JPH09511493A - デキサナビノール誘導体及び同誘導体の神経保護薬剤組成物としての利用 - Google Patents

デキサナビノール誘導体及び同誘導体の神経保護薬剤組成物としての利用

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JPH09511493A JP7520787A JP52078795A JPH09511493A JP H09511493 A JPH09511493 A JP H09511493A JP 7520787 A JP7520787 A JP 7520787A JP 52078795 A JP52078795 A JP 52078795A JP H09511493 A JPH09511493 A JP H09511493A
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ソコロブスキー、モーデカイ
クルッグ、ヨエル
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レイモット ユニバーシティー オーソリティー フォー アプライド リサーチ アンド インダストリアル ディベロップメント リミテッド
イッサム リサーチ ディベロップメント カンパニー オブ ザ ヘブル ユニバーシティー イン エルサレム
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Abstract

(57)【要約】 神経毒性を抑制するため、活性成分として(3S,4S)配置のΔ6テトラヒドロカンナビノール形式の化合物を有する立体特異的(+)鏡像異性体を有する製薬的組成物が記載されている。その組成物は、機械的外傷、心停止や卒中を引き起こすような血液供給の低下又は傷害、あるいは中毒を含んだ中枢神経系に対する深刻な障害による神経毒性を緩和ひいては抑制するのに特に有効である。また、漸進的な神経細胞の損失によって特徴づけられる特定の慢性の退行性疾患の治療に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】 デキサナビノール誘導体及び同誘導体の神経保護薬剤組成物としての利用 発明の分野 本発明は神経毒性作用を阻止または軽減する薬剤組成物に関する。同薬剤組成 物は活性成分として以下に示す一般式(I)を有する△6−テトラヒドロカンナ ビノール(THC)の(3S,4S)配置を有する立体特異性(+)を備えた鏡 像異性体を含む。 発明の背景 慢性変性による変化と、中枢神経系(CNS)が直接損傷した後で生じる遅延 型神経損傷、即ち二次的神経損傷とは脳内の神経化学系の病理学的変化によって 生じ得る。二次的神経損傷を引き起こす正確なメカニズムはあまり解明されてい ない。しかし、外傷後の神経化学的変化は神経伝達物質の放出または同物質の再 取込みの過剰活性化と、前シナプス受容体または後シナプス受容体での結合の変 化と、内生因子の異常な放出または同内生因子の異常な合成とのうちのいづれか 1つを含み得る。これらの因子と、CNS損傷後における神経化学的なカスケー ドのタイミングとを識別し、かつ特徴付けることにより、神経損傷を薬剤を用い て治療する機会が得られる。同薬剤は合成、放出、受容体への結合及び生理学的 作用のうちのいづれか1つを変更することにより、神経損傷を軽減し、かつ治療 結果を改善する。神経が損傷した後で生じる事象を薬理学的な介入によって変更 することにより、機能回復を各種の動物モデル及び臨床学的なCNS損傷の両方 において促進し得ることを多数の研究結果が示している。例えば、抗コリン剤と 、 興奮性アミノ酸拮抗剤と、内因性オピオイド拮抗剤(Endogenous opioid antago nists)と、カテコールアミンと、セロトニン拮抗剤と、アラキドン酸、酸化防 止剤及び遊離基捕捉剤の各モジュレータと、ステロイド及び脂質のペルオキシデ ーションを阻害する薬剤と、血小板活性因子拮抗剤と、陰イオン交換を阻害する 薬剤と、マグネシウムと、ガングリオシードと、カルシウム・チャネル拮抗剤と を含む各種の薬剤を用いた内因系(Endogenous systems)の薬理学的操作により 脳損傷後における機能改善を行い得る(1993年に発行された神経外傷誌(J. Neurotrauma)第10刊の215〜243頁に記載されたマッキントッシュの記 述を参照)。 神経系疾患の多くのグループの病因は興奮性アミノ酸受容体の過剰活性に関連 づけられている。これらの疾患は癲癇、限局性虚血、瀰漫性虚血、CNS外傷及 び各種の神経変性を含み、同神経変性はハンチントン舞踏病、パーキンソン病及 びアルツハイマー病を含む。治療薬としての興奮性アミノ酸受容体拮抗剤の開発 に多くの努力が払われてきた(1993年に発行された薬理学サイエンスの傾向 (Trends in Pharmacol.Sci.)第14刊の325〜331頁及び25頁に記載さ れているロガウスキー、エム.エイ.の記述を参照)。 神経損傷または神経変性に対する効果が立証された治療法はまだ知られていな い。更に、例えばストローク、即ち発作は多くの国において主な死因の1つとさ れている。従って、治療薬としてのNMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸 )拮抗剤の開発の重要性は自明である。特定のNMDA拮抗剤が特定の病気にお いて他のNMDA拮抗剤より効果的であるか否か(即ち、副作用が少ないか否か )を決定することは重要である。 一般式(I)を有する幾つかの化合物は米国特許第4,179,517号及び 第4,876,276号に開示されている。これらの米国特許が開示するように 、合成されたほぼ純粋な(+)−(3S,4S)−THC誘導体及び類似体は望 ましくないカンナビ模倣性向精神副作用(Cannabimimetic psychotropic side-e ffects)を全く示さない。これら周知の化合物は鎮痛作用、制吐作用及び抗緑内 障作用 (Antiglaucoma activity)を有する。 本発明の発明者は前記の周知の化合物及び幾つかの新たな化合物が鎮痛作用、 制吐作用及び抗緑内障作用を有する以外に以下の作用を有することを確認した。 即ち、同化合物はNMDA遮断剤またはグルタミン酸遮断剤等の興奮性アミノ酸 受容体遮断剤として作用するか、またはグリシン受容体と相互に作用することに より前記の病気及び状態に対して効果を示す。更に同物質は、前記の神経伝達物 質を介した毒性作用を含む多くの異常な状態の軽減及び治療に効果を示す。これ については米国特許第5,284,867号及び以下の開示内容を参照されたい 。 発明の概要 本発明の組成物は長時間の発作と、危険に曝された血液供給、即ち血液供給量 の減少と、グルコース供給量の欠乏と、機械的外傷とに起因する損傷に代表され る中枢神経系(CNS)に対する急性損傷によって生じたグルタミン酸神経毒性 作用を軽減及び阻止するのに特に効果的である。更に、本発明の組成物はグリシ ン等のグルタミン酸以外のアミノ酸の受容体に関連すると考えられる毒性作用に よる痙攣等といったCNSに対する他の損傷を軽減する効果を有する。 本発明の組成物は徐々に進行する選択的神経損失によって特徴づけられる特定 の慢性の変性疾患の治療にも効果を示し得る。これに関連して、本発明の組成物 はアルツハイマー病の治療に対する効果を意図している。 本発明の組成物は大発作と、低酸素症のみ、または血流量低減(虚血)との組 合せによる瀰漫性の低酸素性虚血傷害(Global hypoxic ischemic insults)と 、心拍停止と、大脳動脈の突然の閉塞(発作)とに大きな効果を示す。 図面の簡単な説明 図1は培養した神経細胞においてNMDAによって生じた毒性のデキサナビノ ールによる遮断の状態を同デキサナビノールの濃度に関連して示すグラフである 。 図2はラットの前脳の膜に対する[3H]MK−801結合をデキサナビノー ルを用いて阻害した際の変化を示すグラフである。 図3はニトロプルシド・ナトリウムによって生じた損傷から培養基内の神経細 胞を救うことを示すグラフである。 図4は中大脳動脈閉塞が進行した後におけるデキサナビノールの投与によって 得られた神経学的評点の改善を示すグラフである。 図5A、図5B及び図5Cは中大脳動脈閉塞によって生じた梗塞部がデキサナ ビノールによる治療後に削減されたことを示すグラフである。 図6A及び図6Bは損傷を受けたラットの運動神経機能に対するデキサナビノ ールの効果を示すグラフである。 図7A及び図7Bは損傷を負ったラットをデキサナビノールによって治療した 際の浮腫形成の減少を示すグラフである。 図8は頭部損傷後におけるBBB(血液−脳関門)破壊に対するデキサナビノ ールの効果を示すグラフである。 図9は直接損傷によって受けた欠損をデキサナビノールがCNS損傷後の代謝 作用において低減させる状態を示すグラフである。 図10A及び図10BはCNS損傷後において電気生理学的に明らかにされた デキサナビノールの長期にわたる効果を示すグラフである。 発明の詳細な説明 本発明は長時間の発作と、危険な状態に曝された血液供給、即ち血液供給量の 減少と、グルコース供給量の欠乏と、機械的外傷と、例えばストリキニーネ、ピ クロトキシン及び有機リン化合物のうちのいづれか1つによる被毒とに代表され る急性損傷またはCNSの被毒によって生じた興奮性アミノ酸神経毒性作用を軽 減または阻止する薬剤組成物を提供する。 本発明の組成物は徐々に進行する選択的神経損失によって特徴づけられる特定 の慢性的な変性疾患の治療にも効果を示し得る。これに関連して、本発明の組成 物はハンチントン舞踏病、パーキンソン病及びアルツハイマー病の治療に対する 効果を意図している。 前記したように、本発明の組成物は発作と、低酸素症のみ、または血流量低減 (虚血)との組合せによる瀰漫性の低酸素性虚血傷害と、心拍停止と、大脳動脈 の突然の閉塞(発作)とに大きな効果を示す。 本発明の1つの態様は本発明の目的を達成するための薬剤組成物に関する。同 薬剤組成物の活性成分は(3S,4S)配置を有し、かつ(3R,4R)鏡像異 性体を実質的に含まない一般式(1)で示す化合物であって、 A……Bは1(2)または6(1)の任意の二重結合を示し、Rは(a)−Q、 (ここでQは不安定な水素原子を有するヘテロ環状成分であって、その成分がカ ルボキシル酸類似体として作用する。)、(b)−R3X(ここでR3はC1−C 5のアルキルであり、Xはハロゲンである)、−OR’(R’はC1−C5のア ルキル)、または−OC(O)R’’’(R’’’は水素またはC1−C5のア ルキル)、(c)−R3N(R’’)2(ここでR3は上記のように定義されたも のであり、各R’’は同一または異なっていてもよいが、水素またはC1−C5 アルキルであって、末端に−OR’’’または−OC(O)R’’’成分を任意 に含むことができ、ここで、R’’’は上記のように定義されたものである。) (d)−R5(ここでR5はC2−C5のアルキルである。)または、A……Bが 存在しないとき、(e)−R3OR’’’(ここでR3及びR’’’は上記のよう に定義されたものである。)であり、Gは(a)ハロゲン、(b)C1−C5の アルキル、(c)−OR’’(ここでR’’は先に定義したものである。)、ま たは(d)−OC(O)R’’’(ここでR’’’は先に定義したものである。 )、及びR2は(a)C1−C12のアルキル、(b)−OR’’’’、(ここ でR’’’’は直鎖または分岐したC2−C9アルキルであり、その末端の炭素 原子をフェニル基で置換可能である)、または(c)−(CH2)nOR’’’ (ここでnは1から7の整数であり、R’’’は上記のように定義されたもので ある)及び前記化合物の製薬的に受け入れ可能な塩または4級アンモニウム誘導 体である。 本発明の別の態様は本発明の目的を達成するための薬剤組成物に関する。同薬 剤組成物の活性成分は(3S,4S)配置を有し、かつ(3R,4R)鏡像異性 体を実質的に含まない同一の一般式(1)の化合物であって、 A……Bは1(2)または6(1)の任意の二重結合を有する。しかし、本実施 の形態では、Rは−R3X、ここでR3はC1−C5アルキルであり、Xは(a) −OC(O)−R4Y、(ここでR4は線形または分岐したアルキル、アルケニル 、シクロアルキル、アリル、アリルアルキル、アルキルアリルまたはヘテロサイ クリルのラジカル、または、前記ラジカルのモノ−、またはポリヒドロキシ化ま たはハロゲン化誘導体であり、Yは−H,−OH,−C(O)O-+,−SO3 - +,または−OPO3 2(B+2であり、(ここで、B+はアルカリ金属またはア ンモニアのカチオンまたは有機アンモニウムカチオンである。))−N(R’’ ’)2 AH,−N(R’’’)3 +-,または からなるグループから選択された環状窒素ラジカル、(ここでR’’’は上記の ように定義されたものであり、DはCH2,OまたはNR’’’であり、(B+2 はアルカリ土類金属カチオンであり、Aは製薬的に受け入れ可能な無機または 有機アニオンである。)、(b)−OC(O)O−R4Y(ここでR4及びYは上 記のように定義されたものである。)、(c)−OC(O)NH−R4Y(ここ でR4及びYは上記のように定義されたものである。)、(d)−OC(O)− R4ZR4Y(ここでR4及びYは上記のように定義されたものであり、ZはO ,S,SO,SO2またはNHである。)、(e)−C(NH2 +)−R4A-(こ こでR4及びAは上記のように定義されたものである。)、(f)−OPO3 2-( B+2(ここでB+は上記のように定義されたものである。)、または(g)− OHであり、Gは(a)ハロゲン、(b)C1−C5のアルキル、または(c) −OR3X(ここでR3及びXは上記のように定義されたものであり、Gの定義の 中でのXは、Rの定義の中でのXが−OHである時には−OHでなくてもよい。 )であり、R2は上記のように定義されたものであり、及び前記化合物の製薬的 に受け入れ可能な塩または4級アンモニウム誘導体である。 薬理学的に活性な化合物の製薬的に受け入れ可能な塩の形成に利用可能な各種 の有機酸及び無機酸並びに塩基は当業者にとって自明である。このような酸はフ ッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸、クエン酸、 コハク酸、マレイン酸及びパルミチン酸を含むが、これらに限定されるものでは ない。塩基には水酸化ナトリウム及び水酸化アンモニウム等が含まれる。同様に 、 薬理学的に活性な化合物の製薬的に受け入れ可能な4級アンモニウム誘導体の形 成に利用可能な四級化剤(Quatemizing agents)は当業者にとって自明である。 四級化剤はヨウ化メチル及びヨウ化エチル並びに硫酸塩を含むが、これらに限定 されるものではない。 現在好ましい化合物のグループにおいて、R2は少なくとも合計7つの炭素原 子を有する1,1−ジメチルアルキルラジカルもしくは1,2−ジメチルアルキ ルラジカルが挙げられる。またそれらの化合物の前駆体も好ましい。特に好まし い化合物は、R2が1,1−ジメチルヘプチルもしくは1,2−ジメチルヘプチ ルである化合物である。このようなR2の実施例はTHCおよびその類似体に見 られる。しかしながら、本発明を特徴づける神経保護活性においても、この位置 に低級もしくは中級のアルキル置換基が適していると考えられる。 本発明の範囲内に属する好ましい特殊な化合物のグループの1つに、R2が1 ,1−ジメチルヘプチル基、GがOH基、RがR3Xである式(I)の化合物が 挙げられ、ここでR3はメチレン、Xは−OC(O)CH2NH2・HCl基、− OC(O)CH2N(CH32・HCl基、−OC(O)CH2N(C252・H Cl基、−OC(O)CH2N(CH33 +Br-基、−OC(O)CH2N(C2 53 +Br-基、モルフォリノアセチルオキシ(臭酸塩)、ヨウ化メチルで4級 化されたモルフォリノアセチルオキシ基、ω−モルフォリノブチロイルオキシ( 臭酸塩)、ヨウ化メチルで4級化されたω−モルフォリノブチロイルオキシ基、 N−メチルピペラジノアセチルオキシ(2臭酸塩)、ヨウ化メチルで2箇所4級 化されたN−メチルピペラジノアセチルオキシ基、ω−(N−メチルピペラジノ )ブチロイルオキシ(2臭酸塩)、ニコチノイルオキシ(塩酸塩)、メチル塩素 酸塩で4級化されたニコチノイルオキシ基、スクシノイルオキシ(モノアンモニ ウム塩)、マレオイルオキシ(モノアンモニウム塩)、フタロイルオキシ(モノ アンモニウム塩)、2−キノリノイルオキシ(モノアンモニウム塩)、アセチル オキシ基、ブロモアセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基もしくはフ ォスフォロ イルオキシ基2ナトリウム塩が挙げられる。本発明の範囲内に属する好ましい特 殊な化合物の別のグループとしては、R2が1,1−ジメチルヘプチル基、Rが CH2OH基、Gがω−モルフォリノブチロイルオキシ(臭酸塩)、N−メチル ピペラジノアセチルオキシ(2臭酸塩)、ヨウ化メチルで2箇所4級化されたN −メチルピペラジノアセチルオキシ基もしくはフォスフォロイルオキシ基2ナト リウム塩である式(I)の化合物が挙げられる。現在最も好ましい化合物は、こ こで合成の例として記載されたものである。 多くの生理学的な実験がなされることによって得られた代表的は化合物は、7 −ヒドロキシ−Δ6−テトラヒドロカンナビノールの(+)−(3S,4S)− 1,1−ジメチルヘプチル同族体として引用される化合物である。HU−211 として既に引用されたこの化合物は、慣用名“デキサナビノール”にて以下の記 載では示される。化合物の全てが(+)−(3S,4S)の立体配置であること 、すなわち、本質的には有害な向精神性の副作用を有することで知られている( −)−(3R,4R)鏡像異性体ではないことを強調したい。従って、例えば、 合成されたカンナビノイド7−ヒドロキシ−Δ6−テトラヒドロカンナビノール の1,1−ジメチル同族体の鏡像異性体は以下の文献に記載されている(メコウ ラム、アール(Mechoulam,R)らによるテトラヘドロンアシメトリ(Tetrahedron :Asymmetry)、315−319頁、1990年、及びメコウラム、アールらに よるエクスペリエンチア(Experientia)44、762−764頁、1988年 )。ここでHU−210にて示される(−)−(3R,4R)鏡像異性体は、非 常に強い***に類似の性質を有する化合物(cannabimimetic)である(インド大 麻の活性成分であるΔ−1−テトラヒドロカンナビノールのほぼ100倍以上の 活性を有する)。ここでデキサナビノールにて示される(+)−(3S,4S) 鏡像異性体は、鎮痛及び鎮吐作用としての活性があることが知られているが、H U−210のED50の数千倍の投与量であっても***類似の活性は有していな い(メコウラム、アールらによるエクスペリエンチア44、762−764頁、 1988年)。 従って、上述のようにここで定義された一般式(I)で表される化合物は、 ***類似の中枢神経系活性を実質的には完全に欠いたものである。 薬理学 この新規な組成物は、活性薬物に加えて、周知の薬剤学的に使用され ているキャリヤー、希釈剤なども含んでいる。錠剤、丸剤、カプセル剤などのよ うな経口投与に適用される固体の組成物は、活性成分と周知の薬剤学的に使用さ れているような成分であるコーンスターチ、乳糖、ショ糖、ソルビトール、タル ク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸ジカルシウム及びガムを 薬剤学的に使用される希釈剤とともに混合することによって調製される。錠剤及 び丸剤はコーティングされるか、もしくは剤形が長時間作用するもしくは徐放性 を有するように周知の薬剤学的に使用される物質とともに混合される。その他の 固体組成物としては、直腸投与に適用される坐剤として調製される。液体の剤形 としては、経口投与もしくは皮下、経皮、静脈、くも膜下、及びその他の非経口 投与経路が含まれる注射剤に適用されるよう調製される。液体の組成物としては 、有機共溶媒を含んだもしくは含まない水溶液、水性もしくは油性懸濁剤、エリ キシルとともに食用油を用いた味のついた乳剤及び類似の薬物賦形剤が含まれる 。加えて、本発明の組成物は、経鼻などの投与に適用されるエアロゾルとしても 調製されうる。 ヒトに対する有効投与量は、通常体重1Kg当たり0.05mgから約50m gの範囲であり、投与回数は1日1〜4回である。しかしながら、薬物が比較的 長時間作用する場合1日おきに投与することも可能である。好ましい投与量の範 囲は、体重1Kg当たり0.1mgから約20mgである。しかしながら、当業 者にとっては自明のように、投与量は、処置される疾病、投与方法、患者の年齢 、体重、禁忌などに従って、使用する医師によって決定される。 上述の全ての化合物は効果的なNMDAレセプターのブロッカーであり、既に 定義された1つ、もしくは同時に存在する複数の疾患の症状に対する薬剤組成物 の活性成分として使用される。有効投与量は本質的には同様であるが、これらの 化合物の周知の特性に加えてNMDAレセプターの遮断薬としてさらに顕著な効 果を示す。しかしながら本発明の化合物及び組成物はまた、NMDAレセプター のメディエーターに不必要な痙攣薬に対しても良好な遮断活性を示す。