JPH09502651A - 硫化水素の吸収法および装置 - Google Patents

硫化水素の吸収法および装置

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Abstract

(57)【要約】 硫化水素と二酸化炭素とを含有するガスから硫化水素を液体吸収によって選択的に除去する方法および装置が開示される。この方法の第一段階では、ガス(3)は、少なくとも1つのステップにおいて、容器(1)中で水酸化ナトリウムなどの水酸化物の添加によって吸収中にpHが調整される炭酸塩含有アルカリ溶液と接触させる。この方法の第二段階では、ガスを、燃焼装置(32)中で燃焼させて、ガス中に残存する硫化水素を二酸化硫黄に転換し、これを次に湿式クリーナー(36)中で水酸化ナトリウム溶液などのアルカリ含有溶液に吸収させる。第一段階で炭酸塩含有溶液で硫化水素を吸収させる工程、第二段階で残存硫化水素を燃焼させて二酸化硫黄として、生成二酸化硫黄をアルカリ溶液に吸収させる工程と、を組み合わせることによって、高選択性、高分離度および良好な工程経済性を有する総硫化水素分離を達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 硫化水素の吸収法および装置 本発明は、硫化水素を吸収するための方法および装置、更に具体的には硫化水 素と二酸化炭素とを含むガスから硫化水素を液体吸収によって選択的に除去する ための方法および装置に、関する。 硫化水素は、水酸化ナトリウムなどのアルカリ性水溶液(すなわち、pH>7 である水溶液)に吸収させることによって、またはエタノールアミン、例えばモ ノエタノールアミンおよびジエタノールアミン、を用いることによって、硫化水 素含有ガスから除去できることは周知である。例えば、吸収を用いて、硫化水素 を純粋な形態で生成し、これを必要に応じて更に処理してクラウス法で硫黄とす ることができる。ガスが硫化水素の他に二酸化炭素を含むと、二酸化炭素はアル カリ溶液に吸収される。二酸化炭素は硫化水素とほぼ同じ水への溶解度を有し、 従って二酸化炭素はその溶液に吸収されるのに硫化水素と競合する。硫化水素と 二酸化炭素は、例えば水酸化ナトリウムのアルカリ水溶液に、下記の式に従って 吸収される。 H2S + OH- → HS- + H2O (1) H2S + 2OH- → S2- + 2H2O (2) CO2 + OH- → HCO3 - (3) CO2 + 2OH- → CO3 2- + H2O (4) 硫化水素に対する選択性、すなわち吸収される硫化水素のモル数対吸収される (硫化水素+二酸化炭素)のモル数の比は、ガス中の硫化水素の含量および二酸 化炭素との含量に直接比例する。従って、ほとんどの場合がそうであるようにガ スが硫化水素よりも二酸化炭素を多量に含むときには、二酸化炭素の側の競合が 特に顕著である。ガスが、例えば硫化水素1容積%と二酸化炭素10容積%を含 有し、水酸化ナトリウム溶液中で硫化水素を吸収しようとすれば、硫化水素に対 する選択性は10%に過ぎず、すなわち吸収されたガスの90%は二酸化炭素で あり、これは90%もの水酸化ナトリウムが二酸化炭素の吸収に消費されること を意味している。 硫化水素と二酸化炭素の両者を含有するガスからの硫化水素の吸収における上 記の不都合を除くため、硫化水素を選択的に吸収する方法が開発されてきた。例 えば、過マンガン酸カリウム、重クロム酸ナトリウムまたは第二鉄塩のような強 酸化剤の溶液に硫化水素を選択的に吸収するために、努力が払われてきた。他の 選択的方法では、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム溶液のようなアルカリ溶液 が用いられ、吸収の際の操作条件が慎重に調整されている。この先行技術につい ての更に詳細な報告は、C. Oloman,F.E. MurrayおよびJ.B. Risk著の“The Sel ective Absorption of Hydrogen Sulphide from Stack Gas”,Pulp and Paper Magazine of Canada,1969年12月5日、69頁以後、ならびにE. Bendal ,R.C. Aiken およびF. Mandas 著“Selective Absorption of H2S from Larger Quantities of CO2 by Absorption and Reaction in Fine Sprays”,AICHE Jo urnal(Vol.29,No.1),1983年1月、66頁以後に記載されている。 水酸化物溶液、例えば水酸化ナトリウム溶液、の代わりに炭酸塩溶液、例えば 炭酸ナトリウム溶液、を用いることによって、硫化水素の吸収の選択性は約30 〜50%まで増加させることができる。このような吸収の際に起こる反応は、一 般的に下記のように表わすことができる。 吸収溶液が炭酸塩溶液であるときには、硫化水素はほとんど瞬間的に吸収され るが、二酸化炭素は炭酸塩イオンとゆっくり反応して、炭酸水素イオンを形成す る。