JPH0948947A - 防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物 - Google Patents

防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物

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JPH0948947A
JPH0948947A JP14043296A JP14043296A JPH0948947A JP H0948947 A JPH0948947 A JP H0948947A JP 14043296 A JP14043296 A JP 14043296A JP 14043296 A JP14043296 A JP 14043296A JP H0948947 A JPH0948947 A JP H0948947A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】防汚剤と、重合性不飽和カルボン酸のトリ
アルキルシリルエステルから誘導される成分単位を20
〜65重量%の量で有し数平均分子量が1000〜50
000の被膜形成性共重合体と、塩素化パラフィンとを
含んでなり、塩素化パラフィンが該被膜形成性共重合体
100重量部に対して18〜65重量部の量で含有され
ていることを特徴とする防汚塗料組成物、およびこの防
汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料
組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体
または水中構造物。 【効果】耐クラック性、耐剥離性、防汚性、自己研磨性
(消耗性)に優れた防汚塗膜を形成でき、しかも貯蔵安
定性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、防汚塗料組成物、この防
汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料
組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体
または水中構造物に関し、さらに詳しくは、耐クラック
性などに優れ、船底、水中構造物、漁網などへの水棲生
物の付着を効果的に防止できるような自己研摩性防汚塗
料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている塗膜
および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜
で被覆された船体または水中構造物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】船底、水中構造物、漁網などは、
水中に長期間さらされることにより、その表面に、貝、
フジツボ等の動物類、ノリ(海苔)等の藻類、あるいは
バクテリア類などの各種水棲生物が付着・繁殖すると、
外観が損ねられ、その機能が害されることがある。
【0003】特に船底にこのような水棲生物が付着・繁
殖すると、船全体の表面粗度が増加し、船速の低下、燃
費の拡大などを招く虞が高い。また、このような水棲生
物を船底から取り除くには、ドックにおける多大な労
力、作業時間が必要となる。また、バクテリア類が水中
構造物などに付着・繁殖しスライム(ヘドロ状物)が付
着すると、これらが腐敗し、その物性が劣化し寿命が著
しく低下する等の被害が生ずる虞がある。
【0004】従来では、このような被害を防止すべく、
船底などには防汚性に優れた防汚塗料として、例えば、
トリブチル錫メタクリレートとメチルメタクリレート等
との共重合体と、亜酸化銅(Cu2O)とを含有するも
のが塗布されていた。この防汚塗料中の該共重合体は、
海水中で加水分解されてビストリブチル錫オキサイド
(トリブチル錫エーテル,Bu3Sn-O-SnBu3:B
uはブチル基)あるいはトリブチル錫ハロゲン化物(B
3SnX:Xはハロゲン原子)等の有機錫化合物を放
出して防汚効果を発揮するとともに、加水分解された共
重合体自身も水溶性化して海水中に溶解していく「加水
分解性自己研磨型塗料」であるため、船底塗装表面は、
樹脂残渣が残らず、常に活性な表面を保つことができ
る。
【0005】しかしながら、このような有機錫化合物
は、毒性が強く、海洋汚染、奇形魚類の発生、食物連鎖
による生態系への悪影響などが懸念され、これに代わり
得るような錫を含有しない防汚塗料の開発が求められて
いる。
【0006】このような錫を含有しない防汚塗料として
は、例えば、特開平4-264170号公報、特開平4-
264169号公報、特開平4-264168号公報に
記載のシリルエステル系防汚塗料が挙げられる。しかし
ながら、これらの防汚塗料には、特開平6-15794
1号公報、特開平6-157940号公報などにも教示
されているように、防汚性に劣り、クラック、剥離が生
ずるとの問題点がある。
【0007】また、特開平2-196869号公報に
は、トリメチルシリルメタクリレート、エチルメタクリ
レートおよびメトキシエチルアクリレートをアゾ系重合
開始剤の存在下に共重合してなり、トリメチルシリル基
によりブロックされたカルボン酸基を含有するブロック
された酸官能性コポリマー(A)と、多価カチオンの化
合物(B)とを含有する防汚塗料が教示されており、そ
の実施例には、上記酸官能性コポリマー(A)と多価カ
チオンの化合物に加えて、塩素化パラフィン可塑剤など
を含む防汚塗料が開示されている。しかしながら、この
実施例に開示されている防汚塗料から得られる塗膜は、
耐クラック性が充分満足しうるものではないという問題
点がある。すなわち、この特開平2-196869号公
報には、どのような塩素化パラフィンをいかなる量で含
む防汚塗料が耐クラック性、貯蔵安定性、特に耐クラッ
ク性に優れているかという点については、教示されてい
ない。
【0008】特表昭60-500452号および特開昭
63-215780号公報には、(メタ)アクリル酸の
トリアルキルシリルエステルなどのオルガノシリル基を
有するビニル系単量体などを他のビニル系単量体と共重
合させてなり、数平均分子量が3000〜40000の
防汚塗料用樹脂が記載され、さらにオルトギ酸トリメチ
ル等の有機系水結合剤、酸化第一銅等の防汚剤、ベンガ
ラ等の顔料などを配合し得る旨記載されているが、特開
平6-157940号公報にも記載されているように、
この防汚塗料用樹脂は、貯蔵中にゲル化しやすく、この
防汚塗料から形成される塗膜は、耐クラック性、耐剥離
性に劣るとの問題点がある。
【0009】また上記特表昭60-500452号に対
応する特公平5-32433号公報には、毒物(a)と、式
[(−CH2-CXCOOR)−(B)−:XはHまたは
CH3であり、RはSiR’3又はSi(OR’)3
R’はアルキル基などを示し、Bはエチレン性不飽和単
量体残基を示す]で表される反復単位を有し、特定の加
水分解速度などを有する重合体結合材(b)とからなる
防汚塗料が開示され、さらに溶剤、水感受性顔料成分、
不活性顔料、充填剤、遅延剤を含有し得る旨記載されて
いるが、この公報記載の防汚塗料から得られる塗膜は、
耐クラック性に劣るとの問題点がある。
【0010】特開平7-18216号公報には、A)分子
内に、式:-COO-SiR123(R1〜R3は炭素数
1〜18のアルキル基などを示す)で表されるトリ有機
珪素エステル基を有する有機珪素含有重合体と、B)銅ま
たは銅化合物とを主成分とする塗料組成物において、上
記のA,B成分以外の必須成分として、C)式:
【0011】
【化1】
【0012】(R4〜R6は水素原子、炭素数1〜18の
アルコキシ基、シクロアルコキシ基、などを示し、R7
は炭素数1〜18のアルキル基などを示し、nは1〜3
の整数を示す)で表されるアルコキシ基含有珪素化合物
を含有した塗料組成物が開示されており、また該公報の
発明の構成・作用の欄には、該塗料組成物には塩素化パ
ラフィンなどの可塑剤、アクリル樹脂などの樹脂が必要
に応じて含まれていてもよい旨記載されている。しかし
ながら、該公報に記載の塗料組成物から得られる塗膜
は、耐クラック性に劣るとの問題点がある。
【0013】なお、特開平7-102193号公報に
は、式:
【0014】
【化2】
【0015】(但し、式中R1〜R3はいずれもアルキル
基、アリール基の中から選ばれた基であって、互いに同
一の基であっても異なる基であってもよい。Xはアクリ
ロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレオイル
オキシ基またはフマロイルオキシ基である。)で表され
る単量体Aと、式:Y−(CH2CH2O)n−R4(但し
4はアルキル基またはアリール基であり、Yはアクリ
ロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であり、
nは1〜25の整数である。)で表される単量体Bとを
