JPH09502948A - 中仕切り板を持つ二段重ね缶パッケージおよびその形成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 パッケージは、複数の缶（１０）を少なくとも二段以上に積み重ねて配列してなる缶群と、この缶群の周りを覆って中に収容するカートンと、缶群中の上下に隣り合う上段の缶と下段の缶の間に配された中仕切り板（３０）とを備えている。各段の缶はそれらの缶軸がほぼ垂直にかつ互いに平行になるように配列されている。カートンは一対の側板（４８、５２、５６）により互いに連結されてスリーブ構造を形成する頂板（４２）および底板（４０）と、スリープ構造の両開口端を閉じる端部閉塞構造とを有する。端部閉塞構造はスリーブ構造に連結されるとともに缶群の両端側に缶の側壁に近接した状態で配される。中仕切り板は端部閉塞構造に固定される一対の固定用フラップ（３４）を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 中仕切り板を持つ二段重ね缶パッケージおよびその形成方法 技術分野 本発明は、二段以上に積み重ねられた複数の物品（例えば飲料缶）のパッケー ジに係り、特に段と段の間に中仕切り板を配置したパッケージに関する。 背景技術 米国特許出願第０８／０４９,７８７号には、段重ね缶パッケージが開示され ている。段重ね缶パッケージは、二段またはそれ以上に積み重ねて配列した複数 の缶を板紙製のカートン内に収容してなるものである。この特許出願に開示され るパッケージは、各段の缶が縦三列横四列に並ぶように二十四本の缶を上下二段 に積み重ねて包装したものである。このような二段重ね缶パッケージは、その側 面に、通常の一段型パッケージの二倍の高さの印刷面を有する。 このような段重ね缶パッケージにも欠点はある。段重ね缶パッケージはその缶 を積み重ねてなる構造およびその高さのせいで斜め方向からかかる圧縮力に対し て構造的に軟弱である。従って、そのような斜め方向からの力を受けた場合、斜 めにねじれたり歪んだりする傾向がある。そして、このような傾向はカートンが その中身より大きい場合、すなわち、ゆるくだぶついたパッケージの場合に特に 顕著である。段重ね缶パッケージで通常使用される凹凸の無い平らな中仕切り板 は、ゆるいパッケージをつくる原因となる。つまり、缶の段と段の間に配された 平らな中仕切り板は、上段の缶の重みにより陥没させられてカートン内の缶群の 背を「縮ませる」ので、その結果、パッケージ全体にゆるみが出てしまう。パッ ケージがくり返し歪められた場合には、パッケージはさらにゆるくなり、機械的 に弱くなり、かつ見栄えが悪くなる。 また、段重ね缶パッケージを形成する際、上述した中仕切り板を用いる関係で 、缶の積み重ね工程に問題がある。例えば二段重ねの缶群を形成する場合、予め 配列された下段の缶の上に中仕切り板を載置し、しかる後、この中仕切り板の上 に上段の缶を横方向から摺動させながら配置する。このとき、中仕切り板とその 上を摺動ずる上段の缶との間の摩擦により、中仕切り板が下段の缶に対して位置 ズレを起こしたり、ひいては下段の缶の上から落ちてしまうといった不具合が起 き易い。 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、 中仕切り板を備えるとともに、構造的に安定かつ堅固なパッケージを提供するこ と、および、中仕切り板を使用して下段の缶の上に上段の缶を摺動させ際の問題 を解決するパッケージの形成方法を提供することである。 発明の開示 本発明のパッケージは、複数の缶を少なくとも二段以上に積み重ねて配列して なる缶群と、この缶群の周りを覆って中に収容するカートンと、缶群中の上下に 隣り合う上段の缶と下段の缶の間に両段の缶に接触した状態で配される中仕切り 板と、この中仕切り板をカートンの端部閉塞構造に固定する固定手段とを備えて いる。各缶はほぼ円筒状の側壁を有する。各段の缶はそれらの缶軸がほぼ垂直に かつ互いに平行になるように配列される。カートンは端部閉塞構造の他に頂板と 底板とを備えている。頂板と底板は一対の側板により互いに連結されてスリーブ 構造を形成する。スリーブ構造の両開口端は端部閉塞構造により閉じられる。こ れら端部閉塞構造はスリーブ構造に連結されるとともに、缶群の両端側に缶の側 壁に近接した状態で配される。 