例えば、 本発明の組成物は、ストリキニーネ、有機リン化合物、亜酸化窒素によって引き 起こされる毒性を防ぎあるいは少なくとも緩和することを可能にする。 本発明の化合物は、上述の目的において、生理学的に適用される処方を調製す るために必要とされる溶媒、希釈剤、賦形剤等とともに周知の薬剤の剤形におい て投与される。それらは、周知の投与経路のいずれかによって投与可能である。 ヒトにおける有効投与量は、単位剤形当たり、0.005mg/kgから約50 mg/kgの範囲である。最も好ましい投与量の範囲は体重当たり約0.1mg /kgから約20mg/kgである。 本発明の薬剤組成物の最も適切な投与方法は、処置される損傷もしくは疾病の 種類に依存するという点は評価されるべきことである。従って、心拍停止による 急性頭部損傷、卒中もしくは虚血性の脳損傷には、損傷部位へできるだけ迅速に 薬剤を全身投与することが必要である。これに対して、慢性の退行性損傷の低減 及び予防には、徐放性の剤形投与が必要とされる。 デキサナビノールは、頭部損傷、脳全体の虚血、圧潰された視神経のような各 種の症状において重要な神経保護作用を示す。この事実より、脊髄損傷のような 軸索系の損傷に見られる状態も含んだ、既に詳述したような中枢神経系疾患、中 毒あるいは損傷の広い範囲にわたって神経保護の可能性を示唆する。デキサナビ ノールはまた、外傷、感染、腫瘍もしくは開頭及び脊髄処置を含む外科的処置に 関連する神経水腫の治療において特に有効である。 さらに、この種の化合物の周知の抗緑内障特性とデキサナビノールの神経保護 特性を併用することにより、眼網膜の疾病、とりわけ虚血性の損傷もしくは有害 な生化学的環境を伴った疾病において特に考慮される。 デキサナビノールを用いた治療の候補として考慮すべき主要な眼疾患のグルー プを以下に示す。 (1)主に、網膜を虚血状態にすることによって変性された網膜毛細血管循環 に由来する糖尿病性網膜症。 (2)網膜色素上皮が徐々に変質し、ひいては網膜細胞の壊死及び組織の変性 を引き起こす、加齢に関連した黄斑部変性。 (3)比較的ありふれており、かなり虚血性の損傷を引き起こす網膜の血管閉 塞。未熟児網膜症(未熟児における酸素毒性)とともに視神経(虚血性視神経障 害)を含む静脈及び動脈の全ての網膜閉塞がこのカテゴリーに属する。 (4)直接的な網膜細胞の壊死、例えばレーザ火傷、炎症、感染及び変性過程 のような外科的外傷を含んだ外傷による二次的な神経損傷による障害。 (5)緑内障性視神経障害を含む慢性虚血性障害。 (6)毒性障害(例えば、クロロキン毒)及び慢性栄養失調。 本発明はまた、本発明の組成物の治療上有効な量を患者に投与することによっ て上述の種々の病状を治療する方法に関するものである。ここで使用される投与 という用語は、経口、非経口、静脈内、筋肉内、皮下、経皮、くも膜下、直腸及 び経鼻投与を含んだものである。 発明者は、デキサナビノール及び式(I)の化合物は本発明でクレームされた 組成物の活性剤として好ましい新規なモノエステルとともに、体重当たり25m g/Kgを超える投与量では、NMDAレセプターアンタゴニストによって典型 的に引き起こされる運動機能亢進及び頻脈効果が引き起こされることを明らかに した。体重当たり2.5mg/Kgのかなり少ない投与量においては、NMDA によって引き起こされる震え、発作及び致死に対する有効な遮断薬となる。(フ ァイゲンバウム(Feigenbaum)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.U .S.、86、9584−9587頁、1989年)。従って、治療上の有効量 (NMDA拮抗作用)及び可能な副作用を示す量(例えば頻脈)との間には良好 な差異が得られている。結合の実験は、デキサナビノールが立体特異的方法にて NMDAレセプターを遮断し、結合部位において、他の非競合的NMDAアンタ ゴニストもしくはグルタメート及びグリシンとは異なった相互作用を引き起こす ことを示している。従って、このデキサナビノール及び式(I)に従う他の化 合物は、NMDAレセプターによって誘導される神経毒性に対する保護をする抗 精神興奮薬として有効であることが証明される。 デキサナビノール及び本発明の組成物の活性成分を構成する他の化合物の薬理 学的特性が、マウスにおける典型的な運動機能亢進及び頻脈の誘発を含むことは 既に示した(ファイゲンバウムら、1989年、同文献にて)。これらの特性は 、NMDAサブクラスのグルタメートレセプターの非競合性アンタゴニストと一 致しており、これらの化合物は、活性NMDAレセプターアンタゴニストである ことが示唆される。この可能性は、マウスにおけるNMDA及びNMDAアゴニ ストの震え、痙攣及び致死作用に対する保護を示す化合物の活性を調べることに よって明らかにされた。そのような作用は、事実上全てのNMDAアンタゴニス トによって打ち消され、期待したとおり、NMDAの神経毒性はデキサナビノー ルによって遮断された(ファイゲンバウムら、1989年、同文献にて)。 実験系 デキサナビノール及びその類似体の治療上の効果の評価は、これらの 薬物の神経保護剤としての有効性を支持するために高度な技術を備えた一連の実 験系において実施された。神経保護効果は、生体外及び生体内の両者にて評価さ れた。これらの神経保護効果は、以下の系において確証された。 (a)NMDAレセプター結合型チャネルへの結合 NMDAの非競合的アンタゴニスト、その主たる例である化合物MK−801 をNMDAレセプターチャネル内の部位に結合し、レセプターチャネル複合体の 活性化及びそれによる神経毒性を回避する。トリチウムラベルされたMK−80 1の脳膜への結合に匹敵する種々の化合物の能力は、NMDA非競合的アンタゴ ニストとしてのこれらの効能の尺度として考慮される。 (b)組織培養中におけるNMDΛ毒性の遮断 神経細胞(ニューロン)は培地中にて生育し、数週間は生存する。神経細胞の 培養中にNMDΛを適用すると、神経細胞に対する毒性が発現する。培養を顕微 鏡にて観察すると、細胞密度が減少し、形状の変化及び生存する神経細胞の染色 特性が見られ、ミトコンドリア代謝酵素に感受性を有する化学物質から着色され る生成物の形成が減少することによって培養中における代謝活性が著しく低下す ることがわかる。NMDAによって誘起される形態及び代謝の変化を防ぐための 本発明の種々の化合物の能力は、培養中のそれらの神経保護活性の尺度として考 慮される。 (c)マウスの低圧酸素欠乏症に対する保護 低圧環境下(200mmHg)にマウスをさらすと、動物が供給できる酸素量 が減少するので、未処置のマウスでは1〜2分以内に死に至る。酸素欠乏の影響 を打ち消す化合物の前処置は、この処置によるマウスの生存時間を延長(2倍も しくはそれ以上)する。生存時間の増加は、生体内における酸素欠乏障害を打ち 消す化合物の効能の尺度となる。 (d)ラットにおける非開放性頭部損傷後の改善された臨床上の転帰 激しい頭部の損傷は、高い死亡率及び重篤な神経欠陥をきたす。コントロール された方法にて頭部に外傷を与えられた動物が、薬物の治療可能性を試験するモ デルとして使用される。試験化合物は、改善された臨床上の転帰及び非開放性頭 部損傷により誘起された水腫の減少の両方に対して評価された。神経症状の重篤 さを低減し、脳水腫を低減する本化合物の能力は、脳損傷を低減するそれらの効 能の尺度として考慮される。 (e)アレチネズミにおける虚血性神経損傷の阻止 アレチネズミにおいて、その2つの主要な動脈(総頚動脈)の外科的な結紮に より脳への血液供給を一時的に遮断することによって、一時的な前脳の虚血状態 が生じる。一時的な虚血は、記憶形成を司る脳の構造要素である海馬における神 経細胞の遅延された、選択的な変性を発生させる。海馬細胞の損失及びそれによ る記憶欠損を防ぐための種々の化合物の能力は、虚血状態における神経保護剤と してのこれら化合物の効能の尺度として考慮される。 (f)視神経圧潰 視神経に機械的な圧力を適用することによって軸索の圧潰を生じ、それは酸化 的代謝における急激な変化に伴うものであり、軸索の壊死を遅延させ、それに代 わり神経から測定可能な化合物作用電位の減少及び視覚刺激に対する応答の損失 (失明)が発現される。代謝活性、化合物作用電位及び視覚誘発電位における損 失を防ぐ種々の化合物の能力は、軸索に対する外傷性の損傷による障害を防ぐこ れらの効能の尺度として考慮される。 (g)中大脳動脈閉塞(MCAO) 中大脳動脈は、ヒトにおける卒中に最も関与する脳血管である。動物において 、動脈内に凝集、永久的な結紮もしくは閉塞糸を永久的に設置することにより、 MCA部分に影響を与える永久的な局部的卒中を生じる。一時的な結紮及び閉塞 は、一時的な局所的卒中を生じる。これら一時的及び永久的な局所的卒中は、影 響を与えられた脳部分における水腫及び梗塞の程度の変化をきたす。水腫及び梗 塞量を低減する化合物の能力は、抗卒中治療に対するこれらの効能の尺度として 考慮される。 (h)ラットにおける4血管閉塞(4VO) ラットの脳への血液の供給は、2つの椎骨動脈及び2つの総頚動脈を通じてな される。これら4つの血管の全てを一時的に閉塞させると、ヒトの心停止中に起 こるような脳全体の虚血状態を生じる。脳全体の虚血は、短期間の記憶欠損及び 海馬のCAI部分における神経細胞の選択的損失を含む神経的な欠損を生じる。 このモデルにおける、神経的な欠損の低減及び神経生存の増加における化合物の 能力から、心停止に関連する脳損傷を防ぐ示唆的なこれらの可能性が考慮される 。 これら系の各々は、NMDAレセプターに結合する薬剤による治療処置に対し て分析可能な神経毒性の態様を示している。本発明の化合物は、NMDAレセプ ターに結合するそれらの能力によって上述の神経保護効果をあらわすように考え られる。にもかかわらず、これらの活性が他のレセプターもしくは追加のメカニ ズムによって介在されることを無視することはできない。 NMDA遮断活性を評価するために使用される基本的な薬物は、化合物MK− 801であり、その毒性のためにヒトの治療薬として使用することができないが 、可能性のあるかつ選択的なNMDAアンタゴニストである。MK−801及び デ キサナビノールの生物学的活性に関する類似性及び差異を評価して表1に示した 。この評価はデキサナビノールが単にNMDAアンタゴニストとしてのみ作用し ていないということを明らかに支持している。むしろ、デキサナビノールの治療 効果は、抗酸化剤及びラジカル中和剤特性、コリン抑制作用、血小板活性化因子 拮抗作用、アラキドン酸のモジュレーション、もしくは脂質過酸化の阻害という ような追加のメカニズムにも特徴づけることができる。この種の薬理学的薬剤の 全てが脳損傷の後に機能的な転帰を潜在的に改善することが示唆された。これら のメカニズムの全ては、中枢神経系の損傷に伴う遅延の、2次的あるいは慢性の 神経損傷に関与している(マッキントッシュ,ジェー(Mcintosh,J.)、ニュー ロトラウマ(Neurotrauma)20:215−243頁、1993年)。 化合物 実験により、A-----Bが6(1)位の二重結合を表し、Rがメチル 基、R1が水素、R2が1,1−ジメチルヘプチル基である式Iの(+)−(3 S,4S)化合物及びA-----Bが1(2)位の二重結合を表し、Rがメチル基 、R1が水素、R2が1,1−ジメチルヘプチル基である式Iの化合物が示され 、ここで本質的に(−)−(3R,4R)鏡像異性体を含まない両化合物は、実 際にはデキサナビノールによって表される化合物と同様の活性を有していること が示された。前者の化合物はアメリカ合衆国特許第4,179,517号におい て化合物Vbとして示され、後者の化合物は化合物XIbとして示されている。 加えて、RがCH2OR’基でありR’がアシル基である一般式(I)のいく つかの新規な化合物が好ましい抗グルタメートもしくはグリシン関連活性を有す ることが明らかになった。これらの新規化合物は、例えばRがCH2OH基、R 1が水素である一般式(I)の化合物のエステル化によって比較的高収率にて所 望のモノエステルを形成する条件下にて合成される。 試験を行った新規化合物の内では、ニコチン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩 を含んだモノエステルが好ましいことが示された。最も好ましい化合物としては 、例えばデキサナビノールのトリメチル及びトリメチル酢酸アンモニウム塩のよ うなグリシンエステル及びN−置換されたグリシンエステル塩が挙げられる。こ れらの新規化合物は、親化合物が極端な疎水性であるのに対して、いくつかの水 溶液に可溶であるという更なる利点を有している。 デキサナビノールの高い親油性が、容易に血液−脳関門を通過することによっ てこの化合物が中枢神経系に到達することを可能にする。しかしながら、高い親 油性はまた、水に対する溶解性が非常に劣ることにも関連している。このことが 、デキサナビノールの静脈投与に適した処方の開発を困難にし、臨床の適用にお いて障害となっている。静脈投与後に加水分解によって薬剤が容易に放出される ようにデザインされたデキサナビノールの水溶性誘導体は、この問題を解決し、 プロドラッグとして使用される。これに対して得られる誘導体が加水分解的に安 定ではあるが内因性の生物学的活性を有する場合、それらは重要なNMDA拮抗 活 性を有する容易に処方可能な類似体(同族体)として使用することが可能である 。 この新規な誘導体は、極性のもしくは永久的な電荷を有するベアリング基をデ キサナビノールのアリル(C−7)もしくはフェノール(C−3’)基の水酸基 の機能に付加することによって得られ、この付加は、可逆的構造的修飾に対して 2つの部位が適しており、カルボン酸エステルあるいはリン酸塩結合によってな される。 デキサノビノールのC7位にあるアリル水酸基は、立体的に障害となるフェノ ールC−3’基よりより反応性が高い。この反応性の違いにより、デキサナビノ ールのアシル化はアリル水酸基において選択的に起こりやすくなり、小量のフェ ノールエステルが生成物の中に含まれることとなる。ジシクロヘキシルカルボジ イミド(DCC)及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の存在下に おいてアセトニトリル−ジメチルホルムアミド混合物中におけるN−保護された (t−BOC)グリシンとデキサナビノールとの反応によって、カラムクロマト グラフィーによって精製されるデキサナビノールの7’−(N−t−BOC)グ リシルエステルが得られる。t−BOC保護基は酢酸エチル溶液中において塩酸 によって取り除かれ、純粋な形にてデキサナビノールのグリシルエステルの塩酸 塩が得られる(反応式1)。 複数の3のN,N−二置換誘導体が、トルエン中における無水ブロモ酢酸とデ キサナビノールのアシル化、それに続くカラムクロマトグラフィーによる精製に よって得られる7−ブロモアセチルデキサナビノールを介して合成される(反応 式2)。 ヘキサン中におけるジメチルアミンと7−ブロモアセチルデキサナビノールの 反応によってN,N−ジメチルグリシナートが生成する。その塩酸塩がエタノー ル性塩酸と自由塩基との処理によって得られる。同様の方法にて、N,N−ジエ チルグリシルデキサナビノール及びその塩酸塩が調製される。永久電荷を有する 2つのデキサナビノールエステル、臭酸トリメチルアンモニウムアセチル及び臭 酸トリエチルアンモニウムアセチルが、ピリジン中において7−ブロモアセチル 誘導体と、それぞれトリメチルアミン及びトリエチルアミンとの反応によって得 られる。 実施例 以下の例は本発明を例示するものであって、それのみに限定されるものではな いと解釈される。 合成例1 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル )−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ [b,d]ピラン−9−メチルヘミスクシナート 1a.デキサナビノールヘミスクシナートトリエチルアンモニウム塩 デキサナビノール1.95g(0.005mol)を50mlの乾燥トルエン に溶解し、50mlのトルエン中に溶解した無水コハク酸0.51g(0.00 5mol)をこのデキサナビノール溶液に加えた。混合物を冷却管を備えた丸底 フラスコ中に入れ、6時間還流し、トリエチルアミン700mcl(0.5g, 0.005mol)を加え、混合物を一晩還流した。反応は、蛍光でラベルした シリカゲルプレートに、トルエン:アセトン=1:3の割合である移動相の薄層 クロマトグラフィー(TLC)にてモニターされた。反応混合物中からデキサナ ビノール(Rf値=0.86)が完全に除去された後、有機溶媒をロータリーエ バポレータ(50mmHg,60℃)にて完全に蒸発させた。残渣を20mlの ジエチルエーテル及び20mlのn−ヘプタン中に溶解し、再び乾燥するまで濃 縮させ、この操作をトルエンを完全に除去するために2回繰り返した。デキサナ ビノールヘミスクシナートのトリエチルアンモニウム塩は、僅かに黄色を帯びた 粘性のある油状物質として得られ、収率は約98%であった。 1b.デキサナビノールヘミスクシナートのフリーアシッド(free acid) デキサナビノールヘミスクシナートのトリエチルアンモニウム塩を超音波(3 0分)もしくは手振動(2時間)にて撹拌しながら2%のトリス−(ヒドロキシ メチル)−アミノメタン水溶液100ml中に溶解し、2%塩酸の500ml冷 水溶液中に強く撹拌しながら注いだ。沈澱したデキサナビノールヘミスクシナー トのフリーアシッドが回収され、洗浄液のpH値が4から5に上昇するまで3〜 5回精製水にて洗浄した。粘性の生成物(水分量約60%)が回収され、300 mlのジエチルエーテル中に溶解した。その後、溶液は遮光しながら、大量の無 水硫酸ナトリウム又は無水硫酸マグネシウムを用いて、24時間乾燥させた。ロ ータリエバポレータにて有機溶媒を蒸発させると、黄色を帯びたオレンジ色の乾 燥したデキサナビノールヘミスクシナートのフリーアシッドが得られた(収率約 65%)。吸湿性が高く、厳重に密封したバイアル中に入れ冷蔵庫にて保存せね ばならない。 デキサナビノールヘミスクシナートは、オレンジ色を帯びた黄色の固体物質で あり、メタノール、アセトニトリルに可溶で、水には一部溶ける。デキサナビノ ールヘミスクシナートの平均(n=5)融点の範囲は、ハークバクラー(Haake Buchler)融点測定装置(S/N17681B−77)を用いて、50.3−6 2.7℃であった。 デキサナビノールヘミスクシナートの赤外吸収スペクトル(KBr錠を用いて 調製)は、パーキン−エルマー(Perkin-Elmer)モデル1600 FTIR(S N134707)にて得られた。赤外スペクトルは、指定された構造と一致した 。デキサナビノールヘミスクシナートのFT−IRスペクトルを解析すると、I R(KBr、v、cm-1)、3424及び3226(2x v OH基)、29 61(vasCH3基)、2826(vas CH2基)、2894(vs CH3基) 、2868(vs CH2基)、1736(vsC=O結合)、1719(vs C =O結合)、1625(v C=C結合、オレフィン)、1578(フェニル核 )、1459(d CH3基)、1415、1384及び1371(ジェミナル ジメチル基)、1267(vas C−O−C結合)、1186(vs C−O− C基)、1085(v C−O結合 フェノール)、968(g CH基、芳香 族)、8 39(g CH オレフィン)cm-1にそれぞれ吸収が見られた。デキサナビノ ールヘミスクシナートのUVスペクトルは島津(Shimadzu)UV−160スペク トロフォトメータ(S/N1235621)によって測定された。メタノール中 にて調製されたデキサナビノールヘミスクシナートのサンプルのUVスペクトル は、指定された構造と一致した(log e276.0=3.09及びlog e282.0=3.10)。 合成例2 7−(N−t−BOC−グリシル)デキサナビノール アセトニトリル(20mL)及びジメチルホルムアミド(5mL)中にデキサ ナビノール(1.00g,2.59mmol)を加えた溶液中に、N−t−BO C−グリシン(0.544g,3.10 mmol)、ジシクロヘキシルカルボ ジイミド(0.64g,3.10mmol)及びジメチルアミノピリジン(0. 025g,0.2mmol)を加えた。反応混合液を、無水条件下、22−25 ℃にて3日間撹拌した。沈澱したジシクロヘキシル尿素をろ過し、溶液を真空に て濃縮させ、残渣をクロマトグラフィーにて精製した。カラムはシリカゲル(ア ルドリッチ(Aldrich),200−425メッシュ、40/3cm)、ヘキサン 、ヘキサンの2%及び4%酢酸エチル溶液(それぞれ200mL)及びヘキサン の6%酢酸エチル溶液(1500mL)にて連続的に溶出させ、目的化合物が0 .55g(40%)得られた(HPLCピーク面積による純度:99.3%)。 第2のフラクション(純度91%)の再結晶(ニトロメタンを用いて)により、 純粋な生成物(純度>99%)が総量の70%得られ、融点は110−112℃ であった。 合成例3 7−グリシル塩酸デキサナビノール 2N塩酸の酢酸エチル溶液(3mL)中に合成例2の化合物(0.35g,0 . 64mmol)を加えた溶液が、20−25℃にて10分間撹拌された。