JPH09502602A - 骨髄細胞白血病関連遺伝子mc1−1 - Google Patents

骨髄細胞白血病関連遺伝子mc1−1

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JPH09502602A JP7501737A JP50173795A JPH09502602A JP H09502602 A JPH09502602 A JP H09502602A JP 7501737 A JP7501737 A JP 7501737A JP 50173795 A JP50173795 A JP 50173795A JP H09502602 A JPH09502602 A JP H09502602A
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Abstract

(57)【要約】 bcl−2ファミリーの遺伝子であるmcl−1を、そのヌクレオチドおよびアミノ酸配列とともに開示する。mcl−1ヌクレオチドおよびポリペプチド配列の診断的および治療的使用方法も合わせて開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 骨髄細胞白血病関連遺伝子mcl−1 本願は、1993年2月2日に出願された米国特許出願第08/012,307号の一部 継続出願である。 本発明は国立衛生研究所によって授与番号第 CA54385号のもとに与えられた政 府援助金を使って成された。政府は本発明について一定の権利を有する。発明の背景 1.発明の分野 本発明は独特の癌原遺伝子ポリペプチドに関し、特にbcl−2ファミリーの 新規なポリペプチドおよびその核酸配列に関する。 2.関連技術の説明 組換えDNA技術の進歩は、増殖、発生および分化を制御する正常な細胞遺伝 子(癌原遺伝子、癌抑制遺伝子、およびアポプトシス(apoptosis)/細胞死関連遺 伝子)の発見をもたらした。ある状況下では、これら遺伝子の調節が変更され、 正常細胞が腫瘍性増殖挙動を取る。いくつかの症例においては、これらの遺伝子 に関連した種々の操作によって正常な細胞表現型を回復しうる。今日までに40 以上の癌原遺伝子および抑制遺伝子が知られている。これらはその機能的特徴に より種々のカテゴリーに分かれる。これらの遺伝子は、1)増殖因子および増殖 因子受容体、2)細胞 内シグナル伝達経路(例えば細胞質と核との間)のメッセンジャー、並びに3) 遺伝子発現およびDNA複製に影響を与える調節タンパク質を含む。 癌原遺伝子またはその産物の構造における質的変化およびその発現における量 的変化は、数種類の癌について文献化されている。例えば、慢性骨髄性白血病で は、abl癌遺伝子は染色体22のbcr遺伝子の近くに転位させられる。親細 胞タンパク質と質的に異なる癌特異的融合タンパク質が作成され、これは理想的 な癌マーカーである。突然変異ras遺伝子は、ヒト白血病および結腸癌の最も 早い段階に関係があるとされている。規定された前悪性状態におけるこれら突然 変異の検出は、価値ある予後情報を臨床医に提供するであろう。 細胞はその一生の間に、正常であれば増殖可能性を有する未成熟な状態から連 続した分化の段階を経て、最後に細胞死にいたる。癌においては、おそらく癌遺 伝子、癌抑制遺伝子および他の遺伝子の変化のために、上記の秩序だった進行は 常軌を逸する。未成熟な状態から分化への進行は、誘導性白血病細胞系において 再確立することができる。例えば、ホルボールエステル12−O−テトラデカノ イルホルボール−13−アセテート(TPA)を用いて、ML−1ヒト骨髄芽球 白血病細胞を単球/マクロファージへ分化するように誘導することができる。分 化した細胞は増殖能を失い、細胞周期のG0/G1期に累積する。しかし、生存可 能であることは変わらず、また正常な単球/マクロファージ機能を達成できる。 一般に、未成熟で増殖性の細胞は、分化した、生存可能な非増殖性表現型に変換 される。 ML−1細胞において、この変換の最初の誘導または「プログラミング」は、 後の表現型変化と分離しうる。特定の条件下でTPAを用いて細胞を3時間誘導 すると、細胞は不可逆的に次の3日間にわたって分化を経ることを余儀なくされ る。この時間的な分離は、初期プログラミングまたは分化の間に発現を増す遺伝 子を同定するのに使用できる。そのような「初期誘導」遺伝子は、後の表現型変 換に影響を与えるか、またはそれをもたらすのを助けるのかもしれない。これら 初期誘導遺伝子(癌原遺伝子fos等)の常軌を逸した発現は、形質転換表現型 の発生をもたらしうる。 癌遺伝子およびその産物に関する研究は、癌を引き起こしそれを維持する作用 機構のより根本的な理解により、より合理的な悪性疾患の診断および治療手段が もたらされる、という信念によって部分的に動機づけられている。遺伝子的に癌 原遺伝子と連結している制限断片長多型(RFLP)の家族研究を使用して、癌 にかかりやすい個人を同定することができるかもしれない。 現行の癌試験は非特異的で、かつ限られた臨床での適用に使用されている。例 えば、癌の診断およびモニターの両方に広く用いられている生化学的試験は、癌 胎児性抗原(CEA)のレベルを測定するものである。CEAは胚組織中に大量 に検出しうるが、正常な成人組織中には少量しか検出されない腫瘍胎児抗原であ る。特定の胃腸癌を有する患者の血清は、免疫学的方法によって測定可能な、上 昇したCEAレベルを有する。血清中のCEAの量は、これらの癌の緩解または 再発と相関しており、CEAレベルは癌の外科的除去後に突然低下する。上昇し たCEAレベルが戻るこ とは、悪性細胞が戻ったことを意味する。しかし、CEAは殆どすべての成人に 低レベルで見いだされる正常な糖タンパク質でもある。さらに、このタンパク質 はいくつかの非悪性疾患条件によって上昇することがあり、また、多くの癌の存 在下で上昇を示さない。したがって、このタンパク質は癌マーカーとして理想か ら程遠いものである。 同様な癌胎児性の腫瘍マーカーに、胚性形態のアルブミンであるα−フェトプ ロテインがある。この抗原もまた胚組織中に大量に検出しうるが、正常な成人に は少量しか検出されない。これは肝癌を含む多数の胃腸癌において上昇する。C EAと同様、減少は癌の緩解と相関し、また再上昇は再発と相関する。2〜3の 選択された症例を除く任意の症例において、悪性疾患をスクリーニングする、ま たは以前に診断された癌をモニターするのにこのマーカーを有用とするためには 、感受性および特異性が不十分である。 何年もの間、遺伝子の発現、またはそれらのメッセージのタンパク質産物への 翻訳を変更するために種々の治療剤が使用されてきた。しかし、これらの治療剤 の主要な問題は、無差別に作用する傾向があり、悪性細胞はもとより健康な細胞 も悪影響を受ける、ということである。その結果、現存の化学治療法は、これら の治療剤の非特異的活性のためにしばしば重篤な副作用を伴う。 特異的意図的治療への可能性のある1つのアプローチは、特定の癌遺伝子、癌 抑制遺伝子、またはアポプトシス/細胞死遺伝子を標的とすることによる。それ ゆえ、癌および腫瘍性表現型に関連する、およびこれらの表現型の抑制に関連す る、新しい癌遺伝 子を継続的に同定する必要がある。いったんこれらの遺伝子が同定されたならば 、例えば遺伝子そのもの、それらのRNA転写物またはそれらのタンパク質産物 に向けられた、健康な細胞に対して最小の有害効果しか与えない特異的治療剤が 設計できる。発明の概要 本発明は、ある種の細胞増殖異常に関連する新しい遺伝子mcl−1の、多く の可能性を秘めた発見から生まれた。この新しい遺伝子は初め、骨髄細胞白血病 における分化のプログラミングの間の発現に基づいて同定された。この先駆的発 見の結果、本発明はその最も根本的なレベルにおいて機能性ポリペプチドmcl −1およびmcl−1をコードするポリヌクレオチドを提供する。この新規なポ リペプチドは、mcl−1の全部または一部に対して免疫反応性であり、mcl −1関連細胞増殖異常を検出および治療するための種々の診断および治療様式に 使用しうる、抗体の作成を可能とする。図面の簡単な説明 図1は、ML−1細胞のTPA誘導分化の間におけるmcl−1発現の経時変 化を示す。 図2は、mcl−1タンパク質の推定アミノ酸配列、およびそのcDNAの図 式的説明を示す。 図3は、mcl−1 mRNAの in vitro 翻訳を示す。 図4は、mcl−1、bcl−1およびBHRF1のカルボキシル領域のアミ ノ酸配列を並べて示したものである。 図5aおよび5bは、mcl−1のヌクレオチド配列である。発明の詳細な説明 本発明は、骨髄細胞白血病(myeloid cell leukemia)における分化のプログラ ミング中の初期に発現される新規なポリペプチドmcl−1を提供する。細胞分 化の初期に発現される遺伝子は、後に起こる表現型変化の誘導またはプログラミ ングに参加する可能性がある。本発明にはまた、mcl−1またはその部分をコ ードするポリヌクレオチド配列が含まれる。mcl−1のカルボキシル部分は、 bcl−2に対して相同性を有し、これは発生しつつあるリンパ球系細胞および リンパ腫におけるプログラムされた細胞死を抑制する。mcl−1/bcl−2 ファミリーの遺伝子は、癌細胞中に同定される。しかし、これらは細胞の運命に おける移行(例えば生存可能から死へ、または増殖から分化へ、等)のプログラ ミングとの関連によって特徴付けられる、という点で公知の癌遺伝子と異なって いる。本発明はbcl−2ファミリーの37.5kDポリペプチドをコードする 3946塩基対のポリヌクレオチドを提供する。本発明はまた、mcl−1ポリ ペプチド、またはその断片に対して免疫反応性の抗体を含む。本発明はまた、m cl−1を発現する細胞の同定方法およびmcl−1に関連する異常の治療方法 を提供する。 ここで用いる「機能性ポリペプチド」という用語は、規定された機能性アッセ イによって同定される生物学的機能または活性を有し、かつ細胞における特定の 生物学的、形態的、または表現型的変更に関連しているポリペプチドを意味する 。生物学的機能は、 抗体分子が結合しうるエピトープほど小さいポリペプチド断片から、細胞内にお ける表現型変化の特徴的誘導またはプログラミングに参加できるほど大きいポリ ペプチドまで、多様でありうる。「機能性ポリヌクレオチド」とは、ここに記述 される機能性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをいう。 「実質的に純粋な」という表現は、それぞれ他のポリペプチド若しくは遺伝子 、または天然において通常であれば共存している他の汚染物を本質的に含まず、 かつ、天然には見いだされない形で存在するような、本発明の任意のmcl−1 ポリペプチドまたはmcl−1ポリペプチドをコードする任意の遺伝子を意味す る。「機能性誘導体」とは、分子の「断片」、「変異体」、「類似体」、または 「化学的誘導体」を意味する。分子(例えば、本発明のDNA配列の任意のもの )の「断片」は、分子の任意のヌクレオチドサブセット(subset)を含む。