本発明のパッケージは、斜め方向にかかる圧縮力に対して耐久性があって容易 に斜めに歪まない。つまり、構造的に剛性が高くかつ安定している。このような 効果は上段の缶と下段の缶の間に挟まれた中仕切り板に対して端部閉塞構造が固 定されていることに起因して得られる。 固定手段としては、中仕切り板に連結された一対の固定用フラップを用いるの が好ましい。つまり、これら固定用フラップを端部閉塞構造に接着することによ り中仕切り板をカートンに固定する。このような固定用フラップは、端部閉塞構 造の近傍に配された中仕切り板の両端縁に折り曲げ自在に連結されるのが好まし い。 固定用フラップを接着する代りにいわゆるメカニカルロックを用いてもよい。 この場合の固定手段は、中仕切り板に折り曲げ自在に連結された固定用フラップ と、固定用フラップに形成されたロック孔と、ロック孔に挿入できるようにカー トンから切り出されたロックタブとを有する。 本発明によれば、中仕切り板はこれを二つの部分に分割する引き裂き手段を持 っていても良い。引き裂き手段は、中仕切り板に設けた裂断線であってもよいし 、あるいは中仕切り板に設けた一対の平行な裂断線により縁取られる裂断片であ ってもよい。 また、本発明は上述したパッケージの形成方法を提供する。本発明のパッケー ジ形成方法は、複数の缶を少なくとも二段以上に積み重ねて配列することにより 缶群を形成するとともに、この缶群中の上下に隣り合う上段の缶と下段の缶の間 に中仕切り板を配置する工程と、この中仕切り板を挟んだ缶群をスリーブ構造の カートンの開口端からカートンの中に装填する工程と、カートンの端部閉塞構造 を中仕切り板に固定してスリーブ構造の開口端を閉塞する工程とを有する。 本発明の他の目的および効果等は、以下の記載、添付図面および請求の範囲か ら明らかである。 図面の簡単な説明 第１図はカートン内に収容すべく二段に積み重ねられた状態の複数の缶を中仕 切り板とともに示す斜視図、第２図は中仕切り板の平面図、第３図は第１図の缶 群を形成するための途中工程を示す斜視図、第４図は本発明のパッケージを構成 するカートンブランクの外面を示す平面図、第５図は第４図のカートンブランク から形成された両端開放状態のスリーブ型カートンの斜視図、第６図は中に第１ 図の缶群を収 容しかつ両端が半分閉じられた状態のパッケージを示す斜視図、第７図は完成状 態のパッケージの斜視図、第８図は開封用フラップを開けた状態のパッケージの 斜視図、第９図は第２図の中仕切り板の変形例を示す平面図である。 発明を実施するための最良の形態 本発明は、主として飲料の包装に使用されるアルミニウム缶またはスチール缶 に適用される。このような缶の代表的な例は、いわゆる「継ぎ目の無い一体型の 缶本体」と、開缶用のプルタブを持つ蓋体とを有するものである。更に詳細に述 べれば、缶はほぼ円筒状の側壁を有する。側壁の上端部はフランジとこのフラン ジよりも缶の内方へ凹んだ上面とを有する。フランジの直径は缶の下端の直径よ り大きい。従って、二本の缶を上下に重ねた場合、上の缶の下端が下の缶の上端 に入れ子にはまり込み、上の缶の下端が下の缶の上面に当接するか、または上の 缶の下端が下の缶のフランジの内面に当接するようになる。 本発明によれば、複数段に積み重ねられた複数の缶１０をカートンに装填する ことによりパッケージが形成される。積み重ねられた状態の缶群の一例は第１図 に示されている。この図に示される各段六本の缶からなる二段重ねの缶群は十二 本入りのパッケージを提供する。ただし、各段の缶の数および配列は第１図に示 されるものに限らず、いかなる数および配列であってもよい。また、缶を三段以 上に積み重ねても良い。 缶群中、上下に隣り合う缶同士の接触、すなわち、金属面同士の接触は、上下 に隣り合う段同士の間に中仕切り板３０を挟むことにより防止される。このよう な中仕切り板３０は下段の缶の上面に支持されるとともに上段の缶の底を支持す る。中仕切り板３０は第２図に示される。この中仕切り板３０は、第１図に示す ように縦二列横三列に配列された六本の缶を各段に持つ二段重ねの缶群に適用で きるように設計された主部３１を有する。主部３１の表面積は、各段の缶群の水 平断面積にほぼ等しく設定するのが好ましい。 第２図に示すように、中仕切り板３０はその主部３１に複数の窪部３２を有す る。各窪部３２はほぼ円形の周縁３６で囲まれている。各窪部３２は缶群中の上 下に重なる一対の缶と協同する。各窪部３２の直径Dは缶のフランジの直径とほ ぼ等しい。