溶媒が 真空中にて除去され、残渣をエチルエーテル(5mL)にてスラリーにした後乾 燥させ、オフホワイト固形の目的化合物0.28g(収率90%)が得られた( HPLCピーク面積は97.7%であった。)。 合成例4 7−ブロモアセチルデキサナビノール トルエン(6mL)中にデキサナビノール(0.100g,0.26 mmo l)を加えた溶液中に、無水ブロム酢酸(0.118 g,0.45mmol) が加えられ、得られた混合物を20−25℃にて48時間撹拌した。その有機溶 液を水(2x2mL)にて抽出し、硫酸ナトリウムにて乾燥させ、濃縮させた。 残渣はクロマトグラフィーにて精製され(カラムはシリカゲル:アルドリッチ, メルク(Merck)グレード60、230−400メッシュ、32/2cm;最初 はヘキサンで、その後ヘキサン及び徐々に濃度を上げた(0〜6%)酢酸エチル 混液にて溶出させた)、油状の目的化合物が0.123g(収率93.4%)得 られた。HPLCピーク面積による純度は96.8%であった。 合成例5 7−ジメチルアミノアセチルデキサナビノール(5) アルゴンで脱気されたヘキサン(6mL)中に7−ブロモアセチルデキサナビ ノール(0.119g,0.24mmol)を加えた溶液に、ジメチルアミン( 気体)が加えられ、混合物は20−25℃にて2時間撹拌された。沈澱した臭酸 ジメチルアミンはろ過されて取り除かれ、溶液は濃縮、乾燥され、得られた残渣 はヘキサン(3x2mL)にてスリラーにした。乾燥後、7−ジメチルアミノア セチルデキサナビノール0.01g(収率90%)が得られ、融点は110−1 12℃、純度(HPLCのピーク面積による)は99.6%であった。 7−ジメチルアミノアセチルデキサナビノール塩酸塩が、塩酸のエーテル溶液 を化合物のエーテル溶液に加えることにより調製され、エーテル中の化合物溶液 をろ過し、得られた固形物をエーテルにて洗浄した。 合成例6 7−ジエチルアミノアセチルデキサナビノール(6) アルゴンで脱気されたヘキサン(6mL)中に7−ブロモアセチルデキサナビ ノール(0.178g,0.34mmol)を加えた溶液に、ジエチルアミン( 2mL, 1.41g, 1.9mmol)が加えられ、混合物は20−25℃ にて4時間撹拌された。沈澱した臭酸ジエチルアミンはろ過されて取り除かれ、 溶液は濃縮、乾燥され、得られた残渣はヘキサン(3x2mL)にてスリラーに した。50℃以下の温度にて乾燥後、7−ジエチルアミノアセチルデキサナビノ ール0.160g(収率94%)がオフホワイトの固体として得られ、融点は1 28−130℃、純度(HPLCのピーク面積による)は98.4%であった。 7−ジエチルアミノアセチルデキサナビノールの塩酸塩が、塩酸のエーテル溶 液を化合物のエーテル溶液に加えることにより調製され、エーテル中の化合物溶 液をろ過し、得られた固形物をエーテルにて洗浄した。 合成例7 デキサナビノール7−アセチル臭酸トリメチルアンモニウム(7) アルゴン条件下の密封した系に置かれた7−ブロモアセチルデキサナビノール (0.81g,1.60mmol)のヘキサン(15mL)溶液に、20−25 ℃にてトリメチルアミン(気体)が加えられた。得られた混合物は20−25℃ にて18時間撹拌され、その後沈澱物がろ過され、ヘキサンにて洗浄された。真 空条件下にて乾燥後、粗いデキサナビノール7−アセチル臭酸トリメチルアンモ ニウム0.89g(収率89%)が得られた。精製(3x15mLの冷水による スリラー)により、純粋な化合物0.49g(54.3%)が得られた。純度( HPLCによるピーク面積)98.1%、融点178−180℃。 合成例8 デキサナビノール7−アセチル臭酸トリエチルアンモニウム(8) トルエン(45mL)中に7−ブロモアセチルデキサナビノール(0.081 g、0.16mmol)が加えられた溶液に、トリエチルアミン(5mL,3. 6g,0.035mmol)が加えられ、混合物がアルゴン条件下、20−25 ℃にて3日間撹拌された。沈澱した塩はろ過されて取り除かれ、溶液は濃縮、乾 燥された。残渣はトルエン(3x5mL)にてスリラーにされ、デキサナビノー ル7−アセチル臭酸トリエチルアンモニウム0.092g(収率95%)が得ら れた。純度(HPLCによる)、94%。 合成例9 デキサナビノール7−水素マレイン酸塩 トルエン(1.0mL)中にデキサナビノール(100.0mg、0.26m mol)、無水マレイン酸(29.4mg,0.30mmol)及びピリジン( 24.3mL,0.30mmol)を加えた溶液が、アルゴン条件下、25℃に て24時間撹拌される。溶液は氷水(20g)中に注入され、酢酸にてpH5ま で酸性にされ、トルエン・酢酸エチル(それぞれ10mL)混液にて抽出された 。抽出物は氷冷水(10mL)にて洗浄され、硫酸ナトリウム(20g)にて乾 燥され、減圧濃縮される。残渣は、溶出溶媒としてトルエン/酢酸エチル/ジオ キサン/エタノール=1:1:1:1混液を用いてカラムクロマトグラフィー( シリカゲルによる)にて精製された。純粋なデキサナビノール7−水素マレイン 酸(71.8mg,57%)が油状物質として得られた。 合成例10 デキサナビノールマレイン酸アンモニウム デキサナビノール(103.7mg,0.27mmol)、無水マレイン酸 (132.1mg,1.35mmol)、ピリジン(1.62mL)2.0mm ol)及びトルエン(2.0mL)の混合物が、アルゴン条件下、25℃にて6 時間撹拌された。それに5%炭酸水素ナトリウム(6.0mL,3.57mmo l)が加えられ、25℃にてさらに30分間続けて撹拌された。反応混合物はエ ーテル(30mL)にて抽出された。抽出物は5%炭酸水素ナトリウム(5mL )にて、次いで水(10mL)にて洗浄され、その後非常に濃度の薄い硫酸(p H3,5mL)にて洗浄され、再び水(10mL)にて洗浄された。最終的には 、抽出物は硫酸マグネシウム(0.50g)にて乾燥され、減圧濃縮される。残 渣がエーテル(2.0mL)中に溶解され、その溶液が気体アンモニアにて飽和 される。溶媒及び過剰のアンモニアを蒸発させた。ヘキサンにて粉砕することに より、粘調な残渣を黄色の粉末にした。固体はデカンテーションによって分離さ れ、減圧下(0.5Torr)、50℃にて乾燥され、分析的に純粋なデキサナ ビノールマレイン酸アンモニウム(87.6mg,65%)が得られた。融点9 0−100℃、分析:理論値(計算値):C,69.43;H,8.64;N, 2.79;実測値:C,69.16;H,8.54;N,2.54。 合成例11 デキサナビノール水素フタル酸塩 デキサナビノール(196.6mg,0.51mmol)、無水フタル酸(1 10.9mg,0.75mmol)、ピリジン(81mL、1.00mmol) 及びトルエン(2.0mL)の混合物が、アルゴン条件下、25℃にて24時間 撹拌された。そこに5%炭酸水素ナトリウム(6mL,3.57mmol)が加 えられ、25℃にてさらに30分間続けて撹拌された。酢酸を滴下することによ って、混合物のpHが8.0から7.0に下げられた。混合物は水(20mL) にて希釈され、そしてエーテル(30mL)にて抽出された。エーテルを含んだ 溶液は水(20mL)にて洗浄され、その後10%酢酸(20mL)にて洗浄さ れ、硫酸マグネシウムにて乾燥された。エーテルを濃縮後、残渣はトルエン(2 0mL)中に溶解され、完全に酢酸を除去するために再び減圧(20Torr、 50℃)下にて濃縮させた。固体の残渣は真空オーブン(0.5Torr、50 ℃)にて乾燥され、純粋な1(191.4mg,70%)が得られ、白色粉末で 、融点は88−89℃であった。化学式C33426の分析:計算値:C,74 .13;H,7.92;実測値:C,73.91;H,8.08。 合成例12 デキサナビノール3−カルボキシ−2−ピリジンカルボキシレート ピリジン(81mL,1.00mmol)が、トルエン(2mL)中にデキサ ナビノール(208.8mg,0.54mmol)及び2,3−無水ピリジンカ ルボン酸(198.1mg,1.33mmol)を加えた懸濁液中に加えられ、 得られた混合物が、アルゴン条件下、25℃にて25時間撹拌された。薄層クロ マトグラフィーによってデキサナビノールが存在していないことが確認された。 反応混合物は、氷水(25g)中に注入され、エーテル(30ml)にて抽出さ れた。エーテル層が水(20ml)にて洗浄され、硫酸マグネシウムにて乾燥後 、濃縮された。得られた残渣は、シリカゲル及び溶出溶媒としてAcOEt/E tOH/Et3N(7:2:1)混液を用いたカラムクロマトグラフィーにて処 理された。第1フラクション濃縮後に得られた残渣は、エーテル(30mL)中 に溶解され、エーテル溶液は、pH3の氷冷した希硫酸にて洗浄(2x20mL )、次いで水(20mL)にて洗浄され、その後硫酸マグネシウムにて乾燥させ た。エーテルの濃縮及び真空オーブン(0.5Torr、50℃)中にて残渣を 乾燥し、白色固体の純粋な生成物(176.3mg,61%)が得られた。融点 150−153℃(分解)。化学式C32416、計算値:C,71.75;H ,7.71;N,2.61;実測値:C,71.56;H,7.86;N,2. 66。 合成例13 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル ) −1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ[ b,d]ピラン−9−メタノール 1−(ジメチルリン酸塩) 1mlの乾燥ピリジン中にデキサナビノール−7−トリフルオロアセテート0 .231g(0.48mmol)を加えた溶液に、氷冷しながら、新しく蒸留し たオキシ塩化リン0.075ml(0.80mmol)が加えられ、3℃にて2 0時間保存された。この混合物に乾燥メタノール0.20ml(5.0mmol )が加えられ、室温にて5時間保存させた。室温にて真空条件下(1mmHg) で濃縮させ、3mlの乾燥トルエンを加え、留去させた。残渣は乾燥トルエン3 mlにて処理され、ろ過され、乾燥トルエンにて洗浄(3x1ml)後、得られ た溶液は、室温にて、真空条件下(1mmHg)にて濃縮させた。残渣(0.3 26g)は、アセトニトリル−ジクロルメタン(7:3v/v)を溶出溶媒とし て25gのシリカゲルカラムのクロマトグラフィーにより分離され、薄茶色の粘 性のある油状の純粋な目的化合物が0.098g(41%)得られた。Rf値、 0.61(アセトニトリル−ジクロロメタン、7:3v/v)。 合成例14 (6aS−トランス)12チル)−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a −テトラヒドロ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−9−メタノール 1−(2水素リン酸塩) 2mlの乾燥ピリジン中にデキサナビノール−7−トリフルオロアセテート0 .405g(0.84mmol)を溶解させた溶液に、−20℃にて、新しく蒸 留したオキシ塩化リン0.14ml(1.5mmol)が加えられ、3℃にて2 0時間保存された。室温にて真空条件下(1mmHg)で濃縮させ、残渣は乾燥 トルエンにて抽出され(3x3ml)、得られたベンゼン溶液は室温にて真空条 件下(1mmHg)にて濃縮させた。残渣は乾燥エーテルにて抽出され(2x1 0ml)、得られた溶液は室温にて真空条件下(1mmHg)で濃縮させた。残 渣 (0.485g)は、50mlの乾燥エーテル中に溶解され、氷冷しながら、3 0mlの脱イオン水が加えられ、氷冷しながら18時間撹拌された。この混合物 に20%塩化ナトリウム溶液10mlが加えられ、分離され、エーテル溶液が2 0%塩化ナトリウム溶液にて洗浄され(3x10ml)、硫酸マグネシウムにて 乾燥され、そして真空条件下(1mmHg)、室温にて濃縮させた。残渣は20 mlのエーテル中に溶解され、5%炭酸水素ナトリウム溶液10mlが加えられ 、室温にて一晩撹拌された。その後分離され、有機溶液は、20%塩化ナトリウ ム溶液5mlにて3回洗浄され、硫酸マグネシウムにて乾燥され、真空条件下( 1mmHg)、室温にて濃縮させた。残渣(0.309g)は、酢酸メチル−酢 酸−水(85:10:5v/v)を溶出溶媒として25gのシリカゲルカラムの クロマトグラフィーにより分離された。得られたフラクションを濃縮させ、残渣 は、10mlのエーテルにて溶解され、5%炭酸水素ナトリウムにて洗浄され( 3x5ml)、20%塩化ナトリウム溶液にて洗浄され(3x5ml)、硫酸マ グネシウムにて乾燥され、真空条件下(1mmHg)、室温にて濃縮させること により、粘性のある油状の純粋な目的化合物が0.141g(36%)得られた 。Rf値、0.43(酢酸メチル−酢酸−水 85:10:5v/v)。 合成例15 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル )−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ [b,d]ピラン−9−メタノール 1−(2水素リン酸塩)2ナトリウム塩 アルゴン条件下、5mlの乾燥エタノール中にデキサナビノール−3’−リン 酸塩0.047g(0.10mmol)を加えた溶液に、0.187M水酸化ナ トリウム1.07ml(0.20mmol)の乾燥エタノール溶液が加えられ、 溶液は真空条件下(1mmHg)、室温にて濃縮させた。残渣はアルゴン条件下 20mlの脱イオン水とともに2時間撹拌された。その後ろ過され、水にて洗浄 され(2x10ml)、澄明な溶液は一晩凍結乾燥され、吸湿性の白色物質であ る純粋な目的化合物が0.032g(63%)得られた。 合成例16 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル )−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ [b,d]ピラン−9−メタノール α−(ジ−t−ブチルリン酸塩) 乾燥ピリジン16ml及び乾燥トリエチルアミン3.49ml(25.0mm ol)の混合液中にデキサナビノール3.22g(8.33mmol)を加えた 撹拌された溶液中に、乾燥ジクロルメタン80ml中にジ−t−ブチルフォスフ ォロクロリデイト5.72g(25.0mmol)を加えた溶液が−40℃にて 加えられ、−15℃にて3日間保存させる。その後、室温にて真空条件下(1m mHg)濃縮させ、残渣はジクロルメタン75ml中に溶解され、5%炭酸水素 ナトリウム溶液にて(1x40ml)、次いで20%塩化ナトリウム溶液にて( 1x40ml)洗浄され、硫酸マグネシウムにて乾燥され、真空条件下(1mm Hg)室温にて濃縮させる。残渣(8.75g)は、ジクロロメタン−メタノー ル(95:5v/v)を溶出溶媒としてシリカゲル(500g)カラムのクロマ トグラフィーにより分離され、淡黄色の粘性のある油状の純粋な目的化合物が3 .41g(71%)得られた。Rf値=0.54(ジクロロメタン−メタノール 95:5v/v)。分析:化学式C3355PO6(分子量578.77)から 計算値:C,68.48;H,9.58%、実測値:C,68.28;H,9. 53%。 合成例17 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル )−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ [b,d]ピラン−9−メタノール α−(2水素リン酸塩) 室温にて40mlの乾燥クロロホルム中にデキサナビノール−7−(ジ−t− ブチルリン酸塩)1.45g(2.5mmol)を加えた溶液中に、トリフルオ ロ酢酸1.93ml(25mmol)が加えられ、40分間撹拌される。20m lのクロロホルムにて希釈され、塩化ナトリウムにて飽和された5%炭酸水素ナ トリウム溶液にて(1x50ml)、次いで20%塩化ナトリウム溶液にて(2 x25ml)洗浄され、硫酸マグネシウムにて乾燥され、真空条件下(1mmH g)、室温にて濃縮される。残渣(1.045g)は、酢酸メチル−酢酸−水( 85:10:5v/v)を溶出溶媒として100gのシリカゲルカラムを用いて 2回クロマトグラフィーにて分離された。得られたフラクションは、真空条件下 (1mmHg)、室温にて濃縮され、25mlのクロロホルムに溶解され、塩化 ナトリウムにて飽和された5%炭酸水素ナトリウム溶液にて(2x25ml)、 次いで20%塩化ナトリウム溶液にて洗浄(1x25ml)され、硫酸マグネシ ウムにて乾燥され、真空条件下(1mmHg)室温にて濃縮され、ガラス状物質 である純粋な目的化合物が0.171g(15%)得られた。 合成例18 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル )−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ [b,d]ピラン−9−メタノール α−(2水素リン酸塩)ビスシクロヘキシルアミン塩 15mlの乾燥メタノール中にデキサナビノール−7−リン酸塩0.971g (2.1mmol)を加えた溶液中に、シクロヘキシルアミン0.48ml(4 .2mmol)が加えられ、5mlまで濃縮させた。この溶液を、0℃にて10 日間保存して結晶化させる。分離された結晶はろ過され、乾燥メタノールにて洗 浄され(4x2ml)、真空条件下(1mmHg)、室温にて乾燥されて、0. 4 67gの塩が得られた。6mlの乾燥1−プロパノールから再結晶され、白色針 状晶の純粋な化合物が0.394g(28%)得られた。融点、176−180 ℃、分析:化学式C376526P(分子量664.91)から計算された値: C,66.84;H,9.85,N;4.21%、実測値:C,66.62;H ,9.84,N;4.17%。 合成例19 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル )−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ [b,d]ピラン−9−メタノール α−(2水素リン酸塩)2ナトリウム塩 2mlの乾燥エタノール中にデキサナビノール−7−リン酸塩0.052g( 0.11mmol)を加えた溶液中に、乾燥エタノール中に溶解させた0.26 8Mの塩化ナトリウム溶液0.83ml(0.22mmol)が室温にて加えら れた(pH7−8)。溶液は真空条件下(1mmHg)、室温にて濃縮させた。 残渣(0.055g)は、40mlの脱イオン水とともに撹拌され、ろ過され、 水にて洗浄(2x20ml)された。得られた水溶液は一晩凍結乾燥され、非常 に吸湿性の白色物質である目的化合物が0.044g(78%)得られた。融点 :200℃以上にて炭化される。 合成例20 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル )−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ [b,d]ピラン−9−メタノール α−(4−モルフォリニル)酢酸塩 デキサナビノール0.194g(0.50mmol)、触媒としてジメチルア ミノピリジン1.2mg、塩酸(4−モルフォリニル)酢酸0.091g(0. 50mmol)及び乾燥ジクロロメタン8mlの混合物中に1,3−ジシクロヘ キシルカルボジイミド0.103g(0.50mmol)が加えられ、室温にて 113時間撹拌された。得られたジシクロヘキシルカルバミドはろ過され、ジク ロロメタンにて3回洗浄され、得られた溶液は5%炭酸水素ナトリウム溶液にて 洗浄され(1x25ml)、硫酸マグネシウムにて乾燥され、真空条件下(1m mHg)、40℃にて濃縮された。残渣(0.319g)は、シクロヘキサン− ジエチルアミン(8:2v/v)を溶出溶媒として30gのシリカゲルカラムを 用いてクロマトグラフィーにて分離され、淡褐色の粘性の物質である純粋な目的 化合物が0.154g(60%)得られた。Rf値=0.44(シクロヘキサン −ジエチルアミン、8:2v/v)。分析:化学式C3147NO5(分子量51 3.72)から計算された値:C,72.48;H,9.22,N;2.73% 、実測値:C,72.51;H,9.25,N;2.92%。 合成例21 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル )−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ [b,d]ピラン−9−メタノール α−[4−(4−モルフォリニル)酪酸] デキサナビノール0.194g(0.50mmol)、触媒としてジメチルア ミノピリジン1.2mg、塩酸(4−モルフォリノ酪酸0.105g(0.50 mmol)及び乾燥ジクロロメタン8mlの混合物中に1,3−ジシクロヘキシ ルカルボジイミド0.103g(0.50mmol)が加えられ、室温にて一晩 撹拌された。得られたジシクロヘキシルカルバミドはろ過されて取り除かれ、ジ クロロメタンにて3回洗浄され、得られた溶液は5%炭酸水素ナトリウム溶液に て洗浄され(1x5ml)、硫酸マグネシウムにて乾燥され、真空条件下(1m mHg)、40℃にて濃縮される。