【発明の詳細な説明】
新しい炭化水素潤滑剤および留出油燃料の添加剤
本発明は、炭化水素潤滑剤および留出油燃料用の新規な添加剤ならびにそれら
の製造方法に関する。本発明は、流動点降下剤として、ならびに低温におけるデ
ィーゼル燃料中のワックス質粒子生成抑制剤および炭化水素潤滑剤に流動点降下
剤特性および粘度指数向上特性の組合せを示す添加剤として有用である新規な炭
化水素添加剤に特に関する。新規な添加剤は、還元クロム酸化物により触媒され
るC18+1−アルケンに富む混合1−アルケンの重合によって製造される。
合成油または鉱油をベースとする潤滑剤の配合には、一般に、特定の状況の適
用において、特に、内燃機関および機械類の用途において、潤滑剤特性を向上ま
たは保護するための種々の化学薬品を混合した添加剤パッケージが含まれる。よ
り一般に使用される添加剤には、酸化防止剤、錆止め剤、摩耗防止剤、流動点降
下剤、清浄分散剤、粘度指数(VI)向上剤、抑泡剤などが含まれる。潤滑剤技
術のこの面については、カーク・オスマー(Kirk-Othmer)、“エンサイクロペデ
ィア・オブ・ケミカル・テクノロジー(Encyclopedia of Chemical Technology
)”、第3版、第14巻、第477〜526頁に特に記載されている。炭化水素
潤滑剤中に添加剤を含ませることについて、この分野の技術者たちは、潤滑剤と
の向上した適合性を有する改良された添加剤を開発する不断の試みを続けている
。優秀な添加剤は、一方でそれらの特有の寄与を製剤にもたらすが、それと同時
に、潤滑剤製剤の熱的および酸化的複合安定性を保持するかまたは向上させなけ
ればならない。
炭化水素潤滑剤の低温流動特性の向上は、製剤に流動点降下剤(pour point d
epressant、PPD)を加えることによって一般に達成されている。低温におい
て、これらの添加剤は、析出するワックス質炭化水素結晶の形状および寸法を変
化させて、潤滑剤製剤の凝集を遅らせ、有効流動点を低下させる。今日、好まし
い流動点降下剤には、ポリメタクリレートおよびエチレン−ビニルエステルポリ
マーが含まれる。尤も、炭化水素系の流動点降下剤も知られている。
ポリα−オレフィン(polyalphaolefin、PAO)流動点降下剤は、ザ・ジャー
ナル・オブ・ザ・ソサイエティ・オブ・トライボロジスツ・アンド・ルブリケー
ション・エンジニアズ(the Journal of the Society of Tribologists and Lubr
ication Engineers)、1993年3月、第196〜200頁において、チョン−
ザイアン・ザイオン(Chong-Xiang Xiong)によって発表された「ザ・ストラク
チャー・アンド・アクティビティ・オブ・ポリアルファオレフィンズ・アズ・ポ
ア・ポイント・デプレッサンツ(The Structure and Activity of Polyalphaole
fins as Pour Point Depressants)」に記載されている。PPDは、粗ロウから
誘導されるC7−C20α−オレフィンのチーグラー−ナッタ触媒を使用する重合
によって製造される。PAO流動点降下剤の活性は、平均側鎖長および側鎖長分
布に依存するということが報告されている。基油特性は、特定のPAO流動点降
下剤の有効性に影響を及ぼす。
ワックス質留出油燃料の低温流動特性を向上させるのは、燃料への添加剤とし
て、ワックス結晶変性剤をワックス質潤滑剤PPDと機能的に同様に用いること
によって行うことができるということも知られている。留出油燃料にそのような
添加剤を用いることによって、留出油フィード原料のよりコストがかかる十分な
脱ロウの工程が回避される。
本発明において特に重要な潤滑剤の種類の1つは、オレフィン、特にC3−C2 0
α−オレフィンのオリゴマー化によって得られる合成潤滑剤である。オレフィ
ンの接触オリゴマー化は広範に研究されている。既知のオレフィンオリゴマー化
触媒には、チーグラー−ナッタ型触媒および促進された触媒、例えば、BF3ま
たはAlCl3触媒などが含まれる。例えば、米国特許第4,613,712号は
、チーグラー型触媒の存在下においてアイソタクチックα−オレフィンを製造す
ることを教示している。他の配位触媒、特にシリカ担体上のクロムも従来技術に
おいて記載されている。
最近、ポリα−オレフィンを含んでなる新しい潤滑剤組成物、およびシリカ担
体上の還元クロムを触媒として用いるそれらの製造方法(以下、HVI−PAO
およびHVI−PAO法と称する)が米国特許第4,827,064号および同第
4,827,023号に開示された。この方法は、オリゴマー化条件においてC6
−C201−アルケンフィード原料を、多孔質シリカ担体上の還元原子価状態のク
ロム酸化物触媒にオリゴマー化ゾーン内で接触させることを含んでなるものであ
って、それによって、0.19未満の低いメチル対メチレン分枝比および−15
℃未満の流動点を有する高粘度、高VI液体炭化水素潤滑剤が製造される。この
方法は、ルイス酸触媒を用いてポリα−オレフィンを製造する既知のオリゴマー
