。 6)ユーザによって入力される機械検査手順の実際の結果に応じて、故障ツリー をたどるステップ。 7)故障ツリーの葉節までたどることに応じて1つ以上の機械故障を特定するス テップ。 本発明のさらに他の実施形態では、機械の故障の特定は、以下のステップによ って行われる。 1)機械検査手順の結果を示す機械検査信号を受信するステップ。 2)未決仮定の第一の組を生成するステップ。各仮定には変数および等式を用い て故障していないと推定される機械部品の動作を説明する合流点の組が関連付け られる。 3)合流点内に機械信号を広げて、特定の仮定の合流点の変数値の予測値の組を 生成するステップ。このステップは、仮定の合流点の未制約変数または部分制約 変数のサブセットを選択するステップと、変数サブセットの各変数に考え得る定 性値を一時的に割り当てて、この1つ以上の考え得る定性値が特定の仮定の矛盾 しない予測値の組を生成するかどうかを判定するステップと、変数サブセットの 各変数を、矛盾しない予測値の組を生成する値に限定するステップとから行われ る。 矛盾する予測値の組を生成する仮定は廃棄され、一方、矛盾しない予測値を生 成する仮定は保存される。1つ以上の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残存 する場合に、1つ以上の機械部品の故障が検出される。変数サブセットの選択に は、特定の仮定の未制約変数および部分制約の変数を検討して、合流点の前条件 に現れる、3つ以上の未制約または部分制約変数を含む無条件合流点に現れる、 3つ以上の未制約変数または部分制約変数を含む合流点の後条件に現れる、とい う3つの条件のうちの少なくとも1つの条件を満たす変数を選択することが含ま れる。次に、追加の未決仮定を生成する。各追加未決仮定には変数および等式を 用いて故障していないと推定される機械部品の動作を説明する合流点の組が関連 づけられる。追加の未決仮定は、第一の仮定の組のうちの少なくとも1つの仮定 のサブ構成に対応し、追加仮定の変数のうちで追加仮定に対応する第一の仮定の 組のうちの少なくとも1つの仮定には現れない変数についてのみ検討が行われる 。追加仮定の変数には値を割り当てることができ、これらの値は、追加仮定に対 応する第一の組の仮定のうち少なくとも1つの仮定からの対応する変数の値から 導出される。変数サブセットの選択にはまた、追加仮定の追加変数のうちで、追 加仮定に対応する第一の仮定の組のうちの少なくとも1つの仮定からの変数に対 応する変数の検討が含まれる。追加変数とは制約が加えられた変数か、またはそ の再帰的コバリエイトのいずれかである。変数サブセットの選択にはまた、追加 仮定の変数のうち、追加仮定に対応する第一の仮定の組のうちの少なくとも1つ の仮定には現れない変数のコバリエイト(covariate(s))である追加変数の検討が 含まれる。機械検査手順の結果を示す追加機械信号が受信され、追加機械信号お よびそのインプリカント(inplicant(s))に対応する変数およびそのコバリエイト だけが検討される。変数サブセットの各変数に割り当てられる値のインプリカン トが求められ、仮定のその他の変数はインプリカントの和集合に従って制約が加 えられる。変数のうちでもっとも最近の反復時には制約が加えられていた未制約 変 数または部分制約変数が検討される。仮定の変数サブセットの1つの変数に割当 可能な値のうち、矛盾しない予測値の組を生成する値が存在しない場合は、仮定 は廃棄される。 本発明にさらに従えば、機械の故障の特定は、以下のステップによって行われ る。 1)機械検査手順の結果を示す機械検査信号を受信するステップ。 2)第一の未決仮定の組を生成するステップ。各仮定には変数および等式を用い て故障していないと推定される機械部品の動作を説明する合流点の組が関連付け られる。 3)特定の仮定の合流点の変数に機械信号に対応する値を割り当てるステップ。 4)合流点に完全制約変数および部分制約変数についての値を伝搬させて、合流 点のその他の変数の値にさらに制約を加えるステップ。 5)矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップ。 6)矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存するステップ。 7)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する残った1つの仮定に応じて、1 つ以上の特定の機械部品の故障を示すステップ。 本発明にさらに従えば、機械の故障の特定は、以下のステップによって行われ る。 1)機械検査手順の結果を示す機械信号を受信するステップ。 2)第一の未決仮定の組を生成するステップ。各仮定には変数および等式を用い て故障していないと推定される機械部品の動作を説明する合流点の組が関連づけ られる。 3)機械信号を合流点に広げて、特定の仮定の合流点の変数の値についての予測 値の組を生成するステップ。合流点の変数の値は、定性値、定量値、またはその 両方を組み合わせた値のいずれかである。 4)矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップ。 5)矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存するステップ。 6)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応答し て、1つ以上の特定の機械部品の故障を示すステップ。 合流点変数の定性値と定量値とを関連づけるには広域標識配列が用いられる。 本発明にさらに従えば、機械の定性物理モデルは、モデルの機械部品の選択と 相互接続とを可能にするグラフィカルユーザインタフェースをユーザに与えるこ とにより、ユーザが標識ドメインを指定し、その標識ドメインを用いてモデルの 合流点変数の定性的値空間を規定して構成される。 本発明の以上の目的およびその他の目的、特徴、ならびに利点は、添付図面に 示す本発明の実施形態の以下の詳細な説明からより明かになると考える。図面の簡単な説明 図1はポータブルメンテナンスエイドの斜視図である。 図2はユーザプロンプト画面を示す図である。 図3は故障隔離ソフトウェアの全体動作を示すフローチャートである。 図4は定性推論システムソフトウェアの動作を示すデータフロー図である。 図5Aは定性推論システムソフトウェアによって用いられるデータ構造を示す 図である。 図5Bは検査手順用に定性推論システムソフトウェアによって用いられるデー タ構造を示す図である。 図6は定性推論システムソフトウェア内の仮定テスターの動作を示すデータフ ロー図である。 図7は定性推論システムソフトウェア内の状態発生器の動作を示すデータフロ ー図である。 図8は状態発生器内の制約伝搬器の動作ステップを示すフローチャートである 。 図9Aは状態発生器内のコア予測器の動作を示すフローチャートである。 図9Bはコア予測を行うための変数選択を示すフローチャートである。 図10は定性推論システムソフトウェア内の仮定生成器の動作を示すデータフ ロー図である。 図11は定性推論システムソフトウェア内の知能的検査選択ソフトウェアの動 作を示すデータフロー図である。 図12Aはモデル構築器を示すデータフロー図である。 図12Bはモデル階層の概略図である。 図12Cはモデル階層の概略図である。発明の実施のベストモード 図1のPMA(ポータブルメンテナンスエイド)30は、ディスプレイ32と 、キーボード34と、処理装置36とを有する。PMA30は、Grumman Electr onic Systems Division(Bethpage N.Y.)製造の部品番号#A31U18031− 3のポータブルコンピュータである。ディスプレイ32は7インチ×9インチの LCD(液晶ディスプレイ)である。キーボード34はQWERTYキーボード である。処理装置36は、Sun Microsystems,Inc.(Mountain View,Cal.)製造の Sparcstation 1E回路基板を含む。PMA30には、SAIC(San Diego,Cal.)製造のRSC−1X Rugged Sparcポータブルメン テナンスエイド、RDI Computer Corp(San Diego,Cal.)製造のBriteLit e IPC ポータブルワークステーション、およびDigital Equipment Corpor ation(Maynard,Mass.)製造のDECpc 560STといったブランド及びタ イプのコンピュータも適当である。PMA30にはオプションとしてユーザ入力 をしやすくするマウスを取り付けることも可能である。 PMA30はヘリコプターの電気機械系のような機械の故障隔離に使用される 。コモンLispで書かれた故障隔離ソフトウェアは、処理装置36内に設置さ れるハードディスク(図示せず)に記憶される。このソフトウェアによってPM A30はユーザと対話して機械の故障隔離を行うことができる。このソフトウェ アではディスプレイ32を使用してユーザに機械の検査を行わせる。ユーザは検 査結果をキーボード34または(取り付けている場合は)マウスによって入力す る。 検査を行うことによって故障隔離情報がPMA30とユーザとの間でやり取り される。検査には観察や部品の健康状態検査などの様々なタイプの検査がある。 観察とは機械の特定箇所の状態を物理的に説明するもので、特定の2点間の電圧 や、あるインジケータがオフの間はあるスイッチがオンであるといった観察が含 まれる。これに対して部品の健康状態検査は、ある特定の線が断線しているかど うかとか、ある特定のパイプが詰っているかどうかといった機械の特定の部品の 作動可能性を説明するものである。これら2種類の検査を組み合わせて、観察と 健康状態検査とを1つの検査でユーザに行わせることも可能である。検査の種類 およびその違いについては後ほど詳細に説明する。 図2はユーザプロンプト画面40を示す。ユーザには問42と、回答可能な答 44、46のリストとが提示される。図2の例で使用される問42は「はい(Y ES)」または「いいえ(NO)」のいずれかの答を求めているので、画面40 上に示される回答可能な答のリストは単純に「YES」44または「NO」46 しか含んでいない。ユーザはカーソルキー(またはマウス)を用いて答44、4 6のいずれか1つを選択し、リターンキーを押して答が選択されたことをソフト ウェアに知らせる。これ以外に、ユーザに特定の値を測定させてその結果を入力 させたり、部品の健康状態検査を実行させることを要求するユーザプロンプト画 面もある。 図3のフローチャート50は故障隔離ソフトウェアの動作を示すもので、ルー ルベースシステム用のステップ54とQRS(定性推論システム)用のステップ 58とに分割されている。ルールベースシステム用のステップ54の実施および 操作については当業者には公知(Building Expert Systems,Frederick Hayes-R oth,Donald A.Waterman,and Douglas B.Lenat,editors.Addison-Wesley Pub lishing Company,Inc.Reading Mass.1983等を参照)であり、このルールベー スシステム用のステップ54がまず実行される。共通の故障および故障の症状に ついての情報がプログラミングされているルールベースシテスムは、その検知が システムにプログラミングされている故障の判定は迅速に行うことができる。し かし、複雑な機械については、故障とそれに関連した症状との考え得るあらゆる 組み合わせの予測(およびかかる故障と症状との全組み合わせをルールベースシ ステムへプログラミングすること)は、不可能ではないにしろ少なくとも極めて 困難である。従ってルールベースシステムでは特定の故障を検知できない場合が ある。この場合は、ルールベースシステムのステップ54からQRSのステップ 58へと制御が進む。QRSのステップ58は、機械の故障とその症状との全組 み合わせを予めプログラミングしなくても故障隔離が可能である。機械の故障隔 離用のQRSについては、米国特許第5,138,694号(発明者ハミルトン ) に記載されている。この特許は本出願に引用により援用する。 故障隔離ソフトウェアの実行は最初のステップ62で開始され、ここでルール ベースシステムが可能化される。第2ステップ63ではユーザに検査を実行する ように指示が出される。ステップ63が終了すると、制御はステップ64へ進み 、ここでルールベースシステムは予めプログラミングされたルールを検査結果に 適用することによって故障の隔離を試みる。 検査が特定の故障を直接示す場合もある。例えば、電池の端子間の電圧が0で あると観察されると、故障の原因が電池切れであると、直接、故障隔離できる( ただし電池の端子間で測定した電圧が0の場合は電池切れを示す、というルール が存在することが必要)。また、考え得る故障のグループを故障隔離できる検査 もある。例えば、電池の電圧ゲージの読みが0であるという観察は、電池切れ、 ゲージの誤動作、または電池−ゲージ間の断線のいずれかを示す(ただし、やは り適当なルールがシステムにプログラミングされていることが必要)。 ステップ64が終了すると制御はステップ65へ移り、ここでは故障が隔離さ れたかどうかの判定が行われる。もし故障が1つの部品に隔離されていれば、処 理は完了する。反対に、故障が1つの部品に隔離されていなければ、制御はステ ップ66へ進み、ここでさらなる故障隔離が可能かどうかが判定される。もしさ らなる隔離が可能な場合は、制御はステップ63へ飛んで、ここでユーザに別の 検査を行うように指示が出される。ステップ63〜66は反復ループを形成し、 この中ではソフトウェアが故障隔離を続行するのに使用する検査を繰り返し実行 するようにユーザに指示が出される。 しかしステップ66では、ルールベースシステム固有の制約(検査とそれに関 連した故障との考え得る全組み合わせがシステムにプログラミングされていない こと)のために、故障隔離をさらに続行することが不可能な場合がある。例えば 、電池にかかる電圧が12V、電池の電圧ゲージの読みが0、かつゲージが断線 していないという観察が行われたとする。この場合、ルールベースシステムにゲ ージ−電池間の断線の可能性を考慮に入れることがプログラミングされていなけ れば、故障隔離は不可能であり、検査結果はルールベースシステムのプログラミ ング時に予測されたどの故障にも対応しない。こうなると、制御はステップ66 か らステップ67へ進み、ルールベースシステムは不能化される。このステップ6 6からステップ67への移行は、ルールベースシステムのステップ54からQR Sのステップ58への移行にも対応する。 ステップ67でルールベースシステムが不能化されると、制御はステップ68 へ進み、そこでQRSが可能化される。ステップ68に続くステップ69では、 QRSが故障隔離を試みる。QRSの故障隔離については後ほど詳細に議論する 。ステップ69に続くステップ70では、故障隔離が行われたかどうかが判定さ れる。故障隔離が行われた場合は、処理は完了する。そうでない場合は、制御は ステップ71へ進み、そこでさらなる故障隔離が可能かどうかが判定される。そ れ以上の故障隔離がQRSでは不可能な場合は、処理は完了する。それ以外の場 合は、制御はステップ72へ進み、そこでユーザに別の検査を行うよう指示が出 される。ルールベースシステムのステップ54からQRSのステップ58への移 行はユーザには透過である(つまりこの移行が発生したことはユーザには知らさ れない)ため、ステップ72でユーザが見るプロンプトはステップ63でユーザ が見るプロンプトと同じである。その後、制御はステップ72からステップ69 へ戻り、そこでQRSは機械故障の隔離を再び試みる。 以上の方法の代わりに、QRSのみを使用して故障隔離を行う、つまりルール ベースシステムのステップ54を削除してステップ68から処理を開始すること により、QRSのステップ58のみを用いて故障隔離を行うことも可能である。 従って、これから行うQRSについての説明は、ルールベースシステムの使用に 続いてQRSを故障隔離に使用する場合、または故障隔離にQRSのみを使用す る場合のいずれにも適用できる。また後ほど詳しく述べるが、QRSによる故障 隔離中にユーザに部品の健康状態検査を実行させることによって、ルールベース システムの一部をQRSと統合することも可能である。 ルールベースシステムとは異なり、QRSは検査結果を特定の故障と直接関連 付けはしない。QRSは、機械のコンピュータモデルを用いて特定の部品が故障 しているという仮定を繰り返し生成し、各仮定毎に電流の流量、電圧、および流 体の流量といった様々な機械パラメータの値についての予測値をユーザの検査結 果から導出する。この予測値の導出中の任意の時点で、ある仮定についての予測 値が(その予測値自体と、またはその後の検査結果と)矛盾すると判断されると 、その仮定は廃棄される。 QRSは定性物理を用いて機械を表現する。定性物理とは、コンピュータモデ ル化技術であり、そこでは機械の各部品は複数の端子とそれに対応する変数の組 とを有するブラックボックスとして表される。各変数は端子を出入りする物質( 電流、燃料等)の属性(流量、圧力、温度など)を表す。各変数は有限組の定性 値を取り得る。部品の動作は、その部品の変数間の関係を定義する定性的等式の 組である合流点によって表される。例えば1本のパイプは2つの端子(パイプの 両端)と、2つの変数(パイプに入る流体の流量を表す変数とパイプから出る流 体の流量を表す変数)とを有すると表すことができる。パイプの動作を説明する 合流点には、パイプからの出力流量を表す変数とパイプへの入力流量を表す変数 とは符号が同じであると記載される。定性物理については、deKleer,Johan and Brown,John Seely,"The Origin,Form and Logic of Qualitative Physical Laws",Proceedings of the Eighth International Joint Conference on Artif icial Intelligence,Karlsruhe,W.Germany,Aug.,1983.で詳細に議論され ている。 変数のいくつかとそれに関連した合流点とを質および量の両方で定義すること も可能である。つまり、モデル化される機械の一部を、定性的変数を用いる第1 の合流点の組と、これに対応する定量的変数を用いる第2の組の同様の合流点と によって記載できる。例えば、モータの電圧と速度との関係は、印加された電圧 が高ければ速度は速く、印加された電圧が低ければ速度は遅いというふうに定性 的に説明することができる。この場合、電圧および速度を表す定性的な変数は、 それぞれ高い/低い、速い/遅いという定性的な値を取り得る。同時に、この同 じモータを電圧と速度の量的な変数の関係を説明する等式に沿って、量的な変数 (つまり任意の数値をとる変数)を用いて定量的に説明することもできる。また 、同じ合流点を定性的および定量的な両方の変数の関係で説明することもできる (抵抗器にかかる電圧は抵抗と電流との積であるというように)。定性的および 定量的変数と合流点との統合については後ほど詳細に説明する。 機械の様々な部品は階層的にグループ分けされる。ここでは複合部品とは複数 のサブ部品からなる1つの部品であり、基本部品はサブ構成を持たない部品であ る。例えば電源は、階層のあるレベルでは1つの部品として表わされるが、階層 のもっと低い別のレベルでは、実際には多数の部品(キャパシタ、変圧器など) からなる。階層の最上位では、機械全体が1つの複合部品として表わされる。こ れに対して階層の最下位は、機械を構成する全ての基本部品からなる。 モデル階層は故障隔離プロセスを最適化するように変形可能である。つまり、 階層のあるレベルでの1つの複合部品が、その複合部品の物理的に存在するサブ 部品または物理的な一部であるサブ部品には必ずしもつながらないように、モデ ルの階層を配列しなおすことができる。この際、サブ部品の親をある複合部品か ら別の複合部品へと移動させることによって、サブ部品の親を付け変えることが できる。部品のグループは1つの疑似部品として再分類され、この疑似部品は階 層中の既存の複合モデルの一部品として設置される。機能経路が同じ(つまり相 互接続され協働して同じ機能を実行する)部品は自動的に同じグループに分類さ れる。またこれ以外でも、関連のある部品、つまり空間的な近さや機能の類似性 、信頼度といった範疇で部品を分類しなおすことも可能である。モデル階層の変 形方法については後ほど詳細に説明する。 部品はブラックボックスとしてモデル化されるため、故障をさらに隔離するた めには、階層の低いレベルで部品を検査する(つまりより多くの情報を得るため にブラックボックス内部に入る)ほうが有効である。例えば、QRSは電源の故 障を判定した後に電源部品をサブ部品に拡張して、階層のそのレベルで故障隔離 プロセスを継続できる。 部品の様々な合流点によって定義される関係は「制約」と呼ばれる。QRSは 特定の部品の制約を一時停止する(つまり取り除く)ことによって、その部品の 故障の影響を計算する。