JPH09501910A - 血栓症処置のための方法および組成物 - Google Patents

血栓症処置のための方法および組成物

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JPH09501910A JP7503001A JP50300195A JPH09501910A JP H09501910 A JPH09501910 A JP H09501910A JP 7503001 A JP7503001 A JP 7503001A JP 50300195 A JP50300195 A JP 50300195A JP H09501910 A JPH09501910 A JP H09501910A
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ディ. ピアシュバッシャー,マイケル
チェン,ソーン
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ラ ホヤ キャンサー リサーチ ファウンデイション
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、延長した出血時間を引き起こすことなく、血小板凝集を阻害する環状ペプチドを提供する。本発明は、環状化され、かつRGD配列のカルボキシ末端に隣接する疎水性アミノ酸を含む、RGDまたはKGDを含有するペプチドを提供する。この性質を有するペプチドもまた、疎水性アミノ酸に加えて、正に荷電した隣接するアミノ酸を含んで提供される。このようなペプチドは、レセプターIIb/IIIaに対する高い親和性ならびにフィブロネクチンレセプターおよびビトロネクチンレセプターに対する低い親和性を有する。このようなペプチドは、血栓を治療的に処置するために適切で生理学的に受容可能なキャリアー中で投与され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 血栓症処置のための方法および組成物 発明の背景 本発明は、一般に血栓症の処置方法、およびより詳細には、ペプチドを用いる そのような方法に関する。 血管内で血餅を形成する、血栓症と呼ばれるプロセスは、組織損傷を起こし得 る深刻な状態であり、処置しない場合、結局死に到る。血栓形成は、血小板凝集 に依存している。損傷した血管の内皮表面および他の血小板と血液の血小板の相 互作用は、血餅または血栓の発達の間の主な要因である。 このような血餅の形成を阻害する種々の生成物(例えば、アスパリン、ジピリ ダモール、およびヘパリン)が、現在入手可能である。これらの生成物は、一般 に、血小板を死滅させるか、または除去し、これは、血餅を排除し得るが、出血 を延長するという潜在的な深刻な副作用を有する。さらに、このような生成物の 効力は、新規な血小板が形成されるかまたは供給されることによってのみ逆転さ れ得る。 血小板凝集は、血小板血漿膜上の糖タンパク質レセプターIIb/IIIa複合体への フィブリノーゲンおよび他の血清タンパク質の結合性に依存する。GP IIb/IIIa は、インテグリンとして公知の細胞接着レセプターの大きなファミリーのメンバ ーであり、多くのインテグリンは、Arg-Gly-Asp(RGD)トリペプチド認識配列を認 識することが知られている。種々のレセプターとRGD含有ペプチドとの間の相互 作用の特異性に関する1つの仮定は、個々のレセプター特異性がコンホメーショ ンにより決定され、このコンホメーションは、RGD配列が個々の各リガンドに適 合(adopt)しているということである。あるいは、RGD配列に隣接している残基の 性質は、レセプター親和性、レセプター選択性、および他の生物学的特性に影響 し得る。 GP IIb/IIIaレセプター結合の阻害(他の細胞接着レセプターを阻害しない) 、およびそれによる血小板凝集の阻害は、冠血管血栓症の阻害に必要である。従 って、血小板を除去または死滅させることなく、そして長期の出血のような有害 な副作用を起こさずに、血小板凝集レセプターGP IIb/IIIaを特異的に阻害し得 そ して血餅を溶解し得る組成物の必要性が存在する。本発明は、この必要性を満足 させ、そして関連した利益をさらに提供する。 発明の要旨 本発明は、出血時間を延長せずに血小板凝集を阻害する環状RGDまたはKGD含有 ペプチドを提供する。代表的には、これらのペプチドは、RGDまたはKGD配列のカ ルボキシ末端に隣接する疎水性アミノ酸を含む。この疎水性アミノ酸に加えて、 近接した正に荷電したアミノ酸を含むこの性質のペプチドもまた提供され得る。 このようなペプチドは、IIb/IIIaレセプターに対する高親和性およびフィブロネ クチンレセプターおよびビトロネクチン(vitronectin)レセプターに対する低親 和性を有する。このようなペプチドは、血栓症を治療的に処置するために、適切 な生理学的に受容可能なキャリア中で投与され得る。 さらに、本発明は、カルボキシ末端に隣接する疎水性アミノ酸を有さないRGD またはKGD含有環状ペプチドを提供する。 図面の簡単な説明 図1は、電磁血流計、冠血管内電極、およびスクリューオクルダーを左の弓状 湾曲した冠状動脈へ挿入することを示し(上図)、そして強い(critical)閉塞の調 整前および後の冠血流を示す(下図)。 図2は、実施例VIIで注入したペプチドの相対的な抗凝集効力の用量応答分析 である。 図3は、冠血管血栓症の誘導後の時間にともなう各ペプチド用量の血小板凝集 値を示す。 図4は、実施例VIIで注入したペプチドの冠血流および管血栓症に対する効果 を示す。 図5は、実施例VIIで注入したペプチドの血流力学応答に対する効果を示す。 図6は、実施例VIIIのペプチドを注入した動物1におけるGore-Tex移植片によ る血小板およびフィブリノーゲン取り込みを示す。 図7は、実施例VIIIのペプチドを注入した動物1におけるGore-Tex移植片によ る血小板取り込み速度を示す。 図8は、コントロール処置(シャント1)および実施例VIIIのペプチドでの処置 (シャント2)に関する動物1における血液学パラメーターを示す。 図9は、実施例VIIIのペプチドを注入した動物2におけるGore-Tex移植片によ る血小板およびフィブリノーゲン取り込みを示す。 図10は、実施例VIIIのペプチドを注入した動物2におけるGore-Tex移植片に よる血小板取り込み速度を示す。 図11は、コントロール処置(シャント1)および実施例VIIIのペプチドでの処 置(シャント2)に関する動物2における血液学パラメーターを示す。 図12は、ウサギモデルにおける疎水的に増強した種々のペプチドのインビボ およびエクスビボでの効力を示す。 図13は、典型的な1つの環状ラクタムアナログの合成を示す。 図14は、クエン酸化およびヘパリン化された血液中の21I、17I、および8Xペ プチドの血小板凝集IC50値を示す。 図15は、実施例XIに記載した血小板凝集およびレセプター結合に対する環状 (ラクタム)RGDペプチドアナログの効力を示す。 図16は、実施例XIに記載した血小板凝集およびレセプター結合に対する直鎖 状および環状RGDペプチドアナログの効力を示す。 図17は、効力および選択性に対する−3位(下記で定義する)のPen残基の改 変効果を示す表である。記号およびアミノ酸の標準略語は、IUPAC-IUB Joint Co mmission on Biochemical Nomenclature (JCBN)(Biochem.J.(1984)219:345お よびEurop.J.Biochem.(1984)138:9)により、推奨されるとおりであり、本明 細書中に参考として援用される。さらなる略語は下記のとおりである: AAA,ア ミノ酸分析Boc,テルトブトキシカルボニル(tert-butoxy-carbonyl); Cit,シト ルリン(Citrulline); DCM,ジクロロメタン(dichloromethane); ELISA,酵素結 合イムノソルベントアッセイ; FABMS,高速原子衝突質量分析計; HOBT,N-ヒド ロキシベンゾルトリアゾール(N-Hydroxy-benzoltriazole); Hpa,ホモフェニル アラニン(homophenylalanine); Mpr,β-メルカプトプロピオン酸(β-mercaptop ropionic acid); 2-Nal,β-(2-ナフチル)-アラニン(β-(2-naphthyl)-alanine) ; Pen,ペニシラミン(penicillamine); Pgl,フェニルグリシン(phenylglycine) ; Pmc,β,β-ペンタメチレンシステイン(β,β-pentamethylenecysteine); P mp,β,β-ペンタメチレン-β-メルカプトプロピオン酸(β,β-pentamethylene- β-mercaptopropionicacid); TLC,薄層クロマトグラフィー; Tmc,β,β-テト ラメチレンシステイン(β,β-tetramethylenecysteine); p-I-F,p-ヨードフェ ニルアラニン(p-iodo-phenylalanine); p-Cl-F,p-クロロフェニルアラニン(p-c hloro-phenylalanine); p-NO2-F,p-ニトロ-フェニルアラニン(p-nitro-phenyla lanine),Y-OMe,O-メチルチロシン(O-methyltyrosine); Y-O-n-ブチル(Y-O-n-b utyl),O-n-ブチル-チロシン(O-n-butyl-tyrosine)。bは、試験しなかった。 図18は、ペプチドR(Pmc)GHRGDLRCRの3位(下記で定義する)における置換の 結果をまとめた表である。記号およびアミノ酸の標準略語は、IUPAC-IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature (JCBN)(Biochem.J.(1984)219:345 およびEurop.J.Biochem.(1984)138:9)により推奨されるとおりであり、本明 細書中に参考として援用される。さらなる略語は下記のとおりである: AAA,ア ミノ酸分析Boc,テルトブトキシカルボニル; Cit,シトルリン; DCM,ジクロロ メタン; ELISA,酵素結合イムノソルベントアッセイ; FABMS,高速原子衝突質量 分析計; HOBT,N-ヒドロキシベンゾルトリアゾール; Hpa,ホモフェニルアラニ ン; Mpr,β-メルカプトプロピオン酸; 2-Nal,β-(2-ナフチル)-アラニン; Pen ,ペニシラミン; Pgl,フェニルグリシン; Pmc,β,β-ペンタメチレンシステイ ン; Pmp,β,β-ペンタメチレン-β-メルカプトプロピオン酸; TLC,薄層クロマ トグラフィー; Tmc,β,β-テトラメチレンシステイン; p-I-F,p-ヨードフェニ ルアラニン; p-Cl-F,p-クロロフェニルアラニン; p-NO2-F,p-ニトロ-フェニル アラニン,Y-OMe,O-メチルチロシン; Y-O-n-ブチル,O-n-ブチル-チロシン。ペ プチド5およびペプチド8〜17は、Boc-D,L-Pmc(4-MeBzl)を使用することによ り調製した。 図19は、ペプチドR(Pmc)GHRGD(Y-OMe)RCRの−2位(下記で定義する)におけ る置換の結果をまとめた表である。記号およびアミノ酸の標準略語は、IUPAC-IU B Joint Commission on Biochemical Nomenclature (JCBN)(Biochem.J.(1984 )219:345およびEurop.J.Biochem.(1984)138:9)により推奨されるとおりで あり、本明細書中に参考として援用される。さらなる略語は下記のとおりである : AAA,アミノ酸分析Boc,テルトブトキシカルボニル; Cit,シトルリン; DCM, ジ クロロメタン; ELISA,酵素結合イムノソルベントアッセイ; FABMS,高速原子衝 突質量分析計; HOBT,N-ヒドロキシベンゾルトリアゾール; Hpa,ホモフェニル アラニン; Mpr,β-メルカプトプロピオン酸; 2-Nal,β-(2-ナフチル)-アラニ ン; Pen,ペニシラミン; Pgl,フェニルグリシン; Pmc,β,β-ペンタメチレン システイン; Pmp,β,β-ペンタメチレン-β-メルカプトプロピオン酸; TLC,薄 層クロマトグラフィー; Tmc,β,β-テトラメチレンシステイン; p-I-F,p-ヨー ドフェニルアラニン; p-Cl-F,p-クロロフエニルアラニン; p-NO2-F,p-ニトロ- フェニルアラニン,Y-OMe,O-メチルチロシン; Y-O-n-ブチル,O-n-ブチル-チロ シン。この表に示すペプチド18〜22は、Boc-D,L-Pmc(4-MeBzl)を使用すること により調製した。 図20は、ペプチドR(Pmc)GHRGD(Y-OMe)RCRの−1位(下記で定義する)におけ る置換の結果をまとめた表である。記号およびアミノ酸の標準略語は、IUPAC-IU B Joint Commission on Biochemical Nomenclature (JCBN)(Biochem.J.(1984 )219:345およびEurop.J.Biochem.(1984)138:9)により推奨されるとおりで あり、本明細書中に参考として援用される。さらなる略語は下記のとおりである : AAA,アミノ酸分析Boc,テルトブトキシカルボニル; Cit,シトルリン; DCM, ジクロロメタン; ELISA,酵素結合イムノソルベントアッセイ; FABMS,高速原子 衝突質量分析計; HOBT,N-ヒドロキシベンゾルトリアゾール; Hpa,ホモフェニ ルアラニン; Mpr,β-メルカプトプロピオン酸; 2-Nal,β-(2-ナフチル)-アラ ニン; Pen,ペニシラミン; Pgl,フェニルグリシン; Pmc,β,β-ペンタメチレ ンシステイン; Pmp,β,β-ペンタメチレン-β-メルカプトプロピオン酸; TLC, 薄層クロマトグラフィー; Tmc,β,β-テトラメチレンシステイン; p-I-F,p-ヨ ードフェニルアラニン; p-Cl-F,p-クロロフェニルアラニン; p-NO2-F,p-ニト ロ-フェニルアラニン,Y-OMe,O-メチルチロシン; Y-O-n-ブチル,O-n-ブチル- チロシン。ペプチド23〜26は、Boc-D,L-Pmc(4-MeBzl)を使用することにより調 製した。Ntは、試験されなかったことを意味する。 図21は、ペプチドAc-CIPRGD(Y-OMe)RC-NH2およびAc-CNPRGD(Y-OMe)RC-NH2( 第32番)の3位(下記で定義する)での疎水性アミノ酸の改変効果を示す表である 。記号およびアミノ酸の標準略語は、IUPAC-IUB Joint Commission on Bioche mical Nomenclature (JCBN)(Biochem.J.(1984)219:345およびEurop.J.Bioc hem. (1984)138:9)により、推奨されるとおりであり、本明細書中に参考として 援用される。さらなる略語は下記のとおりである: AAA,アミノ酸分析Boc,テル トブトキシカルボニル; Cit,シトルリン; DCM,ジクロロメタン; ELISA,酵素 結合イムノソルベントアッセイ; FABMS,高速原子衝突質量分析計; HOBT,N-ヒ ドロキシベンゾルトリアゾール; Hpa,ホモフェニルアラニン; Mpr,β-メルカ プトプロピオン酸; 2-Nal,β-(2-ナフチル)-アラニン; Pen,ペニシラミン; Pg l,フェニルグリシン; Pmc,β,β-ペンタメチレンシステイン; Pmp,β,β-ペ ンタメチレン-β-メルカプトプロピオン酸; TLC,薄層クロマトグラフィー; Tmc ,β,β-テトラメチレンシステイン; p-I-F,p-ヨードフェニルアラニン; p-Cl- F,p-クロロフェニルアラニン; p-NO2-F,p-ニトロ-フェニルアラニン,Y-OMe, O-メチルチロシン; Y-O-n-ブチル,O-n-ブチル-チロシン。 図22は、−3位(下記で定義する)でのAc-CNPRGD(Y-OMe)RC-NH2の改変効果を 示す表である。記号およびアミノ酸の標準略語は、IUPAC-IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature (JCBN)(Biochem.J.(1984)219:345およびEuro p.J.Biochem. (1984)138:9)により、推奨されるとおりであり、本明細書中に 参考として援用される。