含む単量体混合物の共重合体と、防汚剤とを必須成分と
して含有する塗料組成物が開示されている。
【0016】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、耐クラック
性、耐剥離性などの物性に優れ、防汚性、自己研磨性
(消耗性)に優れた防汚塗膜を形成でき、しかも貯蔵安
定性に優れているような防汚塗料組成物を提供すること
を目的としている。
【0017】また本発明は、このような防汚塗料組成物
から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用い
た防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構
造物を提供することを目的としている。
【0018】
【発明の概要】本発明に係る防汚塗料組成物は、防汚剤
と、重合性不飽和カルボン酸のトリアルキルシリルエス
テルから誘導される成分単位を20〜65重量%の量で
有し数平均分子量が1000〜50000の被膜形成性
共重合体と、塩素化パラフィンとを含んでなり、塩素化
パラフィンが、該被膜形成性共重合体100重量部に対
して18〜65重量部、好ましくは20〜55重量部の
量で含有されていることを特徴としている。
【0019】本発明においては、上記塩素化パラフィン
の平均炭素数が8〜30であり、塩素含有率が35〜7
5%であることが好ましい。本発明の好ましい態様にお
いては、上記トリアルキルシリルエステルとしては、該
エステルの珪素原子に結合している3つのアルキル基の
うちの少なくとも1つが炭素数3以上のものであるトリ
アルキルシリルエステルが望ましく、さらにはこの3つ
のアルキル基の炭素原子数がすべて4以上であるものが
好ましく、特にトリブチルシリル(メタ)アクリレート
が好ましい。
【0020】本発明に係る防汚塗料組成物は、防汚剤
と、上記被膜形成性共重合体と、塩素化パラフィンとに
加えて、さらにこの被膜形成性共重合体と相溶可能な数
平均分子量が1000〜100000の(メタ)アクリ
ル酸エステル系重合体[好ましくはこの疎水性の(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体は、疎水性の(メタ)
アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の(メタ)
アクリル酸エステルの共重合体および(メタ)アクリル
酸エステル・スチレン系共重合体からなる群から選ばれ
た少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステル系重合
体である]が含まれていてもよく、このような防汚塗料
組成物では、上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体
は、上記被膜形成性共重合体100重量部に対して、5
〜200重量部、好ましくは10〜200重量部の量で
含有され、上記塩素化パラフィンは5〜150重量部、
好ましくは8〜100重量部の量で含有されていること
が好ましい。
【0021】このような(メタ)アクリル酸エステル系
重合体のガラス転移温度(Tg)は0℃以上であること
が好ましい。本発明に係る防汚塗料組成物は、防汚剤と
上記の被膜形成性共重合体と塩素化パラフィンとに加え
て鱗片状顔料好ましくは雲母粉が含有されていてもよ
く、このような防汚塗料組成物では、上記塩素化パラフ
ィンは、上記被膜形成性共重合体100重量部に対し
て、5〜65重量部、好ましくは8〜55重量部の量で
含有され、上記鱗片状顔料は5〜150重量部、好まし
くは5〜100重量部の量で含有されていることが望ま
しい。
【0022】本発明に係る防汚塗料組成物は、防汚剤と
上記の被膜形成性共重合体と塩素化パラフィンとに加え
て、上記の(メタ)アクリル酸エステル系重合体と鱗片
状顔料とが含有されていてもよく、このような防汚塗料
組成物では、上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体
は、上記被膜形成性共重合体100重量部に対して、1
〜200重量部、好ましくは5〜100重量部の量で含
有され、上記塩素化パラフィンは3〜200重量部、好
ましくは5〜100重量部の量で含有され、上記鱗片状
顔料が0.5〜400重量部、好ましくは1〜200重
量部の量で含有されていることが好ましい。
【0023】このような本発明に係る防汚塗料組成物に
は、防汚剤(殺生物剤)として銅または銅化合物(例:
亜酸化銅)が好ましく含まれ、また亜鉛華、ジンクピリ
チオンが含有されていることが好ましい。
【0024】このような本発明に係る一液タイプの防汚
塗料組成物によれば、耐クラック性に優れ、船底などの
基材あるいはプライマー層などに対する耐剥離性などの
物性に優れ、防汚性に優れ、しかも貯蔵安定性、消耗性
(自己研磨性)に優れた防汚塗膜を形成することができ
る。
【0025】本発明に係る防汚塗膜は、上記防汚塗料組
成物から形成されている。本発明に係る船体または水中
構造物の防汚方法は、上記防汚塗料組成物を用いること
を特徴としている。
【0026】本発明に係る防汚塗膜被覆船体または水中
構造物は、上記の防汚塗料組成物からなる塗膜にて船体
または水中構造物の表面が被覆されていることを特徴と
している。
【0027】本発明に係る防汚塗料組成物によれば、耐
クラック性、耐剥離性などの物性に優れ、防汚性、自己
研磨性(消耗性)に優れた防汚塗膜を形成でき、しかも
該防汚塗料組成物は、貯蔵安定性にも優れている。
【0028】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る防汚塗料組成
物について、具体的に説明する。 [ 被膜形成性共重合体]本発明に係る防汚塗料組成物
は、防汚剤と、下記のような被膜形成性共重合体と、該
被膜形成性共重合体100重量部に対して18〜65重
量部、好ましくは20〜55重量部の量の塩素化パラフ
ィンとを含有しており、この被膜形成性共重合体は、重
合性不飽和カルボン酸のトリアルキルシリルエステルか
ら誘導される成分単位を20〜65重量%の量で有し数
平均分子量が1000〜50000である。
【0029】このトリアルキルシリルエステルは、例え
ば、下記式[I]:
【0030】
【化3】
【0031】で表される。この式[I]中、R1は、水素
原子またはメチル基等のアルキル基を表し、R2、R3
よびR4は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基等の炭素数が1〜18個程度のアルキル基を表し、R
2、R3およびR4は互いに異なっていてもよく同一であ
ってもよい。このようなトリアルキルシリルエステルと
しては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸トリ
メチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリエチル
シリルエステル、(メタ)アクリル酸トリプロピルシリ
ルエステル、(メタ)アクリル酸トリブチルシリルエス
テル等のようにR 2、R3およびR4が同一のトリアルキ
ルシリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルプロピ
ルシリルエステル、(メタ)アクリル酸モノメチルジプ
ロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸メチルエチ
ルプロピルシリルエステル等のようにR2、R3およびR
4のうちの1部または全部が互いに異なったトリアルキ
ルシリルエステルなどが挙げられる。本発明において
は、このようなトリアルキルシリルエステルを1種単独
で用いてもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよ
い。このようなトリアルキルシリルエステルの内では、
2、R3およびR4のうちの少なくとも1つのアルキル
基の炭素数が3以上であるものが好ましく、さらにはこ
の3つのアルキル基の炭素原子数がすべて4以上である
ものが好ましく、またR2、R3およびR4の総炭素数が
5〜21程度のものが好ましい。このようなトリアルキ
ルシリルエステルのうちでは、特にトリアルキルシリル
エステル合成の容易性、あるいはこのようなトリアルキ
ルシリルエステルを用いてなる防汚塗料組成物の造膜
性、貯蔵安定性、研掃性の制御のしやすさなどを考慮す
ると、(メタ)アクリル酸トリブチルシリルエステルが
最も好ましく用いられる。
【0032】このようなトリアルキルシリルエステルと
共重合されるモノマー(コモノマー)としては、任意の
重合性不飽和化合物(エチレン性不飽和単量体)を用い
ることができ、このような重合性不飽和化合物として
は、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエ
ステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アク
