JPH09506467A - 針及び隔膜のような抽出電極を有する電子源を具えている粒子−光学装置 - Google Patents

針及び隔膜のような抽出電極を有する電子源を具えている粒子−光学装置

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JPH09506467A JP8511562A JP51156296A JPH09506467A JP H09506467 A JPH09506467 A JP H09506467A JP 8511562 A JP8511562 A JP 8511562A JP 51156296 A JP51156296 A JP 51156296A JP H09506467 A JPH09506467 A JP H09506467A
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Abstract

(57)【要約】 電子顕微鏡用の電子源(1)には針状の電子放射体(20)と、この針状の電子放射体(20)の先端(21)から少し離れて配置される隔膜のような完全に閉成された抽出電極(22)とが設けられ、放射体(20)と抽出電極(22)との間に電圧が印加される。抽出電極(22)の厚さは、電圧の影響下で隔膜に入射する電子の実用少量部が無視できるほどの小さなエネルギー損で隔膜をその反対側へと横切るような厚さとする。このようにすることにより、電子源を容易に整列させることができ、しかも電圧を変えることによって、放射ビームのエネルギーの広がりを任意の小さな値に制御することができる。電子源の放射部内に高電圧が存在しないから、極めてコンパクトな電子源を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 針及び隔膜のような抽出電極を有する電子源を具えている粒子−光学装置 本発明は針状の導体と、この針状導体の先端に対向して、この先端から少し離 れて配置される隔膜のような導電性の抽出電極と、前記針状導体と前記抽出電極 との間に電圧を印加する手段とを具備した自由電子ビーム発生用の電子源を具え ている粒子−光学装置に関するものである。 斯種の粒子−光学装置に使用する電子源は欧州特許EP0366851から既 知である。 粒子−光学装置に使用する電子源は一般に多種多様のものが知られている。金 属又は金属酸化物の熱エミッター、電解放射源、半導体エミッター、ショットキ ーエミッター及び金属−絶縁体−金属(MIM)陰極が既知である。粒子−光学 装置(例えば電子顕微鏡)に使用する電子源としては、一般に輝度が高く、ビー ム電流が一定で、放射ビームにおける電子のエネルギーの広がりが小さく、電子 源が機械的に頑丈で、しかも構成が簡単であるような諸特性が所望される。電子 −光学装置の用途分野に応じて、これらの諸特性のうちの種々のものを強調させ る。 前記援用した欧州特許の明細書には、タングステンの針を厚さが1μm以下の 抽出電極に対向して配置する電子源が開示されている。タングステンの針は、そ の先端が原子レベルの鋭さを有するように形成され、即ち、この針の先端は単一 原子か又は例えば3原子(“三量体”)の原子団によって形成される。抽出電極 には直径がこの電極の厚さ程度の大きさの丸い開口を設ける。援用した欧州特許 明細書のそのほかの所では、針の先端と開口との間の距離を開口の直径程度の大 きさとするも、この距離は1〜10ナノメートルとする旨記載されている。斯か る欧州特許からは開口の大きさについてさらなる指示は得ることができない。 既知のように、電子源の輝度(定電流で、しかも放射空間角度が一定)は電子 放射面の大きさに反比例するため、斯かる電子源により高輝度を達成することが でき、これは電子源の針の先端がとがっているからである。 針の先端をとがらせることは従来の電子源にとっては必須の重要なことである 。しかし、斯様な鋭い先端を有する針を作るにはかなりの労力が必要である。さ らに、針を抽出電極における開口の中心線に正確に対向させて配置する必要があ り、針と抽出電極との間の距離も絶えず観察しなければならない。