炭酸塩溶液を吸収媒質として用いるときには、生成する炭酸水素塩の含量が 高いため、前記の平衡式(6)から明らかなように、二酸化炭素の吸収に対する 「逆圧」(平衡圧)というさらなる利点もある。 炭酸塩溶液を吸収媒質として用いるときに生じる問題点は、炭酸水素イオンの 形成によって引き起こされる吸収能の減少により溶液中の硫化水素含量はかなり 低いものしか得られないことである。従って、約10g/リットルを上回る硫化 水素含量を得ることは極めて困難である。その結果、炭酸塩溶液の形態の吸収媒 質によって硫化水素を選択的に吸収する先行技術の方法は、硫化水素含有および 二酸化炭素含有ガスが発生する様々な分野でそのような方法が非常に求められて いるにも拘らず、大した成功を納めていない。このような適用分野の例は、石油 精製、石炭ガス生産、特に硫酸パルプ産業、で行なわれている黒液の燃焼である 。 通常のTomlinson 法による硫酸パルプ産業で化合物を回収するときには、黒液 をソーダ回収装置で燃焼するので、水蒸気が発生し、主として炭酸ナトリウムお よび硫化ナトリウムからなる溶融物が形成される。次に、この溶融物を水に溶解 させてアルカリ性にし、炭酸ナトリウムを水酸化ナトリウムに転換し、白液が得 られるようにして、次にこれを木材の消化に再度使用することができるようにす る。ソーダ回収装置の管が破裂するときの爆発の危険性など多くの理由から、溶 融物が形成しない黒液の新たな燃焼法を開発するべく近年努力がなされてきた。 このような方法はひとまとめにして「黒液蒸発」と呼ぶことができ、その一例は いわゆるSCA-Billerud法(E. Hornstedt およびj. Gomy,Paper Trade Journal, 158(1974):16,pp.32-34)である。この方法では、黒液は、炭酸ナトリウムと 炭素とから主としてなる粉塵と、就中硫黄化合物を含有する可燃性ガスと、が形 成されるような温度条件下で反応装置中で熱分解される。黒液蒸発のもう一つの 例は、スウェーデン国特許出願第8605116−0号明細書に記載されており 、これは10バールを上回る圧力で、溶融物が形成されない温度で化学量論的に 必 要量に足りない量の酸素を同時供給しながら黒液を熱分解する方法に関する。こ の蒸発により、主として炭酸ナトリウムからなる固相と、主として硫化水素、一 酸化炭素、二酸化炭素、水素、水蒸気、およびメタンからなるガス相と、が形成 される。 前記の黒液蒸発に用いられる化学薬品を回収し、これらの化学薬品からパルプ の製造に用いられる白液を生産できるようにするには、硫化水素を生成ガスから 除去できることが必要である。このガスは二酸化炭素も含有しており、この二酸 化炭素は液体吸収で硫化水素と競合し、かつこのガスの硫化水素含量は低く(約 0.5〜2%)、二酸化炭素含量はその約20倍(約10〜20%)であるので 、通常の液体吸収では硫化水素の回収は不十分である。 従って、硫化水素と二酸化炭素の両者を含有するガスから、液体吸収によって 、硫化水素を高分離度および高選択性で分離できるようにする必要がある。 1993年2月18日に出願されかつ未だ公表されていないスウェーデン国特 許出願第9300533−8号明細書によれば、液体吸収媒質として炭酸塩含有 アルカリ溶液を用いて、硫化水素の吸収の際にこの溶液のpHを水酸化物の添加 により、すなわち新鮮な炭酸塩の添加によらずに、調整することによって、硫化 水素を高分離度でかつ硫化水素について高選択性で吸収を行なうことができるこ とが見いだされている。例えば、吸収における硫化水素の選択性を60〜70% 、吸収溶液における硫化水素含量を約30g/リットル、および硫化水素の分離 度を約90〜99%とすることができる。 更に詳細には、これは、次のような方法によって、すなわち緒論によって述べ た種類のものであり、かつガスを少なくとも1ステップで炭酸塩含有アルカリ溶 液と接触させ、そのpHは水酸化物を添加して吸収の間に調整する方法によって 、行なわれる。 本発明の方法は、次のような装置によって実施することができる。すなわち、 その装置は、ガス取入口とガス取出口とを有し、なにびにいくつかの連続的ステ ップで配置された充填物と;ガスの供給方向で見た場合の最終ステップに炭酸塩 含有溶液を供給する手段であって、各ステップが該ステップを通して炭酸塩含有 溶液をガスと向流させて供給しかつ溶液をそのステップにリサイクルする手段を 有するものであるものと;ステップ間に配置され、ガスの供給方向で見た場合の 一つのステップから前ステップへの溶液の部分流を供給する導管と、少なくとも 一つのステップで炭酸塩含有溶液に水酸化物を供給する手段と;硫化水素を含む 液体を排出するための、ガスの供給方向で見た場合の第一ステップからの出口導 管と;を有する容器を具備するものである。 「炭酸塩含有アルカリ溶液」とは、炭酸イオン(CO3 2-)を含む水溶液を意 味する。好ましくは、この溶液はアルカリ金属炭酸塩溶液、例えば炭酸ナトリウ ム、炭酸カリウムまたは炭酸リチウムの溶液、である。炭酸ナトリウムが特に好 ましく、容易に入手できしかもかなり廉価である。