さらなる略語は下記のとおりである: AAA,アミノ酸分 析Boc,テルトブトキシカルボニル; Cit,シトルリン; DCM,ジクロロメタン; E LISA,酵素結合イムノソルベントアッセイ; FABMS,高速原子衝突質量分析計; H OBT,N-ヒドロキシベンゾルトリアゾール; Hpa,ホモフェニルアラニン; Mpr, β-メルカプトプロピオン酸; 2-Nal,β-(2-ナフチル)-アラニン; Pen,ペニシ ラミン; Pgl,フェニルグリシン; Pmc,β,β-ペンタメチレンシステイン; Pmp ,β,β-ペンタメチレン-β-メルカプトプロピオン酸; TLC,薄層クロマトグラ フィー; Tmc,β,β-テトラメチレンシステイン; p-I-F,p-ヨードフェニルアラ ニン; p-Cl-F,p-クロロフェニルアラニン; p-NO2-F,p-ニトロ-フェニルアラニ ン,Y-OMe,O-メチルチロシン; Y-O-n-ブチル,O-n-ブチル-チロシン。 図23は、Ac-CNPRGD(Y-OMe)RC-NH2上の4位(下記で定義する)でのアルギニン の置換の効果をまとめた表である。記号およびアミノ酸の標準略語は、IUPAC-IU B Joint Commission on Biochemical Nomenclature (JCBN)(Biochem.J.(198 4)219:345およびEurop.J.Biochem.(1984)138:9)により、推奨されるとおり であり、本明細書中に参考として援用される。さらなる略語は下記のとおりであ る: AAA,アミノ酸分析Boc,テルトブトキシカルボニル; Cit,シトルリン; DCM ,ジクロロメタン; ELISA,酵素結合イムノソルベントアッセイ; FABMS,高速原 子衝突質量分析計; HOBT,N-ヒドロキシベンゾルトリアゾール; Hpa,ホモフェ ニルアラニン; Mpr,β-メルカプトプロピオン酸; 2-Nal,β-(2-ナフチル)-ア ラニン; Pen,ペニシラミン; Pgl,フェニルグリシン; Pmc,β,β-ペンタメチ レンシステイン; Pmp,β,β-ペンタメチレン-β-メルカプトプロピオン酸; TLC ,薄層クロマトグラフィー; Tmc,β,β-テトラメチレンシステイン; p-I-F,p- ヨードフェニルアラニン; p-Cl-F,p-クロロフェニルアラニン; p-NO2-F,p-ニ トロ-フェニルアラニン,Y-OMe,O-メチルチロシン; Y-O-n-ブチル,O-n-ブチル -チロシン。 図24は、テンプレート出血時間に対するペプチドの効果を示す。 発明の詳細な説明 本発明は、出血時間の延長を引き起こすことなく、血小板凝集を阻害する環状 ペプチドを提供する。一つの実施態様において、環状でありかつ配列: X1 X2 X3 X4 G D X5 X6 X7 X8 を含むペプチドを提供する。ここで、 X1およびX8は、0〜20個のアミノ酸であり; X2は、0個またはラクタム架橋(bridge)を形成し得るアミノ酸であり; X3は、0〜10個のアミノ酸であり; X4は、正に荷電したアミノ酸であり; X5は、疎水性アミノ酸であり; X6は、正に荷電したアミノ酸であり;そして X7は、ラクタム架橋を形成し得るアミノ酸である。 特に、X5は、チロシンまたはチロシン誘導体であり得る。チロシン誘導体には、 例えば、O-メチルチロシン;O-エチルチロシン;O-n-ヘキシルチロシン;3,5ジ ヨードチロシンおよびO-n-ブチルチロシンが含まれる。これらのペプチドは、血 小板凝集を阻害することにおいて有効であり、それゆえ血餅を溶解し、ならびに 血管平滑筋細胞の不適切な増殖および動脈移植片閉塞(arterial graft occlusio n)を防ぐために有利に使用され得る。予期しなかったことではあるが、このよう な処置は、他の抗血栓剤の有用性を制限する、付随する出血の有意な延長を引き 起こさない。従って、このようなペプチドの使用は、従来の処置法に対する有意 な改善であり、他のRGD含有ペプチドを使用する処置法を含む。 本明細書中で使用する場合、「Arg-Gly-Asp含有ペプチド」または「RGDペプチ ド」とは、1つまたはそれ以上のArg-Gly-Asp含有配列を有するペプチドのこと を意図する。この配列は、「Arg-Gly-Aspファミリーのレセプター」(すなわち 、Arg-Gly-Asp配列を認識しそして結合するレセプター)のうちの1つのレセプ ターのための結合部位として機能し得る。Lys-Gly-Asp(KGD)のようなArg-Gly-As pの機能的等価物、またはArg-Gly-Aspトリペプチド配列を機能的に模倣するアミ ノ酸以外の化学構造もまた、この定義に含まれる。Arg-Gly-Asp配列およびその 機能的等価物は、結合活性を保持するために必要であることが見出されているが 、残りのペプチドおよびペプチドと共に存在するその他の化学的部分の組成は、 結合部位の活性に必ずしも影響することなく変化し得る。特定の化学構造または Arg-Gly-Asp配列を超える配列が存在する場合、結合部位の機能を消失させない 種々の改変は、このペプチドの定義から逸脱することなく含まれるべきであるこ とを意図する。 本明細書中で使用する場合、用語「架橋」とは、アミド結合(bond)がペプチ ドを環状化してラクタムを形成しない場合、ペプチドの骨格を形成するアミド結 合以外の、ペプチド中の2つのアミノ酸、アミノ酸誘導体、または他の化学的な 部分の間の化学結合をいう。このようなラクタムは、用語「架橋」に含まれる。 本明細書中で使用する場合、用語「ペプチド結合(bond)」または「ペプチド結 合(linkage)」とは、ある1つのアミノ酸のカルボキシル基と別のアミノ酸のα −アミノ基との間のアミド結合(linkage)をいう。 本明細書中で使用する場合、用語「ペプチド」とは、ペプチド結合により直鎖 状に結合した(coupled)アミノ酸を含む分子を包含することを意図する。この ようなペプチドは、アミノ酸誘導体または非アミノ酸部分をさらに含み得る。ア ミノ酸は、そのペプチドの結合機能が維持される限りはL体またはD体であり得 る。このようなペプチドは、種々の長さを有し得、好ましくは約4と200との間 のアミノ酸、さらに好ましくは約7と35との間のアミノ酸、そして最も好ましく は約6から9の間のアミノ酸を有し得る。用語アミノ酸は、天然に存在するアミ ノ酸とそれらの誘導体(例えば、TyrMeおよびPheCl)との両方、ならびに利用可能 なカルボキシル基とアミン基との両方の存在により特徴づけられる他の部分をい う。このようなペプチドに含まれ得る非アミノ酸部分は、例えば、アミノ酸を模 倣する構造を包含する。模倣構造とは、アミノ酸と実質的に同一の官能基の空間 配置を示すが、アミノ酸の特徴であるα−アミノ基とα−カルボキシル基との両 方を必ずしも有しない構造である。 本明細書中で使用される場合、用語「環状ペプチド」とは、ペプチド内で2つ の隣接しないアミノ酸の間に分子内結合を有するペプチドをいう。この分子内結 合は、骨格と骨格との結合、側鎖と骨格との結合および側鎖と側鎖との結合を含 むが、それらに限定されない。種々のアミノ酸誘導体および化学的部分が、この ような結合に関与し得、例えば、Pen、PmpおよびPmpアナログ、ならびにPmcおよ びPmcアナログを含む。Pmcはまた、アミノ-Pmp(am-pmp)として公知である。 本明細書中で使用される場合、用語「出血時間を延長しないこと」または「出 血時間を実質的に延長しないこと」あるいは「出血時間を延長することなく」( もしくはこれらの文法上の等価な句)とは、無処置動物から得られる出血時間と 実質的に同一の出血時間を維持することをいう。従って、出血時間を延長しない ペプチドは、動物に投与された場合に、実施例VII 6.(後述)において提供される アッセイのようなアッセイにより測定された時、約2または3ファクターより大 きく出血時間を延長しないペプチドである。 本明細書中で使用されるアミノ酸および他の部分のための1文字略号および3 文字略号は、以下のように与えられる: 本明細書中で使用される場合、用語「疎水性」とは、非極性であるアミノ酸、 アミノ酸誘導体、アミノ酸模倣体(mimics)、および化学的部分を含むことを意 図する。疎水性アミノ酸には、Phe、Val、Trp、IleおよびLeuが含まれる。本発 明に有用な他の疎水性アミノ酸は、TyrMe、PheClおよびCha、O-Et-Tyr、O-n-ヘ キシル-Tyr、3,5-ジヨード-Tyr、Hpa、2-Nal、O-n-ブチル-Tyr、p-ニトロ-Phe、 Phg、p-ヨード-Phe、p-アミノ-PheおよびCitである。 本明細書中で使用される場合、用語「正に荷電したアミノ酸」とは、正に荷電 したアミノ酸、アミノ酸誘導体、アミノ酸模倣体および化学的部分をいう。正に 荷電したアミノ酸には、例えば、Lys、ArgならびにHisおよびOrnホモ-Argが含ま れる。このような正に荷電したアミノ酸は、好ましくはX4またはX7と呼ばれる位 置もしくは後述の実施例において「+4位」と呼ばれる位置に見られる。 本発明は、RGDレセプターに結合するペプチドに関して記載されるが、当業者 に公知の機能的等価物は、本発明の精神から逸脱することなくRGD配列に代えて 置換し得ることが理解される。当業者は、このような機能的等価物を本明細書中 で記載する本発明の実施に使用し得る。 アミノ酸配列RGDが、多くのタンパク質(例えば、フィブロネクチン、ビトロ ネクチンおよびIV型コラーゲンを含む)において細胞結合部位であることは現在 十分に確立されている。RGD結合部位は、インテグリンと呼ばれる、細胞表面レ セプターのファミリーにより認識される。血小板は、RGD-細胞表面レセプターの 大きなレパートリーを含む。各レセプターは、1つまたはそれ以上のRGD含有リ ガンドを認識して種々の生理学的機能を実行する。GP IIb/IIIaは、血小板中に 見い出されるこのようなインテグリンレセプターの1つである。このレセプター により認識されるリガンドには、フィブリノーゲンおよび他の血清タンパク質が 含まれる。GP IIb/IIIaは、凝集を形成するための他の血小板との相互作用およ び損傷血管の内皮表面との相互作用により、冠動脈血栓の進展に主に関与する。 可溶形態で供給された場合、RGDペプチドは、細胞接着または血小板凝集を、他 のRGD含有リガンドとの競合により阻害し得る。例えば、米国特許第4,578,079号 、第4,517,686号、第4,792,525号、第4,683,291号、および第5,041,380号(これ らは、本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。 出血時間の延長は、血栓溶解治療の望ましくない副作用であり得るので、この 副作用を有しない本発明のペプチドは、特に有用である。ペプチドの出血時間に 対する効果は、当業者により、例えば、実施例VII.6.血行力学反応に記載される ようなプロトコールを用いて容易に測定され得る。 予想されなかったことではあるが、RGD結合部位の「+4位」(すなわち、配 列RGDXのX位の残基に隣接する位置)において正に荷電したアミノ酸の存在は、 出血時間を延長しないという特徴を血小板凝集阻害ペプチドに与える。位置の割 り当ては、以下のようである: X1 X2 X3 X4 G D X5 X6 X7 X8 -3 -2 -1 0 +1 +2 +3 +4 +5 +6 このようなペプチドの実例は、Ac-CNPRGD(O-Me-Y)RCNH2(「8X」)である。こ のような正電荷は、例えば、+4位における正に荷電したアミノ酸(例えば、Ar g、Lys、ホモ-Argまたはオルニチン)の存在の結果より生じ得る。あるいは、+ 4位において正電荷を有するアミノ酸誘導体またはアミノ酸模倣体は、所望の効 果を生じ得る。さらに、実質的にそのような位置を占めるように空間的に配置さ れた、正に荷電した化学的アミノ酸もまたその特徴を与え得る。このようなアミ ノ酸は、その正電荷が8X(前記)の+4位アルギニンにおいてグアニジノ官能基 により占められる空間位置と実質的に同一の空間位置を占める限り、+4位にお いて直鎖状に配置される必要はない。 本発明のペプチドは、化学合成法を含む当該分野において周知の任意の適切な 方法により合成され得る。好ましくは、直鎖状配列は、Applied Biosystems,In c.(Foster City,CA)製のペプチド合成機のような市販の自動ペプチド合成機を 用いて合成される。そのようにして合成された物質を沈澱させ得、そして、例え ば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりさらに精製し得る。合成ペプチ ドに関しては95パーセントを超える純度が好ましいが、より低い純度も受容可能 であり得る。 血小板凝集を阻害することに関して高い効力を有し、そして動物に投与された 場合には、出血の延長を引き起こさない、本発明の増強されたペプチドの1つを 得るために、合成ペプチドを、当該分野において周知の方法を用いて、環状化す る。ペプチドが、硫黄を含有する2つのアミノ酸または他の部分を有する場合、 環状化はジスルフィド結合により達成され得る。硫黄を含む有用な部分の例は、 Cys、Pen、Pmp、およびPmcである。あるいは、環状化は、例えば、Pasを使用し て、アミド(ペプチド)結合またはアルキル架橋構造(例えば、ジカルバ(dicar ba)架橋)の形成により達成され得る。残基がスルフヒドリルを含む場合、ジス ルフィド架橋は、K3[Fe(CN)6]を用いてペプチドの希釈水溶液を酸化することま たは空気酸化により形成され得る。他の残基(例えば、化学的部分であるPmpお よびPmc)は、Pmp(またはPmc)とCys(または類似の構造)との間のジスルフィ ド結合により架橋構造を生じ得る。ジカルバ架橋(そこでは、ジスルフィド架橋 か2つのメチレン基で置き換えられている)は、Pasを使用して形成され得る。 当該分野において公知である、環状化のための他の手段もまた使用され得る。 本発明の環状化されたペプチドはまた、隣接しないアミノ酸残基の間にアミド ペプチド結合(ラクタム)を形成することにより調製され得る。このようなアミ ド結合を形成するための手順は、Schillerら(Int.J.Peptide Protein Res.2 5:171、1985;これは、本明細書中で参考として援用される)において提供され ている。簡潔に述べると、側鎖と側鎖との環状化は、Felixら(Int.J.Peptid e Protein Res.31:231、1988;これは、本明細書中で参考として援用される) により記述されるようにAsp残基およびLys残基に対するOFm/Fmoc側鎖保護と共に Na-Boc-アミノ酸を使用して上記の手順により行われ得る。あるいは、側鎖と骨 格との環状化は、この手順を使用して行われ得る。 本発明に含まれるペプチドは、RGD配列のカルボキシ末端に隣接する疎水性ア ミノ酸を含み得る。この疎水性アミノ酸は、ある範囲の構造型および疎水性度(h ydrophobicity)を有し得る。適切な疎水性アミノ酸には、例えば、Phe、Trp、Va l、Ile、Leu、PheCl、TyrMe、およびCha、O-n-ヘキシル-Tyr、3,5-ジヨード-Tyr 、Hpa、2-Nal、O-n-ブチル-Tyrなどが含まれる。このようなペプチドは、X1X2X3 X4GDX5X6X7X8として表され得る。ここで、X5は、疎水性アミノ酸である。X2およ びX7は、架橋(例えば、ジスルフィド架橋、アルキル架橋またはペプチド結合) を形成し得るアミノ酸である。これらのアミノ酸の代表は、Cys、Pen、Pmp、Pmc およびPasである。X6は、正に荷電したアミノ酸である。X1およびX8は、0〜20 個のアミノ酸である。X1の残基の数が1である場合、X1は好ましくはGlyであり 、残基の数が1より大きければ、そのカルボキシ末端の残基は、好ましくはGly である。X3は、0〜10個のアミノ酸であり、好ましくは、カルボキシ末端残基と してHisまたはProを有する。X4は、ArgまたはLysのような正に荷電したアミノ酸 である。この性質を有する特定のペプチドには、GPenGHRGDLRCA、RPenGHRGDWRCR 、RPenGHRGD(Cha)RCR、PmpGHRGDLRCA、G(dPen)GHRGDLRCA、R(am-Pmp)GHRGDWRCR 、R(am-Pmp)GHRGD(TyrMe)RCR、R(am-Pmp)GHRGD(PheCl)RCR、R(am-Pmp)GHRGDLRCR 、R(am-Pmp)GHRGDLRCR、R(t-but-am-Pmp)GHRGDLRCR、Ac-CNPRGD(O-Met-Y)RCNH2 、Ac-CNPKGD(Y-OMe)RC-NH2、Ac-CNPRGD(O-N-ブチル-Y)RC-NH2が含まれる。 本明細書中で特定して同定される配列以外の配列を有するペプチドもまた、こ れらが必須の機能上の基準を示せば、本発明に含まれる。高い抗血栓活性を有し かつ出血時間を延長しないペプチドが、本明細書中に記載された教示を使用して 合成および試験され得る。