例えば、ある機械が3つの部品X、Y、およびZを有す る場合、QRSは部品Xの合流点の制約を一時停止した状態で機械の定性物理モ デル(つまり故障したと予測されない部品YおよびZについての合流点のみを含 む機械のモデル)を作ることによって、部品Xが故障したという仮定を検査する 。その後、QRSは、合流点およびユーザが行った検査結果を用いて予測値(変 数の予測値)の組を生成する。もし得られる予測値が矛盾していなければ、Xは 有 効な仮定として残る。そうでない場合は、Xは仮定から除外される。また、その 後の検査に関連する変数値が予測値と一致しないと判った場合も、その仮定は除 外される。この制約一時停止については、Davis,Randall "Diagnostic Reasoni ng Based on Structure and Behavior",Artificial Intelligence,24(1984), 347-410に詳細に記載されている。 QRSは機械のどの部品も故障していないという仮定からまず開始する。その 仮定によって生成される予測値が矛盾していなければ、QRSソフトウェアはど こも故障していないと結論付け、故障隔離プロセスは終了する。そうでない場合 は、QRSソフトウエアは各々が機械の一部品の故障に対応する複数の仮定を生 成する。そして各仮定に関連した予測値が生成され、矛盾していないかどうかが 検査される。一つの部品が故障しているという仮定に関連した予測値の全てが矛 盾している(従って全仮定が否定される)場合は、QRSソフトウェアは機械の 2つの部品が同時に故障している場合に対応する新しい仮定の組を生成する。こ の2つの部品の故障の予測値が矛盾していると判定されると、QRSソフトウェ アは今度は3つの部品が同時に故障している場合に対応する新しい仮定の組を生 成する、というふうに続いていく。 例えば、ある機械がA、B、Cという3つの部品を備えているとすると、QR Sはまず、どの部品も故障していないという仮定に基づいて合流点の組を生成し (つまり全部品についての全合流点を維持し)、その仮定についての予測値を求 め、かつそれに関連した予測値の矛盾について検査する。仮定に基づいた予測値 が矛盾しなければ、どの部品も故障していないという仮定が立証され、故障隔離 プロセスは終了する。そうでない場合は、QRSは、3つの新しい仮定、つまり 部品Aだけが故障しているという仮定、部品Bだけが故障しているという仮定、 および部品Cだけが故障しているという仮定を生成する。その後、QRSは3つ の予測値の組、つまり仮定Aについての予測値、仮定Bについての予測値、およ び仮定Cについての予測値を生成する。仮定Aについての予測値は、仮定Aが真 の場合に変数(電流の流量、流体の流量、電圧などの機械パラメータ)の取る予 測値である。同様に、仮定Bに関連する予測値は仮定Bが真の場合に変数の取る 値であり、仮定Cに関連する予測値は仮定Cが真の場合に変数の取る値である。 もし仮定Aに関連する予測値が矛盾していれば、部品Aが故障しているという仮 定は矛盾していることになり、この仮定Aは有効な仮定のリストから除外される 。もし部品Bおよび部品Cに関連した予測値が矛盾していなければ、部品Bまた は部品Cのどちらが故障しているのかを判定するためにさらなる故障隔離を要求 することができる。 上記の例では、QRSが仮定A、BおよびCをすべて除外して、2つ以上の部 品が同時に故障しているという結論を導き出すかもしれない。こうなるとQRS は、新しい仮定、つまり部品AとBとが同時に故障しているとする仮定AB、部 品AとCとが同時に故障しているとする仮定AC、および部品BとCとが同時に 故障しているとする仮定BCを生成する。QRSはこれらの仮定を用いて故障隔 離を開始する。構造の複雑な機械の場合は、仮定ごとの故障部品数を増やしてい くとコンピュータに要求される処理量も増大する。QRSがN個の部品の故障に 対する仮定を全て除外してしまうと、ユーザはQRSソフトウェアがN+1個の 部品が故障しているという仮定を生成して検査を続行するか、または故障隔離を 終了してしまうかどうかを尋ねられる。これはQRSが新しい仮定の組を生成し て検査するのを待てないユーザがいるかもしれないためである。 図4はQRSの動作を示すデータフロー図90を示す。図90において、箱型 の枠はプログラムモジュール(つまりQRSソフトウェアの一部)を表し、円筒 形の枠はデータ部(QRSデータの一部)を表す。箱型の枠と円筒形の枠との間 の矢印はデータの流れる方向を示す。データフロー図90はフローチャートと異 なり、様々なモジュール間の一時的な関係については全く示していない。 ユーザの入力する検査結果はデータフロー図90に示すように入力信号USE RINPUTによってQRSソフトウェアに与えられる。USERINPUT信 号は入力処理コードモジュール92によって処理され、このモジュール92はユ ーザが入力したキーストロークをQRSソフトウェアが処理できるフォーマット に変換する。入力処理モジュール92の出力は、故障隔離プロセスの間にユーザ によって行われる検査結果を含む検査結果データ部94に記憶される。QRSを 使用する前にルールベースシステムを用いて故障隔離を行った場合、検査結果デ ータ部94は故障隔離プロセスのルールベースシステムの段階でユーザによって 行われた検査結果を示すデータで初期化され得る。 仮定テスターコードモジュール96は、検査結果データ部94と未決仮定デー タ部98とを用いて、有効と考えられる仮定とその各仮定ごとの予測値とを生成 する。未決仮定データ部98はこれから検査する仮定を含む。仮定テスター96 は検査結果に関連した変数値を仮定の合流点に伝搬させて予測値を生成する。予 測値は検査中の仮定が真となるためには真でなければならない。予測値の生成中 に仮定テスター96が矛盾を見つける場合がある。例えば、合流点のあるサブセ ットがある2点間に正の電圧を予測し、合流点の別のサブセットが同じ2点間に 負の電圧を予測するような場合、検査中の仮定は否定され、仮定テスター96に よって廃棄される。未決仮定データ部98からの仮定のうち仮定テスター96に よって否定されない仮定と、それに関連した予測値とは、保存済み仮定データ部 99へ出力される。 例えば、未決仮定データ部98が仮定Aを含むとする。仮定テスター96は部 品Aの制約が一時停止された機械モデル(つまり部品Aの動作を説明する合流点 以外の合流点を含むモデル)を検査することによって仮定Aの有効性を検査し、 変数の値を予測する。もし仮定Aの予測値を生成する間に、仮定テスター96が 矛盾を発見すれば、この仮定Aは否定される。そうでなければ、仮定Aおよびそ れに関連した予測値は保存済み仮定データ部99に出力される。 保存済み仮定データ部99が2つ以上の仮定を含む場合は、ユーザがさらに検 査を行って、含まれる仮定の数をさらに減じるための情報を得るとよい。知能的 検査選択コードモジュール100には、保存済み仮定データ部99および部品情 報データ部101からの入力が与えられる。部品情報データ部101は、特定の 検査手順情報や各部品の部品故障率などの経験的なデータを含む。知能的検査選 択部100は仮定の予測値と部品情報データ部101からの情報とを用いて、ユ ーザがどの検査を行うのが一番良いか(つまり検査の実行によってユーザが負担 するコストを最小限に抑えながら故障隔離効率を最大限にする検査はどれか)を 決定する。知能的検査選択部100は検査要求データ部102に最適な検査情報 を出力する。検査要求データ部102からデータが与えられる出力処理コードモ ジュール103は、検査要求102を人間が判読可能なフォーマットに変換し、 信号DISPLAYOUTを出力する。この信号によってユーザが次に実行する 検査を示すユーザプロンプトが作成され、PMA30のディスプレイ32に表示 される。 ユーザから与えられた検査結果によって、保存済み仮定データ部99に記憶さ れた仮定のうち1つ以上の仮定が削除され得る。仮定更新器104は保存済み仮 定データ部99に記憶された仮定とそれに関連した予測値とを検討し、各仮定ご との予測値をユーザによって入力された検査結果94に関連した変数値と比較す る。こうして仮定更新器104は矛盾する予測値を有する仮定を削除する。仮定 更新器104はまた、ユーザによって実行され検査結果データ部94に与えられ た部品健康状態検査に基づいて、経験的に正常に機能していると判断された部品 が故障しているという仮定も除外する。例えば、保存済み仮定データ部99が仮 定A、仮定B、および仮定Cを含み、仮定Aはある電圧値が正の値であると予測 し、仮定Bは同じ電圧値が負の値であると予測し、仮定Cは同じ電圧値について 曖昧な予測値を生成する(つまり仮定Cは電圧値が負または正のいずれかである と予測する)とする。さらに、知能的検査選択部100は電圧測定が最適な検査 であると選択し、ユーザは測定に基づきその電圧値が正であると入力すると仮定 する。この場合、仮定更新器104は保存済み仮定データ部99から仮定Bを除 外できる。なぜなら電圧値が負であるという仮定Bの予測は誤っており、仮定B は否定されるからである。仮定Aは電圧値が正であると正しく予測するため、保 存済み仮定データ部99にとどまる。しかし仮定Cは、電圧値が正または負のい ずれかであると予測するため、仮定更新器104は仮定Cを除外することはでき ない。 保存済み仮定データ部99に記憶された仮定のどれかを削除する検査を知能的 検査選択部100が全く生成できず、ユーザが検査を行えない場合もある。この 場合は、検査要求データ部102が空であると検知されると、仮定生成器105 がより多くの仮定の生成を試みる。仮定生成器105は保存済み仮定データ部9 9内の仮定に関連した1つまたは複数の部品をサブ部品に拡張し、これらのサブ 部品に基づいて仮定を生成する。仮定生成器105は、定性物理に基づく部品の 記載および階層中の部品の順序に関する情報を含むモデル例データ部106を使 用する。モデル例データ部106の構造および内容については後ほどより詳細に 説明する。モデル例データ部106からの情報は部品情報データ部101の初期 化に使用することができる。仮定生成器105の出力は未決仮定データ部98へ 与えられる。 例えば、保存済み仮定データ部99が、機械の電源が故障しているという第1 の仮定と、機械の燃料系が故障しているという第2の仮定とを含むとする。さら に、知能的検査選択部100はこれら2つの仮定を区別するためにユーザが行う 検査を全く提供できず、検査要求データ部102を空にしてしまうと仮定する。 この場合、仮定生成器105は検査要求データ部102が空であることを検知し 、電源をそのサブ部品(つまりキャパシタ、変成器など)に、かつ燃料系をその サブ部品に拡張する。こうしてサブ部品に基づいて新たな仮定の組が作られる。 新しい仮定の組は仮定生成器105によって未決仮定データ部98に(一度に1 つずつ)与えられ、仮定テスター96によって検査される。こうしてユーザに検 査を実行させて仮定を削除していく反復プロセスが続行される。保存済み仮定デ ータ部99が1つまたは複数の基本部品が故障しているとする1つだけの仮定を 含む場合、または実行可能な経費効率の良い検査がもうない場合に、故障隔離プ ロセスは完了する。 また、仮定テスター96が未決仮定データ部98に記憶された仮定を全て除去 し、保存済み仮定データ部99を空にしてしまう場合もある。この状態は各仮定 の故障部品の数が推定された数を上回る場合に発生する。N個の部品が同時に故 障しているとする仮定を全て除去するということは、N個より多い数の部品が故 障していることを示す。例えば、仮定テスター96または仮定更新器104の少 なくともどちらかによって、部品が1つ故障しているとする仮定が全て除去され る場合は、論理上、2つ以上の部品が同時に故障していることになる(どの部品 も故障していないかどうかは最初に検査済みであることに注意)。 N個の部品が故障しているとする仮定が仮定テスター96によって全て否定さ れると、仮定生成器105は検査継続問合せデータ部107にユーザプロンプト 情報を書き込んで、N+1個の部品が故障しているとする新しい仮定の組を生成 する許可をユーザに求める。検査継続問合せデータ部107は出力処理モジュー ル103への入力として与えられ、出力処理モジュール103は問合せ107を 人間が判読可能なフォーマットに変換してディスプレイ32に出力する。この問 合せに対するユーザの回答はUSERINPUT信号によって与えられ、入力処 理モジュール92によって処理され、検査継続回答データ部108に記憶される 。もしユーザが検査の継続を選択しなかった場合は、故障隔離は終了する。そう でない場合は、仮定生成器105への入力として設けられる検査継続回答データ 部108は、同時に故障している部品の数を1つだけ増やす新しい仮定の組を仮 定生成器105に(モデル例データ部106からの情報を用いて)作らせる。 仮定生成器105はまた、保存済み仮定データ部99からの仮定を未決仮定デ ータ部98に与えることもできる。仮定生成器105は検査要求データ部102 からの入力を用いて、保存済み仮定データ部99がユーザが現在実行を要求され ている検査結果に関連した変数に曖昧な予測値を付ける仮定を含むかどうかを判 断する。変数について一番最近入手した値が曖昧な予測値をとる仮定は、保存済 み仮定データ部99から未決仮定データ部98へ渡され、仮定テスター96によ って再検査される。再検査される仮定のいくつかは新たな変数値を用いて無効に される場合がある。 検査中の機械は場合によっては1つ以上の動作構成を有する。故障隔離を行う 間に、機械の動作構成を変更させるように機械の制御入力を変える指示がユーザ に出されることがある。また、ある部品を取り除いたり部品にジャンパを設置す ることによって機械の1つ以上の部品の動作を意図的に変える「侵入検査」を実 行するようユーザに指示が出されることもある。ある構成において機械を検査し て得られる検査結果の多くは、別の構成でその機械を分析する際には無効化され てしまう。例えば、ある機械に主電源モードとバックアップ電源モードとが備え られている場合、機械が主電源モードの間に主電源ラインで測定した電圧値は、 機械がバックアップ電源モードに切り換わった後は故障隔離には使用できないこ とがある。 複数の構成を持つ機械の故障隔離は、検査結果および予測値の一つの組が一つ の構成に対応する、別個の検査結果および仮定の予測値の組を作ることによって 行う。機械の構成を変更させるような検査が行われると、現在の検査結果および 予測値は保存され、別の検査結果および予測値の組を代りに用いて故障隔離プロ セスが続行される。 機械構成データ部110は入力処理コードモジュール92に接続され、そこか ら入力を受信する。後ほど詳述する一定の条件下では、ユーザは、機械の構成を 観察して入力するか、または機械への制御入力を変更してその変更を確認するよ うに指示される。いずれの場合も、入力処理コードジュール92は機械の特定の 構成(バックアップ電源モード、主電源モードなど)を決定し、その特定の機械 構成を示すデータを機械構成データ部110に与える。複数の構成で動作可能な 機械の場合は、ユーザは故障隔離プロセスの開始時に第1の構成を入力するよう 指示される。 機械構成データ部110からのデータは検査結果サーバコードモジュール11 2に与えられる。検査結果サーバ112は機械構成の変更(つまり現在の機械構 成が前回の反復時の機械構成と異なる場合)を検知する。機械構成の変更により 、検査結果サーバ112はデータを検査結果データ部94から保存済み検査結果 データ部114へ移す。保存済み検査結果データ部114は、機械が複数の異な る構成で動作していた際に得たそれぞれの検査結果の組を含む。 また検査結果サーバ112は、検査結果データ部94に記憶されたデータを現 在の機械構成に対応する保存済み検査結果データ部114からのデータと交換す る。つまり、機械の構成が変ると、保存済み検査結果データ部114に記憶され た機械が現在の構成である間の故障隔離で得た検査結果は全て検査結果データ部 96へ移される。現在の機械構成に対応する検査結果データが全くない場合は、 検査結果サーバ112は検査結果データ部94中のデータを初期化して、構成の 変更を引き起した何らかの制御入力以外は検査結果はまだ全く得られていないこ とを示す。 例えば、機械が構成Aである場合に故障隔離を開始するとする。1組の検査結 果が得られ、その後、ユーザは機械構成を構成Bに変更する検査を実行するよう 指示される。検査結果サーバ112は検査結果データ部94からのデータを保存 済み検査結果データ部114に記憶し、そのデータを検査結果データ部94中で 初期化して、上記のように機械構成の変更を引き起した制御入力(機械を主電源 モードからバックアップ電源モードへと切り換えるスイッチなど)に関連した検 査結果以外は機械が構成Bである間にはまだ全く検査結果が得られていないこと を示す。数回の反復の後、機械を構成Bから構成Aに戻す検査を実行するようユ ーザに指示が出されると、検査結果サーバ112は構成Bの検査結果の組を検査 結果データ部94から保存済み検査結果データ部114に移し、構成Aに対応す る検査結果の組を保存済み検査結果データ部114から実際の検査結果データ部 94に再格納する。 機械構成データ部110からのデータは予測値表サーバ116にも与えられる 。機械構成の変更に応答して、予測値表サーバ116は保存済み仮定データ部9 9の各仮定に関連した仮定予測値表(後ほど詳述する)を保存済み予測値表デー タ部118に移す。保存済み予測値表データ部118は保存済み検査結果データ 部114と同様のもので、保存済み仮定データ部99に記憶された異なる機械構 成に対応する仮定についての予測値の組を含む。最初の検査を選択する前に、保 存済み予測値表データ部118は検査によって変えられる可能性のある全構成の 仮定についての予測値表の組で初期化される。予測値表を保存済み仮定データ部 99から移した後、予測値表サーバ116は保存済み予測値表データ部118か らの予測値表を保存済み仮定データ部99中の予測値表に再格納する。 故障隔離プロセスは、ユーザが行った以前の検査ステップを辿ることによって 最適化が図られる。例えば、検査を実行するためにアクセスパネルがユーザによ って取り除かれていれば、同じアクセスパネルの除去を要求する第2の検査を実 行する際にはパネルは既に機械から取り外されているため、検査に要する時間が 短くて済む。検査構成データ部119には入力処理コードモジュール92からの データが与えられる。検査構成データ部119は機械の現在の検査構成(検査中 に除去されたパネルや部品、ジャンパの設置、ユーザが既にアクセス済みのツー ルなど)を示すデータを含む。 検査構成データ部119からのデータは知能的検査選択コードモジュール10 0に与えられる。知能的検査選択コードモジュール100はこの情報を用いて、 部分的に機械の現在の検査構成に基づいてユーザが実行する最適な検査を選択す る。知能的検査選択コードモジュール100と機械検査構成データ部119との 動作については後ほど詳述する。 図5AはQRSソフトウェアによって用いられるデータ構造を示す。未決仮定 データ部98に記憶されたデータを示す未決仮定データ構造120は、仮定識別 部122Bと、予測値表122Cと、キャッシュ化された合流点表122Dとか らなる未決仮定122Aを含む。仮定識別部122Bは特定の未決仮定を識別す る情報を含む。例えば、仮定識別部122Bは未決仮定122Aを電源が故障し たとする仮定であると識別できる。 予測値表122Cは未決仮定122Aに関連した全ての変数(つまり機械のパ ラメータ)を含む。予測値表122Cは、仮定が作られる際に仮定の全ての変数 を決定する仮定生成器105によって構築される。変数について予測値表122 Cが最初に含む値はほとんどなく、あったとしてもごくわずかの数である。しか し、仮定が検査されるごとにより多くの検査結果が得られるため、仮定テスター 96は予測値表122Cの変数についてより多くの値を予測するようになる。 キャッシュ化された合流点表122Dは未決仮定122Aについての全てのモ デル合流点を含む。キャッシュ化された合流点表122Dは予測値表122Cか らの各変数でインデックス付けができる。キャッシュ化された合流点表122D の各部はモデル合流点を含み、各モデル合流点にはインデックス変数が現れるた め、仮定テスター96は仮定に関連した合流点に迅速にアクセスできる。 例えば、変数および関連した合流点が情報を質と量の両方で表現することも可 能である。このため、キャッシュ化された合流点表122D中のキャッシュ化合 流点のいくつかを定性的かつ定量的に用いて機械部品の動作を説明できる。合流 点に入力される変数の値が定性値か定量値かによって、機械部品の動作は定性的 または定量的どちらかで行われる。例えば抵抗器の動作を説明する合流点は、電 圧は抵抗と電流との積である、と記載できる。もし電流と抵抗とが定量値として 与えられる(3アンペアと5オーム、というふうに)と、電圧は定量的に計算さ れて15Vとなる。反対に、電流と抵抗とが定性値としてしか与えられない(ど ちらも「+」、というふうに)と、電圧は定性的に計算されて「+」となる。ま た、抵抗は1オームより大きく電流は5アンペアより大きいというように記載さ れる場合は、電圧は質と量とを組み合わせた算術を用いて、5Vより大きい、と 計算される。