この溶液の炭酸塩濃度は臨界 的ではないが、炭酸塩に関して約0.1〜3Mが好都合であり、好ましくは約1 〜2.5M、最も好ましくは約1.7M、である。 炭酸塩含有アルカリ溶液のpHは、少なくとも約9であるのが必須である。p H値が約9未満では、硫化水素の吸収が不十分であり、既に吸収されている硫化 水素が溶液から放出される危険性さえある。しかしながら、溶液のpHが高すぎ ると、二酸化炭素の吸収と比較して硫化水素の吸収に悪影響を及ぼすことがある ので、溶液のpHは余り高くすべきでない。よって、二酸化炭素の吸収が余り多 くならないようにすべく、溶液のpHは、約12を超過しないことが好ましい。 好ましくは、溶液のpHは約10.0〜11.0の範囲にあり、最も好ましくは 約10.2〜10.8の範囲にある。溶液のpHをこの最後に示した狭い範囲に なるように調整すると、硫化水素の分離が最適になる。 平衡反応(5)および(6)から判るように、硫化水素と二酸化炭素との吸収で炭 酸水素イオン(HCO3 -)が形成される。これは、吸収溶液のpHが硫化水素お よび二酸化炭素の吸収が進行するにつれて減少することを意味している。溶液の pHが約9より低くなると、硫化水素の吸収は上記のように不十分になり、代わ りに、既に吸収された硫化水素が溶液から放出される危険性が生じる。これを回 避しようとするならば、溶液を再生しなければならず、すなわちそのpHを、問 題となっている温度およびpH値でのガス状H2Sおよび液体の硫化物含量の間 の平衡の状態について許容可能な下限より上にまで増加させなければならない。 しかしながら、pH値は約12以上に増加させてはならず、このような場合には 二酸化炭素の吸収が優勢となる。水酸化物、例えばNaOH、を添加することに よってもたらされる溶液のpHが増加する結果、形成された炭酸水素イオンは下 記の平衡反応に従って炭酸イオンへ再転換される。 このようにして再生されると、炭酸塩溶液は、前記の反応(5)に従って更に硫 化水素を吸収することができる。溶液のpHは水酸化物の添加によって調整され て約9〜12、好ましくは約10.0〜11.0、最も好ましくは約10.2〜 10.8、の所定範囲内に保持されるので、二酸化炭素の吸収は比較的低いレベ ルに保たれる。 前記のように、炭酸塩含有アルカリ溶液は、水酸化物の添加によって再生され る。基本的には、硫化水素の吸収に悪影響を及ぼさずかつ溶液のpHを約9の所 与の下限から所望な値まで、例えば約12.0を超過せず、好ましくは約11. 0を超過せず、最も好ましくは約10.8を超過しない、値まで増加させること ができる任意の水酸化物を用いることができる。本発明によれば、アルカリ金属 またはアルカリ土類金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)、水 酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化カルシウム(C a(OH)2)および水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を用いるのが好ま しい。入手の可能性および価格の理由から、水酸化ナトリウムが最も好ましい。 吸収に用いられる液体の温度は特に臨界的なものではなく、広い範囲内で変化 させることができるが、約80℃より低い温度が好ましい。約80℃以上の温度 では硫化水素の吸収が減少する危険性があるからである。温度は、室温、すなわ ち約20℃から約80℃までの範囲にあるのが好ましく、更に好ましくは約40 〜70℃、最も好ましくは約60〜70℃、の範囲にある。 液体吸収での硫化水素に対する選択性を最高にするには、ガスの流れと吸収液 体の流れとが向流し、ガスの流れが乱流であり、液体の流れが層流となるような やり方で吸収を行なうべきである。更に、吸収液体の容積が、硫化水素を吸収す べきガスの容積と比較して大きい場合には、硫化水素の分離が促進される。この ような液体対ガスの高い比率は、硫化水素含有ガスと接触させる吸収液体をリサ イクルすることによって得られる。 更に、硫黄含有ガスと吸収液体(炭酸塩含有溶液)との接触は、1ステップ以 上、好ましくは2または3ステップ、最も好ましくは3ステップ、からなってい る。このような多ステップ接触は、それぞれ個々のステップが短くなり、従って 炭酸塩含有溶液のpHが個々のステップで約9より低くなるほど長くならず、ま た同時に硫化物含量を最上流のステップで低く保っことができるという利点を有 する。好ましくは、各ステツプは、そのステップの終了時の溶液のpHが約10 .0〜10.2まで低下し、次いで液体が抜き取られて水酸化物によって再生さ れた後、問題のステップにリサイクルされる程度または長さを有する。 本発明によれば、前記のタイプの方法での硫化水素の除去は、この方法を2段 階、すなわち硫化水素の主要な部分を前記方法によって除去する第一段階、およ び残りの硫化水素を燃焼させて二酸化硫黄とし、これを湿式クリーナー(スクラ バー)中でアルカリ溶液に吸収させることによって本質的に除去する第二段階と に分割すると、更に効率的になりしかも化学薬品の消費量が著しく減少すること が見いだされた。