また、各窪部３２は缶の上面とそのフランジとの距離に等しい距離だ け主部３１の下面から下方へ突出している。 中仕切り板３０の窪部３２は、中仕切り板３０を下段の缶の上に載置する以前 に、好ましくは中仕切り板３０の製造過程で、公知手段を使用して形成される。 例えば窪部はダイ型押し機を用いて形成される。このようダイ型押し機は、通常 のダイカッター装置に型押し用ダイを取り付けたものである。 中仕切り板３０が上下に隣り合う二段の缶１０の間に配されると、各窪部３２ はその真上の上段の缶の下端を受け入れるとともに、その真下の下段の缶のフラ ンジの上面および内面を覆うように配される。この作用は窪部３２の直径がフラ ンジの直径とほぼ等しいために得られる。また、窪部３２の深さがフランジの高 さと等しいので、窪部３２の真上の缶の下端と真下の缶の上端の間が中仕切り板 ３０により完全にうめられる。従って、上下の缶が直接接触せずにすむだけでな く、上段の缶の重みにより中仕切り板の表面が陥没することがない。中仕切り板 の陥没がないということは、つまり完成状態の缶群の背が縮まないということで ある。 なお、上記実施例では窪部３２を有する中仕切り板３０を使用したが、窪部の 無い中仕切り板を使用しても差し支えない。また各窪部ごとに二つ以上の円形の 周縁を同心状に形成し階段状に凹む窪部を形成しても良い。要するに、窪部３２ としては中仕切り板用に設計された公知のいかなる缶端部受入手段を使用しても よい。公知の缶端部受入手段の例としては、米国特許出願第０８／０４９,７８ ７号に開示されるように各窪部の中心部に孔を設けたもの、米国特許出願第０７ ／９６６,８９１号に記載されるようないわゆる「スターバースト孔」（孔の周 囲に孔を中心として放射状に延びる複数のスリットを有するもの）等が挙げられ る。重要なのは、そのような缶端部受入手段により中仕切り板に形成される窪部 の深さが缶のフランジの高さと等しくなるようにすることである。そうすること により、中仕切り板３０が 上下の缶の間に挟まれた直後に上下の缶の間にぴったりはまり込んだ状態となり 、その後の中仕切り板の陥没が防止されるのである。各窪部３２ごとに設ける円 形の周縁の数は、缶のフランジの高さや、中仕切り板に使用する板紙の曲げやす さ等の要因により左右される。 第２図に示すように、主部３１の両端縁には折目線３８を介して固定用フラッ プ３４が折り曲げ自在に連結されている。これら固定用フラップ３４は、その折 目線３８に沿う方向の長さが主部３１の同じ方向の長さよりもやや短いのが好ま しい。これら固定用フラップ３４は完成状態のパッケージの構造強度を高めるだ けでなく第１図に示すような缶群の形成中、中仕切り板３０を定位置に位置決め するのにも役立つ。固定用フラップ３４の位置決め作用については追って詳述す る。主部３１にはこれを横断する裂断線２０が形成されている。裂断線２０は、 主部３１の両側縁から主部３１の内方へ斜めに延びる一対のスリット２２と、こ れらスリット２２の間に間隔を置いて配された複数の円弧状スリット２４とから なるものである。スリット２２は斜めに配されることにより中仕切り板の縁部に 指でつかみ易いプルタブを提供する。 上述した裂断線２０は中仕切り板３０を横断する構成であるが、例えば中仕切 り板を横断せずに主部３１の一側縁から途中まで延びる裂断線を裂断線２０に代 えて使用しても良い。あるいは、主部３１を対角線の方向に斜めに横切るように 延びる裂断線や、一個または二個以上の窪部３２を横切るように延びる裂断線を 採用しても良い。もちろん、上述のような裂断線に代えて公知の裂断片（tear s trip）を使用することもできる。重要なのはそのような裂断線または裂断片に沿 って中仕切り板を裂いた際に、中仕切り板の下の下段の缶がパッケージから取り 出し易くなることである。これについては後で詳述する。 第１図に示すような二段重ねの缶群を形成するには次の工程を実施する。まず 、中仕切り板３０を下段の缶１０の上に載置する。ただし、下段の缶は縦二列横 三列に配列されたものである。次いで、全ての窪部３２が対応する下段の缶の真 上に来るように中仕切り板３０を下段の缶に対して位置合わせする。次いで、固 定用フラッ プ３４を折目線３８に沿って下方へ折り曲げ、主部３１に対して直角にする。こ の状態は第３図に最も良く示されている。