化方法と比べて、オレフィン性結合の異性化がほとんど起こらない点において特
徴的である。
米国特許第5,146,021号(ジャクソン(Jackson)ら)は、鉱油およびポ
リオレフィンを含むHVI−PAOの潤滑剤組成物を開示しており、そこでは、
C6−C20α−オレフィン混合物からのオリゴマーを利用して、高VI添加剤お
よび剪断安定性を提供している。しかしながら、この特許は、C18+α-オレフ
ィンを高い割合で含有する混合物を用いて向上した流動点降下剤を製造すること
については、特許請求の範囲に記載もしていないし、開示もしていない。米国特
許第5,157,177号(ペライン(Pelrine)ら)は、前述のHVI−PAO組
成物の製造に適当なオリゴマー化方法を開示している。これらの特許において開
示された組成物および方法には、非ワックス質成分を含むポリマー組成物が含ま
れる。このポリマーは低流動点を有する潤滑剤として有用である。
本発明は、1−アルケンの接触オリゴマー化によって製造され、流動点降下剤
ならびに/または複合流動点降下剤および粘度指数向上剤(VII、Viscosity
Index Improver)として有効性の高い新規な潤滑剤用の添加剤である炭化水素組
成物を提供する。
本発明は、シリカに担持される還元されたクロム酸化物(以下、還元クロム酸
化物とも称する)触媒を用いて、1−アルケンをオリゴマー化することによって
、流動点降下剤を製造する改善された方法をも提供する。
本発明は、低温におけるワックス結晶の成長の改質に有効な留出油燃料用の純
粋な炭化水素添加剤を更に提供する。
炭化水素オリゴマーおよびそれらを製造する方法が鉱油または合成油用の流動
点降下剤として優れた特性を示すことが見出された。そのオリゴマーは、留出油
燃料に添加された場合、低温でのワックス結晶成長の改質にも有用である。その
オリゴマーは、エチレンとC3−C221−アルケンとの混合物または1−アルケ
ンのみのほぼ直鎖状(線状)のコポリマーであって、その中の繰り返し1−アル
ケンモノマー単位のペンダントアルキル基の大部分が12〜22個の炭素原子を
有し、好ましくは14〜18個の炭素原子を有する。1−アルケンコポリマーの
線状性(linearity)は、米国特許第4,827,064号および同第4,827,0
23号に開示された方法による共重合の間に起こる異性化の程度が比較的低いこ
とによって識別され、C6+ 1−アルケンから製造されるオリゴマーについての
メチル対メチレン分枝比が0.19未満であることによって示される。
本発明の組成物の優れた流動点降下剤特性は、エチレンとC3−C281−アル
ケンとの、またはC3−C281−アルケンのみのフィード原料混合物からオリゴ
マーを製造することによって達成されることが好ましく、そこでの炭素数分布は
モノモード(monomodal、単ピーク型)ではなく、バイモード(bimodal、2ピー
ク型)である。本発明におけるバイモード分布は、全フィードストリーム中にお
ける炭素数の分布が2つのピーク、小さい炭素数の1つのピークおよび大きい炭
素数のもう1つのピークを示すようにゆがんでいる(skewed、対称でない)こと
を意味する。バイモードのフィードストリームによって、炭素数1〜12の間の
ペンダント炭素鎖の1つの極大および炭素数12〜24の間のペンダント炭素鎖
のもう1つの極大を有するコポリマーを含んでなる本発明のバイモードの1−ア
ルケンコポリマーが製造される。
従来技術において既知の流動点降下剤と比較すると、本発明の新規な炭化水素
オリゴマーは、鉱油および合成油などの液体に1重量%未満の量で混合した場合
、鉱油および合成油の低温流動点を低下させるという驚くべき性能を示す。低温
において、通常、ワックス結晶を生成する炭化水素を含有するディーゼル燃料に
混合した場合、本発明のオリゴマーは、ワックス結晶の生成を改質し、燃料中の
ワッ
クス生成を最小にする。
これらの新規な炭化水素オリゴマーは、米国特許第5,146,021号に開示
された単独のオレフィン系のHVI−PAOと同様に効果的に粘度指数(VI)
向上剤として機能する。更に、これらは、VI向上剤に流動点降下剤機能を付加
する。本発明の新規なオリゴマーを、本明細書において混合α−オレフィンHV
I−PAOまたはMHVI−PAOと称し、従来技術のHVI−PAOオリゴマ
ーと区別する。
本発明の生成物は、オレフィン、C14-C241−アルケン、好ましくはC16−
C201−アルケンを少なくとも10重量%含有するC6−C241−アルケンの混
合物を好ましくは用いて、還元された原子価状態のクロム酸化物が担持された触
媒に接触させてオリゴマー化することによって製造する。
更に特に、炭化水素潤滑剤添加剤は流動点降下剤として適するということが見
出された。添加剤は、C3−C281−アルケンからなる群から選ばれる1−アル
ケンコモノマーの混合物のコポリマー残基を含んでなる。コポリマーは、C14−
C241−アルケンを少なくとも10重量%、好ましくは20重量%含有する。コ
ポリマーは、5000〜60000の範囲の数平均分子量;および1〜10の範