最後に、斯か る従来構成のものでは、上述したような針の整列時に(例えば、熱の影響による )変化を防止するか、又は補償するための特殊な工程を必要とする。 従来の電子源の抽出電極における開口は極めて正確に円形とする必要があり、 その理由は、さもなければ電子ビームの非点収差又は他の変形を来すからであり 、これは斯種の電子源の実用的なあらゆる用途にとって容認できないことである 。しかしながら、斯様な直径(即ち、1μm又は1〜10nm程度の大きさ)の 開口を所望な精度で丸くするように形成するには異議の余地がある。 本発明の目的は構成が簡単で、より一層容易に作動させることができる電子源 を具えている冒頭にて述べた種類の粒子−光学装置を提供することにある。 このために、本発明による粒子−光学装置は、隔膜のような抽出電極を完全に 閉成し、且つ前記抽出電極の厚さを、電圧の影響下で前記隔膜上に入射する電子 の実用少量部があらゆる実用目的にとって無視し得るほどに小さいエネルギー損 で前記隔膜をその反対側へと横切るような厚さとすることを特徴とする。 針の距離、隔膜の厚さ及び電子源の針電圧は、針先から出る電子の有効量が抽 出電極を貫通して、この電極の反対側に電子ビームとして出るように選定するこ とができる。次いで、必要ならば、このビームの後段加速又はフォーカッシング の如きさらなる調整を行うことができる。電子源を一定のビーム電流で作動させ る必要がある場合には、抽出電極における漏れ電流を制御可変として用いること ができ、これは斯かる漏れ電流がビーム電流の一定の少量部に相当すからである 。 本発明の電子源が従来の電子源より優れている主たる利点は後に詳述するよう に、本発明による電子源におけるエネルギーの広がりは調整可能であり、これは 必要ならば極めて小さな値とすることができるということにある。 本発明による電子源には抽出電極に開口が全くないため、開口の形状及び針の 整列に関する厳格な要求は最早不要である。さらに、針は最早原子レベルにとが らせて製造する必要がなく、針の先端は通常の技法で十分に形成し得る。顕微鏡 視的には依然針先に.定の不規則性があるため、常に突起が存在する。この場合 、抽出電極に最も近い所に位置する突起が自動的に放射点として作用する。必要 ならば、電子源のパラメータ(針と隔膜との間の距離、針電圧、隔膜上の適当な 位置の選定)をビームの放射中に最適化することができる。このことは従来の電 子源ではできないことがある。その理由は、この電子源はそれを適切に整列させ た後にしかビームを発生させないからである。本発明による電子源では原則とし て針先を位置させる場所、即ち針先を抽出電極のどの部分に対向して位置させる かは関係ないことである。重要なことは、針を隔膜から正しい距離の所に位置さ せて、抽出電極の厚さが均一の場合に、針を3つの方向にて位置決めする。(即 ち、x方向、y方向にも)必要のある従来の電子源とは異なり、一方向において のみ位置決めする必要があるということだけである。 本発明のさらなる利点は、完全に閉成された隔壁を使用するため、開口を具え ている抽出電極の場合よりも針電圧を遥かに低くすることができるということに ある。これは完全に閉成された隔膜の場合には電極を隔膜の表面から任意の短い 距離の所に配置して、電圧をそれに比例して低減させることができるからである 。開口を具えている抽出電極の場合にも針を電極の平面に接近して位置付けるこ とができても、針先が開口内に突出するため、針の先端と電極の材料との間の距 離を任意に短くすることはできない。 針電圧が低いため、抽出電極に入射する電子は、この汎用の十分な大きさの隔 膜に入射する電子の少量部をあらゆる実用目的にとって無視できるほどの小さな エネルギー損で抽出電極の出口側に帰着させるのに十分な貫通力を有する。この 現象は、電子材料中で電子と衝突する原子の有効横断面が電子のエネルギーに強 力に依存するということによるものである。斯かる横断面は50eV程度の大き さの値に対して最大となり、この電子エネルギーの値が低くなるにつれて強力に 低減する。従って、針電圧、即ち電子エネルギーをできるだけ低い値に選定する のが有利である。 