JPH0943130A - 磁気ヘッドの摩耗係数推定装置 - Google Patents

磁気ヘッドの摩耗係数推定装置

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JPH0943130A
JPH0943130A JP19635995A JP19635995A JPH0943130A JP H0943130 A JPH0943130 A JP H0943130A JP 19635995 A JP19635995 A JP 19635995A JP 19635995 A JP19635995 A JP 19635995A JP H0943130 A JPH0943130 A JP H0943130A
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康二 谷口
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薫 松岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッドの実際の摩耗量を測定することな
く、容易でかつ短時間に磁気ヘッドと磁気テープの摩耗
特性の評価を行うことができる磁気ヘッドの摩耗係数推
定装置を提供することを目的とする。 【構成】 磁気ヘッド2を具備した回転シリンダ5と、
回転シリンダ5に巻きつけられ走行するテープ3と、磁
気ヘッド2近傍あるいは回転シリンダ5に搭載された圧
電素子1と、圧電素子1の信号を取り出す信号伝達手段
と、圧電素子1の出力電圧の実効値を求める実効値メー
タ13を有し、あらかじめ求めてある圧電素子1の出力
電圧の実効値と、磁気ヘッド2の硬度、磁気ヘッド2に
加えられている垂直力、磁気ヘッド2の摩耗体積および
磁気ヘッド2とテープ3の摺動距離から求められる磁気
ヘッド2の摩耗係数との較正図から磁気ヘッド2の摩耗
係数を求めることを可能とした磁気ヘッドの摩耗係数推
定装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドの摩耗係数
を実際に摩耗量を測定することなく、短時間で推定する
ことのできる磁気ヘッドの摩耗係数推定装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、VTRなどの磁気ヘッドと磁気テ
ープが接触走行することによって、情報の記録・再生を
行う装置においては、高画質化、長時間記録化、小型化
が図られている。例えば高画質化、小型化を実現するた
めに、磁気ヘッドにおいては、従来ヘッドの素材が単結
晶フェライトであったものを磁気ヘッドの磁気ギャップ
に磁性材金属を蒸着することなどにより磁気ヘッドの磁
気特性を向上したり、薄膜化したヘッド素材を張り合わ
せることによって磁気ヘッドの磁気特性を向上する方法
が実施されてきた。一方、磁気テープにおいては、磁気
テープの表面状態を改良することによって磁気ヘッドと
の接触状態を改善したり、磁気テープに塗布されている
磁性材の磁気特性を向上する、例えば、磁性材の素材を
酸化鉄から非酸化鉄のものに変更することによって磁気
特性の向上を図っている。また長時間記録化、小型化を
実現するためには、磁気テープを薄手にするなどの方法
が実施されている。
【0003】しかしながら、これらの取り組みはいずれ
も、磁気ヘッドと磁気テープの摩擦・摩耗の形態を従来
のものと変えることになる。その結果、このような磁気
ヘッド、あるいは磁気テープの開発には、磁気ヘッドと
磁気テープの摩耗特性を短時間で評価できる手法の開発
が必須となってきている。従来磁気ヘッドおよび磁気テ
ープの摩耗特性の評価は、実際に磁気ヘッドと磁気テー
プを一定時間接触走行させ、その後たとえば磁気ヘッド
の形状を測定する方法、また磁気ヘッドの質量を測定す
る方法等によって行われてきた。
【0004】一方、圧電素子の出力信号の較正法として
は、質量が既知の硬球を落下させその衝突エネルギーを
用いて較正する方法、またシャープペンシルの芯を圧折
するときの解放エネルギーを用いて較正する方法などが
行われてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の摩耗
特性の評価方法では、測定精度を十分に保つためには、
長時間の摩耗試験を行う必要があり、また、摩耗形態の
個体差が大きいために数多く評価を行う必要があった。
従って相当量の磁気テープが必要になるなど、評価に多
大なコストがかかるという問題点があった。また従来の
圧電素子の出力信号の較正法では、較正のために新たな
装置が必要なこと、また信号の入力部が磁気ヘッドのよ
うに非常に小さく、機械的強度も小さいものである場
合、非常に困難であるという問題点があった。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であって、容易でかつ短時間に磁気ヘッドと磁気テープ
