JPH0950781A - 走査型電子顕微鏡 - Google Patents

走査型電子顕微鏡

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JPH0950781A
JPH0950781A JP7202347A JP20234795A JPH0950781A JP H0950781 A JPH0950781 A JP H0950781A JP 7202347 A JP7202347 A JP 7202347A JP 20234795 A JP20234795 A JP 20234795A JP H0950781 A JPH0950781 A JP H0950781A
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JP
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sample
secondary electron
electrode
detection electrode
electron microscope
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JP7202347A
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Keitarou Hara
景太郎 原
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2次電子をガス増倍して検出する環境制御型
の走査型電子顕微鏡において、凹凸感を強調した試料像
を形成可能とする。 【解決手段】 1次電子の照射に応答して試料13から
発生した2次電子を低真空のガス雰囲気中で増倍して2
次電子検出手段に取り込む走査型電子顕微鏡において、
2次電子検出手段として、1次電子のビーム軌道を取り
囲むように設けられる第1の2次電子検出電極9と、第
1の2次電子検出電極9の外周の一部の領域に設けられ
る第2の2次電子検出電極18と、を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料からの2次電
子を低真空のガス雰囲気中で増倍した後に検出する環境
制御型の走査型電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】環境制御型の走査型電子顕微鏡は、試料
から発生する2次電子を電子増倍作用を有するガス(例
えば水蒸気)が供給された低真空環境の下で増倍し、増
倍された2次電子を検出電極で検出するものである。こ
の種の顕微鏡によれば、通常の電子顕微鏡では観察でき
ないような種々の試料を観察することができる。
【0003】従来の環境制御型の走査型電子顕微鏡の一
例を図13に示す。この例では、電子銃1が収納された
真空室2と試料室14とが圧力制限オリフィス8を介し
て接している。圧力制限オリフィス8の周囲には一枚の
円板状の2次電子検出電極9が配置される。2次電子検
出電極9は絶縁体7を介して真空室2の下端に取り付け
られる。試料室14には、圧力制限バルブ16を介して
気体供給源17よりガス増幅を行う気体が供給される。
試料室14のガス圧力(真空度)は、バルブ16の開度
と真空ポンプ15の動作の制御により0.1〜数10T
orr程度に保たれる。試料室14の気体は圧力制限オリ
フィス8を通じて真空室2にも流入するが、真空ポンプ
3により真空室2の圧力は試料室14のそれよりも小さ
い圧力(真空度の高い状態)、例えば圧力制限オリフィ
ス8の真上で10-2〜10-3Torr程度に保たれる。な
お、実際には、真空室2は不図示のオリフィスにより複
数の部屋に区分される。それぞれの部屋は、別々の真空
ポンプにて真空排気される(このような排気方法を差動
排気と呼ぶ)。従って、真空室2の圧力は上側の部屋ほ
ど小さく、電子銃1の置かれた部屋で最小となる。試料
室14の内部には、観察対象の試料13が収納される。
2次電子検出電極9には、ハーメチックシール10を介
して可変電圧源11より試料13に対する正の電圧が印
加される。2次電子検出電極9に取り込まれる2次電子
信号はプリアンプ12を介して不図示の処理装置に送ら
れる。
【0004】試料13の観察時には、真空室2の内部の