囲の分子量分布(molecular weight distribution)も有する。
本発明の生成物は、液体炭化水素潤滑剤および燃料中のワックス粒子の低温生
成の改質に有用なほぼ直鎖状の液体炭化水素コポリマーである。コポリマーは、
低いメチル対メチレン分枝比および300〜4500個の炭素原子を有するポリ
(1−アルケン)を含んでなり、コポリマーの繰り返しモノマー単位はエチレン
とC3−C281−アルケンとの混合物またはC3−C281−アルケンを含んでなり
、コポリマーのペンダント鎖の少なくとも10重量%は12〜22個の炭素原子
を有しており、最も好ましいペンダント鎖はC14〜C18のものである。
本発明の生成物は、エチレンおよびC3−C281−アルケンから選ばれるオレ
フィンコモノマーの混合物を、共重合条件において、多孔質担体上の還元された
原子価状態の第VIB族金属触媒に接触させることによって製造される。混合物は
、C14-C241−アルケン、好ましくはC16-C201−アルケンを少なくとも10
重量%含有する。共重合の生成物を分離し、添加剤を構成するコポリマーを回収
する。
図1は、HVI−PAOのフィード組成に対する本発明の新規なMHVI−P
AOオリゴマーのフィード組成の比較をグラフで示したものである。
図2は、従来技術のHVI−PAOのフィード組成をグラフで示したものであ
る。
図3は、本発明のMHVI−PAOの1つの好ましい態様のフィード組成をグ
ラフで示したものである。
図4は、本発明のMHVI−PAOのもう1つの好ましい態様のフィード組成
をグラフで示したものである。
図5は、本発明のMHVI−PAOの更にもう1つの好ましい態様のフィード
組成をグラフで示したものである。
本発明のフィード原料として有用なオレフィンには、エチレンならびに炭素数
が奇数および偶数のC3−C281−アルケンが含まれる。好ましいオレフィンは
、C6−C241−アルケンからなる群から選ばれる1−アルケン、即ちα−オレ
フィンである。好ましい長鎖1−アルケンは、C14−C24α−オレフィンを含ん
でなる。最も好ましい長鎖1−アルケンは、C16−C20α−オレフィンを含んで
なる。
本発明が新規であることに伴う特徴は、フィード原料が1−アルケンの混合物
を含むこと、および1−アルケンの混合物がC16−C241−アルケンを少なくと
も10重量%含んでなることである。混合物は、そのような1−アルケンの2種
のみの混合物、例えば、1−ヘキセンと1−オクタデセン、1−デセンと1−エ
イコセン、1−デセンと1−オクタデセンであってもよいし、あるいはプロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、
1−ノネン、1−デセンおよびそれ以上の1−アルケンであってC281−アルケ
ンまでのもの(C281−アルケンを含む)の混合物であってもよい。いずれにし
ても、混合物の1−アルケンの少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも2
0重量%が16〜24個の炭素原子を有する1−アルケンである。
本発明の方法のためのフィード原料は、今日の石油精製操作に一般的な種々の
方法および方法のストリームから得ることができる。粗ロウクラッキング、エチ
レン成長反応およびフィッシャー・トロプシュ・α−オレフィン法の生成物が、
混合1−アルケンの有用なソース(供給源)である。フィード原料のこれらおよ
びその他のソースは、アルカンおよび内部オレフィンを含んでいてもよい。その
結果、本発明の方法への1−アルケンフィードストリーム自体が、それらのアル
カンおよび内部オレフィンを含んでいてもよい。しかしながら、それらは本発明
のオリゴマー化反応において反応性ではない。
本発明のオリゴマー化反応は、米国特許第4,827,064号(エム・ウー(M
.Wu.))に記載されているように、担持された金属酸化物触媒、例えば、シリカ
に担持されたCr化合物またはその他の担体に担持されたIUPAC周期表第VI
B族のものの化合物によって触媒される。最も好ましい触媒は、不活性担体上の
より低い原子価の第VIB族金属酸化物である。好ましい担体には、シリカ、アル
ミナ、チタニア、シリカ−アルミナ、マグネシア等が含まれる。担体物質は、金
属酸化物触媒と結合している。これらの多孔質担体は、粉末形態であってもよい
し、押出物形態であってもよい。少なくとも4nm(40Å)の孔開口を有する多
孔質基材が好ましい。
担体物質は、通常、4〜35nm(40〜350Å)の平均孔寸法(pore size)
と共に、広い表面積および大きな細孔容積(pore volume)を有する。広い表面積
は、クロム金属の活性中心を大量に高い分散度で支持して、金属を最大効率で使
用するのに有利であり、従って、非常に高い活性の触媒が得られる。担体は少な
くとも4nm(40Å)の大きな平均孔開口を有すべきであり、6〜30nm(60
〜300Å)の平均孔開口が好ましい。この触媒を固定床またはスラリー反応器