の摩耗特性の評価を行うことができる磁気ヘッドの摩耗
係数推定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、少なくとも一つの磁気ヘッドを具備した
回転シリンダと、回転シリンダに螺旋状に一定の角度で
巻きつけられ走行するテープと、磁気ヘッド近傍あるい
は回転シリンダに搭載された圧電素子と、圧電素子の信
号を回転シリンダの外部に取り出す信号伝達手段と、圧
電素子の出力電圧の実効値を求める実効値測定手段を有
し、あらかじめ求めてある圧電素子の出力電圧の実効値
と磁気ヘッドの硬度、磁気ヘッドに加えられている垂直
力、磁気ヘッドの摩耗体積および磁気ヘッドとテープの
摺動距離から求められる磁気ヘッドの摩耗係数との相関
図から磁気ヘッドの摩耗係数を求める。
【0008】また本発明は、少なくとも一つの磁気ヘッ
ドを具備した回転シリンダと、回転シリンダに螺旋状に
一定の角度で巻きつけられ走行するテープと、磁気ヘッ
ド近傍あるいは回転シリンダに搭載された圧電素子と、
前記回転シリンダと一体的に回転し、前記回転シリンダ
の回転中心と同心円上に第1のコイルを捲装した軟磁性
材料からなる回転側磁性体と、該回転側磁性体と所定の
空隙を持って対向し、前記第1のコイルと対向する位置
に第2のコイルを捲装配設した軟磁性材料からなる固定
側磁性体と、圧電素子の出力電圧の実効値を求める実効
値測定手段を有し、あらかじめ求めてある圧電素子の出
力電圧の実効値と磁気ヘッドの硬度、磁気ヘッドに加え
られている垂直力、磁気ヘッドの摩耗体積および磁気ヘ
ッドとテープの摺動距離から求められる磁気ヘッドの摩
耗係数との相関図から磁気ヘッドの摩耗係数を求める。
【0009】また本発明は、複数の研磨性の異なったテ
ープを磁気ヘッドと接触走行させ、その時の圧電素子の
信号電圧の実効値と磁気ヘッドの硬度、磁気ヘッドに加
えられている垂直力、磁気ヘッドの摩耗体積および磁気
ヘッドとテープの摺動距離から求められる摩耗係数を用
いて、圧電素子の信号電圧の実効値と磁気ヘッドの摩耗
係数との較正式を求め、磁気ヘッドの摩耗係数を推定す
る。
【0010】また本発明は、同一のテープを複数回繰返
し磁気ヘッドと接触走行させ、その時の圧電素子の信号
電圧の実効値と磁気ヘッドの硬度、磁気ヘッドに加えら
れている垂直力、磁気ヘッドの摩耗体積および磁気ヘッ
ドとテープの摺動距離から求められる摩耗係数を用い
て、圧電素子の信号電圧の実効値と磁気ヘッドの摩耗係
数との較正式を求め、磁気ヘッドの摩耗係数を推定す
る。
【0011】また本発明は、同一のテープを複数の湿度
環境で磁気ヘッドと接触走行させ、その時の圧電素子の
信号電圧の実効値と磁気ヘッドの硬度、磁気ヘッドに加
えられている垂直力、磁気ヘッドの摩耗体積および磁気
ヘッドとテープの摺動距離から求められる摩耗係数を用
いて、圧電素子の信号電圧の実効値と磁気ヘッドの摩耗
係数との較正式を求め、磁気ヘッドの摩耗係数を推定す
る。
【0012】
【作用】本発明の磁気ヘッドの摩耗係数推定装置によっ
て、磁気ヘッドの形状または質量を直接測定することな
く、短時間でかつ容易に磁気ヘッドの摩耗係数を推定す
ることを可能とする。
【0013】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の実施例における磁気ヘッドの
摩耗係数推定装置を図を参照しながら説明する。図1は
本発明の第1の実施例における磁気ヘッドの摩耗係数推
定装置の原理図である。磁気ヘッド2が搭載されたヘッ
ド基台4は、回転シリンダ5に取り付けられている。図
2は圧電素子1取り付け部近傍の詳細図であり、ここで
は図2にしめすように、圧電素子1がヘッド基台4に搭
載されている場合で説明する。圧電素子は、加えられた
圧力を電気信号に変換する素子であり、たとえばAEセ
ンサ(Acoustic emission sensor)などがある。ヘッド
基台4に搭載されている磁気ヘッド2は回転シリンダ5
の外周面5aより、数ミクロンから数十ミクロン突出し
ており、テープ3は回転シリンダ5および固定シリンダ
6に螺旋状に一定の角度、たとえば180度巻き付けら
れている。回転シリンダ5の上面には、スリップリング
支持台7が取り付けられている。またスリップリング支
持台7には少なくとも1つの圧電素子1からの出力を取
り出せるように、2つ以上のチャンネルを有したスリッ
プリング8が取り付けられている。スリップリング8に
は、スリップリング8と同様に2つ以上のチャンネルを
有したブラシ9が圧接されており、回転シリンダ5の回
転時も電気信号を安定して、回転シリンダ5の外部へ伝
達できるようになっている。そして必要に応じて、信号
増幅手段である高帯域アンプ11および周波数制限手段
であるフィルタ12を介して、実効値測定手段である実
効値メータ13が接続されている。そして、たとえば図
3に示すような圧電素子1の出力電圧の実効値と磁気ヘ
ッド2の摩耗係数との相関図をあらかじめ用意してあ