ビームのエネルギーの広がりは、本発明によれば、針状導体と抽出電極との間 に電圧を印加する手段を可調整として、その間の電圧値を抽出電極の材料の内部 電位よりも1mV〜1Vだけ高い値に調整することができるようにする。ビーム のエネルギーの広がりは実質上出口の電圧以上の大きさに相当する値とするため 、このビームのエネルギーの広がりを25mV(即ち、300Kの周囲温度に関 連する熱のひろがり程度の大きさに抑えることができる。 本発明の他の好適例によれば、電子源の動作中に針先と抽出電極との間の距離 を変えるための手段を電子源に設ける。この変形例を利用して電子源の電流を所 望値に調整することができる。所望ならば、粗制御用に抽出電極までの距離を用 い、精密制御用には針電圧を用いることができる。距離制御は特に、新しい針の 設置後に電子源を再調整する必要のある場合に有利である。 隔膜のような抽出電極の製造中には、この電極の厚さが全体的に均一にならな いことが起こり得る。このような場合には、電子源にその調整中に電子を放射さ せて、放射スポット付近における抽出電極の最適な厚さの個所を探索するのが有 効である。この探索を容易にするために、本発明による電子源には、電子源の動 作中に抽出電極の表面に対して針先を平行に動かす手段を設ける。 本発明による電子源のさらに他の好適例は、抽出電極を自由電子ビーム操作用 の他の粒子−光学素子と機械的に一体としたことを特徴とする。例えば、抽出電 極の、針とは反対側には電子−光学部品を構成する多様な導電性及び/又は絶縁 性のパターンを設ける。このような例には、加速電極、ソースレンズ又は偏向器 がある。このようにして偏向電界又は多極効果を作り出すためには環状電極を中 断させることによって複数のセグメントに細分割することもできる。 さらに本発明の好適例は、前記抽出電極が真空空所と周囲の環境との間の境界 を構成する真空壁としても作用し、前記針状導体が前記環境内に存在するように したことを特徴とする。本発明による電子源の適切な作動にとっては、針を真空 中に設ける必要はなく、この針は条件付き又は例えば大気圧の環境のような条件 付きでない環境に設けることもできる。このことは電子源への接近を容易とし、 従ってその使用が容易となる。 本発明の他の好適例は、針状導体と抽出電極との間に電圧を印加する手段を、 この手段がパルス化電圧を供給するように構成したことを特徴とする。 本発明による電子源の諸特性は、1GHzよりも高くし得る極めて高いパルス 繰返し周波数を有するビーム電流の極めて短いパルスを発生させるのに特に好適 である。この可能性は次のような諸特性によるものである。即ち、 1.針と抽出電極との間の電圧差の大きさが数ボルト程度のものであっても、電 子は僅か50meV程度の大きさ(出口の電圧はそれ以上となる)で加速され、 従ってビーム電流をゼロと最大値との間にて変えるのに小さな電圧スウィング( 即ち、50mV)を必要とするだけである。 2.電子源内の電圧は低いため、この電子源は極めて小さな寸法にて構成するこ とができる。従って、寄生容量もそれに比例して減少するため、パルスのスイッ チング時間を増大させることもできる。 以下本発明を図面につき詳細に説明するに、ここに対応する参照番号は対応す る素子を示すものとする。 図1は本発明による電子源を具えている電子顕微鏡形態の粒子−光学装置の図 式断面図であり、 図2は本発明による電子源の一実施例を詳細に示した線図であり、 図3は本発明による電子源内の電位変化を示した線図であり、 図4は本発明による電子源内の針を動かすための手段を詳細に示した図であり 、 図5は本発明による電子源における電極構成を詳細に示した図であり、 図6は本発明による電子源に使用するための、珪素窒化物又は酸化物の層を有 する珪素ウェハから形成される導電性の隔膜を異方性エッチングを用いて製造す る方法を示し、 図7は珪素隔膜上の薄い金属箔から形成したナノ隔膜を示し、 図8は隔膜に対する針状導体の2通りの位置付け法を示し、 図9珪素酸化物と珪素窒化物との組合せにより形成する導電性隔膜の製造方法 を示し、 図10はSOIウェハを用い、これからナノ隔膜を形成し得るようにする隔膜 の製造方法を示す。 