第３図では下段の缶の端部に配された 二本の缶１０の側壁に沿って固定用フラップ３４（一方のフラップのみ図示）が ほぼ垂直に配されている。固定用フラップ３４の折り曲げが完了したら、上段の 缶を中仕切り板３０の上面に沿って矢印２９の方向に滑らせながら下段の缶の上 に配置する。ただし、上段の缶は下段の缶同様に縦二列横三列に予め配列された ものである。上段の缶を中仕切り板３０の上面に沿って滑らせる際、中仕切り板 ３０は摩擦により矢印２９の方向に力を受けるが、一方の固定用フラップ３４（ 第３図に示されない方の固定用フラップ）が下段の缶１０に係合しているので、 中仕切り板３０の位置ズレは生じない。このようにして、第１図のような二段重 ねの缶群が形成される。 上述のようにして形成された缶群をスリーブ型のカートンの中に装填すること によりパッケージを完成させる。パッケージの形成に使用されるカートンそれ自 体は従来から缶の包装に使用されている公知のカートンであって差し支えない。 パッケージの形成に使用されるカートンの一例は第４図に示されている。この 図においてカートンはプランクの状態で示されている。カートンプランクは底板 ４０と頂板４２とを有する。これら底板４０と頂板４２の各々は折目線４４、４ ６を介して側板４８に連結されている。底板４０は、折目線４４と対向する折目 線５０を介して部分側板５２に連結されている。頂板４２は折目線４６と対向す る折目線５４を介して部分側板５６に連結されている。 側板４８には開封用フラップ４１が設けられている。この開封用フラップ４１ は側板４８に形成された裂断線４３、４５により縁取りされている。裂断線４３ 、４５は各々折目線４６から折目線４４に向かって互いに平行に延び、折目線４ ４と折目線４６の中間地点を過ぎた後で互いの方向に向かって内方へ延び、最後 に引き裂き開始スリット４７で合流する。引き裂き開始スリット４７はプルタプ ４９の周囲を縁取るように延びる。プルタブ４９は開封用フラップ４１に折り曲 げ自在に連結されている。ただし、開封用フラップ４１に代えて公知のいかなる 開封手段を採用しても良い。例えば、開封用フラップ４１を縁取る裂断線を頂板 ４２の中まで伸ば すことにより、開封用フラップ４１を開けた後、形成される開口の大きさを広げ ても良い。重要なのは、開封用フラップの垂直方向の長さが完成状態のパッケー ジの高さの半分を越える長さであることである。このような構成とすることによ り、開封用フラップを開けた時に、下段の缶の少なくとも一部が露出して取り出 しやすくなる。カートン内に装填される缶群の缶の段数Ｎとすれば、開封用フラ ップの垂直方向長さは一個の缶の高さのＮ−１倍を越えるのが好ましい。 カートンの端部を閉じるための端部閉塞構造は、底板４０、頂板４２、側板４ ８および部分側板５２、５６に各々連結された端フラップにより構成される。つ まり、底板４０の両端縁には折目線６２、６４を介して下端フラップ５８、６０ が折り曲げ自在に連結されている。頂板４２の両端縁には折目線７０、７２を介 して上端プラップ６６、６８が折り曲げ自在に連結されている。また、側板４８ の両端縁には折目線７８、８０を介して側端フラップ７４、７６が折り曲げ自在 に連結されている。さらに、部分側板５２の両端縁には折目線８６、８８を介し て部分側端フラップ８２、８４が折り曲げ自在に連結され、部分側板５６の両端 縁には折目線９４、９６を介して部分側端フラップ９０、９２が折り曲げ自在に 連結されている。 側端プラップ７４、７６および部分側端プラップ８２、８４、９０、９２の各 々には第２折目線１００が設けられている。各第２折目線１００とこれに隣接す る折目線の間の部分はコーナー板１０２となる。また、側端プラップ７４、７６ および部分側端プラップ８２、８４、９０、９２の各々はウエブパネル１０４を 介してその近傍の下端フラップ５８、６０、または上端フラップ６６、６８に折 り曲げ自在に連結されている。各ウエブパネル１０４は折目線１０５と折目線１ ０６の間の部分である。各折目線1０５は底板４０または頂板４２とその隣の側 板４８、５２、または５６との間の折目線の延長である。また、各折目線１０６ はその隣の折目線１０５に対して傾斜しながら、対応する端フラップ５８、６０ 、６６、または６８の中へ延びている。 上記カートンブランクの更に詳しい構造については、米国特許第４,２１６,８ ６１に記載されているので、これを参照されたい。 第４図のカートンブランクは、まず第５図に示すようなスリーブの状態に組み 立てられる。