残渣(0.281g)は、シクロヘキサン− ジエチルアミン(8:2v/v)を溶出溶媒として25gのシリカゲルカラムを 用いてクロマトグラフィーにて分離され、淡黄色の非常に粘性のある油状の純粋 な目的化合物が0.221g(82%)得られた。Rf値=0.42(シクロヘ キサン−ジエチルアミン、8:2v/v)。IRの結果(フィルム,n,cm-1 ):3358(n OH基)、2927(nas CH2,3基)、2852(ns CH2,3基)、1736(n C=O結合 脂肪族エステル)、1621(n C=C結合 オレフィン)、1576(フェニル核)、1450(d CH3基 )、1266(nas C−O−C結合)、1185(ns C−O−C結合)、 1118(n C−O結合)、967(g C−H 芳香族)、859(g C −H オレフィン);分析:化学式C3151NO5(分子量541.77)から 計算された値:C,73.16:H,9.49,N;2.59%、実測値:C, 72.92;H,9.53,N;2.62%。 合成例22 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル )−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ [b,d]ピラン−9−メタノール ヨウ化α−[4−メチルモルフォリニウム−4−イル)酪酸] 1mlの乾燥アセトン中にデキサナビノール−7−モルフォリノ酪酸0.09 2g(0.17mmol)を加えた溶液中に、ヨウ化メチル0.053ml(0 .85mmol)が加えられ、室温にて2日間保存された。濃縮後、残渣が乾燥 エーテル(4ml)中に溶解され、ろ過され、暗所にて5日間保存された。分離 した粘性の物質がろ過され、乾燥エーテルにて3回洗浄され、真空条件下(1m mHg)35℃にて乾燥され、ほぼ白色の粘性物質である純粋な目的化合物が0 .043g(37%)得られた。HPLCによる純度が98.5%であった。 合成例23 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル ) −1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ[ b,d]ピラン−9−メタノール α−(4−メチル−1−ピペラジニル)酢酸 デキサナビノール0.194g(0.50mmol)、触媒としてジメチルア ミノピリジン1.2mg、(4−メチル−1−ピペラジニル)酢酸0.079g (0.50mmol)及び乾燥ジクロロメタン8mlの混合物中に1,3−ジシ クロヘキシルカルボジイミド0.103g(0.50mmol)が加えられ、室 温にて113時間撹拌された。得られたジシクロヘキシルカルバミドはろ過され て取り除かれ、ジクロロメタンにて3回洗浄され、得られた溶液は5%炭酸水素 ナトリウム溶液にて洗浄され(1x25ml)、硫酸マグネシウムにて乾燥され 、真空条件下(1mmHg)、40℃にて濃縮された。残渣(0.345g)は 、シクロヘキサン−ジエチルアミン(8:2v/v)を溶出溶媒として30gの シリカゲルカラムを用いてクロマトグラフィーにて分離され、淡黄色の非常に粘 性のある油状の純粋な目的化合物が0.137g(52%)得られた。Rf値= 0.37(シクロヘキサン−ジエチルアミン、8:2v/v)。 合成例24 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル )−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ [b,d]ピラン−9−メタノール α−[(4−メチル−1−ピペラジニル)酢酸]ビス臭化水素 1mlの乾燥ジシクロメタン中にデキサナビノール−7−(N−メチルピペラ ジノ酢酸)0.052g(0.10mmol)を加えた溶液中に、乾燥ジクロロ メタン中の0.40Mの臭化水素溶液0.56ml(0.23mmol)が氷冷 しながら加えられ、溶液は、一度真空条件下(20mmHg)、室温にて、濃縮 させた。残渣(0.067g)に脱イオン水25mlが加えられ、2分間撹拌さ れ(fortexed)、ろ過され、脱イオン水5mlにて洗浄され、得られた水溶液が 一晩凍結乾燥にて乾燥されると、吸湿性の白色物質である純粋な目的化合物が0 .060g(87%)得られた。 合成例25 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル )−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ [b,d]ピラン−9−メタノール α−[4−メチル−1−ピペラジニル)酪酸] デキサナビノール0.194g(0.50mmol)、触媒としてジメチルア ミノピリジン1.2mg、4−(4−メチル−1−ピペラジニル)酪酸ビスヒド ロクロライド0.144g(0.50mmol)及び乾燥ジクロロメタン15m lの混合物中に1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.103g(0.5 0mmol)が加えられ、室温にて65時間撹拌された。得られたジシクロヘキ シルカルバミドはろ過されて取り除かれ、ジクロロメタンにて3回洗浄され、得 られた溶液は5%炭酸水素ナトリウム溶液にて洗浄され(1x25ml)、硫酸 マグネシウムにて乾燥され、真空条件下(1mmHg)、40℃にて濃縮された 。残渣(0.329g)は、シクロヘキサン−ジエチルアミン(8:2v/v) を溶出溶媒として50gのシリカゲルカラムを用いてクロマトグラフィーにて分 離され、淡黄色の非常に粘性のある物質として純粋な目的化合物が0.142g (51%)得られた。Rf値=0.43(シクロヘキサン−ジエチルアミン、8 :2v/v)。IRの結果(フィルム,n,cm-1):3000(非常にブロー ド,n OH基)、2930(n CH2,3基)、1734(n C=O結合 脂肪族エステル)、1620(n C=C結合 オレフィン)、1575(フェ ニル核)、1461(d CH3基)、1371(ジェミナルジメチル基)、1 283及び1186(n C−O−C結合)、1087(n C−O結合,フェ ノール)、968(g C−H 芳香族)、816(g C−H オレフィン) ;分析:化学式C345424(分子量554.82+1%ジクロロメタン+3 %ジ エチルアミン)から計算された値:C,72.78;H,9.90,N;5.4 2%、実測値:C,72.78;H,9.96,N;5.36%。 合成例26 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル )−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ [b,d]ピラン−9−メタノール α−[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)酪酸]ビス臭化水素 1ml中の乾燥ジクロロメタン中にデキサナビノール−7−(N−メチルピペ ラジノ酪酸)0.060g(0.11mmol)を加えた溶液中に、乾燥ジクロ ロメタン中の0.11M臭化水素溶液2.45ml(0.27mmol)が室温 にて加えられた。10分後、真空条件下(1mmHg)室温にて濃縮させ、残渣 に脱イオン水30mlが加えられ、5分間撹拌(fortexed)された。その後ろ過 され、水溶液は一晩凍結乾燥され、吸湿性の白色物質として純粋な目的化合物が 0.071g(90%)得られた。 合成例27 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル )−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ [b,d]ピラン−9−メタノール α−(トリフルオロ酢酸) 60mlの乾燥クロロホルム中にデキサナビノール1.160g(3.0mm ol)を加えた溶液中に、トリフルオロ酢酸2.3ml(30mmol)及びモ レキュラーシーブ(3u,4−8メッシュ)9gが加えられ、室温にて22時間 保存された。ろ過され、乾燥クロロホルム(3x10ml)にて洗浄され、得ら れた溶液は、真空条件下室温にて濃縮させた。残渣は12mlの乾燥n−ペンタ ンにて処理され、微量の不溶物質はろ過されて取り除かれ、乾燥n−ペンタンに て洗浄され(3x1ml)、得られたペンタン溶液が真空条件下(1mmHg) 、室温にて濃縮されると、無色粘性物質として純粋な目的化合物が1.424g (98%)得られた。Rf値=0.71(ベンゼン:イソプロパノール=9:1 );IRの結果(フィルム,n,cm-1):3392(n OH基)、2960 (nas CH3基)、2930(nas CH2基)、2858(ns CH2)、1 785(n C=O結合,α−ハロゲンエステル)、1623(n C=C結合 オレフィン)、1575(フェニル核)、1459(d CH3基)、1168 (n C−O−C結合)、1082(n C−O結合,フェノール)、966( g C−H 芳香族)、837(g C−H オレフィン);分析:化学式C27 3734(分子量482.58)から計算された値:C,67.20;H,7 .73%、測定値:C,67.17;H,7.77%。 合成例28 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル )−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ [b,d]ピラン−9−メタノール 1−[4−(4−モルフォリニル)酪酸] デキサナビノール−7−トリフルオロ酢酸0.241g(0.50mmol) 、触媒としてジメチルアミノピリジン1.2mg、塩酸(4−モルフォリノ酪酸 )0.105g(0.50mmol)及び乾燥ジクロロメタン8mlの混合物中 に1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.103g(0.50mmol) が加えられ、室温にて一晩撹拌された。得られたジシクロヘキシルカルバミドは ろ過されて取り除かれ、ジクロロメタンにて3回洗浄され、得られた溶液は5% 炭酸水素ナトリウム溶液にて洗浄され(1x5ml)、硫酸マグネシウムにて乾 燥され、真空条件下(1mmHg)、40℃にて濃縮される。残渣(0.330 g)は、トルエン−ジエチルアミン(9:1v/v)を溶出溶媒として25gの シリカゲルカラムを用いてクロマトグラフィーにて分離され、淡黄色の非常に粘 性の ある油状の純粋な目的化合物が0.134g(71%)得られた。Rf値=0. 45(トルエン−ジエチルアミン、9:1v/v)。IRの結果(フィルム,n ,cm-1):3408(n OH基)、2929(nas CH2,3基)、2856 (ns CH2,3基)、1757(n C=O結合 フェノールエステル)、16 24(n C=C結合 オレフィン)、1563(フェニル核)、1459(d CH3基)、1370(ジェミナルジメチル基)、1119(n C−O結合 )、864(g C−H オレフィン);分析:化学式C3151NO5(分子量 541.77)から計算された値:C,73.16;H,9.49,N;2.5 9%、実測値:C,72.93;H,9.50,N;2.60%。 合成例29 (6aS−トランス)−6,6−ジメチル−3−(1,1−ジメチルヘプチル )−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−6H−ジベンゾ [b,d]ピラン−9−メタノール 1−[4−(4−メチルモルフォリニウム−4−イル)酪酸]ヨウ化物 1mlの乾燥アセトン中にデキサナビノール−4−モルフォリノ酪酸0.05 9g(0.11mmol)を加えた溶液中に、ヨウ化メチル0.034ml(0 .55mmol)が加えられ、室温にて2日間保存される。濃縮させた後、残渣 は沸騰したn−ヘキサンにて2時間連続的に抽出される。不溶性の部分が真空条 件下(1mmHg)40℃にて乾燥され、淡黄色のガラス状物質である純粋な目 的化合物が0.031g(41%)得られた。純度はHPLCによると96.0 %であった。 合成例30 (6aS−トランス)11チル)−1−ヒドロキシ−6a,7,10,10a −テトラヒドロ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−9−メタノール 1−[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)酪酸] デキサナビノール−7−トリフルオロ酢酸0.407g(0.843mmol )、触媒としてジメチルアミノピリジン2.5mg、4−(4−メチル−1−ピ ペラジニル)酪酸0.172g(0.93mmol)及び乾燥ジクロロメタン2 5mlの混合物中に、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.209g( 1.01mmol)が加えられ、室温にて305時間撹拌された。得られたジシ クロヘキシルカルバミドはろ過されて取り除かれ、ジクロロメタンにて洗浄され (3x1.5ml)、得られた溶液は5%炭酸水素ナトリウム溶液にて洗浄され (1x50ml)、硫酸マグネシウムにて乾燥され、真空条件下(1mmHg) 、40℃にて濃縮された。残渣(0.495g)は、ベンゼン−トリエチルアミ ン(8:2v/v)を溶出溶媒として50gのシリカゲルカラムを用いてクロマ トグラフィーにて分離後、再びベンゼン−イソプロパノール−トリエチルアミン (8:1:1v/v)を溶出溶媒として25gのシリカゲルカラムを用いて分離 すると、淡黄色の粘性の純粋な目的化合物が0.213g(46%)得られた。 分析用のサンプルはさらにシクロヘキサン−ジエチルアミン(8:2v/v)を 溶出溶媒としてシリカゲルカラムを用いてカラムクロマトグラフィーにより分離 され、得られたフラクションは、ジクロロエタン中に溶解され、ろ過され、真空 条件下(1mmHg)40℃にて濃縮された。Rf値=0.26(シクロヘキサ ン−ジエチルアミン、8:2v/v)、Rf値=0.31(ベンゼン−イソプロ パノール−トリエチルアミン、8:1:1v/v)。IRの結果(フィルム,n ,cm-1):3193(n OH基)、2930(n CH2,3基)、1757( n C=O結合 フェノールエステル)、1624(n C=C結合 オレフィ ン)、1566(フェニル核)、1462(d CH3基)、1371(ジェミ ナルジメチル基)、1283(n C−O−C結合)、867(g C−H オ レフィン);分析:化学式C345424(分子量554.82+1%ジクロロ メタン+2%ジエチルアミン)から計算された値:C,72.86;H,9.8 4,N;5.28%、測定値:C,72.74;H,9.87,N;5.20% 。 合成例31 デキサナビノール−7−アセテート 無水クロロホルム(6.0mL)中にデキサナビノール(2.00g、5.2 mmol)を懸濁させた溶液に、無水酢酸(0.48mL,5.0mmol)が 加えられ、得られた混合物はアルゴン条件下、24℃にて、72時間撹拌された 。得られた溶液は、トルエン−酢酸エチル(19:1)を用いてカラムクロマト グラフィー(シリカゲル)にて分離された。デキサナビノール−7−アセテート を含むフラクションが得られ、濃縮させると、粘性のある油状の分析的に純粋な 目的化合物(0.73g,34%)が得られた。分析:計算された値:C,75 .66;H,9.41;測定値:C,75.56;H,9.46。 カラムクロマトグラフィーの第2のフラクションから未反応のデキサナビノー ル(1.30g、65%)が回収された。 生理学的例1 皮質培養中におけるグルタメートレセプター(グルタミン酸受容体)を介して 誘起される毒性に対する神経保護活性 本発明の化合物の神経保護効果は、培養中において種々の刺激毒性にさらされ た神経細胞に対して試験された。試験された化合物には、既にマウスにおいてN MDAアンタゴニスト特性を示したデキサナビノール及び酢酸デキサナビノール が含まれる(アメリカ合衆国特許第5,284,867号及びコハク酸デキサナ ビノール)。 定量的な神経毒性試験 試験薬物は、各種のグルタメートレセプターサブタイプ(変力性及び/もしく は向代謝性のグルタメートレセプターのアゴニスト)、例えばNMDA、AMP A、カイナート及びキスカレートのようなアゴニストの毒性作用から培養中の神 経細胞を保護する能力について試験された。培養条件及びアッセイ条件はすべて エシュハー(Eshhar)らによるニューロレポート(NeuroReport)、237− 240頁、1993年、の記載に従って実施された。要約すると、第1の脳皮質 細胞培養が、日齢18−20日のラットの胎仔から酵素的解離によって調製され た。得られた細胞懸濁液は、全面被覆した皮質グリア細胞フィーダー層(同様の 方法にて2週間前に調製された)上に置かれた。神経細胞は、グルコース、FU DR/ウリジン混合物及びN2補足(インシュリン、プロゲステロン、プトレス シン、セレン及びトランスフェリン)を含むMEM培地において培養された。1 0日間培養された細胞は、種々の毒物に単独で、あるいは試験化合物の存在下に てさらされた。すべての暴露は、37℃にて20−24時間、神経細胞損傷及び 神経保護活性を評価する前に実施された。細胞の生存力は、ABCビオチン−ア ビディン複合体法を用いた神経細胞特異性エノラーゼの細胞免疫染色法に従って 形態学的に決定され、XTTに基づくアッセイを用いて生存細胞におけるミトコ ンドリア活性の程度を測定することによって、定量的に決定された。XTT(2 ,3−ビス[2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルフォフェニル]−2H−テト ラゾリウム−5−カルボキサニリド塩)は、ミトコンドリア脱水素酵素によって 還元され、可溶性の有色のフォルマザンになる。ミトコンドリア活性に比例する 有色の生成物の濃度(O.D.)は、プレートELISA(酵素免疫吸着測定法 )リーダーによって測定された。神経保護活性の程度は、試験された薬物によっ て保護される細胞の%として表わされる。 前脳膜調製 SD(Sprague-Dawley)ラットを断頭後、5分以内にその脳を取り出した。膜 調製は、既に記載されている方法(エシュハーらによる、Brain Res.476 、57頁、1989年)に従って分離された。放射性リガンド結合測定を する前に、10mMトリス塩酸、pH7.2にて4℃で、3〜4回続けて洗浄さ れ、膜中に存在する内因性のグルタメートが調製液から除去された。 放射性リガンド結合試験 膜と[3H]MK−801との結合は、30mMグリシン及び10mML−グ ルタメートの存在下によって行われた。膜(250mg蛋白)がpH7.4の5 0 mMトリス酢酸緩衝液中にて再分散され、室温(RT)にて3時間、[3H]M K−801単独、あるいは0.195−100mM濃度のデキサナビノールの存 在下にて[3H]MK−801とともにインキュベートされた。各種の放射性リ ガンド結合試験に使用される反応緩衝液は、10%のエタノール/エマルフォー (Emulphor)620/脱イオン水混合液を含んでいる。混合液のそれぞれの成分 比(体積比)は、20/3/57である。この混合液は、30mM以上の濃度の デキサナビノールを溶解するために必要とされる。反応量は、1mlである。非 特異的[3H]MK−801結合は、100mMのラベルされていないMK−8 01の存在下にて測定された。膜と[3H]AMPA及び[3H]ビニリデン−カ イニン酸結合は、エシュハーらの記載(1993年、同誌)に従って行われた。 デキサナビノール神経保護活性 1000mMNMDA及び10mMデキサナビノールを同時に細胞培養に投与 することによって、NMDA誘導型毒性から神経細胞が完全に保護された。デキ サナビノールで処理された細胞の形態学的特徴は、未処置の姉妹培養のそれと類 似であった。デキサナビノールは、毒物によって発生する神経細胞体部の膨張及 び樹脂状及び軸索突起の変性の両方を防御していた。NMDA誘導型毒性に対す る10mMデキサナビノールの神経保護活性は、30mMMK−801によって 誘発される活性に匹敵していた。エノラーゼに対する抗体との酵素結合型免疫染 色では、MK−801及びデキサナビノール処理細胞の神経細胞体部及び突起に おいて濃い着色が見られた。着色の強度は、姉妹培養の対照細胞によって発生す る強度と同程度であった。これら形態学的観察は、XTTに基づくアッセイを用 いて損傷及び/あるいは保護の後の細胞中のミトコンドリア活性を測定すること によって決定された。NMDA及びクィスクァレート神経毒性に対する保護に必 要とされるデキサナビノールの用量反応関係が測定された。NMDA誘導型の神 経毒作用は、デキサナビノールによって、濃度に依存して低減した。NMDA介 在型毒性に対する最大神経保護活性の50%値(EC50)は、3.8±0.9 mMデキサナビノール濃度であった(平均±標準偏差、n=3、図1)。100 0クィスクァレートに細胞をさらすことによって発生する神経毒性は、デキサナ ビノールによって低減されるが、その程度ははるかに低いものであった。10m Mデキサナビノールによって保護される細胞のパーセントは、28.2±8%で あった。これに対して、デキサナビノールは、非NMDAアゴニストであるカイ ナートあるいはAMPAによって引き起こされる損傷から神経を保護する作用は 見られなかった。 