定性値と定量値とを合流点に伝搬させることについては後ほどより 詳しく説明する。 保存済み仮定データ部99に記憶されたデータを示す保存済み仮定データ構造 123は、第1の現在の仮定124Aと、第2の現在の仮定125Aと、N番目 の現在の仮定126Aとを含む。第1の現在の仮定124Aは、仮定識別部12 4Bと予測値表124Cとキャッシュ化された合流点表124Dとを含む。同様 に、第2の現在の仮定125Aは、仮定識別部125Bと予測値表125Cとキ ャッシュ化された合流点表125Dとを含み、かつN番目の現在の仮定126A は仮定識別部126Bと予測値表126Cとキャッシュ化された合流点表126 Dとを含む。仮定識別部124B、125B、126Bは、特定の保存済み仮定 を識別する情報を含み、未決仮定122Aの仮定識別部122Bと同様である。 予測値表124C、125C、126Cは未決仮定122Aの予測値表122C と同様であるが、ただし仮定テスター96がいくつかの変数についての値を与え る場合がある。キャッシュ化合流点表124D、125D、126Dは未決仮定 122Aのキャッシュ化合流点表122Dと同様である。 図5Bは予測値表122Cの変数に関連した検査手順データ構造を示すデータ 構成図である。後ほど詳しく説明するように、モデル例データ部106の構築に は、モデルの変数または部品の少なくともどちらかについて1つ以上の検査手順 を個々に特定することが含まれる。場合によっては、ユーザが特定の変数を測定 または検査できない場合がある(内部機械部品が受ける摩擦力など)。その場合 は、その特定の変数についての検査手順は存在しない。 データ構造図128に示す検査手順は、TP1、TP2、...TPNからな るリストである。各検査手順は、関連した変数または部品がユーザによってどの ように検査されるかを示すデータを含む。例えば、変数V1が抵抗器を流れる電 流量を示す場合、関連した検査手順によってユーザは電流の測定を指示される。 後ほど詳細に説明するように、検査手順には部品の健康状態検査(抵抗器がバー ンアウトしているかどうかの視覚的判定など)も含まれる。 各検査手順には複数の検査ステップが関連付けられる。例えば、128図は検 査手順TP1が検査ステップTS1A、TS1B等に関連している様子を示す。 1つの検査ステップは関連した検査手順を行う上でユーザが実行する1つの動作 を示す。例えば、ある検査ステップはユーザにアクセスパネルの除去や流量の観 察などの指示を与える。各検査ステップにはユーザに適切な動作を行わせるため のテキストが記憶される。また検査ステップにはコスト(時間量など)が関連付 けられる。各検査ステップのコストを用いて、ユーザが実行する最適な検査を決 定する方法については、後ほど詳しく述べる。 検査手順データは検査を実行する前に必ず行う1つ以上のプレステップを示す データを含むこともできる。例えば、バックアップ電源に関する検査を行う前に は、主電源が不能化され全電力がバックアップ電源から供給される構成に機械を 設置しておかなければならない。このように、プレステップは関連した検査の準 備のためにユーザに適切なステップを行わせる。検査手順にはまた、検査手順を 終えた後に実行されるポストステップも含まれる。 図6は仮定テスター96の動作を示すデータフロー図130である。状態発生 器132には検査結果データ部94および未決仮定データ部98からの入力が与 えられる。状態発生器132は検査結果94および未決仮定98を処理して、検 査中の特定の仮定についての予測値表を含む予測値データ部134を生成する。 これは予測値表(未決仮定データ部98中)に、いくつかの変数についての値を 入れることによって行う。変数の値は検査結果94と未決仮定データ部98のキ ャッシュ化合流点とを処理することによって求められる。状態発生器132が予 測値データ部134用に値の予測を行う際に矛盾を検出すると、予測値表ではな くて空表が予測値データ部134に記憶される。実際の値の計算はモデル合流点 を表すコモンLispを操作して行われる。コモンLispの操作は当業者には 公知である。 仮定評価器136には、予測値データ部134からのデータと、未決仮定デー タ部98からの仮定とが与えられる。仮定評価器136は各仮定ごとに予測値デ ータ部134が空表を含むかどうかを判断する。含まない場合は、仮定評価器1 36は仮定(未決仮定データ部98からの)および関連した予測値表(予測値デ ータ部134からの)の両方を保存済み仮定データ部99に送る。そうでない場 合は、検査中の仮定は無効化されて、それ以上送られない。 先に述べたように、合流点変数のいくつかが定性値と定量値の両方を表す場合 がある。例えば、電線を流れる電流を示す変数V1は、値空間{−_,−max ,−min,zero,min,max,+_}を有すると定性的に表現できる 。この同じ変数V1はまた、−∞〜+∞の範囲内の実際の数値として定量値で示 すこともできる。この場合、ユーザがV1を直接測定してその定量値を入力する か、またはユーザがV1の値の計算に使用される別の変数を量的に測定してその 値を入力すると、V1に定量値を割り当てることができる。例えば、ある合流点 がV1は変数V2の2倍であると示し、かつV2が定量的に測定されてその値が 入力されると、V1に定量値を割り当てることができる。 値の対応関係は、数値と定性的な標識値との関連付けである。ある変数の定性 的値空間は1組の定量値にマッピングすることができる。例えば、上記の値空間 {−_,−max,−min,zero,min,max,+_}を有する変数 V1については、対応する定量値の組は{−_,−50,−10,0,10,5 0,+_}であり、V1の定性値−maxは定量値−50に対応し、定性値−m inは定量値−10に対応し、定性値zeroは定量値0に対応し、定性値mi nは定量値10に対応し、定性値maxは定量値50に対応することを示す。 このような標識関係を用いると、定性値を定量値に、かつ定量値を定性値にマ ッピングすることができる。例えば、上記の変数V1に定量値15が割り当てら れる場合は、上記のような標識関係が与えられれば、min=10かつmax= 50と規定されているから、V1に定性値(min max)(つまりminか らmaxへの開区間)を割り当てることができる。 さらに、値の対応関係によって、この値の対応関係がなければ無理であった場 合でも定性値の比較を行うことができる。例えば、上記の定性的変数V1を、定 性的値空間{−_,−gigantic,−large,−small,zer o,small,large,gigantic,+_}を有する第2の定性的 変数V2と比較するとする。この時、V1=minかつV2=smallならば 、V1およびV2についての定性的値空間を規定する基本の定量値が分らなけれ ばV1とV2とは比較できない。しかしこの時もしV2の値空間が対応する定量 値の組{−_,−100,−20,−5,0,5,20,100,+_}を持っ て いれば、V1=minかつV2=smallの時はV1はV2より大きいと分る 。反対に、V2の値空間に対応する定量値の組が{−_,−100,−60,− 30,0,30,60,100,+_}ならば、V1=minかつV2=sma llの時はV1はV2より小さいことが分る。 このような動作を実行するためには広域標識配列が用いられる。広域標識配列 は、定性推論中に2つの標識間の関係を迅速かつ効率よく求めるために使用され る。変数の全ての制約は少なくとも1つの関係した演算子(=、<、>など)に 基づくから、迅速な定性・定量統合推論システムが得られる。 広域標識配列は、標識−標識アレイ、〜より大きい標識ベクトル、および〜よ り小さい標識ベクトルの3部分からなる。標識−標識アレイは記号の標識間の関 係を説明し、アレイ中へ直接インデックス付けすることで一方の標識が他方の標 識より大きいかどうかを見分ける。これに対して〜より大きい標識ベクトルおよ び〜より小さい標識ベクトルは、標識と数値との間の関係を説明する。ある標識 を用いて〜より大きい標識ベクトルにインデックスを付けると、その標識がそれ よりは大きいことが保証された最大の数値(つまり最大の下限数値)が得られる 。反対に、標識を用いて〜より小さい標識ベクトルにインデックスを付けると、 その標識がそれよりは小さいことが保証された最少数値(つまり最少の上限数値 )が得られる。 例えば、変数XおよびYの値空間がそれぞれ{−_,−critical,− max,−ok,zero,ok,max,critical,+_}と{−_ ,−max,−min,zero,min,max,+_}の場合を考える。X の標識とYの標識とは部分的に重なっているため、これらの値空間から記号標識 の配列の一部が得られる。従って、例えば変数Yの値空間ではminはmaxよ り小さく、変数Xの値空間ではmaxはcriticalより小さいため、記号 標識minは記号標識criticalより小さいことが分る。しかし、okと minとの関係は定めることができない。標識−標識アレイは各記号標識間の関 係を記憶する。これによりあるモデル中の標識の広域部分配列が規定され、標識 を迅速に取り出すことが可能となる。従って、上記の例では、minはcrit icalより小さいため標識−標識アレイにminおよびcriticalでア ク セスすると「<」(つまり「〜より小さい」)が得られ、一方、okとminと の関係は不定であるため標識−標識アレイにokおよびminでアクセスすると 、「?」(つまり「不定」)が得られる。 さらに上記の例で、maxの定量値が100と規定されているとする。この情 報は〜より大きい標識ベクトルおよび〜より小さい標識ベクトル中に記憶される 。これらのベクトルにより記号標識の数値境界を迅速に取り出すことが可能とな る。〜ベクトルより大きい標識ベクトルおよび〜より小さい標識ベクトルは次の 値を含む。 従って記号標識okについて〜より大きい標識ベクトルおよび〜より小さい標 識ベクトルを検索すると、0<ok<100と定められる。定量値が直接関連づ けられた標識(zero,max,−_,+_など)については、〜より大きな 標識ベクトルおよび〜より小さな標識ベクトルにアクセスできないことに注意さ れたい。また、−_および+_は記号標識と定量値の両方で扱われることにも注 意されたい。 状態発生器132は変数の値を合流点に伝搬させる。変数および合流点の両方 について定性値を定量値と統合することができるため、以下に詳述する状態発生 器132の説明は統合した定性・定量値を伝搬させることに関して行う。上述の ように変数についての定量値は変数についての定性値にマッピングできる。定量 値を有する変数は全て対応する定性値を有するため、定性値を必要とする動作は どれも定量値に設定された変数に対して行うことができる。 図7は状態発生器132の動作を詳細に説明するデータフロー図140である 。定数発見器142には未決仮定データ部98から予想値表とキャッシュ化合流 点表とが与えられる。定数発見器142はキャッシュ化された合流点を用いて予 測値表の中を反復し、定数式の形で変数を定義する合流点を有する予測値表の変 数についての値をあてはめる。例えば、電池は、電池の両端にかかる電圧は正の 定電圧である、という合流点によって説明され得る。定数発見器142は第1の 部分予測値表データ部144に、予測値表のエントリーに定数を代入した場合の 結果を出力する。 第1の部分予測値表144および検査結果データ部94は、変数値発見器14 6への入力として与えられ、変数値発見器146はユーザが入力した検査結果に 対応する第1の部分予測値表144の変数についての値をあてはめる。例えば、 ユーザが抵抗器にかかる電圧を測定してその結果を入力すると、変数値発見器1 46は抵抗器の電圧に対応する値を第1の部分予測値表144の変数にあてはめ る。変数値発見器146は第2の部分予測値表データ部148に、第1の部分予 測値表144のエントリーに検査結果に関連した変数値を代入した結果を出力す る。 第2の部分予測値表148は制約伝搬器150への入力として与えられ、制約 伝搬器150は第2の部分予測値表148に格納された変数値(つまり定数発見 器142および変数値発見器146によって既に求められた変数値、ならびにお そらくは仮定の前回の検査から求められた変数)と、未決仮定データ部98から のキャッシュ化された合流点とを用いて、さらに多くの変数についての値を決定 する。制約伝搬器150は変数値を合流点に伝搬させて仮定の他の変数の値に制 約を加える。例えば、弁を流れる流体の流量を説明する合流点が、弁が開いてい る時は入来流量と排出流量とは等しく、弁が閉じている時は排出流量は0である 、と示すとする。もし弁が開いていると判断され(ユーザの観察)、かつ入来流 量の符号が正であると判断される(モデル定数)と、制約伝搬器150は排出流 量の符号は正であると判定できる。さらにもし、弁の出力がパイプに接続されて いれば、制約伝搬器150はパイプの入来流量および排出流量を求めることがで きる。 定性変数がとり得る値のうち、例えば制約伝搬器150によって除外される値 がまったくない変数は「非制約変数」と考えられる。非制約変数は定性変数の値 空間に含まれるあらゆる値を取ることができる。変数がとり得る値のうち少なく とも1つの値が除外されていれば、その変数は「制約変数」と考えれられる。制 約変数は「完全制約変数」または「部分制約変数」のいずれかである。完全制約 変数は1つの値以外は定性変数がとり得る値が全て除外された変数(つまり「公 知の」変数)である。部分制約変数は、少なくとも1つの定性変数値が除外され ているが、同時に少なくとも2つの定性変数値が残っている変数である。 仮定の完全制約変数および部分制約変数は仮定の他の変数をさらに制約するた めに制約伝搬器150を介して伝搬させられる。制約伝搬器150によって制約 された変数は、その後、他の変数とともに制約内に伝搬させられる。制約伝搬器 の出力は第3の部分予測値表152に記憶される。もし制約伝搬器150が完全 制約変数または部分制約変数のとり得る全ての値について矛盾を検知すると、第 3の部分予測値表データ部152には空表が格納される。 第3の部分予測値表152はコア予測器154への入力として与えられる。も し第3の部分予測値表152が空表でなければ、コア予測器154は第3の部分 予測値表152の非制約変数および部分制約変数の各々についての値を反復し、 ある変数について、その他の変数の値は与えられているとすると、その変数がと り得る値のどれかを除外できるかどうかを判断する。例えば、あるスイッチにつ いての合流点が、スイッチが閉じている場合はスイッチの出力電流量と入力電流 量とは等しく、スイッチが開いている場合はスイッチからの出力電流量は0であ る、と示しているとする。さらに、スイッチからの出力電流量の値は正で0では ない、と観察されるとする。この場合、スイッチが開いていると仮定すると矛盾 が生じる(つまりスイッチが開いて、かつスイッチから正の電流が流れることは 同時には発生し得ない)ため、考えられる唯一のスイッチの状態は、閉、である ことがコア予測によって示される。コア予測器154の出力は第4の部分予測値 表データ部158に格納される。 コア予測器154がある特定の仮定について矛盾を発見することも可能である 。例えば、上記のスイッチの例で、スイッチへ入る電流の値が負であると観察さ れたとする。この場合、スイッチの開閉に関係なく、スイッチへの入力電流が負 なのにスイッチからの出力電流が正であるというのは矛盾している。従って、ス イッチについて正の出力電流を予測する仮定は無効にしなければならない。つま り、キャッシュ化された合流点と第3の部分予測値表152とに関連した、状態 発生器132が処理中の仮定は偽に相違ない。この場合、コア発生器154は第 4の部分予測値表158を無効化する(つまり空に設定する)。 第4の部分予測値表158は推論テスター159への入力として与えられる。 推論テスター159は、第4の部分予測値表158に予測値(つまり制約が加え られた変数の値)が含まれるとすると、矛盾をまったく生じない少なくとも1つ の値の組み合わせを完全には制約されていない変数に割り当てられるかどうかを 判断する。もちろん、第4の部分予測値表158が空表の場合は、推論テスター 159はその空表を予測値データ部134に送り、仮定テスター136はその仮 定を廃棄する。 しかし、第4の部分予測値表158が空表でないとすると、推論テスター15 9は完全には制約されていない変数の各々に対する値を推定して、これらの値か ら矛盾しない予測値の組が導出できるかどうかを判断する。ソフトウェアは、完 全には制約されていないある変数についての値を第4の部分予測値表158に格 納し(これにより変数を一時的に完全制約変数に変換する)、全ての値の制約を 広げ、その後、自分自身を呼び出すという再帰ルーチンを用いる。もし伝搬段階 で矛盾する予測値の組が生成されると、推論テスター159はこの再帰ルーチン を逆戻りして変数に対して別の値を推定する。全ての変数について矛盾しない値 の組が見つかれば、推論テスター159は第4の部分予測値表158(初期状態 に回復された変数を有する)を予測値データ部134へ送る。そうでない場合は 、推論テスター159は空表を予測値データ部134へ送る。 推論テスター159が無作為に変数に値を割り当てることも可能だが、無作為 に作られた値の組合わせの数は膨大なため、これはプロセッサの処理時間効率が 非常に悪い。例えば、それぞれ3つの候補値を持つ非制約変数が20個あれば、 その無作為な組合わせの数は30億個以上にもなる。従って、無作為に変数に値 を割り当てる代りに、推論テスター159は動的推論配列を用いて変数に値を割 り当てる。 動的推論配列とは、目標とする合流点をつきとめ、目標合流点に現れる回数が 最大の変数に値を割り当て、割り当てた変数を伝幡させるプロセスである。目標 合流点とは、合流点の変数の1つにある値を割り当てることによって、多くの場 合、その他の変数の制約や矛盾を生じるため、仮定を否定することが可能となる 合流点である。目標合流点の最も単純な例は、変数V1=変数V2と記載する合 流点である。この場合、変数V1にある値が割り当てられると、変数V2の値が 求められる。また、V1にどの値を割り当てても矛盾が生じるため推論テスター 159が空表を予測値表データ部134へ送る場合も考えられる。例えば、仮に 第1の合流点は変数V1=変数V2、第2の合流点は変数V1=−V2、かつ第 3の合流点が変数V1=変数V2+正の定数、と規定するとする。これら3つの 合流点によってV1およびV2に加えられた制約を満足させる値の組合わせは存 在しない。もし推論テスター159が目標合流点に現れない変数を無作為に選択 する代りにまずV1またはV2のいずれかを選択して値を代入すると、矛盾が早 く発見される。 オプションとして、定数発見器142の直後に制約伝搬器150を使用するこ ともできる。つまり、第1の部分予測値表144を制約伝搬器150に与え、制 約伝搬器150の出力を変数値発見器146に与えるようにしてもよい。こうす れば、変数値発見器146とコア予測器154との間に設置する制約伝搬器15 0と両方で、制約伝搬を効果的に二度実行することができる。また、推論テスタ ー159をシステムから削除して第4の部分予測値表158を状態発生器132 の出力としてもよい。 図8は制約伝搬器150の動作をより詳細に示すフローチャート180である 。第1のステップ182では、第2の部分予測値表148中の制約変数に対する 反復の制御が行われる。ステップ182では、反復カウンターはまず初期化され 、その後、反復が繰り返される度に増分される。これ以降、フローチャート18 0の各ステップは一度に1つの変数に対して動作することに注意されたい。反復 カウンターが第2の部分予測値表148の制限変数リストの終りまでくると、動 作は終了する。そうでない場合は、制御はステップ183に進み、該当する変数 (キャッシュ化合流点表中のもの)に関連した全ての合流点が検査され、合流点 のその他の変数には第2の部分予測値表148からの全変数値を用いておそらく 制約が加えられる。該当する変数が、変数がとり得る定性変数値のサブセットに 等しいと判断されると、ステップ183で変数に対する値に制約が加えられる。 制約された変数のとり得る全ての値はステップ183で伝搬させられるため、そ の他の変数にさらに制約が加えられる場合はこの伝搬によるものである。 次に制御はステップ183からステップ184へ進み、ここでステップ183 で矛盾が見つかったかどうかを判定する検査が行われる。矛盾は、同一の変数に 対して2つの矛盾する予測値が作られた場合に発生する(合流点のサブセットの 1つはある変数が正であると予測し、一方、同じ変数を第2のサブセットは負で あると予測する場合など)。もしステップ184で矛盾が見つかれば、制御はス テップ185へ進み、そこで第3の部分予測値表152が無効化され、制約伝搬 器150の動作は終了する。ステップ184で行われる矛盾検査では、制約変数 のとり得る全ての値が矛盾している場合にのみ矛盾が発見される。例えば、変数 X、Y、およびZの値が、それぞれ{minus,zero}、{zero,p lus}、および{plus}に制限されているとすると、合流点X=Y+Zの 中に値を伝搬させた場合に矛盾が検知される。この式の左項および右項を解くと 、 {minus,zero}={plus}となり、これはX、Y、およびZに割 り当てられる値に関係なく矛盾している。 