一旦合成されたこのようなペプチドは、例えば、実施 例Vに記載される血小板凝集アッセイを使用して、抗血栓活性について試験され 得る。 出血時間を延長することなく血小板凝集を減少させる本発明のペプチドは、低 カルシウムおよび高カルシウムの両方で実施される血小板凝集アッセイにおいて 決定される特徴的な比率のIC50値を有する。少なくとも約5〜20のIC50(高カル シウム):IC50(低カルシウム)の比は、両方の所望の特徴を有するペプチドを 示す。低カルシウム条件の例は、約40μMのカルシウム濃度を提供するクエン酸 において行われるアッセイである。高カルシウム条件の例は、ヘパリン中で実行 されるアッセイである。ヘパリンは、約1.2〜1.6mMの生理学的なカルシウム濃度 を提供する。血小板凝集アッセイは、全血または血小板を使用して実行され得る 。 種々のインテグリンレセプターに対するペプチドの相対親和性は、例えば、実 施例IVのリポソーム結合アッセイまたは実施例IIIおよびXIのELISAアッセイを使 用して試験され得る。血小板凝集を阻害することに関して高い効力を示し、かつ GP IIb/IIIaに関して高い親和性を、そしてフィブロネクチンレセプターおよび ビトロネクチンレセプターに関して低い親和性を示すペプチドを、出血時間に対 するそれらの効果を測定するために選択するべきである。実施例VIIIおよびIXに 記載されるヒヒのモデルまたはウサギのモデルのような動物モデルを、出血時間 を評価するために使用し得る。ペプチドを投与後、その効果を、動物に切り傷を つけ、そして吸収性のタオルまたは織物上に出血させることによりモニターし得 る。出血が止まるまでの時間の長さを、ペプチドを投与しなかった動物の出血時 間と比較すべきである。本明細書中に記載される教示の範囲内にあるペプチドは 、無処置対照の出血に対し約2〜3倍より多く出血を増加させない。このように 、当業者は、本発明の教示を使用して、本明細書中に記載される一般構造を有す る種々のペプチドを生成および試験し得る。 本発明の別の局面において、レセプターIIb/IIIaに対して相対的に高い親和性 を有しかつフィブロネクチンレセプターおよびビトロネクチンレセプターに対し て低い親和性を有するペプチドを提供する。このようなIIb/IIIa親和性は、例え ば、実施例IVおよびVIで記載されるようにリポソーム接着アッセイにより、ある いは実施例VおよびXIで記載されるように血小板凝集アッセイにおいて測定し得 る。IIb/IIIaに対する高い親和性により特徴づけられるペプチドは、実施例IVお よびVIにおいて提供されるアッセイ条件下で測定されるように、約10μMより小 さい、好ましくは約1μMより小さい、さらに好ましくは約0.1μMのIC50を有す る。あるいは、実施例Vにおいて特徴づけられるようなIIb/IIIaに対する親和性 は、約10μMより小さい、好ましくは約1μMより小さい、さらに好ましくは約0. 1μMのIC50を有する。フィブロネクチンレセプター親和性およびビトロネクチン レセプター親和性は、例えば、それぞれ、実施例IIIおよびVI、ならびにIVおよ びVI、さらに実施例IXに詳細に記載される方法により測定され得る。これらのア ッセイを使用して、記載の条件下で、フィブロネクチンレセプターに対して低い 親和性を有するペプチドは、約0.1μMより大きい、好ましくは約1μMより大き い、さらに好ましくは約10μMより大きいIC50を有する;ビトロネクチンレセプ ターに対して低い親和性を有するペプチドは、約1μMより大きい、好ましくは 約10μMより大きい、さらに好ましくは約100μMより大きいIC50を有する。従っ て、種々のペプチドをスクリーニングして、阻害濃度およびそれ故結合親和性を 測定し、そしてIIb/IIIaに対する高親和性ならびにフィブロネクチンレセプター およびビトロネクチンレセプターに対する低親和性を有するペプチドを選択する ことが可能である。 本発明はまた、GP IIb/IIIaへの種々のリガンドの結合を差別的に阻害し、か つ出血時間の延長を生じないペプチドを提供する。例えば、本明細書中で8Xとし て呼ばれるペプチドは、GP IIb/IIIaへのフィブリノーゲンの結合を、このペプ チドが、同一のインテグリンへのフィブロネクチンおよびビトロネクチンの結合 を阻害するよりも強く阻害する。 本発明のペプチドは、血栓症を示す哺乳動物に治療的に有効量のこのペプチド を適切な生理学的に受容可能なキャリアーで投与することにより、血栓状態を効 果的に除去するために使用され得る。有効量は、1〜50mg/kg体重/時間、好まし くは約1〜5mg/kg体重である。適切な有効量は、当業者により容易に決定し得 る。ペプチドは、種々の方法、例えば、注入または注射により投与され得る。処 置の長さは、効果をモニターすることにより決定され得る。 特許請求の主題は、高度に強力かつ選択的なGP IIb/IIIaアンタゴニストであ る一連の環状ジスルフィドおよびラクタムペプチドをさらに包含する。これらの ジスルフィドまたはラクタム含有ペプチドは、それらの環状性質のため直鎖状の それらの対応物(counterpart)よりコンフォメーション的に限定される;環サ イズの縮小は、さらに構造を束縛する。 配列X4GDX5X6(X4は正に荷電したアミノ酸であり、X5は疎水性アミノ酸であり 、そしてX6は正に荷電したアミノ酸である)および前述のペプチドにおけるより 少ないアミノ酸を含む一連の小さな環状ジスルフィドへプタペプチドを合成した 。上記のファーマコフォア(pharmacophore)配列は、ペプチドの高いGP IIb/II Ia結合親和性、高い選択性、およびそれらの独特な生物学的性質に関与する。環 中に残るアミノ酸は、生物活性なコンフォメーションに好都合である構造的役割 を主に与える。そこでは重要な残基がレセプターとの最適な相互作用のために空 間的に位置している。例えば、ペプチド16Aである(Mpr)RGD(O-Me-Y)RC-NH2は、 血小板凝集を0.12μMのIC50で阻害した。このことは、8Xである(Ac-CNPRGD(O-M e-Y)RC -NH2)より約2倍反応性が高いことを示す。アスパラギン残基およびプロ リン残基は、活性および選択性の損失を伴わずに8Xから削除された。ペプチド16 Aおよび他のより小さな環アナログは、前述のペプチドよりさらにコンパクトで あり、従ってコンフォメーション的にさらに剛直(rigid)である。より小さな 環アナログペプチドの例には、以下の物が含まれる: このようなペプチドは、X1X2X3X4GDX5X6X7X8として表され得る。ここで、X4は 正に荷電したアミノ酸、好ましくはArg、Lys、またはホモArgあるいはそれらの 模倣体である;X5は疎水性アミノ酸である;X6は正に荷電したアミノ酸である; X3 は0〜10個、好ましくは0〜2個のアミノ酸である;X1およびX8は0〜20個のア ミノ酸である;そしてX2およびX7は0個のアミノ酸または架橋を形成し得るアミ ノ酸(例えば、ジスルフィド架橋またはジカルバ架橋(そこではジスルフィド架 橋は2つのメチレン基で置き換わっている)、あるいはラクタム(アミド)結合 である。これらのアミノ酸の代表例は、Cys、Pen、Pmp、Pmc、MprおよびPasであ る。 これらのより小さな環状ジスルフィドペプチドの化学的および代謝的安定性を さらに高めるために、対応するラクタムアナログを設計し、そして合成した。ペ プチド上の他の側鎖基に共有付着(covalent attachment)を形成するためにア ミノ酸上の側鎖基を使用する環状ラクタムは公知である(Felixら、Int.J.Pep tide Protein Res.31:231(1988); Felixら、Int.J.Peptie Protein Res.32: 441(1988); AL-Obeidiら、J.Med.Chem.32:2555(1989);各文献は、本明細書に 参考として援用される)。この枠組み(framework)内で、環状ラクタムペプチ ドを、N末端(β-Ala、Gly、またはArgの-NH2)への共有付着(ラクタム架橋) を形成するためにAspまたはGluの酸側鎖基(acid side-chain group)を利用し て合成した。ラクタム架橋したアナログの例には、以下の物が含まれる: このようなペプチドは、X1X2X3X4GDX5X6X7X8として表され得る。ここで、X4は 正に荷電したアミノ酸、好ましくはArg、Lys、またはホモArgあるいはそれらの 模倣体である;X5はロイシン以外の疎水性アミノ酸である;X6は正に荷電したア ミノ酸である;X3は0〜10個、好ましくは0〜2個のアミノ酸である;X1および X8は0〜20個のアミノ酸である;X2は0〜1個のアミノ酸であり、X2が1個のア ミ ノ酸の場合、好ましくはGly、Argまたはβ-アラニンである;そしてX7はラクタ ム架橋を形成し得るアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸またはグ ルタミン酸のより高度な同族体、リジン、オルニチンあるいはα,β-ジアミノプ ロピオン酸である。X1、X2およびX3が0である場合、ラクタム架橋は、21Iのよ うにX4の側鎖により形成される。これらのペプチドは、分子内ラクタム架橋を有 することとして特徴づけられる。これらの環状ラクタムペプチドを、N末端アミ ン(例えば、β-Ala、GlyまたはArgの-NH2)への共有付着(ラクタム架橋)を形 成するために(例えばAspまたはGluの)酸側鎖基を利用して合成した。 環サイズは、環状ラクタムアナログの効力に対する影響を有する。23メンバー の環状ラクタムアナログ17IであるGRGD(O-Me-Y)RE-NH2、および20メンバーの環 状ラクタムアナログ21IであるRGD(O-Me-Y)RE-NH2を調製し、そして評価した。環 のメンバーとは、1次環構造中の結合の数をいう。これらの新規な環状ラクタム ペプチドを、N末端アミン(例えば、GlyまたはArgの-NH2)への共有付着(ラク タム架橋)を形成するためにGluの酸側鎖基を使用して合成した。環状ラクタム 架橋の形成は、18Gおよび全ての環状ラクタムペプチドについて図13に概説され るように固相支持体上でなされた。試験は、より小さなアナログである、6個の 残基すなわち20メンバーを有する21Iが、合成された環状RGDペプチドの中で最も 高い効力のうちの1つを有することを示した;それは0.08μMのIC50で血小板凝 集を阻害した。このことは、9個のアミノ酸残基すなわち29のメンバーを有する 8X Ac-CNPRGD(O-Me-Y)RC-NH2より約3倍高い反応性であることを示した。同様に 、28メンバーの環状ラクタムアナログ20Qが、29メンバーの環状アナログ17Jより 約3倍高い効力、そして29メンバーの環状ラクタムアナログ18Jより約20倍高い 効力がある。 以下は、請求項に記載されたRGD環状アナログのいくつかの構造的特徴を示す : 請求項に記載された主題は、環外の正電荷を有する環状RGD含有ペプチドをさ らに含む: これらのペプチドは、X1X2X3X4GDX5X6X7(ここで、X5は0であり得る)として 前述の式の用語を使用して記述され得る。 本発明はまた、式: を有する直鎖状ペプチドを企図する。 以下の実施例は本発明を説明することを意図し、本発明を制限することを意図 しない。 実施例I ペプチド合成 本発明のペプチドを、本実施例または実施例XIの手順により合成した。ペプチ ドを自動ペプチド合成機(モデル430A、Applied Biosystems,Foster City,Cali fornia USA)で、製造者によって推奨されるようにPAM樹脂上で最適化したn-メチ ルピロリドンの化学作用を用いて合成した。樹脂からのペプチドの開裂は、100 %フッ化水素で達成される。このペプチドをさらに、0〜60%のアセトニトリル 勾配によりVYDAC逆相C18カラムを用いるHPLCにより精製した。ペプチドは、9 8%純度である場合にのみ用いた。 Penの環状化のために、上記のように合成した611mgのペプチドを、予め沸騰さ せて冷ました4リットルの水に溶解した。ペプチドを添加する直前に、窒素を水 中で45分間泡立てた。ペプチドを溶解した後に、水中のフェリシアン化カリウム K3[Fe(CN)6]の0.1μg/mlの溶液を、撹拌したペプチド溶液が、5分間黄色を維持 するまで滴下した(約5ml)。NH4OHの添加により、この手順の間、溶液のpHを7. 0に維持した。溶液を低真空下で20時間静置し、そして凍結乾燥させた。過剰なK3 [Fe(CN)6]は、環状化した物質をSephadex G-15カラム(1.8×120cm)に通すこと により除去した。ペプチドを、Waters BondapakTMC18カラム(3×30cm;10μmパッ キング)(Waters Assoc.,Milford,MA)を用いて逆相HPLCにより精製した。この ペプチドを緩衝液A(pH7.5の20mM酢酸アンモニウム)でカラムにかけ、そして60 %アセトニトリルおよび40%緩衝液Aからなる緩衝液Bの勾配で溶出した。溶出 した画分をレセプター結合を阻害するそれらの能力について試験した。 C18カラムから得た主要なピークは、回収したペプチドの90%を構成し、そし てモノマー性環状ペプチドであることが推測された。なぜなら、モノマー性環状 ペプチドは、この配列から予測される時間の間カラムに保持されるため、そして 環状化しなかった物質および多重結合形態は、主要なピークから十分に分離され たためである。 実施例II レセプターおよびリガンド精製 レセプターおよびリガンド精製を、本実施例の方法または実施例XI.Cの方法に より実施した。レセプターを、本明細書中で参考として援用されるPytelaら(Met hods Enzymol.144:475(1987))の手順により精製した。簡単に説明すると、ビト ロネクチンレセプター(Vn-R)をRGDペプチドアフィニティークロマトグラフィー により、(100mM)オクチルグルコシド(OG)抽出ヒト胎盤から精製した。抽出後、 懸濁液をSepharose 6Bカラムにかけて濾過し、次いで、GRGDSPKカラムにかけた 。記載した場合を除き、全ての手順を4℃で行った。このペプチドカラムを、室 温で、1mM Ca2+および25mM OGを含む3容量のトリス緩衝化生理食塩水(TBS)で洗 浄し、そして次いで、1mM Ca2+および25mMオクチルチオグルコシド(OTG)を含むT BSで洗浄した。結合したレセプターの溶出を室温で、20MM EDTAおよび25mM OTG を含むTBSで達成した。最後に、Ca2+およびMg2+を両イオンが1mMの最終濃度にな るように溶出した画分に添加した。 フィブロネクチンレセプター(Fn-R)を、最初のSepharoseクロマトグラフィー 工程まではVn-Rと同じ手順を用い、(100mM)オクチルグルコシド抽出ヒト胎盤か ら同様に精製した。Sepharose 6Bカラムを通過液を、2nM Mn2+にし、そして得ら れた溶液を110kdフィブロネクチンフラグメントアフィニティーカラムにかけた 。洗浄および溶出工程は、ビトロネクチンレセプターの精製で用いた工程と同じ であった。 血小板糖タンパク質IIb/IIIaを古いヒト血小板から精製した。簡単に説明する と、血小板を10mMトリス-HCl、150mM NaCl (TBS)、1mM EDTA、pH7.5で3回洗浄 し、そして2000×gで遠心分離して細胞をペレット化した。細胞を5ペレット容 量のTBS、1% Triton X-100、1mM Ca2Cl2に溶解し、そして続いて30,000×gで 遠心分離した。上清画分を回収し、そして上清を、予めTBS、1mM Ca2Cl2、0.1% Triton、0.05% NaN3で平衡化したコンカナバリン−Aカラムにかけ、そして0. 2Mα-メチルマンノシドで溶出する。画分をプールし、そしてヘパリン−アガロ ースカラムにかける。通過液を回収し、そしてAmicon YM 30フィルターで、約5 〜10mlの容量になるまで濃縮する。次いで、この濃縮物をS-300カラム(500ml)に かけ、そして6mlの画分を回収する。GPIIbIIIaを含む画分を回収し、プールし 、そして-80℃で保存する。 フィブリノーゲンの精製を、基本的には、Lipinskaら(J.Lab.Clin.Med.50 7(1974))に記載のとおり行った。簡単に説明すると、0.3%w/v/溶液(Kabi #5302 )のヒトフィブリノーゲンを150mM NaClに溶解する。飽和した(NH4)2SO4を、撹拌 しながらフィブリノーゲン溶液に滴下して約16%の飽和度を得る。沈澱物を、適 切なサイズのビンにて、2000×gでスピンダウンする。上清を移し、そして沈殿 物を150mM NaCl(元の容量の約50%)に再懸濁する。NH4SO4を、16%の飽和度を得 るために、再度滴下する。