図1は電子顕微鏡形態の粒子−光学装置を示す。この装置は、電子源1、ビー ムアライメント系3、ビーム絞り4、コンデンサーレンズ6、対物レンズ8、ビ ーム走査系10、試料ホルダー13が内部に配置される物体空間11、回折レン ズ12、中間レンズ14、投影レンズ16及び電子検出器18を具えている。対 物レンズ8、中間レンズ14及び投影レンズ16が相俟って結像レンズ系を構成 する。上記それぞれの構成要素は電子源用の給電リード2、観察窓7及び真空ポ ンピング装置17を有するハウジング19内に収納される。対物レンズ8の励起 コイルは制御ユニット15に接続され、この制御ユニットは結像レンズ系の励起 を制御すべく構成する。電子顕微鏡は、電子検出器、像処理ユニット5及び形成 された像を観察するためのビデオディスプレイ9を含む記録ユニットも具えてい る。 図2は本発明による電子源1をより一層詳細に示したものである。針状の導体 20は、その先端21をとがらせる。針20は抽出電極の機能を果たす導電製の 隔膜22に対して垂直に向ける。抽出電極22と針20との間には電圧源24に よって電圧差をかけることができる。針20は針先を抽出電極に対して平行で、 しかも垂直に変位させる装置26に固着する。この装置は変位制御系28により 制御する。針20は装置26を介して担体プレート25に固着する。 針20の先端21はとがらせるが、この先端を作るのに原子レベルの鋭さを追 求する必要はなく、即ち針先はその頂点が1個又は数個の原子によって形成され る原子レベルにまで下げて先細にする必要はない。針の先端は、この針を抽出電 極22の限定された十分に薄い個所に対向して配置し得るように小さくすれば十 分である。先端21の表面に残存する不規則性のために原子スケールでは突出部 が依然存在し、この場合に抽出電極に最も近い個所にある突出部が自動的に放射 点として作用するようになる。 原則として抽出電極22用には任意の導電材料を選定することができ、この電 極の最適厚さは実験的に求めることができる。厚さが10nm程度の大きさの金 の隔膜によると、抽出電極の後ろに測定可能な電流が生じることを確かめた。針 先21と抽出電極22との間の距離も実験的に決定することができる。針は、走 査トンネル電子顕微鏡法から既知の技法によって斯かる抽出電極に対向して位置 付けることができる。この技法を用いて針先を抽出電極から約0.1nm程度の 短い距離の所に位置させることができる。 通常の電子源は適切に作動させるためには真空中に配置しなければならない。 本発明による電子源では、抽出電極の出口側を真空とする必要があるのであって 、針は必ずしも真空中に配置する必要はない。針は大気状態にある空間内に配置 することができ、このことは電子源の様々な部品への接近容易性の観点からして 大いに有利である。従って、電子源内への介入が、粒子−光学装置の試験空間の 、時には極めて低い真空度を乱されなくて済む。 針先21と抽出電極22との間の電圧は電圧源24によって供給する。前記ト ンネル顕微鏡法では、数ミリボルトから数ボルトまでの電位差があると、針先の 最先端の突出部のまわりの静電界が針先と、その反対側に位置する導電性の表面 との間にトンネル電流を生ぜしめるのに十分であることが確かめられている。本 発明による電子源では、針20と抽出電極22との間の電圧を同程度の大きさと する。この比較的低い電圧(5V程度の大きさ)のために、電子源の絶縁する部 分の絶縁に関して左程厳格な要求を課する必要がない。このように、特に電圧が 低いために、針は必ずしも真空中に配置する必要がない。 図3は電子ビームの電子形成部分のエネルギー図を示す。この電子は針20か ら放射されて、抽出電極22を横切った後に、陽極30と抽出電極22との間の 電界により加速される。針20、抽出電極22及び陽極30を図面では導電領域 として図式的に示している。これらの電極の上に、Z方向における走行径路(水 平方向)の関数として電子のエネルギーを垂直方向にプロットしてある。電子は 最初針20の材料内に存在する。所謂量子力学トンネル効果が発生するために、 電子はエネルギー損失なしで針の材料から離れて抽出電極22へと進み、この電 極内へ入る。