その理由は下記の通りである。 硫化水素は第一段階の様々なステップで吸収されるので、ガスの硫化水素含量 は減少し、これにより前記定義の硫化水素への選択性が低下する。選択性が低下 すると、前記の反応(5)、(6)および(7)に従って、アルカリの消費量が著しく増 加する。これらの反応から判るように、吸収される硫化水素1モル当たりOH- 1モルが消費され、吸収される二酸化炭素1モル当たりOH-2モルが消費され る。硫化水素への選択性が低下し、かつ二酸化炭素の吸収が増加すると、第一段 階の最後の吸収ステップまたは複数のステップの場合のように、アルカリ(OH- )の消費量がかなり増加する。これは、ガスの「最初の」硫化水素の吸収より も、ガスの「最後の」硫化水素の吸収に比較的多量のアルカリを要することを意 味する。第一段階で硫化水素を完全に吸収することを控えて、第一段階から排出 されるガス中に硫化水素を意図的にある量残すことにより、硫化水素への選択性 の大幅な低下およびその結果としての第一段階でのアルカリの消費量の大幅な増 加が回避される。第一段階での硫化水素の吸収は、硫化水素の主要部分、すなわ ち少なくとも50%が、除去されるように行なう。硫化水素の約60〜97%、 好ましくは約80〜95%、最も好ましくは約90%、を第一段階で除去するの が好都合である。これにより、第一段階でのアルカリの消費量が低くなり、工程 経済性が良好になる。 しかしながら、第一段階からのガスを周囲の大気中に放出する前に、残存硫化 水素を除去しなければならない。本発明によれば、これは、第一段階からの硫化 水素含有ガスを燃焼させて、硫化水素を二酸化硫黄に酸化した後、形成された二 酸化硫黄を水溶液に吸収させ、このpHを湿式クリーナー(スクラバー)中でア ルカリ溶液またはアルカリ性物質を添加して調整することによって行なわれる。 従って、本発明は、硫化水素と二酸化炭素の両者を含有するガスから液体吸収 によって硫化水素を選択的に除去する方法を提供するものであって、この方法は 、 ガスの硫化水素含量の主要部分を除去する第一段階において、ガスを、少なくと も1ステップで炭酸塩含有アルカリ溶液(これはpHを吸収中に水酸化物を加え て調整する)と接触させることおよび、このガスを、次に第二段階において燃焼 させて残存硫化水素を二酸化硫黄に転換し、これをアルカリ含有溶液に吸収させ ること、を特徴とするものである。 本発明は、硫化水素と二酸化炭素の両者を含有するガスから液体吸収によって 硫化水素を選択的に除去する装置をも提供するものであって、この装置は下記の (a)〜(c)を具備するものである。 (a)ガス取入口およびガス取出口を有しかつ多数の連続ステップに配置された 充填物と、ガスの供給方向で見た場合の最終ステップに炭酸塩含有溶液を供給す る手段であって、各ステップが該ステップを通して炭酸塩含有溶液をガスと向流 させて供給しかつ溶液をそのステップにリサイクルする手段を有するものである ものと、ステップ間に配置され、ガスの供給方向で見た場合の一つのステップか ら前ステップへの溶液の部分流を供給する導管と、少なくとも一つのステップで 炭酸塩含有溶液に水酸化物を供給する手段と、硫化水素を含む液体を排出するた めの、ガスの供給方向で見た場合の第一ステップからの出口導管とを有する容器 、 (b)容器のガス出口からの硫化水素含有ガスの取入口と、供給されたガスを燃 焼させ、ガス中の硫化水素を二酸化硫黄に転換する燃焼手段と、燃焼装置から二 酸化硫黄含有ガスを排出する取出口とを有する燃焼装置、および (c)燃焼によって形成された二酸化硫黄を吸収するのに適しており、かつ燃焼 装置からの二酸化硫黄含有ガスの取入口と、清浄にしたガスの取出口と、アルカ リ溶液またはアルカリ性物質を添加してpHを調整して、供給ざれる二酸化硫黄 含有ガスと接触するようにした水溶液を供給し、循環させ、微細に分割する手段 と、吸収した二酸化硫黄を含む溶液を排出する手段と、を有する容器を湿式クリ ーナー。 本発明のさらなる特徴は、下記の説明から明らかになり、添付の請求の範囲に 記載されている。 上記のように、硫化水素吸収の第一段階で用いられる炭酸塩含有アルカリ溶液 は、アルカリ金属炭酸塩、好ましくは炭酸ナトリウムの、溶液などの炭酸イオン を含有する水溶液である。本発明の方法を硫酸パルプ産業で硫化水素を除去する のに用いるとき、例えば黒液を燃焼させるのに用いるとき、には、本発明による 炭酸塩含有アルカリ溶液として緑液を用いることができ、これが本発明の特徴を 構成している。緑液は、通常はNa2CO3約1.3〜1.4モル/リットル、N a2S約0.4〜0.6モル/リットル、およびNaOH約0.3〜0.5モル /リットルを含有する水溶液である。本発明によれば、本発明を硫酸パルプ産業 で用いて硫化水素を除去するときには、白液も同様に第一段階で炭酸塩含有アル カリ溶液を再生させる水酸化物として用いることができることも見いだされた。 白液は、NaOH、Na2SおよびNa2CO3を通常はNaOH約2.3〜2. 