リル酸シクロヘキシルエステル等の(メタ)アクリル酸
アルキルエステル、スチレン、α-メチルスチレン等の
スチレン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル類などを挙げることができ、好ましくは、メ
タアクリル酸メチルエステル(MMA)が用いられる。
このようなMMAは、コモノマー(エチレン性不飽和単
量体)中に、通常、30重量%以上、好ましくは、50
重量%以上の量で含まれていることが好ましく、このよ
うな量でMMAを含有してなる共重合体では、ガラス転
移温度(Tg)が、例えば30〜60℃と高く、後述す
るような塩素化パラフィンが配合されてなる防汚塗料組
成物からなる塗膜の強度が低下されない。
【0033】この(メタ)アクリル酸アルキルエステル
等のような重合性不飽和化合物から誘導される成分単位
とトリアルキルシリルエステルから誘導される成分単位
とは、共重合体中においては、原料として用いられた各
モノマーのエチレン結合が解裂して通常ランダムに結合
している。
【0034】なお、このような共重合体中にカルボン酸
残基が存在していると、得られる防汚塗料組成物の貯蔵
安定性を著しく低下させるため、該共重合体中には、カ
ルボン酸残基が存在しないことが望ましい。該共重合体
の合成時には、カルボン酸残基を有しない高純度のモノ
マーを用いることが好ましい。
【0035】このような皮膜形成性共重合体中には、上
述したように1種または2種以上の上記のような重合性
不飽和カルボン酸のトリアルキルシリルエステルから誘
導される成分単位(トリアルキルシリルエステル成分単
位)が含まれていてもよいが、このようなトリアルキル
シリルエステル成分単位は、その合計量として20〜6
5重量%の量で、好ましくは30〜55重量%の量で該
共重合体中に含有されていると、この防汚塗料組成物か
ら長期防汚性に優れた防汚塗膜が得られるため好まし
い。
【0036】また、この共重合体のGPC測定による数
平均分子量(Mn)は、1000〜50000、好まし
くは2000〜20000、さらに好ましくは2500
〜15000、特に好ましくは3000〜12000で
あり、また重量平均分子量(Mw)は、通常1000〜
150000(15万)、好ましくは2000〜600
00(6万)、さらに好ましくは3000〜30000
(3万)であることが望ましく、またこの共重合体の分
子量分布(Mw/Mn)は、通常1.0〜4.0、好ま
しくは1.0〜3.0、特に好ましくは1.0〜2.5
であることが望ましく、またこの共重合体のガラス転移
温度(Tg℃)は、通常15〜80℃、好ましくは25
〜80℃、さらに好ましくは30〜70℃、特に好まし
くは35〜60℃であることが望ましく、また、この共
重合体の例えば50%キシレン溶液における粘度(25
℃、CPS)は、通常30〜1000、好ましくは40
〜600であることが望ましい。
【0037】この共重合体の数平均分子量が上記範囲
(1000〜50000)内にあると、長期間の塗膜防
汚性能、形成された塗膜の耐ダメージ性(耐衝撃性)お
よび得られる塗料組成物の貯蔵安定性と塗膜の耐クラッ
ク性に優れるようになる。
【0038】このような被膜形成性共重合体(シリルエ
ステル共重合体)として、具体的には、下記のようなも
のが挙げられ、好ましくは付番、、さらに好ましく
は付番に示す被膜形成性共重合体が用いられる。 : トリブチルシリルメタクリレート(イ)と、メチル
メタクリレート(MMA)との共重合体であって、その共
重合比((イ)/(MMA):重量比)が35〜65/65〜3
5(全成分合計100重量部)であり、数平均分子量
(Mn)が1000〜5万、好ましくは3000〜12
000であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜1
5万、好ましくは3000〜30000(3万)であ
り、分子量分布(Mw/Mn)が、1.0〜4.0、好
ましくは1.0〜2.5であり、ガラス転移温度(Tg
℃)が30〜70℃、好ましくは35〜60℃であり、
その例えば50%キシレン溶液における粘度(25℃、
CPS)が、30〜1000、好ましくは40〜600
のもの、 : トリプロピルシリルメタクリレート(ロ)とメチル
メタクリレート(MMA)と2-エチルヘキシルアクリレー
ト(ハ)との共重合体であって、その共重合比((ロ)/(M
MA)/(ハ):重量比)が25〜55/74〜35/1〜1
0(全成分合計100重量部)であり、数平均分子量
(Mn)が1000〜5万、好ましくは3000〜12
000であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜1
5万、好ましくは3000〜30000(3万)であ
り、分子量分布(Mw/Mn)が、1.0〜4.0、好
ましくは1.0〜2.5であり、ガラス転移温度(Tg
℃)が30〜70℃、好ましくは35〜60℃であり、
例えば50%キシレン溶液におけるその粘度(25℃、
CPS)が、30〜1500、好ましくは40〜100
0のもの、 : トリブチルシリルメタクリレート(イ)と、トリプ
ロピルシリルメタクリレート(ロ)と、メチルメタクリレ
ート(MMA)との共重合体であって、その共重合比((イ)
/(ロ)/(MMA):重量比)が30〜60/1〜20/69
〜20(全成分合計100重量部)であり、数平均分子
量(Mn)が1000〜5万、好ましくは3000〜1
2000であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜
15万、好ましくは3000〜30000(3万)であ
り、分子量分布(Mw/Mn)が、1.0〜4.0、好
ましくは1.0〜2.5であり、ガラス転移温度(Tg
℃)が30〜60℃、好ましくは35〜55℃であり、
例えば50%キシレン溶液におけるその粘度(25℃、
CPS)が、30〜1000、好ましくは40〜400
のもの、 : トリブチルシリルメタクリレート(イ)と、トリプ
ロピルシリルメタクリレート(ロ)と、メチルメタクリレ
ート(MMA)と、2-エチルヘキシルアクリレート(ハ)
との共重合体であって、その共重合比((イ)/(ロ)/(MM
A)/(ハ):重量比)が30〜60/1〜20/68〜1
9/1〜10(全成分合計100重量部)であり、数平
均分子量(Mn)が1000〜5万、好ましくは300
0〜12000であり、重量平均分子量(Mw)が10
00〜15万、好ましくは3000〜30000(3
万)であり、分子量分布(Mw/Mn)が、1.0〜
4.0、好ましくは1.0〜2.5であり、ガラス転移
温度(Tg℃)が30〜60℃、好ましくは35〜55
℃であり、例えば50%キシレン溶液におけるその粘度
(25℃、CPS)が、30〜1000、好ましくは4
0〜400のもの、 : トリブチルシリルメタクリレート(イ)と、メチル
メタクリレート(MMA)と、2-エチルヘキシルアクリレ
ート(ハ)との共重合体であって、その共重合比((イ)/
(MMA)/(ハ):重量比)が35〜65/64.9〜34.
9/0.1〜10(全成分合計100重量部)であり、
数平均分子量(Mn)が1000〜5万、好ましくは3
000〜12000であり、重量平均分子量(Mw)が
1000〜15万、好ましくは3000〜30000
(3万)であり、分子量分布(Mw/Mn)が、1.0
〜4.0、好ましくは1.0〜2.5であり、ガラス転
移温度(Tg℃)が30〜70℃、好ましくは35〜6
0℃であり、例えば50%キシレン溶液におけるその粘
度(25℃、CPS)が、30〜1000、好ましくは
40〜600のもの、 : トリイソプロピルシリルアクリレート(ニ)とメチ
ルメタクリレート(MMA)とエチルアクリレート(ホ)との
共重合体であって、その共重合比((ニ)/(MMA)/(ホ):
重量比)が40〜65/59〜20/1〜20(全成分
合計100重量部)であり、数平均分子量(Mn)が1
000〜5万、好ましくは3000〜30000(3
万)であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜15
万、好ましくは3000〜3万であり、分子量分布(M
w/Mn)が1.0〜4.0、好ましくは1.0〜3.
0であり、ガラス転移温度(Tg℃)が20〜80℃、
好ましくは25〜75℃であり、例えば50%キシレン
溶液におけるその粘度(25℃、CPS)が30〜15
00、好ましくは40〜1300のもの、 : トリイソブチルシリルメタクリレート(ヘ)とメチ
ルメタクリレート(MMA)と、2-エチルヘキシルアクリ
レート(ハ)との共重合体であって、その共重合比((ヘ)
/(MMA)/(ハ):重量比)が35〜65/64.9〜3
4.9/0.1〜10(全成分合計100重量部)であ
り、数平均分子量(Mn)が1000〜5万、好ましく
は3000〜12000であり、重量平均分子量(M
w)が1000〜15万、好ましくは3000〜300
00(3万)であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.