そのよ うな分子の「変異体」とは、該分子の全体または断片に実質的に類似した、天然 に存在する分子をいう。分子の「類似体」とは、該分子の全体またはそれらの断 片に実質的に類似した非天然の分子をいう。 分子は、両者のアミノ酸配列が実質的に同一であれば、他の分子に「実質的に 類似している」と言われる。実質的に類似したアミノ酸からなる分子は、類似の 生物活性を有する。したがって、もし2つの分子が類似の活性を有するならば、 分子の一方が他方にはない付加的アミノ酸残基を含有していても、または両者の アミノ酸残基の配列が同一でなくとも、これらの分子はここに用いられる用語の 意味において変異体であると考えられる。本明細書においては、ある分子が普通 では該分子の一部ではない付加的化 学部分を含有する時、この分子は他の分子の「化学的誘導体」であるという。こ のような化学的部分は、分子の溶解性、吸収、生物学的半減期等を改良しうる。 これらの化学的部分はまた、分子の毒性を低下させ、分子の望ましくない副作用 等を消去または軽減しうる。このような効果を媒介しうる部分は、例えば、Remi ngton's Pharmaceutical Sciences,16版,Mack Publishing Co.,Easton,Penn .(1980)に開示されている。 同様に、本発明のmcl−1ポリペプチドをコードする遺伝子の「機能性誘導 体」は、ヌクレオチド配列が「実質的に類似」しており、かつmcl−1ペプチ ドに類似の活性を有する分子をコードする、該遺伝子の「断片」、「変形」また は「類似体」を含む。 したがって、ここに用いるmcl−1ポリペプチドという用語は、ここに記述 するmcl−1ポリペプチドに実質的に類似し、かつ同様の活性を有する任意の 機能性誘導体、断片、変形、類似体および化学的誘導体を含む。 mcl−1一次アミノ酸配列の小修飾は、ここに記述するmcl−1ポリペプ チドと比較して実質的に等しい活性を有するタンパク質をもたらしうる。このよ うな修飾は、部位特異的突然変異誘発等の精巧なものであってもよいし、または 、自然発生的なものであってもよい。これらの修飾によって作成されるすべての ポリペプチドは、mcl−1の生物活性がなお存在する限り、本発明に含まれる 。さらに、1個またはそれ以上のアミノ酸の欠失もまた、生物活性を有意に変更 すること無く、できあがる分子の構造の修飾をもたらしうる。これは、より広い 用途を持つより小さ い活性分子の開発に導くことができる。例えば、mcl−1の生物活性に必要と されないアミノ末端またはカルボキシ末端のアミノ酸を除去することができる。 ここに用いる「保存性変異」とは、アミノ酸残基を別の生物学的に類似の残基 と置換することをさす。保存性変形の例は、イソロイシン、バリン、ロイシンま たはメチオニン等の疎水性残基の別の疎水性残基への置換、または極性残基の別 の極性残基への置換(例えば、アルギニンをリシンに、グルタミン酸をアスパラ ギン酸に、グルタミンをアスパラギンに置換する)等を含む。「保存性変異」と いう用語はまた、置換ポリペプチドに対して作成された抗体が置換されていない ポリペプチドに対しても免疫反応をするならば、置換アミノ酸を置換されていな い親アミノ酸の代わりに使用することをも含む。 本発明のペプチドは Merrifield,J.Am.Chem.Soc.,85:2149,1962、ならびにS tewart およびYoung,Solid Phase Petpites Synthesis,(Freeman,San Franc isco,1969,pp.27-62)に記載の周知の固相ペプチド合成法により、ポリマー1 gあたり 0.1-1.0 mM のアミンを含有するコポリ(スチレン−ジビニルベンゼン )を用いて合成することができる。化学合成が完了したならば、液体HF-10%アニ ソールを用いて0℃で約 1/4〜1時間処理することによりペプチドを脱保護し、 ポリマーから開裂することができる。試薬を蒸発させた後、1%の酢酸を用いて ポリマーからペプチドを抽出する。これを次に凍結乾燥させ、粗材料を作成する 。この粗材料は、通常5%酢酸を溶媒として用いて、Sephadex G-15 を使用する ゲル濾過等の技法により精製することができる。カラム の適切な画分の凍結乾燥は、ホモジニアスなペプチドまたはペプチド誘導体を生 ずる。次に、これを標準的技法(アミノ酸分析、薄層クロマトグラフィー、高速 液体クロマトグラフィー、紫外線吸収分光法、モル旋光度、可溶性等)により特 徴付けし、そして固相エドマン分解により定量することができる。 ここで用いる「ポリヌクレオチド」または「mcl−1ポリヌクレオチド」と いう用語は、mcl−1ポリペプチドをコードするDNA、cDNAおよびRN A、ならびにmcl−1をコードする構造遺伝子に隣接する非翻訳配列をさす。 本発明のmcl−1ポリペプチドの全体または一部をコードするすべてのポリヌ クレオチドもまた、コードされるポリペプチドがmcl−1の活性または機能、 あるいはmcl−1に特徴的な組織発現パターンを示すならば、ここに含まれる と解される。このようなポリヌクレオチドは、対立遺伝子変異体等の天然に存在 する形態、および、例えば突然変異させたポリヌクレオチド等の意図的に操作さ れた形態、ならびに人工的に合成されたポリヌクレオチドを含む。このような突 然変異ポリヌクレオチドは、例えば、mcl−1ポリペプチドを部位特異的突然 変異誘発に付すことによって作成できる。 上記のように、別の態様においては、本発明のポリヌクレオチドはmcl−1 コード領域に加え、mcl−1構造遺伝子のコード領域に隣接するヌクレオチド をも含む。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、mcl−1構造遺伝子に関連 する5’調節ヌクレオチド配列および3’非翻訳配列を含む。bcl−2(Cotte rら,Blood,76:131,1990)に類似して、転位(translocation)領 域に隣接する主要切断点(breakpoint)領域(mbr)またはマイナークラスター(mino r cluster)領域(mcr)のヌクレオチド配列を表すオリゴヌクレオチドプライマー は、mcl−1遺伝子に関連する転位を増幅し、検出するためのポリメラーゼチ ェーンリアクション(PCR)に有用である。プライマーは、例えば、種々のmcl −1関連細胞増殖異常における転位によって生じる配列の連結を検出する非翻訳 ヌクレオチド配列を表すものでもよい。 mcl−1のポリヌクレオチド配列はアンチセンス配列をも含む。本発明のポ リヌクレオチドは、遺伝暗号の結果としての縮重の配列をも含む。天然のアミノ 酸は20種類あり、それらの殆どが2つ以上のコドンによって規定される。したが って、mcl−1のアミノ酸配列が機能性ポリペプチドをもたらすならば(少な くとも、センスポリヌクレオチド鎖の場合)、すべての縮重ヌクレオチド配列は 本発明に含まれる。アンチセンスポリヌクレオチドが関与する場合は、本発明は mcl−1ポリペプチドの産生を抑制可能なすべてのアンチセンスポリヌクレオ チドを包含する。 本発明の好ましいmcl−1 cDNAクローンは、3.8kbの最長転写物 と一致する、3946塩基対の配列によって規定される。好ましいmcl−1に よってコードされるタンパク質は約350アミノ酸で,約37.5KDの分子量 を有する。アミノ末端部分において、mcl−1タンパク質はプロリン(P)、 グルタミン酸(E)、セリン(S)およびトレオニン(T)について富化された 2つの「PEST」配列および4対のアルギニンを含有する。「PEST」配列 は急速な代謝回転を受ける種々の癌タンパク質および他のタンパク質に存在する 。これらの「PES T」配列は、bcl−2をコードするポリヌクレオチド配列には見いだされない 。したがって、これはmcl−1ポリペプチドファミリーのメンバーの特徴的様 相を表すものである。mcl−1がbcl−2に配列相同性を有するのはカルボ キシル領域においてである(35%のアミノ酸同一性および139アミノ酸残基 において59%の類似性)。 本発明のDNA配列はいくつかの方法で得ることができる。例えば、当分野の 技術で周知のハイブリダイゼーション手順を用いてDNAを単離することができ る。この手順は、以下のものを含むがそれらだけに限定されない。すなわち、1 )共通のヌクレオチド配列の検出のための、ゲノムまたはcDNAライブラリー へのプローブのハイブリダイゼーション;2)共通の構造特徴を検出するための 、発現ライブラリーの抗体によるスクリーニング;および3)ポリメラーゼチェ ーンリアクション(PCR)による合成である。 ハイブリダイゼーション手順は、各プローブがハイブリダイゼーション試料( これは変性二本鎖DNAの異種混合物を含む)中の特定のDNA配列の完全な相 補体であり得る標識化混合合成オリゴヌクレオチドプローブを用いて、組換えク ローンをスクリーニングするのに有用である。そのようなスクリーニングのため には、ハイブリダイゼーションは好ましくは一本鎖DNAまたは変性二本鎖DN Aを用いて実施される。ハイブリダイゼーションは、興味のあるポリペプチドに 関連するmRNAが極めて少量しか存在しない供給源に由来するcDNAクロー ンの検出において特に有用である。すなわち、非特異的結合を避けることに向け られた ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を用いることによって、標的D NAをその完全な相補体である混合物中の単一プローブにハイブリダイズさせる ことにより、例えば特異的cDNAクローンのオートラジオグラフィーによる可 視化を可能とすることができる(Wallaceら,Nucleic Acid Research,9:879,1 981)。 mcl−1を含有するcDNAライブラリーは、種々のcDNAを卵母細胞に 注入し、cDNA遺伝子産物の発現が起こるのに十分な時間を与え、そして所望 のcDNA発現産物の存在をmcl−1ポリペプチドに特異的な抗体を使用する 、またはmcl−1活性およびmcl−1に特徴的な組織発現パターンについて 機能的アッセイを用いる、等により試験することによってスクリーニングできる 。あるいは、mcl−1に特異的な抗体を用いて、少なくとも1個のエピトープ をもつmcl−1ポリペプチドに関してcDNAライブラリーを間接的にスクリ ーニングできる。このような抗体はポリクローナル的に引き出したものでも、モ ノクローナル的に引き出したものでもよく、mcl−1 cDNAの存在を指示 する発現産物を検出するために使用できる。 核酸ハイブリダイゼーションに頼るスクリーニング手順は、適切なプローブさ え得られれば、任意の生物から任意の遺伝子配列を単離することを可能とする。 興味のあるタンパク質をコードする配列の一部に対応するオリゴヌクレオチドプ ローブを化学的に合成することができる。そのためには、アミノ酸配列のうち短 いオリゴペプチドの一続きが公知でなければならない。タンパク質をコードする DNA配列は遺伝暗号から推定できるが、しかし遺 伝暗号の縮重を考慮に入れなければならない。