放射性リガンド結合試験によって分析されるデキサナビノールの作用機序 異なるグルタメートレセプターサブタイプにおけるデキサナビノールの可能な 認識部位の同定は、MK−801、カイニン酸あるいはAMPAのラット前脳膜 との結合を阻害するデキサナビノールの効力を測定することによって行われた。 放射性リガンド結合試験から、デキサナビノールは、膜に対してMK−801の 結合とは競合するが、AMPAあるいはカイニン酸結合を阻害しないことが明ら かにされた。[3H]MK−801結合のデキサナビノールの阻害依存濃度は、 図2に示された。デキサナビノールによって示される阻害定数(KI)値が測定 され、11.0±1.3mMであった。スキャッチャード(Scatchard)分析か ら導き出されるように、デキサナビノールは[3H]MK−801のラット前脳 膜に対する親和性に非常に影響を与えることが明らかにされた。親和性における 顕著な減少(増加したKD値)が、観察された。[3H]MK−801結合のK Dは、40.5±2.5nMであり、デキサナビノールを系に加えた場合は74 .7±2.2nMであった。[3H]MK−801の明らかに計算されたBMAX値 は、それぞれ0.290±0.012及び0.273±0.007pmole/ mg蛋白であった。それぞれのnH値は、1.011±0.027及び1.00 8±0.009であった。これらの値は、デキサナビノールが競合的にMK−8 01の結合に置き替わることを示唆している。 生理学的例2 デキサナビノールによって低減されるラットの皮質培養中におけるニトロプル シッドナトリウムの神経作用 亜酸化窒素(NO)のドナーであるニトロプルシッドナトリウム(SNP)に よって引き起こされる神経細胞壊死を防ぐデキサナビノールの効力は、ラットの 皮質細胞培養液中にて試験された。SNPの神経毒性作用は、化合物から自然に 放出されるNOあるいは、放出される可能性のあるシアン化物に起因している。 NOは、神経毒性の活性成分であり、中枢及び末梢神経系における重要な神経伝 達物質である(ガースワイト(Garthwaite)、TINS、14、60−67頁、 1991年)。NOは、虚血状態における神経障害のメディエーターである可能 性が仮説されており(ノウィキー(Nowicki)ら、J.Pharmacol.、204 、339頁、1991年)また、刺激性の神経伝達物質と結合して刺激毒 性の細胞壊死に至らしめる化学的メディエーターとして提唱されている(ドーソ ン(Dawson)ら、PNAS、88、6368頁、1991年)。いくつかの事例 から、SNPの毒性作用は、単にNOの放出のみに起因していないことが示唆さ れた。イズミ(Izumi)ら(Exp.Neurol.121、14頁、1993 年)によって示されたように、ラットの海馬切片中に発生されろSNP神経毒性 は、MK−801によって低減されなかった。さらに、SNPはNMDAあるい はシアン化物によって発現される細胞損傷とは異なる損傷を引き起こすことが示 唆された。 方法 皮質細胞倍地の調製方法: 例1に記載された前述の手順に従い、倍地を調製し た。 SNPへの細胞暴露と毒性評価: 培養10〜14日の細胞を単独で、または、 10mM デキサナビノール(HPCD調製)または30mM MK−801と 共に、0.5〜10mM SNPに暴露した。神経細胞死を評価する前20〜2 4時間、37℃にて全ての暴露を行った。姉妹培養細胞を同時に賦形剤のみに暴 露し、対照例とした。神経細胞特異エンクラーゼの免疫細胞化学的ローカリゼー ションを行い、細胞死を形態学的に分析し、生理学的例1に記載されたXTTに 基づくアッセイにより定量的に評価した。 結果 SNPによる細胞培養により、神経細胞及び神経膠細胞に大規模な損傷が生じ た。デキサナビノールと濃度5mMまでのSNPにより、細胞を共培養したとこ ろ、細胞死の劇的な減少が観察された。濃度10mMのSNPと併用して細胞に 投与した場合、デキサナビノールは有効ではなかった。細胞中のミトコンドリア 活性を定量的に評価したところ、デキサナビノールは75%の細胞において、5 00mM SNPによる損傷を阻止することが明らかにされた(図3)。細胞を MK−801により共培養した場合には、細胞保護は観察されず、また測定され なかった。結果は、6検体にて行った3つの試験の平均±S.E.M.である。 前述され、かつ例1に記載されるように、試験結果から、デキサナビノールとM K−801とはいずれも非競合的NMDA拮抗薬であり、NMDA結合イオンチ ャンネルに位置する同一のサイトに結合することにより神経細胞を刺激毒性から 保護するが、デキサナビノールは、MK−801によっては示されない神経細胞 保護活性を有することが示される。デキサナビノールは、恐らく2つ以上の作用 機序を通して、種々の薬剤により誘導される損傷から神経細胞を保護することが できることは明白である。デキサナビノールによって示されるより広範な神経保 護活性スペクトルは、明らかに非常に有利である。 生理学的例3 永久限局性虚血(ラットMCAo)に対するデキサナビノールの神経保護効果 中大脳動脈を電気凝結させたラットを用いて、永久限局性虚血モデルにて、デ キサナビノールの神経保護効果を評価した。このモデルでは、原発性損傷は薬理 学的治療処置に反応しない。転帰の改善は、MCAの直近部に含まれ得る二次損 傷の周辺部の縮小という点で予想される。即ち、治療処置が成功すれば、総梗塞 容積は減少するであろう。 手順 動物(体重300〜400gのSDラット)を一晩絶食させ、水を自由に与え た。4%ハロタン、70%亜酸化窒素及び均衡量の酸素(a balance of oxygen )によって麻酔を行い、外科的処置の間、2%ハロタン及び70%亜酸化窒素に よって維持した。硫酸アトロピンを注射した(0.04mg、腹腔内)。動脈血 圧と血液ガスのモニターと薬剤投与とのために、右大腿動脈及び静脈に、PE− ポリエチレンカテーテルを挿入した。次に、ラットの気管内に挿管し、臭化パン クロニウム(初回用量、0.6 mg/kg; 付加用量、0.2 mg/kg 、静脈内)により運動抑制し、人工呼吸器を装着した。動物を定位フレーム(ス トールティング、イリノイ)に固定した。血液ガス(エイビーエル30システム 、ラジオメータ、コペンハーゲン)、血漿グルコース及びラクターゼ(グルコー ス/ラクターゼアナライザーモデル2300スタット、ワイエスアイ、オハイオ )を、虚血が発現している間、デキサナビノールまたは賦形剤の投与の30分前 にモニターした(MCAo後30分、即ち薬剤投与後60分)。生理学的測定値 は正常範囲内であった。 MCA露出、脳温度モニター及びCBFモニター。 右中大脳動脈をタムラらの方法によって露出した(タムラら著、ジェイ.セレ ブ.(J. Cereb.)ブラッドフローメタブ.(Blood Flow Metab.)1巻、p.53〜p.60、1981年刊)。即ち、目と耳との 間の皮膚を縦方向に切開することにより、頭蓋骨円蓋及び頭蓋骨右外側面を暴露 した。頬骨弓は除去した。手術顕微鏡(カール ツァイス、ドイツ)を用いて、 高速ミンドリル(min−drill)(日本本精密機械工業株式会社、日本) により、脳温プローブのためのバーホール(直径1.5mm)を右頭頂皮質の上 部 に形成した。熱による損傷を回避するため、その部位を冷却生理食塩水によって 頻繁に潅水した。大脳皮質(隣接座標、矢状縫合から横4mm、脳の表面から深 さ2mm)に挿入した熱電対プローブ(シーエヌ9000、オメガ)により、脳 温をモニターした。頭部の上方20cmの位置に配置された小型加熱ランプによ り、脳温を35〜36℃の範囲に維持した。レイザードップラーフローメトリー (ピー433−3、ヴァサメディックス)による連続的な脳血流測定を可能にす るため、側頭骨外側面に、別のバーホール(温度測定用バーホールの横2mm、 直径2mm)を形成した。このプローブを潅流モニター(レイザーフロー ビー ピーエム ピー403エイ、ヴァサメディックス)に連結した。このプローブの 位置は、同じSDラットの近位MCA閉塞モデルによる過去の研究(デュヴァー ガー、マッケンジー共著、ジェイ.セレブ.(J.Cereb.)、ブラッドフ ローメタブ.(Blood Flow Metab.)8巻p.449〜p.4 61、1988年刊;シライシ、シャープ、シモン共著、ジェイ.セレブ.(J .Cereb.)、ブラッドフローメタブ.(Blood Flow Meta b.)9巻p.765〜p.773、1989年刊;タイソンら著、アン.ニュ ーロル.(Ann.Neurol.)15巻p.559〜p.567、1984 年刊)に基づき決定した。次に、MCAのクリッピングを可能にするため側頭部 バーホールを後眼窩部に形成し、MCAを被覆している硬膜を切開した。 定常状態モニター、薬剤投与及びMCAo。 これらの外科処置後に、全身血圧及びCBFにハロタンの作用が及ぶことを回 避するため吸気ハロタンを中止した。70%亜酸化窒素及び30%酸素によって 麻酔を維持した。ハロタン中止後30分経過時に、虚血前生理学的数値、CBF 、MAP、及び脈拍の測定を開始した。デキサナビノールまたは賦形剤の投与前 に定常状態基準値を測定し、投与前5分毎に測定した6基準値の平均に基づくパ ーセンテージで脳血流を表した。周囲光線により血流測定が妨害されたため、C BF記録時には30秒間、加熱ランプを消した。この間、脳温は35℃以下には 低下しなかった。CBF及びMAPに対するデキサナビノールの効果を検知する た め、デキサナビノールまたは賦形剤の投与後15分毎に、これらの数値を測定し た。30分間の虚血前データ収集を行った後、デキサナビノール(11mg/m l、20mg/kg、副腔内)または同量の賦形剤を投与した。薬剤投与後30 分経過時に、右MCA近位の部位を電気凝結し切断した。 脳潅流、病理学的試験: 虚血障害発現後3日間、病理学的検査を行うため脳を 潅流固定した。ラットをペントバルビタールによって重度に麻酔し、生理食塩水 (5分)により、続いてFAM(40%ホルムアルデヒド:氷酢酸:メタノール の混合液、容量当たり1:1:8、20分)により圧120mmHgにて経心臓 潅流した。頭部を少なくとも24時間FAMに浸漬し、次に脳を切除して同じ固 定液に7日間保存した。脳を冠状縫合に沿って切開し、パラフィン包埋した。厚 さ10mmの脳切片を200mm間隔で調製し、ヘマトキシリン及びエオシンに て染色した。推計学的研究のため、定義された解剖学的レベル(オズボーンら著 、1987年)にて、10個の冠状縫合切片を選択した。各切片を低倍率(10 x)にて観察し、カメラルシダ顕微鏡アタッチメントにより皮質梗塞をペーパー にトレースした。次に、それぞれの記録図を、コンピュータに接続されたデジタ イジングタブレットに再トレースし、これにより、それぞれの冠状縫合レベルに て梗塞面積を演算した。梗塞容積を、連続的な梗塞面積の数値の集積によって算 出した。 レベル1〜10における定位座標(mm)は、以下の通りである。即ち、両耳 間線より、1=12.13、2=10.05、3=8.92、4=7.19、5 =6.06、6=5.15、7=3.75、8=2.18、9=1.02、10 =−0.48前方である。 結果 生理学的数値が正常範囲に保持されなかった、または管理不能な出血を示した 動物を、解析から除外した。総計29匹のラットを用い、20匹のラットにおい て管理不能な出血を認めることなく処置が続行され、生理学的基準が満たされた 。 病理学的所見により脳梗塞が認められなかったことから、20匹のラットのうち 1匹を除外した。梗塞が存在しないことは、MCAoにおける失敗を意味する。 図4に示すように、デキサナビノール投与群において、2hの神経学的評点と 比較して、MCAo後1d,2d及び3dにおける神経学的評点は有意に改善さ れた。デキサナビノール投与群における改善は、賦形剤投与対照群と比較して有 意に促進された。図5に示す梗塞面積の解析結果は、更に意味深い。レベル4〜 8にて、デキサナビノールを投与されたラットの梗塞容積は有意に減少した。こ の事実は、MCA閉塞による直接的な損傷に相当する部位の外部に生じる周辺部 損傷を有意に減少させる上で、デキサナビノールは有効であるという事実を示唆 している。 生理学的例4 頭部損傷ラットモデルにおける脳水腫に対するデキサナビノールの効果 ラットの頭部外傷(HT)モデルにおいて、デキサナビノールの脳保護効果を 評価した。麻酔ラットに重り落下装置を用いて損傷を誘導し、続いて48時間の 回復期間を設けた。この型の外傷により脳水腫(即ち、水分含有量の増加、脳比 重の低下)、脳血液関門(BBB)の崩壊及び臨床的機能不全が発現する。損傷 後1,24及び48時間経過時に、脳水腫の重症度を測定すると共に、ラットの 臨床的状態を評価した。一連の基準、即ち神経学的重症度評点(NSS)によっ て評価される神経機能不全は、頭部外傷の発現開始時から1時間後に最大値を示 す。NSSはHT開始後、ラットの漸次的な自然回復に伴い徐々に減少する。デ キサナビノールは、HTの前(30分)、直前(0分)またはHTの1時間後及 び2時間後に投与した場合、水腫形成及びBBB崩壊を有意に減少させる。活性 成分を脳に(頚管内)投与した場合と、腹腔に(腹腔内または静脈内)投与した 場合とに関わらず、効果は同様であった。有意な神経保護効果のために必要な用 量は、投与方法に依存し、0.5〜20mg/kgの範囲である。また、NSS 、主に特異的運動機能(例えば、beam-walk and balance)が、デキサナビノー ルの投与によって有意に改善されたことに留意することも重要である。実際、衝 撃を与えた後1時間経過時に投与された1用量のデキサナビノールでさえ、水腫 を効果的に減少させ、HT後48時間に測定された臨床上の転帰を改善させた( ショハミら著、ジェイ.ニューロトラウマ(J.Neurotrauma)10 巻p.109、1993年刊)。 試験手順 モデルは、シャピーラら著、クリト.ケアメド.(Crit.Care me d.)16巻p.258〜p.265、1988年刊に詳細に記載されている。 ラットに重り落下装置による頭部外傷(HT)を与え、生存していたラットを1 週間後に追跡調査した。その期間、ラットには飼料及び水を自由に与え、1ケー ジ当たり2〜3匹ずつ飼育した。任意の所定の時間(15分、1,4,24,4 8時間、4,7日)にラットを屠殺した。その際、ラットの脳を迅速に切除し、 皮質組織を採取して水分含有量、イオン、及び特定の代謝カスケードにおける研 究対象の代謝物を測定した。回復期間中、臨床状態を一連の基準(NSS)によ って評価した。 外傷により、脳組織比重(SG)の有意な減少と、頭部損傷に続く水分含有量 の増加とが誘導された。細胞外(血管原性)または細胞内(細胞毒性)の空隙の いずれかに、多量の水が貯留することから、水腫が発現した。水腫を測定するた めに採用された方法は、ブロモベンゼンとケロシンとの線形勾配カラムに基づき (SGに関して)、水分含有量に関しては乾燥炉にて組織を乾燥させる方法に基 づいた。組織片(それぞれ20mm)をカラムの先端に配置し、標準曲線により 、カラム内の平衡位置からSGを算出した。 動物に抱水クロラール(腹腔内350mg/kg)を投与し、外傷後30分経 過時に4.7テスラのマグネットに配置し、10分間のT2加重スキャン(TR =2.5秒)、TE=55ミリ秒、切片厚さ=1mm,中心から中心までの切片 の離間距離=1.2mm、128x256マトリックス、FOV=5cmを行っ た。外傷後1時間経過時に、ラットに乳剤(N=9)中または適切な賦形剤(N =11)中、5mg/kgのデキサナビノールを静脈内注射により投与した。外 傷後24時間経過時にスキャンを再度行った。脳への初期損傷の度合い(容積) を、左右の半球間の容積差から計算した。24時間後の水腫の容積を、全切片に おける過度に緊張した部位(脳室以外)の面積から計算した。このような部位は スレッショールディング後に観察し、1.2mmで乗算した。初期損傷の変化を 管理するために、初期損傷容積と水腫容積との比率を、それぞれの動物について 計算した。 結果 表2は、2セットの実験の結果を要約したものである。第1セットでは、デキ サナビノールを低用量(1.6mg/kg)で脳室内に直接投与した。第2セッ トでは、20〜30mg/kgで腹腔内投与した。いずれの実験においても、外 傷の誘導後30分または直後にデキサナビノールを投与し、水腫及び臨床上の転 帰におけるその効果を、24時間及び48時間後に評価した。結果は、頭部外傷 (HT)後に発現した水腫の度合いが有意に減少した(p<0.05)ことを示 唆している。外傷を与えたラットにデキサナビノールを投与した結果、脳内に貯 留する水分は約50%減少した。 デキサナビノールの効果を、対照群、即ち非投与ラットにおける水腫を100 %とした水腫形成率によって計算した。即ち、SGの減少率を式:SG(Sha m)−SG(薬剤群)/SG(Sham)−SG(対照群)x100によって計 算した。水分含有量の増加率を式%H2O(薬剤群)−%H2O(Sham)/ %H2O(対照群)−H2O(Sham)x100によって計算した。 表に示す全ての結果は、対照群、即ち外傷を与え賦形剤を投与したラットとは 、統計学的な差が認められる(p<0.05)。 HTの30分前または直後に投与を行い、水腫に対する効果を証明した後、” 治療有効範囲”を調べた。即ち、HTの1,2または3時間後に、25mg/k gのデキサナビノールを腹腔内投与した。水腫に対する効果とBBBの強度と共 に、NSS(及び特異的運動機能)における効果を評価した。図6〜8に、これ らの研究結果を要約して示す。図から明らかなように、デキサナビノールは、損 傷後2時間までの投与にて完全に有効であるが、損傷から3時間後には有効性が 減少する。 水腫のMRI解析。 頭部水腫における結果をMRI(磁気共鳴画像診断法)解 析することにより、水腫の広がりに対するデキサナビノールの効果を、初期損傷 の部位及び大きさに相関して調べることができた。外傷後30分経過時にラット を走査し、30分後にデキサナビノールまたは賦形剤を注射し、外傷後24時間 経過時に再走査を行った。初期損傷の容積を右(無傷)及び左半球の差から計算 し、脳切片の過度に緊張した部位の面積を計測することにより水腫の容積を評価 した。デキサナビノールは初期損傷容積に対する水腫容積の比率を有意に減少さ せ、これにより水腫の広がりが初期損傷の重症度まで緩和されたことが示される 。 実験動物における脳損傷組織の容積は15〜60mLまでの範囲にあった。大 きな病巣(>45mL)を伴う賦形剤投与ラットは生存しなかったことから、初 期損傷容積平均は、デキサナビノール投与動物においてより高値であった(39 mLに対して24mL)。しかしながら、水腫容積は賦形剤投与群においてより 高値を示し(p=0.05)、個々のラットにおける初期損傷に対する水腫の比 率はデキサナビノール投与群にて有意に低かった。即ち、平均±semは賦形剤 では5.95±1.6、デキサナビノールでは1.6±0.55であり、ステュ ーデントのt検定の両側検定によると、p<0.03であった。 結論 重度頭部損傷または脳虚血は高死亡率(50%以上)を示し、機能における転 帰は良好ではない。大規模な臨床研究及び試験によっても、これらの症状に対す る決定的な治療方法は見つかっていない。今日可能な脳損傷治療方法は殆どなく 、頭部外傷後に徐々に進行する生化学的変化は、永久的な神経損傷を進行させる 原因となり得る。本研究の結果は明らかに、本発明の化合物即ちデキサナビノー ルが、ラットの閉鎖性頭部損傷モデルにおいて脳保護特性を有していることを示 している。 生理学的例5 損傷ラットの視神経におけるデキサナビノールの有利な効果 哺乳類の中枢神経系(CNS)への損傷は軸索変性の原因となり、続いて細胞 損失が生じる。損傷された神経における初期変性は、恐らく直接的なダメージに 起因する。損傷直後に神経において生じる生理学的生化学的変化は恐らく、直接 損傷を受けた軸索だけでなく、原発性病巣に含まれなかった軸索における変性に も関与している。従って、無傷の軸索に傷害を及ぼす一次的な生化学的生理学的 変化は、長期的な機能における転帰に重大な影響を及ぼす。 本研究は、本発明の活性成分、特にデキサナビノールにおいて、損傷に誘導さ れる初期の機能不全と、これに続く生理学的症状発現とを減少させる潜在的効果 を評価するために計画された。損傷に誘導される初期の機能不全は、代謝及び長 期的な生理学的症状発現の観点において、非侵襲的にモニターされた。 損傷直後に誘導される変化をモニターすることは、その他の潜在的可能性を有 する任意の薬剤における場合と同様に、二次変性の結果ではなく原因を究明する ために、本発明の活性成分(デキサナビノール)の能力を評価する上での最適な 手段である。これにより、本発明の活性成分(デキサナビノール)またはその他 の試験薬剤により、原発性損傷を逃れた軸索の保護が容易になるか否かがわかる 。これらの研究の全てにおいて、ラット視神経をCNSモデルとして用いた。従 って、研究結果は一般的なCNS外傷、特に視神経について適用することができ る。研究結果は更に、軸索損傷に対する保護を示すものであり、従って、脊髄損 傷についても適用することができる。 方法 体重300〜400gの雄SDラットをペントバルビタールナトリウム(35 mg/kg腹腔内)により麻酔した。