電子銃1から放出された1次電子のビームがコンデンサ
レンズ4、対物レンズ6により圧力制限オリフィス8を
通過して試料13上に集束され、この集束された1次電
子ビームがスキャンコイル5にて走査される。このと
き、試料13から放出される2次電子は、2次電子検出
電極9が作り出す電場中でガス分子と衝突を繰り返して
増倍され、その後に2次電子検出電極9に取り込まれ
る。ガス増幅の過程で正のイオンが生成され、その正イ
オンは試料13に降り注ぐ。従って、試料13が絶縁物
であっても、1次電子ビームの照射による負の帯電が中
和され、導電処理が不要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した図13の電子
顕微鏡による試料の観察を、人間が試料を直接観察する
場合に例えると、2次電子検出電極9が試料の照明源
に、電子銃1が観察者の目にそれぞれ相当する。図13
の例では、電子銃1から放出された1次電子ビームと2
次電子検出電極9とが同軸上にあるため、得られる2次
電子像(試料像)は真上から試料を照明し、真上からそ
れを見たような像となる。従って、影のない凹凸感に乏
しい像しか得られず、試料13の表面状態の判別が困難
なことがある。例えば、図14に示したように断面が台
形状の試料13を図の左方から右方へ電子ビームで走査
した場合、試料13の左側面13a、上面13b及び右
側面13cからそれぞれ放出された2次電子se1、s
e2、se3がいずれもガス増倍されて2次電子検出電
極9に取り込まれる。従って、2次電子検出電極9にて
検出される2次電子信号は、図15に示すように試料1
3の段差部分である側面13a、13cの位置(一点鎖
線A、Bの位置)で略等しいピーク値を示し、両ピーク
値の間(試料13の上面13bに相当)が凸なのか凹な
のか判別し難い。
【0006】本発明の目的は、2次電子をガス増倍して
検出する環境制御型の走査型電子顕微鏡において、凹凸
感を強調した試料像を形成可能とすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の実施の形態を示
す図1及び図2を参照して説明すると、請求項1の発明
は、1次電子の照射に応答して試料13から発生した2
次電子を低真空のガス雰囲気中で増倍して2次電子検出
手段に取り込む走査型電子顕微鏡に適用される。そし
て、2次電子検出手段が、1次電子のビーム軌道を取り
囲むように設けられる第1の2次電子検出電極9と、第
1の2次電子検出電極9の外周の一部の領域に設けられ
る第2の2次電子検出電極18と、を有することによ
り、上述した目的を達成する。図6及び図7を参照して
説明すると、請求項2の発明では、請求項1記載の走査
型電子顕微鏡において、第1の2次電子検出電極22
A、22Bが、ビーム軌道の周方向に電気的に分割され
た状態で複数設けられている。図11を参照して説明す
ると、請求項3の発明では、請求項1記載の走査型電子
顕微鏡において、第2の2次電子検出電極18が、ビー
ム軌道の周方向に複数設けられている。図1を参照して
説明すると、請求項4の発明では、請求項1記載の走査
型電子顕微鏡において、第1の2次電子検出電極9にて
検出された2次電子信号と、第2の2次電子検出電極1
8にて検出された2次電子信号とを所定の割合で加算す
る処理回路21を備える。図6及び図7を参照して説明
すると、請求項5の発明では、1次電子の照射に応答し
て試料から発生した2次電子を低真空のガス雰囲気中で
増倍して2次電子検出電極22A、22Bに取り込む走
査型電子顕微鏡において、2次電子検出電極22A、2
2Bを、ビーム軌道の周方向に電気的に分割された状態
で複数設けて上述した目的を達成する。図1及び図2を
参照して説明すると、請求項6の発明では、1次電子の
照射に応答して試料13から発生した2次電子を低真空
のガス雰囲気中で増倍して2次電子検出手段に取り込む
走査型電子顕微鏡において、2次電子検出手段が、試料
13の鉛直上方に設けられる第1の2次電子検出電極9
と、第1の2次電子検出電極9の外周の一部の領域に設
けられる第2の2次電子検出電極18と、を有すること
により、上述した目的を達成する。請求項7の発明で
は、電子線源1から射出された1次電子の通路を形成す
る真空室2と、真空室2に圧力制限開口8を介して連設