配列が縮重のものである場合、混 合付加反応を実施することができる。これは変性二本鎖DNAの異種混合物を含 む。そのようなスクリーニングのために、ハイブリダイゼーションは好ましくは 一本鎖DNAまたは変性二本鎖DNAを用いて実施される。ハイブリダイゼーシ ョンは、興味のあるポリペプチドに関連するmRNAが極めて少量しか存在しな い供給源から引き出したcDNAクローンの検出において特に有用である。すな わち、非特異的結合を避けることに向けられたストリンジェントなハイブリダイ ゼーション条件を用いることによって、標的DNAをその完全な相補体である混 合物中の単一プローブへハイブリダイスさせることにより、例えば特異的cDN Aクローンのオートラジオグラフィーによる可視化を可能とすることができる(W allaceら,Nucleic Acid Research, 9:879,1981)。 mcl−1をコードする特異的DNA配列を引き出すことも、1)ゲノムDN Aからの二本鎖DNA配列の単離;2)興味のあるポリペプチドにとって必要な コドンを提供するためのDNA配列の化学合成;および3)真核生物供与細胞か ら単離されたmRNAの逆転写による、二本鎖DNA配列の in vitro 合成、と いう方法によって達成しうる。後者の場合、一般にcDNAと呼ばれる、mRN Aの二本鎖DNA相補体が最後には形成される。組換え手段に使用するための特 異的DNA配列を引き出すためのこれら3つの方法のうち、ゲノムDNA単離物 の単離は、最も一般的でない。これは哺乳動物ポリペプチドの微生物による発現 を得ることが望ましい場合は、イントロンの存在のため、特にそうい える。 所望のポリペプチド産物のアミノ酸残基の全配列が分かっている場合は、DN A配列の合成はしばしば最良の方法である。所望のポリペプチドのアミノ酸残基 の全配列が分かっていない場合は、DNA配列の直接合成は不可能で、最良の方 法はcDNA配列の合成である。興味のあるcDNA配列を単離するための標準 的手順のなかに、プラスミドまたはファージを担持するcDNAライブラリーの 形成がある。これらのライブラリーは、高レベルの遺伝子発現を有する供与細胞 に豊富に存在するmRNAの逆転写から得られる。ポリメラーゼチェーンリアク ション技術と組み合わせて用いると、稀な発現産物でもクローン化することがで きる。ポリペプチドのアミノ酸配列のかなりの部分が分かっている場合には、一 本鎖形態に変性されたcDNAのクローン化コピーを用いて実施されるDNA/ DNAハイブリダイゼーション手順において、標的cDNAに存在すると推定さ れる配列を写している標識化一本または二本鎖DNAまたはRNAプローブ配列 の作成を採用することが可能である(Jayら,Nucl.Acid Res.,11:2325,1983) 。 ラムダgt11等のcDNA発現ライブラリーを、mcl−1に特異的な抗体 を使用して、少なくとも1つのエピトープを有するmcl−1ペプチドに関して 間接的にスクリーニングすることができる。このような抗体はポリクローナル的 に引き出したものでもモノクローナル的に引き出したものでもよく、mcl−1 cDNAの存在を指示する発現産物を検出するために使用できる。 mcl−1をコードするDNA配列は、適切な宿主細胞へのD NAトランスファー(transfer)によってin vitroで発現させることができる。「 宿主細胞」とは、その中でベクターを増殖させることができ、かつそのDNAを 発現させることができる細胞である。この用語は、その宿主細胞の任意の子孫を も含む。複製中に突然変異が起こるであろうから、すべての子孫が必ずしも親細 胞と同一ではないことが理解される。しかし、「宿主細胞」という用語が使用さ れる時、これらの子孫は本発明に包含される。安定したトランスファーの方法、 すなわち外来遺伝子が宿主中で継続的に維持される方法は当分野の技術において 公知である。 本発明において、mcl−1ポリヌクレオチド配列を組換え発現ベクターに挿 入することができる。「組換え発現ベクター」という用語は、mcl−1遺伝子 配列の挿入または組み込みによって操作された、当分野の技術で公知のプラスミ ド、ウイルスまたは他のビヒクルをいう。このような発現ベクターは、宿主の挿 入遺伝配列の効率的発現を容易にするプロモーターを含有する。発現ベクターは 典型的には複製起点、プロモーター、および形質転換細胞の表現型選択を可能と する特異的遺伝子を含有する。本発明に使用するのに適したベクターは、以下の ものを含むがそれらだけに限定されない。すなわち、細菌における発現のための T7に基づく発現ベクター(Rosenbergら,Gene,56:125,1987)、哺乳動物細胞 における発現のためのpMSXND発現ベクター(LeeおよびNathans,J.Biol. Chem.,263:3251,1988)および昆虫細胞における発現のためのバキュロウイルス 由来ベクターである。DNAセグメントは、プロモーター(例えばT7、メタロ チオネインI、またはポリヘドリンプロモーター)等の調節要素に機能 しうる形で連結されてベクター中に存在しうる。 mcl−1をコードするポリヌクレオチド配列は、原核生物または真核生物に おいて発現させることができる。宿主は、微生物、酵母、昆虫、および哺乳動物 を含む。真核生物またはウイルスの配列を有するDNAを原核生物において発現 させる方法は、当分野の技術で周知である。宿主中で発現および複製が可能な生 物学的に機能性のウイルスまたはプラスミドDNAベクターが公知である。この ようなベクターは本発明のDNA配列を組み込むために使用される。 組換えDNAを用いた宿主細胞の形質転換は、当業者に周知の通常の技法によ って実施することができる。宿主が大腸菌等の原核生物の場合、DNAの取り込 みが可能なコンピテント細胞は、指数増殖期の後で集菌し、次に周知の手順によ りCaCl2法で処理した細胞から調製することができる。あるいは、MgCl2 又はRbClを用いることもできる。形質転換は、宿主細胞のプロトプラストを 形成した後、またはエレクトロポレーション(電気穿孔法)によっても達成でき る。 宿主が真核生物の場合は、リン酸カルシウム共沈殿等のDNAのトランスフェ クション法、マイクロインジェクション、エレクトロポーション、リポソームに 収めたプラスミドの挿入等の通常の機械的手順、またはウイルスベクターが使用 できる。真核細胞は、本発明のmcl−1をコードするDNA配列、および選択 可能な表現型(例えば、単純ヘルペスチミジンキナーゼ遺伝子)をコードする第 2の外来DNA分子を用いて同時形質転換することもできる。他の方法は、真核 細胞を一時的に感染させ、または形 質転換してタンパク質を発現させるための、真核生物ウイルスベクター、例えば サルウイルス40(SV40)またはウシパピローマウイルス等の使用である(E ukaryotic Viral Vectors,Cold Spring Harbor Laboratory,Gluzman 編,1982 )。 微生物によって発現された本発明のポリペプチド、またはその断片の単離およ び精製は、分取クロマトグラフィーを含む通常の手段およびモノクローナルまた はポリクローナル抗体を使用する免疫学的分離によって実施できる。 本発明は、mcl−1ポリペプチドに対して免疫反応性のポリクローナルおよ びモノクローナル抗体、またはそれらの免疫原性断片を含む。所望であれば、例 えばmcl−1ポリペプチドを結合させたマトリックスに結合させ、そしてそこ から溶出することによって、ポリクローナル抗体をさらに精製することができる 。当業者は免疫学技術において一般的な、ポリクローナル抗体およびモノクロー ナル抗体の精製および/または濃縮のための種々の他の技法を知っているであろ う。異なるエピトープ特異性を有するプールされたモノクローナル抗体から本質 的に成る抗体、および別個のモノクローナル抗体調製物が提供される。モノクロ ーナル抗体は、タンパク質の断片を含有する抗原から当業者に周知の方法によっ て作成される(Kohlerら,Nature,256:495,1975)。本発明で用いる抗体または 免疫グロブリンという用語は、mcl−1上の抗原決定基に結合可能な完全な分 子、ならびにその断片、例えばFabおよびF(ab’)2等を含む。 mcl−1との結合を示す抗体結合ドメインの同定および単離のための好まし い方法は、バクテリオファージλベクター系であ る。この因子系は、大腸菌におけるマウス抗体全種類(Huseら,Science,246:1 275-1281,1989)由来およびヒト抗体全種類(Mullinax ら,Proc.Natl.Acad. Sci.,87:8095-8099,1990)由来のFab断片の組み合わせライブラリーを発現 するために使用されてきた。上記文献に記述されるように、前もって選択された リガンドとの結合を示す受容体(Fab分子)は同定され、これらの抗体発現ラ イブラリーから単離された。この方法は、前もって選択されたリガンドとの結合 性を有するモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマ細胞系にも適用可能で ある。所望のモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマは、当業者に良く理 解されている、ここで繰り返し述べることはしない技法を用いて、種々の方法で 作成することができる。これらの技法の詳細は、Monoclonal Antibodies-Hybrid omas: A New Dimension in Biological Analysis,Roger H.Kennettら編,Plen um Press,1980および米国特許第4,172,124 号等の参照文献に記述されている。 「細胞増殖異常」という用語は、形態および遺伝子型の両方においてしばしば 周囲の組織と異なっているように見える悪性および非悪性の細胞集団をいう。こ のような異常は、例えばmcl−1の異常な発現と関連している可能性がある。 「異常な発現」という表現は、mcl−1発現の増加または減少したレベルの両 方、ならびにmcl−1の正常な機能が変更されているような突然変異形態のm cl−1の発現を包含する。異常な発現はまた、細胞周期の間における、または 正しくない細胞型におけるmcl−1の不適当な発現を含む。アンチセンスポリ ヌクレオチド形態のmcl−1ポリヌクレオチドは、種々の器官系の悪性疾患、 特に、 例えばリンパ種等のリンパ球系起源の疾患を治療するのに有用である。本質的に 、mcl−1の変更された発現に病因的に結び付けられる任意の異常は、mcl −1発現を変調する本発明の試薬による治療が可能であると考えることができよ う。「変調する(modulate)」という用語は、mcl−1が過剰発現された場合に は、その発現の抑制、または、mcl−1が過少発現された場合若しくは発現さ れたmcl−1が突然変異形態のポリペプチドである場合は、その発現の増加を もくろむ。細胞増殖異常がmcl−1過剰発現に関連する場合は、アンチセンス mcl−1ポリヌクレオチド配列またはmcl−1結合抗体等の抑制試薬を細胞 に導入することができる。