ステップ184で矛盾が発見されなければ、制御はステップ184からステッ プ187へ進み、ステップ183で変数の値に制約が加えられたかどうかを判定 する検査が行われる。ある変数についての値を伝搬させると、その変数について のさらなる制約や他の変数についての制約が得られる場合がある。もし新たな変 数の制約が見つかれば、制御はステップ187からステップ188へ進み、新た に制約を加えられた変数が制約変数リストに加えられる。その後、制御はステッ プ188からステップ182へ戻り、反復カウンターが増分される。ステップ1 83で変数の新たな制約が見つからなければ、制御はステップ187からステッ プ182へ戻る。 図9Aはコア予測器154の詳細な動作を示すフローチャート190である。 第1のステップ191ではアジェンダが計算される。アジェンダとは、第3の部 分予測値表152の未制約および部分制約変数でコア予測を行う全変数のリスト である。ステップ191では、仮定の全ての未制約または部分制約変数からなる アジェンダを計算できる。言い換えれば、仮定の全ての未制約および部分制約変 数に対してコア予測を行うことができる。しかし、後ほど詳しく述べるが、この アジェンダからいくつかの変数を除去してコア予測にかかる処理時間を短くする ことも可能である。 第1のステップ191に続くステップ192では、アジェンダの変数の反復が 制御される。ステップ192では、反復カウンターはまず初期化され、その後、 アジェンダの各変数に対して反復が繰り返される度に増分される。これ以降、フ ローチャート190の各ステップは一度に1つの変数に対して動作することに注 意されたい。ステップ192で処理が完了しなければ、制御はステップ192か らステップ193へ進み、1つ以上の有効な値で処理中の変数がチェックされる 。機械のモデル化には定性物理が用いられているため、現実のアナログ量を表す 変数を含む全変数のとり得る定性値の数は有限個である。ステップ193では、 残りのステップに進む前に、変数はとり得る全ての定性値に(一度に1値ずつ) 反復的に設定される。もしステップ193で変数がとり得る全ての定性値に変数 が 設定されなければ、制御はステップ193からステップ194へ進み、その変数 値が制約中に伝搬させられる。ステップ194はフローチャート180のステッ プ183の制約伝搬と同じである。その後、制御はステップ194からステップ 195へ進み、ここで変数の推定値を合流点に伝搬させることによって矛盾が生 じたかどうかを判定する検査が行われる。もし矛盾が生じていれば、制御はステ ップ195からステップ193へ戻って変数に対して別の反復が行われる(つま り変数に対して別の値が選択される)。 変数値を合流点に伝搬させることによって矛盾が生じなければ、制御はステッ プ195からステップ196へ進んで、変数のとり得る値のリストにその値が加 えられ、かつステップ194で制約が加えられた仮定の他の変数値が保存される 。その後、制御はステップ196からステップ193へ戻り、その変数に対して 別の値を検査し始める。 変数のとり得る全ての値を合流点に伝搬させてしまうと、制御はステップ19 3からステップ197へ進み、変数について予測された値のうちで矛盾しない予 測値の組となる値があるかどうかを判定する検査が行われる。矛盾しない予測値 の組を作る変数値がない場合は、制御はステップ197からステップ198へ進 み、予測値表が無効化されて動作が終了する。この場合、ある変数について矛盾 しない予測値の組を作る値がないため、この仮定は真ではない。かかる予測値が ある場合は、制御はステップ197からステップ199へ進み、変数について矛 盾しない予測値の組を作る値が一つだけ存在するかどうかを判断する検査が行わ れる。そのような値が存在すれば、変数は完全に制約されることになり、制御は ステップ199からステップ200へ進んで、その変数と値とが第4の部分予測 値表158に加えられる。矛盾しない予測値の組を作る変数の値がたった1つな ら、その変数は検査中の仮定が真であるということと等価である。その後、制御 はステップ200から反復ステップ192へ戻り、次の変数が検査される。 矛盾を生じない変数の値が2つ以上存在する場合は、制御はステップ199か らステップ202へ進み、検査中の変数は矛盾しない予測値の組を作る2つ以上 の値を含むリストに設定される。つまり、変数はステップ196で構成された、 変数のとり得る値のリストに設定される。例えば、変数V1が値空間{−_,− max,−min,zero,min,max,+_}を持ち、かつステップ1 94および195でzeroとmaxだけが矛盾しなかった場合、V1は部分的 に制約されることになり、ステップ202でリスト{zero,max}に設定 される。 ステップ202で変数を値リストに設定した後、ステップ196で格納された インプリカント(つまり他の変数の伝搬した後の値)の和集合をとることによっ て、他の変数(つまり反復変数以外の変数)についての予測値が求められる。例 えば、変数V1が値リスト{−min,zero}に設定されている場合、他の 変数に対する追加の予測値はV1について−minおよびzeroを伝搬させる 間に求められる。こうして求められた残りの変数のとり得る値は、別個の伝搬ス テップによって得られた値の和集合である。場合によっては、1つの値リストを 第1の変数に割り当て、その後の反復において第2の変数に1つの値を割り当て させることも可能である。例えば、ある合流点がX=Y+Zと定義し、かつYは 正であると決められた(直接の測定または前回の変数値の伝搬によって)場合、 コア予測の間に値リスト{zero,plus}をZに割り当てると、Xに割り 当てられる値はplusだけになる。なぜなら、zeroをZについて伝搬させ るとX=plusとなり、plusをZについて伝搬させてもX=plusとな り、Xがとり得る値の和集合はX=plusだけとなるためである。 ステップ192でアジェンダの全ての変数が取り扱われると、制御はステップ 192から検査ステップ204へ進み、アジェンダの変数に対する値のうちコア 予測の前回の反復(つまりアジェンダの全変数を一番最近通過した時)によって 変化した値があるかどうかが判断される。もしなければ、コア予測によってそれ 以上の変数を導出できないので処理は終了する。 検査ステップ204で変数の値が一番最近のコア予測の反復の間に変化したと 判定されれば、制御はステップ204からステップ191へ戻って再びアジェン ダを計算する。 先に述べたように、アジェンダは全ての未制約および部分制約変数を含むこと ができる。この代りに、前回の反復で発見された値の制約に基づいて、アジェン ダの二度目以降の反復時に、アジェンダに記載する変数を現在の反復時に新たな 値の制約を生成し得る変数だけに限定してもよい。これらの変数は、前回の反復 時に変更された値を有する未制約または部分制約変数(およびそれらのコバリエ イト)である。こうすることによって、新たな値の制約を生じないことが多い変 数をアジェンダから取り除いて、処理時間を短くできる。 このようにコア予測器154のサイクルは、アジェンダを作るステップと、ア ジェンダの変数に対してコア予測を行うステップとを交互に行うものである。こ の代わりに、コア予測を行っている間にアジェンダを継続的に計算することもで きる。このモードでは、コア予測器154はある変数がアジェンダに加える基準 に達したと判断されるとすぐにその変数をアジェンダに加える、アジェンダに残 っている変数がなくなると動作を終了する。 また、アジェンダに記載された変数の組を1組の変数候補として扱い、これら の変数候補が現れる合流点を検討することによって各反復時に変数をさらに取り 除くこともできる。アジェンダに残る変数は、次回の反復時に制約が加えられる か、または他の変数に制約を加えさせることの多い変数である。2つ以下の未制 約または部分制約変数を持つ無条件合流点だけに現れる変数、または2つ以下の 未制約または部分制約変数を持つ条件付き合流点の後条件に現れる変数もアジェ ンダから除外することができる。後条件とはIF−THEN文のTHEN部分を 指す。このようにアジェンダから変数を除外していくと、新たな値の制約を生じ ないと考えられる変数をさらにアジェンダから消去して、処理時間をさらに短く できる。 図9Bは、コア予測を行う(つまりアジェンダにのせる)のに適当な変数かど うかを判定する変数検査方法を示すフローチャート210である。第1のステッ プ212では、変数が合流点の前条件に現れるかどうかを判断する検査が行われ る。前条件とはIF−THEN文のIF部分であり、THEN部分を真にさせる 部分である。例えば「もしX=0ならば、Y=2である。」という合流点では、 変数Xは前条件に現れる。 検査中の変数が合流点の前条件に現れるとステップ212で判断されると、制 御はステップ212からステップ213へ進み、その変数がアジェンダに加えら れる。そうでない場合は、制御はステップ212からステップ214へ進み、3 つ以上の未制約または部分制約変数を含む無条件合流点に変数が現れるかどうか が判断される。現れる場合は制御はステップ215に進み、その変数がアジェン ダに加えられる。現れない場合は、制御はステップ214から検査ステップ21 6へ進む。 検査ステップ216では、検査中の変数が3つ以上の未制約または部分制約変 数を含む合流点の後条件に現れるかどうかが判断される。現れる場合は、制御は ステップ216からステップ217へ進み、その変数はコア予測変数のリストに 加えられる。これ以外の場合は、変数はアジェンダには加えられず、その変数に 対してはコア予測は行われない。 図10は仮定生成器105の動作を示すデータフロー図230である。仮定生 成器105は多数の方法によって仮定を作る。仮定生成器105は、保存済み仮 定データ部99からの既存の仮定に関連した部品を拡張したり、より多くの部品 が同時に故障していると推定することによって新たな仮定の作成が可能である。 また、仮定生成器105は保存済み仮定データ部99からの既存の仮定および関 連した予測値を未決仮定データ部98に送ることもできる。 検査要求データ部102からのデータは仮定コントローラ232に与えられ、 仮定コントローラ232は検査要求データ部102が空であることを検知すると 、モデル例データ部106からの情報を用いて、保存済み仮定データ部99から の仮定に関連した部品をサブ部品に拡張することによって新たな仮定を作る。例 えば、保存済み仮定データ部99が機械の電源が故障していると推定するある仮 定を含む場合は、仮定コントローラ232は電源のサブ部品(キャパシタ、変成 器、ブリッジ整流器など)の故障に対応する複数の仮定を作る。モデル例データ 部106が各複合部品のサブ部品を識別できるデータ構成を含むので、仮定コン トローラ232は部品のサブ部品を決定できる。 もし保存済み仮定データ部99が空ならば、仮定コントローラ232は検査継 続問合わせデータ部107にデータを書き込んで、前回の仮定の組よりも故障し ている部品の数が1つ多いと推定する仮定の組を用いて故障隔離を継続すること をユーザが望んでいるかどうかを判断する。これに対するユーザの答は仮定コン トローラ232への入力として設置される検査継続回答データ部108に与えら れ、仮定コントローラ232はこの回答を用いて仮定の作成を続行するかどうか を判断する。 もし検査要求データ部102が空でない(つまり知能的検査部100がユーザ に検査の実行を指示している)場合は、仮定コントローラ232は保存済み仮定 データ部99からの仮定を未決仮定データ部98に送り、仮定テスター96が仮 定のさらなる検査を行うようにする。さらなる検査はある仮定について新たな値 を予測するものではなく、またその仮定を削除することもないため、ある変数に ついてユーザが供給を指示された(つまり検査要求データ部102中に格納され た検査)一意の定性値を予測する仮定は送られない。例えば、保存済み仮定デー タ部99が、ある導管を流れる流体が正であると予測する仮定Aと、同じ導管を 流れる流体について曖昧な予測をする仮定Bとを含むとする。この時、もし検査 要求データ部102がユーザにその導管を流れる流体を観察させるプロンプトを 含むならば、仮定コントローラ232は仮定Bは未決仮定データ部98に送る( 仮定Bは流体について曖昧な予測を行うため)が、仮定Aは未決仮定データ部に は送らない(仮定Aは導体を流れる流体が正であると予測するため)。もしユー ザが実際に導管を流れる流体が負または0であると観察すれば、仮定更新器10 4は仮定Aを保存済み仮定データ部99から削除する。 仮定コントローラ232は、仮定(新たに作成された仮定、または保存済み仮 定データ部99からの仮定)を仮定記憶データ部234に格納する。仮定記憶デ ータ部234は合流点セレクタ236への入力として与えられる。合流点セレク タ236は、モデル例データ部106からのデータを用いて、仮定記憶データ部 234に格納された各仮定についてのモデル合流点を決定する。合流点セレクタ 236は合流点データ部238にこれらの合流点を格納する。 合流点データ部238は変数コレクタ240への入力として与えられる。変数 コレクタ240は合流点の各組ごとに一意の変数の組を決定し、その出力を変数 データ部242に格納する。変数データ部242および合流点データ部238は キャッシュ化した合流点表を作る合流点キャッシュ化器244への入力として与 えられる。キャッシュ化合流点表とは各変数によってインデックスが付けられる 合流点の表であり、この表の各要素はインデックス変数が現れる全ての合流点を 含む(例えば、変数V1は合流点C1、C5およびC6に現れ、変数V2は合流 点C2およびC5などに現れる)。キャッシュ化合流点表は仮定テスター96に よって用いられることにより、合流点を検索して変数の発生を確認しないでも仮 定を検査できる。 新たに作られた仮定については、変数データ部242が予測値表作成器246 への入力として与えられ、この予測値表作成器246は空の予測値表を作る。保 存済み仮定データ部99から得た仮定については、既存の予測値表(いくつかの 変数値が既に決定済み)が用いられる。未決仮定データ部98に書き込まれる仮 定生成器105の出力は、複数の仮定の組(一度に1つ)と、各仮定に関連した キャッシュ化合流点表と、各仮定に関連した予測値表とである。 場合によっては、新たに作られた仮定の予測値表中の変数に対して仮定生成器 105がいくつかの値を与えることがある。既存の仮定をサブ部品に階層的に拡 張することによって新しい仮定が作られると、親仮定中の変数に対応する新仮定 中の変数は、親仮定の分析の間に割り当てられた変数値と同じ値に設定され得る 。例えば、親仮定が燃料系の故障に対応し、かつ先に行われた親仮定の分析中に 燃料系への燃料の投入流量を表す変数にある値が割り当てられたとすると、これ と同じ値を親仮定の燃料投入流量の変数に対応する燃料系サブ部品(燃料ポンプ 、インテークバルブなど)の仮定の任意の変数に割り当てることができる。 先に述べたように、アジェンダの第1の反復におけるコア予測器の計算により 、変数の候補は仮定中の全ての未制約および部分制約変数となり得る。この代り に、変数をさらに限定して、子仮定によって追加される合流点(親仮定には含ま れなかった合流点)に現れる未制約および部分制約変数とすることもできる。こ れにより、ある子仮定より前の世代の仮定についてコア予測器によって予測が行 われた変数は全く含まない小さな候補変数リストが作られる。実際、より大きな 候補変数リストを用いてコア予測器によって計算される値の制約の全てではない が大半は、小さなアジェンダによって計算することができる。 また、子仮定より前の先祖仮定についてコア予測器によって操作された追加の 候補変数は、コア予測器によるアジェンダの最初の反復の間に小さな候補変数リ ストに選択的に加えることができる。これらの変数には、コア予測器に入れられ る前に制約伝搬器によって制約された変数と、その再帰的コバリエイトとが含ま れ得る。変数Xが変数Yのコバリエイトである(つまりYが含まれる合流点にX が現れる)か、XがYの再帰的コバリエイトのコバリエイトであるならば、Xは Yの再帰的コバリエイトである。例えば、X=Z、Z=W、W=Yという3つの 等式が与えられたとすると、XはZのコバリエイトであり、ZはYの再帰的コバ リエイトであるため、XはYの再帰的コバリエイトとなる。またZはWのコバリ エイトであり、WはYのコバリエイトであるから、ZはYの再帰的コバリエイト となる。さらに、子仮定によって加えられた変数の再帰的コバリエイトである、 親仮定中に存在する変数も、アジェンダに加えることができる。 コア予測値アジェンダは、ある変数値に関連した検査結果を受け取った後に仮 定テスター96によって行われる計算量を減らすためにも使用できる。前述のと おり、コア予測器によるアジェンダの第1の反復における計算では、変数の候補 は全ての未制約および部分制約変数となり得る。この代りに、候補変数は、検査 結果に直接関連した完全には制約されていないすべての変数(もしくはそのコバ リエイト)、または検査結果に基づいて制約伝搬器150によって制約が加えら れるすべての変数(またはそのコバリエイト)を含んでもよい。これにより、検 査結果に影響されない、従ってコア予測器によって新たな値の制約を生じること はほとんどない、多くの未制約または部分制約変数を除外した小さな候補変数リ ストを作ることができる。 図11は知能的検査部100の詳細な動作を示すデータフロー図260である 。保存済み仮定データ部99および保存済み予測値表データ部118からの入力 は、検査分類器262に与えられる。検査分類器262は各検査に関連し得る任 意の部品の健康状態検査と共に予測値を検討し、モデルについての各検査をI型 検査、II型検査、またはIII型検査のいずれかに分類する。I型検査とは保 存済み仮定データ部99から少なくとも1つの仮定を廃棄することが保証された ユーザが実行可能な検査であり、II型検査とは、仮定が廃棄される場合とされ ない場合とがある検査であり、かつIII型検査とは仮定の廃棄が許可されない 検査である。検査分類器262の出力は分類済み検査データ部264に格納され る。機械の構成を現在の構成から別の構成に変えることが必要な検査の評価は、 保存済 み予測値表118中の他の構成に対応する保存済み予測値に関して行われること に注意されたい。 検査分類の一例として、保存済み仮定データ部99が仮定Aと仮定Bとを含み 、仮定Aはある電流量が0以上であると予測し、仮定Bは同じ電流量が0未満で あると予測する場合を考える。この場合、電流量をユーザに観察(およびQRS へ入力)させることにより、実際の電流値に関係なく仮定Aまたは仮定Bのいず れかが必ず除外されるため、検査分類器262は電流量を測定する検査をI型検 査と判定する。さらにこの例において、仮定Aはある特定の点での電圧が0以上 であり、仮定Bはその電圧が0以下であると予測するとする。この場合、ユーザ による電圧値の観察によって仮定Aまたは仮定Bの除外は必ずしも行われないた め、検査分類器262は電圧測定をII型検査と判定する。もしユーザが電圧値 0と測定すれば、仮定Aも仮定Bのどちらも除外されないが、ユーザが0以外の 電圧値を測定すれば、仮定Aまたは仮定Bのいずれかが除外される。さらにこの 例において、仮定Aおよび仮定Bが両方ともある流量について完全に曖昧な予測 を行うとする。この場合、検査分類器262はその流量の測定をIII型検査と 判定する。 保存済み仮定データ部99および保存済み予測値表データ部118からの入力 は、検査結果ペイオフ生成器266に与えられる。検査結果ペイオフ生成器26 6は、検査によって得られる可能性のある各検査結果ごとに、保存済み仮定デー タ部99からの仮定のうち、検査結果がある特定の値に等しければ廃棄される仮 定によって予測される特定の故障発生確率の和を求める。例えば、保存済み仮定 データ部99が真である確率が等しい10個の仮定を含み、そのうちの3つの仮 定はある特定の電流値が正または0であると予測し、4つの仮定は同じ電流値が 負であると予測し、残りの3つの仮定の予測は完全に曖昧である場合を考える。 正の電流値に対するペイオフは4/10であり、負の電流量に対するペイオフは 3/10である。検査結果ペイオフ生成器266の出力はペイオフデータ部26 8に格納される。検査結果のペイオフは仮定の確率を計算にいれなくとも、廃棄 され得る仮定の数だけを用いても計算できることに注意されたい。 保存済み仮定データ部99、保存済み予測値表データ部118、および部品情 報データ部101からの入力は、仮定確率生成器270に与えられる。仮定確率 生成器270は部品情報データ部101からの経験的または推定部品故障率情報 を用いて、保存済み仮定データ部99の各仮定の有効度を予測する。仮定確率生 成器270からの出力は仮定確率データ部272に格納される。 仮定確率データ部272、保存済み予測値表データ部118、および保存済み 仮定データ部99は、検査結果確率生成器274への入力として与えられる。検 査結果確率生成器274は各検査によって得られる可能性のある検査結果それぞ れの確率を予測する。確率が高い仮定によって予測される変数値を測定すること の方が、確率が低い仮定によって予測される変数値を測定することより多い。