6モル/リットル、Na2S約0.4〜0.6モル/リットル、およびNa2CO3 約0.25〜0.4モル/リットルの割合で含有する水溶液である。また、水 酸化物としての白液の使用により炭酸塩含有アルカリ溶液を再生することも、本 発明の特徴を構成する。 白液の代わりに、炭酸塩含有アルカリ溶液を再生する目的で、弱液または酸化 された白液を用いることができる。弱液とは、NaOH、Na2SおよびNa2C O3を通常はNaOH約0.3〜0.4モル/リットル、Na2S約0.05〜0 .08モル/リットル、およびNa2CO3約0.05〜0.07モル/リットル の割合で含む水溶液を意味する。 緑液、白液ならびに弱液は炭酸塩と水酸化物の両者を含むので、それらは別個 にまたは一緒に、炭酸塩含有溶液としておよび炭酸塩含有アルカリ溶液を再生さ せるのに用いることができる。 第二段階では、硫化水素含有ガスの燃焼は、本発明を硫酸パルプ産業において 用いるときには、石灰スラッジ再燃キルンまたは樹皮燃焼ボイラーなど既知のタ イプの燃焼装置で既知の方法で行なわれる。硫化水素含有ガスの熱含量が低すぎ る場合には、油または天然ガスなどの補助燃料を燃焼に用いて硫化水素を二酸化 硫黄へ十分に酸化することができる。硫化水素含有ガスを燃焼させるときには、 硫化水素は、通常の燃焼温度で二酸化硫黄へ完全に酸化され、従って燃焼後には ごく微量の硫化水素がガスに含有されるだけである。 第二段階で硫化水素含有ガスを燃焼させた後、形成される二酸化硫黄を除去す るが、これは本発明によれば湿式クリーナー(スクラバー)でアルカリ含有溶液 に吸収させることによって行なう。スクラバーでアルカリ含有溶液に吸収させる ことによって二酸化炭素も含有するガスから二酸化硫黄を選択的に除去すること は、周知の手法であり、これについて本明細書で更に詳細に説明する必要はない 。スクラバーを用いて、吸収用アルカリ含有溶液が高い比率でリサイクルされる のが好都合である。SO2スクラバーでのアルカリ含有溶液のpHは、好ましく は約6〜8の範囲、最も好ましくは約7〜7.5の範囲、にある。これらのかな り低いpH値では、二酸化炭素の吸収はほとんど起こらず、従って二酸化硫黄の 分離への選択性が100%である。吸収の際に、二酸化硫黄は、下記の反応の一 つをおこす。 SO2 + OH- → HSO3 - (8) SO2 + SO3 2- → 2HSO3 - (9) HSO3 - + OH- → H2O + SO3 2- (10) 反応式(8)〜(10)から明らかなように、吸収されるSO21モルに対してOH- 2モルが消費される。二酸化炭素は吸収されないので、二酸化硫黄の吸収はアル カリの消費量をほとんど増加させることなく、存在する二酸化硫黄のほぼ 100%に対して実行されうる。これにより、第一段階で総ての硫黄が硫化水素 として吸収されて選択性がよくない場合と比較して、工程経済性がかなり向上す る。 アルカリ含有溶液のアルカリは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸 化物または炭酸塩、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カルシウム 、水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウム、であるのが好都合である。水酸 化ナトリウムは、特に、硫黄を工程において直接リサイクルするとき、例えばこ の方法を硫酸パルプ産業で用いるとき、には好ましい。そうであるならば、水酸 化ナトリウム基スプレースクラバー、例えばABB Flaekt Industri ABにより用い られるタイプで、MoDoスクラバーと呼ばれるもの、を用いるのが好都合である。 次に、このスクラバーは、冷水を高温ガスに噴霧して、温度が約45〜65℃の 熱水が得られるようにする1回またはそれより多い熱回収ステップを含むことが できる。二酸化硫黄を吸収した後、スクラバーから出てくる溶液は亜硫酸ナトリ ウム(Na2SO3)、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)、および硫酸ナト リウムNa2SO4)を含有している。硫酸パルプ産業では、この溶液を他の燃焼 工程液体、例えばパルプミルでの黒液、と混合することができる。還元条件下で の燃焼により、硫黄が硫化水素の形態で得られ、酸化条件下での燃焼により、硫 黄が二酸化硫黄の形態で得られる。 パルプ産業では、本発明の方法は、存在している装置に様々な段階が一体化さ れるようにデザインするのが好都合である。これは、硫化水素含有ガスの燃焼が 、現存する樹皮焼却ボイラーまたは石灰スラッジ再燃キルンで起こることを意味 している。これにより、これらの工程で他の燃料の必要性が減少する。次に、樹 皮焼却ボイラーまたは石灰スラッジ再燃キルンからの二酸化硫黄含有煙道ガスを 、現存するSO2スクラバーに導入することができる。この場合には、唯一必要 な新たな装置は、硫化水素の分離用のスクラバーである。 