または、細胞増殖異常がmcl−1の過少発現若しく は突然変異mcl−1ポリペプチドの発現に関連する場合は、センスポリヌクレ オチド配列(DNAコード鎖)またはmcl−1ポリペプチドを細胞に導入する ことができる。 本発明は、mcl−1を発現する細胞、またはmcl−1に関連する細胞増殖 異常を検出する方法を提供する。この方法は、mcl−1を発現するのではない か、またはmcl−1関連異常を有するのではないかと思われる細胞を、細胞成 分と結合する試薬に接触させることを含む。その細胞成分は、DNA若しくはR NA等の核酸またはタンパク質でありうる。その成分が核酸の場合、試薬は核酸 プローブまたはPCRプライマーである。細胞成分がタンパク質である場合、試薬 は抗体プローブである。これらのプローブは、例えば放射性同位体、蛍光化合物 、生物発光化合物、化学発光化合物、金属キレート化剤または酵素を用いて検出 可能に標識される。当業者は抗体に結合するのに適当な他の標識を知っ ているか、または通常の実験を用いてそのような標識を突き止めることができる であろう。 本発明の目的のため、mcl−1に特異的な抗体または核酸プローブを、生物 学的液体または組織中のmcl−1ポリペプチド(抗体を使用)またはポリヌク レオチド(核酸プローブを使用)の検出に用いることができる。mcl−1配列 内の転位領域に基づくオリゴヌクレオチドプライマーの使用は、例えばPCR等 によるDNAの増幅および転位連結の分析に有用である。検出可能な量の抗原を 含有する任意の標本を用いることができる。本発明の好ましい試料は、リンパ球 系起源の組織、特に造血細胞を含有する組織である。より具体的には、造血細胞 は好ましくは骨髄細胞である。好ましくは、被験者はヒトである。 より大きな感受性をもたらしうる別の技法は、抗体を低分子量ハプテンと結合 させることから成る。次に、これらのハプテンを第2反応という手段によって特 異的に検出することができる。例えば、アビジンと反応するビオチン、またはヂ ニトロフェニル、ピリドキサルおよびフルオレセイン等の特異的抗ハプテン抗体 と反応しうるハプテンを使用するのが一般的である。 mcl−1を発現する細胞またはmcl−1に関連する細胞増殖異常を検出す る前記の方法は、臨床的緩解状態にある被験者において残留性の骨髄性白血病病 または他の細胞を検出するのに使用できる。さらに、細胞中のmcl−1ポリペ プチドの検出方法は、mcl−1を正常細胞と異なるレベルで発現する発現する 細胞を同定することによって細胞増殖異常を検出するのに有用である。本発明の 方法を用いることにより、細胞におけるmcl−1 の高い、または低い発現、および突然変異mcl−1の発現を同定することがで き、そして、適切な治療コース(例えば、センスまたはアンチセンス遺伝子療法 )が採用できる。 本発明のモノクローナル抗体は、例えば抗体を液相で、または固相担体に結合 して使用できるイムノアッセイにおける使用に適している。さらに、これらイム ノアッセイにおけるモノクローナル抗体は、種々の方法で検出可能に標識するこ とができる。本発明のモノクローナル抗体を使用できるイムノアッセイの種類の 例は、直接または間接形式の競合および非競合イムノアッセイである。このよう なイムノアッセイの例は、ラジオイムノアッセイ(RIA)およびサンドイッチ (免疫測定)アッセイである。本発明のモノクローナル抗体を用いた抗原の検出 は、前進、逆向き、または同時様式で実施されるイムノアッセイ(生理的試料を 用いた免疫組織化学アッセイを含む)を用いて行なうことができる。当業者は他 のイムノアッセイ形式を知っているか、または過度の実験を行なうこと無く突き 止めることができるであろう。 本発明のモノクローナル抗体は多くの異なる担体に結合させて、mcl−1の 存在を検出するために使用できる。周知の担体の例は、ガラス、ポリススチレン 、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然 および変性セルロース、ポリアクリルアミド、アガロースおよび磁鉄鉱を含む。 担体の性質は、本発明の目的により可溶性、または不溶性でありうる。当業者は モノクローナル抗体を結合させるのに適当な他の担体を知っているであろう。ま たは、通常の実験により、そのような担体を突き止めることができるであろう。 本発明の目的のため、mcl−1は生物的液体および組織に存在する場合は本 発明のモノクローナル抗体により検出することができる。検出可能な量のmcl −1を含有する任意の試料が使用できる。試料は、尿、唾液、脳脊髄液、血液、 血清等の液体、または組織、糞便等の固形若しくは半固形でありうる。あるいは 、組織学的診断に一般に用いられているような固形組織でありうる。 本発明に用いる「エピトープ」という用語は、本発明のモノクローナル抗体と 特異的相互作用が可能な任意の決定基を含む。エピトープ決定基は通常、化学的 に活性な表面分子群(アミノ酸または糖側鎖等)からなり、そして通常は特異的 3次元構造特性および特異的電荷特性を有する。 本発明のモノクローナル抗体を抗原のin vivo 検出のために用いる場合は、検 出可能に標識されたモノクローナル抗体は、診断的に有効な用量で投与される。 「診断的に有効な」という表現は、検出可能に標識されたモノクローナル抗体が 、mcl−1抗原(モノクローナル抗体はこれに対して特異的である)を有する 部位の検出を可能とするのに十分な量で投与されることを意味する。 投与される検出可能に標識されたモノクローナル抗体の濃度は、mcl−1を 有する細胞との結合がバックグラウンドに比較して検出可能であるくらい、十分 でなければならない。さらに、最良の標的−バックグラウンドシグナル比をもた らすため、検出可能に標識されたモノクローナル抗体は循環系から急速に除去さ れることが望ましい。 一般に、in vivo 診断のための検出可能に標識されたモノクローナル抗体の用 量は、個人の年齢、性別、疾患の程度、等の因子 によって変わる。モノクローナル抗体の用量は、約 0.001 mg/m2から約 500 mg/ m2に、好ましくは 0.1 mg/m2から約 200 mg/m2に、最も好ましくは約0.1 mg/m2 から約 10 mg/m2に変わりうる。このような用量は、例えば多数の注射がなされ ているかどうか、腫瘍による苦しみ、および他の当業者に公知の因子によって変 わりうる。 in vivo 診断イメージングのためには、使用できる検出機器の種類は、ある放 射性同位体を選択するにあたっての主要な要素である。選択された放射性同位体 は、与えられた種類の機器にとって検出可能な種類の崩壊をするものでなければ ならない。in vivo 診断のための放射性同位体を選択するうえで、もう1つ重要 な要素は、放射性同位体の半減期が、標的による最大取り込みの時でもなお検出 可能であるほど十分長く、しかし宿主に対して有害な放射線が最小になるほど十 分短いことである。理想的には、in vivo イメージングに使用される放射性同位 体は、粒子放出を欠くが、通常のガンマカメラで容易に検出できる140-250 keV の範囲の光子を多数生ずる。 in vivo 診断のため、中間官能基を用いて放射性同位体を直接または間接に免 疫グロブリンに結合させることができる。金属イオンとして存在する放射性同位 体を免疫グロブリンに結合させるためにしばしば用いられる中間官能基は、ジエ チレントリアミン5酢酸(DTPA)およびエチレンジアミン4酢酸(EDTA )および類似の分子、等の二官能キレート化剤である。本発明のモノクローナル 抗体に結合させることができる金属イオンの典型的な例は、111In、97Ru、6 7 Ga、68Ga、72As、89Zrお よび201TIである。 本発明のモノクローナル抗体は、磁気共鳴イメージング(MRI)または電子 スピン共鳴(ESR)等を用いたin vivo 診断のため、常磁性同位体を用いて標 識することも可能である。一般に、診断イメージングを可視化する任意の通常の 方法が使用できる。通常、カメライメージングのためにはγおよび陽電子を放出 する放射性同位体が、またMRIのためには常磁性同位体が使用される。そのよ うな技法に特に有用な元素は、157Gd,55Mn,162Dy、52Crおよび56Fe を含む。 本発明のモノクローナル抗体は、mcl−1関連細胞増殖異常の改善経過をモ ニターするのに使用できる。したがって、種々の体液中のmcl−1を発現する 細胞数の増加または減少、あるいは正常mcl−1対突然変異mcl−1の濃度 変化を測定することにより、上記異常の改善を目指す特定の治療法が効果的かど うかを決定することが可能となろう。 本発明はまた、mcl−1関連細胞増殖異常を有する被験者を治療する方法を 提供する。mcl−1ヌクレオチド配列は、正常な細胞における発現と比較して 変更された様式で発現されることがある。それゆえ、この配列に向けられた適切 な治療または診断技法を設計することができる。したがって、細胞増殖異常がm cl−1の過剰発現に関連している場合は、mcl−1発現を翻訳レベルで妨害 する核酸配列が使用できる。このアプローチは、例えば特定のmcl−1 mR NAの翻訳をブロックするアンチセンス核酸およびリボザイムを使用し、アンチ センス核酸を用いて上記mRNAをマスキングするか、またはリボザイムを用い てそ れを開裂することにより行なう。細胞増殖異常または異常な細胞表現型がmcl −1の過少発現または突然変異mcl−1ポリペプチドの発現に関連している場 合は、上記異常を有する被験者にmcl−1をコードする核酸配列(センス)を 投与することが可能であろう。 アンチセンス核酸とは、特定のmRNA分子の少なくとも一部に相補的なDN AまたはRNA分子である(Weintraub,Scientific American,262:40,1990)。 細胞において、アンチセンス核酸は対応するmRNAにハイブリダイズし、二本 鎖分子を形成する。アンチセンス核酸はmRNAの翻訳を妨害する。なぜなら、 細胞は二本鎖となっているmRNAを翻訳しないからである。約15ヌクレオチ ドのアンチセンスオリゴマーが好ましい。なぜなら、それらは容易に合成される し、また標的のmcl−1産生細胞に導入した時、長い分子に較べ問題を引き起 こすことが少ないからである。遺伝子のin vitro翻訳を阻止するためのアンチセ ンスの使用方法は、当分野の技術において周知である(Marcus-Sakura,Anal.Bi ochem.,172:289,1988)。 リボザイムは、DNA制限エンドヌクレアーゼと同様の方法で、他の一本鎖R NAを特異的に開裂する能力を有するRNA分子である。これらのRNAをコー ドするヌクレオチド配列の修飾により、RNA分子中の特異的ヌクレオチド配列 を認識し、それを開裂する分子を工学的に作成することが可能である(Cech,J. Amer.Med.Assn.,260:3030,1988)。このアプローチの主要な利点は、それら の分子は配列特異性なので、特定配列を有するmRNAのみが不活性化されるこ とである。 リボザイムには2つの基本型がある。