例 えば、保存済み仮定データ部99が、ある特定の流体の流量が0であると予測す る仮定Aと、同じ流量が0以外であると予測する仮定Bとを含むとする。さらに 、仮定確率生成器270によって仮定Aは確率80%と判定され、仮定Bは確率 20%と判定されるとする。この場合、検査結果確率生成器274は、流量が0 であるとユーザが観察する確率は80%、0以外であると観察する確率は20% であると判断する。 検査結果確率生成器274からの出力は予想確率データ部276に格納される 。予想確率データ部276は、ペイオフデータ部268と共に検査ユーティリテ ィ生成器278への入力として与えられる。検査ユーティリティ生成器278は 、検査によって得られる可能性のある検査結果ごとの予想確率とペイオフとの積 の和を計算することによって、各検査ごとにユーザに検査を行わせるユーティリ ティを求める。例えば、変数Xの値を測定する検査の取り得る結果が、minu s、zero、およびplusの3つであるとする。さらに、変数がminus と測定する場合のペイオフが1/10、変数がzeroと測定する場合のペイオ フが2/10、変数がplusと測定する場合のペイオフが6/10であるとす る。さらに、X=minusとなる確率は25%、X=zeroとなる確率は1 5%、かつX=plusとなる確率は60%であるとする。この場合、変数Xを 測定するユーティリティは次の式によって求められる。 Xのユーティリティ =(.10×.25)+(.20×.15)+(.60×.6) 検査ユーティリティ生成器278の出力は検査ユーティリティデータ部280 に格納される。検査ユーティリティデータ部280は部品情報データ部101お よび検査構成データ部119からのデータと共に検査スコア生成器282への入 力として与えられる。検査スコア生成器282は、各検査の検査ユーティリティ を(部品情報データ部101から与えられる)各検査ごとの検査時間によって除 算して各検査の検査スコアを求め、検査スコアデータ部284に格納する。検査 スコア生成器282は、各検査ごとにユーザにその検査(つまり機械のパラメー タの測定や部品の健康状態検査)をどの程度行わせたいのかを判定する。ユーテ ィリティが同じである2つの検査では、ユーザが測定にかかる時間が長い検査の 方が検査スコアは低い。さらに、機械部品の内部摩擦力などの検査については、 ユーザが検査を行うことは無理と考えられるため、無限大へと近づく検査時間が 割り当てられる。検査スコア生成の基礎となる理論およびその詳細な説明は、Vo n Neumann,John and Morgenstern,Oskar"Theory of Games and Economic Beha vior",Princeton,Princeton University Press,3rd edition(1953)に記載さ れている。 検査スコアデータ部284および分類済み検査データ部264は検査セレクタ 286への入力として与えられる。検査セレクタ286はどの検査をユーザが実 行するのが最良かを決定する。検査セレクタ286にはまた、検査の各型ごとの しきい値(本実施形態では、I型検査およびII型検査のどちらのしきい値も0 .001であるが、I型検査にはしきい値5を、II型検査にはしきい値100 を用いることもできる)を含むしきい値データ部288からの第3の入力が与え られる。検査セレクタ286は、検査スコアが最高のI型検査(保存済み仮定デ ータ部99からの仮定のうち少なくとも1つの仮定が必ず除外される検査)を選 択する。しかし、スコアが最高のI型検査のスコアがI型検査用のしきい値を下 回る場合は、検査セレクタ286はスコアが最高でII型検査用のしきい値を上 回る検査スコアを持つII型検査を選択する。I型検査またはII型検査のそれ ぞれのしきい値よりも高い検査スコアを持つ検査がない場合は、検査セレクタ2 86はどの検査も選択しない。検査セレクタ286の出力は検査要求データ部1 02へ書き込まれる。もし検査セレクタ286が検査要求データ部102に何も 書 き込みを行わなければ、仮定生成器105は検査要求データ部102が空である と検知して保存済み仮定データ部99からの仮定の拡張を開始することに注意さ れたい。 この代わりに、上述のような検査選択技術を変形して、I型検査の方を優先さ せずにI型およびTI型のうち最高スコアを持つ方の検査を選択することも可能 である。つまり、スコアが最高のI型検査のスコアが所定のしきい値を上回って いる場合でも、II型検査のスコアの方がI型検査のスコアより高ければ、II 型検査をI型検査に代わって選択できる。また、I型検査およびII型検査のし きい値の組を2つ設けて、一方のしきい値の組は関連したサブ構成がある仮定( つまりモデル階層の最下位ではない複合部品を表す仮定)に用いられ、他方の組 はサブ構成のない仮定(つまりモデル階層の最下位の基本部品を表す仮定)に用 いられる。検査セレクタ286は、保存済み仮定データ部99および保存済み予 測値表データ部118からのデータを検討して条件の差を検知する。 仮定に含まれる各変数には1つ以上の検査手順を関連付けることができる。検 査手順とは、部品の健康状態検査または1つ以上の変数の値の決定である。従っ て、先に図11に従って説明した処理は、検査手順ベースではなく変数ベースで 行うことができる。その場合、各変数は関連した検査の残りの仮定に対する効果 によって、I型、II型、またはIII型に分けられる。また、各変数のスコア の計算も先に述べた各検査のスコアを計算するのと同じ方法で行うことができる 。 検査手順には、ユーザに機械の制御入力または機械の構成を変更させるステッ プが含まれる場合もある。その場合は、ユーザは要求されたステップを行い、ス テップの完了を確認して、図4に従って説明したような方法でQRSが以前の構 成に関連した仮定予測値表およびユーザ検査結果を保存できるようにする。 先ほど説明した検査スコア生成器282は、検査にかかる検査時間についての 検査スコアを静的値を用いて計算する。つまり、先ほどの説明では、ある特定の 検査の実行のコストは機械上で既に行われた以前の検査には関係なく不変である と仮定している。この代りに、検査スコア生成器が検査構成データ部119から 情報を受け取って、機械の現在の検査構成に基づいて特定の検査手順の実行コス トをダイナミックに計算することもできる。例えば、機械が第1のアクセスパネ ルと第2のアクセスパネルとを有し、第1のパネルは以前に行われた検査で除去 されたが第2のパネルは除去されなかったとする。この時、第1の検査では第1 のパネルを除去するプレステップが、第2の検査では第2のパネルを除去するプ レステップがそれぞれ必要であり、その他の要因は全て等しいならば、第1のパ ネルは既に除去されているのだからここでは第1の検査を行う方が効率が良いこ とになる。 ある検査手順のコストの動的計算は、まず、まだ行われていない検査手順の各 ステップおよびプレステップのコストの和を求めることから行われる。その後、 検査構成データ部119からのデータを検討することによって検査構成が決定さ れる。検査構成の現在値に従って不必要となるステップまたはプレステップのコ ストは、計算されたステップのコストの和には含まれない。例えば、あるテスト 手順がアクセスパネルの除去ステップを含み、そのアクセスパネルは以前の検査 手順の間に既に取り除かれているとすれば、検査手順の最終コストにはアクセス パネルの除去にかかる時間は含まない。 図12Aは、QRSソフトウェアによって用いられるモデル例データ部106 を作るモデル構築器を示すデータフロー図300である。モデル例データ部10 6はSun Microsystems Inc.(Mountain View,Cal.))製造のSPARCsta tion10、モデル41等のコンピュータワークステーション上でモデル構築 器を稼動させることによってオフラインで構成され、その後、PMA30に移し てQRSソフトウェアの一部となる。 モデル構築器への入力はグラフィカルユーザインタフェース302によって行 われる。グラフィカルユーザインタフェース302の詳細は、"HELIX: A Helico pter Diagnostic System Based on Qualitative Physics",Hamilton,Thomas P .,International Journal of Artificial Intelligence in Engineering,Vol .3,No.3,July,1988,pp 141-150に記載されている。グラフィカルユーザイ ンタフェース302からのユーザ入力はモデル構成器304に与えられ、モデル 構成器304はユーザ入力を処理してモデル部品データファイル306を作り、 このファイルをワークステーションのディスクに記憶する。モデル部品データフ ァイル306は基本モデル部品(つまり基本部品の端子および合流点)の定義、 なら びに複合モデル部品の定義を含む。これらの定義はユーザが基本部品または他の 複合部品を相互接続することによって作ることができる。モデル部品データファ イル306に記憶されるデータはコモンLisp形式であり、その構成方法は当 業者には公知である。部品データファイル306中の部品の相互接続関係によっ てモデルの階層が定義され、階層の最下位は基本部品であり、階層の最上位は1 つの複合部品、つまりモデル化されている機械を表す。 ユーザはグラフィカルユーザインタフェース302にアクセスして、構成中の モデルのパラメータまたは部品についての検査手順を特定する。ユーザは、検査 、コスト、前条件、プレステップ、および検査手順に関連したその他の情報(こ れらについては本明細書の別箇所で説明済み)についてのプロンプトテキストを 特定する。検査手順のいくつかは、ワークステーション302にすでに記憶され た一般的検査手順テンプレートから構成できる。例えば、ある電線を流れる電流 検査用の一般的テンプレートを基にして、特定の電線についての特定の検査手順 を作ることができる。また可能な場合は、検査手順を部品の健康状態検査の形で 特定することができる。この場合、ユーザに1つ以上の機械の部品の健康状態を 検査させてそれを示す情報を入手させることにより1つ以上の機械故障仮定を検 査し、これによりQRSをルールベース故障隔離システムの側面と統合する(つ まり特定の症状を特定の部品の故障と相関させる)。例えば、スイッチコンタク トアセンブリの損傷の検査では、ユーザにスイッチコンタクトアセンブリがバー ンアウトまたは損傷を受けた症状を示しているかどうかを問い合わせ、ユーザに 「はい」または「いいえ」のいずれかで応答させる。 モデル構築プロセスに標識ドメインを用いることもできる。標識ドメインおよ びその他の標識関係は、定性変数についての値空間を構成するためのテンプレー トとして機能できる。これを用いれば、各変数ごとユーザに定性的値空間を個別 に指定させなくても良いため、モデルの構築にかかる時間が節約できる。また、 標識ドメインを用いると、同じまたは関係のある変数同士は必ず同じ定性的値空 間および同じ定性値−定量値間のマッピングを持つようになる。例えば、相互接 続されている2つのパイプを流れる流量を説明する値空間が{−_,−max, −min,zero,min,max,+_}であるとする。標識ドメインを用 いない場合は、モデル構築器は一方のパイプについてminを不注意に除外して しまい、パイプを流れる流量を定性的に表す個別の変数を比較し操作する際に困 難を生じることがある。しかし、標識ドメインを用いれば、比較および計算が容 易にできるようにユーザが双方の流量変数についての値空間を規定することがで きる。また、検査手順テンプレートを実行時間中に用いれば、あるタイプの部品 またはパラメータを一般的に指定する検査手順を、故障隔離の間に特定の部品ま たはパラメータに適用することもできる。 部品データファイル306はモデル例生成器308への入力として与えられる 。モデル例生成器308は部品データファイル306をPMA30でQRSソフ トウェアが処理するのに最適な形式に変換する。モデル例生成器308によるこ の変換の結果は例データファイル310に出力され、例データファイル310は ワークステーションのディスクに記憶され、かつPMAのQRSソフトウェアに 移されてモデル例データ部106となる。モデル例生成器308によって行われ る変換には、合流点を中置表記法から前置表記法に変換すること、条件付き合流 点からキーワードを抽出すること、アクセスを迅速にするために各合流点で用い られる変数を前もってソートすること、および変数のデータタイプをコモンLi spリストからコモンLisp記号へと変換することが含まれる。 モデル例生成器308はまた、制約の数を減らすことによってモデルの制約お よび変数の数を少なくする。制約数の減少には、ある部品の合流点を検討して、 変数の一方のみが検査可能な変数(つまり検査手順に関連しているということ) であるV1=V2またはV1=−V2という形の単純な合流点を削除することが 含まれる。他方の変数が検査可能かどうかは不定である。検査不可能な変数およ び単純な合流点を削除するには、部品についての全合流点中の検査不可能な変数 を他方の変数(またはV1=−V2という単純な合流点の場合は他方の変数の否 定)と置換する。検査不可能な変数のとり得る定性値が他方の変数のとり得る定 性値のサブセットである場合には、置換は確実に行われる。 制約数を減らすプロセスはモデル階層の最下位で開始される。階層の最下位で 削除される変数はそれより上位においても削除される。それ以降のレベルでは、 部品間の相互接続関係などの新しい合流点が導入されるため、より多くの変数が 削除できることが多い。 QRSが正常に動作するためには、モデル例データファイル310はモデル化 されているシステムを正確に表現したものを含まなければならない。例データフ ァイル310はモデルテスター312への入力として与えられ、モデルテスター 312はグラフィカルユーザインタフェース302を介してユーザと対話して、 例データファイル310の部品を検査する。モデルテスター312は定性物理を 用いて部品を検査して部品の作動状態を生成し、それらの状態に関する情報をグ ラフィカルユーザインタフェース302を介してユーザに与える。例えば、例デ ータファイル310に含まれる弁について、部品テスター312は、弁が閉じて おり弁の入出力流量がともに0である第1の状態と、弁が開いており弁の入出力 流量がともに正である第2の状態と、弁が開いており弁の入出力流量がともに負 である第3の状態と、弁が開いており弁の入出力流量がともに0であるという第 4の状態とを作ることができる。 このような状態を作ることによってユーザは部品モデルをデバッグすることが できる。もしユーザがある部品に対して多くの制約を与え過ぎると、モデルテス ター312はその部品のとり得る全ての状態を生成できない。例えば上記の弁の 例では、もしユーザが弁について誤って多くの制約を与え過ぎると、モデルテス ター312は上記の4つの作動状態のうち3つしか生成できないかもしれない。 同様に、もしユーザが与える制約が少な過ぎると、モデルテスター312は余分 な規定外の状態を生成し得る。例えば、この例では、弁が閉じている時は弁の入 出力流量はともに0であると指定する制約をユーザが与えなければ、モデルテス ター312は弁が閉じておりかつ弁の入出力流量は正の0以外の値である状態を 生成するかもしれない。 ユーザはまた、テストケースデータファイル314の作成を選択することもで きる。テストケースデータファイル314はワークステーションのディスクに記 憶され、例データファイル310に記憶された部品の変数に割り当てられた値の 所定の組を含む。例えば、テストケースデータファイル314は電気抵抗器につ いて割当てられた変数値の第1および第2の組を含み得る。第1の組では抵抗器 を流れる電流は正であり、抵抗器にかかる電圧は正である。第2の組では抵抗器 を流れる電流は負であり、抵抗器にかかる電圧もまた負である。テストケースデ ータファイル314は、特定の部品についての全てのテストケースを含む必要は ないことに注意されたい。上記の抵抗器の例では、電流および電圧が0であるケ ースは用いられない。 さらに、テストケースデータファイル314は無効ケース、つまりある部品に ついてその部品の合流点に違反する変数値の組を含むこともある。例えば、テス トケースデータファイル314は抵抗器について抵抗器にかかる電圧が正であり 抵抗器を流れる電流が負であるというケースを含み得る。テストケースデータフ ァイル314は部品テスター312への入力として与えられ、部品テスター31 2は所定のケースの組からの値を検査中の部品の変数に代入する。部品テスター 312はその結果をユーザインタフェース302を介してユーザに報告する。各 ケースの作成時にユーザによってテストケースデータファイル314に与えられ るストリングもまた、ユーザインタフェース302を介してユーザに報告される ため、例えば無効ケースについてのストリングはケースが無効であると識別する 。 QRSカーネルデータ部316は、図1〜図11を参照して説明したQRSシ ステム用の実行時間コードを含む。QRSカーネル316およびモデル例310 は、そのままで(つまり別の要素として)PMA30または故障隔離の実行にふ さわしいその他の処理装置に結合できる。また、QRSカーネル316とモデル 例310とはアプリケーションコンパイラ317で結びつけられて、PMA30 またはその他の適当な処理装置に設置される配達可能な実行時間システム318 を与える。実行時間システム318はPMA30または他の適当なコンピュータ 上で動作を行う。アプリケーションコンパイラ317は、故障隔離の前または故 障隔離の間にPMA30上またはモデルの構築に用いられるコンピュータ上で稼 働させることができる。 アプリケーションコンパイラ317は、QRSカーネル316の一部を予めコ ンパイルしてから、QRSカーネル316の一部をモデル例310の一部と結合 することができる。この予備コンパイルと結合とにより、実行時間システム31 8の応答時間は改善されるが、動作の柔軟性は低くなる。 アプリケーションコンパイラ317は、ある最初の症状の組に対する仮定およ び予測値を予め計算することにより、QRSカーネル316とモデル例310と を予備コンパイルして結合する。ユーザは前もって予測された最初の症状の組を 入力し、アプリケーションコンパイラ317はモデル例310とQRSカーネル 316とを用いて、図1〜図11を参照して説明してきたような方法で最初の仮 定の組を生成する。こうして得られる実行時間システム318は検査選択をダイ ナミックに行うことができるが、診断の開始はユーザによって与えられる決めら れた最初の機械状態の組から開始される。 またアプリケーションコンパイラ317は、ユーザによって与えられる最初の 症状の組を推定する診断用の論理ツリー全体を予め計算することによってQRS カーネルとモデル例とを予備コンパイルして結合できる。こうして得られる実行 時間システム318の応答時間はやや速くなるが、システム318は検査の選択 または制作時には予測されなかった症状についての故障隔離は柔軟に行うことが できなくなる。 図12Bは、第1の最上位レベル322と第2の中間レベル324と第3の最 下位レベル326とからなるモデル階層を示す概略図である。最上位レベル32 2は制御パネル部を表す。制御パネル部のサブ部品は中間レベル324に示され 、これにはスイッチ、ワイヤハーネス、および被制御デバイスが含まれる。第3 のレベル326はスイッチ、ワイヤハーネス、および被制御デバイスのそれぞれ のサブ部品であるスイッチ1〜10、ワイヤ1〜10、およびデバイス1〜10 を示す。 故障隔離の間に、もし制御パネル部の故障に対応する仮定が否定されなければ (つまり保存済み仮定データ部99に残れば)、制御パネル部の仮定は仮定生成 器105によってスイッチの故障に対応する仮定、ワイヤハーネスの故障に対応 する仮定、および被制御デバイスの故障に対応する仮定の3つの仮定と交換され る。つまり、第1レベル322のデバイスに対応する制御パネルの仮定は、第2 レベル324のデバイスのサブ構成に対応する仮定と交換される。同様に、その 後の故障隔離の間に、上記の3つの仮定のうちのいずれかまたは全てを第3レベ ル326に示すサブ構成と交換することができる。第3レベル326には30個 の別個の部品を示す。 図12Cは図12Bと同じ装置の概略図340であるが、但しモデル階層は構 成し直してある。図12Cの340図は第1レベル342と第2レベル344と 第3レベル346とからなるが、第2レベル344および第3レベル346の要 素は図12Bの320図の第2レベル324および第3レベル326の要素とは 異なる。ユーザはグラフィカルユーザインタフェース302を用いて所望する構 成になるまで階層中の部品間の親子関係を壊したり修正したりして階層を再編成 する。図12Bおよび図12Cに示す構成のやり直しは「再分類」を表しており 、部品は新たな1つの複合部品に再分類されて、モデル化中の機械のそれ以後の 故障隔離を容易にする。この新たな部品は機械に現存する実際の階層レベルを必 ずしも表す必要はない。部品の再分類が行われると、部品の子孫のうちの1つの 子部品となる基本部品はなくなることに注意されたい。 