懸濁液をスピンダウンし、そして沈澱物をトリス生理 食塩水(元の容量の約5%)の最小容量に再懸濁する。残留不溶化物質をSorvalタ イプ遠心器で、2000rpmでスピンダウンし、そしてフィブリノーゲン上清を移し 、そして4℃でトリス生理食塩水に対して一晩透析する。フィブリノーゲンの特 徴付けは、周知の標準手順を用いるBradfordタンパク質アッセイ、SDS-PAGE、お よび/またはウエスタンブロッティングによる。 実施例III 酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA) ELISAアッセイを本実施例または実施例XI.D-Fの方法により行った。 1.ヒトビトロネクチン−ビトロネクチンレセプター(αvβ3)ELISAアッセイ Yatohgoら(Cell Structure and Function 13:281-292(1988))の方法により、 ヒトビトロネクチン(Vn)をヒト血漿から単離し、そしてアフィニティークロマト グラフィーにより精製する。 各レセプターの純度は、還元および非還元条件下でのSDS-PAGEで評価した。各 レセプターは、液体窒素中で瞬間凍結し、そして使用するまで凍結保存した。 2.フィブロネクチンレセプター(Fn-R)ELISAアッセイ 精製Fn-Rに結合するペプチドを、競合酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELI SA)を用いることにより決定した。ここで、フィブロネクチンを固定し、そして 可溶化Fn-Rの結合性および可溶化FN-Rの結合性を、種々の濃度のペプチドアナロ グの存在下で、ポリクローナル抗Fn-R抗体を用いて検出し、続いて、標識抗ウサ ギIgG複合体により検出する。 マイクロタイタープレートを、TBS中の110μlのヒトフィブロネクチン(2μg/ ml)でコートした。このプレートを、0.05% Tween 20を含むTBSで3回洗浄した 。20mMオクチルグルコシドおよび2mM NmCl2を含むTBS中の50マイクロリットルの レセプターを各ウエルに添加した。次いで、同じ緩衝液中の50マイクロリットル のペプチドを10倍の連続希釈に添加した。プレートを3時間室温でインキュベー トし、200μlの上記のTBS−Tween緩衝液で洗浄した。100μlの親和性精製ウサギ 抗ヒトフィブロネクチンレセプター抗体をウエルに添加してプレートをさらに2 時間インキュベートし、TBS−Tweenで2回洗浄し、次いで、蒸留水で洗浄した。 次いで、西洋ワサビペルオキシダーゼと結合した親和性精製ヤギ抗ウサギIgG(10 0μl)を、各ウエルに添加した。結合反応を室温で16時間インキュベートした。 次の日、プレートをTBS−Tweenで2回洗浄し、次いで、蒸留水で洗浄した。100 μlの基質混合液(25ml 0.1Mクエン酸−リン酸緩衝液、pH5.0および6マイクロリ ットルの30%H2O2中の10mg O-フェニレンジアミン)をプレートに添加し、そして 発 色させた。発色プロセスを、各ウエルに50μlの4N H2SO4を添加することにより 停止した。 3.フィブリノーゲン−GPIIbIIIaレセプターELISA(Fg/IIbIIIa) マイクロタイタープレート、96ウエルを、10μg/ml精製フィブリノーゲン(100 μl/ウエル)でコートし(Type Nunc1MaxisporTM)、そして4℃で一晩静置した。 このプレートをPBS Tween、0.137M NaCl、0.003M KCl、0.008M Na2HPO4(室温でp H7.4)、0.05% Tween 20で3回洗浄し、そしてプレート振とう機上で1〜2時間 室温にて200μl/ウエルTNCNT(これは、0.5%BSA、20mMトリス(室温でpH7.5)、12 0mM NaCl、0.2% NaN3、2mM CaCl2、0.05% Tween 20である[Calbiochem RIAグ レードまたはそれより上])でブロックした。プレートを再度PBS/Tweenで3回洗 浄し、そしてTNCNT中50μlの試料を添加した。この混合物をプレート振とう機上 て15分間室温でインキュベートした。ヒト血小板由来の精製GPIIbIIIaレセプタ ーの貯蔵溶液(0.1% Triton X-100、1mM CaCl2、20mMトリス、150mM NaCl、0.3M N-アセチルグルコサミンpH7.5中0.05% NaN3中で0.4〜1.0mg/ml GPIIbIIIa、-7 0℃で保存)を、TNCNT中に再構成した。次いで、50μlのこの希釈GPIIbIIIaを各 ウエルに添加し、そして室温でプレート振とう機上で、インキュベートした。1 時間後、プレートをPBS/Tweenで4回洗浄し、そしてAP3のようなGPIIIaに特異的 な100μlのポリクローナルまたはモノクローナル抗体(1μg/ml)(例えば、本明 細書中で参考として援用されるNewmanら、Blood、65:227-232(1985)を参照のこ と)およびELISA緩衝液(PBS、0.5BSA、0.05% Tween 20、0.01% Thimerasol)を 添加した。プレート振とう機上で室温にて、1時間インキュベートした後、試料 をPBS/Tweenで4回洗浄した。次いで、予め1:10,000まで希釈した100μlのGAMHR P(ELISA緩衝液中に溶解したヤギ抗マウスIgGの西洋ワサビペルオキシダーゼ複合 体(Pel-Freeze Cat.715305-1))を添加し、そしてプレート振とう機上で室温で 1時間インキュベートした。次いで、試料をPBS/Tweenで4回洗浄し、そして100 mlのOPD/H2O2基質を添加した(OPD/H2O2基質:15mlリン酸/クエン酸緩衝液に10m gのo-フェニレンジアミンを溶解し、室温で、ホイルでカバーした50mlのFalconT M チューブで保持した;使用直前に、6.25μlの30% H2O2を添加し、0.0125% H2 O2 中0.67mg OPD/mlの最終濃度を得た。(リン酸/クエン酸緩衝液は、16mM クエン 酸、50mM Na2HPO4、pH5.0からなる)。3〜20分間以内に発色させ、そして反応を 100μlの1M H2SO4で停止した。492nmに対する405nmでの吸光度を記録し、そして IC50値を決定する。 4.ビトロネクチン−ビトロネクチンレセプターELISA(Vn/VnR) ヒトGPIIIaに特異的な抗GPIIbIIIaモノクローナル抗体をNewmanらの方法(Bloo d、65:227-232(1985)、本明細書中で参考として援用される)または同様の方法に より調製した。このマウスMabは、ビトロネクチンレセプターのβaサブユニット に対して特異的である。ウサギFab2抗マウスFcフラグメント西洋ワサビペルオキ シダーゼ複合体(抗MuFc HRP)をPelFreeze(Cat.No.715305-1)から得た。 Maxisorpマイクロタイタープレートを、PBSに溶解した2μg/mlヒトビトロネ クチンでコートし(50ml/ウエル)、そして4℃で一晩保存した。このプレートをP BS-0.05% Tween-20(洗浄緩衝液)で2回洗浄し、そして約150μl/ウエルのアッ セイ緩衝液(50mMトリス-HCl、100mM NaCl、1mM MgCl2、CaCl2、MnCl2、pH7.4中1 % BSA(RIAグレードまたはそれより上の))で60分間インキュベートすることによ りブロックした。標準の希釈液を調製し、そして推定されるインヒビター(表II) をアッセイ緩衝液に溶解した。ブロックされたプレートを空にし、そして20μl/ ウエルのインヒビターまたは標準溶液を各ウエルに添加した。アッセイ緩衝液中 30μg/ml精製αvβ3溶液25μlを、コートしたプレートにピペットで移した。ア ッセイウエル中のレセプターの最終濃度は、約15μg/mlであった。プレートを振 とう機上で60分間インキュベートした。その合間に、各マイクロタイタープレー トに関して、β3に特異的な1.5μg/mlのマウスモノクローナル抗体を含む6mlの 緩衝溶液を調製する。この溶液に二次抗体(抗マウス-Fc-HRP抗体複合体)を添加 した。例えば、1つのプレートにつき、6mlの1.5μg/mlマウスMab溶液を調製し 、それに1μlの抗マウスFc-HRP抗体貯蔵を添加した(これは、抗体-HRP複合体の1 :6000希釈を示す)。この混合物を、レセプターインヒビターインキュベーション の間、インキュベートさせた。アッセイプレートをPBS-Tweenで4回洗浄し、次 いで、50μl/ウエルの抗体混合物を、60分間のインキュベーションするためにプ レートにピペットで移した。プレートを4回洗浄し、そして呈色反応を、0.01 2% H2O2を含むPBS中の0.67mg/ml o-フェニルジアミン、50μl/ウエルで発色さ せた。あるいは、16mMクエン酸、50mM Na2PO4、pH5.0を、基質緩衝液として使用 し得る。この反応を50μl/ウエルで1M H2SO4で停止する。プレートを492〜405nm で読み、そしてデータを4つのパラメーターの一致により分析した。 5.フォンウイルブラント因子−GPIIbIIIaレセプターELISA(vWf/IIbIIIa) マイクロタイタープレートを1.0μg/ml GPIIbIIIaでコートし、本明細書中で 参考として援用されている、Fitzgeraldら、(Anal.Biochem.151:169-177(1985 ))の方法により調製し、そしてコート緩衝液中で一晩インキュベートした。次い で、プレートを洗浄緩衝液(PBS中0.05% Tween 20)で3回洗浄し、そして150μl のアッセイ緩衝液を添加してプレート振とう機上で1〜2時間室温でインキュベー トした。プレートを3回洗浄し、そしてアッセイ緩衝液(アッセイ緩衝液:0.5%B SA/50mM Trix、100mM NaCl、1.0mM CaCl2、1.0mM MgCl2、1.0mM MnCl2;コート緩 衝液は、同じであるが、BSAを含まない)中の50μlの2×インヒビターを添加した 。次いで、アッセイ緩衝液中の4.0μg/ml vWF(本明細書中で参考として援用する Ledfordら、Thrombosis and Hemostasis,64(4):569-575(1990)に記載されるよ うに調製した)50μlを添加し、プレート振とう機上で1時間室温でインキュベー トした。このプレートを3回洗浄し、そして抗体混合物(1:5000のマウス抗vWFお よび1:5000のウサギ抗マウスFc-HRP、両方とも市販されている)をアッセイ緩衝 液に添加し、そしてプレート振とう機上で1時間室温でインキュベートした。プ レートを再度、3回洗浄し、そして100μlの基質溶液(10mg OPD、6.5μl H2O2、1 5mlリン酸クエン酸緩衝液)を添加し、そして室温でインキュベートした。OPD/H2 O2試薬の色の変化を、フィルターフォトメーター上で、405nm参考波長とともに4 92nmで測定した。 実施例IV ビトロネクチンレセプター(Vn-R)に対するリポソーム付着アッセイ このアッセイは、本明細書中で参考として援用しているPytelaら、Methods En zymol.144:475(1987)に従い、少し改変して行った。簡単に説明すると、標識お よび非標識ホスファチジルコリン(PC)リポソームの1:4の混合液を窒素下で溶解 し、そして等量の精製レセプター(実施例IIに記載のように精製した)で希釈し、 予め決定したレセプター-リポソームの固定した濃度比を達成した。次いで、こ の混合物を、1mM Ca2+を含むリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中で一晩4℃で透析し た。透析した試料のアリコートを放射活性量を評価するために測定した;次いで 、レセプター-リポソーム混合物を、1セット放射活性/単位容量を得るために、 希釈した。 マイクロタイタープレートを10μgのビトロネクチンでコートした。非特異的 部位を5mg/ml BSAならびにCaCl2およびMgCl2をそれぞれ1mM含むPBS中で2時間37 ℃でブロックした。次いで、プレートを1mM Ca2+およびMg2+を含むPBSで2回濯ぎ 、そして100μlのリポソーム-レセプター混合液を各ウエルに添加した。必要な 場合、この工程の前に、ペプチドを1〜10%希釈液に添加した。次いで、プレー トを4℃で24時間インキュベートした。次の日、各ウエルの液体を吸引し、そし てプレートを1mM Ca2+およびMg2+を含むPBSで2回洗浄した。最後に、100μlの2 % SDSを添加し、プレートを10〜15分間振とうし、そして上清を回収し、ボルテ ックスし、そして、液体シンチレーション測定を行った。この手順は、典型的に は、合計約1000、100非特異的カウント/ウエルを生じた。 実施例V 血小板凝集および疎水的に増強されたRGDペプチドの効力 血小板凝集アッセイを、この実施例の方法または実施例IX.Gの方法に従って行 った。血小板凝集を、本明細書中で参考として援用するBornの方法(Nature 194: 927-929(1962))を用いて評価した。簡潔にいうと、血小板凝集計(Model 400 VS 、Chrono-Log、Havertown、PA、USA)中で血小板の撹拌された懸濁液の光透過の 変化を測定した。ADPを用いる研究を、新鮮な全血をクエン酸三ナトリウムに採 って(最終濃度11mMで)低速遠心分離(200×g、10分間)することによって得た血 小板リッチな血漿(PRP)を用いて行った。トロンビンを用いる研究では、このPRP を2%BSAを含み2価イオンを持たないTyrode溶液においてSepharose2Bのゲル濾 過にかけた。全ての研究に関して、参照標準は、血小板が少ない血漿(PRPを100 0 ×g、5分間の遠心分離によって得た)であった。 全ての凝集研究は、3×108血小板/mlの恒常的に撹拌された懸濁液を用いて 、37℃で行った。(血小板数はヘマサイトメーターの助けを借りて測定した)。 ペプチドおよび刺激剤(stimulant)をこれらの懸濁液に1%希釈に添加した。PRP およびゲル濾過された血小板は血液採取から3時間以内に用いた。 ペプチドの抗凝集効力を、生理学的用量のADP(10μM)およびトロンビン(2U/m l)によって刺激された最大凝集応答の阻害に関する用量応答曲線から決定した。 各ペプチドの50%阻害濃度(IC50)をこれらの曲線の回帰分析によって決定した。 独立した研究では、少し改変した凝集アッセイを用いた。改変した方法は、以 下の通りであり、そしてその結果を表IIに示す。血小板凝集アッセイをヒト血小 板リッチ血漿(PRP)において行った。50mlのヒトの全血(割合9)を、3.6%のク エン酸ナトリウム(割合1)に、アスピリンまたはそれに関連した薬物を少なく とも2週間服用していないドナーから採った。この血液を160×gで10分間、22 ℃で遠心分離し、そして5分間静置し、その後PRPをデカンテーションした。残 った血液を2000×gで25分間遠心分離した後に血小板が少ない血漿(PPP)を単離 した。PRPの血小板数が1μl当たり約300,000血小板になるようにPPPを用いて希 釈した。 PRPのアリコート225μlに試験阻害剤サンプルまたはコントロール(PBS)のいず れかの希釈物25μlを加えてChrono-log Whole Blood Aggregometer中で37℃で5 分間インキュベートした。凝集剤(コラーゲン1μg/ml;U46619、100ng/ml;ま たはADP、17μM)を添加し、そして透過を記録した。 疎水的に増強されたRGDペプチドを、系統的に比較するために4つの異なるク ラスに分けた。それらは、(1)トリペプチドRGD中のAsp残基の直後の位置でア ミノ酸のサイズおよび疎水性を変化させる環状RGDペプチド(表Iに示されるよう な最初と最後の位置はArgによる置換によって変化し得る);(2)環状化のた めの架橋構造のサイズおよび疎水性を変化させる環状RGDペプチド;(3)架橋 構造ならびにトリペプチドRGD中のAsp残基の直後の残基の両方のサイズおよび疎 水性を変化させる環状RGDペプチド、および(4)上記3つのクラスのいずれか に分類され、そして疎水性アミノ酸に近接した残基で電荷を変化させる環状RGD ペプチド。他のRGDペプチドを、直鎖状および環状化したもののどちらも、比較 のため表Iに示す。下線は下線を付した部分に含まれる最初の残基と最後の残基 との間の架橋を示す。 表Iに示されるように、環状化し、疎水的に増強されたRGDペプチドアナログの 各クラスは、トロンビンまたはADPによって刺激された血小板に対して阻害的な 影響を示す。8種のアナログの阻害的効力(IC50)は、トロンビン刺激血小板凝集 に対して10μmより低いかまたはおよそ同等である。