パルプミルは、それぞれ樹皮焼却ボイラーおよび石灰スラッジ再燃キルンから 、およびソーダ回収ボイラーからの煙道ガス用のSO2スクラバーを個別に備え ることができる。硫化水素含有ガスを他のどこか、例えば別個なボイラー、で燃 焼させるときには、二酸化硫黄含有煙道ガスをソーダ回収ボイラーからの煙道ガ ス用の現存するSO2スクラバーに導くことができる。 本発明は良好な工程経済性、総ての硫黄をリサイクルする閉化学系、ならびに 周囲の大気への排気ガスを極めて少なくすることの実現を可能にすることは、前 記の説明から明らかである。 目的を明確にするため、本発明を添付の図面に関して更に詳細に説明する。 第1図は、本発明による方法の第一段階を行なうための本発明による好ましい 装置を示す。 第2図は、本発明による方法を例示する図解的作業系統図である。 第1図に示した装置は、硫化水素ならびに二酸化炭素を含むガス3の取入口2 を有するタワーまたは容器1である。この装置の反対末端には、硫化水素が液体 吸収により除去されたガス5の出口4が備えられている。硫化水素含有ガスと炭 酸塩含有溶液との接触には、3つのステップ6、7および8が関係している。そ れぞれのステップは、図のステップ6において示されるように、充填物9を有し ている。吸収において硫化水素への選択性を最高にするため、充填物9は、ステ ップ6、7および8を通る液体が層流を生成するような形態を有している。波形 プレートの形態の充填物がこの目的に特に好適であることが判った。充填物は、 例えばプラスチックまたは金属製でよい。 硫化水素吸収用の炭酸塩含有溶液と硫化水素含有ガスとの間の接触は、向流方 式で行なわれる。この目的のため、各ステップは、炭酸塩含有液を該ステップに ガスと向流的に供給し、ならびにこのステップに溶液をリサイクルするための手 段を有している。第1図に示されるように、これらの手段は、導管13、14お よび15を介して、炭酸塩含有アルカリ溶液をそれぞれのステップ6、7および 8に供給するポンプ10、11および12、ならびにそれぞれのステップからの 溶液を集積容器19、20および21に誘導する導管16、17および18から なっている。これらの集積容器から、溶液が、それぞれポンプ10、11および 12に接続されている導管22、23および24を介して各段階にリサイクルさ れる。新鮮な炭酸塩溶液、好ましくは炭酸ナトリウム溶液、は、ガスの供給方向 で判るように、炭酸ナトリウム溶液の供給源(図示せず)から導管25を通って 最終ステップ6に供給される。 新鮮な炭酸塩溶液を最終ステップに供給する代わりに、水酸化ナトリウム溶液 を最終段階に供給し、この水酸化物溶液にガスからの二酸化炭素を吸収させて、 前記の反応(3)〜(4)に従って炭酸塩含有溶液が得られるようにすることによって 、炭酸塩溶液を最終ステップで生成させることができる。 吸収溶液のpHを調整する(上昇させる)ため、水酸化物、好ましくは水酸化 ナトリウム水溶液、を総ての導管に好ましくは共通の供給源(図示せず)からア ルカリを導く導管26、27および28を通してそれぞれ集積容器19、20お よび21に供給することができる。吸収溶液のpHを調整するための水酸化ナト リウム溶液の供給は、集積容器19、20および21中の溶液のpHの測定値に 基づいて調節される(図示せず)。 第1図から明らかなように、一つのステップから前ステップへ、すなわちステ ップ6からステップ7ならびにステップ7からステップ8へ吸収溶液の部分流を 供給するための導管29および30によって、個々のステップが相互接続されて いる。 最後に、取出口導管31を配して、集積容器31およびステップ8からの硫化 水素含有液体を排出する。 第2図は、本発明による方法を例示する図解的作業系統図である。この作業系 統図に示されているように、硫化水素含有および二酸化炭素含有ガス3は、第一 段階で、第1図に関して前記したように、硫化水素の吸収用の容器を含む装置で 処理される。本発明によれば、硫化水素の吸収は、第一段階では100%まで行 なわれるのではなく、すなわち第一段階で硫化水素が全部吸収されるのではなく 、硫化水素の少なくとも主要部分までだけ、すなわち硫化水素の少なくとも50 %、好ましくは約60〜97%、更に好ましくは約80〜95%、最も好ましく は約90%、が第一段階で吸収される。好ましくは、ガスの硫化水素含量の総量 が少なくとも約98%が、第一および第二段階によって吸収される。 このようにして浄化されたガス5は、また硫化水素および二酸化炭素を含有す るが、次にこれを第一段階から第二段階へと供給して、硫化水素を二酸化硫黄へ と転換すべく、ガスは最初に燃焼させ、次いで、形成された二酸化硫黄の吸収を 考慮してスクラバーで湿式浄化する。 第2図に示されるように、燃焼は、取入口34を通って供給されるガス5を燃 焼させ、硫化水素を二酸化硫黄へ酸化する燃焼手段33、例えばバーナー、を有 する燃焼装置32で行なわれる。前記のように、燃焼装置32は樹皮焼却ボイラ ーまたは石灰スラッジ再燃キルンなどの現存する装置からなっていてもよい。二 酸化硫黄含有煙道ガスは、取出口35を通って排出され、二酸化硫黄の取入口3 8、浄化ガス40の取出口39およびアルカリ含有溶液の供給手段41を含んで なる湿式クリーナー36へと導かれる。