で使用し、そして多数回リサイクルして再生するために、操作中または反応中に
おける触媒粒子の摩耗または粉砕を防止する良好な物理強度を有するシリカ担体
が好ましい。
担持された金属酸化物触媒は、水または有機溶媒中の金属塩を担体に含浸させ
ることによって製造することが好ましい。従来技術において既知のいずれか適当
な有機溶媒、例えば、エタノール、メタノールまたは酢酸を使用することができ
る。続いて、固体の触媒前駆体を乾燥し、空気または他の酸素含有気体によって
200〜900℃で焼成する。その後、触媒の還元を、周知の種々の還元剤、例
えば、CO、H2、NH3、H2S、CS2、CH3SCH3、CH3SSCH3、金属
アルキル含有化合物、例えば、R3Al、R3B、R2Mg、RLi、R2Zn[こ
こで、Rはアルキル基、アルコキシ基、アリール基等である。]などによって行
う。好ましいものは、COもしくはH2、COもしくはH2含有ガスまたは金属ア
ルキル含有化合物である。
別法として、第VIB族金属を還元された形態、例えばCr(II)化合物の形態で
基材に適用することもできる。触媒は、バッチ式反応器でも、或いは固定床連続
フロー反応器でも使用することができる。
一般に、担体物質を、金属化合物、例えばアセテートまたはニトレートなどの
溶液に加え、続いて混合物を混合し、室温で乾燥することもできる。乾燥固体ゲ
ルを約600℃までの高温で連続して16〜20時間パージする。その後、触媒
を不活性雰囲気で250〜450℃の温度に冷却し、鮮やかなオレンジ色から薄
い青色への明瞭な色の変化によって示されるように触媒を還元するのに十分なC
Oが通過するまでの間、純粋な還元剤のストリームをそれに接触させる。一般に
、触媒は、触媒をより低い原子価状態のCrIIに還元するために化学量論的に当
量ないし2倍の過剰量のCOで処理する。最後に、触媒を室温に冷却して、使用
可能となる。
実施例1は、本発明において使用する触媒を調製する方法を特に説明しており
、これは米国特許第4,827,064号に開示されているものでもある。
実施例1
触媒調製および活性化操作
(市販の)酢酸クロム(II)(Cr2(OCOCH3)42H2O)1.9g(5.5
8mmol)を熱い酢酸50mlに溶解する。次に、メッシュサイズ8−12、表面積
300m2/gおよび孔容積1ml/gのシリカゲル50gも加える。大部分の溶液は
シリカゲルに吸収される。最終的な混合物を室温でロータリーエバポレーター(
rotavap)で半時間混合し、室温にて開口皿内で乾燥する。まず、チューブ炉で
250℃にて乾燥固体(20g)をN2によりパージする。次に、炉温を2時間
、400℃に上げる。その後、温度を600℃として乾燥空気を16時間パージ
する。この時点でN2雰囲気において触媒を300℃まで冷却する。それから、
純粋なCO(99.99%、マテソン(Matheson)製)のストリームを1時間供給
する。最後に、N2雰囲気において触媒を室温まで冷却して、使用できる状態と
なる。
シリカ担体上の還元クロム酸化物触媒による1−アルケンのオリゴマー化は、
非常に低い分枝比を有するオリゴマーを提供する一方で、特に、BF3、AlC
l3またはチーグラー型触媒作用によって製造される常套のポリα−オレフィン
と比較して、均一性の高い構造の組成物も提供する。HVI−PAOオリゴマー
は、非常に均一な直鎖状の側鎖の分枝を有し、規則的な頭−尾結合を有すること
が判っている。オリゴマーは本質的に直鎖状である。規則的な頭−尾結合からの
構造に加えて、主鎖構造は多少の頭−頭結合を有している。
活性化されたSiO2担体上の還元クロム酸化物触媒によって、適当な分子量
範囲および化学的組成を有するポリマーがα−オレフィンの広範な混合物から効
率的に製造されて、有用な添加剤をなすということが見出された。混合オレフィ
ンをベースとするHVI−PAOポリマーは、ワックス含有潤滑剤基油と混合し
た場合に、非常に高い流動点降下作用を示す。この結果は、混合オレフィンベー
スのポリマーが一方で粘度指数向上剤(VII)としても有効でありながらも、
明らかである。SiO2担体上の還元クロム酸化物触媒から製造される混合オレ
フィンベースのHVI−PAOは、ディーゼル燃料と混合物した場合に、ワック
スの生成を最小にすることもできる。従って、それをワックス質燃料の低温にお
ける流動特性を向上するために使用することができる。HVI−PAOポリマー
は純粋な炭化水素であるので、それらは、炭化水素潤滑剤および留出油燃料中に
おいて、市販の流動点降下剤やワックス結晶変性剤よりも良好な熱安定性、酸化
安定性および溶解性を有する。これら市販の添加剤は、大部分がポリメタクリレ
ートまたはエチレン−ビニルエステルコポリマーである。
本発明のポリマーが流動点降下剤として有効な特定の潤滑剤基礎原料の例を以
下にまとめて示しており、それらの物理的特性を以下の表1に示す:
LN142−100”、溶媒ニュートラル鉱油基礎原料(solvent neutral mi
neral base stock)、モービル・オイル・コーポレイション(Mobil Oil Corp.