階層の再構成は別の方法で行うこともできる。ある部品の親部品との接続点を 外して別の接続点の子部品として接続し直すことで、ユーザは部品の親の付け換 えができる。さらに別の方法では、相互接続され機能的に関連付けられた部品を 1つの機能ブロックに分類する機能的自動再分類が行われる。この自動再分類は 、機能経路以外で関連付けられている部品についても行うことができる。自動再 分類の他の基準には、空間上の近さ、機能の類似性(2つの同様の部品が一方の 部品が故障した場合にフォールトトレランス機能を持つようにされている場合な ど)、および信頼度などが含まれる。モデル中の部品を自動的にグループ分けし 直すには、これ以外にも当業者に公知のさまざまな機能上の要因に基づく基準が 用いられる。こうしてモデル階層が再構成されると、モデル化されている機械の 部品間の実際の接続関係をモデルが正確に反映し続けるように、基本部品間の接 続関係が自動的に維持される。 上記の説明のQRSソフトウェアはPMA30上で作動し、モデル構成はSu n SPARCstation10、モデル41上で作動するが、QRSまたは モデル構成はさまざまな計算システム上でもサポート可能なことは当業者であれ ば理解できるはずである。また、コモンLispで書かれたQRSソフトウェア を示したが、本発明は要求される機能をサポートできるものであればどのコンピ ュータ言語を用いて実行してもよい。 また上記の説明では、定性物理を故障隔離とモデル部品のデバッグに用いたが 、定性物理はこれ以外に多数の応用が可能であることは当業者であれば理解でき るはずである。本発明は機械に限らず定性的または定量的またはその両方でモデ ル化可能ないかなるタイプのシステムの故障隔離にも使用できる。かかるシステ ムの例としては経済システム、在庫システム、生物学システムなどが上げられる が、これらに限定するものではない。さらに、本発明のうちで定性物理を用いた モデル化の改善に関する部分(コア予測、動的推論配列、合流点キャッシュ化な ど)は、上記以外にも応用できる。コア予測の制約伝搬および動的推論配列は、 矛盾するモデル(つまりある変数が何らかの値をとると常に矛盾する予測値の組 を生じる)の無効化に用いることができる。また、定性物理を用いたモデル化は 、コア予測、動的推論配列、または合流点キャッシュ化を用いなくても故障隔離 に使用できる。ただしこの場合は、得られる故障隔離システムの性能は最適とは 言えないことが多い。また上記の説明では、動的推論配列によって目標合流点に 一番多く現れる変数を選択して値の代入を行ったが、目標合流点に二番目または 三番目に多く現れる変数を選択するといった異なる方式を採用しても、動的推論 配列の効果のいくつかは得ることができる。 知能的検査部100のI型およびII型検査について上記に示したしきい値は 変更可能である。同様に、検査スコアの計算に使用した特定の公式またはその際 に用いた規準も本発明の精神および範囲から逸脱することなく変更可能である。 知能的検査部100は、部品の設計段階で部品検査に最適な測定方法、およびそ れに伴う部品上への検査ポイントの設置の決定といった故障隔離以外への応用が 可能である。 同時に故障している部品数の推定の配列(故障部品数0、故障部品数1、同時 故障部品数2、というように)、およびこれに伴う仮定生成の配列は、本発明の 精神および範囲から逸脱することなく変更可能である。また、同時に故障してい ると推定される部品数が増加するといつでも、ユーザに指令して応答を決定する ステップは、ユーザには知らせずにQRSに自動的に部品数を増加させて故障隔 離を続行させるようにすれば削除できる。QRSは全て基本部品からなるモデル に対して動作することもでき、この場合はモデル例データ部106に含まれるモ デルが階層的でなくてもよい。 上記の説明では、モデル構築器の応用を1つしか示していない(つまりモデル 構築器を使用してQRSのモデル例データ部106を構成する応用)が、モデル 構築器にはこれ以外にも多くの応用が可能であることは当業者には理解できるは ずである。モデル例データ部106は、上記と異なるプロセスを用いても生成で きる。またQRSは、上記の最適化条件(制約数の減少、キーワードの抽出、コ モンLisp属性リストからコモンLisp記号への変数データタイプの変換な ど)のうち1つのサブセットだけがモデル例生成器308によってモデルに実行 されるようなモデル例に対して動作することもできるが、この場合はQRSの性 能が劣化することが多い。またQRSの構成を、部品データファイル306に直 接動作するようにできるが、そのようなシステムは上記の実施形態よりも実行速 度が遅い場合が多い。モデル例の検査は上記以外の方法でも行うことができる。 上記ではユーザに検査を実行させたが、検査結果獲得プロセスを自動化するこ ともできる。これには、PMA30と故障隔離が行われている機械との間にデー タ接続部を設け、QRSソフトウェアにこのデータ接続部を介して情報を得るよ う機械に要求させ、かつやはりこのデータ接続部を介して機械に情報を提供させ る。また、QRSにおいて部品の健康状態検査または状態を変更させる検査は用 いず、ユーザの観察だけを行うようにすることも可能である。さらに、最初の症 状で初期化することによって検査結果データ部94が機械の故障原因を1つの基 本部品に隔離できる十分な情報量を含む場合は、QRSはユーザにそれ以上の入 力を指令せずに故障隔離を行うことができる。また、知能的検査部100の代り に他の方法(無作為選択など)を用いてどの検査をユーザが行うのかを決定して 故障隔離を行うこともできるが、この場合はQRSが機械の故障隔離にかかる時 間が長くなることが多い。当業者であれば本明細書に記載した多くの特徴を米国 特許第5,138,694号(発明者ハミルトン)に記載されているシステムの 特徴と組み合わせることができるはずである。 コア予測の最適化用としてのアジェンダの使用は、機械の故障隔離用の機械パ ラメータの予測以外にも適用される。高度なコア予測は、システムの定性モデル に対して行い得る推論を含む任意のタスクまたはプロセスに応用可能である。例 えば、プロセッサを用いてシステムの故障を検知して診断する埋め込み式診断( embedded diagnosis)に、アジェンダを用いたコア予測を利 用できる。また、装置の設計においては、設計の振舞いの予測にコア予測および アジェンダを利用できる。またコア予測は、設計された装置の故障モードおよび 効果、設計された装置の検査可能性、ならびに装置のセンサー設置を評価するこ とにも適用できる。また、コンピュータベースの訓練において、ある特定のシナ リオに関連した振舞いを説明するためにコア予測を用いることも可能である。ま た、定性モデルの検査にもアジェンダを用いたコア予測を利用できる。 定性および定量推論を統合した推論の使用は、機械の故障隔離の実行以外にも 適用される。定性的数学演算を定量的数学演算と組合わせてあるシステムの振舞 いまたは特性を予測する能力は、システムの設計に応用できる。例えば、正確な 数値情報がまだ入手できない設計の初期段階では、解析の大半は定性的解析によ って行うことができる。設計が細部にくると、より多くの量的情報が与えられる ため、より正確で詳細な分析が行われる。また、定性および定量推論の統合推論 を用いて、システムの故障モードおよび効果、システムの検査可能特性、ならび にセンサ設置点または検査実行点といったシステムの特性を評価することができ る。また、定性および定量統合推論は、様々なグレインサイズ(grain s ize)に関する情報(正確な数値のいくつかと定性値のいくつか等)を入手し て故障の有無を検知し故障を隔離する埋め込み式診断に用いることができる。ま た、定性および定量統合推論は、得られた回答に様々な細部レベル(非常に正確 な数値または一般的な定性的記載など)が要求されるコンピュータベースの訓練 に応用することもできる。また、定性および定量統合推論を用いてモデル作成器 にシステムの詳細な評価と一般的な評価の両方を行わせることによって、モデル 検査をより効率良く実施することができる。 拡張検査手順の使用は機械の故障隔離以外にも適用される。拡張検査手順はあ る特定の故障モードを設定できるため、設計された装置の故障モードおよび効果 の評価に用いることができる。例えば、変数の取る値を確立することにより、検 査手順は状態の初期化ができる。拡張検査手順の使用は検査可能性の分析および センサ設置のタスクに応用できる。検査可能性分析については、部品の状態検査 および機械パラメータの観察とともに拡張検査手順の動的なコストを利用して、 装置の検査可能性の判定を助けるために拡張検査手順が利用できる。センサ設置 については、センサの示す値から得られる追加の測定結果によって診断が容易に なる位置の特定を助けるために拡張検査手順が利用できる。また、機械パラメー タの測定値獲得または部品の健康状態検査の自動化が図られるため、拡張検査手 順を埋め込み型診断に用いることもできる。得られた情報は埋め込み型診断用制 御部に送られてその動作の洗練に用いられる。また拡張検査手順は、装置の故障 をどのように付き止めるかをメンテナンス担当の人材にコンピュータベースで訓 練するのにも用いられる。さらに、拡張検査手順は正常な動作を確実に行うため にモデルの検査中にも使用される。 複数の機械構成における推論の使用は機械の故障隔離以外にも適用できる。あ る複数の機械構成により様々な故障モードおよび効果が確立されるため、複数の 機械構成における推論は設計された装置の故障モードおよび効果の評価に用いる ことができる。例えば、変数の取る値を確立することにより検査手順は状態の初 期化を行うことができ、評価中に制御入力を変えることにより状態が変更され得 る。複数機械構成における推論は、検査能力の分析およびセンサ設置のタスクに 応用できる。検査能力分析およびセンサ設置について、複数機械構成における推 論は設計された装置を全ての機械構成において分析できる。これにより全機械構 成において完全な検査能力分析ができ、かつ特定の機械構成に基づく正しいセン サの設置が可能となる。また、獲得検査手順が自動化され、かつ状態を遷移させ るため、複数機械構成における推論は埋め込み型診断に用いることもできる。得 られた情報は埋め込み型診断用制御部に送られてその動作の洗練に用いられる。 また複数機械構成における推論は、装置の故障をどのように突き止めるかをメン テナンス担当の人材にコンピュータベースで訓練するのにも用いられる。さらに 、複数の機械構成における椎論は、モデルの各構成について確実に正しい動作を 行うためにモデルの検査中にも使用される。 上記では故障隔離を容易にする階層の再構成を説明したが、階層再構成の利点 はこれ以外にも検査能力分析、予備設計、機械の動作および修理訓練、ならびに 埋め込み式診断などの機械モデルを利用する応用に用いることができる。検査能 力分析については、機械の故障隔離に使用される定性物理モデルのそれぞれの構 成について機械がどの程度検査可能かを判断する手段が階層再構成によって与え られる。予備設計については、元の設計モデル中の分類とは異なるかもしれない が設計者が関心のある部品のグループにより焦点をあてられるように設計モデル を再構成する手段が階層の再構成によって与えられる。また動作訓練については 、訓練を受けている者が機械の振舞いの特定の側面に焦点をおけるようモデルを 再構成できる。メンテナンス訓練では、機械隔離と同じやり方で再構成を用いる ことができる。埋め込み式診断については、階層の再構成によって埋め込み型診 断の性能を改善するためにモデルを再構成する手段が与えられ、かつ階層編集の 自動再分類特性によって、埋め込み式診断部を含む機械の変化する動作条件に適 用するようにダイナミックにモデルを変更する手段が与えられる。これらの応用 例に加えて、階層の再構成は検査の必要事項に従って部品をグループ分けし直す ことにより、定性物理モデルの検査を加速するのに用いられるということは当業 者であれば理解できるはずである。 アプリケーションコンパイラ317は上記の説明では機械の故障隔離に用いて いるが、埋め込み式診断、検査能力の分析、および訓練などにも使用可能なこと は当業者であれば理解できるはずである。埋め込み式診断では、アプリケーショ ンコンパイラ317によって高性能診断モジュールを作成する手段が与えられる 。このモジュールは、一般的に埋め込み式の応用に利用可能な限られた計算用リ ソースが与えられる場合には埋め込み式診断に必ず必要となることが多い。検査 能力の分析では、アプリケーションコンパイラ317によって機械の構築前に機 械の故障隔離性能を推定する手段が与えられる。アプリケーションコンパイラ3 17は機械の故障隔離モジュールを自動的に構築できるため、対話式性質を持つ 予備設計タスクでは有効である。訓練用としては、アプリケーションコンパイラ 317は訓練環境だけでなく製造環境でも使用され得る故障隔離モジュールを担 当者に訓練する手段を提供する。 以上のように、例示的な実施形態を用いて本発明を説明してきたが、当業者で あれば本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更、削除および追 加が可能なことが理解できるはずである。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年3月29日 【補正内容】 (英文明細書3ページの補正の翻訳文) 各モデルは異なる部品または部品のグループが故障したと仮定し、検査結果と一 致したモデルによってどの部品または部品のグループが故障しているかが示され る。 この制約一時停止方式の欠点は、多くのアナログ量を含む複雑な機械のモデル 化は非常にプロセッサ集約的であり、システムの稼働に要する時間が長くかかり すぎることである。これに対する解決策は、"HELIX: A Helicopter Diagnostic System Based on Qualitative Physics",Hamilton,Thomas,P.,International Journal of Artificial Intelligence in Engineering,Vol.3,No.3,July ,1988,pp 141-150に記載されている。この中でハミルトンは、制約一時停止を 定性物理と結合することを提案している。定性物理とは、アナログ量を有限組の 値をとり得る変数として表すモデル化技術である。有限の定性値の各々は異なる 範囲のアナログ量を表す。ただしハミルトンの論文は、当業者が定性物理の故障 隔離システムを作り上げてそれを用いることができるような詳細については述べ ていない。 公開されたPCT出願WO−A−92 01254は機械故障隔離用の定性推 論システムを開示している。ここでは、1つ以上の機械部品の故障が推定され、 機械パラメータの実際の値を仮定の合流点の等式に広げることで故障仮定が検査 される。定性物理を用いて合流点の等式中の変数と機械パラメータの実際の値と が表わされ、操作される。しかし、WO−A−92 01254に記載されてい る機械故障隔離システムは、実行可能ではあるがあらゆる目的について必ずしも 最適であるとはいえない。発明の概要 本発明の一実施形態では、機械の故障の特定は、以下のステップによって行わ れる。 1)複数の機械検査手順の各手順の一部を実行する推定時間の合計を求めること によって、各手順の実行時間を推定するステップ。各検査手順のうち現在の検査 構成では不必要な部分については合計には含まない。 2)機械検査手順のグループの中から検査成績が最高点の1つの検査手順を選択 することによって、ある特定の検査手順を選び出すステップ。検査成績は前記合 計に反比例する。 (英文明細書89ページの補正の翻訳文) このモジュールは、一般的に埋め込み式の応用に利用可能な限られた計算用リソ ースが与えられる場合には埋め込み式診断に必ず必要となることが多い。検査能 力の分析では、アプリケーションコンパイラ317によって機械の構築前に機械 の故障隔離性能を推定する手段が与えられる。アプリケーションコンパイラ31 7は機械の故障隔離モジュールを自動的に構築できるため、対話式性質を持つ予 備設計タスクでは有効である。訓練用としては、アプリケーションコンパイラ3 17は訓練環境だけでなく製造環境でも使用され得る故障隔離モジュールを担当 者に訓練する手段を提供する。 請求の範囲 1.プロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の存在を判定する方法であっ て、 1)プロセッサ(36)が、複数の機械検査手順の各手順の一部を実行する推 定時間の合計を求めて各手順の実行時間を推定するステップであって、前記検査 手順のうち現在の機械検査構成(119)では不必要な部分は合計には含まず、 前記推定時間は経験的データから導出されるステップと、 2)プロセッサ(36)が、前記機械検査手順のグループの中から検査成績が 最高点の1つの検査手順を選択する(286)ことで特定の検査手順を選び出す ステップであって、前記検査成績は前記合計に反比例するステップと、 3)プロセッサ(36)が前記特定の検査手順をユーザに実行させてその結果 をプロセッサ(36)に入力させる(92)ステップと、 4)プロセッサ(36)が複数の未決仮定を生成する(98)ステップであっ て、各仮定には変数および等式を用いて故障していないと推定される機械部品の 動作を説明する合流点の組が関連付けられるステップと、 5)プロセッサ(36)が前記合流点の組に前記検査結果を示す値を伝搬させ て、合流点の変数の値についての予測値の組を生成するステップと、 6)プロセッサ(36)が、矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するス テップと、 7)プロセッサ(36)が、矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存する (99)ステップと、 8)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応答 して、プロセッサ(36)が1つ以上の特定の機械部品の故障の存在を示す(1 03)ステップとを備える方法。 2.請求の範囲1に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の存在 を判定する方法において、前記ユーザに指令するステップは、 ユーザに部品の健康状態検査を行わせて、その結果を入力させる(92)ステ ップを含むことを特徴とする方法。 3.請求の範囲1に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の存在 を判定する方法において、前記ユーザに指令するステップは、 ユーザに機械パラメータの観察を行わせて、その結果を入力させる(92)ス テップを含むことを特徴とする方法。 4.請求の範囲1に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の存在 を判定する方法であって、前記ユーザに指令するステップは、 ユーザに機械パラメータの観察および部品の健康状態検査の少なくともどちら か1つを実行させて、その結果をプロセッサに入力させる(92)ステップを含 むことを特徴とする方法。 5.請求の範囲1に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の存在 を判定する方法において、前記ユーザに指令するステップは、 ユーザに一般的検査用テンプレートを用いて構成される検査手順を実行させる ステップを含むことを特徴とする方法。 6.請求の範囲1に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の存在 を判定する方法であって、前記ユーザに指令するステップは、 ユーザに機械パラメータの観察および部品の健康状態検査の少なくともどちら か1つを実行させてその結果を得るために、ユーザに一般的検査用テンプレート を用いて構成される検査手順(100)を実行させるステップを含むことを特徴 とする方法。 7.プロセッサを用いて機械の定性物理モデルを構成する方法であって、 1)プロセッサがユーザにモデルの機械部品の選択および相互接続を行うこと のできるグラフィカルユーザインタフェース(302)を与えるステップと、 2)ユーザによるプロセッサへの入力に応じて、プロセッサが定性物理モデル を作成および操作する(304)ステップと、 3)プロセッサがユーザに機械の部品およびパラメータについての検査手順を 示すデータを入力させるステップであって、ユーザは所定の一般的検査用テンプ レートを選択して、特定の部品についての検査手順を指定できるステップとを備 える方法。 8.プロセッサを用いて機械の定性物理モデルを構成する方法であって、 1)プロセッサがユーザにモデルの機械部品の選択および相互接続を行うこと のできるグラフィカルユーザインタフェース(302)を与えるステップと、 2)ユーザによるプロセッサへの入力に応じて、プロセッサが定性物理モデル を作成および操作する(304)ステップと、 3)プロセッサがモデルの部品を階層的に分類する(322、324、326 )ステップであって、サブ構成部品は前記特定の部品の子部品として階層的に表 されるステップと、 4)前記分類ステップに続いて、プロセッサがユーザ入力に応じてモデルの部 品を再分類する(342、344、346)ステップとを備える方法。 