すなわち、テトラヒメナ(tetrahymena) 型(Hasselhoff,Nature,334:585,1988)および「ハンマーヘッド(hammerhead) 」型である。テトラヒメナ型リボザイムは長さが4塩基の配列を認識し、「ハン マーヘッド」型リボザイムは長さが11〜18塩基の塩基配列を認識する。認識 配列が長いほど、その配列が標的mRNA種において排他的に存在する可能性が 高くなる。したがって、特定のmRNA種を不活性化するためには、ハンマーヘ ッド型リボザイムはテトラヒメナ型リボザイムより好ましく、また18塩基認識 配列はより短い認識配列よりも好ましい。 本発明はまた、mcl−1タンパク質によって媒介される細胞増殖異常を治療 するための遺伝子療法を提供する。そのような治療法は、mcl−1アンチセン スポリヌクレオチドを増殖異常を有する被験者の細胞に導入することによりその 治療効果を達成する。アンチセンスmcl−1ポリヌクレオチドのデリバリー(d elivery)は、キメラウイルス等の組換え発現ベクターまたはコロイド分散系を用 いて達成できる。mcl−1の過少発現に関連する異常は、センスヌクレオチド 配列を用いる遺伝子療法によって同様に治療することができるであろう。 ここで教示する遺伝子療法に使用できる種々のウイルスベクターは、アデノウ イルス、ヘルペスウイルス、ワクシニア、または好ましくはレトロウイルス等の RNAウイルスを含む。好ましくは、レトロウイルスベクターはマウスまたはト リレトロウイルスの誘導体である。1個の外来遺伝子を挿入できるレトロウイル スベクターの例は、以下のものを含むがそれらだけに限定されない。 すなわち、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLV)、ハーベー(Harvey)マウス肉 腫ウイルス(HaMuSV)、マウス乳癌ウイルス(MuMTV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)で ある。多数の、さらなるレトロウイルスベクターは複数の遺伝子を組み込みうる 。これらベクターのすべては、形質導入された細胞を同定し、作成することがで きるように、選択マーカー遺伝子をトランスファーまたは組み込むことが可能で ある。興味のあるmcl−1配列を、例えば特定の標的細胞上の受容体のリガン ドをコードする別の遺伝子と共にウイルスベクターに挿入することにより、ベク ターは標的特異性となる。レトロウイルスベクターは、例えば糖質、糖脂質、ま たはタンパク質をコードするポリヌクレオチドを挿入することにより標的特異性 とすることができる。好ましい標的設定(targeting)は、レトロウイルスベクタ ーを標的とする抗体を用いることにより達成される。当業者は、mcl−1アン チセンスポリヌクレオチドを含有するレトロウイルスベクターの標的特異性デリ バリーを可能とするために、レトロウイルスゲノムに挿入することのできる特異 的ポリヌクレオチド配列を知っているか、または過度の実験をすることなく容易 に突き止めることができる。 組換えレトロウイルスは不完全なものなので、感染性ベクター粒子を産生する ためには助力を必要とする。この助力は、例えばLTR内の、調節配列の制御下 にある、レトロウイルスの全構造遺伝子をコードするプラスミドを含有するヘル パー細胞系を使用することにより提供される。これらのプラスミドは、パッケー ジング作用機構がエンキャプシデーション(encapsidation)のためのRNA転写 物を認識するのを可能とするヌクレオチド配列を欠 いている。パッケージングシグナルの欠失を有するヘルパー細胞系は、例えばΨ 2、PA317およびPA12を含むが、これらだけに限定されない。これらの 細胞系はゲノムが全くパッケージされないので、中空のヴィリオンを産生する。 パッケージングシグナルは完全だが、構造遺伝子は他の興味のある遺伝子と置換 されている細胞にレトロウイルスベクターを導入すると、ベクターはパッケージ され、ベクターヴィリオンが産生されうる。 または、レトロウイルス構造遺伝子gag、polおよびenvをコードする プラスミドを用いて、通常のリン酸カルシウムトランスフェクションにより、N IH 3T3または他の組織培養細胞を直接トランスフェクトすることが可能で ある。これらの細胞は次に興味のある遺伝子を含有するベクタープラスミドによ ってトランスフェクトされる。でき上がる細胞は、培地中にレトロウイルスベク ターを放出する。 mcl−1アンチセンスポリヌクレオチドのための別の標的設定デリバリー系 は、コロイド分散系である。コロイド分散系は、高分子複合体、微小カプセル(n anocapsule)、微小球体、ビーズ、および水中油エマルジョン、ミセル、混合ミ セル、およびリポソームを含む脂質に基づく系を含む。本発明の好ましいコロイ ド系はリポソームである。リポソームはin vitroおよびin vivoのデリバリービ ヒクルとして有用な人工膜の小胞である。大きさが 0.2-4.0 um の大きな単ラメ ラ小胞(LUV)は、かなりの百分率の、大きい高分子を含有する水性緩衝液を内部 に閉じ込めることが可能であることが示された。RNA、DNAおよび完全なヴ ィリオンを水性の内部に閉じ込め、生物的に活性な形で細胞に運ぶこと ができる(Fraleyら,Trends Biochem.Sci.,6:77,1981)。哺乳動物細胞のほか に、リポソームは植物、酵母、および細菌細胞におけるポリヌクレオチドのデリ バリーのために使用されてきた。リポソームが効率的な遺伝子トランスファービ ヒクルであるためには、以下の特性が存在しなければならない:(1)興味のあ る遺伝子の生物活性を損なうこと無く、それらを高効率でカプセル化;(2)非 標的細胞に較べて、標的細胞への選択的および実質的結合;(3)小胞の水性内 容物の標的細胞細胞質への高効率でのデリバリー;および(4)遺伝子情報の正 確で効率的な発現(Manninoら,Biotechniques,6:682,1988)。 リポソームの組成は通常リン脂質、特に高相転移温度リン脂質の組み合わせで あり、通常ステロイド、特にコレステロールと組み合わせてある。他のリン脂質 または他の脂質もまた用いることができる。リポソームの物理的特性は、pH、イ オン強度、および二価カチオンの存在に依存する。 リポソームの作成に有用な脂質の例は、ホスファチジルグリセロール、ホスフ ァチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン等の ホスファチジル化合物、スフィンゴ脂質、セレブロシド、およびガングリオシド を含む。脂質部分が14-18個、特に16-18個の炭素原子を含有し、飽和しているジ アシルホスファチジルグリセロールがとりわけ有用である。例証的リン脂質は、 卵ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリンおよびジステア ロイルホスファチジルコリンを含む。 リポソームの標的設定は、解剖学的および機械論的要素に基づいて分類されて きた。解剖学的分類は選択性のレベル、例えば、 器官特異的、細胞特異的、およびオルガネラ特異的に基づいて分類される。機会 論的標的設定は、それが受動的か能動的かに基づいて区別することができる。受 動的標的設定は、洞様毛細血管を有する諸器官の網内系(RES)細胞に分散するリ ポソームの天然の傾向を利用する。他方、能動的標的設定は、天然に存在する局 在部位以外の器官および細胞型への標的設定を達成するため、リポソームを特定 のリガンド(モノクローナル抗体、糖質、糖脂質、またはタンパク質等)に結合 させることによる、またはリポソームの大きさあるいは組成を変えることによる 、リポソームの変更を含む。 標的設定したデリバリー系の表面を様々な方法で修飾することができる。リポ ソームの標的設定化デリバリー系の場合、標的設定するリガンドをリポソーム二 重層との安定した結合状態で維持するため、脂質群をリポソームの脂質二重層に 組み込むことが可能である。脂質鎖を標的設定リガンドに結合させるため、種々 の連結基が使用できる。 一般に、標的設定されたデリバリー系の表面に結合している化合物は、該デリ バリー系が所望の細胞を見いだし、その細胞上に「ホームイン(home in)」する ことを可能とするリガンドおよび受容体である。 一般に、特異的エフェクター分子に結合する表面膜タンパク質を受容体という 。本発明において、抗体は好ましい受容体である。リポソームを特異的細胞表面 リガンドに向かわせるため、抗体を使用することができる。例えば、腫瘍関連抗 原(TTAs)と呼ばれる腫瘍細胞上で特異的に発現されるある種の抗原は、m cl −1抗体含有リポソームを直接悪性腫瘍に向けるのに利用できる。mcl−1遺 伝子産物は、細胞型に関して無差別に作用するかもしれないので、標的設定した デリバリー系は非特異性リポソームをランダムに注射するのに較べ、有意な改良 を提供する。好ましくは、標的組織は卵巣であり、標的細胞は顆粒層細胞である 。ポリクローナルまたはモノクローナル抗体をリポソーム二重層に共有結合させ るために多数の方法が使用できる。抗体によって標的設定されたリポソームは、 それらが標的細胞上の抗原決定基に効率的に結合するのであれば、モノクローナ ルまたはポリクローナル抗体、またはそれらの断片〔FabあるいはF(ab’ )2等〕を含むことができる。リポソームはまた、ホルモンまたは他の血清因子 の受容体を発現する細胞を標的とさせることができる。 本発明の抗体および実質的に精製されたmcl−1ポリペプチドは、キットの 作成に理想的に適している。そのようなキットは、1個またはそれ以上の容器手 段(バイアル、試験管、等)をそこに厳重に閉じ込めて収納するためのコンパー トメント化されたキャリヤー手段から成りうる。各容器手段は使用されるべきア ッセイの別々の要素を含む。 キット形態に組み入れうるアッセイの種類は多く、例えば、競合および非競合 アッセイを含む。本発明の抗体を使用できるアッセイの典型的例は、ラジオイム ノアッセイ(RIA)、エンザイムイムノアッセイ(EIA)、酵素結合イムノ ソルベントアッセイ(ELISA)および免疫測定またはサンドイッチイムノア ッセイである。 「免疫測定アッセイ」または「サンドイッチイムノアッセイ」 という用語は、同時サンドイッチ、フォワードサンドイッチおよびリバースサン ドイッチイムノアッセイを含む。これらの用語は当業者に良く理解されている。 当業者はまた、本発明の抗体が現在知られている、または将来開発されるであろ うアッセイの他の変形または形態に使用しうることを認めるであろう。これらは 本発明の範囲内に入るものとする。 アッセイを実施する時、インキュベーション培地にある種の「ブロッカー(blo cker)」を加えることが望ましいかもしれない(通常、標識化可溶性抗体と共に 添加される)。「ブロッカー」は実験試料中に存在する非特異的タンパク質、プ ロテアーゼ、または抗mcl−1免疫グロブリンに対する抗異好性免疫グロブリ ンが固相支持体上の抗体に架橋またはこれを破壊しない、または標識化指示抗体 が誤った陽性または誤った陰性結果を生じないことを確実にするために加えられ る。