JPH094532A

JPH094532A - フューエルガス放出装置

Info

Publication number: JPH094532A
Application number: JP15632495A
Authority: JP
Inventors: Jun Kawaguchi; 口潤川
Original assignee: Aisin Seiki Co Ltd
Current assignee: Aisin Corp
Priority date: 1995-06-22
Filing date: 1995-06-22
Publication date: 1997-01-07

Abstract

(57)【要約】【目的】シール性の低下を防止すると共に、簡素な構
造で低コストな構成のフューエルガス放出装置の提供を
目的とする。【構成】燃料タンク１２の頂面に位置しキャニスタに
通じるフューエルガス逃出管２１と、燃料タンク内の液
面の上昇により逃出管を遮断するフロート弁２３と、フ
ロート弁の下面に位置するリテーナ２４と、リテーナを
フロート弁の下面に向けて付勢する第１付勢手段２５
と、燃料供給時にリテーナを開弁方向に移動させる移動
手段２８、２９、３０、３１とを備えたことを特徴とす
るフューエルガス放出装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上利用分野】自動車燃料として使用されるガソリ
ンの一部が気化して生じたフューエルガスは、燃料補給
時にそのまま大気に放出すると大気を汚染する原因とな
る。このため、フューエルガスを一時的に車両内に蓄え
るキャニスタが装備されており、フューエルガスは最終
的にはエンジンに供給されて燃焼する。

【０００２】本発明は燃料タンク内の排出弁を常に閉弁
し、燃料補給時のみその排出弁を機械的に関連の下に開
弁して、燃料タンク内のフューエルガスを逃出管を介し
てキャニスタに逃げ出させるようにするフューエルガス
放出装置に関するものである。

【０００３】

【従来の技術】従来のこの種の技術としては、実公平６
−１１２１１号公報に開示される技術が知られている。
これは、燃料タンクの頂面にキャニスタに通じるフュー
エルガス逃出管とその逃出管を開閉する逃出弁と、燃料
タンクの液面の上昇により前記逃出弁の弁座に通ずる第
２弁座を閉じるフロート弁とを設け、燃料タンクへの燃
料の補給管に燃料補給ガンを挿入すると逃出弁が開くよ
うにしたものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術にお
いては、１つのフューエルガス放出装置に２つの弁が配
設されているため、構造が複雑で部品点数が多く、高コ
ストであった。又、燃料が満タンでないとき、フロート
弁はフリーな状態であるために車の走行時の振動により
フロート弁が動き、フロート弁と第２弁座とが衝突して
弁座部が破損し、シール性が損なわれる問題がある。

【０００５】本発明は、シール性の低下を防止すると共
に、簡素な構造で低コストな構成のフューエルガス放出
装置の提供を技術的課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記した技術的課題を解
決するため請求項１の発明において講じた技術的手段
は、燃料タンクの頂面に位置しキャニスタに通じるフュ
ーエルガス逃出管と、燃料タンク内の液面の上昇により
逃出管を遮断するフロート弁と、フロート弁の下面に位
置するリテーナと、リテーナをフロート弁の下面に向け
て付勢する第１付勢手段と、燃料供給時にリテーナを開
弁方向に移動させる移動手段とを備えたことである。

【０００７】フロート弁が逃出管の遮断をより確実にで
きるようにするため、請求項２の発明において講じた技
術系手段は、フロート弁とリテーナとの間に配設され、
第１付勢手段よりも付勢力が弱く且つフロート弁に浮力
が働いたときのみフロート弁を持ち上げることのできる
第２付勢手段を備えたことである。

【０００８】

【作用】請求項１の発明においては、燃料補給時、移動
手段によってリテーナをフロート弁の開弁方向に移動さ
せると、フロート弁は開弁して逃出管が連通される。こ
れによって、気化しているフューエルガスは、逃出管を
通ってキャニスタに流れ出す。燃料タンク内の燃料が満
タンに近づくと、フロート弁は自らの浮力によって逃出
管を遮断する。これにより、フューエルガスはキャニス
タ側に流れ出さなくなる。燃料補給を終えると、リテー
ナは、第１付勢手段の付勢力によって逃出管を遮断する
方向にフロート弁を移動させる。

【０００９】請求項２の発明においては、燃料補給時に
燃料タンクの燃料が満タンに近づいてきて、フロート弁
が逃出弁を遮断するとき、フロート弁は自らの浮力と第
２付勢手段の付勢力によって逃出管を遮断できる。