それに対して22種のアナロ グはADP刺激応答に関して同じ範囲の阻害的効力を示す。例えば、疎水性の残基 フェニルアラニン(F)およびトリプトファン(W)を鋳型構造GPenGRGD-X-PCAおよび GPenGHRGD-X-RCAの「X」の位置に含むことによって、GPenGRGDSPCAおよびGPenG HRGDLRC Aより高い抗凝集阻害効力を与えた。この効果を、他の非天然の疎水性構 造(例えば、同じ位置のパラ-クロロ-フェニルアラニン(PheCl)、およびパラ-メ チル-チロシン(TyrMe)O-n-ヘキシルチロシン、3,5-ジヨード-チロシン、O-n-ブ チル-チロシン、p−ニトロ−フェニルアラニンなど)によってさらに増強した 。XPen-GRGDSPCAまたはX-PenGHRGDLRCAの「X」の位置に、アルギニン(R)または リジン(L)のような正に荷電したアミノ酸を含むことによっても、抗凝集効力は 増加した。さらに、環状構造の外側に正に荷電したアミノ酸を含むことによって も、高い効力を有するペプチドを得た。 有機的に模倣させた架橋構造で、鋳型構造G-X-GHRGDLRCAの「X」の位置のペ ニシラミンおよびPmpを置換した。置換しただけの場合には、テルトブチル(tert -butyl)-Pmpおよびアミノ-Pmpはペプチドの抗凝集効力を低下させる。反対に、 これらのアミノ酸およびN末端のRを含むペプチド誘導体は、血小板凝集アッセイ において、先に開示した環状RGD構造GPenGHRGDLRCAおよびPmpGHRGDLRCAを有意に 凌いだ。最後に、G(1-Pen)GHRGDLRCA中の1-Penをd形のペニシラミンによって置 換することにより、抗凝集効力は二倍低下した。 上記の改変は、阻害効力がプロトタイプGRGDSP直鎖状ペプチドより10〜250倍 強くなり、そして当初のコンホメーション的に制限された環状ペプチドGPenGRGD SPC Aよりさらに2〜5倍強くなった。表IIに示した独立した研究の結果は、これ らの結論をさらに確証する。 実施例VI ペプチドレセプターの選択性 血小板凝集実験(実施例Vに記載した)を伴う並行研究では、GP IIb/IIIaレセ プター、フィブロネクチンレセプター、およびビトロネクチンレセプターに対す るペプチドの見かけの親和性を決定した。精製レセプターを用いるレセプター結 合アッセイ(実施例IIIおよびIVに記載した)を用いて、レセプターのそのレセ プター特異的リガンドへの結合とペプチドが置き換わる能力を評価した。 血小板凝集効力の比較として表Iに示すのは、示されるレセプターに対する各 ペプチドの相対的な親和性である。 結合データを、各ペプチドの50%阻害濃度(IC50)として再度示し、そして血小 板凝集の阻害に対する用量応答曲線に関して実施例Vに記載されたように測定し た。FnRに対するIC50は、ELISA(実施例III)によって測定した。VnRおよびGP I Ib/IIIaに対するIC50は、ELISAまたはリポソーム付着アッセイ(実施例IV)のい ずれかによって測定した。GRGDSPプロトタイプペプチドを、個々のペプチドに対 するアッセイ間の比較の参考として用いる。 表IIは、そこに示される血小板阻害効力の比較としてレセプター結合データを 提供する。このデータはまた、各ペプチドの50%阻害濃度も示す。全てのレセプ ターアッセイについての値は、実施例IIIに記載されたELISAによって測定した。 表IIに示される結果は、表Iから引き出される結論、すなわち、抗凝集効力は、 それらのIIb/IIIaレセプターに対する相対的な親和性に類似していることをさら に確証する。 実施例VII 電気的に誘発されたイヌ冠血管血栓症に対する有効性 1.外科的準備および手段 体重14〜20kgの雄の雑種犬を、アラキドン酸(arachidonic acid)、コラーゲン 、およびアデノシンニリン酸(ADP)に対する応答におけるそれらの血小板の適切 な凝集に基づいて、および類似の体重、および血行力学的性質に基づいて、選択 した。 手術の前に、動物をペントバルビタールナトリウム(30mg/kg、i.v.)によって 麻酔し、次いで、挿管し、レスピレーター(Harvard Apparatus、S.Natick、MA) を用いて、容量30ml/kg、頻度12呼吸/分で、陽圧で室内の空気を換気した。手 術は無菌条件下で行い、動脈の血圧をモニターし(Statham P23 圧トランスデュ ーサー、Gould,Inc.、Cardiovascular Products、Oxnard、CA)、そして静脈内 に液体を投与するために左の頚動脈および頚静脈にカニューレを挿入することか ら始めた。 心臓を左開胸術によって第5肋間を通して露出した。左に湾曲した冠血管(LCA A)の2cmのセグメントをブラント切開(blunt dissection)によって周囲の組織か ら単離した。この動脈に電磁血流計(Model 501、Carolina Medical Electronics ,Inc.、King、NC)、冠血管内電極、およびスクリューオクルダーを近位から遠 位まで装着した(図1参照)。25ゲージの皮下注射用針チップを30ゲージのテフ ロン−絶縁化銀被覆銅線に付着させることにより、冠血管内電極を構築した。機 械的なオクルダーは、ステンレス鋼をC形にして頂部にテフロンスクリュー(直 径2mm)を持つように構築した。それを、血管の円周を制御し、そしてベースの 冠血流に影響を及ぼさずに10秒間の(完全な)閉塞に起因する反応性充血による 血流を50〜70%低下させるように調整した(図1)。単極性心外膜電極を、LCAA が分布する領域内の心室の表面に縫合し虚血性の変化を心電図(ECG)でモニター した。ペプチドの投与のために、左心房にポリエチレンチューブを用いてカニュ ーレーションした。血圧、四肢第II誘導ECG、心外膜電位図、およびLCAAの平均 血流および位相性(phasic)血流の連続的な記録を、Model 7 ポリグラフ(Grass Instrument Co.、Quincy、MA)で得た。 2.冠血管血栓症の誘発 手術完了の1時間後に、100マイクロアンペアの連続的な陽極直流電流を9ボ ルトのニッケル−カドミウム電池から得て、LCAAの血管内膜表面に印加した。電 池の陽極は、250,000オームの電位差計および冠血管内電極につながっていた。 電気回路は、陰極を皮下におくことによって完成した。電気的刺激を3時間行っ た。各実験の終了時では、心臓は、電気的に細動を起こさせて、そして素早く取 り出した。そして埋め込んだ陽極電極の位置を確かめるためにLCAAをできるだけ 切り離した。 全てのエクスビボ研究(図3参照)に関しては、コントロールの凝集値をPRP およびPPPサンプルで観察される光透過のパーセント(それぞれ0%および100% )に標準化した。 3.ペプチド投与 動物を無作為に2つの処置群に分けた:ビヒクルコントロール(すなわち、正 常生理食塩水)または種々の濃度のRGDペプチド。ペプチドをボーラス(bolus)注 入および連続注入の両方で心房内に投与した。各ボーラス注入は、0.5〜10mg/kg からなり、そして電流印加の15分前に投与した。次いで、同じペプチドの連続的 注入を、この最初の注入の直後に開始した。動物は、25μg/kg/分〜200μg/kg/ 分の注入を受けた。ペプチドの抗血栓効果を、持続性で閉塞作用のある血栓の発 生の30分後まで、または電気的刺激の開始後5時間(先に結果が出る方)までモ ニターした。閉塞作用のある血栓が、電流印加開始後4時間以内に発生しなかっ た場合は、ペプチド注入を停止した。 4.血小板研究 血小板数およびエクスビボ凝集研究を、陽極直流電流の印加の1時間前、なら びに1、3、および5時間後に行った。動脈血のサンプルを3.8%クエン酸三ナ トリウムを含むプラスチックシリンジに採り(最終希釈が1:10となるように)、 そして実施例Vに記載したように血小板凝集を測定した。 ペプチドアナログである2G(G(Pen)GHRGDLRCA)、4Q(R(Pen)GHRGDWRCR)、お よび4R(R(Pen)GRGDWPCR)、ならびに一般的な(generic)アナログであるGRGDSP の阻害効力を、10μMのADP、0.65mMのアラキドン酸(AA)、または9.6μg/mlのコ ラーゲンによって最大限に刺激されたイヌ血小板凝集に対して測定した。アラキ ドン酸による刺激の前に、エピネフリン(550nM)を用いて血小板をプライム(prim e)した。PRP溶液に1%希釈となるようにペプチドを添加した。全ての注入され たペプチドおよび一般的なアナログGRGDSPの相対的な抗凝集効力は、電流印加の 時点の1時間前に用量応答分析によって測定した(図2参照)。最大活性化の50 %阻害を引き起こすペプチド濃度(IC50)は、これらの用量応答曲線の直線回帰(l inear regression)によって得た。これらの阻害効力の算定のため、コントロー ルの値(すなわち、ペプチド非存在下で)を最大100%とした。 示されるように、アナログ4Qおよび4Rは、1.5〜5μMで凝集を50%阻害す るという優れた効力を示した。アナログ2Gは、15〜30μMのIC50を有し、効力 は僅かに劣るか、一方GRGDSPは、3つ全ての応答を約130μMで50%阻害した。明 らかに、これらの応答に対するこれらのペプチドの効力の序列(4Q=4R>2 G>GRGDSP)およびIC50は、ヒト血小板のADP−、コラーゲン−、およびアラキ ドン酸−刺激凝集の阻害に関して観察されるものと同じであった。 血小板凝集はまた、電流印加の1、3、および5時間後にエクスビボで測定し た。これらの研究に関して、アラキドン酸、またはコラーゲンを再び用いて、血 小板を刺激した。 全てのペプチド処理に対するこれらの研究で測定された平均凝集値を図3に示 す。(これらのヒストグラムにおいて、0%および100%の凝集は、それぞれ刺 激剤を添加する前のPRPおよびPPP中の光透過の程度を示す。)アナログ2Gは、 10mg/kgで注入された場合、ADP刺激凝集を実質的に阻害するが、AA−およびコラ ーゲン刺激応答は、3時点全てで部分的にしか(コントロールのレベルに対して それぞれ43−70%、および12−50%)阻害しなかった(図3a参照)。図3bお よび3cに示されるように、アナログ4Qおよび4Rのエクスビボ抗凝集効果は はるかに優れていた。アナログ4Qを5mg/kg注入することにより、ADPおよびAA による刺激に、3時点全てにおいて完全に非応答性になり、そしてコラーゲンに よるそれらの活性化の阻害をほぼ最大にした。(グラフ中で棒が存在しないのは 、対応する応答の欠如を示す。)図3bに示されるように、同一注入におけるこ の同じペプチドの効果は、血小板数が低い場合、すなわち、正常の約1/3(361 ,000/mlに対して104,000/ml)の場合によりはっきりと現れた。高注入濃度(10mg/ kg)では、アナログ4Qは、1時間および3時間の時点て3つ全ての刺激による 血小板凝集を妨げた。5時間の時点では、血小板の応答性は、僅かに改善した。 これらの研究におけるコントロールの応答性は、最大の70〜80%であった。図3 cに示すように、アナログ4Rは、3mg/kgで、血小板の応答性に対して明らか に時間依存性の効果を及ぼした。ここで、凝集は、コントロールレベルに対して 、1時間ではわずか20〜58%しか減少しなかったが、3および5時間では75〜10 0%減少した。最後に、このアナログを10mg/kg注入することにより、血小板を、 全ての時点での全てのモードの刺激に対して非反応性にした。ここで、コントロ ール応答は、最大の55〜80%であった。 5.冠血流および血栓症に与えるペプチドの影響 冠血管血栓症を、完全に閉塞するまでの時間として定量化した。冠血管血栓症 に及ぼす種々のペプチド処理の影響を図4に示す。コントロールの状態(生理食 塩水注入)ては、完全な閉塞は、2時間余で観察された。アナログ2Gは、たと え10mg/kgでも、この頻度に有意な影響を及ぼさなかった。アナログ4Qは、5m g/kgで、閉塞するまての時間を有意に伸ばし、そして10mg/kgで、全5時間の実 験時間の間完全に閉塞を防いだ。さらに、低用量(5mg/kg)で、アナログ4Q は、循環している血小板のレベルが正常の1/3である動物内での血栓の形成を 防ぎ得た。アナログ4Rは、10mg/kgで、研究の期間中ずっと閉塞を防いだが、 3mg/kgでは効果がなかった。 これらの研究において、抗血栓作用の有効性の程度は、上記の抗凝集効力と一 致しているようであった。例えば、アナログ4Qおよび4Rは、インビトロ凝集 の優れた阻害剤であったが、それはまた、インビボでも、同じ注入濃度のアナロ グ2Gよりかなり高い防御的効果を示した。さらに、これらのペプチドは、それ らが(10mg/kgで)全てのアゴニストによる血小板刺激を完全に防いだ場合にの み、完全な閉塞を防ぎ得た。しかし、アナログ4Q(5mg/kgで)は、完全にま たはほぼ最大に全ての凝集応答をブロックしたが、冠血管閉塞を延ばし得たのみ であった。さらに、アナログ4Rは、3mg/kgで、3時間および5時間の時点で 凝集応答を72〜100%ブロックしたが、これらの時点で、閉塞性の血栓が十分に 発達していた。最後に、これらのペプチドは、このモデルでは、インビトロ凝集 に対するIC50より20倍〜50倍高い濃度と等しい注入濃度でのみ、閉塞を完全に防 ぎ得た。 6.血行力学的応答 出血時間をペプチド投与の1時間前、ならびに1、3、および5時間後に定量 化した。これは、舌に小さな切り込み(長さ5mm、深さ1.5mm)を入れ、続いて 、この部位から滲出した血液を、流出が止まるまで15秒毎に、Whatman濾紙に吸 収させた。血小板数をHaema Count MK-4/HC血小板カウンティングシステムによ っ て測定した。 これらの明らかに過剰なペプチド濃度は、テンプレートの出血時間、血小板数 、または主な血行力学パラメータ(心拍数および血圧)(それらは実験期間と通 じて実質的に変化せずそしてベースラインの値と類似している)に有意な効果を 及ぼさないことに注意することが重要である(図5)。ペプチド処理が閉塞を防 がなかった場合、閉塞的血栓形成のために湾曲した冠血管血流が停止した30分後 に実験を停止したので、ある時間にこれらのパラメータを測定しなかった(表II のND)。 実施例VIIIプロテーゼ(prosthetic)動脈移植片における疎水的に増強されたRGDペプチドの 抗血栓特性 成体のオスのヒヒ(体重16〜25kg)をこれらの研究に用いた、これらを塩酸ケ タミン(200〜250mgの筋肉注射)で鎮静させ、そしてペントバルビタールナトリ ウム(必要に応じて、50〜75mgを静脈内投与)によって麻酔された状態に維持し た。 エクスビボシャント(ex vivo shunt)が確立される24時間前に、血小板を500ml の試験動物の血液から単離し、約500μCiのインジウム-111オキシン(oxine)(Med i+Physics、Emeryville、CA)で標識した。これは、50%の効率で血小板に不可逆 的かつ特異的に結合する。次いで、標識の直後にこれらの血小板を動物に注入し て戻し、24時間循環させた。研究開始の直前に、その動物から単離され、ヨウ素 131(DuPont Nuclear、Boston、MA)で標識したフィブリノーゲンもまた動物に注 入して戻した。このときに凝固時間およびテンプレートの出血時間のベースライ ン測定も行い、そして血液サンプルを血液学研究用に採取した。 エクスビボシャントを確立するために、誘導カテーテル(introducer catheter )(KMA Inc.、Mansfield、MA)によって大腿動脈および静脈に経皮的にカニューレ 挿入した。次いで、このカテーテルを医療用グレードのヘパリン被覆シラスティ ックチューブ(内径2.59mm)(Extracorporeal Medical Specialties,Inc.、Kin g of Prussia、PA)に連結した。次いで、電磁血流計から遠位にある部分的に閉 鎖したスクリュークランプによって得た抵抗を変化させることにより、プロー ブをチューブに挿入した。最後に、4mm(内径)の血管移植片の5cm長の試験セ グメントを回路の頂部に挿入した。これらの研究に用いた移植片は、Gore-Tex( 延伸されたポリテトラフルオロエチレン、(W.L.Gore and Associates,Inc.、Fl agstaff、Az))であった。次いで、電磁血流計をチューブ回路に挿入して血流を 測定した。血流を、電磁血流計から遠位にある部分的に閉鎖したスクリュークラ ンプによって得た抵抗を変化させることにより100ml/分に維持した。最後に、4 mm(内径)の血管移植片の5cm長の試験セグメントを回路の頂部に挿入した。こ れらの研究に用いた移植片は、Gore-Tex(延伸されたポリテトラフルオロエチレ ン、(W.L.Gore and Associates,Inc.