0〜4.0、好ましくは1.0〜2.5であり、ガラス
転移温度(Tg℃)が25〜80℃、好ましくは30〜
70℃であり、例えば50%キシレン溶液におけるその
粘度(25℃、CPS)が、30〜2000、好ましく
は40〜1500のもの、など。
【0039】このような被膜形成性共重合体を調製する
には、例えば、通常窒素気流中などの不活性雰囲気下、
キシレン等の有機溶媒中で、トリブチルシリルメタクリ
レート等のトリアルキルシリルエステルと、コモノマー
類中にメチルメタクリレートが50重量%以上(例:8
0重量%)の量で含有された重合性不飽和化合物とを、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系ある
いは過酸化物系などの重合開始剤、必要に応じてn−オ
クチルメルカプタンなどの重合調整剤などの存在下に、
2〜12時間程度、50〜120℃程度の温度でラジカ
ル重合等の方法にて反応させればよい。
【0040】このようにして得られた被膜形成性共重合
体には、用いられた各モノマー量に対応する量で各成分
単位が含まれている。なお重合方法は、簡便な上記ラジ
カル溶液重合法に限定されず、従来より公知の種々の方
法を採用することができる。また溶媒としては、上記芳
香族(例:キシレン)の他、脂肪族、ケトン、エステ
ル、エーテルなど通常塗料用として汎用されている各種
溶剤から任意に選択することができる。溶媒としては、
特に水分含有量の低い溶媒が好ましく、このような低水
分溶媒を用いると、上記反応時及びその後の加水分解反
応を避けることができるため好ましい。なお、アルコー
ル系溶媒は、初期水分含量が高く、しかもシラノールと
の反応性を有するため、かかる観点からは上記反応時に
用いるのは適当ではない。
【0041】[塩素化パラフィン]塩素化パラフィン
(塩化パラフィン;塩パラ)は、得られる防汚塗料組成
物からなる塗膜(本明細書中では、「防汚塗膜」とも言
う)の耐クラック性の向上に寄与するが、このような塩
素化パラフィンとしては、直鎖状でもよく分岐を有して
いてもよく、室温で液状でも固体(粉体)でもよいが、
その平均炭素数が通常、8〜30、好ましくは10〜2
6のものが好ましく用いられ、その数平均分子量が通
常、200〜1200、好ましくは300〜1100で
あり、粘度が通常1以上(ポイズ/25℃)、好ましく
は1.2以上(ポイズ/25℃)であり、その比重が
1.05〜1.80/25℃、好ましくは1.10〜
1.70/25℃のものが好ましく用いられる。このよ
うな炭素数の塩素化パラフィンを用いると、得られる防
汚塗料組成物を用いて割れ(クラック)、剥がれの少な
い塗膜を形成できる。なお塩素化パラフィンの炭素数
は、クラックの抑制効果および得られる塗膜表面の消耗
性(更新性)と防汚性から8〜30の範囲にあることが
好ましい。また、この塩素化パラフィンの塩素化率(塩
素含有量:重量%)は、通常35〜75%、好ましくは
35〜65%であることが好ましい。このような塩素化
率の塩素化パラフィンを用いると、得られる防汚塗料組
成物を用いて割れ(クラック)、剥がれの少ない塗膜を
形成できる。なお塩素化パラフィンの塩素化率は、被膜
形成性共重合体(シリルエステル共重合体)との混和性
(相溶性)、クラックの抑制効果、得られた塗膜表面の
消耗性および防汚性の点から、35〜75%の範囲にあ
ることが好ましい。このような塩素化パラフィンとして
は、東ソー(株)製の「トヨパラックス150」、「トヨ
パラックスA-70」などが挙げられる。本発明において
は、このような塩素含有率、炭素数などの異なる2種以
上の塩素化パラフィンを適宜組み合わせて用いることが
できる。このように2種以上の塩素化パラフィンを組み
合わせて用いる場合には、上記塩素化パラフィンの炭素
数、塩素化率は、防汚塗料組成物中に含まれるこれらの
塩素化パラフィンの炭素数あるいは塩素化率の平均値で
示す。
【0042】このような塩素化パラフィンは、本発明に
係る防汚塗料組成物においては、上記の被膜形成性共重
合体100重量部に対して、18〜65重量部、好まし
くは20〜55重量部、特に好ましくは20〜50重量
部の量で含まれていることが好ましい。この塩素化パラ
フィンの量が18〜65重量部の範囲にあると、該防汚
塗料組成物にて形成された塗膜に生ずるクラックの抑制
効果に優れかつ塗膜強度および耐ダメージ(衝撃)性に
優れるようになる。
【0043】このような本発明に係る防汚塗料組成物
は、防汚剤と被膜形成性共重合体と塩素化パラフィンと
を含有しているが、この他に亜鉛華、脱水剤、タレ止め
・沈降防止剤、顔料、前述したような溶剤などを含んで
いてもよい。
【0044】防汚剤としては、有機系のものであっても
よく、無機系のものであってもよく、特に限定されない
が具体的には亜酸化銅(Cu2O)、銅粉、チオシアン
化第1銅(ロダン銅)、等の銅または銅化合物の他、下
記式[II]で示される金属−ピリチオンおよびその誘導
体[式中R1〜R4は、それぞれ独立に水素、アルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基を示し、M
は、Zn、Cu、Na、Mg、Ca、Ba、Pb、F
e、Al等の金属を示し、nは価数を示す]:
【0045】
【化4】
【0046】、テトラメチルチウラムジサルファイド、
カーバメート系の毒物(例:ジンクジメチルジチオカー
バメート、マンガン-2-エチレンビスジチオカーバメー
ト)、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリ
ル、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、4,5−
ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オ
ン、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、ピリ
ジントリフェニルボラン・ロダン銅等を挙げることがで
き、好ましくは亜酸化銅が用いられる。亜酸化銅以外の
防汚剤は、亜酸化銅と併用して用いることが好ましく、
この亜酸化銅と併用される防汚剤としては、2-ピリジ
ンチオール-1-オキシド亜鉛塩(ジンクピリチオン)が
好ましい。
【0047】このような防汚剤は1種または2種以上組
み合わせて用いることができる。このような防汚剤は、
防汚塗料組成物調製時に用いられる防汚剤、被膜形成性
共重合体などの種類あるいはこのような防汚塗料組成物
が塗布形成される船舶等の種類(船舶では、外航−内航
用、各種海水域用、木造−鋼鉄船用等)などにもより一
概に決定されないが、上記被膜形成性共重合体100重
量部に対して、防汚剤総量として通常50〜1500重
量部の量で、好ましくは80〜1200重量部の量で用
いられる。
【0048】例えば、防汚剤として上記亜酸化銅を用い
る場合、この亜酸化銅は、上記被膜形成性共重合体10
0重量部に対して通常、80〜1200重量部程度の量
で防汚塗料組成物中に含有されていてもよい。
【0049】亜鉛華が含有された防汚塗料組成物では、
得られる塗膜強度が向上し、塗膜の研掃性を効果的に制
御できるが、このような亜鉛華は、上記被膜形成性共重
合体(ポリマー)100重量部に対して5〜400重量
部の量で配合することが好ましい。
【0050】また脱水剤が含有された防汚塗料組成物で
は、貯蔵安定性を一層向上させることができ、このよう
な脱水剤としては、無水石膏(CaSO4)、合成ゼオ
ライト系吸着剤(商品名:モレキュラーシーブ等)、オ
ルソギ酸メチル、オルソ酢酸メチル等のオルソエステル
類、オルソほう酸エステル、シリケート類やイソシアネ
ート類(商品名:アディティブTI)等が挙げられ、無
水石膏、モレキュラーシーブが好ましく、特にモレキュ
ラーシーブが好ましく用いられる。このような脱水剤
は、1種または2種以上組み合わせて用いることができ
る。なお、無水石膏よりもモレキュラーシーブが特に好
ましく用いられるのは、下記の理由による。すなわち、
無水石膏が含有された防汚塗料組成物を塗布すると、塗
布後のスウェットや降雨の際には、水溶性の水和した石
膏が塗膜表面に析出し、塗膜の白化原因となることがあ