必要に応じて、人工呼吸を行うためにカニ ューレを気管内に挿入した。頭部ホルダーによって動物の頭部を所定位置に保持 した状態で、手術用双眼顕微鏡を用いて外側外眼角切開術を行い、角膜に対して 横方向に結膜を切開した。後引眼筋を単離した後、視神経を同定し、鈍切開によ り眼球近傍にて長さ3〜3.5mmを露出した。硬膜は無傷で残存させ、神経を 損傷させないように注意した。光誘導ホルダーの第1の部分を視神経下に挿入し 、神経を穏やかに光誘導管内に挿入した。次に、損傷部位から1mmの位置の視 神経表面に光誘導装置が位置するように、第2の部分を所定の位置に配置した。 表面蛍光光度法屈折判定法: ミトコンドリア内ニコチンアデニンジヌクレオチ ド(NADH)酸化還元状態のモニターは、NADHは酸化した型であるNAD+ とは異なり366nmの光線を照射されたときに蛍光色を呈し、ピーク放射4 50nmの青色光を放射するという事実に基づいている。366nm励起光のソ ースは、強366nmフィルタ[コーニング5860(7−37)プラス978 2(4−96)]を備えた100W空気冷却水銀灯であった。視神経との間にお ける光の伝導を行うため、屈曲性を有するY字状光ファイバ束(光誘導)を用い て、生体内における測定を容易にした。励起光(366nm)は励起ファイバ束 を通 して神経に伝導させた。神経から放射された光線は第2の光ファイバを通して伝 導された後、90:10に分割され、1チャンネル直流蛍光光度計−屈折計に連 結された2つの光電子増倍器を用いて、450nmにおける蛍光(90%)及び 366nmにおける反射光(10%)を測定した。動物間における変動を最小限 にするため、過去の文献(ヨールら著、インベスト.オフタルモル.ヴィス.サ イ.(Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.)30巻p.3 586−3591、1992年刊)に詳細に記載されているように、標準信号校 正手順を記録開始時に行った。試験中の蛍光及び反射光信号における変化を、校 正された信号に関連させて計算した。 反射光の変化は、動脈血圧と神経の容積との変化の次に、血行力学的効果に起 因する組織吸収及び視神経の運動における変化に相関が認められた。蛍光測定値 は補正された蛍光信号を得るために、蛍光(1:1比)から反射光(366nm )を引くことによって、NADH酸化還元状態測定値に関して適切に補正される ことがわかった。 代謝測定: 麻酔された状態の動物を、外科処置後30分間回復させ、次に無酸 素及び高酸素条件に暴露した。無酸素状態は、100%窒素を2分間流入させる ことによって換気した雰囲気中でラットを呼吸させることによって実現し、その 後空気中に戻した。動物が自然に正常呼吸に回復しない場合は、経気管で2度処 置された。動物を100%O2中で6〜10分間呼吸させることによって、高酸 素状態を誘導した。視神経の代謝活性を評価するため、無酸素症及び高酸素症に 対する反射光及び蛍光強度の相対変化を挫傷の前後に測定した。 代謝測定のための試験プロトコール: 校正されたクロスアクション鉗子(デュ デヴァーニら著、レスニューロル.ニューロサイ.(Res Neurol.N eurosci.)2巻p.31〜p.38、1991年刊)を用いて、過去の 文献(デュデヴァーニら著、1991年刊)に記載の方法により、30秒間で1 20gに相当する圧力で、目と光誘導ホルダーとの間にて神経に中等度の挫傷を 加えた。対照群(13匹)において、損傷直後にリン酸緩衝生理食塩水(PB S)を注射した。試験群(6匹)に、デキサナビノール(20mg/kg)を注 射した。損傷前の代謝活性を、全神経にて測定した。 結果 図9に、損傷時のデキサナビノール単回注射(腹腔内、20mg/kg)によ る損傷神経の代謝活性に対する効果を示す。図示するように、損傷に誘導された 代謝活性の低下は、デキサナビノールによって部分的に改善された。損傷後30 分経過時に、既に効果は顕著であった。損傷に誘導された欠損におけるこの改善 は、試験中少なくとも4時間持続した。対応するt検定によると、効果は統計的 に有意であった。 治療有効性が維持される損傷後の経過時間を評価するため、試験を再度行った が、デキサナビノールの投与は損傷後2時間経過時に行った。試験を行った6匹 の動物のうち3匹において、有利な効果を観察することができた。 デキサナビノールに誘導される代謝活性改善は、損傷神経にて発現する症状の 改善の結果であり、最終的にはCa2+の流入と軸索変性を生じさせ得る。総体的 な効果は、患部の近傍にて局所症状によって直接的な傷害を受けない軸索の変性 進行の緩慢化または保護であり得る。 デキサナビノールにより可能な長期的効果を生理学的手段によって評価する。 生理学的測定: 試験準備をアッシアらの方法(1990年刊)に従い行った。 電気生理学的測定を行うために視神経を除去する前に、ラットを70mg/kg ペントバルビタールによって重度に麻酔した。頭骸骨から皮膚を切除し、眼球か ら視神経を単離した。部分断頭術を行い、頭骸骨を骨鉗子によって切開した。大 脳を水平に取り出し、視神経の頭蓋内部分を露出した。キアズマレベルにおける 切開により、神経全長にわたる切除が可能であった。切除された神経を、NaC l 125、KCL 5、KH2PO4 1.2、NaHCO3 26、MgSO4 0.6、CaCl2 24、D−グルコース 11(単位ml)を含み、95 %O2及び5%CO2によって曝気された用時調製冷却クレッブス溶液を入れたバ イ アルに移した。電気活性を少なくとも3〜4時間安定にした同溶液中に神経を保 存した。1時間の回復期間後、神経を37℃にてクレッブス溶液に浸漬した。挫 傷の両側では神経は小さすぎて測定不可能であったことから、挫傷部位に対して 遠位の神経によって、電気生理学的な記録を行った。次に神経末端を、洗浄液に 浸漬された2つの吸引Ag−AgCl電極に連結した。近位電極によって刺激パ ルスを適用し、遠位電極によって活動電位を記録した。電気刺激(2V,50m s)のためにグラスSD9スティミュレータを用いた。信号をメデレックピーエ イ63前置増幅器に送信し、そこからメデレックエムエス37筋電図記録装置と エイエイ7ティ増幅器に送信した。溶液、スティミュレータ及び増幅器は共通の 接地面を有していた。8回の平均物質活動電位(CAPS)における最大増幅を 記録し、ポラロイドカメラで撮影した。残存神経(無傷)を、正常な神経におけ る標準値を測定し、挫傷用鉗子を校正するために用いた。 デキサナビノールの長期的効果。 図10に、電気生理学的に示されたデキサナ ビノールの長期的効果を示す。損傷直後に、デキサナビノールを種々の用量にて 腹腔内注射した。損傷及び薬剤投与後2週間経過時に、吸引電極を用いて電気生 理学的活性を試験管内で記録した。 対照群。 損傷時に賦形剤を投与した動物から、損傷神経を切除した。用量3m g/kgで既に、活動電位は対照動物においてより高値であった。最大生理学的 活性は、7mg/kgにて観察された。20mg/kgでは効果はなかった。 全動物において、損傷されていない対側神経を生理学的測定及び投与のための 対照例として用いた。活動電位曲線(成分は単一または複数)の形状を調べたと ころ、デキサナビノールは伝導速度の速い線維を選択的に保護していることが明 らかになった。 損傷の重症度に関連するデキサナビノールの有利な効果。 前述した試験の全て において、与えた挫傷の重症度は中等度であった。当初、損傷された線維の数が より少なく、原発性損傷を逃れ2次変性を起こしやすい線維の数がより多いと仮 定すると、デキサナビノールの有利な効果はより明白である可能性も考えられた 。 この可能性を調べるために長期試験を再度行った。与えた損傷はより軽度なもの であった。7mg/kgの単回注射によって、神経性能が劇的に改善されること が明らかになった。 VEP反応記録によって評価されるデキサナビノールの長期的効果。 デキサナ ビノールによる線維保護効果の有無と機能保存性とを判定するために、VEP反 応を記録した。これらの全動物は皮質に電極を移植され、損傷神経を有する目に 光を点滅することにより機能の回復を評価した。7匹の対照動物のうちの2匹に おいて陽性VEP反応が検知された(表3)。これに対して、デキサナビノール を投与された損傷神経においては8検体中5検体であった。 これらの試験結果より、本発明の活性成分は、中枢神経系損傷を治療し、結果 的にこれらの損傷による神経学的な転帰を改善させる上で有効であることは明か である。 生理学的例6 可逆性中大脳動脈閉塞におけるデキサナビノールによる神経保護効果 本研究において、SDラットの外頚動脈を介して内頚動脈及び中大脳動脈(M CA)に、血管内ナイロン縫合糸を逆行的に挿入することにより、60分間の一 時的なMCA閉塞を行った。薬剤(オイル中デキサナビノール20mg/kg腹 腔内)または賦形剤を、MCA閉塞の30分前に盲検法に基づき投与した。動物 には以下の生理学的モニターを行った。即ち、周期的な動脈PCO2、PO2及び pH測定、継続的な動脈血圧測定、周期的な血中グルコース測定、及び側頭筋温 モニターである。動物は3日間生存させた。脳をFAMによって潅流固定した。 パラフィン包埋した冠状縫合切片をヘマトキシリン及びエオシンによって染色し た。梗塞面積を11の冠状縫合レベルにて測定した。これらのレベルのそれぞれ において、同側及び対側半球の容積を測定し、後者の測定値から半球における水 腫指数[(同側−対側)(対側)]を計算した。 試験計画 初期の計画は、試験者は薬剤と賦形剤のうちのいずれが投与されているかを知 らされていない無作為試験であり、ほぼ同数の薬剤投与及び賦形剤投与動物を確 保するための試みがなされた。多くの動物が生存不能であり、その殆どが賦形剤 を投与されたラットであったことが明らかになった。従って、本試験のために更 に動物を投入した。統計解析のために最終的に同数のサンプルを確保するため、 薬剤を投与する動物の数を多くした。本試験において調べた動物の最終的な数は 以下の通りである。 結果 生存率: 表4にこれらの結果を示す。これらの結果をフィッシャーの直接確率 検定により解析したところ、HU投与動物にて生存率が改善され、p<0.1の 有意な傾向が示された。 生理学的データ: デキサナビノールまたは賦形剤を投与した生存動物または死 亡動物において、平均動脈血圧または血液ガスにおける重要な差は基本的に認め られなかった。同様に、頭部の温度における差もなかった。これらの自然呼吸を 行う動物において、全群に及び、動脈PCO2が増加していたことに留意された い。 梗塞及び水腫容積: 個々のデータ及び平均データを表5に示す。60分間のM CA閉塞によって、非常に広範な梗塞が生じることは明かであった。しかしなが ら、デキサナビノールにより水腫容積が31%減少し、平均梗塞容積が18%減 少する傾向が示された。 表示したデータから、デキサナビノール投与により動物の生存率が向上し、生 存動物における梗塞容積が中等度の減少を示す有意な傾向が示される。前述のよ うに、全動物が生存していた場合に、死亡する動物における梗塞が生存動物より 大規模であると仮定すると、これらのデータはデキサナビノールが梗塞容積を減 少させる傾向はより強いことを示している可能性がある。即ち、デキサナビノー ルは、非常に大規模な梗塞を伴う動物において生存率を増加させ、同時に梗塞容 積を減少させる。これらの結果により、ヒトの卒中モデルとして考えられる一過 性局所虚血におけるデキサナビノールの治療可能性が示される。 生理学的例7 アレチネズミにおける脳虚血に対する神経保護 本発明の化合物が、両側総頚動脈閉塞を施したアレチネズミにおける神経損傷 を予防する可能性を調べた。 モンゴリアンアレチネズミ(雄)、体重65〜70グラム(タンブルブルック 農場)をエキシジンにより麻酔し、虚血処置を行った。 総頚動脈(CCA)を単離し、3−0絹縫合糸材料をその周囲に巻き付けた。 それぞれの輪部分の両端を結び合わせ、縫合糸材料を気管の近傍に埋め込んだ。 次に、腹側頚部切開部を縫合した。翌日、エーテルにより動物に軽度麻酔を施し て頚部皮膚創傷部を開口し、両総頚動脈を動脈クリップにより10分間閉塞した 。虚血の発現中と、動物が回復する(立ち直り反射を回復する)までの期間とは 、動物を暖かい状態(直腸温36.5〜37.5℃)に保持した。虚血の発現開 始から30分後、動物を再麻酔(エーテル)し、大腿静脈を介して適切な薬剤を 静脈内投与した。 臨床評価。 3〜5時間後、ルドルフィの方法(ルドルフィら著、セレブ.ブ ラッドフローメタブ.(Cereb.Blood Flow Metab.)7 巻p.74、1987年刊)により動物の臨床的徴候を観察した。これを24時 間毎に合計96時間行った。この期間の終了時に、動物を麻酔(エキシジン)し て10%ホルムアルデヒド溶液にて経心臓潅流を行った。 ルドルフィの臨床採点法の変法。 組織病理学的評価。 脳を取り出して1週間保存した。次に、背側海馬の部位 から5mm切片を切除してH&E及びクレシルバイオレットで染色し、以下の方 法に従って評価した。海馬の内側、中央及び外側CA1サブフィールドにおける 生錐体細胞数を、両側の0.4mmにわたってx400の拡大状態で計数した。 試験パラダイムは(n=10):投与を行わなかった動物、賦形剤(SME, 4ml/kg静脈内)を投与した動物;及び試験薬剤(8mg/kg静脈内)を 投与した動物であった。 統計。 神経臨床徴候を、ウィルコクソンの順位和検定により解析した。組織 病理学的な評価を一方向分散分析表を用いて解析した。 結果 行動学的研究: 表7に示すように、賦形剤投与群(平均4.0)と非投与群( 平均8.6)と比較して、デキサナビノール投与群(低評点、平均2.1)の臨 床状態の成績は有意に優れていた。対照群と比較して、デキサナビノール群にお ける重度症状の発現は大幅に少なかった(1匹のみが、重度即ち評点5〜8の症 状を示した)。(非投与群では0匹、賦形剤投与群では1匹であったのに対して )デキサナビノール投与群のうちの5匹は、完全に無徴候であった。 また、死亡率の減少(表8)により、対照群と比較して、デキサナビノール投 与群の動物における強力な虚血(卒中)防御傾向が示される。 組織病理学的評価: 結果(表9)は、虚血起因性CA1海馬変性における異な る投与群間の有意差を示している。非投与群及び賦形剤投与群は、デキサナビノ ール投与群と比較して、大幅に重篤な損傷を受けた。 処置を受けていない対照例と比較して、全ての動物がいくらかの損傷を示した 。しかしながら、デキサナビノール投与を行った動物では、有意に多くの生細胞 が保護された。 以上の表に示すように、賦形剤投与対照例及び非投与対照例と比較して、本発 明の活性成分投与後には有意に優れた臨床成績が認められる。 本発明の活性成分により、モンゴリアンアレチネズミモデルにおける全脳虚血 の神経学的及び組織病理学的な転帰がいずれも改善された。2種類の対照投与法 は類似する成績、即ち重度の神経機能不全及び類似するCA1海馬変性を示した 。 生理学的例8 ラットの4VOモデルにおけるデキサナビノールによる神経保護 4血管閉塞(4VO)ラットは生産が比較的容易で、良好な再現性を示すこと から、脳虚血の動物モデルとして、しばしば用いられている。心停止から蘇生さ れた患者において臨床的に、または動物モデルによる試験において発現する一過 性の、しかしながら重度の全脳または前脳虚血は、いくらかの特殊な高易損性神 経細胞集団における不可逆的な損傷の原因となる。 本試験では、ヒドロキシプロピル−b−シトデキシトリン(HPCD)中のデ キサナビノールにより、ラットの一過性重度前脳虚血に起因する神経損傷が防止 された。4VOモデルは、アレチネズミモデルと比較してより重度の虚血モデル であり、通常、治療に反応しない。このモデルにおけるデキサナビノール及び本 発明の化合物の効果は、神経保護剤としてのこれら化合物の有用性を示している 。 材料及び方法 アニラブ(ハルダ、イスラエル)より供給された雄SDラット(180〜40 0g)を本試験にて用いた。導入にペントタール(アボット、イタリア)を用い 、ハロタン(ICIファーマスーティカルズ、イギリス)により麻酔を行い、7 0%N2と30%O2との混合ガスによって維持した。 2つの試験材料を用いた。即ち、賦形剤投与(4ml/kg)のために45% HPCD水溶液、及びファーモスリミティッド(レホボット、イスラエル)にて 調製された45%HPCD水溶液中デキサナビノール(8mg/kg)であった 。1982年刊のパルシネッリら記載の方法(参照)に従って、動物に4血管閉 塞モデル(4VO)処置を行った。 2段階の処置を行った。 (1) 第1日目に椎骨動脈を閉塞した。頭蓋後頭骨後部の脊髄上部において、 中央皮膚切開を行った。C1椎骨が単離されるまで、筋を離開した。翼状孔の位 置を確認し、翼状孔を介して椎骨動脈を閉塞した。筋及び皮膚を2層にて閉鎖し た。同日、中央頚部正中線切開術により、総頚動脈(CCA)を単離した。緩い 縫合糸材料をその周囲に巻き付け、皮膚を閉鎖した。 (2) 第2日目、CCAを閉塞した。動物に軽度の麻酔を施し(エーテル)、 皮膚を開放し、動脈クリップを用いてCCAを20分間閉塞した。 試験における2つの段階の間、動物を一晩絶食させた(水は与えた)。 立ち直り反射の損失は、ラットの4VOモデルにおいて、重度の前脳虚血を確 認するための主たる基準である。従って、この徴候を示さない動物は、試験から 除外した。CCA閉塞を行った日、動物を無作為に投与群に割り付けた。 CCA閉塞開始の15分前、材料を静脈内投与した。用量8mg/kgのデキ サナビノール、または同容量の賦形剤(HPCD)(4ml/kg)を投与した 。 4つの「投与」群を用いた。 (a) 疑似動物にて総頚動脈は閉塞せず、両椎骨動脈を閉塞した。 (b) 対照非投与動物−両椎骨及び総頚動脈を閉塞した。 (c) HPCD(賦形剤)投与対照例−両椎骨及び総頚動脈を閉塞し、CC A閉塞の15分前に、動物にHPCDを投与した。 (d) デキサナビノール(HPCD中)−両椎骨及び総頚動脈を閉塞し、C CA閉塞の15分前に、動物にHU−211を投与した。 体温(直腸温)を37〜38℃に維持した。以下の期間、動物の臨床徴候をモ ニターした。 (i) 椎骨動脈閉塞前 (ii) CCA閉塞前 (iii) CCA閉塞の5時間後 (iv) CCA閉塞の24時間後 (v) CCA閉塞の48時間後 (vi) CCA閉塞の72時間後 結果 賦形剤の単独投与では、対照(虚血未治療)群との差は示されなかった。デキ サナビノール投与群は虚血未治療群または賦形剤単独投与群と比較して、有意に 優れた成績を示し、当初の外科的な損傷から72時間経過するまで、疑似処置動 物群との差はなかった。損傷から48時間後、デキサナビノール投与群は既に疑 似処置群との有意な差を示さなかった。これらの試験を、1群当たり17匹の動 物において行った。表示したデータは、総合的な神経学的評点改善率(即ち、正 常を示す評点16と試験時の評点との差)を表す。測定を行った各時間間隔毎の ダンカンの多重範囲検定では、疑似群とHU群との差は減少し、最終的に72時 間後に0に達した。従って、デキサナビノールと本発明の化合物は、神経外傷を 羅患した患者において、虚血後の事象を管理する上で有用であり得る。このモデ ルは、心停止に伴う全脳虚血に特に適している。 生理学的例9 デキサナビノール類似体による抗低酸素症効果 低圧雰囲気(200mmHg)にマウスを暴露すると、健常な未処置動物は数 分以内に死亡する。このようなより一般的なモデルにおいて動物の生存期間を延 長するものとしては、MK−801だけでなくジアゼパム及びペントバルビター ルが知られている。デキサナビノールは、2及び5mg/kgという低用量の腹 腔内投与(MCTオイル中)で、生存時間を有意に延長させた。デキサナビノー ルの還元立体特異類似体であるHU−251(デヴァンら著、ジェイ.エクスプ .メド.(J. Exp. Med.)p.2065〜p.2069、1992 年刊)は、同系−211と同様の効果を示した。 リン酸デキサナビノール、コハク酸デキサナビノールを含む全ての新規な化合 物の神経保護効果をスクリーニングするための試験システムとして、低圧無酸素 症を用いた。試験パラダイムを、ゴッチら記載のもの(ゴッチ、デポオルテール 共著、コングレシルク.セレブラール.(Congres Circ. Cer ebrale.)、トゥールーズ、p.105〜p.107、1979年刊)か ら採用した。即ち、雰囲気圧200mmHgに平衡させた(真空ポンプを用いて )チャンバに、5匹からなる群に割り付けたマウスを配置した。呼吸停止までマ ウスを観察し、その所要時間を記録した。動物をチャンバに導入する45分前に 、試験物質を投与した。全例において、観察者の偏りを回避するため、賦形剤隠 蔽対照試験にて試験を行った。各マウスに、MCTオイルまたは適切な緩衝水溶 液に溶解した用量5mg/kgの試験物質または単独の賦形剤を腹腔内投与した 。結果は明らかに、本発明の化合物を前投与された動物における生存時間が、統 計的に有意に延長されることを示している(表11)。 各群には1つの試験物質について少なくとも5匹の動物が含まれた。いずれの 賦形剤にも、生存時間について有意な効果は認められなかった。 以上、本発明を例示するために種々の例を用いて説明したが、これらの具体的 な例は限定的なものと考えられるべきではない。