、Flagstaff、Az))であった。 移植片への血小板の沈着を、ガンマカメラ(Sigma 400、Ohio Nuclear,Inc.、 Sohon、OH)を用いるダイナミックスキャン(dynamic scannning)によってモニタ ーした。このカメラは、111インジウム標識血小板によって放射されたγ線を検 出する。一旦回路が適切になったら、動物をこのカメラの下において、血流を開 始させた。次いで、2分間に1フレームの割合で2時間スキャンを行った。これ らのスキャンのデータを専用のデジタルMDAコンピューター(Maynard、MA)上に取 り込んだ。このスキャンを、移植片サイズ、アイソトープの用量および崩壊、循 環している血小板の活性およびバックグラウンド、および移植片の表面積に関し て補正した。 1時間および2時間の時点で、テンプレートの出血時間を測定し、血液サンプ ルを採取して、血液学凝集研究を評価した。血小板凝集研究を、刺激剤としてAD Pを用いて、実施例Vに記載のように行った。 第2の同じシャントを動物に取り付けた後、抗血小板ペプチドGPenGHRGDLRCA を静脈内(IV)注射として投与した。次いで、第2シリーズのスキャンを得て、ペ プチドが移植片の血小板取り込みパターンに与える影響を確証した。 各研究の完了の際、各シャントを乳酸加リンガー液でフラッシュし、次いで、 各移植片を取り出した。これらの移植片のセクションを液体シンチレーションカ ウンティングにかけて残存する131ヨウ素−フィブリノーゲンおよび111インジウ ム−血小板の含有量を測定した。次いで、大腿動脈および静脈中のカテーテルを 取り出し、そして圧迫によって止血した。最後に、処置後の血液サンプルを採取 し て、テンプレートの出血時間および凝固する時間の測定も行った。 動物の変異性を説明するために、3つの異なる動物を用いた。3試験動物のう ち2動物は、移植片材料上の111In標識血小板のガンマカメラ画像のように、正 常な血小板取り込みパターンを示した。これら2動物の処置を以下に記載する。 これらの動物の第1の動物において、ペプチドを2回の10mg/kg(1注入当た り160mg)のボーラスIV注入として投与した。第1回目の注入は、第2シャント を確立する15分前に、そして第2回目の注入は、その1時間後に投与した。図6 に示すように、これらの注入は、111n−血小板および131I−フィブリノーゲンの どちらの取り込みにも有意な低下を引き起こした(それぞれ、90%および79%) 。この阻害効果はまた、この研究の全タイムコースにわたるペプチド処理および 非処理の移植片における血小板取り込み率のプロットから明らかである(図7) 。ここで、111In標識血小板の蓄積率は、スキャンが行われた各時点の、移植片 部分において観察されるカウントから、チューブのバックグラウンドセクション において見出されるカウントを引いたものを示す。 図8に示すように、ペプチド処理は、テンプレートの出血時間および凝固時間 を低下させなかった。しかし、第2シャント完了直後に採取した血液サンプルに おいては、白血球数および血小板数は、それぞれ37%および14%減少した。他の パラメーターには影響がなかった。 第2の動物には、第2シャントの開始15分前に、10mg/kgボーラス(250mg)のペ プチドを再度IVで与えた。これに引き続いて、10mg/kg/時間の連続的な注入を全 2時間のこのシャント間中続けた(総量500mg)。図9に示すように、この処置 はまた、標識血小板および標識フィブリノーゲンの取り込みにおいて有意な低下 を引き起こした(それぞれ84%および78%)。血小板の取り込み率を再度ペプチ ド存在下および非存在下でプロットした(図10)。 さらに、血小板凝集研究は第2の動物由来のPRPについて行われた。全血をコ ントロールおよび実験シャントの両方の3つの時点(0、1、および2時間)で 採取した。血小板は、ADPの最大効果濃度(10μM)でペプチド処理に対して完全に 非応答性であった。このペプチド処理はまた、テンプレートの出血時間および凝 固時間、または全血液細胞数に影響を及ぼさなかった(図11)。 実施例IX 出血時間およびエクスビボ血小板凝集ウサギモデル 1.動物の準備および血液の採取 無麻酔の雄のニュージーランドシロウサギ(2.5〜3.5kg)を標準的なウサギリス トレイナーに入れた。耳の毛を刈り、そしてフロースイッチを有する20Gテフロ ンカテーテル(Viggo)を内側動脈に入れて、生理食塩水でフラッシュし、1mlの ヘパリン化生理食塩水(10m/ml)で満たしておいた(Iocked)。注入キャップ(Medex )と適合した22Gカテーテル(Abbott)を同じ耳の周辺の静脈(marginal vein)に入 れた。生理食塩水またはGP IIbIIIaレセプターアンタゴニストを、1〜3mg/ml の濃度で、静脈カテーテルを通じて注入した。時間0の時点で、41%の用量を2 分間にわたってボーラスとして与えた。残りを続く60分間の間に連続的に注入し た。血液サンプル(3.2ml)を、針のないシリンジに、動脈カテーテルを介して、- 10、-5、10、45、および60分の時点で採集した。最初の0.5mlは捨て、そして次 の2.7mlを0.3mlの3.8%クエン酸ナトリウムを含むシリンジに直接採集した。こ のサンプルを1.5mlのアリコートに分け、そして室温で5秒間12,000Gで遠心分離 した。得られた血小板リッチ血漿(PRP)を用いて、エクスビボ血小板凝集(XPA)を 測定した。-10および60分の時点で別の1.5mlサンプルを自動血液計数(automated blood count)(Baker Instruments)用に採取した。各サンプルの後で、カテーテ ルを生理食塩水でフラッシュし、そしてヘパリン化生理食塩水を満たしておいた 。 2.エクスビボ血小板凝集 300mlのPRPを撹拌バー付きの使い捨てガラスキュベットに入れた。このキュベ ットを光透過率血小板凝集計(Chrono-log)の温度調節された光路に置いて、37℃ に安定化させた。ベースライン透過率を30秒間測定し、その後、10mlのADP(1mM) を添加して透過率の変化を記録した。ベースラインからの最大の変化(dT)を各サ ンプルについて記録した。1つの阻害剤によって生じるXPAの阻害の程度は、以 下のようにして各動物について計算した:平均dTを注入前および後の値に関して 計算し、次いで、阻害パーセントを(1-dT(後)/ddT(前))×100としてに計算した 。 3.皮膚の出血時間(CBT) CBTを、反対側の耳について、-10、-5、10、および45分の時点で自動切開作成 装置(automated incision-making instrument)(SurgicuttR、ITD)を用いて測定 した。耳の背側表面で、主要な血管による供給のない部位に切り込み(5mm×1mm の深さ)を入れた。血液を、切り込みの近くに置いた吸い取り紙に、2〜15秒毎 に最長15分まで吸い取らせた。出血の停止は、15秒間で切り込み部位に血液が形 成されないということによって規定した。40羽の正常ウサギにおいて2回行った CBTの範囲は、0.88〜3.38分であった。 4.末梢血流(PBF) 表Iに概説した実験に関しては、注入前および注入中のウサギの耳の血管の状 態を観察することによって、PBFをモニターした。正常な血流は、ピンクから赤 のように見え、目に見える主要な血管の収縮が無い耳と規定した。血流の減少は 、阻害剤注入の開始後約40分までに、収縮した血管を有し、その結果冷たく、青 白い耳となっている耳と規定した。 別の一連の実験において、(表II)PBFをレーザードップラー血流計によって 定量的に測定した(Perimed)。このプローブを一方の耳の血管床にしっかりと置 いて、血流を連続的にモニターした。もう一方の耳に各阻害剤を注入し、そして CBTを測定した。血液サンプリング用に動脈カテーテルは入れず、従って、これ らの動物におけるXPAを測定した。しかし、XPAを効果的に阻害するために用いた 用量は、先の実験において示した。 5.結果 CBT、XPA、および観察したPBFを図12に概説した。処理前のCBTに対する処理後 のCBTの割合を、各動物について、2つの処理後(および注入中)のサンプルの 平均を処理前のサンプルの平均で割ることによって計算した。2羽の生理食塩水 コントロールウサギでは、処理前のCBTの平均に対する処理後のCBT(n=10)の割合 の平均±sdは、1.12±0.19であった。 レーザードップラー計によってPBFを測定する実験を表IIIに概説した。ポジテ ィブコントロールとしてエピネフリン(2分間にわたって1mg)を60分の時点で 静脈内に注入した。その結果できた血管の収縮は、5分以内にほぼ0フロー単位 にまで血流を減少させた。 図12および表IIIに挙げた用量はボーラス部分のみをいう。測定したいかなる 血液指数においても有意な変化はなかった。 表IIIに挙げた2番目および3番目のペプチドは、同じ配列によって同定され るが、それらは、Pmcの異性体形態(DまたはC立体配置)によって異なる。 実施例X さらなる結果 血小板凝集のエクスビボ阻害を測定するために実施例Vに記載の方法を用い、 そして出血を測定するために実施例VIIに記載の方法を用いて、別の4ペプチド を試験した。これらのペプチドは、11J、11Q、11Kおよび11Vを含んだ。結果を表 IVに示す。4ペプチドは全て示された用量でエクスビボ血小板凝集を阻害し、ペ プチド11J、11K、および11Vは、出血時間の大幅な延長を引き起こし、対照的に 、11Qは、出血時間に影響しなかった。これらの結果は、11Qによって所有される ように、+4位の正の電荷の存在を確証し、血小板凝集阻害ペプチド上の正の電 荷は、出血時間を延ばさない特性を与えた。 表Vのデータから見られるように、RGD結合部位のアミノ側まで2位の位置に ある残基は、好ましくは非酸性の残基である。 実施例XI A.ジスルフィド架橋を用いる環状ペプチドの合成 ペプチド合成を、本明細書に参考として援用される固相法(Steward,J.M.お よびYoung,J.D.,Solid Phases Peptide Synthesis,第2版; Pierce Chemica l Co.,Rockford,IL.,1984)により、自動合成機(Applied Biosystems,Inc.Mo del 431A)を用いて行った。カルボキシアミドペプチドを、p-メチルベンズヒド リルアミン(pMBHA)樹脂を用いて合成し、そしてC-末端に酸を有するペプチドを 、クロロメチル化樹脂を用いて合成した。N-末端tert-ブチルオキシカルボニル 保護を、すべてのアミノ酸について使用した。Boc-Arg(Tos)-OH、Boc-Asp(OcHx) -OH、Boc-Cys(4-MeBzl)-OH、Boc-Gly-OH、Boc-Hpa-OH、Boc-Lys(CZ)-OH、Boc-Pe n(4-MeBzl)-OH、Boc-DPen(4-MeBzl)-OH、Boc-Pro-OH、およびBoc-Tyr(Me)-OHを 、Bachem Inc.(Torrance,CA)から得た。Pmp(4-MeBzl)-OHおよびBoc-Tyr(n-ブ チル)-OHを、Yim,C.F.N.およびHuffman,W.F.Int.J.Peptide Protein Res. (1983)21:568、ならびにSolar,S.L.およびSchumaker,R.J.Org.Chem., (1966)31:1996にそれぞれ従って合成した。ジシクロヘキシルカルボジイミドお よびヒドロキシベンジルトリアゾールをカップリング反応に用い、ニンヒドリン 試験によりモニターした。 N-末端アセチルを有するペプチドの調製には、ペプチドを、N-メチルピロリド ン中の無水酢酸(20eq.)およびジイソプロピルエチルアミン(20eq.)混合物を用い てアセチル化した。 ペプチドを樹脂から取り出し、そしてアニソール(anisole)(1 mL/g)を含む無 水フッ化水素(HF;10mL/gの樹脂結合ペプチド)を用いて、0℃で60分間脱保護化 した。HFを蒸発した後、残基を無水エーテルで洗浄し、そして粗製のペプチドを 、水または15%の酢酸水溶液で抽出した。水画分を合わせ、そして凍結乾燥した 。 粗製の非環状(acyclic)ペプチドを、0.1Mの重炭酸アンモニウム(0.5mg/mL)中 に溶解し、そして空気に開放して撹拌した。反応の過程を、HPLCによりモニター した。環状化が終了した後(数時間〜数日)、溶液を濾過し、そしてC18シリカゲ ルカラムWaters Delta-Pak、15μm、300A、47×300 mm上の調製RP-HPLCにより精 製した。溶出は、一定濃度の三フッ化酢酸(0.1%、v/v)、直線状アセトニトリル 勾配(0-40%)を用いて、40mL/分の流速で20分間にわたり行った。 精製ペプチドは、C-18カラム(Vydac,5μm、300A,4.5×250 mm)上の分析逆相 HPLCにより分析した。HPLC画分の凍結乾燥により回収した精製ペプチドは、少な くとも98%純粋であった。分析HPLCに使用された溶媒系は、0.1% TFAを含む水、 および有機修飾剤として0.1% TFAを含むアセトニトリルの二成分系であり、そし て溶媒プログラムは、以下のような直線状勾配を含んでいた:(1)15分間にわた る0%〜40%アセトニトリル、流速1.5mL/分;(2)15分間にわたる0%〜50%アセト ニトリル、流速1.5mL/分;(3)15分間にわたる0%〜60%アセトニトリル、流速1.5 mL/分。 すべてのペプチドを、FAB(Fast Atom Bombardment)マススペクトルおよびアミ ノ酸分析(AAA)により特徴付けした。FABマススペクトルは、Mass Spectrometry Service Laboratory,Department of Chemistry,University of Minnesotaで行 った。アミノ酸分析は、スペクトル物理学UV検出器を備えたPickering Labs-Tri oneアミノ酸アナライザー上で行った。AAA用のペプチド試料の加水分解は、6N の一定沸騰HCl(1mL)を用いて1mgの試料に関して行い、それは真空下で脱気およ びシールし、そして次いで24時間110℃で加熱した。 B.ラクタム架橋を用いる環状ペプチドの合成 環状ラクタムアナログを、図13に概要を示したように合成した。保護されたペ プチド樹脂を、p-メチルベンズヒドリルアミン(pMBHA)樹脂を用いて合成した。 樹脂上のラクタムの形成は、Felixおよび共同研究者により導入された方法論に よった。Felixら、Int.J.Peptide Protein Res.(1988)31:231;Felix,A.F.ら 、Int.J.Peptide Protein Res.(1988)32:441。この方法は、Nα-Boc-アミノ 酸を、AspおよびGluについてのOFm側鎖保護とともに使用する。AspおよびGluをB oc-Asp(OFm)-OHおよびBoc-Glu(OFm)-OHを用いて導入した。最後のアミノ酸をカ ップリングした後、OFm保護基を、DMF(ジメチルホルムアミド)中の50%ピペリジ ン中で1時間ペプチド樹脂を処理することにより選択的に除去した。このペプチ ド樹脂を、DMF(3×40mL)、DCM(ジクロロメタン)(3×40mL)を用いて洗浄し、15 mLのDMF中に懸濁し、そして8倍過剰のジイソプロピルアミン(DIEA)の存在下、 5時間、6倍過剰のBOP試薬と混合した。カップリングは、樹脂がニンヒドリン 試験陰性となるまで繰り返した。 環状化の後、ペプチドを樹脂から取り出し、そしてアニソール(1mL/g)を含む 無水フッ化水素(HF;10 mL/gの樹脂結合ペプチド)を用い、0℃で60分間脱保護 化した。HFを蒸発した後、残基を無水エーテルで洗浄し、そして粗製のペプチド を、水または15%の酢酸水溶液で抽出した。水画分を合わせそして凍結乾燥した 。 粗製のペプチドを、C18シリカゲルカラム(Waters Delta-Pak,15μm、300A,4 7×300 mm)上の調製RP-HPLCにより、直線状アセトニトリル勾配(0-40%)、一定濃 度のトリフルオロ酢酸(0.1%、v/v)、流速40 mL/分で20分間にわたり溶出して精 製した。 精製ペプチドを、C-18カラム(Vydac,5μm、300A,4.5×250mm)上の分析逆相 HPLCにより分析した。分析HPLCに使用した溶媒系は、0.1% TFAを含む水、および 有機修飾剤として0.1% TFAを含むアセトニトリルの二成分系であり、そして溶媒 プログラムは、以下のような直線状勾配を含んでいた:(1)15分間にわたる0%〜 40%アセトニトリル、流速1.5mL/分;(2)15分間にわたる0%〜50%アセトニトリル 、 流速1.5mL/分;(3)15分間にわたる0%〜60%アセトニトリル、流速1.5mL/分。 