)から製品番号71326−3として入手可能、メチルエチルケトン溶剤脱ロウ
により製造;
LN321−150”、溶媒ニュートラル鉱油基礎原料、接触脱ロウにより製
造;
HN339−700”、重質ニュートラル鉱油基礎原料、接触脱ロウにより製
造;
BS345、ブライトストック鉱油、接触脱ロウにより製造;
WHI−A、WHI−B物質、粗ロウから誘導。このワックスは、高圧、例え
ば10500〜21000kPa(1500〜3000psi)で無定形触媒またはゼ
オライトにより水素異性化される。
PAO−1、モービル・ケミカル(Mobil Chemical)から入手可能な2mm2/s
の合成炭化水素ポリα−オレフィン流体。
PAO−2、モービル・ケミカルから入手可能な5.5mm2/sの合成炭化水素ポ
リα−オレフィン流体。
既に説明したように、本発明の生成物は、留出油燃料におけるワックス生成の
改質に有用である。一般に、留出油燃料には、ジェット燃料、ディーゼル燃料お
よび加熱油が含まれる。本発明の組成物は、自動車および鉄道ディーゼル燃料に
特に有用である。
本発明の方法および組成物についての説明を、以下の実施例2〜11において
それらの製造および特性を記載することによって行う。実施例には、本発明の新
規なポリマーを製造する方法(実施例2)ならびに新規なポリマーと、種々の潤
滑剤基礎原料との配合物の特性(実施例3〜10)およびディーゼル燃料との配
合物の特性(実施例11)が含まれる。混合1−アルケンモノマーのオリゴマー
化において使用する触媒は、実施例1に記載の方法に従って調製される。本発明
のコポリマーの製造についての結果を表2に、コポリマーと鉱油および合成潤滑
剤とから調製した配合物の特性を表3に示す(実施例2−9)。
実施例2
実施例1に説明したようにして調製したCr/SiO2触媒6gを、炭素数6
〜20のα−オレフィン混合物と混合物し、混合物を室温で24時間撹拌した。
α−オレフィン混合物は、一段階エチレン成長反応から製造されるα−オレフィ
ン混合物に匹敵する組成を有しており、表2に報告している。α−オレフィンの
オリゴマー化反応から得られたポリマー溶液のガスクロマトグラフ(GC)分析
によれば、α−オレフィンの70%〜90%がポリマーに転化したことが示され
た。スラリー混合物は非常に濃厚であり、キシレン400mlを加えて希釈し、触
媒をクエンチ(急冷)した。触媒を除去するための濾過によって混合オレフィン
ベースのHVI−PAOポリマーを分離し、続いて、160℃および100ミリ
トルで蒸留して溶媒および未反応オレフィンを除去した。表1に示すように、ポ
リマー組成物は種々の量のα−オレフィンを含有していた。出発混合物中のα−
オレフィンをすべてポリマーに転化させた。残存するオレフィンは、出発混合物
中に存在していた内部または分枝オレフィンであった。このポリマーの数平均分
子量(Mn)は18200、重量平均分子量(Mw)は58000、および分子
量分布(MWD、Mw:Mn)は3.19であった。
実施例3
実施例2において調製した試料を、接触脱ロウ法を用いて脱ロウした軽質ニュ
ートラルパラフィン系鉱油基礎原料、LN321に配合した。基礎原料および配
合物の特性を表3にまとめて示す。これらのデータは、実施例2の生成物を0.
26重量%含有する配合物が、−38℃の流動点および3.0℃の曇り点を有し
、出発基礎原料であるLN321と比較して、流動点が35℃低下し、曇り点が
2.6℃低下していることを示している。配合物は基礎原料よりも高い粘度指数
(VI)をも有しており、即ち、基礎原料の106に対して111を有していた
。
実施例4
実施例3において使用したのと同じ基礎原料を、市販の粘度指数(VI)向上剤
、アクリロイド(Acryloid)956(実施例4A)、または市販の流動点降下剤
アクリロイド156(実施例4C)およびナルコ(NALCO)5644(実施例4B
)に配合した。表3に示すように、配合物の流動点は2〜26℃しか低下せず、
曇り点は基礎原料とほぼ同じままであった。
実施例5
実施例2の生成物を、常套の溶剤脱ロウ方法を用いて製造した鉱油(LN14
2)に配合した。基礎原料および配合物の特性を表3にまとめて示す。これらの
データは、実施例2の生成物を0.49重量%含有する配合物は、−37℃の流
動点および−12.9℃の曇り点を有することを示している。これは、出発基礎
原料に比べて、流動点が23℃低下し、曇り点が3.5℃低下することに対応す
る。配合物は、基礎原料の97に対して109と、基礎原料よりも高い粘度指数
(VI)をも有する。
実施例6
基礎原料を重質ニュートラル鉱油基礎原料HN339とした以外は、実施例3
の記載と同様にして配合物を調製した。実施例2の生成物を0.26重量%配合
した場合、HN339の流動点は−12℃から−27℃に低下した。
実施例7
基礎原料を鉱油ブライトストック物質BS345とした以外は、実施例3の記
載と同様にして配合物を調製した。実施例2の生成物を0.55重量%配合した
場合、BS345の流動点は+4℃から−12℃に低下した。
実施例8
基礎原料を、ワックス水素異性化(wax hydroisomerization)法によって製造
した以外は、実施例3の記載と同様にして配合物を調製した。この場合、流動点
は−15℃から−23℃に降下した。
実施例9
基礎原料を、1.7mm2/sの低粘度ポリα−オレフィン生成物とした以外は、実
施例3の記載と同様にして配合物を調製した。流動点の12℃の降下が観察され
た。
実施例10
基礎原料を、5.6mm2/sの合成PAO基礎原料(物質509)とした以外は、
実施例3の記載と同様にして配合物を調製した。流動点の降下は9℃であった。
実施例11
流動点−13.3℃および曇り点−2.9℃を有するコリトン(Coryton)ディー
ゼル燃料と実施例2のHVI−PAO生成物とを用いて、一連の配合物を調製し
た。これらの混合HVI−PAOオリゴマーとディーゼル燃料との配合物につい
て、流動点および曇り点を測定し、その結果を表4に示す。混合HVI−PAO
が、少なくとも市販の燃料流動点降下剤に匹敵することが判った。しかし、混合
HVI−PAOは、市販の流動点降下剤では観察されない特別な曇り点降下を有
していた。
実施例12
実施例2において説明した一般的操作に従って、2成分HVI−PAOを調製
した。成分は、1−デセンおよび1−オクタデセンであった。7%の1−オクタ
デセン、25%の1−オクタデセンおよび40%の1−オクタデセンを含有する
フィードからそれぞれオリゴマーを調製した。各HVI−PAOオリゴマーを含
有する鉱油(LN321)の配合物を調製すると、40%の1−オクタデセンか
らの配合物は−30℃、25%の1−オクタデセンからの配合物は−13℃、7
%の1−オクタデセンからの配合物は−7℃の流動点降下を示した。
流動点降下の程度は、配合物中の混合HVI−PAOの濃度に依存する。最大
の流動点降下のために最適な濃度は、0.1重量%〜0.4重量%である。0.