され、内部には試料13が収納される試料室14と、試
料室14を真空排気する真空排気手段15と、試料室1
4内において圧力制限開口8を周方向に取り囲むように
設けられる第1の電極9と、試料室14内において第1
の電極9の外周の一部の領域に設けられる第2の電極1
8と、試料13に対する正の電圧を第1の電極9及び第
2の電極18に印加する電圧源11、19と、電子増倍
作用を有するガスを試料室14内の第1の電極9及び第
2の電極18と試料13との間に供給するガス供給手段
17と、を具備する走査型電子顕微鏡により、上述した
目的を達成する。図6及び図7を参照して説明すると、
請求項8の発明では、電子線源1から射出された1次電
子の通路を形成する真空室2と、真空室2に圧力制限開
口8を介して連設され、内部には試料13が収納される
試料室14と、試料室14を真空排気する真空排気手段
15と、圧力制限開口8の周方向に電気的に分割された
状態で試料室14内に設けられる複数の電極22A、2
2Bと、試料13に対する正の電圧を複数の電極22
A、22Bに印加する電圧源24A、24Bと、電子増
倍作用を有するガスを試料室14内の複数の電極22
A、22Bと試料13との間に供給するガス供給手段1
7と、を具備する走査型電子顕微鏡により、上述した目
的を達成する。
【0008】請求項1の発明によれば、試料13を真上
から照明してそれを真上から観察したような2次電子信
号が第1の2次電子検出電極9にて検出される一方、第
2の2次電子検出電極18では、試料13を側方から照
明してそれを真上から観察したような2次電子信号が検
出される。この第2の2次電子検出電極18の検出信号
には試料13の凹凸を示す情報が含まれるから、これを
利用して凹凸感が強調された試料像を形成できる。請求
項2の発明によれば、複数の第1の2次電子検出電極2
2A、22Bが、1次電子のビーム軌道の周囲の互いに
異なる位置で2次電子を検出するから、各電極22A、
22Bの検出信号のそれぞれに試料13の凹凸を示す情
報が含まれるようになる。請求項3の発明によれば、第
1の2次電子検出電極9にて検出される2次電子信号
と、複数の第2の2次電子検出電極18にて検出される
2次電子信号のうち、試料像の凹凸感を強調するために
適当な1又は2以上の信号を任意に選択できるようにな
る。請求項4の発明によれば、二種類の電極9、18の
検出信号の加算の割合に応じて試料像の凹凸感を任意に
作り出せる。請求項5の発明によれば、複数の2次電子
検出電極22A、22Bが、1次電子のビーム軌道の周
囲の互いに異なる位置で2次電子を検出するから、各電
極22A、22Bの検出信号のそれぞれに試料13の凹
凸を示す情報が含まれるようになる。請求項6の発明に
よれば、第1の2次電子検出電極9が作り出す電場によ
り、試料13の真上で2次電子がガス増倍されて正イオ
ンが生成されるから、試料13が絶縁体であってもこれ
を電気的に中和できる。第2の2次電子検出電極18の
検出信号を利用して凹凸感のある試料像を形成できる。
請求項7の発明では、真空排気手段15とガス供給手段
17とによって電極9、18と試料13との間を低真空
のガス雰囲気に調整して電極9、18に正電圧を印加し
た状態で、電子線源1から真空室2及び圧力制限開口8
を経て試料13に1次電子を照射して2次電子を放出さ
せる。放出された2次電子は電極9、18が作り出す電
場の下でガス増倍されて電極9、18に取り込まれる。
第2の電極18は試料13の側方に位置するため、これ
に取り込まれた2次電子により凹凸感の強調された試料
像を形成できる。第1の電極9への正電圧の印加により
1次電子のビーム軌道の回りで2次電子がガス増倍され
て正イオンが生成され、その正イオンは容易に試料13
に到達する。従って、試料13が絶縁体であっても、こ
れを電気的に中和させることができる。第1の電極9に
取り込まれた2次電子も試料像の形成に利用できる。請
求項8の発明では、真空排気手段15とガス供給手段1
7とによって電極9、18と試料13との間を低真空の
ガス雰囲気に調整して電極22A、22Bに正電圧を印
加した状態で、電子線源1から真空室2及び圧力制限開
口8を経て試料13に1次電子を照射して2次電子を放
出させる。放出された2次電子は電極22A、22Bが
作り出す電場の下でガス増倍されて電極22A、22B