前記のように、アルカリ含有溶液は、ア ルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウム、 を含有する。溶液は、ポンプ42によってノズル43に循環されて、そこで溶液 は微細に分割され、二酸化硫黄含有ガスと向流的に接触して、二酸化硫黄が溶液 によって吸収される。二酸化炭素の吸収が競合することなく二酸化硫黄の吸収を 最高にするため、溶液のpHを約6〜8、好ましくは7〜7.5、に調整する。 二酸化硫黄を吸収した溶液は、44で第二段階から排出される。 本発明を、非制限的実施例によって更に評価する。実施例 黒液蒸発で発生したガスから硫化水素を選択的に除去するため、試験を行なっ た。前記し、かつ第1図および第2図に示された種類の装置を用いた。 この方法の第一段階では、硫化水素の吸収は大気圧で行ない、供給ガスの温度 は約60℃であり、硫化水素1.13モル%および二酸化炭素16.9モル%を 含有していた。このガスを、水約18.7モル%に相当する所定の温度の水蒸気 で飽和させた。供給ガス流量は38280Nm3/時であり、吸収塔でのガスの 流速は約3.1m/秒であった。吸収塔の高さは6.25mであり、2つの第一 ステップはそれぞれ高さが1.5mであり、ガスの供給方向で見た場合の最終ス テップの高さは1mであった。それぞれのステップは、Sulzer製のタイプMellap ack 500 の充填物を備えていた。タワーの直径は2.3mであった。 2M炭酸ナトリウム溶液8.8m3/時からなり、温度が約60℃の新鮮な吸 収溶液を、リサイクルされた吸収溶液と共に塔の最終ステップに供給し、塔の最 終ステップに総量が約50m3/時の吸収溶液が供給されるようにした。供給し た吸収溶液のpHは約11.0であり、これは、このステップ中を溶液が通過す る際に硫化水素の吸収により約10.2まで減少した。このステップを通過した 後、溶液を1.5m3の集積容器に供給し、温度が約60℃の2.5M水酸化ナ トリウム溶液を添加することによって溶液を再生して、溶液のpHを再度約11 .0まで増加させた。次に、再生した溶液を、ポンプによって吸収タワーの最終 ステップにリサイクルして、改めて硫化水素の吸収に用いた。 吸収溶液約11m3/時を集積容器から中間ステップの集積容器へ抜き取り、 pHが約11.0の吸収溶液約50m3/時を前ステップと同様に、中間ステッ プへ供給し、そこで吸収溶液をpH約10.2で抜き取り、集積容器にリサイク ルした。集積容器では、溶液を、前ステップと同様に、温度が約60℃の2.5 M水酸化ナトリウム溶液を添加することによって再生した。 中間ステップの集積容器から、吸収溶液13.5m3/時を第一(最下段)ス テップの集積容器に抜き取り、そこでpHが約11.0の吸収溶液50m3/時 をガスの供給方向で見た場合の第一ステップヘ送った。このステップを通過し、 そこで硫化水素を吸収した後、pHが約10.2となった溶液を抜き取り、集積 容器へリサイクルした。この集積容器では、溶液を、前ステップと同様にして、 温度が約60℃の2.5M水酸化ナトリウム溶液を添加することによって再生し 、再生した溶液のpHが約11.0となるようにした。一般的には、2.5M水 酸化ナトリウム溶液約8.6m3/時を、これら3つのステップの集積容器に加 えた。第一の(最下限の)ステップの集積容器から、HS-濃度が1モル/リッ トルの溶液約17.4m3/時を抜き取った。吸収タワーから出て行くガスは、 硫化水素0.113モル%および二酸化炭素16.4モル%を含有していた。こ の方法の第一段階において、硫化水素の分離度は約90%であり、分離における 硫化水素への選択性は約0.67%であった。 次に、この方法の第二段階を行なった。従って、第一段階で吸収塔から出てく るガスを、空気を31700Nm3/時で加えた炉で燃焼させたところ、SO26 50ppm(1930モル/時)を含有する煙道ガス66000Nm3/時を生 じた。この煙道ガスを、前記の通常のタイプのSO2スクラバーに導いた。この スクラバーでは、2.5M水酸化ナトリウム溶液1.54m3/時が消費され、 新鮮な水2.0m3/時を更にスクラバーに供給して、入ってくる煙道ガスを飽 和温度まで冷却した。スクラバーから出てくるガスは、SO2濃度が12ppm であり、これは35モル/時(硫黄1.12kg/時)に相当した。供給された 吸収溶液を、一定pH7.2に保持した。吸収溶液を、スクラバーで総流速17 0m3/時でリサイクルした。スクラバーから溶液1.8m3/時を抜き取ったと ころ、これは総硫黄濃度(SO3 2-+HSO3 -+SO4 2-)が 1.05モル/リットルであった。硫黄の総分離度、すなわち第一段階における 硫化水素の分離度に第二段階での二酸化硫黄の分離度を加えたものは99.8% であった。第一段階では、水酸化ナトリウム860kg/時が消費され、第二段 階では、水酸化ナトリウム152kg/時が消費され、すなわち硫黄の分離度9 9.8%を得るためNaOHが総量で1012kg/時が消費された。 