20〜0.30重量%、好ましくは0.25重量%を用いることによって、通常
、最良の結果が得られる。この濃度の上または下では、降下の程度が減少する。
尤も、50〜100ppmの範囲の低濃度であっても、5〜12℃の流動点降下
は観察される。
本発明において流動点降下剤として有効なHVI−PAOオリゴマーは、C3
−C281−アルケンのコポリマーを含んでなる。コポリマーは、少なくとも10
重量%のC14−C241−アルケンを含有しており、5000〜60000の範囲
の数平均分子量を有し、1〜10の範囲の分子量分布を有する。
本発明の新規性の重要な部分は、本発明の方法のα−オレフィンの特定の混合
物の共重合によって、流動点降下剤として、および更に注目すべきことに、流動
点降下剤と粘度指数向上剤との組合せとしての予期されなかった優れた特性を有
する独特の構造のオリゴマー(MHVI−PAO)がもたらされるということを
見出した点にある。新規なオリゴマーは、α−オレフィンについて炭素数のバイ
モード分布を有する混合α−オレフィンフィード原料から製造される。この分布
は、炭素数が、比較的大きい炭素数において1つの極大に達し、比較的小さい炭
素数においてもう1つまたは第2の極大に達するというものである。本発明の好
ましいオリゴマーは両方の極大を示すことを特徴とする。このバイモードフィー
ド原料によって、炭素数1〜12の範囲のペンダント炭素鎖の1つの極大、およ
び炭素数12〜24の範囲のペンダント炭素鎖のもう1つの極大を有するコポリ
マーとを含んでなる本発明のオリゴマーが生成する。1−アルケンを含むことに
よって、オリゴマーまたはコポリマー残基は、C3〜C14範囲の1−アルケンの
1つの極大、およびC14〜C26範囲の1−アルケンのもう1つの極大のバイモー
ド分布を有してなる繰り返し単位を含む。
図1を参照すると、HVI−PAOのフィード組成対本発明の新規なMHVI
−PAOオリゴマーのフィード組成の比較をグラフに表したものが示されている
。このグラフは、従来技術のHVI−PAOオリゴマーが比較的小さい炭素数の
α−オレフィンの1つの極大を有するモノモードのフィード混合物を使用するこ
とを示している。その他の本発明のHVI−PAOオリゴマー用のフィードも示
されているが、バイモードとして示されている。従来技術のHVI−PAO合成
に使用されたモノモードのフィード組成を示す図2を参照することによって、そ
の差異が強調される。図3〜5は、2種またはそれ以上のα−オレフィンから製
造される特に好ましい本発明のオリゴマーについてのMHVI−PAO組成を示
している。混合物とは無関係に、図3〜5は、炭素数6〜10の1つの極大およ
び炭素数16〜20の範囲内のもう1つの極大を有するMHVI−PAOフィー
ドストリーム中のオレフィンの独特のバイモード分布を示している。特に、必要
とされるフィードのバイモードの特徴によって、フィード中のα−オレフィン炭
素数の連続性(continuum)が妨げられることはない。このことは図4に示して
いる。
本明細書において既に説明したように、α−オレフィン(HVI−PAO)の
液体炭化水素ポリマーおよびコポリマーは、特に米国特許第4,827,064号
(エム・ウー)に開示されているような還元クロム酸化物オリゴマー化によって
製造されている。これらの潤滑剤範囲オリゴマーは、予期されなかった高い粘度
指数および低い流動点を示す。これらのポリマーは本発明のポリマーとは組成的
に異なるが、それらの類似性は米国特許第4,827,064号の(HVI−PA
O)組成物も有効な流動点降下剤であろうという推測の根拠を提供するのに十分
である。従って、米国特許第4,827,064号のHVI−PAO組成物と本発
明の生成物とを比較するために、一連の実験(実施例13〜16)を行った。
実施例13〜16において、1−デセンまたはC6−C14α−オレフィンを用
いて、上述の特許に従ってHVI−PAOオリゴマーを調製し、ポリマーまたは
コポリマー生成物を原料142鉱油に配合した。これらの実験の結果を表5に示
す。この結果は、C16またはより高級のα−オレフィンを含まないHVI−PA
Oが、原料142鉱油に流動点降下作用を及ぼさないことを示している。従って
、本発明の生成物は、他のHVI−PAO特許、例えば米国特許第4,827,0
64号などのものから識別される。
本発明によって見出された重要な事項は、本発明の生成物は、大きな流動点降
下作用を示すためには、より大きい炭素数のα−オレフィンを比較的高い割合で
含む必要があるということである。最適であるのは、オリゴマー化プロセスへの
フィードが、C16−C20の炭素数を有するα−オレフィンを比較的高い割合で含
むべきであるということである。この場合に、本発明のコポリマーの少量を潤滑