に取り込まれる。各電極22A、22Bが1次電子のビ
ーム軌道の周囲の互いに異なる位置に設けられるため、
これらに取り込まれた2次電子により凹凸感の強調され
た試料像を形成できる。電極22A、22Bの作り出す
電場により1次電子のビーム軌道の回りで2次電子がガ
ス増倍されて正イオンが生成され、その正イオンは容易
に試料13に到達する。従って、試料13が絶縁体であ
っても、これを電気的に中和させることができる。
【0009】なお、上記では本発明を分かり易くするた
めに実施の形態の図を参照したが、これにより本発明が
図示の形態に限定されるものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】図1〜図12を参照して本発明の
実施の形態を説明する。なお、各図において上述した図
13〜図15と共通する部分には同一符号を付し、説明
を省略する。図4及び図9では縦横軸の表示を省略した
が、それらは図14と同じである。
【0011】−第1の実施の形態− 図1は本発明の第1の実施の形態に係る環境制御型の走
査型電子顕微鏡の概略を、図2は図1の2次電子検出電
極を試料側から見上げた状態をそれぞれ示す。図1の電
子顕微鏡では、2次電子検出電極9の外側に別の2次電
子検出電極18が設けられている。この2次電子検出電
極18には、可変電圧源19から試料13に対する正の
電圧が印加される。図2から明らかなように、2次電子
検出電極9が圧力制限オリフィス8と同軸の一枚の円板
状であるのに対して、2次電子検出電極18は電極9の
外周の一部のみに孤立的に設けられている。図1に示す
ように、各電極9、18からの2次電子信号はプリアン
プ12、20にてそれぞれ増幅されて加算回路21に入
力される。加算回路21は両電極9、18からの2次電
子信号を任意の割合で加算する。
【0012】図3に示すように、断面が台形状の試料1
3を図の左右方向に電子ビームで走査した場合、各2次
電子検出電極9、18にて検出される2次電子信号は図
4の(a)及び(b)にそれぞれ示したように変化す
る。これらを順に説明すると、図4(a)に示すよう
に、2次電子検出電極9では、試料13の側面13a、
13cの位置(一点鎖線A、Bの位置,図4(b)、
(c)も同じ。)でほぼ等しいピーク値を有する2次電
子信号が検出される。この点は図14の例と同じであ
る。一方、2次電子検出電極18では、これが試料13
に対して特定方向(図示例では右方)に偏って配置され
ているため、2次電子検出電極9とは異なる信号が得ら
れる。すなわち、図5に示すように2次電子検出電極1
8に対して試料13の左側面13aが逆方向を向くた
め、左側面13aから放出された2次電子se1の少な
くとも一部は試料13自身に遮られて2次電子検出器1
8には取り込まれない。従って、2次電子検出電極18
にて検出される2次電子信号には、図4(b)に示すよ
うに、左側面13a側で小さいピーク値が、右側面13
c側で大きなピーク値がそれぞれ出現する。この状態
は、試料13を右側方から照明しつつ真上から観察する
のに等しい。
【0013】以上のように2次電子検出電極18では試
料13の側面の方向に応じて異なった2次電子信号が得
られるため、これを加算回路21おいて2次電子検出電
極9からの信号に任意の割合で加算すれば、図4(c)
に示すような2次電子信号が得られる。図4(c)の例
では、右側面13c側のピーク値と左側面13a側のピ
ーク値とに差が存在するため、ピーク値の大きい方を明
部に、低い方を暗部として処理すれば、凹凸感の強調さ
れた試料像が得られる。ピーク値の差は、加算回路21
における加算の割合によって任意に変化させることがで
きる。2次電子検出電極18にて検出された信号の割合
を大きくするほどピーク値の差が拡大する。二つの2次
電子信号の加算の割合を指示する指示装置を加算回路2
1に接続し、試料像の凹凸感が最も強調される最適な割
合をオペレータが選択できるようにするとよい。試料像
のコントラストを自動的に検出し、最適な割合を自動調
整するようにしてもよい。
【0014】なお、図4(b)から明らかなように、試
料13に対して側方に位置する2次電子検出電極18の
みで2次電子を検出した場合も凹凸感の強調は可能であ
る。しかしながら、その場合には2次電子検出電極18