り、またこの防汚塗膜の表面にさらに上塗りを行なう場
合には、上塗り性への影響が生ずる傾向があるため、こ
れらを回避するには、モレキュラーシーブを用いること
が特に好ましい。
【0051】なお、このような脱水剤との関係で、前記
特開平7-18216号公報記載の塗料組成物と対比し
つつ本願発明についてさらに詳説すると、本願発明の防
汚塗料組成物には、前記皮膜形成性共重合体として比較
的低分子量のものが含有されているために、上記脱水剤
が配合されていない防汚塗料組成物においてもある程
度、貯蔵中の増粘ゲル化は抑制される。また、もし該防
汚塗料組成物の長期貯蔵中に多少増粘し、ゲル化する傾
向が認められたとしても、適宜選択された溶剤を用いて
該防汚塗料組成物を希釈して船底等に塗布できれば、形
成された塗膜は消耗性(自己研磨性)を有しており、良
好な防汚性が認められる。このように増粘ゲル化してい
るような防汚塗料組成物を塗布形成してなる塗膜であっ
ても、消耗性を有しているのは、主として前述したよう
な量で比較的低分子量の皮膜形成性共重合体と(メタ)
アクリル酸エステル系重合体とが組合わせて用いられて
いるためであろうと思われる。
【0052】これに対して、前記特開平7-18216
号公報記載の塗料組成物では、脱水剤が配合されていな
いと、該塗料組成物の貯蔵中に顕著な増粘ゲル化傾向が
見られ、このように増粘ゲル化した塗料組成物を船底等
に塗布形成してなる塗膜では、消耗性は殆ど認められ
ず、防汚性に劣る。
【0053】タレ止め・沈降防止剤としては、有機粘土
などのような防汚塗料組成物の貯蔵安定性を害するもの
以外は、任意量で配合されていてもよい。このようなタ
レ止め・沈降防止剤としては、Al、Ca、Znのステ
アレート塩、レシチン塩、アルキルスルホン酸塩などの
塩類、ポリエチレンワックス、アミドワックス、水添ヒ
マシ油ワックス系,ポリアミドワックス系および両者の
混合物、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワックス
等が挙げられ、好ましくは水添ヒマシ油ワックス、ポリ
アミドワックス、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系
ワックスが用いられる。このようなタレ止め・沈降防止
剤としては、楠本化成(株)製の「ディスパロン30
5」、「ディスパロン4200-20」等の商品名で上市されて
いるものが挙げられる。
【0054】顔料としては、後述するような鱗片状顔料
(例:雲母粉)の他、従来公知の有機系、無機系の各種
顔料(例:チタン白、ベンガラ)を用いることができ
る。なお、染料等の各種着色剤も含まれていてもよい。
【0055】溶剤としては、例えば、脂肪族系、芳香族
系(例:キシレン、トルエン等)、ケトン系、エステル
系、エーテル系など通常、防汚塗料に配合されるような
各種溶剤が用いられる。
【0056】[防汚塗料組成物の製造]このような防汚
塗料組成物は、従来より公知の方法を適宜利用すること
により製造することができ、例えば、上記被膜形成性共
重合体と、該被膜形成性共重合体100重量部に対して
18〜65重量部の量の塩素化パラフィンと、上記被膜
形成性共重合体100重量部に対して、50〜1500
重量部の量の防汚剤(例:亜酸化銅80〜1200重量
部)と、5〜400重量部の量で必要により用いられる
亜鉛華と、任意量の脱水剤(例:無水石膏、モレキュラ
ーシーブ)、タレ止め・沈降防止剤、顔料、溶剤などと
を一度にあるいは任意の順序で加えて攪拌・混合・分散
すればよい。
【0057】この防汚塗料組成物は、1液性で貯蔵安定
性に優れ、しかも、例えば、船底に塗布形成されたこの
防汚塗料組成物からなる塗膜(防汚塗膜)が没水して
も、防汚塗膜のクラックは抑制される。また、該防汚塗
料組成物がプライマー表面に塗布される場合、塗布され
たプライマー表面からの防汚塗膜の剥離は抑制される。
また、本発明の防汚塗料組成物を含む各種防汚塗料によ
る船底等の塗装を複数回行ない、あるいは本発明の防汚
塗料組成物を用いて、既に本発明の防汚塗膜が形成され
ている船底等の表面に修繕塗装等を行う場合において
は、前回塗布形成された防汚塗膜表面からの本発明の表
面防汚塗膜の剥離は抑制される。しかも、このようにプ
ライマー表面にあるいは修繕すべき船底等の表面に塗布
形成された本発明の防汚塗膜では、その消耗制御が可能
であり、用いられる環境に応じて必要な消耗度と防汚力
(性)を提供することができる。従って、この防汚塗料
組成物では、用途に応じて形成すべき防汚塗膜の膜厚を
最大限低減化することができるため、経済的にも優れて
いる。
【0058】本発明に係る防汚塗料組成物には、上記防
汚剤と上記被膜形成性共重合体と上記塩素化パラフィン
とに加えて、この被膜形成性共重合体と相溶可能な数平
均分子量が1000〜100000(10万)の(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体[(メタ)アクリル酸
シリルエステル以外の(メタ)アクリル酸系エステルの
単独重合体または共重合体]が含有されていてもよい。
【0059】本発明の防汚塗料組成物においては、上記
防汚剤と上記被膜形成性共重合体と上記塩素化パラフィ
ンとに加えて、この被膜形成性共重合体と相溶可能な
(メタ)アクリル酸エステル系重合体が配合されている
と、一層、得られる塗膜の耐クラック性を改善すること
ができ、塗膜の海水消耗速度と防汚性能の持続性を好適
な範囲に調整することができ、また既存の防汚塗膜の上
に本発明の防汚塗料組成物を上塗りする場合には得られ
る塗膜の接着性を一層改善する効果を発揮することがで
きるという利点があり、また、上記塩素化パラフィンの
配合量を低減しても、得られる塗膜の耐クラック性を改
善することができるという利点がある。
【0060】このような被膜形成性共重合体と相溶可能
な(メタ)アクリル酸エステル系重合体としては、前記
被膜形成性共重合体調製用として用いられる(メタ)ア
クリル酸シリルエステル以外の(メタ)アクリル酸系エ
ステルの単独重合体または共重合体が挙げられ、(メ
タ)アクリル酸エステルの単独重合体、少なくとも2種
以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、(メ
タ)アクリル酸エステル・スチレン系共重合体などが挙
げられる。このような(メタ)アクリル酸エステル系重
合体は、1種または2種以上組み合わせて用いることが
できる。
【0061】これらの(メタ)アクリル酸エステル系重
合体は、被膜形成性共重合体と相溶可能である限り、例
えば鎖状であっても分岐状であってもよく、また架橋構
造を有していてもよい。
【0062】ここで、被膜形成性共重合体と「相溶可
能」な(メタ)アクリル酸エステル系重合体とは、被膜
形成性共重合体(トリアルキルシリル(メタ)アクリレ
ート共重合体ともいう)濃度30重量%のキシレン溶液
と、(メタ)アクリル酸エステル系重合体濃度30重量
%のキシレン溶液とを、1:1の容量比で25℃におい
て混合したとき、透明な均一溶液となるか、または2液
分液層を形成することなく乳白色の均一溶液を形成する
ような(メタ)アクリル酸エステル系重合体をいう。
【0063】なお、(メタ)アクリル酸エステル系重合
体の数平均分子量が上記のような範囲内にあると、クラ
ックの抑制と、消耗度の調整を効果的に行うことができ
る上に、静置防汚性にも優れた防汚塗膜を形成できる傾
向がある。また(メタ)アクリル酸エステル系重合体の
数平均分子量が、上記範囲を超えて大きくなると得られ
る防汚塗膜のクラックの抑制効果は大きく、消耗度の低
減効果も大きいが、静置防汚性は低下する傾向があり、
また上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体の分子量
が上記範囲を超えて小さくなると、得られる防汚塗膜の
防汚性を高く維持できても、クラックの抑制効果は低減
する傾向がある。
【0064】このような(メタ)アクリル酸エステル系
重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブ
チル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル等の
(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体あるいはこれ
らのモノマーの共重合体、スチレン(ST)等の芳香族ビニ
ル化合物、酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン、プロピ
レン、ブタジエン、ビニルエーテル化合物などの各種モ
ノマーと(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの共重
合体を挙げることができる。
【0065】このような(メタ)アクリル酸エステル系
重合体として、具体的には、例えば、 :メタアクリル酸メチル(MMA)とメタアクリル酸ブチ
ル(BMA)との共重合体であって、その共重合比(各成分
の重量比で示す。以下同様)(MMA/BMA)が30〜70
/70〜30(全成分合計100重量部)であり、数平
均分子量が1000〜10万、好ましくは1000〜5
万のもの、 :メタアクリル酸イソブチル(i-BMA)とメタアクリル
酸t−ブチル(t-BMA)とスチレン(ST)とメタアクリル酸
ステアリル(SLMA)との共重合体であって、その共重合比
(i-BMA/t-BMA/ST/SLMA)が10〜40/10〜40
/20〜60/5〜20(全成分合計100重量部)で
あり、数平均分子量が1000〜10万、好ましくは1
000〜8万程度のもの、 :メタアクリル酸メチル(MMA)の単独重合体であっ
て、数平均分子量が1000〜10万、好ましくは10
00〜2万程度のもの、 :メタアクリル酸エチル(EMA)の単独重合体であっ
て、数平均分子量が1000〜10万、好ましくは10
00〜2万程度のもの、 :メタアクリル酸メチル(MMA)とアクリル酸ブチル
(BA)の共重合体であって、その共重合比(MMA/BA)
が99〜50/1〜50(全成分合計100重量部)で
あり、数平均分子量が1000〜10万、好ましくは1
000〜5万程度のもの、 :メタアクリル酸エチル(EMA)とアクリル酸ブチル
(BA)の共重合体であって、その共重合比(EMA/BA)
が100〜70/0〜30(全成分合計100重量部)
であり、数平均分子量が1000〜10万、好ましくは
1000〜3万程度のもの、 などを挙げることができる。
【0066】このような(メタ)アクリル酸エステル系
重合体のうちでは、好ましくは疎水性のアクリル系ポリ
マー[(メタ)アクリル酸エステル含量が50重量%を
超え、スチレン含量が50重量%未満のもの]、または
スチレン系ポリマー[スチレン含量が50重量%以上の
もの]が用いられ、付番、の(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合体が特に好ましく用いられる。
【0067】このような(メタ)アクリル酸エステル系
重合体のガラス転移温度(Tg)は0℃以上であること
が好ましく、特に20〜105℃であることが好まし
い。なお、ガラス転移温度(Tg)の低い(メタ)アク
リル酸エステル系重合体(例:アクリル酸ブチル(BA)ホ
モポリマー)では、得られる防汚塗膜におけるクラック
の抑制効果が低くなることがある。
【0068】なお、このような(メタ)アクリル酸エス
テル系重合体は、塩素化パラフィンが含有されない被膜
形成性共重合体含有防汚塗料組成物では、該被膜形成性
共重合体100重量部に対して通常10〜200重量部
の量で用いられるが、この塩素化パラフィンが含有され
る防汚塗料組成物ではさらに低減可能であり、該被膜形
成性共重合体100重量部に対して5〜200重量部の
量で用いることができる。
【0069】すなわち、このような防汚塗料組成物で
は、防汚剤は、前記被膜形成性共重合体100重量部に
対して、通常100〜2000重量部、好ましくは15
0〜1500重量部の量で含有され、上記(メタ)アク
リル酸エステル系重合体は、5〜200重量部、好まし
くは10〜200重量部、特に好ましくは15〜160
重量部の量で含有され、上記塩素化パラフィンは通常5
〜150重量部、好ましくは8〜100重量部の量で含
有されていることが望ましい。この塩素化パラフィン含
量が5〜150重量部の量で含有されていると、得られ
る防汚塗膜の耐クラック性および機械的強度が優れるよ
うになる。
【0070】なお、このような(メタ)アクリル酸エス
テル系重合体中には、前記被膜形成性共重合体の場合と
同様、カルボン酸残基が存在していると、得られる防汚
塗料組成物の貯蔵安定性を著しく低下させるため、該
(メタ)アクリル酸エステル系重合体中には、カルボン
酸残基が存在しないことが望ましく、ポリマーの酸価
(AV値)は通常15以下、さらに好ましくは10以
下、特に好ましくは5以下となるように、カルボン酸残
基を有しないモノマーを用いることが好ましい。特に、
亜鉛華が含有された防汚塗料組成物では、(メタ)アク
リル酸エステル系重合体の酸価がゼロを超え大きくなる
に連れて、得られる防汚塗料組成物は貯蔵安定性に劣
り、増粘、ゲル化が生ずる傾向がある。この傾向は、ジ
ンクピリチオン(ZPT)が含有された防汚塗料組成物
では特に顕著である。
【0071】この防汚塗料組成物では、例えば、船底に
塗布形成されたこの防汚塗料組成物からなる塗膜(防汚
塗膜)が没水しても、防汚塗膜のクラックは抑制され、
消耗制御は可能であり、用いられる環境に応じて必要な
消耗度と防汚性能を提供することができる。従って、こ
のように(メタ)アクリル酸エステル系重合体が含有さ
れている防汚塗料組成物では、用途に応じて防汚塗膜の
膜厚を最大限低減化することができるために、経済的に
も優れている。
【0072】本発明に係る防汚塗料組成物には、上記防
汚剤と上記の被膜形成性共重合体と上記の塩素化パラフ
ィンとに加えて、下記のような鱗片状顔料とが含有され
ていてもよい。
【0073】鱗片状顔料としては、雲母粉、鱗片状のア
ルミ粉、銅粉、亜鉛末あるいはパール顔料などが挙げら
れ、雲母粉が好ましく用いられる。このような雲母粉の
原石として、さらに具体的には、シロウンモ、ベニウン
モ、ソーダウンモ、セリサイト、バナジンウンモ、イラ
イトなどのシロウンモ系列、クロウンモ、キンウンモ、
テツウンモ、チンワルドウンモなどのクロウンモ系列の
他、カイリョク石、セラドン石などが挙げられるが、一
般的には、シロウンモの粉砕物が用いられる。
【0074】このような鱗片状顔料の平均粒径、アスペ
クト比などは通常特に限定されないが、好ましくは、そ
の平均粒径が0.1〜200μmであり、アスペクト比
が(粒子の長辺/短辺の比)10以上であることが望ま
しい。
【0075】このような防汚塗料組成物では、防汚剤
は、前記被膜形成性共重合体100重量部に対して、通
常100〜800重量部、好ましくは200〜600重
量部の量で含有され、上記塩素化パラフィンは通常5〜
65重量部、好ましくは8〜55重量部の量で含有さ
れ、上記鱗片状顔料は通常1〜150重量部、好ましく
は5〜150重量部、さらに好ましくは5〜100重量
部、特に好ましくは5〜90重量部の量で含有されてい
ることが好ましい。鱗片状顔料が1〜150重量部の範
囲にあると、前述の添加効果ならびに防汚効果に優れる
ようになる。
【0076】このような鱗片状顔料が含有された防汚塗
料組成物では、前記効果に加えて、特に耐クラック性に
優れた防汚塗膜を形成することができる。なお、一般的
に、鱗片状顔料を防汚塗料組成物などに配合すれば、得
られる塗膜の耐クラック性の向上には効果的であると考
えられる。しかしながら、従来の防汚塗料では、生理活
性を有しない鱗片状顔料が配合された場合には、得られ
る防汚塗膜からの防汚剤の溶出は妨げられ、防汚効力
は、大幅に低下してしまうとの問題点があった。ところ
が、本発明のような自己研磨性(消耗性)に優れたシリ
ルエステル系防汚塗料組成物(AF)から形成される防
汚塗膜では、海水中における表面更新性に優れており、
塗膜表面に鱗片状顔料が存在していても充分な塗膜の更
新性を有する上、もともと防汚活性も極めて高いレベル
にあるため、防汚剤の過度の溶出を制御し適切な範囲に
保持(制御)しつつ、しかも、没水後のクラックの発生
