JPH09508071A - 鋳片案内架台のためのロール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、スラブ、ブルーム及びビレット寸法の鋳片を製造する鋳片案内架台のためのロールであって、鋳片案内架台の中心で鋳片を走行させ、こうして６ｍ／ｍｉｎまでの鋳造速度の場合でも、高い鋳造信頼性をもたらすロールに関するものである。ロールが僅かに凹面状の母線（鋳片の反り）を有し、これにより鋳片の短辺面方向での揺動が意外なことに抑制され、こうして鋳片上面方向で中心軸線に対して鋳片が中心を走行するようになった鋳片案内架台によって、この高い鋳造信頼性は達成される。

Description

【発明の詳細な説明】 鋳片案内架台のためのロール 本発明は、鋳片の揺動を防止する鋳片案内架台のためのロールに関するもので ある。 先行技術、例えばドイツ特許公報第ＤＥ３６２７９９１Ｃ２号により、ロール が直線母線ではなく湾曲母線を有する鋳片案内架台が公知である。このようなロ ールは、矩形形状とは著しく異なる鋳片断面を鋳型出口断面が生成するときには 常に利用される。 鋳片厚が６０〜８０ｍｍよりも大きい矩形鋳片の場合、一般に、直線母線を有 するロールは連続鋳造用鋳型直下（セグメント０）の鋳片案内架台内で使用され 、それぞれ対で相対向するロールの母線は互いに平行である。 このようなロールを有する鋳片案内架台では鋳片の揺動によって鋳造速度が限 定されており、一般に以下の値が定められている： −厚さ２３０ｍｍのスラブには約１．８〜２．０ｍ／ｍｉｎ −厚さ２７０ｍｍのブルームには約１．５〜１．７ｍ／ｍｉｎ −寸法１００×１００ｍｍのビレットには約２．５ｍ／ｍｉｎ。 本発明の課題は、鋳片の揺動又はよろめきが防止されるようにロールが構成さ れている矩形鋳片用鋳片案内架台のためのロールを提供することである。 この課題は、請求の範囲１の特徴によって解決される。従属請求の範囲は有利 な諸構成を内容としている。 現在世界中で利用されているあらゆる連続鋳造設備の大部分においてそうであ るが、円筒形案内ロールを有する矩形断面の連続鋳造用鋳型を使用する場合、意 外なことに、鋳造速度が特定の上限値を超えてはならないことが判明した。なぜ ならば、さもないと鋳片ブレークアウト（湯漏れ）の数が比例するより急速に増 加するからである。これは、特定の鋳造速度以上になると鋳片が揺動しはじめ、 即ち鋳片が案内ロールの間を往復動するという事情の帰結である。そのことから 鋳片が傾き、鋳型出口断面の周囲への放熱が不規則となり、その結果応力割れや 鋳片ブレークアウトを生じることになる。 意外なことに、鋳片の僅かな反りが揺動を防止することが判明した。鋳片は、 鋳型から進出直後は、中心部がなお液状で又鋳片凝固殻厚が薄いので、ロールの 凹面状母線によって決まる寸法へと直ちに広がる。つまり鋳片がロールに当接し 、こうして案内され、この案内が揺動を防止し、又は文献に述べられるような” スネーキング”も防止する。 ロールの凹面状母線は鋳片幅の一部にわたって、又は鋳片幅全体にわたって、 延ばすことができる。鋳片の総膨らみは８％、好ましくは２〜４％、とすべきで あろう。それより高い値では良好な案内が達成されず、不必要な圧延支出が生じ る。鋳片幅全体にわたるロールの凹面状母線が２〜４％の範囲内であると、後続 の圧延にとって本質的に良好な出発断面が得られ、そうした方向での圧延工の要 請が満たされる。 例えば凹面状ロールによって、又は鋳片案内架台内に分割ロールを適切に配置 することによって、又はロールが鋳造荷重を受けて弾性範囲内でたわむことによ って、鋳片の反りを鋳片ガイドの末端に至るまで維持するのが有意義である。 本発明によれば、新しい設備において鋳造速度を適切に高めることが可能とな るだけでなく、既存設備においても適切に形成されたロールを追加装備すること によって鋳造速度を、冒頭に指摘した値に比べて２００％まで高め、同時に鋳造 信頼性を高めることが可能となる。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年１２月２０日 【補正内容】 請求の範囲（補正） １． 対で相対向する案内兼駆動ロールを有する矩形鋳片用案内架台のための ロールであって、ロールが、少なくとも荷重を受けると僅かに凹面状の母線を有 し、母線のたわみが最大で鋳片厚の８％を超えないロール。 ２． 凹面状母線は鋳片幅の一部に、好ましくは４０％に、設けられているだ けであり、母線のたわみの極大が鋳片厚の２〜４％を超えないことを特徴とする 、請求の範囲１に記載のロール。 ３． 適切に配置された分割ロールによって鋳片の反りが達成されることを特 徴とする、請求の範囲１又は２に記載のロール。 ４． 希望する鋳片の反りに一致した弾性範囲内でのロールのたわみが鋳造荷 重のもとで達成されるように、ロールがその材質及びその直径に関して構成され ていることを特徴とする、請求の範囲１〜３のいずれか１項に記載のロール。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ)，ＡＭ， ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，Ｅ Ｅ，ＦＩ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，Ｓ Ｉ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 対で相対向する案内兼駆動ロールを有する矩形鋳片用鋳片案内架台のた めのロールであって、ロールが僅かに凹面状の母線を有し、この母線が、矩形出 口断面を有する連続鋳造用鋳型から進出後に鋳片が球状に広がるのを可能とし、 これにより鋳片が厳密に案内されて、鋳片の揺動が防止されるようになったロー ル。 ２． 凹面状母線が鋳片幅の一部に、好ましくは４０％に、実施されているだ けであることを特徴とする、請求の範囲１に記載のロール。 ３． 凹面状母線の中心線での凹みが鋳片厚の８％、好ましくは２〜４％、を 超えないことを特徴とする、請求の範囲１又は２に記載のロール。 ４． 適切に配置された分割ロールによって鋳片の反りが達成されることを特 徴とする、請求の範囲１〜３に記載のロール。 ５． 鋳造荷重を受けてロールが弾性範囲内で適切にたわむことによって鋳片 の反りが達成されることを特徴とする、請求の範囲１〜３に記載のロール。 ６． 既存の連続鋳造設備にそれが追加装備されることを特徴とする、請求の 範囲１〜５のいずれか１項に記載のロール。