によって作り出される電場のみでガス増倍が行われるた
め、図5に示すようにガス増倍で生じる正イオンPiが
試料13に降り注がず、試料13が絶縁体の場合にその
帯電が中和されないおそれがある。従って、試料13が
絶縁体のとき、電極9に対する正電圧の印加は必須であ
る。
【0015】−第2の実施の形態− 図6は本発明の第2の実施の形態に係る環境制御型の走
査型電子顕微鏡の概略を、図7は図6の2次電子検出電
極を試料側から見上げた状態をそれぞれ示す。なお、図
1及び図2と共通する部分には同一符号を付してある。
図6及び図7の走査型電子顕微鏡は、上述した図1の2
次電子検出電極9に代えて半円状の2枚の2次電子検出
電極22A、22Bを設けたものである。電極22A、
22Bの間には絶縁体23が介装され、従って、両電極
22A、22Bは電気的に分割されている。両電極22
A、22Bには、試料13に対する正の電圧が可変電圧
源24A、24Bからそれぞれ印加される。電極18、
22A、22Bからの2次電子信号はプリアンプ20、
25A、25Bにてそれぞれ増幅されて加算回路26に
入力される。加算回路26は各電極20、25A、25
Bからの2次電子信号のうち、少なくとも2つの信号を
任意の割合で加算する。
【0016】図8は、図3と同様の断面が台形状の試料
13を電子ビームで走査した場合の各2次電子検出電極
22A、22B、18と試料13から発生する2次電子
se1〜se3との関係を示し、この場合に電極22
A、22B、18にて検出される2次電子信号を図9の
(a)、(b)及び(c)にそれぞれ示す。なお、図9
の一点鎖線Aは左側面13aの位置を、一点鎖線Bは右
側面13cの位置をそれぞれ示す。試料13の左側に偏
った2次電子検出電極22Aにて検出される2次電子信
号には、図9(a)に示すように、左側面13aの位置
で大きいピーク値が、右側面13cの位置で小さいピー
ク値がそれぞれ出現する。反対に、試料13の右側に偏
った2次電子検出電極22Bにて検出される2次電子信
号には、図9(b)に示すように、左側面13aの位置
で小さいピーク値が、右側面13cの位置で大きなピー
ク値がそれぞれ出現する。電極18で検出される2次電
子信号は図9(c)の通りであり、これは図4(b)の
例に等しい。
【0017】以上の2次電子検出信号に対して、例えば
電極22Aの信号から電極22Bの信号を1:−1の比
率で加算、換言すれば電極22Aの信号から電極22B
の信号を1:1の比率で減算すると図9(d)に示す2
次電子信号が得られる。この信号では、左側面13aの
位置で正のピーク値が、右側面13cで負のピーク値が
それぞれ出現している。従って、図4(c)の例にも増
して試料像の凹凸を強調できる。なお、電極22A、2
2Bにて検出した信号を加算する例に限らず、3つの2
次電子信号のうち少なくとも2つの信号を選択し、任意
の割合で加算してよい。加算処理の内容を指示する入力
装置を加算回路26に接続し、試料を観察する毎にオペ
レータが最適な処理を選択できるようにするとよい。処
理内容を変化させつつ試料像のコントラストを自動的に
検出して最適な処理を自動的に選択するようにしてもよ
い。
【0018】−第3の実施の形態− 図10は本発明の第3の実施の形態に係る環境制御型の
走査型電子顕微鏡の概略を、図11は図10の2次電子
検出電極を試料側から見上げた状態をそれぞれ示す。な
お、図1及び図2と共通する部分には同一符号を付して
ある。図10及び図11の走査型電子顕微鏡は、2次電
子検出電極9の外周を4等分する位置に2次電子検出電
極18をそれぞれ1つずつ合計4個設けたものである。
各電極18には1:1に対応させて可変電圧源19が接
続される。それぞれの可変電圧源19から各電極13に
は試料13に対する正の電圧が印加される。各電極9、
18にて検出された2次電子信号はプリアンプ12、2
0にてそれぞれ増幅されて加算回路27に入力される。
加算回路27は、単一の2次電子検出電極9と、4つの
2次電子検出電極18の合計5つの電極からの2次電子
信号のうち、少なくとも2つの信号を任意の割合で加算
して試料像の凹凸感を強調する。加算処理の内容は、図
6の例と同様にオペレータが適宜選択できるようにする
とよい。なお、2次電子検出電極18は、2次電子検出
電極9の外周を4等分する位置に限らず、2以上の任意