【００１０】

【実施例】本発明に係る一実施例について説明する。

【００１１】図１は本実施例のフューエルガス放出装置
を採用した燃料タンクの部分断面図、図２は本実施例の
フューエルガス放出装置の正面図、図３は本実施例のフ
ューエルガス放出装置の逃出管を遮断した状態の断面
図、図４は本実施例のフューエルガス放出装置の逃出管
を連通させた状態の断面図である。

【００１２】図において、補給管１０の先端は燃料補給
口１１を構成していて、基端は燃料タンク１２に一体的
に固定されている。燃料タンク１２の頂部には、図２〜
図３に示すフューエルガス放出装置２０がシール部材１
３を介して固定されている。

【００１３】フューエルガス放出装置２０は、逃出管２
１を構成するハウジング２２と、フロート弁２３と、リ
テーナ２４と、第１及び第２付勢手段を構成する第１及
び第２スプリング２５、２６と、底板２７と、移動手段
とから構成されている。逃出管２１は、図示しないキャ
ニスタに接続されている。ハウジング２２の周面には、
フューエルガスが通過可能な孔２２ａ及び底板２７の係
止部２７ａが係止可能な長孔２２ｂが複数個と、シール
部材１３を嵌合するための突出部２２ｃ、２２ｄとが設
けられている。

【００１４】フロート弁２３は、ポリアセタールやポリ
ブチレンテレフレートなどの耐燃料油性を有した材質か
ら成っていて、ハウジング２２の内周面に形成されたリ
ブ２２ｅを図中上下方向に摺動可能となっている。フロ
ート弁２３の上面には、環状弾性体２３ｄが嵌め込まれ
ていて、ハウジング２２の内周面に設けられている弁座
２２ｆにフロート弁２３の上面が当接したときのシール
性が向上されるようになっている。フロート弁２３の下
面には、複数のリブ２３ａを有した支柱２３ｂが設けら
れている。更に、フロート弁２３の下面には、複数の溝
部２３ｃが形成されている。

【００１５】フロート弁２３の下面には、リテーナ２４
が配設されている。このリテーナ２４には、複数の貫通
孔２４ａが形成されている。リテーナ２４の中央部は、
円柱状の凸部２４ｂが形成されていて、上面には第２ス
プリング２６の下端が、下面には第１スプリング２５の
上端が位置決めされている。

【００１６】第１スプリング２５は、第２スプリングよ
りも付勢力が強く設定されている。

【００１７】第２スプリング２６は、フロート弁２３に
浮力が働いていないときにはフロート弁２３を持ち上げ
ることはできず、逆にフロート弁２３に浮力が働くとフ
ロート弁２３を持ち上げることができるように付勢力を
設定しておくとよい。第１スプリング２５の下端は、底
板２７のボス部２７ａに位置決めされている。一方、第
２スプリング２６の上端は、フロート弁２３の支柱２３
ｂのリブ２３ａに位置決めされている。

【００１８】底板２７には、リテーナ２４と同様に複数
の貫通孔２７ｂが形成されている。

【００１９】底板２７の外周には、複数の係止部２７ｃ
が形成されている。底板２７の中央部には、第１スプリ
ング２５の下端を位置決めすると共に、移動手段の一部
材を構成するワイヤー２８が貫通できる孔２７ｄが形成
されている。

【００２０】移動手段は、ワイヤー２８と、レバー２９
と、支持板３０と、揺動板３１とから構成されている。
ワイヤー２８の一端は、リテーナ２４の下面に引っかけ
られ、他端はレバー２９に取り付けられている。レバー
２９は、支持板３０にピン３２にて回動自在に取り付け
られ、更に揺動板３１にも連接棒３３によって取り付け
られている。揺動板３１は、支持板３０にピン３４を中
心に揺動可能に取り付けられている。

【００２１】次に、本実施例の作用について説明する。
燃料補給時、図示しない燃料補給ガンを補給管１０内に
挿入すべく燃料補給口１１を空けて、燃料補給ガンを挿
入すると、燃料補給ガンの先端は揺動板３１を押し揺動
板３１を揺動させる。すると、レバー２９を介してワイ
ヤー２８を引張り、リテーナ２４を図中下動させる。