すべてのペプチドを、FAB(Fast Atom Bombardment)マススペクトルおよびアミ ノ酸分析により特徴付けした。FABマススペクトルは、Mass Spectrometry Servi ce Laboratory,Department of Chemistry,University of Minnesotaで行った 。アミノ酸分析は、スペクトル物理学UV検出器を備えたPickering Labs-Trione アミノ酸アナライザー上で行った。AAA用のペプチド試料の加水分解は、6Nの一 定沸騰HCl(1mL)を用いて1mgの試料に関して行い、それは真空下で脱気およびシ ールし、そして次いで24時間110℃で加熱した。 C.レセプターおよびリガンド精製 レセプターは、本明細書に参考として援用されるPytelaらの手順(Methods Enz ymol.144:475(1987))に従って精製した。要約すれば、ビトロネクチンレセプタ ー(VnR)を、(100 mM)オクチルグルコシド(OG)抽出ヒト胎盤由来のRGDペプチドア フィニティークロマトグラフィーにより精製した。抽出後、懸濁物を、セファロ ースCL4Bカラムに吸着させ、そして次いでGRGDSPKアフィニティーカラムにかけ た。特に記載がなければ、すべての手順を4℃で実施した。ペプチドカラムを、 3mM CaCl2および50mM OGを含む5倍容量のTris緩衝化生理食塩水(TBS)、および 次いで3mM CaCl2および50mM OGを含むカラム容量の5倍の室温のTBSで洗浄した 。結合したレセプターの溶出は、10mM EDTAおよび50 mM OGを含むTBSを用いて室 温で行った。最後に、12 mMのCa2+を溶出した画分に添加した。画分を、8% SDS -PAGE(非還元)により評価し、そして150、145および90 KDa MWを示すバンドを与 える画分をプールし、そして50mM OGおよび3mM CaCl2を含むpH 7.5のTris緩衝 化生理食塩水(TBS)に対して透析し、次いでamicon YM 30フィルター上で濃縮し た。 上記のVnR調製物は、avB3およびavB5インテグリンの両者を含む。以下のセク ションFに記載されるELISAアッセイには、それは、精製avB5 VnR調製物を有す るための代替物である。avB5 VnRは、以下の改変を用いて、上記のように調製す る。アフィニティクロマトグラフィーは、GRGDSPKアフィニティーカラムの代わ りにビトロネクチンポリペプチドを用いた。洗浄は、先に記載のように行ったが 、溶出は、TBS、50mM OG、および0.1 mg/ml GRGDSPを用いて行った。溶出した画 分 を、記載されたように、SDSにより評価し、次いでプールし、透析し、そして濃 縮した。 フィブロネクチンレセプター(FnR)を、今までのVnRについての手順と同一の手 順および初期のセファロースクロマトグラフィー工程を含んで(100 mM)オクチル グルコシド抽出ヒト胎盤から同様に精製した。このセファロースCL4Bカラム通過 液を、3mM Mn2+にし、そして得られる溶液を、110 Kdフィブロネクチンフラグ メント-アフィニティカラム(Pytela、前述)上に流した。洗浄と溶出工程は、洗 浄緩衝液中のCaCl2の代わりにMnCl2を使用することを除いて、ビトロネクチンレ セプターの精製で使用した工程と同一であった。画分を、8% SDS-PAGE(非還元) により評価し、そして155および110KDa MWを示すバンドを与える画分をプールし 、そして50 mM OGおよび3mM MnCl2を含むTBS pH 7.5に対して透析し、次いてam icon YM 30フィルター上で濃縮した。 血小板糖タンパク質IIb/IIIaを、古くなったヒト血小板から精製した。要約す れば、血小板を、10分間、800×gで遠心分離し、RBCをペレット化した。次いで 、この血小板を、20 mM tris-HCl、150 mM NaCl(TBS)、1mM EDTA、0.2%グルコ ース、pH7.5で3回洗浄し、そして1500×gで遠心分離し、細胞をペレット化した 。細胞を、2倍ペレット容量のTBS、100 mM OG、1mM MnCl2、1mM MgCl2および 0.1 mM PMSF中で溶解し、次いで30,000×gで遠心分離した。上清画分を回収し、 そして予めTBS、1mM MnCl2、1mM MgCl2、0.1 mM PMSF、0.1 mM OG中で平衡化 したセファロース2Bカラム上にロードした。セファロース2Bカラムの通過液を集 め、そしてRGD-ペプチド(GRGDSPK)アフィニティーカラム上を通過させた。この ペプチドカラムを、TBS、50 mM OG、および1mg/mlのGRGDSPで溶出した。画分を 集め、8% SDS-PAGE(非還元)により評価し、そして145および90 KDaを示すバン ドを与える画分をプールし、そして3mM OG、1mM MgCl2および1mM MnCl2を含 むTBS pH 7.5に対して透析し、そしてAmicon YM 30フィルター上で濃縮した。 D.フィブロネクチンレセプター(FnR)ELISAアッセイ 精製FnRへの結合を、競合的酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)を用い ることにより測定し、そこでは、フィブロネクチンを固定化し、そして種々の濃 度のペプチドアナログの存在下で可溶化したFnRの結合がポリクローナル抗-FnR 抗体、次いで標識抗ウサギIgG結合により検出される。 マイクロタイタープレートを、本明細書に参考として援用されるRuoslahtiお よびEngvall、Intl.J.Canc20:1-5(1977)の方法に従って精製されるTBS中の ヒトフィブロネクチン110μLを用いて(2μg/mL)、室温で一晩コートした。この プレートを、0.05% Tween-20を含むTBSを用いて3回洗浄した。20 mM オクチル グルコシドおよび2mM MnCl2を含むTBS中の50μLのレセプターを各ウェルに添加 した。同一緩衝液中の50μLのペプチドを、次いで10倍の連続希釈で添加した。 このプレートを、室温で3時間インキュベートし、上記のTBS-Tween緩衝液200μ Lで洗浄した。100μLのアフィニティー精製したウサギ抗-ヒトフィブロネクチン レセプター抗体をウェルに添加し、そして血小板を、さらに2時間インキュベー トし、TBS-Tweenで2回および次いで蒸留水で洗浄した。西洋ワサビペルオキシ ダーゼに結合したアフィニティー精製ヤギ抗-ウサギIgG(100μL)を次いで、各ウ ェルに添加し、そして一晩室温でインキュベートした。翌日、プレートをTBS-Tw eenそして次いで蒸留水で洗浄した。100μLの基質混合物(25 mLの0.1 Mクエン酸 -リン酸緩衝液、pH 5.0中の10 mg O-フェニレンジアミンに、30% H2O2の6マイ クロリットルを添加)をプレートに添加し、そして暗闇中で反応させた。反応プ ロセスは、50μLの4N H2SO4を各ウェルに添加することにより停止した。 結果を、図15および16に示す。 E.IIb/IIIa - フィブリノーゲンELISA マイクロタイタープレートを、一晩室温で、TBSで希釈された110μLのヒトフ ィブリノーゲン(10μg/mL)を用いてコートした。このプレートを次いでウェルあ たり200μLのTBS + 0.05% Tween-20を用いて3回洗浄した。20 mM オクチルグ ルコシド、2mM MgCl2および2mM CaCl2を含むTBS中で希釈された精製IIb/IIIa の50μLをウェルに添加した。次いで、同じ緩衝液中の50μLのペプチドを10倍の 連続希釈で添加し、そしてこのプレートを室温で3時間インキュベートした。プ レートをTBS-Tweenで3回洗浄し、そして100μLのウサギ抗-IIb/IIIaを各ウェル に添加した。2時間の室温インキュベーションの後、プレートを洗浄し、そして 残りの工程を、FnR ELISAについて記載したように行った。 結果を、図15および16に示す。 F.ビトロネクチンレセプター(VnR)ELISA Yatohgoら、Cell Struct.Funct13:281-292(1988)の方法に従って精製した 、精製ヒトビトロネクチンを、0.1 M 炭酸塩緩衝液(pH 9.6)で10 mg/mLに希釈し 、110μLをマイクロタイタープレートのウェルに添加し、そしてプレートを一晩 室温でインキュベートした。このプレートを、室温でウェルあたり200μLのTBS- Tweenで3回洗浄した。50μLの精製ヒトVnRを、20 mMオクチルグルコシド、2mM MgCl2および2mM CaCl2を含むTBS中で希釈した。同じ緩衝液中で希釈された50 μLのペプチド試料を、次いで10倍連続希釈で添加し、そしてこのプレートを室 温で3時間インキュベートした。プレートを、TBS-Tweenで3回洗浄し、そして1 00μLのアフィニティー精製ウサギ抗-VnRを各ウェルに添加した。1次抗体を、 2時間室温でインキュベートし、洗浄し、そしてFnR ELISAについて記載すると おり手順を続けた。 結果を、図15および16に示す。 G.血小板凝集アッセイ 血小板凝集を、本明細書に参考として援用されるBorn,Nature 194:927-929( 1962)の方法を用いて評価した。要約すれば、光伝達における変化を、凝集測定 器(Model 400 VS,Chrono-Log,Havertown,PA,USA)中の撹拌された血小板の懸 濁液を通じて測定した。ADPを使用する研究を、血小板リッチな血漿(PRP)を用い て実施し、これはクエン酸三ナトリウム(trisodium citrate)(最終濃度11 mM)中 に新たに投入した全血の低速度遠心分離(200×g、10分間)により得た。トロンビ ンを用いる研究では、PRPを、2% BSAを含む2価イオンのないTyrodeの溶液中、 セファロース2B上でゲル濾過した。すべての研究について、参照標準は、1000× gで5分間、PRPを遠心分離することにより得た血小板の少ない血漿を用いた。 すべての凝集研究を、37℃で常時撹拌した3×108血小板/mL懸濁液を用いて実 施した。(血小板数は血球計の援助を用いて測定した)。ペプチドおよび刺激剤 を、これらの懸濁液に1%希釈物で添加した。RPRおよびゲル濾過血小板は、血液 収集の時から3時間以内に使用した。 ペプチド抗-凝集効力は、ADP(10μM)およびトロンビン(2U/mL)の生理的用量 により刺激される最大凝集応答の阻害に対する用量応答曲線から決定した。各ペ プチドの50%阻害濃度(IC50)は、これら曲線の回帰分析(regression analysis)に より測定した。 結果を、図14、15および16に示す。 血小板凝集の代替アッセイを以下のように実施した。血液を、少なくとも2週 間内に任意の薬剤(アスピリンを含む)を飲んでいないドナーから採取し、そして 1/10容量の3.8%クエン酸塩(W/V)または5.1 U/mlヘパリンのいずれかを含む50 ml チューブに移した。チューブをゆっくりと逆さにすることにより混合し、そして 次いでスウィングバケットローター中、室温で15分間、1200rpmで遠心分離した( Sorvall RT6000B)。上部の血小板リッチな血漿(PRP)相を、ポリプロピレントラ ンスファーピペットを用いて取り出し、そして新しいポリプロピレンチューブに 移し、そしてゆっくりと逆さにして混合した。室温で保存した。 アッセイは、クエン酸処理またはヘパリン処理した全血液の遠心分離により得 られるPRP中の撹拌された血小板の凝集に基づく競合アッセイである。血小板凝 集反応の進行および程度は、凝集測定器中の血小板懸濁液の透明度を測定するこ とによりモニターした。ペプチドの添加量の増加により、血小板凝集の阻害が増 加し、そしてコントロール血小板凝集応答(ペプチドなし)の50%を阻害するため に必要なペプチドの濃度を表示するIC50が決定され得る阻害曲線を生じる。 アッセイは以下のように行われる。0.6 mLの血小板リッチな血漿(PRP)を取り 出し、そして0.6 mLのH2Oブランクとともに1.5 mlのエッペンドルフチューブ中 に入れ、そしてエッペンドルフ微小遠心分離器中、14,000×gで4分間室温で遠 心分離した。遠心分離後、0.5 mLの上清[または血小板の少ない血漿(PPP)]を、 ピペットで取り出し、そして凝集測定器チューブ中に入れた。チューブを凝集測 定器のPPPスロット中に置き、そこでそれはPRPに対するブランクとした。このブ ランクはアッセイの全時間の間そのままにした。血小板濃度は、PRPにおいて細 胞計測器で測定し、そして同種(homologous)のPPPで希釈し、300,000血小板/μL を得た。0.5 mLのPRP(300,000血小板/μL)をピペットを用いて取り出し、そして 撹拌棒とともに凝集測定器チューブ中に置いた。チューブを、5分間撹拌するこ となく、インキュベーションスロット中37℃でインキュベートした。チューブを 次いでPRPスロットに移し、そして基線調節のために37℃、1,200 rpmで5〜10秒 間試料を撹拌した。 凝集反応を、5μLの1mM ADPストック溶液を用いて開始し、最終濃度約10μM ADPを得た。凝集反応は、2分間記録し、血小板凝集コントロール応答を得た(ペ プチドなし)。血小板凝集コントロール反応を、2回以上繰り返し、そして3回 のコントロール凝集反応の平均を決定した。凝集応答を、ADP添加時間から2分 後の応答または最大応答(2分以内の場合)のいずれかより大きい方に対して基線 (ADP添加前)から2mm単位で測定した。 ペプチドの阻害活性は、血小板凝集アッセイで測定した。所望量のペプチド( 1〜10μL)を、凝集測定器中で5分間予めインキュベートした0.5 mlのPRPに添 加した。5μLの1mM ADPを、凝集反応を開始するために添加した。反応を2分 間モニターした。この手順を5つの異なる濃度のペプチド(クエン酸塩処理PRPに ついて0.1μM〜0.3μMの最終濃度、そしてヘパリン処理PRPについて1.8μM〜3 μMの最終濃度)を用いて繰り返し、コントロールの30〜70%の間の範囲の凝集応 答を得た。凝集応答は、2mm単位で測定した。血小板凝集コントロール反応を繰 り返し、2mm単位で平均コントロール応答を決定した。すべてのコントロール凝 集反応の平均値を決定した。凝集反応の後、撹拌棒をマグネットで取り出し、エ タノール中で洗浄し、そして蒸留水ですすいだ。 実施例XII 単一の置換により異なるペプチドの選択性および効力 この実施例に記載されるペプチドは、実施例IおよびXIの方法に従って合成し た。選択性および効力は、実施例IIからXIの方法に従って測定した。この実施例 で使用されるペプチド同定番号は、この実施例のみで一致し有効である。いくつ かのペプチドは、本明細書の他の箇所で他の名称で同定されている。 A.Pen置換の影響 原型のペプチド1(G(Pen)GHRGDLRCA)中におけるアミノ末端L-Penでのキラリテ ィを改変するαIIbβ3の効力および選択性に関する影響を調査するために、D-Pe nを含むアナログ2(G(D-Pen)GHRGDLRCA)を合成した。データを図17に示す。アナ ログ2は、αIIbβ3アッセイにおいて、L-Penを含むアナログ1より約2倍の効 力があった。アミノ末端でD立体配置(configuration)を有するPen残基は、選択 性に関して有意な影響を有さなかった。状況は、アナログ3(R(Pen)GHRGDLRCR) および4(R(D-Pen)GHRGDLRCR)について同様である。D-Penを含むアナログ4は、 L-Penを含むアナログ3より凝集アッセイにおいて2倍の効力があった。アミノ 末端Penの側鎖における別の立体配置的束縛の影響を、本明細書に参考として援 用されるYimら、Int.J.Peptide Protein Res.21:568-570(1983)に記載のよう に、アミノ末端Pmp残基、ならびにそれぞれ参考として本明細書に援用されるSta nfieldら、Syn.Comm. 18:531-543(1988)およびYimら、J.Org.Chem.53:4605- 4607(1988)に記載のように、アミノ末端Pmc残基を評価することにより評価した 。両者とも、側鎖のβ炭素原子に、より親油性(lipophilic)で立体配置的に制限 性のβ,β-シクロペンタメチレンを含む。これらの残基は、高度に束縛された環 系を導く他のジスルフィド架橋ペプチドのコンホメーションの自由度をさらに制 限するために以前に使用されている。Hruby,V.J.、Epilepsia 30(補足1):S42 -S50(1989)。