剤基油に加えることによって、流動点のかなりの低下がもたらされる。驚くべき
ことに、本発明の添加剤は、潤滑剤流体の流動点降下に寄与する以外に、粘度指
数向上剤(VII)としても機能し、潤滑剤の粘度指数を向上させる。この作用
は同時に達成される、即ち、流動点が降下する一方で、潤滑剤の粘度指数が向上
する。従って、本発明の生成物は、潤滑剤基礎原料の流動点の降下(PPD)と
共に、粘度指数(VI)の増大を行う添加剤として作用する。
以下の実施例17〜22は、流動点を降下させ、粘度指数を増大させる本発明
の生成物の品質を説明するために示すものである。実施例17〜20は、フィー
ド中により高級のα−オレフィンを比較的高い割合で含有する種々のコポリマー
組成物の効果を特に説明するために示すものである。実施例21および22は、
本発明の生成物の、流動点の降下および粘度指数の増大を同時に行う能力を示す
実験の結果を示すものである。
実施例17
1−ヘキセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセン(
それぞれ、46重量%、20重量%および20%)を含有するα−オレフィン混
合物を、活性化したCr/SiO2触媒上で反応させることによって、Mn(数
平均分子量)8845およびMWD(分子量分布)3.34のコポリマーを調製
した。LN142潤滑剤基礎原料にこのポリマーを0.20重量%配合すると、
基油の流動点は−14℃から−38℃へ降下した。この実施例によって、良好な
PPD作用のためには、C16−C20α−オレフィンが必要な成分であることが示
された。
実施例18
出発オレフィンが1−ヘキセンおよび1−オクタデセン(それぞれ50重量%
ずつ)を含有すること以外は、実施例17で説明したのと同様にしてコポリマー
を調製した。LN142に、Mnが11890およびMWDが5.8のこのポリ
マー0.27重量%を配合すると、流動点は−14℃から−36℃に降下した。
実施例19
本発明の方法によって、1−デセン 70%およびガルフテンC20-24α−オレ
フィン30%を含有するα−オレフィン混合物からMnが28630およびM
WDが3.97のコポリマーを調製した。LN142に、このポリマー0.24%
を配合すると、流動点は−14℃から−36℃に降下した。
実施例20
1−デセン 50%、C20-24α−オレフィン(ガルフテン(Gulftene)20−
24)25%およびC24-28α−オレフィン(ガルフテン24−28)25%を
含有するα−オレフィン混合物から、Mnが35220およびMWDが4.32
のコポリマーを調製した。LN142基礎原料に、このポリマー0.22%を配
合すると、流動点は−14℃から−22℃に降下した。
実施例21
1−デセン 60%および1−オクタデセン 40%を含有する混合物から本発
明の混合HVI−PAOコポリマーを調製して、数平均の分子量が30100、
MWD(分子量分布)が9.02のコポリマーを得た。そのようにして調製した
コポリマーを150sus鉱油LN321に配合すると、混合HVI−PAOコポ
リマーをより高濃度で鉱油原料に配合した場合に、混合HVI−PAOコポリマ
ーがVI向上剤および流動点降下剤の両者として機能できることが示される。結
果を以下の表6にまとめて示している。その結果、本発明の混合HVI−PAO
コポリマーを1重量%までで鉱油に配合すると、VIおよび流動点のいずれもが
著しく向上することが示された。
実施例22
混合HVI−PAOコポリマーが、C6オレフィン 50%およびC18オレフィ
ン 50%の混合物から調製されたこと、およびそのMnが11900およびM
WDが5.8であったこと以外は、実施例21と同様にして実験を行った。実施
例22において用いる基油は100”鉱油原料142である。結果を表7に示す
。前に行った実施例21と同様に、この実施例は、本発明の混合HVI−PAO
コポリマーが、基礎原料の流動点および粘度指数(VI)を同時に改善すること
を
示すものである。
本発明のフィードストリームとして有用な1−アルケンモノマーの特に好まし
い混合物には以下のものが含まれる:C6、C8、C10、C12、C14、C15、C16
、C18およびC201−アルケン;C6およびC181−アルケン;C10およびC20- 24
1−アルケン;C10およびC20-281−アルケン;C6、C16、C18およびC20
1−アルケン;ならびにC10およびC181−アルケン。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年11月9日
【補正内容】
請求の範囲
1.流動点降下剤、曇り点降下剤および粘度指数向上剤として適する炭化水素
潤滑剤添加剤であって、添加剤はC3−C281−アルケンからなる群から選ばれ