【００２２】これによって、リテーナ２４は第１スプリ
ング２５の付勢力に抗して可動する。

【００２３】この時、フロート弁２３には浮力が働いて
いないため、第２スプリング２６はフロート弁２３を持
ち上げることができず、リテーナ２４の下動と同時にフ
ロート弁２３も下動する。

【００２４】これによって、燃料タンク１２内で気化し
ているフューエルガスは、逃出管２１を通って図示しな
いキャニスタに流れ出し、燃料タンク１２内の気圧を低
下させることができ、燃料補給ガンより燃料が補給され
る。そして、燃料タンク１２内の燃料が満タンに近づい
てフロート弁２３に浮力が働くと、フロート弁２３は自
らの浮力と第２スプリング２６の付勢力とによって上動
され、フロート弁２３の上面が弁座２２ｆに当接すると
逃出管２１が遮断される。

【００２５】又、燃料補給が終わり、補給管１０より燃
料補給ガンを抜き取ると、揺動板３１及びレバー２９は
初期位置に復帰すると共に、リテーナ２４は第１スプリ
ング２５の付勢力により上動されてフロート弁２３の下
面に当接する。

【００２６】尚、本実施例の移動手段は、燃料補給ガン
を挿入することによってリテーナ２４を下動させるが、
特にこれに限定するものではなく、補給口１１を開く装
置に連動させる構成にしてもなんら問題はない。

【００２７】上述したように本実施例においては、一つ
のバルブ（フロート弁２３）だけで逃出管２１の連通及
び遮断ができるために、構造を簡素にすることができ、
低コストなものである。又、燃料補給時以外は、第１ス
プリング２５の付勢力によってフロート弁２３が逃出管
２１を遮断しているため、車の走行振動によるフロート
弁２３と弁座２２ｆとの衝突が防止できて、シール性の
低下が防止できる。又、燃料補給時に燃料タンク１２の
燃料が満タンに近づいてきて、フロート弁２３が逃出弁
２１を遮断するとき、フロート弁２３は自らの浮力と第
２スプリング２６の付勢力によって逃出管２１を遮断で
きる。

【００２８】

【発明の効果】請求項１の発明においては、一つのバル
ブだけで逃出管の連通及び遮断ができるために、構造を
簡素にすることができ、低コストなものである。又、燃
料補給時以外は、第１付勢手段の付勢力によりフロート
弁が逃出管を遮断しているため、車の走行振動により弁
と弁座とが衝突してシール性が低下するのを防止でき
る。

【００２９】請求項２の発明においては、燃料補給時に
燃料タンクの燃料が満タンに近づいてきて、フロート弁
が逃出弁を遮断するとき、フロート弁は自らの浮力と第
２付勢手段の付勢力によって逃出管を遮断できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例のフューエルガス放出装置を採用した
燃料タンクの部分断面図を示す。

【図２】本実施例のフューエルガス放出装置の正面図を
示す。

【図３】本実施例のフューエルガス放出装置の逃出管を
遮断した状態の断面図を示す。

【図４】本実施例のフューエルガス放出装置の逃出管を
連通させた状態の断面図を示す。

【符号の説明】

１２・・・燃料タンク２０・・・フューエルガス放出装置２１・・・逃出管２２・・・ハウジング２２ｆ・・・弁座２３・・・フロート弁２４・・・リテーナ２５・・・第１スプリング（第１付勢手段）２６・・・第２スプリング（第２付勢手段）２７・・・底板２８・・・ワイヤー（移動手段）２９・・・レバー（移動手段）３０・・・支持板（移動手段）３１・・・揺動板（移動手段）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】燃料タンクの頂面に位置しキャニスタに
通じるフューエルガス逃出管と、前記燃料タンク内の液面の上昇により前記逃出管を遮断
するフロート弁と、該フロート弁の下面に位置するリテーナと、該リテーナを前記フロート弁の下面に向けて付勢する第
１付勢手段と、燃料供給時に前記リテーナを開弁方向に移動させる移動
手段とを備えたことを特徴とするフューエルガス放出装
置。
【請求項２】前記フロート弁と前記リテーナとの間に
配設され、前記第１付勢手段よりも付勢力が弱く且つ前
記フロート弁に浮力が働いたときのみ前記フロート弁を
持ち上げることのできる第２付勢手段を備えたことを特
徴とするフューエルガス放出装置。