それゆえ「ブロッカー」を選択することは、本発明に記載のアッセイの特異 性を実質的に増大させる。 アッセイに使用されるのと同一クラスまたはサブクラス(イソタイプ)のノン レレバント(non-relevant)な(つまり非特異性の)多数の抗体(例えば、IgG 1、IgG2a、IgM等)が「ブロッカー」として使用できることが判明して いる。「ブロッカー」の濃度(普通は 1-100 μg/μl)は、適切な感受性を維持し 、そしてなお標本中で相互に起こる交差反応性タンパク質による望ましくない干 渉を阻止するために重要である。 本発明のポリヌクレオチドのほかに、本発明のモノクローナル抗体もまた、単 独で、またはエフェクター細胞と組み合わせて、 本発明のモノクローナル抗体に反応するエピトープを持つmcl−1ポリペプチ ドを発現する細胞増殖異常を有する動物における免疫療法に使用することができ る。 免疫療法に使用する場合、本発明のモノクローナル抗体は標識しないで、また は標識して、治療剤と共に使用することができる。これらの治療剤は、本発明の モノクローナル抗体に直接的または間接的に結合させることができる。間接結合 の一例は、スペーサー部分の使用によるものである。これらのスペーサー部分は 不溶性または可溶性でありうる(Dienerら,Science 231:148,198 6)。そして、 これらは標的部位においてモノクローナル抗体分子からの薬剤放出を可能とする ように選択される。本発明のモノクローナル抗体と結合させることができる免疫 療法のための治療剤の例は、薬剤、放射性同位体、レクチン、および毒素である 。 本発明のモノクローナル抗体と結合させることができる薬剤の例は、非蛋白様 および蛋白様薬剤を含む。「非蛋白様薬剤」という用語は、例えばマイトマイシ ンC、ダウノルビシン、およびビンブラスチンなどの古典的に薬剤と呼ばれる化 合物を包含する。 本発明のモノクローナル抗体を標識しうる蛋白様薬剤は、イムノモジュレータ ー(immunomodulator)および他の生物学的応答調節剤を含む。「生物学的応答調 節剤」という用語は、mcl−1関連腫瘍(本発明のモノクローナル抗体はこれ に特異的である)の破壊を促進するように免疫応答を調節することに関与する物 質を包含する。免疫応答調節剤の例は、リンホカイン等の化合物を含む。リンホ カインは、腫瘍壊死因子、インターロイキン、リンホトキシン、マクロファージ 活性化因子、遊走抑制因子、コロニ ー剌激因子、およびインターフェロンを含む。本発明のモノクローナル抗体を標 識しうるインターフェロンは、α-インターフェロン、β-インターフェロンおよ びγ-インターフェロンならびにそれらのサブタイプを含む。 放射性同位体と結合させた本発明のモノクローナル抗体を免疫療法に使用する 場合は、癌細胞分布および同位体の安定性ならびに放出、等の要因により、ある イソタイプが他のイソタイプより好ましいことがある。所望であれば、前記のin vivo 診断技法により癌細胞分布を評価することができる。細胞増殖異常によっ ては、ある放出体(emitter)が他の放出体より好ましい場合がある。一般に、α およびβ粒子を放出する放射性同位体が免疫療法には好ましい。例えば、動物が 固形癌病巣を有する場合、数ミリメートルの組織に浸透できる高エネルギーβ放 出体、例えば90Y等が好ましい。他方、白血病病の場合のように細胞増殖異常が 単純な標的細胞からなる場合、到達距離(range)の短い、高エネルギーα放出体 、例えば212Bi等が好ましい。治療上の目的のため本発明のモノクローナル抗 体と結合させることができる放射性同位体の例は、125I、131I、90Y、67Cu 、212Bi、211At、212Pb、47Sc、109Pdおよび188Reである。 レクチンは、特異的糖部分に結合する、通常植物材料から単離されるタンパク 質である。多くのレクチンもまた、細胞を凝集させ、リンパ球を刺激することが できる。しかし、リシン(ricin)は免疫療法的に使用されてきた毒性レクチンで ある。これは好ましくは、毒性効果の部位特異的デリバリーを可能とするために 、毒性に関与するリシンのα-ペプチド鎖を抗体分子に結合するこ とにより達成される。 毒素とは、植物、動物、または微生物により産生される、十分な量を取るとし ばしば致死的な毒性物質である。ジフテリア毒素はジフテリア菌(Corynebacteri um diphtheria)によって産生される、治療的に使用できる物質である。この毒素 は、適当な条件下で分離することのできるαおよびβサブユニットからなる。毒 性A成分は抗体に結合させて、mcl−1をもつ細胞(これに対して本発明のモ ノクローナル抗体は特異的である)への部位特異的デリバリーのために使用でき る。当業者は、本発明のモノクローナル抗体に結合させることのできる他の治療 剤を知っている。または、それらを容易に突き止めることができる。 本発明の標識化または非標識化モノクローナル抗体は、上記のような治療剤と 組み合わせて使用することもできる。特に好ましいのは、本発明のモノクローナ ル抗体、イムノモジュレーター、および他の生物学的応答調節剤からなる治療的 組み合わせである。 このように、本発明のモノクローナル抗体は、例えばα-インターフェロンと 組み合わせて使用することができる。この治療法は、癌細胞によるモノクローナ ル抗体反応性抗原の発現を増大させることにより、モノクローナル抗体が癌を標 的とすることを促進しする(Greinerら,Science,235:895,1987)。または、本 発明のモノクローナル抗体は、例えばγ-インターフェロンと組み合わせて使用 し、それによってエフェクター細胞によるFc受容体の発現を活性化および増大 させることができる。これは次に、モノクローナル抗体のエフェクター細胞への 結合、および標的癌細胞の殺害の促進をもたらす。当業者は、本発明のモノクロ ーナ ル抗体の効果を増強する所望のエフェクター機能を創出するため、種々の生物学 的応答調節剤から選択することができるであろう。 本発明のモノクローナル抗体をここに記述するような種々の治療剤と組み合わ せて使用する場合、モノクローナル抗体および治療剤の投与は通常、実質的に同 時期に行なわれる。「実質的に同時期に」という表現は、モノクローナル抗体お よび治療剤が時間に関して合理的に接近して投与されることを意味する。通常、 治療剤をモノクローナル抗体の前に投与することが好ましい。例えば、治療剤を モノクローナル抗体の1〜6日前に投与することができる。治療剤の投与は、例 えば癌の種類、患者の状態、および治療剤の半減期、等の因子により、毎日、ま たは別の任意の間隔で行なうことができる。 本発明のモノクローナル抗体を使用して、ここに記述するすべての特徴を組み 合わせた療法を設計することができる。例えば、ある与えられた状況下では、1 つまたは複数の治療剤を、本発明のモノクローナル抗体をエフェクター細胞およ び上記と同一または異なる治療剤と組み合わせて投与する前に、投与することが 望ましいかもしれない。例えば、まず最初にγ−インターフェロンおよびインタ ーロイキン−2を3〜5日間毎日投与し、5日目に本発明のモノクローナル抗体 をエフェクター細胞ならびにγ−インターフェロンおよびインターロイキン−2 と組み合わせて投与することにより、白血病病またはリンパ腫患者を治療するこ とが望ましいかもしれない。 また、mcl−1を発現する癌の領域へリポソームを特異的に運ぶため、本発 明のモノクローナル抗体をその膜内に含有するリポソームを使用することができ る。これらのリポソームは、モノクローナル抗体の他に、癌部位に到達したら放 出される上記のような免疫治療剤をも含有するように作成することができる(Wol ffら,Biochemical et Biophysical Acta 802:259,1984)。 本発明のモノクローナル抗体の投与量範囲は、悪性疾患の症状を改善するとい う所望の効果を奏するに十分なだけ大きい。投与量は、不要な交差反応、アナフ ィラキシー反応、等の好ましくない副作用を生ずるほど大きくてはならない。一 般に用量は、患者の年齢、状態、性別、および疾患の程度により変わり、当業者 によって決定可能である。何らかの合併症がある場合には、用量は各治療医によ って調整されうる。用量は、1日から数日の間、1日1回またはそれ以上の投与 で、約0.1 mg/kgから約 2000 mg/k g まで、好ましくは約 0.1 mg/kgから約500 mg/kg まで変わりうる。一般に、本 発明のモノクローナル抗体を治療剤と結合して投与する場合は、in vivo 診断イ メージングに使用される用量と比較して低い用量を用いることができる。 本発明のモノクローナル抗体は注射または時間をかけた緩やかな灌流により、 非経口的に投与できる。本発明のモノクローナル抗体は、単独で、またはエフェ クター細胞と組み合わせて、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、体腔内、または経 皮的に投与することができる。 非経口投与のための調製物は、滅菌水性または非水性溶液、懸濁液、およびエ マルジョンを含む。非水性溶剤の例は、プロピレングリコール、ポリエチレング リコール、オリーブ油等の植物油、オレイン酸エチル等の注射可能な有機エステ ルである。水性キャリアーは生理食塩水および緩衝化媒体を含む、水、アルコー ル性/水性溶液、エマルジョンまたは懸濁液を含む。非経口ビヒクルは塩化ナト リウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウムを 含む。乳酸加リンガー静注ビヒクルは流体、栄養補充物、電解質補充物(リンガ ーデキストロースに基づくような補充物)、等を含む。例えば、抗菌剤、酸化防 止剤、キレート化剤、不活性ガス、等の防腐剤および他の添加物も存在してよい 。 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドまたはモノクローナル抗体を含む、 mcl−1関連細胞増殖異常の療法に使用される薬剤または医薬組成物の製造方 法に関する。 本発明はまた、機能性mcl−1ポリペプチド、またはmcl −1をコードするポリヌクレオド配列を含有する発現ベクターを細胞に導入する ことを含む、細胞におけるプログラムされた細胞死(アポトーシス)を予防する 方法を提供する。この方法は、例えば、ex vivo プロトコールの間に、または長 期in vitro細胞増殖のために、細胞培養物中の細胞の生存能力を増大させるのに 使用できる。同様に、mcl−1ポリペプチド、またはmcl−1をコードする ポリヌクレオド配列を含有する発現ベクターを細胞に導入することは、分化を経 ることのできる細胞において分化を誘導する手段として使用できる。 以下の実施例は、本発明を説明することを意図するもので、限定することを意 図するものではない。それらは使用されるであろう典型的な例であるが、当業者 に公知の他の方法を代わりに使用することが可能である。 