をさらに効率的に抑制することができる。
【0077】なお、被膜形成性共重合体として(メタ)
アクリル酸トリブチルシリルエステル[TBS(M)A]と
(メタ)アクリル酸メチル[M(M)A]との共重合体を含
有する防汚塗料組成物からなる防汚塗膜を例に採って、
さらに具体的に説明すると、海水中では、水酸イオン
(OH-)等の影響を受けて、該被膜形成性共重合体中
のトリブチルシロキシ基(Bu3SiO−)が該共重合
体主鎖に結合しているカルボニル基(−CO−)から切
れて、トリブチルシラノール(Bu3SiOH)となっ
て海水中に溶解して行く。一方、主鎖を構成していたポ
リマーもカルボン酸塩の構造(−COO-)で、海水中
に脱落・溶解していくため防汚塗膜の海水との接面(防
汚塗膜表面)は、次々と更新されるものと考えられる。
このため、防汚塗膜中に含有されていた防汚剤は、速や
かに防汚塗膜表面から放出される。ところが、上記のよ
うに鱗片状顔料が塗料中に含まれていると、海水と、防
汚剤および被膜形成性共重合体との接触は抑制されるた
め、本発明では、上記のような効果が得られるのであろ
うと思われる。
【0078】本発明に係る防汚塗料組成物には、上記防
汚剤と上記の被膜形成性共重合体と塩素化パラフィンと
に加えて、上記の(メタ)アクリル酸エステル系重合体
と鱗片状顔料とが含有されていてもよい。
【0079】このような防汚塗料組成物では、防汚剤
は、前記被膜形成性共重合体100重量部に対して、通
常100〜2000重量部、好ましくは150〜150
0重量部の量で含有され、上記塩素化パラフィンは、通
常3〜200重量部、好ましくは5〜100重量部、さ
らに好ましくは10〜100重量部の量で含有され、上
記(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、通常1〜2
00重量部、好ましくは5〜100重量部、さらに好ま
しくは10〜100重量部の量で含有され、上記鱗片状
顔料は通常0.5〜400重量部、好ましくは1〜20
0重量部、さらに好ましくは5〜150重量部の量で含
有されていることが望ましい。
【0080】上記のような防汚塗料組成物を水中構造物
(例:原子力発電所の給排水口)の表面に、あるいは、
湾岸道路、海底トンネル、港湾設備、運河・水路等のよ
うな各種海洋土木設備の工事用の汚泥拡散防止膜の表面
に、あるいは、船舶、漁具(例:ロープ、漁網)などの
各種成形体の表面に常法に従って1回〜複数回塗布すれ
ば、耐クラック性、防汚性に優れた防汚塗膜被覆船体ま
たは水中構造物などが得られる。なお、この本発明に係
る防汚塗料組成物は、直接上記船体または水中構造物等
の表面に塗布してもよく、また予め防錆剤、プライマー
などの下地材が塗布された船体または水中構造物等の表
面に塗布してもよい。さらには、既に従来の防汚塗料に
よる塗装が行われ、あるいは本発明発明の防汚塗料組成
物による塗装が行われている船体、水中構造物等の表面
に、補修用として本発明の防汚塗料組成物を上塗りして
もよい。このようにして船体、水中構造物等の表面に形
成された防汚塗膜の厚さは特に限定されないが、例え
ば、30〜150μm/回程度である。
【0081】
【発明の効果】このような本発明に係る防汚塗料組成物
は、耐クラック性、耐剥離性などの物性に優れ、防汚性
に優れ、自己研磨性(消耗性)に優れた防汚塗膜を形成
でき、しかも貯蔵安定性に優れている。
【0082】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限
されるものではない。なお、以下の実施例、比較例等に
おいて、「部」は「重量部」の意味である。また、表中
の各成分量例えば、共重合体成分量、塩素化パラフィン
(塩ハ゜ラ)量、着色顔料、亜酸化銅、亜鉛華などの量、
あるいは溶媒(例:キシレン)量などは、特に断らない限り
いずれも「重量部」表示で示す。 [ポリマーの製造例] (共重合体S−1の製造) 攪拌機、コンデンサー、温度
計、滴下装置、加熱・冷却ジャケットを備えた反応容器
にキシレン100部を仕込み窒素気流下で90℃の温度
条件に加熱攪拌を行った。
【0083】同温度を保持しつつ滴下装置より、上記反
応器内にトリブチルシリルメタクリレート40部、メチ
ルメタクリレート60部および重合開始剤の2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル1.2部の混合物を4時間
かけて滴下した。
【0084】その後同温度で4時間攪拌を続けて無色透
明の共重合体溶液S−1を得た。得られた共重合体溶液
S−1を105℃で3時間加熱した後の加熱残分は4
9.9重量%であり、GPCによる残存モノマーの定量
結果より各モノマーの95重量%以上は、共重合体中に
組み込まれ、反応中の重合率変化は各モノマーでほぼ等
しく、これらのモノマーから誘導される各成分単位はほ
ぼそれぞれ用いられたモノマー量比で、ランダムに配列
しているものと考えられる。
【0085】またこの共重合体溶液S−1中の共重合体
(加熱残分)S−1のガラス転移温度(Tg)は51℃
であり、共重合体溶液S−1の25℃における粘度は2
95cpsであり、GPC測定による数平均分子量(M
n)は11200であり、重量平均分子量(Mw)は2
1200であった。(共重合体S−2〜共重合体S−6の製造) 上記共重合
体S−1の製造の際に、滴下配合成分を表1に示すよう
に変えた以外は、上記と同様にして共重合体S−2、共
重合体S−3、共重合体S−4、共重合体S−5および
共重合体S−6を得て、上記と同様にこれらの共重合体
(溶液)の物性値を測定した。
【0086】結果を併せて表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】防汚塗料組成物を構成する際に用いられる
相溶性(メタ)アクリル酸エステル系重合体成分(溶
液)の種類と物性値[加熱残分(重量%/重合体溶液)
および該重合体成分中に含有される相溶性(メタ)アク
リル酸エステル系重合体の粘度(ガードナー/25
℃)、分子量(Mn:GPC測定による)、酸価(A
V)、ガラス転移温度(Tg℃)]を測定した。
【0089】結果を表2に示す。
【0090】
【表2】
【0091】
【実施例1〜33、比較例1〜5】[防汚塗料組成物の製造例] 表3〜表10に示す配合組
成の各防汚塗料組成物を製造した(各成分量は重量部表
示)。
【0092】表3〜表10に示す配合組成の防汚塗料組
成物を製造するに際しては、ガラスビーズを入れたペイ
ントシェーカー内でこれらの配合成分を一緒にして2時
間振とうした後、室温で12時間熟成を行った。次いで
100メッシュのフィルターにて濾過して、所望の防汚
塗料組成物を得た。
【0093】該防汚塗料組成物についてストーマー粘度
計で測定した製造直後の粘度(Ku値/25℃)、およ
び常温で1カ月貯蔵後の粘度を表11および表12に併
せて示す。[防汚性、消耗度、物性の評価] 広島湾の海水中に設置
した回転ドラムの側面に取付け可能なように曲げ加工が
施された70×200×3mmのサンドブラスト板を用
意した。このサンドブラスト板に、エポキシ系ジンクリ
ッチプライマー(乾燥塗膜中の亜鉛末含有率80重量
%)、タールエポキシ系防食塗料、ビニル系バインダー
コートをそれぞれの乾燥膜厚が20μm、150μm、
50μmとなるように順次重ねて塗装した後、供試防汚
塗料組成物をその乾燥後の膜厚が200μmとなるよう
に塗装し、試験板を得た。
【0094】回転ドラムにこの試験板を取り付けて周速
15ノット、50%稼働条件(夜間12時間稼働、昼間
12時間停止の交互運転)にて12カ月間船舶の運航を
シュミレートした後、防汚性(動的防汚性,試験板への
各種水棲生物の付着面積%)、消耗度μ(膜厚減少)、
物性の評価を行った。
【0095】結果を表11および表12に示す。なお、
表中の成分名称等は以下の通りである。 「トヨパラックス150」東ソー(株)製の塩素化パラ
フィン、平均炭素数:14.5、塩素含有率(量) 5
0%、粘度:12ポイズ/25℃、比重:1.25/2
5℃。 「トヨパラックスA-40」東ソー(株)製の塩素化パラ
フィン、平均炭素数:24.5、塩素含有率(量) 4
0.5%、粘度:18.5ポイズ/25℃、比重:1.