の位置に設けることができる。この形態でも、加算回路
27の処理内容をオペレータにより選択可能とし、ある
いは自動調整可能とすることが好ましい。
【0019】図1〜図11の形態では、圧力制限オリフ
ィス8を取り囲むように配置された電極9、22A、2
2Bと、それよりも外側の電極18とを組合わせたが本
発明はそのような形態に限らない。図9(d)の例から
明らかなように、2次電子検出電極18の検出信号を用
いなくても試料像の凹凸感を形成することは可能である
から、例えば図12(a)に示すように圧力制限オリフ
ィス8の回りに絶縁体30にて分割された複数の電極3
1A、31B、31C、31Dを設けるだけでもよい。
この場合も電極の数は4個に限らない。さらに、図12
(b)に示したように、電極31A〜31Dの外側に電
極18を複数設けてもよい。この例では、電極31A〜
31Dの分割位置と電極18の位置とを合せてあるが、
そのような形態に限らないことは勿論である。複数の電
極にて検出された2次電子信号を記憶装置に一旦記憶さ
せ、試料の走査が終了した後に最適な加算処理を探索す
るようにしてもよい。
【0020】以上の形態では、2次電子検出電極9、2
2A、22B、31A、31B、31C、31Dが第1
の2次電子検出電極及び第1の電極を、2次電子検出電
極18が第2の2次電子検出電極及び第2の電極を、加
算回路21、26、27が処理回路を、圧力制限オリフ
ィス8が圧力制限開口を、真空ポンプ15が真空排気手
段を、気体供給源17がガス供給手段を、それぞれ構成
する。なお、加算回路21、26、27にて複数の電極
からの2次電子信号を加算せず、試料の凹凸感を最も強
調できるいずれか一つの2次電子信号により試料像を形
成してもよい。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
1次電子のビーム軌道の周囲の互いに異なる位置に設け
られた複数の2次電子検出電極にて2次電子を検出可能
としたので、試料像の凹凸感を強調してその観察を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る走査型電子顕
微鏡の概略を示す図。
【図2】図1の2次電子検出電極を試料側から見上げた
状態を示す図。
【図3】図1の走査型電子顕微鏡により断面が台形状の
試料を観察するときの2次電子と2次電子検出電極との
関係を示す図。
【図4】図3の観察時に2次電子検出電極にて検出され
る2次電子信号と、それらを加算処理した信号とを示す
図。
【図5】図3において試料の側方に配置された2次電子
検出電極に2次電子が取り込まれるときの様子を示す
図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る走査型電子顕
微鏡の概略を示す図。
【図7】図6の2次電子検出電極を試料側から見上げた
状態を示す図。
【図8】図6の走査型電子顕微鏡により断面が台形状の
試料を観察するときの2次電子と2次電子検出電極との
関係を示す図。
【図9】図8の観察時に2次電子検出電極にて検出され
る2次電子信号と、それらを加算処理した信号とを示す
図。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る走査型電子
顕微鏡の概略を示す図。
【図11】図10の2次電子検出電極を試料側から見上
げた状態を示す図。
【図12】図2、図7、図11を変形した形態を示す
図。
【図13】従来の環境制御型の走査型電子顕微鏡の概略
を示す図。
【図14】図13の走査型電子顕微鏡により断面が台形
状の試料を観察するときの2次電子と2次電子検出電極
との関係を示す図。
【図15】図14の観察時に2次電子検出電極にて検出
される2次電子信号を示す図。
【符号の説明】
2 真空室 8 圧力制限オリフィス 9,18,22A,22B,31A,31B,31C,
31D 2次電子検出電極 13 試料 14 試料室 15 真空ポンプ 17 気体供給源 21,26,27 加算回路 se1,se2,se3 2次電子

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次電子の照射に応答して試料から発生
    した2次電子を低真空のガス雰囲気中で増倍して2次電