本願出願人の開示に基づき、本 願特許請求の範囲に記載された発明の精神及び範囲を逸脱することなく、当業者 によりその他の実施がなされることも可能である。 生理学的例9 デキサナビノールエステル類の安定性 水(pH5.6〜5.7)及び血漿(ラット、イヌ、ヒト)を、安定性試験の ための媒体として用いた。 試料の調製及び培養の条件。 濃度2.0〜7.3mg/mLになるまで、水ま たは10%(容量/容量)エタノール:水に物質を溶解し、その結果得られた溶 液の20mLを、最終濃度200〜730mg/mLになるまで、180mLの 水または用時採取した血漿に添加した。混合液を37℃にて1時間または24時 間培養した。次に試料をアセトニトリル添加(3容量)により抽出し、続いて撹 はんして直ちに遠心分離した(エペンドーフ遠心分離器)。有機(上部)相のア リコートを、HPLCによって分析した。試料を溶解した直後にアセトニトリル により溶液を抽出することによって、ゼロ時間測定を行った。試験を行ったエス テル類の加水分解によって得られるデキサナビノールの量(mg及び%として) を、校正曲線によって測定した。3回の実験における平均値を報告した。 分析方法。 デキサナビノールの定量分析に、高速液体クロマトグラフィー(H PLC)を用いた。HPLCは、コントロン410溶媒供給システム、コントロ ン430紫外線検出器(可変波長:232nmにてチャンネル1、283nmに てチャンネル2)、コントロン450データシステムから構成された。カラムは エコノスフィアシー18(100mm x 4.6 mm 3mm(オールテッ ク)、カラムガード(オールテック)装着)であった。移動相は、アセトニトリ ル:pH3リン酸緩衝水溶液(KH2PO4−H3PO4、0.01M)、60:4 0であった。流速0.7〜1.5mL/分。2つの波長(230及び280nm ) にて対照して、検出及び定量を行った。デキサナビノールの保持時間は、3.5 〜4.5分であった。 アッセイ検定。 アッセイ検定における主たる観点は、生物学的な流体の抽出に より線形性が影響を受けていないこと、及び回収が高率で再現可能であることを 評価することにあった。校正コースの全範囲において、既知の量のデキサナビノ ール(1)(10mLのアセトニトリル溶液)を血漿に注射する内標準試験を行 った。次に血漿を前述の方法に従い抽出した。水及び種々の血漿について、校正 曲線を描いた。血漿において100%の回収率が得られた。 安定性: 水及び血漿(ラット、イヌ、ヒト)中のエステル類の安定性を測定し た。加水分解によって得られたデキサナビノールを、ゼロ時間、及び適切なマト リックスにおける37℃での培養1時間及び24時間後に、HPLCによって定 量分析した。結果を表12に要約して示す。合成例3,7及び8の化合物は水溶 性である(少なくとも2〜7mg/mL)が、合成例5の化合物と、その塩酸塩 は10%(容量/容量)エタノール水溶液に溶解する。これらの結果から、グリ シン酸塩(合成例3)は、試験を行った全ての媒体にて比較的安定であることを 示している。ヒト血漿では、1時間後には1%未満、24時間後には約22%の デキサナビノールが遊離した。ジアルキルグリシン酸塩(合成例5のN,N−ジ メチル、合成例6のN,N−ジエチル)は、あらゆる媒体中のグリシン酸塩より 更に安定であり、最も安定な生成物は、水中で加水分解されずヒト血漿中で僅か に加水分解されるN,N−ジエチルグリシン酸塩である。合成例7及び8の4級 窒素含有化合物(それぞれ、臭酸トリメチルアンモニウムアセチル及び臭酸トリ エチルアンモニウムアセチル)について、異なるプロフィールが観察された。両 化合物は水中で十分に安定である(24時間で6〜7%加水分解)が、ヒトを含 む種々のソースから採取された血漿中にて容易に加水分解された。特に注目され ろのは、ヒト血漿中にて迅速に加水分解される(1時間後及び24時間後に、そ れぞれ92%及び100%)合成例7の化合物である。同量のデキサナビノール (〜68%)が培養の1時間及び24時間後に回収されることから、トリエチル アンモニウム同族体もまた、1時間後には完全に加水分解されるように見える。 生理学的例11 デキサナビノールエステル類の活性 プロドラッグとは、生体内での加水分解後に親物質を遊離すべく活性化される 不活性化合物として定義される。しかしながら、前述の考慮事項に基づき、合成 例3〜8の水性エステル類が固有の活性を有しているか否かを判定することは興 味深いことであった。 これらの化合物の活性及び毒性を測定するために各種のアッセイを行った。即 ち、a)アゴニスト置換によって測定されるNMDAレセプター結合、b)NM DAに誘導される毒性に対する試験管内での神経細胞保護、及びc)神経細胞毒 性の可能性である。生理学的例1に示すようにデキサナビノールは、2つの非競 合NMDA拮抗剤[3H]−TCP及び[3H]−MK−801が、活性化され た状態のNMDAレセプターチャンネルに結合すること、及びトリチウムを含有 するMK−801がラット前脳膜に結合することを抑制する。また、神経膠細胞 のフィーダ層の上部にて生長させたラット胎仔脳皮質神経培養細胞を、NMDA (100〜1000mM)により培養したところ、24時間以内に50〜60% の細胞死が観察された。濃度1〜10mMのデキサナビノールをNMDAに暴露 した神経細胞と共培養したところ、細胞死は用量に依存して減少し、または完全 に防止された。この効果は外見的にも規模においても、古典的な非競合NMDA 拮抗剤MK−801の効果に類似していた。同時に、これらのアッセイでは、デ キサナビノールは宿主細胞に対して毒性を示さないことがわかった。 合成例3〜8の水溶性デキサナビノールエステル類にて、これらの試験を行っ た。このシステムの構成から判断して、レセプター結合試験の間は加水分解は生 じないことが期待された。アッセイbまたはcではより長い培養時間が要求され ることから、試験中にエステルがある程度加水分解されることが予想された。し かしながら、倍地中にはデキサナビノールは検出されなかった。結果を表13に 示す。 これらのデータによると、7−ジエチルアミノアセチルデキサナビノールを除 く全化合物が、比較的良好なNMDAレセプター結合特性を有し、IC50はデキ サナビノールでは5mMであるのに対し6.8〜20mMである。[3H]MK −80]のNMDAレセプターへの結合抑制率は、濃度100mMの1で、80 〜90%であった。合成例7及び8の4級アンモニウム型誘導体は、NMDAに 媒介される細胞死に対する防御に関して最も有効であり、かつ細胞毒性を有さな い(EC50、10mM濃度において2〜5mM100%防御)。合成例5及び6 の化合物は、NMDA毒性に対して防御しないことがわかった。更に、後者は3 回の試験のうち2回において、神経細胞毒性を示した。合成例5の化合物は、試 験を行った誘導体のうち最も強力な[3H]MK−801結合抑制剤(IC501 5〜20mM)であるにも関わらず、NMDA毒性に対する保護作用はない(1 0mM濃度にて18%の保護)という点が興味深い。しかしながら、同化合物は 、それ自体は毒性ではない(10mMにて神経細胞死0%)。 7−ブロモアセチルデキサナビノールを試験したところNMDA毒性に対して 保護作用がある(100%防御)ことがわかった。また、MK−801の結合を 抑制した(IC5013〜15mM、抑制率83%)が、いくらかの試験では有意 な細胞死亡率を示した。 要約すると本試験の結果は、試験を行ったグリシン酸エステルの中で、2つの 4級アンモニウム型誘導体、酢酸トリメチルアンモニウム及び酢酸トリエチルア ンモニウムが、最も有望であることを示している。両誘導体はヒト血漿に容易に 溶解し、水中で比較的溶解し易く安定である。また、2つの化合物は良好なレセ プター結合特性を有し、NMDAに誘導される毒性に対する保護作用を示し、神 経毒性を示さない。重要なことは、合成例7または8の化合物のような誘導体は 迅速に親物質を遊離するプロドラッグとして用いられることを標的としているこ とから、これらの化合物の活性及び毒性の特性は重要ではないという点である。 しかしながら、QSARの観点から、これらのデータは興味深い。合成例3,5 及び6の化合物はヒト血漿中で過度に安定であるためプロドラッグとして用いる ことができす、これらの活性−毒性プロフィールはデキサナビノールと比較する と改善されていない一方で、合成例7及び8のエステルは有望なプロドラッグ候 補である。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年2月8日 【補正内容】 請求の範囲 1.(3S,4S)配置を有し、かつ(3R,4R)鏡像異性体を実質的に含 まない一般式(I)の化合物であって、 A……Bは1(2)または6(1)の任意の二重結合を示し、 Rは (a)−Q、(ここでQは不安定な水素原子を有するヘテロ環状成分であって、 その成分がカルボキシル酸類似体として作用する。) (b)−R3X、ここでR3はC1−C5アルキルであり、Xは (a’)ハロゲン (a’’)−OR’、ここでR’はC1−C5アルキル、 (a’’’)−OC(O)R’’’、ここでR’’’は水素又はC1− C5アルキル、 (a’’’’)−OC(O)−R4Y、(ここでR4は線形または分岐し たアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリル、アリルアルキル、アルキル アリルまたはヘテロサイクリルのラジカル、または、前記ラジカルのモノ−、ま たはポリヒドロキシ化またはハロゲン化誘導体であり、Yは−OH,−C(O) O-+,−SO3 -+,または−OPO3 2-(B+2であり、(ここで、B+はア ルカリ金属またはアンモニアのカチオンまたは有機アンモニウムカチオンである 。))、−N(R’’’)2AH、−N(R’’’)3 +-,または からなるグループから選択された環状窒素ラジカル、(ここでR’’’は上記の ように定義されたものであり、DはCH2,OまたはNR’’’であり、(B+2 はアルカリ土類金属カチオンであり、Aは製薬的に受け入れ可能な無機または 有機アニオンである。) (b’)−OC(O)O−R4Y(ここでR4及びYは上記のように定義 されたものである。) (c’)−OC(O)NH−R4Y(ここでR4及びYは上記のように定 義されたものである。) (d’)−OC(O)−R4ZR4Y(ここでR4及びYは上記のように 定義されたものであり、ZはO,S,SO,SO2またはNHである。) (e’)−C(NH2 +)−R4-(ここでR4及びAは上記のように定 義されたものである。) (f’)−OPO3 2-(B+2(ここでB+は上記のように定義されたも のである。)または (g’)−OHであり、 (c)−R3N(R’’)2(ここでR3は上記のように定義されたものであり、 各R’’は同一または異なっていてもよいが、水素、C1−C5アルキルであっ て、末端に−OR’’’または−OC(O)R’’’成分を任意に含むことがで き、ここで、R’’’は上記のように定義されたものである。) (d)−R5(ここでR5はC2−C5のアルキルである。)または、A……Bが 存在しないとき、 (e)−R3OR’’’(ここでR3及びR’’’は上記のように定義されたもの である。)であり、 Gは (a)ハロゲン、 (b)C1−C5のアルキル、または (c)−OR’’(ここでR’’は先に定義したものである。) (d)−OC(O)R’’’(こどでR’’’は先に定義したものである。) または、 (e)−OR3X(ここでR3及びXは上記のように定義されたものであり、Gの 定義の中でのXは、Rの定義の中でのXが−OHである時には−OHでなくても よい。)であり、 R2は (a)C1−C12のアルキル、 (b)−OR’’’’、(ここでR’’’’は直鎖または分岐したC2−C9ア ルキルであり、その末端の炭素原子をフェニル基で置換可能である)、または (c)−(CH2nOR’’’(ここでnは1から7の整数であり、R’’’は 上記のように定義されたものである)、ただし、RがCH2OHであるとき、G は−OHではなく、及び 前記化合物の製薬的に受け入れ可能な塩または4級アンモニウム誘導体。 2.(3S,4S)配置を有し、かつ(3R,4R)鏡像異性体を実質的に含 まない一般式(I)で示す請求項1の化合物であって、 A……Bは1(2)または6(1)の任意の二重結合を示し、 Rは (a)−Q、(ここでQは不安定な水素原子を有するヘテロ環状成分であって、 その成分がカルボキシル酸類似体として作用する。) (b)−R3X(ここでR3はC1−C5のアルキルであり、Xはハロゲンである )、−OR’(R’はC1−C5のアルキル)、または−OC(O)R’’’( R’’’は水素またはC1−C5のアルキル)、 (c)−R3N(R’’)2(ここでR3は上記のように定義されたものであり、 各R’’は同一または異なっていてもよいが、水素またはC1−C5アルキルで あって、末端に−OR’’’または−OC(O)R’’’成分を任意に含むこと ができ、ここで、R’’’は上記のように定義されたものである。) (d)−R5(ここでR5はC2−C5のアルキルである。)または、A……Bが 存在しないとき、 (e)−R3OR’’’(ここでR3及びR’’’は上記のように定義されたもの である。)であり、 Gは (a)ハロゲン、 (b)C1−C5のアルキル、 (c)−OR’’(ここでR’’は先に定義したものであり、Rの定義の中のX が−OHのときには、Gの定義の中のR’’は、−OHではない)、または (d)−OC(O)R’’’(ここでR’’’は先に定義したものである)、及 び R2は (a)C1−C12のアルキル、 (b)−OR’’’’、(ここでR’’’’は直鎖または分岐したC2−C9ア ルキルであり、その末端の炭素原子をフェニル基で置換可能である)、または (c)−(CH2nOR’’’(ここでnは1から7の整数であり、R’’’は 上記のように定義されたものである)及び 前記化合物の製薬的に受け入れ可能な塩または4級アンモニウム誘導体。 3.請求項2に記載の化合物において、Gはヒドロキシであり、R2は1,1 −ジメチルヘプチル、または1,2−ジメチルヘプチルである。 4.請求項2に記載の化合物において、QはC,N,S,またはOの4乃至8 屓の飽和または不飽和環であり、−COR’’または−C(O)OR’’’成分 により任意に置換されており、R’’’は先に定義されたものである。 5.請求項4に記載の化合物において、Qはテトラゾル−5−イルである。 6.請求項2に記載の化合物においてR2は−OR’’’’である。 7.請求項2に記載の化合物において、R2は−(CH2nOR’’’である 。 8.請求項2に記載の化合物において、A……Bは6(1)二重結合であり、 RはR3OR’であり、Gは−OHである。 9.請求項2に記載の化合物において、RはR5であり、Gは−OHである。 10.請求項2に記載の化合物において、Rは−R3Xである。 11.請求項2に記載の化合物において、Rは−R3N(R’’)2である。 12.請求項2に記載の化合物において、RはR5である。 13.請求項2に記載の化合物において、Gは−OR’’である。 14.請求項2に記載の化合物において、A……Bは存在せず、Gは−OH及 びR2は1,1−ジメチルヘプチルである。 15.(3S,4S)配置を有し、かつ(3R,4R)鏡像異性体を実質的に 含まない一般式(I)の化合物であって、 A……Bは1(2)または6(1)の任意の二重結合を示し、 Rは −R3X、ここでR3はC1−C5アルキルであり、Xは (a)−OC(O)−R4Y、(ここでR4は線形または分岐したアルキ ル、アルケニル、シクロアルキル、アリル、アリルアルキル、アルキルアリルま たはヘテロサイクリルのラジカル、または、前記ラジカルのモノ−、またはポリ ヒドロキシ化またはハロゲン化誘導体であり、Yは−H,−OH,−C(O)O -B+,−SO3 -+,または−OPO3 2-(B+2であり、(ここで、B+はアル カリ金属またはアンモニアのカチオンまたは有機アンモニウムカチオンである。 ))−N(R’’’)2AH,−N(R’’’)3 +-,または からなるグループから選択された環状窒素ラジカル、(ここでR’’’は水素ま たはC1−C5のアルキル、DはCH2,OまたはNR’’’であり、(B+2 はアルカリ土類金属カチオンであり、Aは製薬的に受け入れ可能な無機または有 機アニオンである。) (b)−OC(O)O−R4Y(ここでR4及びYは上記のように定義さ れたものである。) (c)−OC(O)NH−R4Y(ここでR4及びYは上記のように定義 されたものである。) (d)−OC(O)−R4ZR4Y(ここでR4及びYは上記のように定 義されたものであり、ZはO,S,SO,SO2またはNHである。) (e)−C(NH2 +)−R4A-(ここでR4及びAは上記のように定義 されたものである。) (f)−OPO3 2-(B+2(ここでB+は上記のように定義されたもの である。)または (g)−OHであり、 Gは (a)ハロゲン、 (b)C1−C5のアルキル、または (c)−OR’’(ここでR’’は先に定義されたものである。) (d)−OC(O)R’’’(ここでR’’’は先に定義されたものである。) (e)X、または (f)−OR3X(ここでR3及びXは上記のように定義されたものであり、Gの 定義の中でのXは、Rの定義の中でのXが−OHである時には−OHでなくても よい。)であり、 R2は (a)C1−C12のアルキル、 (b)−OR’’’’、(ここでR’’’’は直鎖または分岐したC2−C9ア ルキルであり、その末端の炭素原子をフエニル基で置換可能である)、または (c)−(CH2nOR’’’(ここでnは1から7の整数であり、R’’’は 上記のように定義されたものである)、ただし、RがCH2OHであるときには Gは−OHではなく、及び 前記化合物の製薬的に受け入れ可能な塩または4級アンモニウム誘導体。 16.請求項15に記載の化合物において、Gはヒドロキシ、R2は1,1− ジメチルヘプチルまたは1,2−ジメチルヘプチルである。 17.請求項15に記載の化合物において、X及びGの一方は、 −OC(O)CH2NH2.HCl、 −OC(O)CH2N(CH32.HCl、 −OC(O)CH2N(C252.HCl、 −OC(O)CH2N(CH33 +Br-、 −OC(O)CH2N(C253 +Br-、 モルフォリノアセチルオキシ(臭酸塩) ヨウ化メチルで4級化されたモルフォリノアセチルオキシ、 ω−モルフォリノブチロイルオキシ(臭酸塩)、 ヨウ化メチルで4級化されたω−モルフォリノブチロイルオキシ、 N−メチルピペラジノアセチルオキシ(二臭酸塩)、 ヨウ化メチルで4級化されたN−メチルピペラジノアセチルオキシ、 ω−(N−メチルピペラジノ)ブチロイルオキシ(二臭酸塩)、 ニコチノイルオキシ(塩酸塩)、 メチルクロレートで4級化されたニコチノイルオキシ、 サクシノイルオキシ(モノアンモニウム塩)、 マレオイルオキシ(モノアンモニウム塩)、 フタロイルオキシ(モノアンモニウム塩)、 2−キノリノイルオキシ(モノアンモニウム塩)、 アセチルオキシ、ブロモアセチルオキシ、トリフルオロアセチルオキシ、または ジソジウムフォスフォロイルオキシである。 18.請求項15に記載の化合物において、R2は 1,1−ジメチルヘプチル、Gは−OH及び Rは−CH2OC(O)CH2NH2.HCl、 −CH2OC(O)CH2N(CH32.HCl、 −CH2OC(O)CH2N(C252.HCl、 −CH2OC(O)CH2N(CH33 +Br-、 −CH2OC(O)CH2N(C253 +Br-、 モルフォリノアセチルオキシメチレン(臭酸塩)、 ヨウ化メチルで4級化されたモルフォリノアセチルオキシメチレン、 ω−モルフォリノブチロイルオキシメチレン(臭酸塩) ヨウ化メチルで4級化されたω−モルフォリノブチロイルオキシメチレン、 N−メチルピペラジノ−アセエチルオキシメチレン(二臭酸塩)、 ヨウ化メチルで2箇所4級化されたN−メチルピペラジノ−アセチルオキシメチ レン、 ω−(N−メチルピペラジノ)ブチロイルオキシメチレン(二臭酸塩)、 ニコチノイルオキシメチレン(塩酸塩)、 メチルクロレートで4級化されたニコチノイルオキシメチレン、 サクシノイルオキシメチレン(モノアンモニウム塩)、 マレオイルオキシメチレン(モノアンモニウム塩)、 フタロイルオキシメチレン(モノアンモニウム塩) 2−キノリノイルオキシメチレン(モノアンモニウム塩)、 アセチルオキシメチレン、 ブロモアセチルオキシメチレン、 トリフルオロアセチルオキシメチレン、または ジソジウム フォスフォロイルオキシメチレン。 19.請求項15に記載の化合物において、R2は1,1−ジメチルヘプチル 、Rは−CH2OH、及びGはω−モルフォリノブチロイルオキシ(臭酸塩)、 N−メチルピペラジノアセチルオキシ(二臭酸塩)、ヨウ化メチルで2箇所4級 化されたN−メチルピペラジノアセチルオキシ、またはジソシウム フォスフォ リルオキシである。 20.請求項15に記載の化合物において、A……Bは6(1)二重結合、R はR3Xであり、ここで、R3は上記のように定義されたものであり、Xは(a) にて定義されたものであり、Gは−OHである。 21.