実施例1 TPA誘導ML−1細胞cDNAライブラリーの 構築およびスクリーニング 「初期誘導」遺伝子を同定するため、TPAを用いて3時間誘導したML−1 細胞よりポリ(A)+RNAを単離した。相補的DNA(cDNA)ライブラリ ーを構築し、TPA誘導細胞および非誘導の対照由来のプローブを用いて示差的 ハイブリダイゼーションによりこれをスクリーニングした。誘導細胞由来のプロ ーブへの優先的ハイブリダイゼーションに基づいて、mcl−1を表すcDNA クローンを同定した。 以前に記述された方法で(K.M.Kozopas,H.L.Buchan,R.W.Craig,J.Cell Physiol.,145,575(1990))、TPAを用いて、ML−1細胞を分化するように プログラムした。減少した血清条件下で3日間プレインキュベーションした後、 細胞を5 x 10-10 M TPA に3時間暴露した。これらのTPA誘導細胞由来のポ リ(A)+RNAを、オリゴ(dT)によって開始される第1鎖cDNA合成に 使用した。この合成は、モロニーマウス白血病病ウイルス逆転写酵素(Bethesda Research Laboratories,Gaithersburg,MD)を用いて実施した。第2鎖cDNA 合成の後、>500 塩基対の二本鎖cDNAをλgt10のEcoRI部位にクロ ーン化した。得られたライブラリーを、TPA誘導細胞由来のポリ(A)+RN Aの逆転写によって合成された32P標識化cDNAプローブ、および非誘導細胞 の類似培養物を用いた示差的スクリーニングにかけた。誘導細胞由来のプローブ に選択的ハイブリダイゼーションを示すクローン(mcl−1のヌクレオチド3 15 0−3946を含有するクローンdif8C)を単離し、Bluescriptプラスミド (Stratagene,La Jolla,CA)にサブクローン化した。このクローンを、mcl− 1 cDNAの全体にわたるクローンを得るため、cDNAライブラリーを再ス クリーニングするのに用いた。mcl−1コード領域全体にわたるクローンもま た、TPA-誘導 U-937細胞(Clontech,Palo Alto,CA)由来のcDNAライブラリ ーより得た。Sequenaze 酵素(U.S.Biochemicals,Cleveland,OH)を使用して、 配列決定を行なった。 実施例2 mcl−1発現の経時変化 ML−1細胞の分化の間、mcl−1発現の経時変化をモニターした。ML− 1細胞を5 x 10-10 M TPA に3時間暴露し、そして、mcl−1および他のm RNA(パネルA,B参照)の発現、ならびに分化の細胞表面マーカー(パネル C参照)について様々な時間にアッセイした。パネルAはノーザンブロット法に よって測定したmcl−1の発現を示す。mcl−1(dif8C-p3.2、図3の説明 参照)、β−アクチン、myb(pCM8)およびCD11bのプローブを、表 示の時間〔時間数(h)または日数(d)〕TPAに暴露した細胞由来の全RN Aにハイブリダイズさせた。パネルBはmcl−1発現の経時変化を示す。(A )に示すようなオートラジオグラフをデンシトメーターによるスキャンにかけた 。mcl−1発現の数値を対応するβ−アクチンの数値で割り、標準化した。こ れは時間とともに変化しなかった。mcl−1の相対発現を、TPA誘導細胞に おける発現の非誘導対 照における発現に対する比として評価した。パネルCは、分化の細胞表面マーカ ーの出現の経時変化を示す。CD11bおよびCD14に対するフィコエリトリ ン結合抗体(Becton Dickenson,Mountain View,CA)を用いて、フローサイトメ トリー(FACSCAN)を実施した。イソタイプが釣り合った対照抗体を用いて測定し たバックグラウンド蛍光を引き算した。形態的に分化している細胞の百分率は、 以前に見いだされたように、1、2、および3日間TPAで誘導された培養物に おいては、それぞれ平均で40%、82%および90%、また非誘導対照培養物 においては3.5%であった。これらの分化細胞は、第1日には圧倒的に未成熟 な形態であった。そして、第2日および3日には未成熟および成熟形態がほぼ同 数存在した。TPA誘導培養物における細胞増殖は、以前に見いだされたように 、約93%減少した。各点は、平均±2〜5回の実験のSEを表す。 非誘導細胞におけるmcl−1の発現は低かったが、TPAを用いた誘導にお いてその発現は初期に劇的に増加した(図1A参照)。この増加は1時間以内に 観察され、(3時間目に>6倍で)最大であった(図1B参照)。この時期、形 態または分化マーカーに何ら変化は起こらなかったが(図1A,C参照)、分化 のプログラミングは進行中で、c−myb mRNAの発現は減少した(Craigら ,Ca.Res.,44:442,1984)。これらのマーカーはmcl−1の発現が衰えた〔 最大の<50%まで(図1A,B参照)〕16〜24時間目まで現れ始めなかっ た(図1C参照)。mcl−1の発現は、HL−60およびU−937を含む他 の骨髄性白血病細胞系のTPA誘導分化の初期にも増加した。この 「初期誘導」遺伝子の表現型分化に先立つ急速なアップレギュレーションおよび ダウンレギュレーションは、増殖に重要な「初期応答」遺伝子の発現パターンを 暗示する(Nathansら,Cold Spring Harbor Symposia On Quantitative Biology ,L111,pp.893-900,1988)。 mcl−1/bcl−2ファミリーの遺伝子は、発現パターンにおいて面白い 類似を示す。mcl−1はML−1細胞から単離されたもので、ML−1細胞は 、T細胞リンパ腫の緩解後に急性骨髄性白血病を発症した患者に由来するもので ある。bcl−2は初め小胞性B細胞リンパ腫を患う患者において同定された。 TPAはmcl−1の発現における初期増加を引き出した(図1参照)。そして 、TPAは他の作用物質と共同してbcl−3およびBHRF1において同様の ー増加を引き起こしうる。mcl−1の発現は、分化し、死滅せずに増殖を停止 するようにプログラムされた骨髄細胞において初期に増加する(図1参照)。b cl−2の発現は、生存可能のまま留まるようにプログラムされたリンパ球系細 胞において増加し、さらなる分化のために選択される。BHRF1の発現は、ウ イルスの溶菌周期の初期および増殖の血清誘導刺激の初期に増加する。したがっ て、mcl−1/bcl−2ファミリーの遺伝子は、カルボキシル領域/疎水性 テールの相同性によってのみならず(図4参照)、発現の変化が細胞増殖、分化 および/または生存能力を決定するプログラムにおける初期現象として起こりう るという事実によっても特徴付けられる。 発現パターンにおけるこのような類似がいかにして機能における類似に翻訳さ れるのかはまだ分かっていない。bcl−2は、 プログラムされた細胞死の阻止による生存能力の維持においてある役割を担って いる。bcl−2は、必要な増殖因子を剥奪された造血細胞系、ある型のB細胞 (例えば、B記憶細胞)、および特異的条件下のT細胞を含む種々の細胞におい て働いているように思われる。mcl−1の同定は、骨髄細胞において分化の誘 導の間に明らかに働いている、生存能力の維持における類似の役割についてmc l−1を試験することを可能とする。bcl−1は、増殖を刺激すること無く生 存能力を高めることができるという点で、多くの癌遺伝子および増殖因子関連遺 伝子と異なっている。生存可能細胞は細胞周期のG0/G1期に留まる。mcl− 1もまた、分化に伴うG0/G1期の累積においてある役割を果たすのかもしれな い。bcl−2の調節解除(deregulation)は、細胞生存を増加させ、それにより 付加的変化[c-myc癌遺伝子のリアレンジメント(rearrangement)等]が累積する確 率を増加させることにより、腫瘍形成に寄与すると考えられる。関連mcl−1 遺伝子の発見は、細胞死および/または分化のプログラミングに影響する、どん どん増える多数の遺伝子の同定を導く。これらの遺伝子は、腫瘍形成またはその 逆にとって、癌遺伝子および癌抑制遺伝子の多様な公知ファミリーと同じくらい 重要であると証明されるかもしれない。 実施例3 mcl−1の配列 オーバーラップするmcl−1 cDNAクローンのパネルが最初に得られた 。これらのクローンは、3.8kbという最長転 写物サイズと一致する、3946塩基対の配列を規定した(図5aおよび5b参 照)。この配列内の最も長いオープンリーディングフレームは、コザック配列(K ozak,Nucl.Acids Res.,12:857,1984)および上流のフレーム内終始コドンに 先導されている。数個の多型現象がヌクレオチド配列に存在する。ヌクレオチド 740がCの場合、アミノ酸227はアラニン(A)である;ヌクレオチド74 0がTの場合、アミノ酸227はバリン(V)である。この読み枠を用いて、m cl−1によってコードされるタンパク質(図2A参照)は350アミノ酸を含 有し、また37.3kDの分子量を有すると予測された。図2はmcl−1タン パク質の推定されるアミノ酸配列およびcDNAの図式的描写を示す。パネルA において、PEST配列には下線が付されており、星印はアルギニンの対を示す 。矢印はbcl−2に相同性を有する領域を示し、また二重線は疎水性カルボキ シルテールを示す。+の印は正に荷電した隣接アミノ酸残基を示す。アミノ酸2 27は、ML−1由来のクローンではバリンで、U−937由来のクローンでは アラニンであった。アミノ酸残基1はcDNAのヌクレオチド61−63に対応 する。パネルBはmcl−1の図式的描写を示す。箱で囲んだ領域はタンパク質 コード領域を表す。この領域の後に3’非翻訳領域を表す線(不連続な線)が続 いている。mcl−1のアミノ末端は(BHRF−1のアミノ末端がそうである ように)シグナル配列の幾つかの特徴を有するが、ミクロソーム膜の存在下にお けるin vitro翻訳においてはそのように機能しない。 このファミリー内の類似は、タンパク質コード領域の下流に継 続する。mcl−1およびbcl−2は両方とも長い3’非翻訳領域を有する〔 mcl−1では2.8kb(図2B参照)〕。両方とも複数の潜在的ポリアデニ ル化部位およびmRNA安定化解除(destabilization)シグナルを有する。mc l−1における数個のポリアデニル化部位の存在は(図2B参照)、2個の転写 物(図1A参照)が観察されることに関係があるかもしれない。mRNA安定化 解除シグナルの存在は、発現の増大の一時性に関係があるかもしれない(図1A ,B参照)。bcl−2に関連する転位が頻繁に3’非翻訳領域で、しばしば約 150ヌクレオチドの「主要切断点領域」(mbr)内で起こる。興味深いこと に、mcl−1の3’非翻訳領域はこのmbrに配列類似性を有する一続きの配 列を有する(図2B参照)。 mcl−1にコードされるタンパク質の大きさを、2つの別個の供給源由来の mcl−1cDNAを用いたin vitro翻訳により確認した(図3、レーン1〜2 参照)。図3はmcl−1 mRNAのin vitro翻訳を示す。