    子検出手段に取り込む走査型電子顕微鏡において、 前記2次電子検出手段は、前記1次電子のビーム軌道を
    取り囲むように設けられる第1の2次電子検出電極と、
    前記第1の2次電子検出電極の外周の一部の領域に設け
    られる第2の2次電子検出電極と、を有することを特徴
    とする走査型電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の走査型電子顕微鏡におい
    て、 前記第1の2次電子検出電極が、前記ビーム軌道の周方
    向に電気的に分割された状態で複数設けられていること
    を特徴とする走査型電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の走査型電子顕微鏡におい
    て、 前記第2の2次電子検出電極が、前記ビーム軌道の周方
    向に複数設けられていることを特徴とする走査型電子顕
    微鏡。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の走査型電子顕微鏡におい
    て、 前記第1の2次電子検出電極にて検出された2次電子信
    号と、前記第2の2次電子検出電極にて検出された2次
    電子信号とを所定の割合で加算する処理回路を備えるこ
    とを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  5. 【請求項5】 1次電子の照射に応答して試料から発生
    した2次電子を低真空のガス雰囲気中で増倍して2次電
    子検出電極に取り込む走査型電子顕微鏡において、 前記2次電子検出電極が、前記ビーム軌道の周方向に電
    気的に分割された状態で複数設けられていることを特徴
    とする走査型電子顕微鏡。
  6. 【請求項6】 1次電子の照射に応答して試料から発生
    した2次電子を低真空のガス雰囲気中で増倍して2次電
    子検出手段に取り込む走査型電子顕微鏡において、 前記2次電子検出手段は、前記試料の鉛直上方に設けら
    れる第1の2次電子検出電極と、前記第1の2次電子検
    出電極の外周の一部の領域に設けられる第2の2次電子
    検出電極と、を有することを特徴とする走査型電子顕微
    鏡。
  7. 【請求項7】 電子線源から射出された1次電子の通路
    を形成する真空室と、 前記真空室に圧力制限開口を介して連設され、内部には
    試料が収納される試料室と、 前記試料室を真空排気する真空排気手段と、 前記試料室内において前記圧力制限開口を周方向に取り
    囲むように設けられる第1の電極と、 前記試料室内において前記第1の電極の外周の一部の領
    域に設けられる第2の電極と、 前記試料に対する正の電圧を前記第1の電極及び前記第
    2の電極に印加する電圧源と、 電子増倍作用を有するガスを前記試料室内の前記第1の
    電極及び第2の電極と前記試料との間に供給するガス供
    給手段と、を具備する走査型電子顕微鏡。
  8. 【請求項8】 電子線源から射出された1次電子の通路
    を形成する真空室と、 前記真空室に圧力制限開口を介して連設され、内部には
    試料が収納される試料室と、 前記試料室を真空排気する真空排気手段と、 前記圧力制限開口の周方向に電気的に分割された状態で
    前記試料室内に設けられる複数の電極と、 前記試料に対する正の電圧を前記複数の電極に印加する
    電圧源と、 電子増倍作用を有するガスを前記試料室内の前記複数の
    電極と前記試料との間に供給するガス供給手段と、を具
    備する走査型電子顕微鏡。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030080375A (ko) * 2002-04-08 2003-10-17 삼성전자주식회사 원통형 2차 전자 검출기를 구비하는 주사 전자 현미경
JP2008117690A (ja) * 2006-11-07 2008-05-22 Hitachi High-Technologies Corp ガス増幅形検出器およびそれを用いた電子線応用装置

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