このようなスリーブ状態への組立は、部分側板５２、５６を互いに 接着して一枚の側板とすることによりなされる。次いで、第５図のカートンに、 中仕切り板３０を挟んだ缶群が装填される。この装填は、第５図の矢印１０８で 示すように、カートンの両開口端または一方の開口端を経由して行われる。そし て装填された状態では中仕切り板３０の両端の固定用フラップ３４がスリーブ状 態のカートンの両開口端に露出した状態となる。缶群の装填が終わると、次に側 端フラップ７４、７６および部分側端フラップ８２、８４、９０、９２がカート ンのスリーブ部分の軸線に対して直角になるように内方へ折り曲げられる。この 内方への折り曲げは第６図に示すように上下端フラップ５８、６０、６６、６８ をカートンの外方へ折り曲げることにより自動的に行われる。次いで、固定用フ ラップ３４、側端フラップ７４、７６、および部分側端フラップ９０、９２に適 当な接着剤１１０、１１２を塗布し、しかる後に上端フラップ６６、６８を下方 へ折り曲げて閉塞位置に持ってくる。これにより、上端フラップ６６はその近傍 の固定用フラップ３４および側端フラップ７４、９０に接着され、また、上端フ ラップ６８はその近傍の固定用フラップ３４および側端フラップ７６、９２に接 着される。続いて、側端フラップ７４、７６、部分側端フラップ８２、８４、９ ０、９２および下端フラップ５８、６０の内面に適当な接着剤１１４、１１６を 塗布し、下端フラップ５８、６０を上方へ折り曲げて閉塞位置へ持ってくる。こ れにより、下端フラップ５８は上端フラップ６６および側端７４、８２、９０に 接着され、また、下端フラップ６０は上端フラップ６８および側端フラップ７６ 、８４、９２に接着される。その結果、第７図に示すような完成状態のパッケー ジが得られる。カートンの端フラップの折り曲げ方の詳細については上記米国特 許第４,２１６,８６１を参照されたい。 第７図に示す完成状態のパッケージは構造的に剛性が高くかつ安定している。 つまり、斜め方向にかかる圧縮力に対して耐久性があり、容易に斜めに歪まない 。このような効果は上段と下段の缶の間にきつく挟まれた中仕切り板３０の固定 用フラップ３４に対して上下端フラップ５８、６０、６６、６８が直接または間 接的に固定 されていることに起因している。言い換えれば、パッケージの剛性が隣り合う端 フラップ同士（例えばフラップ６６と９０、またはフラップ５８と７４）の接着 にあまり依存しないので、側端フラップ７４、７６、８２、８４、９０、９２の ような縮小サイズの側端フラップで充分に用が足りる。このような縮小サイズの 側端フラップを有するカートンブランクは、型入れの際に互い違いに並べること ができるから、標準サイズの板紙からより多くのカートンブランクを切り出すの に便利である。 第７図のようなパッケージを開封するには、側板４８を裂断線４３、４５に沿 って引き裂き、第８図のように開封用フラップ４１を上方へ持ち上げる。この操 作によって側板４８に形成された開口を使用して上段の缶１０をカートンの中か ら取り出すことができる。下段の缶を取り出すには、上段の缶１０の全て、また はほとんどを取り出した後で、中仕切り板３０を裂断線２０に沿って引き裂く。 この操作は中仕切り板３０がその両端でカートンに接着されているので必要であ る。引き裂き途中の中仕切り板３０は第８図に示されている。 本発明に従い、上記実施例に対して種々の変形または変更を加えることが可能 である。例えば、実施例に示したコーナー板付きのカートンに代えて角の角張っ たカートンを使用しても良い。さらに、カートンにハンドルや他の開封手段等の 公知構造を付加してもよい また、中仕切り板３０に代えて二枚以上の中仕切り板を使用しても良い。例え ば中仕切り板が二枚、缶群が二段重ねの場合、缶群を左右に分断したとして、一 方の中仕切り板は、右半分の缶群の中に配され、他方の中仕切り板は左半分の缶 群の中に配される。このような複数の中仕切り板を使用するパッケージの構成は 、比較的多数の缶を一つのカートンに収容したい場合、および／または缶群をカ ートンの両開口端から装填したい場合に特に適している。このように同じ高さに 配される二枚以上の中仕切り板を使用した場合、缶群をカートン内に装填する過 程で中仕切り板同士を接着する。つまり、右または左半分の缶群の一方の固定用 フラップに接着剤を塗布した後、その接着剤付フラップを内側に向けた状態で両 缶群をカートンの両 開口端からカートン内に挿入する。