最初のメチオニン を欠くcDNAは、第2のメチオニンから始まる、予測された大きさの、端部を 切断されたタンパク質を生じた(図3、レーン3参照)。mcl−1を表すプラ スミドをcDNAの3’末端で線形にし、そしてT7ポリメラーゼ(Pharmacia, Piscataway,NJ)を用いたin vitro転写によりmRNAを調製するのに使用した 。このmRNAを35S−メチオニン(1000 Ci/mmol,Amersham,Arlington Heigh ts,IL)の存在下で、ウサギ網状赤血球溶解物系(Novagen,Madison,WI)を用い てin vitroで翻訳した。反応生成物をドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミ ド(12.5%)ゲル電気泳動により分離し、 オートラジオグラフィーにより検出した。レーン1は、完全なmcl−1コード 領域を含有するcDNA(クローンdif8C-1A6、ヌクレオチド52から1484を含有 )由来の反応生成物を示す。レーン2は異なるcDNAクローン(クローンdif8 C-3.2、ヌクレオチド7から1484を含有)由来の反応生成物を示す。レーン3はア ミノ酸残基1のメチオニンを欠くcDNAクローン(クローンdif8C-7C、ヌクレ オチド278から1484を含有)由来の反応生成物を示す。クローンdif8C-1A6および dif8C-7Cは、U−937細胞由来のcDNAライブラリーから得たものである。 クローンdif8C-3.2はML−1細胞由来のcDNAライブラリーから得たもので ある。レーン4はmRNAを全く示していない。また、レーン5は分子量マーカ ーを示す。(レーン4にもマーカーの痕跡がある。) 予測されるmcl−1タンパク質は、そのアミノ末端部分に2個の「PEST 」配列を含む幾つかの興味深い特徴を有する(Rogersら,Science,234:364,198 6)。これらの配列はプロリン(P)、グルタミン酸(E)、セリン(S)および トレオニン(T)について富化されており、4対のアルギニンを有する(図2の 2A、B参照)。これらの配列は急速な代謝回転を受ける種々の癌タンパク質お よび他のタンパク質に存在する。mcl−1におけるそれらの存在は、このタン パク質が上記のmRNA(図1)のように分化の初期段階において主として発現 されることが予想されることを示唆する。興味深いことに、bcl−2は分化段 階特異的発現を示すが(例えば、成熟の間に発現が低下する骨髄細胞および腸上 皮において)、PEST配列を持たない。 mcl−1がbcl−2に配列相同性を有するのはカルボキシ ル領域においてである〔35%のアミノ酸同一性および139アミノ酸残基にお ける59%の類似性、図2A,B(矢印)および図4参照〕。図4はmcl−1 、bcl−2およびBHRF−1のカルボキシル部分を並べて示す。mcl−1 、bcl−2α〔ヒト(Tsujimoto ら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.83:5241 ,1986)]およびBHRF−1[EB ウイルス(Pearsonら,Virology,160:151,1 987)]のカルボキシル部分のアミノ酸配列を並べるために、BESTFIT プログラム (GCG配列分析ソフトウエア)を使用し、オーバーラップを最大にするためにギャ ップを挿入した。使用した記号は、|=アミノ酸同一性;:=アミノ酸比較値≧ 0.5;.=アミノ酸比較値≧0.1 である。太字は3つのタンパク質において同一 の残基を示す。+印に挟まれた二重線は、疎水性カルボキシルテールを示す。星 印は高保存性領域を示す。mcl−1およびbcl−2の共通配列を上段に示す 。ここでの保存された、非同一残基は以下の通りである。すなわち、a=P,A ,G,S,T;i=L,I,V,M;f=F,Y,W;d=Q,N,E,D;h =H,K,Rで、これらはSIMPLIFYプログラムにより決定された。bc l−2の報告された配列間における相違は、下線を付したイタリック体で示す。 ヒトおよびマウス(Negriniら,Cell,49:455,1987)bcl−2の間の相違は 、二重下線を付してある。 bcl−2は小胞性B細胞リンパ腫において同定された。このリンパ腫の大半 は染色体14および18に関連する特異的転位を有する。この転位はbcl−2 を免疫グロブリンH鎖の遺伝子座と並べて置き、変更されていないbcl−2遺 伝子産物の調節解 除された(deregulated)発現をもたらす。bcl−2は、以前に記述された細胞 性癌遺伝子と相同性を有する、または他の公知のファミリーのモチーフ特徴を含 有する、とは判明していない。bcl−2のカルボキシル領域は、EBウイルス由 来のBHRF-1遺伝子に若干の相同性(25%)を示すことが知られており、これはヒト およびマウスbcl-2 のカルボキシル領域がアミノ末端部分(76%)よりも大きい同 一性(144アミノ酸残基において98%)を示すという事実に対応する。したがって、 mcl−1の発見はbcl−2に相同性を有する細胞性遺伝子の最初の例を例供 し、またmcl−1、bcl−2およびBHRF−1によって代表される独特の 遺伝子ファミリーの存在を示唆する。カルボキシル領域における相同性は、この ファミリーの重要な、明示的特徴であるように思われる。 mcl−1、bcl−2(bcl−2α)およびBHRF−1のそれぞれは、 カルボキシル末端の一番端に潜在的膜スパンニング(spanning)ドメイン(図2A および4において、二重線で指示され、正に帯電した残基によって挟まれている 20疎水性アミノ酸残基)を含有する。この疎水性カルボキシルテールはbcl −2の膜結合(membrane-association)を媒介することが知られており、これは最 近ミトコンドリア膜に限定された(Hochenbergら,Nature,348:334,1990)。BHR F-1もまた膜結合性である。mcl−1における疎水性カルボキシルテールの発 見は、膜結合の可能性がこのファミリーの遺伝子におけるもう1つの重要な特徴 でありうることを示唆している。 上記は本発明を説明するためのもので、その範囲を制限するものではない。実 際、当業者は本明細書の教示に基づいて、過度の 実験をすること無く容易にさらなる態様を考え、生み出すことが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07H 21/04 9358−4B C12P 21/08 C12P 21/08 9453−4B C12Q 1/68 A C12Q 1/68 0276−2J G01N 33/53 Y G01N 33/53 0276−2J 33/574 A 33/574 0276−2J 33/577 B 33/577 8517−4H C07K 14/82 // A61K 38/21 8517−4H 16/32 51/00 9051−4C A61K 37/02 ADU C07K 14/82 8415−4C 43/00 16/32 9051−4C 37/66 Z

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.mcl−1の全部または一部を含む、実質的に純粋な機能性ポリペプチド。 2.請求項1に記載のポリペプチドをコードする、単離されたポリヌクレオチド 。 3.ポリヌクレオチドがDNAである、請求項2に記載のポリヌクレオド。 4.ポリヌクレオチドがRNAである、請求項2に記載のポリヌクレオド。 5.請求項2に記載のポリヌクレオドを含有する宿主細胞。 6.請求項2に記載のポリヌクレオドを含有する組換え発現ベクター。 7.ポリヌクレオチドがアンチセンス配列である、請求項6に記載のベクター。 8.ウイルスである、請求項6に記載のベクター。 9.ウイルスがRNAウイルスである、請求項8に記載のベクター。 10.RNAウイルスがレトロウイルスである、請求項9に記載のベクター。 11.ベクターがコロイド分散系である、請求項6に記載のベクター。 12.コロイド分散系がリポソームである、請求項11に記載のベクター。 13.リポソームが本質的に標的特異的である、請求項12に記 載のベクター。 14.リポソームが解剖学的に標的設定されている、請求項13に記載のベクタ ー。 15.リポソームが機械論的に標的設定されている、請求項13に記載のベクタ ー。 16.機械論的標的設定が受動的である、請求項15に記載のベクター。 17.機械論的標的設定が能動的である、請求項15に記載のベクター。 18.糖質、糖脂質およびタンパク質からなる群より選択された部分と結合させ ることによってリポソームが能動的に標的設定される、請求項17に記載のベク ター。 19.タンパク質部分が抗体である、請求項18に記載のベクター。 20.ベクターがプラスミドである、請求項6に記載のベクター。 21.請求項1に記載のポリペプチド、またはその断片に免疫反応性である抗体 。 22.抗体がポリクローナルである、請求項21に記載の抗体。 23.抗体がモノクローナルである、請求項21に記載の抗体。 24.細胞成分を該成分に結合する試薬と接触させることを含んでなる、mcl −1を発現する細胞の同定方法。 25.前記成分が核酸である、請求項24に記載の方法。 26.前記成分がタンパク質である、請求項24に記載の方法。 27.核酸がDNAである、請求項25に記載の方法。 28.核酸がRNAである、請求項25に記載の方法。 29.試薬がプローブである、請求項24に記載の方法。 30.プローブが核酸である、請求項29に記載の方法。 31.プローブが抗体である、請求項29に記載の方法。 32.抗体がポリクローナルである、請求項31に記載の方法。 33.抗体がモノクローナルである、請求項31に記載の方法。 34.細胞が造血細胞である、請求項24に記載の方法。 35.プローブが検出可能に標識される、請求項29に記載の方法。 36.標識が放射性同位体、生物発光化合物、化学発光化合物、蛍光化合物、金 属キレートまたは酵素よりなる群から選ばれる、請求項35に記載の方法。 37.mcl−1に関連する細胞増殖異常を治療する方法であって、上記異常を 有する被験者に治療上有効量の、mcl−1活性を変調する試薬を投与すること を含んでなる該方法。 38.試薬がアンチセンスポリヌクレオチド配列である、請求項37に記載の方 法。 39.試薬が抗体である、請求項37に記載の方法。 40.抗体がモノクローナルである、請求項39に記載の方法。 41.細胞増殖異常が造血系に由来する、請求項37に記載の方法。 42.細胞増殖異常が骨髄細胞白血病である、請求項41に記載の方法。 43.試薬がセンスポリヌクレオチド配列である、請求項37に記載の方法。 44.mcl−1をコードするヌクレオチド配列に関連する5’ および3’非翻訳ヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド配列。 45.ポリヌクレオチドが配列番号1である、請求項2に記載のポリヌクレオチ ド。
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