電子を抽出電極から再び出現させることができるようにするために は、抽出電極22の材料の仕事関数Weに打ち勝つ必要がある。従って、針20 と抽出電極22との間に電圧差Vneをかけ、これを抽出電極の材料の仕事関数よ りも大きくする必要がある。電圧差Vneが仕事関数Weを越える量を放射電子の エネルギーの広がりΔEと称する。このエネルギーの広がりは針と抽出電極との 間の電圧Vneを変えることにより簡単に制御することができる。最後に、放射電 子は陽極30と抽出電極22との間の電圧差Veaによって加速される。この電圧 差Veaは針と抽出電極との間の電圧差Vneよりも遥に大きくするが、陽極と抽出 電極との間の距離が大きいため、陽極と抽出電極との間の電界は針と抽出電極と の間の電界よりも遙に小さい。 図4は、電子源の作動中に針先21と抽出電極22との間の距離を変えると共 に、作動中に針を抽出電極22の表面に対して平行に動かすための装置の実施例 をさらに詳細に示したものである。図4aは上記装置の長手方向の断面図である のに対し、図4bはこの装置の担体部分の断面図である。担体プレート25上に 円筒状の圧電素子27を固着し、針20をこの圧電素子の中心線上に配置する。 隔膜のような抽出電極22は3個の球状の支持体29を介して圧電素子27の上 側のフリーエッジ上に位置付ける。圧電素子27の外周を4つの等しい円形のセ クターに分けて、これらの各セクターに電極26−1,26−2,26−3又は 26−4を設ける。圧電素子27の全内周には電極31を設ける。電極26−1 ,26−2,26−3又は26−4の内の1つ以上の電極と、電極31との間に 電圧差をかけることによって円筒状圧電素子27の円筒軸方向の長さを変えるこ とができる。この電圧差は電圧源28によって供給される。4つの電極を同じ電 圧により励起すると、抽出電極22は軸線方向に動く。抽出電極22を針20に 対して横方向に変位させたい場合には、例えば電極26−1及び26−2を、同 程度に励起される電極26−3及び26−4以上に励起する。この場合、電極2 2は針の先端に対して、電極26−1と電極26−4との間の点及び電極26− 2と電極26−3との間の点を通過する中心線に対して垂直に延在する方向に変 位する。他の方向における横方向の変位も同じようにして実現することができる 。 図5は抽出電極22と機械的に一体化する電極の構成を示す。抽出電極の上に 絶縁材料層50を設け、この層の上に導電性のリング52を配置する。このリン グを介して抽出電界をかけて、抽出電極から出た電子を加速し得るようにする。 ビームにフォーカシング効果を及ぼすために第2の同心リング54を用いること ができる。しかし、所要に応じ、ビームをさらに操作するために、この電極54 を複数セグメントに分割して偏向電界又は多極電界を形成するようにすることも できる。本発明による電子源の作動電圧は低いため、抽出電極と、絶縁体(1個 又は複数)及びその上に設ける電極とにより形成されるアセンブリはマイクロ− 光学素子として簡単に構成することができ、この目的用にはマイクロエレクトロ ニクスの製造から既知の技法を用いることができる。針及び所要に応じ、変位装 置26も前記機械的なアセンブリの一部として形成することができる。 図6〜図10は本発明による電子源に使用する導電性の隔膜の製造方法を示す 。 図6の方法は厚さが0.1〜1μmで、幅が1〜100μmの標準の窒化珪素( 珪素酸化物)の隔膜で開始する。次いでその頂部表面に極めて薄い連続金属層を 被着する。これを所望される薄い連続膜とするためには多分非晶質膜、即ち、A uSi、ZrCu、----- を用いる必要がある。次いでこのサンドイッチ構体を 高エネルギーの重イオン、例えばU238に100MeVにて曝す。これらのイオ ンはサンドシウイッチ構体全体を横切って、絶縁体中にのみ所謂核破損トラック を形成する。これらの破損トラックは或る程度の選択性をもってエッチングする ことができる。非晶質窒化物又は酸化物のような等方性材料の場合には、エッチ ングによりエッチコーンが形成される。