9.請求の範囲8に記載のプロセッサを用いて機械の定性物理モデルを構成する 方法において、前記再分類ステップは、前記少なくとも1つの子部品(346) の親部品(344)を変更するステップを含むことを特徴とする方法。 10.請求の範囲8に記載のプロセッサを用いて機械の定性物理モデルを構成す る方法において、前記再分類ステップは選択された部品(324)を新たな1つ の部品に再分類するステップであって、前記選択された部晶はサブ構成(344 )となるステップを含むことを特徴とする方法。 11.請求の範囲8に記載のプロセッサを用いて機械の定性物理モデルを構成す る方法において、前記再分類ステップは、部品を自動的に再分類して、関係のあ る部品同士のグループ(346)を形成するステップを含むことを特徴とする方 法。 12.プロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の存在を判定する方法であ って、 1)プロセッサ(36)がユーザに複数の機械検査手順のうちの1つを繰り返 し実行させて(92)、その結果をプロセッサに入力させる(94)ステップと 、 2)プロセッサ(36)がユーザに前記結果(94)の少なくとも1つを無効 にさせる機械構成(110)の変更を行わせるステップと、 3)プロセッサ(36)が複数の未決仮定(98)を生成するステップであっ て、各仮定には変数および等式を用いて故障していないと椎定される機械部品の 動作を説明する合流点の組が関連付けられ、各仮定は機械部品の一つのサブセッ トの故障を推定する機械モデルに基づくステップと、 4)プロセッサ(36)が前記合流点の組に前記検査結果を示す値を伝搬させ て、合流点の変数の値についての予測値の組を生成するステップと、 5)プロセッサが、矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップと 、 6)プロセッサが、2つ以上の相容れない値に等しいと判定される変数がまっ たくない矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存する(99)ステップと、 7)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応答 して、プロセッサが1つ以上の特定の機械部品の故障の存在を示す(103)ス テップとを備える方法。 13.請求の範囲12に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の 存在を判定する方法において、前記機械構成(110)の変更はユーザに機械の 制御入力を変えさせることによって行われることを特徴とする方法。 14.請求の範囲12に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の 存在を判定する方法において、前記機械構成(110)の変更はユーザに侵入検 査を実行させることによって行われることを特徴とする方法。 15.請求の範囲12に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の 存在を判定する方法において、 前記値を伝搬させるステップに続いて、プロセッサが、前記機械構成の変更に 応じて、検査手順実行の予測値と結果値と(118)をプロセッサが保存するス テップをさらに備えることを特徴とする方法。 16.請求の範囲15に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の 存在を判定する方法において、 プロセッサ(36)が、前記機械構成の変更に応じて、前記機械構成(110 )の変更の結果として入力された構成に対応する検査手順実行の予測値と結果値 と(118)を復元するステップをさらに備えることを特徴とする方法。 17.機械の特定の故障の存在を判定する方法であって、 1)推定される機械症状の最初の組を生成するステップであって、前記最初の 組の含む機械症状の数は、機械の故障によって機械が示し得るすべての症状より 少ないステップと、 2)変数および等式を用いて故障していないと推定される機械部品の動作を説 明する合流点の組が関連づけられる未決仮定の組を生成し(317)、前記機械 の示す症状を前記未決仮定に伝搬させて、矛盾する予測値の組を生成する少なく とも1つの未決仮定を廃棄することによって、予め計算された仮定と予め計算さ れた予測値との組を含む実行時間システムをコンパイルする(318)ステップ であって、前記予め計算された仮定の組は前記未決仮定の組より少ないステップ と、 3)ユーザに複数の機械検査手順の1つを実行させて(103)、その結果を 入力させる(92)ステップと、 4)前記予め計算された予測値と前記検査結果を示す値とを前記予め計算され た仮定の合流点内に伝搬させて(96)、合流点の変数の値についての第二の予 測値の組を生成するステップと、 5)矛盾する第二の予測値の組を生成する予め計算された仮定を廃棄するステ ップと、 6)2つ以上の相容れない値に等しい変数がまったくない矛盾しない第二の予 測値の組を生成する予め計算された仮定を保存する(99)ステップと、 7)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する子め計算された仮定が1つ残 ったことに応答して、1つ以上の特定の機械部品の故障の存在を示す(103) ステップとを備える方法。 18.請求の範囲17にに記載の機械の特定の故障の存在を判定する方法におい て、前記コンパイルするステップ(317)は第一のプロセッサを用いて実行さ れ、前記ユーザに指令するステップ、前記値を伝搬させるステップ、前記仮定を 廃棄するステップ、前記仮定を保存するステップ、および前記故障の存在を示す ステップは第二のプロセッサ(36)を用いて実行されることを特徴とする方法 。 19.第一および第二のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判定する 方法であって、 1)推定される機械症状の最初の組を生成するステップであって、前記最初の 組は機械の故障によって機械が示し得るすべての症状より少ないステップと、 2)変数および等式を用いて故障していないと推定される機械部品の動作を説 明する合流点の組が関連づけられる未決仮定の組を生成し、前記機械の示す症状 を前記未決仮定に伝搬させて、矛盾する予測値の組を生成する少なくとも1つの 未決仮定を廃棄することによって、予め計算された仮定と予め計算された予測値 との組を第一のプロセッサを用いてコンパイルするステップであって、前記予め 計算された仮定の組は前記未決仮定の組より少ないステップと、 3)第一のプロセッサを用いて、前記予め計算された仮定および前記予め計算 された予測値に対応する複数の診断用論理ツリーを生成するステップと、 4)第二のプロセッサ(36)がユーザに機械検査手順の実際の結果を入力さ せるステップと、 5)ユーザによって入力される機械検査手順の実際の結果に応じて、第二のプ ロセッサ(36)が前記診断用論理ツリーをたどるステップと、 6)前記診断用論理ツリーのうち1つの論理ツリーの葉節までたどることに応 じて、第二のプロセッサ(36)が1つ以上の特定の機械故障の存在を示すステ ップとを備える方法。 20.プロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の存在を判定する方法であ って、 1)プロセッサ(36)が機械検査手順の結果を示す機械信号を受信するステ ップと、 2)プロセッサ(36)が未決仮定の第一の組を生成する(98)ステップで あって、各仮定には変数および等式を用いて故障していないと推定される機械部 品の動作を説明する合流点の組が関連付けられるステップと、 3)プロセッサ(36)が前記合流点に前記機械信号を伝搬させて、ある仮定 の合流点の変数の値についての予測値の組を生成するステップであって、前記変 数のサブセットを選択する(192)し、前記サブセットは前記仮定の合流点の 未制約または部分制約変数を含むステップと、前記サブセットの各変数に変数の とり得る定性値を一時的に割当て(193、194)、この1つ以上の考え得る 定性値が前記仮定の矛盾しない予測値の組を生成するかどうか判断する(195 )ステップと、前記サブセットの各変数を矛盾しない予測値の組を生成する値に 限定する(200、202)ステップとからなるステップと、 4)プロセッサ(36)が、矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するス テップと、 5)プロセッサ(36)が、矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存する ステップと、 6)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応じ て、プロセッサ(36)が1つ以上の特定の機械部品の故障の存在を示す(10 3)ステップとを備える方法。 21.請求の範囲20に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の 存在を判定する方法において、前記変数サブセットを選択するステップは、 制約が加えられた変数、および他の変数に制約を加える変数の少なくともどち らか(212、214、216)と考えられる変数を選択する(213、215 、217)ステップを含むことを特徴とする方法。 22.請求の範囲21に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の 存在を判定する方法において、前記変数サブセットを選択するステップは、 プロセッサ(36)が前記特定の仮定の前記未制約変数および部分制約変数を 検討して、変数が合流点の前条件に現れる(212)、変数が未制約変数および 部分制約変数の1つである変数3つ以上を含む無条件合流点に現れる(219) 、変数が未制約変数および部分制約変数の1つである変数3つ以上含む合流点後 条件に現れる(216)という3つの条件のうち少なくとも1つの条件を満たす 変数を選択するステップを含むことを特徴とする方法。 23.請求の範囲21に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の 存在を判定する方法において、 プロセッサ(36)が追加の未決仮定を生成する(98)ステップであって、 各仮定には変数および等式を用いて故障していないと推定される機械部品の動作 を説明する合流点の組が関連付けられ、前記追加仮定は前記第一の仮定の組の少 なくとも1つの仮定のサブ構成に対応し、前記変数を検討するステップは前記追 加仮定に対応する前記第一の仮定の組の前記少なくとも1つの仮定には現れない 変数に対してのみ行われるステップをさらに備えることを特徴とする方法。 24.請求の範囲23に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の 存在を判定する方法において、 プロセッサ(36)が前記追加仮定の変数に値を割り当てるステップであって 、前記値は前記追加仮定に対応する前記第一の仮定の組の前記少なくとも1つの 仮定からの対応する変数の値から導出されるステップをさらに備えることを特徴 とする方法。 25.請求の範囲23に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の 存在を判定する方法において、前記変数選択ステップは、 プロセッサ(36)が前記追加仮定の追加変数を検討するステップであって、 前記追加変数は前記追加仮定に対応する前記第一の仮定の組の前記少なくとも1 つの仮定からの変数に対応し、前記追加変数は、制約が加えられた変数およびそ の再帰的コバリエイトのどちらかであるステップを含むことを特徴とする方法。 26.請求の範囲23に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の 存在を判定する方法において、前記変数選択ステップは、 プロセッサ(36)が前記追加仮定の追加変数を検討するステップであって、 前記追加変数は前記追加仮定に対応する前記第一の仮定の組の前記少なくとも1 つの仮定に現れない前記追加仮定の変数の再帰的コバリエイトに対応するステッ プを含むことを特徴とする方法。 27.請求の範囲21に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の 存在を判定する方法において、 プロセッサ(36)が機械の検査手順の結果を示す追加の機械信号を受信する ステップと、 プロセッサ(36)が前記追加機械信号およびそのインプリカントに対応する 変数およびそのコバリエイトにのみ前記検討ステップを行うステップとをさらに 備えることを特徴とする方法。 28.請求の範囲20に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の 存在を判定するステップにおいて、前記伝搬させるステップは、 プロセッサ(36)が前記変数サブセットの各変数に割り当てられる値のイン プリカントを求めるステップと、 プロセッサ(36)が前記インプリカントの和集合に従って前記合流点のその 他の変数に制約を加えるステップとをさらに含むことを特徴とする方法。 29.請求の範囲20に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の 存在を判定するステップにおいて、前記選択ステップは、 プロセッサ(36)が、前記合流点の変数のうちもっとも最近の反復時には制 約が加えられていた未制約変数および部分制約変数ならびにそのコバリエイトだ けを検討するステップを含むことを特徴とする方法。 30.請求の範囲20に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の 存在を判定する方法であって、 前記変数サブセットの1つの変数に割当可能な値のうち、矛盾しない予測値の 組を生成する値がまったくないことに応答して、プロセッサ(36)が前記特定 の仮定を廃棄するステップをさらに備えることを特徴とする方法。 31.プロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の存在を判定する方法であ って、 1)プロセッサ(36)が機械の検査手順の結果を示す機械信号を受信する( 92)ステップと、 2)プロセッサ(36)が第一の未決仮定の組を生成する(98)ステップで あって、各仮定には変数および等式を用いて故障していないと推定される機械部 品の動作を説明する合流点の組が関連づけられるステップと、 3)プロセッサ(36)が特定の仮定の合流点の変数に前記機械信号に対応す る値を割り当てるステップと、 4)プロセッサ(36)が前記合流点に完全制約変数および部分制約合流点変 数についての値を伝搬させて(183)、前記合流点の他の変数を制約する(1 88)ステップと、 5)プロセッサ(36)が、矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄する( 185)ステップと、 6)プロセッサ(36)が、矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存する ステップと、 7)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応答 して、プロセッサ(36)が1つ以上の特定の機械故障の存在を示す(103) ステップとを備える方法。 32.プロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の存在を判定する方法であ って、 1)プロセッサ(36)が機械の検査手順の結果を示す機械信号を受信する( 92)ステップと、 2)プロセッサ(36)が第一の未決仮定の組を生成する(98)ステップで あって、各仮定には変数および等式を用いて故障していないと推定される機械部 品の動作を説明する合流点の組が関連づけられるステップと、 3)プロセッサ(36)が前記合流点に前記機械信号を伝搬させて(96)、 特定の仮定の合流点の変数についての値の予測値の組を生成し、前記合流点の変 数の値は定性値および定量値の少なくともどちらかであるステップと、 4)プロセッサ(36)が、矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するス テップと、 5)プロセッサ(36)が、矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存する (99)ステップと、 6)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応答 して、プロセッサ(36)が1つ以上の特定の機械故障の存在を示す(103) ステップとを備える方法。 33.請求の範囲32に記載のプロセッサ(36)を用いて機械の特定の故障の 存在を判定する方法において、 プロセッサ(36)が広域標識配列にアクセスして、前記合流点の変数につい て定量値と定性値とを相関させるステップをさらに含むことを特徴とする方法。 34.プロセッサを用いて機械の定性物理モデルを構成する方法であって、 1)プロセッサがユーザにモデルの機械部品の選択と相互接続とを行うことの できるグラフィカルユーザインタフェース(302)を与えるステップであって 、 ユーザは標識ドメインを規定し、前記標識ドメインを用いてモデルの合流点の変 数の定性的値空間を定義できるステップと、 2)ユーザによるプロセッサへの入力に応じて、プロセッサが定性物理モデル を作成および操作する(304、308)ステップとを備える方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 08/233,466 (32)優先日 1994年4月26日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AM,AT,AU,BB,B G,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK ,ES,FI,GB,GE,HU,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LK,LT,LU,LV,MD,M G,MN,MW,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ, VN (72)発明者 ハミルトン トーマス ピー アメリカ合衆国 コネチカット州 サウス ウィンザー クオリー ブルック ドラ イブ 284 (72)発明者 ギャロ スティーブン アメリカ合衆国 コネチカット州 バーノ ン スコット ドライブ 47