16/25℃。 「トヨパラックス 270」東ソー(株)製の塩素化パラ
フィン、平均炭素数:12、塩素含有率(量)70%、
粘度:4ポイズ/80℃、比重:1.50/80℃。 「トヨパラックスA-70」東ソー(株)製の塩素化パラ
フィン、平均炭素数:24.5、塩素含有率(量) 7
0%、白色粉体、比重:1.65/25℃。 「モレキュラーシーブ4A」脱水剤、ユニオン昭和
(株)製、合成ゼオライトパウダー。 「ディスパロン305」楠本化成(株)製の水添ヒマシ
油系タレ止め剤。 「ディスパロン4200-20」楠本化成(株)製の酸化ポ
リエチレン系沈降防止剤、20%キシレンペースト。 「マイカ白玉」:(有)(脇元雲母)製の鱗片状顔
料、平均粒径:15μm、アスペクト比:40。
【0096】表中、「塩素化パラフィン(重量%)(対
共重合体)」、「Cu2O(重量%)(対共重合体、す
なわち対被膜形成性共重合体、以下同じ)」、「ZnO
(重量%)(対共重合体)」等の算出方法は、以下のと
おりである。
【0097】例えば「防汚塗料組成物P−1」では、
「塩ハ゜ラ(塩素化パラフィン)含有量(重量%)(対共
重合体)」=30.8は、以下のようにして求められ
る。すなわち、「防汚塗料組成物P−1」中には、塩素
化パラフィンは4重量部の量で配合され、また「共重合
体成分(溶液)S−1」は26重量部の量で配合されて
おり、この「共重合体成分(溶液)S−1」26重量部
中には、加熱残分(共重合体S−1)が49.9重量%
の量で含有されている。従って、「防汚塗料組成物P−
1」では、「塩素化パラフィン(重量%)(対共重合
体)」=[4/{26×49.9/100}]×100
%=30.8(重量%)となる。
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】
【表5】
【0101】
【表6】
【0102】
【表7】
【0103】
【表8】
【0104】
【表9】
【0105】
【表10】
【0106】
【表11】
【0107】
【表12】
【0108】[物性評価基準]表11および表12中の
物性評価基準を、表13に示す。
【0109】
【表13】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪 井 誠 広島県大竹市明治新開1番地の7 中国塗 料株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】防汚剤と、 重合性不飽和カルボン酸のトリアルキルシリルエステル
    から誘導される成分単位を20〜65重量%の量で有し
    数平均分子量が1000〜50000の被膜形成性共重
    合体と、 塩素化パラフィンとを含んでなり、塩素化パラフィンが
    該被膜形成性共重合体100重量部に対して18〜65
    重量部の量で含有されていることを特徴とする防汚塗料
    組成物。
  2. 【請求項2】上記塩素化パラフィンが、該被膜形成性共
    重合体100重量部に対して20〜55重量部の量で含
    有されていることを特徴とする請求項1に記載の防汚塗
    料組成物。
  3. 【請求項3】上記トリアルキルシリルエステルの珪素原
    子に結合している3つのアルキル基のうちの少なくとも
    1つが炭素数3以上のものであることを特徴とする請求
    項1または2に記載の防汚塗料組成物。
  4. 【請求項4】上記トリアルキルシリルエステルがトリブ
    チルシリル(メタ)アクリレートであることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の防汚塗料組成物。
  5. 【請求項5】上記塩素化パラフィンの平均炭素数が8〜
    30であり、塩素含有率が35〜75%であることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防汚塗料組成
    物。
  6. 【請求項6】防汚剤と、 上記の被膜形成性共重合体と、 該共重合体と相溶可能な数平均分子量が1000〜10
    0000の(メタ)アクリル酸エステル系重合体と、 塩素化パラフィンとを含んでなり、 上記被膜形成性共重合体100重量部に対して、 上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体が5〜200
    重量部の量で含有され、 上記塩素化パラフィンが5〜150重量部の量で含有さ
    れていることを特徴とする防汚塗料組成物。
  7. 【請求項7】上記相溶可能な(メタ)アクリル酸エステ
    ル系重合体が、疎水性の(メタ)アクリル酸エステルの
    単独重合体、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの
    共重合体および(メタ)アクリル酸エステル・スチレン
    系共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種の
    (メタ)アクリル酸エステル系重合体である請求項6に
    記載の防汚塗料組成物。
  8. 【請求項8】上記相溶可能な(メタ)アクリル酸エステ
    ル系重合体のガラス転移温度(Tg)が0℃以上である
    請求項6または7に記載の防汚塗料組成物。
  9. 【請求項9】防汚剤と上記被膜形成性共重合体と塩素化
    パラフィンと鱗片状顔料とを含んでなり、 上記被膜形成性共重合体100重量部に対して、 上記塩素化パラフィンが5〜65重量部の量で含有さ
    れ、 上記鱗片状顔料が5〜150重量部の量で含有されてい
    ることを特徴とする防汚塗料組成物。
  10. 【請求項10】上記鱗片状顔料の平均粒径が0.1〜2
    00μmであり、アスペクト比(粒子の長辺/短辺の
    比)が10以上であることを特徴とする請求項9に記載
    の防汚塗料組成物。
  11. 【請求項11】上記鱗片状顔料が雲母粉であることを特
    徴とする請求項9または10に記載の防汚塗料組成物。
  12. 【請求項12】防汚剤と上記の被膜形成性共重合体と上
    記の相溶可能な(メタ)アクリル酸エステル系重合体と
    塩素化パラフィンと鱗片状顔料とを含んでなり、 上記被膜形成性共重合体100重量部に対して、 上記相溶可能な(メタ)アクリル酸エステル系重合体が
    1〜200重量部の量で含有され、 上記塩素化パラフィンが3〜200重量部の量で含有さ
    れ、 上記鱗片状顔料が0.5〜400重量部の量で含有され
    ていることを特徴とする防汚塗料組成物。
  13. 【請求項13】防汚剤が銅または銅化合物であることを
    特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の防汚塗料
    組成物。
  14. 【請求項14】防汚剤が銅または銅化合物であり、さら
    に亜鉛華を含有する請求項1〜12のいずれかに記載の
    防汚塗料組成物。
  15. 【請求項15】請求項1〜14のいずれかに記載の防汚
    塗料組成物から形成されている塗膜。
  16. 【請求項16】請求項1〜14のいずれかに記載の防汚
    塗料組成物を用いることを特徴とする船体または水中構
    造物の防汚方法。
  17. 【請求項17】請求項1〜14のいずれかに記載の防汚
    塗料組成物からなる塗膜にて船体または水中構造物の表
    面が被覆されていることを特徴とする船体または水中構
    造物。
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