る1−アルケンコモノマー混合物のコポリマー残基を含んでなり、コポリマーは
C14−C241−アルケンの繰り返しモノマー単位を少なくとも10重量%含有し
、5000〜60000の範囲の数平均分子量および1〜10の範囲の分子量分
布を有しており;残基中の1−アルケンの分布において、1つの極大がC3〜C1 4
1−アルケン範囲にあり、もう1つの極大がC14〜C261−アルケン範囲にあ
るバイモード分布を有する添加剤。
2.1−アルケンの混合物がC6−C241−アルケンのバイモード混合物を含
んでなる請求の範囲1記載の添加剤。
3.1−デセンまたは1−ヘキセンおよび1−オクタデセンのコポリマーを含
んでなる請求の範囲1記載の添加剤。
4.1−デセンまたは1−ヘキセン対1−オクタデセンのモル比が3対2であ
る請求の範囲3記載の添加剤。
5.液体炭化水素潤滑剤および燃料中のワックス粒子の低温生成を防止するの
に有用なほぼ直鎖状の液体炭化水素コポリマーであって、コポリマーはポリ(1
−アルケン)を含んでなり、300〜4500の範囲の炭素原子を有しており、
コポリマーの繰り返しモノマー単位は、エチレンおよびC3−C281−アルケン
からなる群から選ばれるオレフィンの混合物を含んでなり、繰り返し単位の1−
アルケン分布において、C3〜C141−アルケンの範囲の1つの極大およびC14
〜C261−アルケンの範囲のもう1つの極大を有するバイモード分布を有してな
り、コポリマーのペンダント鎖の少なくとも10重量%が炭素原子12〜22個
を含有するコポリマー。
6.繰り返し単位がC6−C241−アルケンの混合物を含んでなる請求の範囲
5記載のコポリマー。
7.1−デセンまたは1−ヘキセンおよび1−オクタデセンのコポリマーを含
んでなる請求の範囲5記載のコポリマー。
8.潤滑剤が鉱油または水素処理潤滑剤を含んでなる請求の範囲5記載のコポ
リマー。
9.潤滑剤がポリ(α−オレフィン)を含んでなる請求の範囲5記載のコポリ
マー。
10.燃料がディーゼル燃料を含んでなる請求の範囲5記載のコポリマー。
11.降下した流動点を有し、ポリ(α−オレフィン)および請求の範囲1記
載の流動点降下剤を含んでなる炭化水素潤滑剤混合物。
12.鉱油または水素処理潤滑剤および請求の範囲1記載の流動点降下剤を含
んでなる、低下した流動点を有する炭化水素潤滑剤混合物。
13.流動点降下剤を0.01〜1.0重量%の範囲で含有する請求の範囲12
記載の混合物。
14.ディーゼル燃料および請求の範囲6記載のコポリマーを含んでなる燃料
混合物。
15.流動点降下剤として適する炭化水素潤滑剤添加剤を製造する方法であっ
て、エチレンおよびC3−C281−アルケンから選ばれ、C14−C261−アルケ
ンを少なくとも10重量%含有するオレフィンコモノマーの混合物を、共重合条
件において、多孔質担体上の還元された原子価状態の第VIB族金属触媒に接触さ
せること、ならびに添加剤を含んでなるコポリマーを分離することを含んでなる
方法。
16.混合物がC6−C241−アルケンから選ばれる請求の範囲15記載の方
法。
17.触媒が、少なくとも4nmの孔寸法を有するシリカを含んでなる担体お
よび還元されたCrO3を含んでなる請求の範囲15記載の方法。
18.共重合条件が、25℃〜150℃の範囲の温度を含んでなる請求の範囲
15記載の方法。
19.温度が25℃〜95℃の範囲にある請求の範囲18記載の方法。
20.1−アルケンコモノマーの混合物が、C6、C8、C10、C12、C14、C15
、C16、C18およびC201−アルケンを含んでなる請求の範囲1記載の添
加剤。
21.1−アルケンコモノマーの混合物が、C6およびC181−アルケンを含
んでなる請求の範囲1記載の方法。
22.1−アルケンコモノマーの混合物が、C10およびC20-241−アルケン
を含んでなる請求の範囲1記載の方法。
23.1−アルケンコモノマーの混合物が、C10およびC20-281−アルケン
を含んでなる請求の範囲1記載の方法。
24.1−アルケンコモノマーの混合物が、C6、C16、C18およびC201−
アルケンを含んでなる請求の範囲1記載の方法。
25.鉱油が、溶剤脱ロウ鉱油、接触脱ロウ鉱油および溶剤脱ロウされたワッ
クス異性化鉱油から選ばれる請求の範囲11記載の炭化水素混合物。
26.降下した流動点および向上した粘度指数の両者を有し、鉱油および請求
の範囲1記載の添加剤を含んでなる炭化水素潤滑剤混合物。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C10M 101:02
143:08)
C10N 30:02
(72)発明者 ウー、マーガレット・メイ−ソム
アメリカ合衆国 08558−1818 ニュージ
ャージー、スキルマン、リッチモンド・ド
ライブ 45番