核破損トラックについてのさらなる情報 は“Review of Modern Physics”(55,907,1983年)におけるB.E.Fisher及びR .Spohhrによる論文にて見ることができる。次いで金属膜に達するまで絶縁層を エンチングする。斯くして得られるマイクロ隔膜の上に位置するナノ隔膜を図7 に示してある。ナノ隔膜の直径及び先端の鮮鋭度(先端頂角の丸み)に応じて、 隔膜の底部又は頂部面のいずれかを図8に示すように実現用に用いることができ る。 図9はSiの窒化物とSiの酸化物との組合せを用いるさらに精巧な方法を示 す。薄い窒化珪素層における核破損トラックをエッチングする。Si酸化物に対 する選択エッチングを後の段階にて適用し、窒化物をマスクとして用いてSi酸 化物に金属箔まで達する開口を開けるようにする。次いで、Si窒化物を剥離す る。 図10は他の方法を示す。ここでは、単結晶Siの異方性エッチングを適用す る。このために、SOI(絶縁体上の珪素)ウェハを用いてマイクロレベルで製 造される珪素(窒化物/酸化物ではない)隔膜を形成する。次いで金属膜を蒸着 し、このサンドイッチ構体を上述したように重イオンに曝す。核破損トラックは 酸化物層には形成され易いが、珪素にはそのように簡単には形成されない。次に 破損トラックをエッチングして開口を得る。次いでKOHを用いて珪素をエッチ ングすることにより、例えば異方性エッチングのために良好に規定された開口を 得ることができる。最後に、酸化物を剥離する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.*針状の導体(20)と、 *前記針状導体(20)の先端(21)に対向して、該先端から少し離れて 配置される隔膜のような導電性の抽出電極(22)と、 *前記針状導体(20)と前記抽出電極(22)との間に電圧を印加する手 段(24)とを具備した自由電子ビーム(23)発生用の電子源(1)を具えて いる粒子−光学装置において、 *前記隔膜のような抽出電極(22)を完全に閉成し、且つ *前記抽出電極(22)の厚さを、電圧の影響下で前記隔膜上に入射する電 子の実用少量部があらゆる実用目的にとって無視し得るほどに小さいエネルギー 損で前記隔膜をその反対側へと横切るような厚さとする ことを特徴とする粒子−光学装置。 2.前記針状導体(20)と前記抽出電極(22)との間に電圧を印加する手段 (24)を、前記抽出電極(22)の内部電位よりも1mV〜1Vの電圧値だけ 高い値に調整し得るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の粒子−光学装 置。 3.前記電子源(1)が、該電子源の動作中に前記針状導体の先端(21)と抽 出電極(22)との間の距離を変える手段(26,28)を具えていることを特 徴とする請求項1又は2に記載の粒子−光学装置。 4.前記電子源(1)が、該電子源の動作中に前記針状導体の先端(21)を前 記抽出電極(22)の表面に対して平行に動かす手段を具えていることを特徴と する請求項1,2及び3のいずれか一項に記載の粒子−光学装置。 5.前記抽出電極(22)を自由電子ビーム(23)操作用の他の粒子−光学素 子(52,54)と機械的に一体としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれ か一項に記載の粒子−光学装置。 6.前記抽出電極(22)が真空空所と周囲の環境との間の境界を構成する真空 壁としても作用し、前記針状導体(20)が前記環境内に存在するようにしたこ とを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の粒子−光学装置。 7.前記針状導体(20)と前記抽出電極(22)との間に電圧を印加する前記 手段(24)を、該手段がパルス化電圧を印加するように構成したことを特徴と する請求項1〜6のいずれか一項に記載の粒子−光学装置。 8.請求項1〜7のいずれか一項に記載したような電子源。
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