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.プロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判定する方法であって、 1)プロセッサが、複数の機械検査手順の各手順の一部を実行する推定時間の 合計を求めて各手順の実行時間を推定するステップであって、前記検査手順のう ち現在の機械検査構成では不必要な部分は合計には含まないステップと、 2)プロセッサが、前記機械検査手順のグループの中から検査成績が最高点の 1つの検査手順を選択することで特定の検査手順を選び出すステップであって、 前記検査成績は前記合計に反比例するステップと、 3)プロセッサが前記特定の検査手順をユーザに実行させてその結果をプロセ ッサに入力させるステップと、 4)プロセッサが複数の未決仮定を生成するステップであって、各仮定には変 数および等式を用いて故障していないと推定される機械部品の動作を説明する合 流点の組が関連付けられるステップと、 5)プロセッサが前記合流点の組に前記検査結果を示す値を伝搬させて、合流 点の変数の値についての予測値の組を生成するステップと、 6)プロセッサが、矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップと 、 7)プロセッサが、矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存するステップ と、 8)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応答 して、プロセッサが1つ以上の特定の機械部品の故障の存在を示すステップとを 備える方法。 2.請求の範囲1に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判定す る方法において、前記ユーザに指令するステップは、 ユーザに部品の健康状態検査を行わせて、その結果を入力させるステップを含 むことを特徴とする方法。 3.請求の範囲1に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判定す る方法において、前記ユーザに指令するステップは、 ユーザに機械パラメータの観察を行わせて、その結果を入力させるステップを 含むことを特徴とする方法。 4.プロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判定する方法であって、 1)プロセッサが、ユーザに部品の健康状態検査および観察の少なくともどち らかを含む複数の機械検査手順のうちの1つを実行させて、その結果をプロセッ サに入力させるステップと、 2)プロセッサが複数の未決仮定を生成するステップであって、各仮定には変 数および等式を用いて故障していないと仮定される機械部品の動作を説明する合 流点の組が関連付けられるステップと、 3)プロセッサが前記合流点の組に前記検査結果を示す値を伝搬させて、合流 点の変数の値についての予測値の組を生成するステップと、 4)プロセッサが、矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップと 、 5)プロセッサが、矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存するステップ と、 6)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応答 して、プロセッサが1つ以上の特定の機械部品の故障の存在を示すステップとを 備える方法。 5.請求の範囲4に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判定す る方法において、 前記ユーザに指令するステップの前に、プロセッサが、前記複数の機械検査手 順の各手順の一部を実行する推定時間の合計を求めて各手順の実行時間を推定す るステップであって、前記検査手順のうち現在の機械検査構成では不必要な部分 は合計には含まないステップと、 前記ユーザに指令するステップの前に、プロセッサが、前記機械検査手順のグ ループの中から検査成績が最高点の1つの検査手順を選択することで特定の検査 手順を選び出すステップであって、前記検査成績は前記合計に反比例するステッ プとをさらに備えることを特徴とする方法。 6.プロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判定する方法であって、 1)プロセッサがユーザに複数の機械検査手順のうちの1つを実行させて、そ の結果をプロセッサに入力させるステップであって、前記検査手順は特定の部品 および特定のパラメータの少なくともどちらかに適用される一般的テンプレート であるステップと、 2)プロセッサが複数の未決仮定を生成するステップであって、各仮定には変 数および等式を用いて故障していないと推定される機械部品の動作を説明する合 流点の組が関連付けられるステップと、 3)プロセッサが前記合流点の組に前記検査結果を示す値を伝搬させて、合流 点の変数の値についての予測値の組を生成するステップと、 4)プロセッサが、矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップと 、 5)プロセッサが、矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存するステップ と、 6)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応答 して、プロセッサが1つ以上の特定の機械部品の故障の存在を示すステップとを 備える方法。 7.プロセッサを用いて機械の定性物理モデルを構成する方法であって、 1)プロセッサがユーザにモデルの機械部品の選択および相互接続を行うこと のできるグラフィカルユーザインタフェースを与えるステップと、 2)ユーザによるプロセッサへの入力に応じて、プロセッサが定性物理モデル を作成して操作するステップと、 3)プロセッサがユーザに機械の部品およびパラメータについての検査手順を 示すデータを入力させるステップであって、ユーザは所定の一般的検査用テンプ レートを選択して、特定の部品についての検査手順を指定できるステップとを備 える方法。 8.プロセッサを用いて機械の定性物理モデルを構成する方法であって、 1)プロセッサがユーザにモデルの機械部品の選択および相互接続を行うこと のできるグラフィカルユーザインタフェースを与えるステップと、 2)ユーザによるプロセッサへの入力に応じて、プロセッサが定性物理モデル を作成して操作するステップと、 3)プロセッサがモデルの部品を階層的に分類するステップであって、サブ構 成部品は前記特定の部品の子部品として階層的に表されるステップと、 4)前記分類ステップに続いて、プロセッサがユーザ入力に応じてモデルの部 品を再分類するステップとを備える方法。 9.請求の範囲8に記載のプロセッサを用いて機械の定性物理モデルを構成する 方法において、前記再分類ステップは、前記少なくとも1つの子部品の親部品を 変更するステップを含むことを特徴とする方法。 10.請求の範囲8に記載のプロセッサを用いて機械の定性物理モデルを構成す る方法において、前記再分類ステップは選択された部品を新たな1つの部品に再 分類するステップであって、前記選択された部品はサブ構成となるステップを含 むことを特徴とする方法。 11.請求の範囲8に記載のプロセッサを用いて機械の定性物理モデルを構成す る方法において、前記再分類ステップは、部品を自動的に再分類して、関係のあ る部品同士のグループを形成するステップを含むことを特徴とする方法。 12.プロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判定する方法であって、 1)プロセッサがユーザに複数の機械検査手順のうちの1つを実行させて、そ の結果をプロセッサに入力させるステップであって、前記検査手順のうちの少な くとも1つの検査手順は機械構成を変えさせるステップと、 2)プロセッサが複数の未決仮定を生成するステップであって、各仮定には変 数および等式を用いて故障していないと推定される機械部品の動作を説明する合 流点の組が関連付けられるステップと、 3)プロセッサが前記合流点の組に前記検査結果を示す値を伝搬させて、合流 点の変数の値についての予測値の組を生成するステップと、 4)プロセッサが、矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップと 、 5)プロセッサが、矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存するステップ と、 6)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応答 して、プロセッサが1つ以上の特定の機械部品の故障の存在を示すステップとを 備える方法。 13.請求の範囲12に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判 定する方法において、前記機械構成の変更はユーザに機械の制御入力を変えさせ ることによって行われることを特徴とする方法。 14.請求の範囲12に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判 定する方法において、前記機械構成の変更はユーザに侵入検査を実行させること によって行われることを特徴とする方法。 15.請求の範囲12に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判 定する方法において、 前記機械構成の変更に応じて、検査手順実行の予測値と結果値とをプロセッサ が保存するステップをさらに備えることを特徴とする方法。 16.請求の範囲15に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判 定する方法において、 前記機械構成の変更に応じて、プロセッサが前記機械構成の変更の結果として 入力された構成に対応する検査手順実行の予測値と結果値とを復元するステップ をさらに備えることを特徴とする方法。 17.プロセッサと推定される機械症状の最初の組とを用いて機械の特定の故障 の存在を判定する方法であって、 1)プロセッサが未決仮定の最初の組を生成するステップであって、各仮定に は変数および等式を用いて故障していないと推定される機械部品の動作を説明す る合流点の組が関連付けられ、前記仮定は前記推定される機械症状の最初の組と 機械のモデルとを用いて生成されるステップと、 2)プロセッサがユーザに複数の機械検査手順の1つを実行させて、その結果 をプロセッサに入力させるステップと、 3)プロセッサが前記合流点内に前記検査結果を示す値を伝搬させて、合流点 の変数の値についての予測値の組を生成するステップと、 4)プロセッサが、矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップと 、 5)プロセッサが、矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存するステップ と、 6)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応答 して、プロセッサが1つ以上の特定の機械部品の故障の存在を示すステップとを 備える方法。 18.プロセッサと推定される機械症状の最初の組とを用いて機械の特定の故障 の存在を判定する方法であって、 1)第二のプロセッサを用いて未決仮定の最初の組を生成するステップであっ て、各仮定には変数および等式を用いて故障していないと推定される機械部品の 動作を説明する合流点の組が関連付けられ、前記仮定は前記推定される機械症状 の最初の組と機械のモデルとを用いて生成されるステップと、 2)プロセッサがユーザに複数の機械検査手順の1つを実行させて、その結果 をプロセッサに入力させるステップと、 3)プロセッサが前記合流点内に前記検査結果を示す値を伝搬させて、合流点 の変数の値についての予測値の組を生成するステップと、 4)プロセッサが、矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップと 、 5)プロセッサが、矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存するステップ と、 6)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応答 して、プロセッサが1つ以上の特定の機械部品の故障の存在を示すステップとを 備える方法。 19.プロセッサと推定される機械症状の最初の組とを用いて機械の特定の故障 の存在を判定する方法であって、 1)第二のプロセッサを用いて未決仮定の最初の組を生成するステップであっ て、各仮定には変数および等式を用いて故障していないと推定される機械部品の 動作を説明する合流点の組が関連付けられ、前記仮定は前記推定される機械症状 の最初の組と機械のモデルとを用いて生成されるステップと、 2)第二のプロセッサを用いて機械検査手順の複数の推定される結果を与える ステップと、 3)第二のプロセッサを用いて前記合流点内に前記検査結果を示す値を伝搬さ せて、合流点の変数の値についての予測値の組を生成するステップと、 4)第二のプロセッサを用いて、前記推定される機械の最初の状態および検査 手順の推定される結果に応じて、複数の診断用論理ツリーを生成するステップと 、 5)プロセッサがユーザに機械検査手順の実際の結果を入力させるステップと 、 6)ユーザによって入力される機械検査手順の実際の結果に応じて、プロセッ サが前記故障ツリーをたどるステップと、 7)故障ツリーの葉節までたどることに応じて、プロセッサが1つ以上の特定 の機械故障の存在を示すステップとを備える方法。 20.プロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判定する方法であって、 1)プロセッサが機械検査手順の結果を示す機械信号を受信するステップと、 2)プロセッサが未決仮定の第一の組を生成するステップであって、各仮定に は変数および等式を用いて故障していないと推定される機械部品の動作を説明す る合流点の組が関連付けられるステップと、 3)プロセッサが前記合流点に前記機械信号を伝搬させて、ある仮定の合流点 の変数の値の予測値の組を生成するステップであって、前記仮定の合流点の未制 約または部分制約変数を含む前記変数のサブセットを選択するステップと、前記 サブセットの各変数に考え得る定性値を一時的に割り当てて、この1つ以上の考 え得る定性値が前記仮定の矛盾しない予測値の組を生成するかどうか判断するス テップと、前記サブセットの各変数を矛盾しない予測値の組を生成する値に限定 するステップとからなるステップと、 4)プロセッサが、矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップと 、 5)プロセッサが、矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存するステップ と、 6)1つ以上の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応じて、プ ロセッサが1つ以上の機械部品の故障の存在を示すステップを備える方法。 21.請求の範囲20に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判 定する方法において、前記変数サブセットを選択するステップは、 制約が加えられた変数、および他の変数に制約を加える変数の少なくともどち らかと考えられる変数を選択するステップを含む方法。 22.請求の範囲21に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判 定する方法において、前記変数サブセットを選択するステップは、 プロセッサが前記特定の仮定の前記未制約変数および部分制約変数を検討して 、変数が合流点の前条件に現れる、変数が未制約変数および部分制約変数の1つ である変数3つ以上を含む無条件合流点に現れる、変数が未制約変数および部分 制約変数の1つである変数3つ以上含む合流点後条件に現れるという3つの条件 のうち少なくとも1つの条件を満たす変数を選択するステップを含む方法。 23.請求の範囲21に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判 定する方法において、 プロセッサが追加の未決仮定を生成するステップであって、各仮定には変数お よび等式を用いて故障していないと推定される機械部品の動作を説明する合流点 の組が関連付けられ、前記追加仮定は前記第一の仮定の組の少なくとも1つの仮 定のサブ構成に対応し、前記変数を検討するステップは前記追加仮定に対応する 前記第一の仮定の組の前記少なくとも1つの仮定には現れない変数に対してのみ 行われるステップをさらに備えることを特徴とする方法。 24.請求の範囲23に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判 定する方法において、 プロセッサが前記追加仮定の変数に値を割り当てるステップであって、前記値 は前記追加仮定に対応する前記第一の仮定の組の前記少なくとも1つの仮定から の対応する変数の値から導出されるステップをさらに備えることを特徴とする方 法。 25.請求の範囲23に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判 定する方法において、前記変数選択ステップは、 プロセッサが前記追加仮定の追加変数を検討するステップであって、前記追加 変数は前記追加仮定に対応する前記第一の仮定の組の前記少なくとも1つの仮定 からの変数に対応し、前記追加変数は、制約が加えられた変数およびその再帰的 コバリエイトのどちらかであることを特徴とするステップを含むことを特徴とす る方法。 26.請求の範囲23に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判 定する方法において、前記変数選択ステップは、 プロセッサが前記追加仮定の追加変数を検討するステップであって、前記追加 変数は前記追加仮定に対応する前記第一の仮定の組の前記少なくとも1つの仮定 に現れない前記追加仮定の変数の再帰的コバリエイトに対応するステップを含む 方法。 27.請求の範囲21に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判 定する方法であって、 プロセッサが機械の検査手順の結果を示す追加の機械信号を受信するステップ と、 プロセッサが前記追加機械信号およびそのインプリカントに対応する変数およ びそのコバリエイトにのみ前記検討ステップを行うステップとをさらに備える方 法。 28.請求の範囲20に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判 定するステップにおいて、前記伝搬させるステップは、 プロセッサが前記変数サブセットの各変数に割り当てられる値のインプリカン トを求めるステップと、 プロセッサが前記インプリカントの和集合に従って前記合流点のその他の変数 に制約を加えるステップとをさらに含む方法。 29.請求の範囲20に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判 定するステップにおいて、前記選択ステップは、 プロセッサが、前記合流点の変数のうちもっとも最近の反復時には制約が加え られていた未制約変数および部分制約変数ならびにそのコバリエイトだけを検討 するステップを含む方法。 30.請求の範囲20に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判 定する方法であって、 前記変数サブセットの1つの変数に割当可能な値のうち、矛盾しない予測値の 組を生成する値がまったくないことに応答して、プロセッサが前記特定の仮定を 廃棄するステップをさらに含むことを特徴とする方法。 31.プロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判定する方法であって、 1)プロセッサが機械の検査手順の結果を示す機械信号を受信するステップと 、 2)プロセッサが第一の未決仮定の組を生成するステップであって、各仮定に は変数および等式を用いて故障していないと推定される機械部品の動作を説明す る合流点の組が関連づけられるステップと、 3)プロセッサが特定の仮定の合流点の変数に前記機械信号に対応する値を割 り当てるステップと、 4)プロセッサが前記合流点に完全制約変数および部分制約合流点変数につい ての値を伝搬させて、前記合流点の他の変数を制約するステップと、 5)プロセッサが、矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップと 、 6)プロセッサが、矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存するステップ と、 7)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応答 して、プロセッサが1つ以上の特定の機械故障の存在を示すステップとを備える 方法。 32.プロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判定する方法であって、 1)プロセッサが機械の検査手順の結果を示す機械信号を受信するステップと 、 2)プロセッサが第一の未決仮定の組を生成するステップであって、各仮定に は変数および等式を用いて故障していないと推定される機械部品の動作を説明す る合流点の組が関連づけられるステップと、 3)プロセッサが前記合流点に前記機械信号を伝搬させて、特定の仮定の合流 点の変数についての値の予測値の組を生成し、前記合流点の変数の値は定性値お よび定量値の少なくともどちらかであるステップと、 4)プロセッサが、矛盾する予測値の組を生成する仮定を廃棄するステップと 、 5)プロセッサが、矛盾しない予測値の組を生成する仮定を保存するステップ と、 6)1つ以上の特定の機械部品の故障に対応する仮定が1つ残ったことに応答 して、プロセッサが1つ以上の特定の機械故障の存在を示すステップとを備える 方法。 33.請求の範囲32に記載のプロセッサを用いて機械の特定の故障の存在を判 定する方法において、 プロセッサが広域標識配列にアクセスして、前記合流点の変数について定量値 と定性値とを相関させるステップをさらに含むことを特徴とする方法。 34.プロセッサを用いて機械の定性物理モデルを構成する方法であって、 1)プロセッサがユーザにモデルの機械部品の選択と相互接続とを行うことの できるグラフィカルユーザインタフェースを与えるステップであって、ユーザは 標識ドメインを規定し、前記標識ドメインを用いてモデルの合流点の変数の定性 的値空間を定義できるステップと、 2)ユーザによるプロセッサへの入力に応じて、プロセッサが定性物理モデル を作成して操作するステップとを備える方法。
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