これにより、カートン内で両缶群の固定用フ ラップ同士を接着して二枚の中仕切り板を連結する。 また、上記実施例ではカートンの各端部において一方の端フラップ（即ち上端 フラップ６６または６８）のみをその近傍の固定用フラップに接着したが、上下 両方の端フラップ、ひいては部分側端フラップを含む全ての端フラップを固定用 フラップに接着しても良い。あるいは、それとは逆に第６図の接着剤１１２、１ １６を省略しても良い。 さらに、接着剤の代りに公知のメカニカルロック手段を使用して中仕切り板を カートンに連結すようにしてもよい。 なお、第９図に示すのは中仕切り板３０の変形例である。この変形例の中仕切 り板３０ａの主部３１ａは各段が縦三列横四列に並べられた複数の缶からなる二 段重ね缶パッケージに使用するために設計されたものである。この中仕切り板３ ０ａの特徴は、少なくとも一方の固定用フラップ３４ａの自由端に裂断線１２４ を介して切取りタプ１２２を連結した点である。このような切取りタプはクーポ ン券として使用するのが好ましいが、もちろん必要に応じてどのような用途に使 用しても良い。中仕切り板３０ａの他の部分は中仕切り板３０と同様であるので 、同様な箇所には同じ符号に接尾文字「ａ」を付したものを用いて説明を省略す る。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年３月２３日 【補正内容】 請求の範囲 １． 複数の缶を少なくとも二段以上に積み重ねて配列してなる缶群と、この缶 群の周りを覆って中に収容するカートンと、前記缶群中の上下に隣り合う上段の 缶と下段の缶の間に両段の缶に接触した状態で配された中仕切り板とを備えたパ ッケージであって、各缶はほぼ円筒状の側壁を有し、各段の缶はそれらの缶軸が ほぼ垂直にかつ互いに平行になるように配列され、前記カートンは一対の側板に より互いに連結されてスリーブ構造を形成する頂板および底板と、前記スリーブ 構造の両開口端を閉じる一対の端部閉塞構造とを有し、これら端部閉塞構造は前 記スリーブ構造に連結されるとともに前記缶群の両端側に缶の側壁に近接した状 態で配され、各端部閉塞構造は前記頂板および底板に各々折り曲げ自在に連結さ れた上端フラップおよび下端フラップを有し、これら上端フラップおよび下端フ ラップは前記スリーブ構造の中心軸線に対してほぼ直角に配され、さらに前記パ ッケージは前記中仕切り板を前記端部閉塞構造に接着する固定手段を備え、この 固定手段は前記中仕切り板の両端縁に各々折り曲げ自在に連結された一対の固定 用フラップであり、これら固定用フラップは各々前記端部閉塞構造の近傍に配さ れ、各固定用フラップはその近傍の端部閉塞構造の上端フラップおよび下端フラ ップのうち少なくとも一方に接着されていることを特徴とするパッケージ。 ２． 各端部閉塞構造は前記一対の側板に各々折り曲げ自在に連結された一対の 側端フラップを有し、前記上端フラップおよび下端フラップは前記中心軸線と平 行に配された時にその中心軸線に沿う方向に第一の長さを有し、前記両側端フラ ップは前記中心軸線と平行に配された時にその中心軸線に沿う方向に第二の長さ を有し、前記第一の長さは前記第二の長さよりも長い請求項１のパッケージ。 ３． 前記上段の缶の各々はこれと隣り合う下段の缶と同軸上に位置合わせされ た状態で配置され、各缶の上端の直径は同じ缶の下端の直径より大きく、前記中 仕切 り板は前記上段の缶の下端を受け入れる複数の缶端部受入手段を有し、各缶端部 受入手段はこれと対応する上下一対の缶と同軸上にあるほぼ円形の周縁により縁 取りされ、この周縁の直径は各缶の上端の直径とほぼ等しい請求項１のパッケー ジ。 ４． 各缶端部受入手段の周縁により前記中仕切り板に円形の窪部が形成され、 この窪部はその近傍の下段の缶に向かって下方へ突出している請求項３のパッケ ージ。 ５． 複数の缶を少なくとも二段以上に積み重ねて配列してなる缶群と、この缶 群の周りを覆って中に収容するカートンと、前記缶群中の上下に隣り合う上段の 缶と下段の缶の間に両段の缶に接触した状態で配された中仕切り板とを備えたバ ッケージであって、各缶はほぼ円筒状の側壁を有し、各段の缶はそれらの缶軸が ほぼ垂直にかつ互いに平行になるように配列され、前記カートンは一対の側板に より互いに連結されてスリーブ構造を形成する頂板および底板と、前記スリーブ 構造の両開口端を閉じる一対の端部閉塞構造とを有し、これら端部閉塞構造は前 記スリーブ構造に連結されるとともに前記缶群の両端側に缶の側壁に近接した状 態で配され、さらに前記パッケージは前記中仕切り板を前記端部閉塞構造に接着 する固定手段を備え、前記中仕切り板はこれを二つの部分に分割するための引き 裂き手段を有することを特徴とするパッケージ。 ６． 前記引き裂き手段は中仕切り板に設けられた裂断線である請求項５のパッ ケージ。 ７． 前記引き裂き手段は中仕切り板に設けられた一対の平行な裂断線により縁 取られる裂断片である請求項５のパッケージ。 ８． 複数の缶を少なくとも二段以上に積み重ねて配列してなる缶群と、この缶 群の周りを覆って中に収容するカートンと、前記缶群中の上下に隣り合う上段の 缶と 下段の缶の間に両段の缶に接触した状態で配された中仕切り板とを備えたパッケ ージであって、各缶はほぼ円筒状の側壁を有し、各段の缶はそれらの缶軸がほぼ 垂直にかつ互いに平行になるように配列され、前記カートンは一対の側板により 互いに連結されてスリーブ構造を形成する頂板および底板と、前記スリーブ構造 の両開口端を閉じる一対の端部閉塞構造とを有し、これら端部閉塞構造は前記ス リーブ構造に連結されるとともに前記缶群の両端側に缶の側壁に近接した状態で 配され、さらに前記パッケージは前記中仕切り板を前記端部閉塞構造に接着する 固定手段を備え、前記カートンの側板は前記缶群の両側に缶の側壁に近接した状 態で配され、少なくとも一方の側板は前記カートン内の缶を取り出すための開口 を形成するための開封手段を備え、この開封手段により形成される開口の垂直方 向の長さは、前記缶群の段数をＮとすれば、各缶の缶軸方向の長さのＮ−１倍よ り大きいことを特徴とするパッケージ。 ９． 複数の缶を少なくとも二段以上に積み重ねて配列してなる缶群と、この缶 群の周りを覆って中に収容するカートンと、前記缶群中の上下に隣り合う上段の 缶と下段の缶の間に配された中仕切り板と、この中仕切り板を前記カートンの内 面に固定する固定手段と、前記上段の缶を前記カートンから取り出すための開口 を前記カートンに形成するための開封手段と、この開封手段によって形成された 開口から前記上段の缶の幾つかが取り出されたときに前記下段の缶を前記カート ンから取り出せるよう前記中仕切り板を引き裂くための引き裂き手段を備えたこ とを特徴とするパッケージ。 １０． 前記引き裂き手段は中仕切り板に設けられた裂断線である請求項９のパ ッケージ。 １１． 前記引き裂き手段は中仕切り板に設けられた一対の平行な裂断線により 縁取られる裂断片である請求項９のパッケージ。 １２． 各缶はほぼ円筒状の側壁を有し、各段の缶はそれらの缶軸がほぼ垂直に かつ互いに平行になるように配列され、前記カートンは一対の側板により互いに 連結されてスリーブ構造を形成する頂板および底板を有する請求項９のパッケー ジ。 １３． 前記カートンの側板は前記缶群の両側に缶の側壁に近接した状態で配さ れ、少なくとも一方の側板はこの側板に開口形成するための前記開封手段を備え 、この開封手段により形成される開口の垂直方向の長さは、次式で表される請求 項１２のパッケージ。 Ｌ＞ （Ｎ−１）Ｈ ただし、上記の式において、Ｌは前記開口の垂直方向の長さ、Ｎは前記缶群の 段数、Ｈは各缶の缶軸方向の長さである。 １４． 前記カートンは前記スリーブ構造の両開口端を閉じる一対の端部閉塞構 造を有し、これら端部閉塞構造は前記スリーブ構造に連結されるとともに前記缶 群の両端側に缶の側壁に近接した状態で配され、前記固定手段は前記中仕切り板 に連結された一対の固定用フラップであり、これら固定用フラップは前記端部閉 塞構造に接着され、前記引き裂き手段は前記中仕切り板に設けられた裂断線であ り、この裂断線は前記スリーブ構造の中心軸線と交差する方向に延びる請求項１ ２のパッケージ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 複数の缶を少なくとも二段以上に積み重ねて配列してなる缶群と、この缶 群の周りを覆って中に収容するカートンと、前記缶群中の上下に隣り合う上段の 缶と下段の缶の問に両段の缶に接触した状態で配された中仕切り板とを備えたパ ッケージであって、各缶はほぼ円筒状の側壁を有し、各段の缶はそれらの缶軸が ほぼ垂直にかつ互いに平行になるように配列され、前記カートンは一対の側板に より互いに連結されてスリーブ構造を形成する頂板および底板と、前記スリーブ 構造の両開口端を閉じる端部閉塞構造とを有し、これら端部閉塞構造は前記スリ ーブ構造に連結されるとともに前記缶群の両端側に缶の側壁に近接した状態で配 され、さらに前記パッケージは前記中仕切り板を前記端部閉塞構造に固定する固 定手段を備えたことを特徴とするパッケージ。 ２． 前記固定手段は、前記中仕切り板に連結された一対の固定用フラップであ り、これら固定用フラップは前記端部閉塞構造に接着されている請求項１のパッ ケージ。 ３． 前記中仕切り板は前記端部閉塞構造の近傍に各々配された一対の端縁を有 し、これらの端縁に前記固定用フラップが折り曲げ自在に連結されている請求項 ２のパッケージ。 ４． 前記固定用フラップは前記スリーブ構造の中心軸線に対してほぼ直角に配 され、各端部閉寒構造は前記頂板および底板に各々折り曲げ自在に連結された上 端フラップおよび下端フラップを有し、これら上端フラップおよび下端フラップ は前記中心軸線に対してほぼ直角に配され、前記上端フラップおよび下端フラッ プの少なくとも一方はその近傍の固定用フラップに接着されている請求項３のパ ッケージ。 ５． 各端部閉塞構造は前記一対の側板に各々折り曲げ自在に連結された一対の 側端フラップを有し、前記上端フラップおよび下端フラップは前記中心軸線と平 行に配された時にその中心軸線に沿う方向に第一の長さを有し、前記両側端フラ ップは前記中心軸線と平行に配された時にその中心軸線に沿う方向に第二の長さ を有し、前記第一の長さは前記第二の長さよりも長い請求項４のパッケージ。 ６． 前記中仕切り板はこれを二つの部分に分割ずるための引き裂き手段を有す る請求項１のパッケージ。 ７． 前記引き裂き手段は中仕切り板に設けられた裂断線である請求項６のパッ ケージ。 ８． 前記引き裂き手段は中仕切り板に設けられた一対の平行な裂断線により縁 取られる裂断片である請求項６のパッケージ。 ９． 前記カートンの側板は前記缶群の両側に缶の側壁に近接した状態で配され 、少なくとも一方の側板は前記カートン内の缶を取り出すための開口を形成する ための開封手段を備え、この開封手段により形成される開口の垂直方向の長さは 、前記缶群の段数をＮとすれば、各缶の缶軸方向の長さのＮ−１倍より大きい請 求項７のパッケージ。 １０． 前記固定手段は、前記中仕切り板に折り曲げ自在に連結された固定用フ ラップと、この固定用フラップに形成されたロック孔と、このロック孔に挿入で きるように前記カートンから切り出されたロックタブとを有する請求項１のパッ ケージ。 １１． 前記上段の缶の各々はこれと隣り合う下段の缶と同軸上に位置合わせさ れた状態で配置され、各缶の上端の直径は同じ缶の下端の直径より大きく、前記 中仕 切り板は前記上段の缶の下端を受け入れる複数の缶端部受入手段を有し、各缶端 部受入手段はこれと対応する上下一対の缶と同軸上にあるほぼ円形の周縁により 縁取りされ、この周縁の直径は各缶の上端の直径とほぼ等しい請求項１のパッケ ージ。 １２． 各缶端部受入手段の周縁により前記中仕切り板に円形の窪部が形成され 、この窪部はその近傍の下段の缶に向かって下方へ突出している請求項１１のパ ッケージ。 １３． 複数の缶を少なくとも二段以上に積み重ねて配列することにより缶群を 形成するとともに、この缶群中の上下に隣り合う上段の缶と下段の缶の間に中仕 切り板を配置する工程と、この中仕切り板を挟んだ缶群をスリーブ構造のカート ンの開口端からカートンの中に装填する工程とを有するパッケージ形成方法であ って、各缶はほぼ円筒状の側壁を有し、各段の缶はそれらの缶軸がほぼ垂直にか つ互いに平行になるように配列され、前記カートンは一対の側板により互いに連 結されて前記スリープ構造を形成する頂板および底板と、前記スリーブ構造の前 記開口端を閉じるためにスリーブ構造に連結された端部閉寒構造とを有し、前記 パッケージ形成方法は、前記端部閉塞構造を前記中仕切り板に固定することによ り前記スリーブ構造の開口端を閉塞する工程を有することを特徴とするパッケー ジ形成方法。 １４． 前記中仕切り板はその一端縁に連結された固定用フラップを備え、前記 一端縁は前記装填する工程が完了した時に前記開口端の近傍に配され、前記固定 する工程は前記固定用フラップに接着剤を塗布する工程と、前記端部閉塞構造を 前記固定用フラップに当接させる工程とを含む請求項１３の方法。