比較のため、今度は第一段階だけでこの方法を繰り返し、すなわち硫化水素の 二酸化硫黄への燃焼および形成された二酸化硫黄の湿式スクラバーでの吸収は行 なわなかった。代わりに、第一段階での硫化水素の分離を、硫化水素98%が分 離される程度まで行なった。硫化水素の90〜98%の分離での硫化水素への選 択性は0.15であった。その場合の全段階についての総選択性は、硫黄の総分 離度は低かったにも拘らず、NaOHの消費については本発明の方法よりも70 %以上高かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD),AM,AT, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR, LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI ,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ベングトソーン,スーネ スウェーデン国ベクシェ、ビッカーベーゲ ン、16

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 硫化水素と二酸化炭素の両者を含むガス(3)から硫化水素を液体吸収に よって選択的に除去する方法であって、ガス(3)の硫化水素含量の主要部分を除 去する第一段階において、ガス(3)を少なくとも1つのステップ(6,7,8)におい て、水酸化物(26,27,28)を添加することによって吸収中にpHを調整してなる 炭酸塩含有アルカリ溶液(25)と接触させること、このガスを次に第二段階におい て燃焼させて、残存する硫化水素を二酸化硫黄に転換させて、これをアルカリ溶 液またはアルカリ物質を添加することによってpHを調整してなる水性溶液に吸 収させること、を特徴とする、硫化水素の選択的除去方法。 2. 前記第一段階におけるガス(3)を、炭酸ナトリウムを含む溶液(25)と接 触させる、請求の範囲第1項に記載の方法。 3. ガス(3)を緑液、白液、または弱液、特に緑液と、接触させる、請求の 範囲第2項に記載の方法。 4. 炭酸塩含有アルカリ溶液のpHを、第一段階においてアルカリ金属水酸 化物を含む液体(26,27,28)によって調整する、請求の範囲第1項に記載の方法 。 5. pHを白液、緑液、または弱液、好ましくは白液または弱液、特に白液 、によって調整する、請求の範囲第4項に記載の方法。 6. 前記第一段階におけるガスを、pHが約9〜12、好ましくは約10〜 11、で炭酸塩含有溶液(25)と接触させる、請求の範囲第1〜5項のいずれか1 項に記載の方法。 7. 第二段階において燃焼後に、ガスをpHが約6〜8、好ましくは約7. 0〜7.5、で水溶液に吸収させる、請求の範囲第1〜6項のいずれか1項に記 載の方法。 8. ガスの硫化水素含量の約60〜97%、好ましくは約80〜95%、を 第一段階で除去する、請求の範囲第1〜7項のいずれか1項に記載の方法。 9. ガスの硫化水素含量の総てのうちの少なくとも約98%を除去する、請 求の範囲第1〜8項のいずれか1項に記載の方法。 10. 下記の(a)〜(c)を具備することを特徴とする、硫化水素と二酸 化炭素の両者を含むガス(3)から硫化水素を液体吸収によって選択的に除去する 装置。 (a)ガス取入口(2)およびガス取出口(4)ならびにいくつかの連続ステップ(6,7 ,8)に配置された充填物(9);ガスの供給方向で見た場合の最終ステップに炭酸 塩含有溶液を供給する手段(25)であって、各ステップが該ステップにガスと向流 させて炭酸塩含有溶液を供給しかつ溶液をそのステップにリサイクルする手段を 有するものであるもの;ステップ間に配置されガスの供給方向で見た場合の一つ のステップから前ステップへの溶液の部分流を供給する導管(29,30);ステップ (6,7,8)の少なくとも一つで炭酸塩含有溶液に水酸化物を供給する手段(26,27 ,28);およびガスの供給方向で見た場合の第一ステップから硫化水素含有液体 を排出するための出口導管(31);を有する容器(1)、 (b)容器(1)のガス出口(4)からの硫化水素含有ガス(5)の取入口(34)、供給され たガスを燃焼させ、ガス中の硫化水素を二酸化硫黄に転換する燃焼手段(33)、お よび燃焼装置(32)から二酸化硫黄含有ガスを排出する取出口(35)を有する燃焼装 置(32)、および (c)燃焼によって形成された二酸化硫黄を吸収するのに適しており、かつ燃焼 装置(32)からの二酸化硫黄含有ガスの取入口(38)、清浄にしたガス(40)の取出口 (39)、アルカリ溶液またはアルカリ性物質を添加してpHを調整して、供給され る二酸化硫黄含有ガスと接触するようにした水溶液を供給し、循環させ、微細に 分割する手段(41,42,43)、および吸収された二酸化硫黄を含む溶液を排出する 手段(44)を有する容器(37)を具備する湿式クリーナー(36)。
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