-3位に、D,L-Pmcを含むアナログ5、R(Pmc)GHRGDRCRを、Boc-D,L-P mc(4-MeBzl)を使用することにより調製した。アナログ5は、凝集アッセイにお いてアナログ3に比べ3倍の効力があることが見い出された。一方、アナログ6(Pmp)GHRGDLRC Aにおいてアミノ末端Pmp基でPenを置換すると、アナログ1より2 倍の効力増加が生じた。このアナログの構造は、効力のためにアミノ末端に環外 残基が必ずしも必要でないことを示す。側鎖のβ炭素原子でβ,β-シクロテトラ メチレンを含むTmc残基を、アミノ末端Pen残基の置換として評価した。-3位でD, L-Tmcを含むアナログ7(R(Tmc)GHRGDLRCR)を、Boc-D,L-Tmc(4-MeBzl)を使用して 調製した。ジアステレオマーの混合物は、血小板凝集アッセイでアナログ3より 2倍の効力があった。 この一連のアナログは、PenのかわりにPmcでの置換が、より効力のあるアナロ グを得ることにおいて有効であることを示した。アミノ末端Pen残基でキラリテ ィを改変することは、選択性についてほとんど影響しなかった。 B.3位での置換の影響 次の一連のアナログを、効力がありそして選択的なアナログ5、R(Pmc)GHRGDL RC Rの配列に基づいて調製した。データを図18に示す。アナログ5の3位での増 加する疎水性の影響を、この位置で一連の疎水性アミノ酸の取り込みにより調査 した。Leuについて芳香族疎水性残基PheおよびTyrの置換(それぞれアナログ9お よび10)は、より強力なアナログを得ることにおいて非常に有効であることが見 い出された。例えば、LeuをPheで置換すると、アナログ9で血小板凝集効力が約 5倍増加した。Phe残基中芳香族環のパラ置換の影響を、p-I-Pheおよびp-Cl-Phe によるPheの置換により調査した。これらの2つのアナログ(12および13)は、ア ナログ9と類似の血小板凝集効力を示した。これらのアナログの類似の効力は、 Phe残基の芳香族核が、ある範囲の電気陰性度を受容し得るαIIbβ3の領域と相 互作用することを示した。研究を拡大し、3位で以下のさらなる疎水性残基を含 めた:O-Me-Tyr、O-n-ブチル-Tyr(本明細書に参考として援用されるSolarら、J .Org.Chem .31:1966-1997(1966))、Phg、Hpaおよび2-Nal。これらのアナログ (11、14、15、16、および17)はまた、アナログ9と類似の血小板凝集効力を示し た。アナログ14は、血小板凝集の阻害に関してこのシリーズの最も強力なアナロ グであった。それは、このシリーズのなかで最も疎水性の芳香族側鎖のひとつを 含んでいる。 これらのアナログの高い効力は、これらの疎水性残基が、ある範囲の分子容量 を受容し得るαIIbβ3の領域と相互作用することを示す。驚くべきことに、より 短い脂肪族残基(Val)でLeuを置換したアナログ8では能力が4倍増加した。これ は、バリンのβ-メチル基の寄与が、αIIbβ3の疎水性領域との相互作用につい て芳香族基と同様に顕著であり得ることを示す。 C.-2位における置換の影響 -2位でのGly残基の置換の影響を調べた。データを図19に示す。単一アミノ酸 の置換(Ser、Asp、Ile、Asn、およびArg)を、血小板凝集アッセイで高度効力の 高いアナログ11中に導入した。Glyに対してSer、Ile、AsnおよびArgの置換は、 類似の血小板凝集効力およびELISA選択性を有するアナログ(19、20、21および22 )を生成した。しかし、GlyのAsp置換(アナログ18)は、効力の4倍増加を導いた 。 D.−1位での置換の影響 −1位でHisの置換の影響を調べた。データを図20に示す。単一アミノ酸置換( D-His、Tyr、D-TyrおよびPro)をアナログ11中に導入し、一連のアナログ(23、24 、25、および26)を与えた。これらの置換は、アナログ11の血小板凝集阻害能力 にほとんど影響しなかった。ペプチド23-26を用いた研究は、Hisが、水素結合を 通じてまたは芳香族環に特徴的な他の相互作用によりαIIbβ3と相互作用しない ことを示唆する。Proを用いたHisの置換は、効力の減少に至らなかった。 E.3位での疎水性アミノ酸と組み合わせた−1位でのProの使用の影響 図17で示されたデータ中で、アミノ末端の環外Arg残基が効力に必ずしも必要 でないことを示した。次のシリーズのアナログを、アナログ26の配列に基づいて 調製し、そしてN-末端およびC-末端でのArg残基を、それぞれアセチル基および アミド基で置換した。データを図21に示す。アナログ26の-2位でのIleを用いるG lyの置換、およびCysを用いるPmc残基の置き換えは、α5β1およびαV、β5アッ セイにおける効力に影響することなく、アナログ27、Ac-CIPRGD(Y-OMe)RC-NH2に おける血小板凝集効力を3-4倍増加した。一般に、GlyにIleを置換すると、より 効力のあるアナログを得ることにおいて非常に有効である(図20および21を比較 のこと)。 プロリンがペプチド中のコンホメーションの束縛を誘導する周知の手段である ことが知られている。-2位でAsnによるIleの置換は、血小板凝集能力にほとんど 影響しなかった。次のシリーズのアナログは、効力がある選択性のアナログ27、 Ac-CIPRGD(Y-OMe)RC-NH2およびアナログ32、AC-CNPRGD(Y-OMe)RC-NH2の配列を基 礎にした。3位での疎水性アミノ酸と組み合わせた−1位でのプロリンの使用は 、一連の効力の高いそして特異的なαIIbβ3アンタゴニストを生じる。Tyr(OMe) にTyrを置換すると効力が2倍減少したことが見い出された。この結果は、Tyr(O Me) のO-メチル基がαIIbβ3の疎水性領域との相互作用に重要であることを示唆した 。このシリーズの最も効力があるアナログは、血小板凝集において0.1μMのIC50 を有するアナログ34である。このアナログは、アナログ1に比べ約150倍効力が あり、そしてαIIbβ3に対してかなりより高い選択性を示す。 このシリーズのアナログは、3位での疎水性アミノ酸と組み合わせた−1位で のプロリンの使用が、効力の高いアナログを得ることにおいて非常に有効である ことを示した。 図17〜21におけるすべてのペプチドについてのデータの検査は、αIIbβ3ELIS AアッセイにおけるIC50値の順番と血小板凝集アッセイにおける順番との間の一 般的に良好な相関関係を示す。 F.アナログ32上のCys置換の影響 次のシリーズのアナログは、図22に示されたアナログ32の配列を基礎にして調 製された。他のβ,β-ジアルキルシステインおよびそれらの脱アミノ誘導体を用 いたアミノ末端Cys残基の置換の影響を研究した。データを図22に示す。Cys残基 を、より親油性でコンホメーションに制限性のPmcおよびPmp残基で置換すること は、相対的な血小板凝集活性を有意に改変せず、そしてアナログ32に比較して選 択性に関する顕著な影響を有さなかった。MprによるCysの置き換えはまた、効力 に有意な変化を与えず、N-末端アセチル基とαIIbβ3との相互作用がほとんどな いことを示唆する。 G.アナログ32上の4位でのArg置換の影響 他のアミノ酸を用いた4位のArgの置換の影響を検査した。データを図23中に 示す。中性アミノ酸(Ala、CitおよびLeu)を用いたArgの置換は、血小板凝集効力 において実質的減少をもたらした(アナログ43、45および47)。同様に、酸性アミ ノ酸(Glu)を用いたArgの置換は、効力において15倍の減少をもたらし(アナログ4 2)、その一方Lysを用いた置換は、阻害活性の20%を保持した化合物を生じた(ア ナログ41)。このことは、この位置に塩基性の官能基に対する特異的な結合ポケ ットがあることを示す。しかし、4位におけるD-Argの導入はまた、αIIbβ3と ペ プチトとのより好ましくない相互作用を導き、効力における減少を生じる(アナ ログ44)。従って、4位でのArg残基が、非常に立体特異的な様式でレセプターと 相互作用すると結論される。 このシリーズのアナログは、4位でのArg残基がこれらのアナログのαIlbβ3 への結合において非常に重要な役割を演じていることを示した。構造-活性関係 研究は、R-G-D-Ar-R(Ar = 疎水性残基)配列がそれらの高いαIIbβ3結合親和性 および非常に高い選択性の原因となるファーマコア(Pharmacophore)であること を示唆する。 H.インビボ投与 より重要には、図23中のいくつかのペプチドが、エクスビボ血小板凝集を95% より大きく阻害し得る用量で、(実施例VIIの方法に従って)イヌに投与された。 この研究の結果を図24にまとめる。 出血時間を測定するために、テンプレート出血時間装置(Simplate-IITM、Orga non Technika,Durham,NC)を用いて動物の前肢に小さな切り傷を2つを作成し 、そして滲出する血液をWhatman #2濾紙上に吸着させた。テンプレート出血時間 は、切断後、血液の吸着がもはや見られない時間であると考えられる。舌を用い てペプチド32を試験し、同一結果のテンプレート出血時間を測定した。 ペプチドの濃度は、エクスビボ血小板凝集の95%より大きい阻害を引き起こす に十分高い。括弧内に示された出血時間は、5倍高い濃度のペプチドで測定され た。血小板凝集のエクスビボ測定に使用されたアゴニストは、10μM ADPであっ た。アゴニストとして10 μg/mLコラーゲンを用いるエクスビボ血小板凝集もま た、ペプチド32を用いるこの実験で95%より大きく阻害された。4位でアルギニ ンを所有するペプチドは、これら濃度でテンプレート出血時間を延長しなかった 唯一のペプチドであった。 4位でのArgの正電荷は、αIIbβ3に対する結合親和性に寄与するだけでなく 、血小板凝集およびテンプレート出血を制御する能力に対する阻害活性の分離を 可能にする主要な要素であるようである。このことは、他のペプチド、アナログ 48にあてはまり、これは、血小板凝集アッセイにおいて0.7μMのIC50を有する。 産業上の利用可能性 本明細書に開示されそして特許請求の範囲に記載された内容である組成物は、 血栓症、発作および血管移植片閉塞を含む、望ましくない血小板凝集により特徴 付けられる病因の予防および処置に対して産業上有用である。 本発明を、現在好適な実施態様を参照して記載したが、本発明の思想から逸脱 することなく、種々の改変がなされ得ることを理解すべきである。従って、本発 明は、添付の請求の範囲によりのみ制限される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,HU,JP,KP,KR,KZ,L K,LV,MG,MN,MW,NO,NZ,PL,RO ,RU,SD,SK,UA,US,UZ,VN (72)発明者 チェン,ソーン アメリカ合衆国 カリフォルニア 92131, サン ディエゴ,エルダーウッド ロード 10936 (72)発明者 クレイグ,ウィリアム エス. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92122, サン ディエゴ,オナーズ ドライブ 5519 (72)発明者 ショップ,ユエルグ エフ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92130, サン ディエゴ,インターミゾ ウェイ 12668

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.構造: X1 X2 X3 X4 G D X5 X6 X7 X8 を有するGD含有環状ペプチドであって、 ここで、X1およびX8が、0〜20のアミノ酸であり; X2が、X7とラクタム架橋を形成し得るアミノ酸または0であり、但し 、X1またはX3が1またはそれ以上のアミノ酸である場合は、X2は0ではなく; X3が0〜10のアミノ酸であり; X4が正に荷電したアミノ酸であり、X1、X2、およびX3が0の場合には 、X4上のN末端アミノ酸基によりX7とラクタム架橋を形成する正に荷電したアミ ノ酸であり; X5がロイシン以外の疎水性アミノ酸であり; X6が正に荷電したアミノ酸であり;そして X7がX2とラクタム架橋を形成するアミノ酸、あるいはX1またはX2およ びX3が0の場合には、X7上の酸基によりX4とラクタム架橋を形成するアミノ酸で ある、ペプチド。 2.前記X5がチロシンまたはチロシン誘導体である、請求項1に記載の環状ペプ チド。 3.前記X2およびX7が、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、オルニチン、 およびα,β−ジアミノプロピオン酸から成る群より選択される、請求項1に記 載の環状ペプチド。 4.前記X1が0の場合、前記ラクタム架橋が、前記X2のN末端アミン基または側 鎖アミノ基とX7の酸基との間にある、請求項1に記載の環状ペプチド。 5.前記X2がβ-Ala、GlyまたはArgである、請求項4に記載の環状ペプチド。 6.前記X1が1またはそれ以上である場合、前記ラクタム架橋がX2の側鎖アミノ 基とX7の酸基との間にある、請求項1に記載の環状ペプチド。 7.X4がArg、Lys、ホモArgおよびそれらの模倣体から成る群より選択される、 請求項1に記載の環状ペプチド。 8.前記ペプチドが、出血時間を実質的に延長することなく血小板凝集阻害活性 を有する、請求項1に記載の環状ペプチド。 9.前記環状ペプチドが、それらがフィブロネクチンまたはビトロネクチンのそ れらのそれぞれのレセプターへの結合を阻害するよりも、フィブリノーゲンのGP IIb/IIIaへの結合をより強く阻害する、請求項1に記載の環状ペプチド。 10.前記ペプチドが: GNPRGD(O-n-ブチル-Y)RE-NH2 GRGD(O-Me-Y)RE-NH2 GNPRGD(O-Me-Y)RE-NH2 GNPRGD(O-Me-Y)RD-NH2 (β-Ala)RGD(O-Me-Y)RD-NH2 (β-Ala)NPRGD(O-Me-Y)RD-NH2 GRGD(O-n-ブチル-Y)RE-NH2 から成る群より選択される、請求項4に記載の環状ペプチド。 11. Ac-CRGD(O-Me-Y)RC-OH Ac-CRGD(O-Me-Y)R(Pen)-NH2 Ac-(dPen)RGD(O-Me-Y)RC-NH2 Ac-CKGD(O-Me-Y)RC-NH2 Ac-CRGD(O-Me-Y)R(dPen)-NH2 Ac-CRGD(O-Me-Y)RC-NH2 Ac-CRGD(O-Me-Y)RC-R-NH2 (Mpr)RGD(O-Me-Y)RC-NH2 (Mpr)RGD(O-n-ブチル-Y)RC-NH2 (Mpr)KGD(O-Me-Y)RC-NH2 (Pmp)RGD(O-Me-Y)RC-NH2 Ac-CRGD(O-n-ブチル-Y)RC-NH2および Ac-CRGD(Hpa)RC-NH2 から成る群より選択される環状ペプチド。 12.構造RGD(O-Me-Y)RE-NH2を有するRGD含有環状ペプチド。 13.構造Ac-C(N-Me-R)GD(Pen)-R-NH2を有するRGD含有環状ペプチド。 14.構造Ac-CRGD(O-Me-Y)P(Pen)-R-NH2を有するRGD含有環状ペプチド。 15.構造Ac-RGD(O-n-ブチル-Y)-R-NH2を有するRGD含有環状ペプチド。 16.生理学的に受容可能なキャリアーに請求項1、11、12、13、14ま たは15に記載のペプチドを含む組成物。 17.血栓症を処置または予防する方法であって、治療的に有効な量の請求項1 6に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。 18.血管移植閉塞を処置または予防する方法であって、治療的に有効な量の請 求項16に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。 19.好ましくない血小板凝集により特徴づけられる病状を処置または予防する 方法であって、治療的に有効な用量の請求項16に記載の組成物を投与する工程 を包含する、方法。 20.前記好ましくない血小板凝集により特徴づけられる病状が脳卒中である、 請求項19に記載の方法。 21.出血時間を実質的に延長することなく血小板凝集活性を阻害するために有 用なペプチドを同定する方法であって、以下の工程: a)ヘパリン中で行われた血小板凝集アッセイにおける該ペプチドのIC50 値を測定する工程; b)クエン酸中で行われた血小板凝集アッセイにおける該ペプチドのIC50 値を測定する工程; c)IC50(ヘパリン):IC50(クエン酸)の比を測定する工程;および d)約3と20との間の比を有するこのようなペプチドを同定する工程、 を包含する、方法。
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