請求項20に記載の化合物において、Xはアセチルオキシ、トリフルオ ロアセチルオキシ、グリシルオキシ、4−(4−モルフォリニル)−ブチロイル オキシ、4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−ブチロイルオキシ、サクシノ イルオキシ、マレノイルオキシ、フタロイルオキシ、または3−カルボキシ−2 −ピリジンカルボニルオキシ、及びそれらの製薬的に受け入れ可能な塩並びに4 級アンモニウム誘導体。 22.請求項1,2又は15のいずれかに記載の化合物からなる製薬組成物の 治療上の有効な量を患者に投与することによって中枢神経系に対する傷害を治療 する方法。 23.請求項22に記載の方法において、A……Bは1(2)または6(1) の二重結合を示し、Rは1−3個の炭素原子を有する低級アルキルまたはCH2 OHであり、Gはヒドロキシまたはアシロキシ基であり、R2は(a)線形また は分岐したC6−C12アルキルラジカルまたは(b)グループOR3である( ここで、R3は線形または分岐したC5−C9アルキルラジカルであって、末端 炭素原子をフェニル基で任意に置換したものである。)。 24.請求項22に記載の方法において、前記化合物は刺激毒性のアミノ酸に 媒介される神経毒性から保護するように投与される。 25.請求項22の方法は、前記化合物を、水腫による神経壊死、脳虚血によ る神経壊死、頭部外傷による神経壊死、中枢神経系の中毒、心停止、卒中、視神 経傷害または脊髄損傷に関連する症状を示す患者に投与することを含む。 26.請求項22の方法は、前記化合物を、てんかん、ハンチングトン病、パ ーキンソン病、またはアルツハイマー病に関連する症状を示す患者に投与するこ とを含む。 27.患者のN−メチル−D−アスパテイト(NMDA)レセプタをブロック する方法であって、その方法は、前記レセプタを立体特異的にブロックするよう に演算して、請求項1,2または15のいずれかに記載の化合物の治療上の有効 量を前記患者に投与することを含む。 28.請求項27に記載の方法において、A……Bは1(2)または6(1) の二重結合を示し、RはCH2OHであり、Gはヒドロキシまたはアシロキシ基 であり、R2は(A)線形または分岐したC6−C12アルキルラジカル、(B )グループ−O−R3である (ここで、R3は線形または分岐したC5−C9ア ルキルラジカルであって、末端炭素原子をフェニル基で任意に置換したものであ る。)。 29.請求項27の方法において、前記化合物はN−メチル−D−アスパテイ ト(NMDA)レセプタを媒介とした神経毒性から保護するように投与される。 30.請求項27の方法は、前記化合物を、水腫による神経壊死、脳虚血によ る神経壊死、頭部外傷による神経壊死、中枢神経系の中毒、心停止、または卒中 に関連する症状を示す患者に投与することを含む。 31.請求項27の方法は、前記化合物を、てんかん、ハンチングトン病、パ ーキンソン病、またはアルツハイマー病に関連する症状を示す患者に投与するこ とを含む。 32.請求項22または27の方法において、前記製薬的組成物はキャリアま たは希釈剤を含む。 33.請求項22の方法は、製薬的に受け入れ可能な共溶媒、天然又は合成の イオン性又は非イオン性界面活性剤によって調製されたミセル溶液、またはその ような共溶媒及びミセル溶液の組み合わせからなる水性共溶媒溶液とするために 前記キャリアまたは希釈剤を選択することを含む。 34.請求項32の方法は、エタノール、界面活性剤及び水の溶液とするため に前記キャリアを選択することを含む。 35.請求項32の方法は、トリグリセリド、レシチン、グリセロール、乳化 剤、抗酸化剤及び水を有するエマルジョンとするように前記キャリアを選択する ことを含む。 36.請求項22または27に記載の方法において、前記化合物の1日当たり の投薬量は0.1と25mg/kgとの間である。 【図1】 【図2】 【図3】 【図4】 【図5】 【図6】 【図7】 【図8】 【図9】 【図10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,E E,FI,GE,HU,JP,KE,KG,KR,KZ ,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MN,MW, MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SD,SI,S K,TJ,TT,UA,US,UZ,VN (71)出願人 ファーモス コーポレイション アメリカ合衆国 10022 ニューヨーク州 ニューヨーク イースト フィフティー セカンド ストリート 101 (72)発明者 メコウラム、ラファエル イスラエル国 エルサレム チェミホフス キー 12 (72)発明者 ポップ、エミール アメリカ合衆国 32607 フロリダ州 ゲ インズビル エス.ダブリュ.フィフティ ーファースト ウェイ 810 (72)発明者 ソコロブスキー、モーデカイ イスラエル国 テル アビブ ラビナ ス トリート 13 (72)発明者 クルッグ、ヨエル イスラエル国 ヘルツリヤ ノーダウ ス トリート 17 (72)発明者 ビゴン、アネイト イスラエル国 テル アビブ ハメイリ ストリート 7

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(3S,4S)配置を有し、かつ(3R,4R)鏡像異性体を実質的に含 まない一般式(I)の化合物であって、 A……Bは1(2)または6(1)の任意の二重結合を示し、 Rは (a)−Q、(ここでQは不安定な水素原子を有するヘテロ環状成分であって、 その成分がカルボキシル酸類似体として作用する。) (b)−R3X、ここでR3はC1−C5アルキルであり、Xは (a’)ハロゲン (a’’)−OR’、ここでR’はC1−C5アルキル、 (a’’’)−OC(O)R’’’、ここでR’’’は水素又はC1− C5アルキル、 (a’’’’)−OC(O)−R4Y、(ここでR4は線形または分岐し たアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリル、アリルアルキル、アルキル アリルまたはヘテロサイクリルのラジカル、または、前記ラジカルのモノ−、ま たはポリヒドロキシ化またはハロゲン化誘導体であり、Yは−OH,−C(O) O-+,−SO3 -+,または−OPO3 2-(B+2であり、(ここで、B+はア ルカリ金属またはアンモニアのカチオンまたは有機アンモニウムカチオンである 。)) 、−N(R’’’)2AH、−N(R’’’)3 +-,または からなるグループから選択された環状窒素ラジカル、(ここでR’’’は上記の ように定義されたものであり、DはCH2,OまたはNR’’’であり、(B+2 はアルカリ土類金属カチオンであり、Aは製薬的に受け入れ可能な無機または 有機アニオンである。) (b’)−OC(O)O−R4Y(ここでR4及びYは上記のように定義 されたものである。) (c’)−OC(O)NH−R4Y(ここでR4及びYは上記のように定 義されたものである。) (d’)−OC(O)−R4ZR4Y(ここでR4及びYは上記のよう に定義されたものであり、ZはO,S,SO,SO2またはNHである。) (e’)−C(NH2 +)−R4A-(ここでR4及びAは上記のように定義された ものである。) (f’)−OPO3 2-(B+2(ここでB+は上記のように定義されたも のである。)または (g’)−OHであり、 (c)−R3N(R’’)2(ここでR3は上記のように定義されたものであり、 各R’’は同一または異なっていてもよいが、水素、C1−C5アルキルであっ て、末端に−OR’’’または−OC(O)R’’’成分を任意に含むことがで き、ここで、R’’’は上記のように定義されたものである。) (d)−R5(ここでR5はC2−C5のアルキルである。)または、A……Bが 存在しないとき、 (e)−R3OR’’’(ここでR3及びR’’’は上記のように定義されたもの である。)であり、 Gは (a)ハロゲン、 (b)C1−C5のアルキル、または (c)−OR3X(ここでR3及びXは上記のように定義されたものであり、Gの 定義の中でのXは、Rの定義の中でのXが−OHである時には−OHでなくても よい。)であり、 R2は (a)C1−C12のアルキル、 (b)−OR’’’’、(ここでR’’’’は直鎖または分岐したC2−C9ア ルキルであり、その末端の炭素原子をフェニル基で置換可能である)、または( c)−(CH2)nOR’’’(ここでnは1から7の整数であり、R’’’は 上記のように定義されたものである)及び 前記化合物の製薬的に受け入れ可能な塩または4級アンモニウム誘導体。 2.(3S,4S)配置を有し、かつ(3R,4R)鏡像異性体を実質的に含 まない一般式(I)で示す請求項1の化合物であって、 A……Bは1(2)または6(1)の任意の二重結合を示し、 Rは (a)−Q、(ここでQは不安定な水素原子を有するヘテロ環状成分であって、 その成分がカルボキシル酸類似体として作用する。) (b)−R3X(ここでR3はC1−C5のアルキルであり、Xはハロゲンである )、−OR’(R’はC1−C5のアルキル)、または−OC(O)R’’’( R’’’は水素またはC1−C5のアルキル)、 (c)−R3N(R’’)2(ここでR3は上記のように定義されたものであり、 各R’’は同一または異なっていてもよいが、水素またはC1−C5アルキルで あって、末端に−OR’’’または−OC(O)R’’’成分を任意に含むこと ができ、ここで、R’’’は上記のように定義されたものである。) (d)−R5(ここでR5はC2−C5のアルキルである。)または、A……Bが 存在しないとき、 (e)−R3OR’’’(ここでR3及びR’’’は上記のように定義されたもの である。)であり、 Gは (a)ハロゲン、 (b)C1−C5のアルキル、 (c)−OR’’(ここでR’’は先に定義したものであり、Rの定義の中のX が−OHのときには、Gの定義の中のR’’は、−OHではない)、または (d)−OC(O)R’’’(ここでR’’’は先に定義したものである)、及 び R2は (a)C1−C12のアルキル、 (b)−OR’’’’、(ここでR’’’’は直鎖または分岐したC2−C9ア ルキルであり、その末端の炭素原子をフェニル基で置換可能である)、または (c)−(CH2)nOR’’’(ここでnは1から7の整数であり、R’’’ は上記のように定義されたものである)及び 前記化合物の製薬的に受け入れ可能な塩または4級アンモニウム誘導体。 3.請求項2に記載の化合物において、Gはヒドロキシであり、R2は1,1 −ジメチルヘプチル、または1,2−ジメチルヘプチルである。 4.請求項2に記載の化合物において、QはC,N,S,またはOの4乃至8 員の飽和または不飽和環であり、−COR’’または−C(O)OR’’’成分 により任意に置換されており、R’’’は先に定義されたものである。 5.請求項4に記載の化合物において、Qはテトラゾル−5−イルである。 6.請求項2に記載の化合物においてR2は−OR’’’’である。 7.請求項2に記載の化合物において、R2は−(CH2)nOR’’’であ る。 8.請求項2に記載の化合物において、A……Bは6(1)二重結合であり、 RはR’OR’であり、Gは−OHである。 9.請求項2に記載の化合物において、RはR’であり、Gは−OHである。 10.請求項2に記載の化合物において、Rは−R’Xである。 11.請求項2に記載の化合物において、Rは−R’N(R’’)2である。 12.請求項2に記載の化合物において、Rは−R’である。 13.請求項2に記載の化合物において、Gは−OR1である。 14.請求項2に記載の化合物において、A……Bは存在せず、Rは−CH2 OH、Gは−OH及びR2は1,1−ジメチルヘプチルである。 15.(3S,4S)配置を有し、かつ(3R,4R)鏡像異性体を実質的に 含まない一般式(I)の化合物であって、 A……Bは1(2)または6(1)の任意の二重結合を示し、 Rは −R3X、ここでR3はC1−C5アルキルであり、Xは (a)−OC(O)−R4Y、(ここでR4は線形または分岐したアルキ ル、アルケニル、シクロアルキル、アリル、アリルアルキル、アルキルアリルま たはヘテロサイクリルのラジカル、または、前記ラジカルのモノ−、またはポリ ヒドロキシ化またはハロゲン化誘導体であり、Yは−H,−OH,−C(O)O B+,−SO3 -+,または−OPO3 2-(B+2であり、(ここで、B+はアルカ リ金属またはアンモニアのカチオンまたは有機アンモニウムカチオンである。) )−N(R’’’)2AH,−N(R’’’)3 +-,または からなるグループから選択された環状窒素ラジカル、(ここでR’’’は上記の ように定義されたものであり、DはCH2,OまたはNR’’’であり、(B+2 はアルカリ土類金属カチオンであり、Aは製薬的に受け入れ可能な無機または 有機アニオンである。) (b)−OC(O)O−R4Y(ここでR4及びYは上記のように定義さ れたものである。) (c)−OC(O)NH−R4Y(ここでR4及びYは上記のように定義 されたものである。) (d)−OC(O)−R4ZR4Y(ここでR4及びYは上記のように 定義されたものであり、ZはO,S,SO,SO2またはNHである。) (e)−C(NH2 +)−R4A-(ここでR4及びAは上記のように定義されたも のである。) (f)−OPO3 2-(B+2(ここでB+は上記のように定義されたもの である。)または (g)−OHであり、 Gは (a)ハロゲン、 (b)C1−C5のアルキル、または (c)−OR3X(ここでR3及びXは上記のように定義されたものであり、Gの 定義の中でのXは、Rの定義の中でのXが−OHである時には−OHでなくても よい。)であり、 R2は (a)C1−C12のアルキル、 (b)−OR’’’’、(ここでR’’’’は直鎖または分岐したC2−C9ア ルキルであり、その末端の炭素原子をフェニル基で置換可能である)、または (c)−(CH2)nOR’’’(ここでnは1から7の整数であり、R’’’ は上記のように定義されたものである)及び 前記化合物の製薬的に受け入れ可能な塩または4級アンモニウム誘導体。 16.請求項15に記載の化合物において、Gはヒドロキシ、R2は1,1− ジメチルヘプチルまたは1,2−ジメチルヘプチルである。 17.請求項15に記載の化合物において、X及びGの一方は、 −OC(O)CH2NH2.HCl、 −OC(O)CH2N(CH3)2.HCl、 −OC(O)CH2N(C2H5)2.HCl、 −OC(O)CH2N(CH3)3+Br−、 −OC(O)CH2N(C253 +Br-、 モルフォリノアセチルオキシ(臭酸塩) ヨウ化メチルで4級化されたモルフォリノアセチルオキシ、 ω−モルフォリノブチロイルオキシ(臭酸塩)、 ヨウ化メチルで4級化されたω−モルフォリノブチロイルオキシ、 N−メチルピペラジノアセチルオキシ(二臭酸塩)、 ヨウ化メチルで4級化されたN−メチルピペラジノアセチルオキシ、 ω−(N−メチルピペラジノ)ブチロイルオキシ(二臭酸塩)、 ニコチノイルオキシ(塩酸塩)、 メチルクロレートで4級化されたニコチノイルオキシ、 サクシノイルオキシ(モノアンモニウム塩)、 マレオイルオキシ(モノアンモニウム塩)、 フタロイルオキシ(モノアンモニウム塩)、 2−キノリノイルオキシ(モノアンモニウム塩)、 アセチルオキシ、ブロモアセチルオキシ、トリフルオロアセチルオキシ、または ジソジウムフォスフォロイルオキシである。 18.請求項15に記載の化合物において、R2は1,1−ジメチルヘプチル 、Gは−OH及び Rは−CH2OC(O)CH2NH2.HCl、 −CH2OC(O)CH2N(CH32.HCl、 −CH2OC(O)CH2N(C252.HCl、 −CH2OC(O)CH2N(CH33 +Br-、 −CH2OC(O)CH2N(C253 +Br-、 モルフォリノアセチルオキシメチレン(臭酸塩)、 ヨウ化メチルで4級化されたモルフォリノアセチルオキシメチレン、 ω−モルフォリノブチロイルオキシメチレン(臭酸塩) ヨウ化メチルで4級化されたω−モルフォリノブチロイルオキシメチレン、 N−メチルピペラジノ−アセエチルオキシメチレン(二臭酸塩)、 ヨウ化メチルで2箇所4級化されたN−メチルピペラジノ−アセチルオキシメチ レン、 ω−(N−メチルピペラジノ)ブチロイルオキシメチレン(二臭酸塩)、 ニコチノイルオキシメチレン(塩酸塩)、 メチルクロレートで4級化されたニコチノイルオキシメチレン、 サクシノイルオキシメチレン(モノアンモニウム塩)、 マレオイルオキシメチレン(モノアンモニウム塩)、 フタロイルオキシメチレン(モノアンモニウム塩) 2−キノリノイルオキシメチレン(モノアンモニウム塩)、 アセチルオキシメチレン、 ブロモアセチルオキシメチレン、 トリフルオロアセチルオキシメチレン、または ジソジウム フォスフォロイルオキシメチレン。 19.請求項15に記載の化合物において、R2は1,1−ジメチルヘプチル 、Rは−CH2OH、及びGはω−モルフォリノブチロイルオキシ(臭酸塩)、 N−メチルピペラジノアセチルオキシ(二臭酸塩)、ヨウ化メチルで2箇所4級 化されたN−メチルピペラジノアセチルオキシ、またはジソシウム フォスフォ リルオキシである。 20.請求項15に記載の化合物において、A……Bは6(1)二重結合、R はR’Xであり、ここで、R’は低級アルキル及びXは(a)にて定義されたも のであり、Gは−OHである。 21.請求項20に記載の化合物において、Xはアセチルオキシ、トリフルオ ロアセチルオキシ、グリシルオキシ、4−(4−モルフォリニル)−ブチロイル オキシ、4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−ブチロイルオキシ、サクシノ イルオキシ、マレノイルオキシ、フタロイルオキシ、または3−カルボキシ−2 −ピリジンカルボニルオキシ、及びそれらの製薬的に受け入れ可能な塩並びに4 級アンモニウム誘導体。 22.請求項1,2又は15のいずれかに記載の化合物からなる製薬組成物の 治療上の有効な量を患者に投与することによって中枢神経系に対する傷害を治療 する方法。 23.請求項22に記載の方法において、A……Bは1(2)または6(1) の二重結合を示し、Rは1−3個の炭素原子を有する低級アルキルまたはCH2 OHであり、Gはヒドロキシまたはアシロキシ基であり、R2は(a)線形また は分岐したC6−C12アルキルラジカルまたは(b)グループOR3である( ここで、R3は線形または分岐したC5−C9アルキルラジカルであって、末端 炭素原子をフェニル基で任意に置換したものである。)。 24.請求項22に記載の方法において、前記化合物は刺激毒性のアミノ酸に 媒介される神経毒性から保護するように投与される。 25.請求項22の方法は、前記化合物を、水腫による神経壊死、脳虚血によ る神経壊死、頭部外傷による神経壊死、中枢神経系の中毒、心停止、卒中、視神 経傷害または脊髄損傷に関連する症状を示す患者に投与することを含む。 26.請求項22の方法は、前記化合物を、てんかん、ハンチングトン病、パ ーキンソン病、またはアルツハイマー病に関連する症状を示す患者に投与するこ とを含む。 27.患者のN−メチル−D−アスパデイト(NMDA)レセプタをブロック する方法であって、その方法は、前記レセプタを立体特異的にブロックするよう に演算して、請求項1,2または15のいずれかに記載の化合物の治療上の有効 量を前記患者に投与することを含む。 28.請求項27に記載の方法において、A……Bは1(2)または6(1) の二重結合を示し、Rは−CH3またはCH2OHであり、Gはヒドロキシまた はアシロキシ基であり、R2は(A)線形または分岐したC6−C12アルキル ラジカル、(B)グループ−O−R3である (ここで、R3は線形または分岐 したC5−C9アルキルラジカルであって、末端炭素原子をフェニル基で任意に 置換したものである。)。 29.請求項27の方法において、前記化合物はN−メチル−D−アスパテイ ト(NMDA)レセプタを媒介とした神経毒性から保護するように投与される。 30.請求項27の方法は、前記化合物を、水腫による神経壊死、脳虚血によ る神経壊死、頭部外傷による神経壊死、中枢神経系の中毒、心停止、または卒中 に関連する症状を示す患者に投与することを含む。 31.請求項27の方法は、前記化合物を、てんかん、ハンチングトン病、パ ーキンソン病、またはアルツハイマー病に関連する症状を示す患者に投与するこ とを含む。 32.請求項22または27の方法において、前記製薬的組成物はキャリアま たは希釈剤を含む。 33.請求項22の方法は、製薬的に受け入れ可能な共溶媒、天然又は合成の イオン性又は非イオン性界面活性剤によって調製されたミセル溶液、またはその ような共溶媒及びミセル溶液の組み合わせからなる水性共溶媒溶液とするために 前記キャリアまたは希釈剤を選択することを含む。 34.請求項32の方法は、エタノール、界面活性剤及び水の溶液とするため に前記キャリアを選択することを含む。 35.請求項32の方法は、トリグリセリド、レシチン、グリセロール、乳化 剤、抗酸化剤及び水を有するエマルジョンとするように前記キャリアを選択する ことを含む。 36.請求項22または27に記載の方法において、前記化合物の1日当たり の投薬量は0.1と25mg/kgとの間である。
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