る。以上の構成で、テープ3はキャプスタンシャフト
(図示せず)とピンチローラ(図示せず)の協動によっ
て走行している。そこで磁気ヘッド2を搭載した回転シ
リンダ5が回転軸10の回転に伴い回転することによっ
て磁気ヘッド2とテープ3とが摺動する。この時ヘッド
基台4には圧電素子1が搭載されているので、磁気ヘッ
ド2とテープ3との摺動によって磁気ヘッド2に発生す
る弾性波の大きさに従った電圧が圧電素子1の出力端子
間に生じる。この弾性波は、磁気ヘッド2のテープ3と
の摺動面から摩耗粒子が脱落する際などに生じる。圧電
素子1に生じた電気信号は前記スリップリング8に導か
れる。複数の圧電素子1からの電気信号を取り出す場合
は圧電素子1の個数に2を乗じた数のチャンネルがあれ
ばよい。ただしアース線を共通に使用することも可能で
あるため圧電素子1の個数に1を加えた数のチャンネル
数でも十分である。スリップリング8で取り出された信
号電圧の実効値を実効値メータ13で読みとり、その値
をたとえば図3ような相関図に照らし合わせることによ
って磁気ヘッド2の摩耗係数が推定できる。ただしこの
相関図は、本装置の構成によって異なるので、その装置
に特有のものをあらかじめ求めておく必要がある。なお
本実施例では、圧電素子1をヘッド基台4に搭載する場
合で説明したが、磁気ヘッド2に発生した弾性波が観測
できる範囲であれば、圧電素子1の搭載位置は回転シリ
ンダ5の上面等でもなんら問題はない。また信号伝達手
段としてスリップリング8とブラシ9を使用する方法で
説明したが、回転シリンダ5から外部に信号が伝達可能
であればいかなる手段を用いても良い。また搭載される
磁気ヘッド2については、磁気ヘッド2は、複数搭載さ
れていても装置の機能上問題はない。例えば複数の磁気
ヘッド2が搭載されており、摩耗係数を推定する必要が
ある磁気ヘッド2のみに圧電素子1を搭載することでそ
れぞれの磁気ヘッド2の摩耗を推定することが可能であ
る。実際に映像信号等を記録する回転シリンダには、一
般に複数の磁気ヘッドが搭載されている。それに対し、
特に回転シリンダ5に磁気ヘッド2をただ一つだけ搭載
することで、以下の様な効果を得ることができる。すな
わち、磁気ヘッド2がただ一つであるため、他の磁気ヘ
ッド2とテープ3の摺動による弾性波を圧電素子1が検
出することがない。したがって、磁気ヘッド2の摩耗係
数の推定の精度が向上するという効果がある。
【0014】(実施例2)次に第2の実施例について説
明する。本実施例では、図1のフィルタ12を遮断周波
数1kHz以上の高周波通過型としている。圧電素子1
からの電気信号には本来の信号以外にも、多くのノイズ
信号が含まれており、特にそのノイズ成分は1kHz以
下の低周波域で大きいことから、本発明では、フィルタ
12の遮断周波数1kHz以上の高周波通過型にするこ
とによって、ノイズ成分を十分に減衰させS/Nを向上
させることができる。このような手段によって、装置の
S/Nを向上させ、磁気ヘッド2の摩耗係数推定精度を
向上することができる。
【0015】(実施例3)次に第3の実施例について説
明する。図4は本実施例の磁気ヘッドの摩耗係数推定装
置の原理図である。第1の実施例と同様の構成要素につ
いては、同じ番号を付して説明を省略する。第1の実施
例との相違点は、圧電素子1に生じた電気信号を回転シ
リンダ5の外部に伝達するために、回転シリンダ5と一
体的に回転し、前記回転シリンダ5の回転中心と同軸に
第1のコイルを捲装した軟磁性材料からなる回転側磁性
体14aと、回転側磁性体14aと所定の空隙を持って
対向し、前記第1のコイルと対向する位置に第2のコイ
ルを捲装配設した軟磁性材料からなる固定側磁性体14
bを有していることである。回転側磁性体14aと固定
側磁性体14bは、少なくとも1つの圧電素子からの出
力を伝達できるように、2つ以上のチャンネルを有して
いる。複数の圧電素子からの信号を取り出す場合は圧電
素子の個数に2を乗じた数のチャンネルがあればよい。
ただしアースを共通に使用することも可能であるため圧
電素子の個数に1を加えた数のチャンネル数でも十分で
ある。
【0016】ここで、回転側磁性体14aと固定側磁性
体14bを用いると、以下の様な利点がある。すなわち
第1の実施例での説明で使用したスリップリングとブラ
シのように摺動して信号を伝達することがないので、摺
動ノイズが発生せず信号のS/Nが良好である。また回
転側磁性体14aと固定側磁性体14bのコイルの巻数
比によって、回転側磁性体14aと固定側磁性体14b
に信号の電圧増幅機能をもたせることができる。たとえ
ば回転側磁性体14aと固定側磁性体14bのコイルの
巻線比を一対二に設定すれば回転側磁性体14aと固定
側磁性体14bで2倍の電圧増幅が可能になる。すなわ
ち高帯域アンプ11の増幅率を小さく設定する、あるい
は高帯域アンプ11を用いないことも可能となる。また
回転側磁性体14aと固定側磁性体14bは、その特性
上、低周波域の信号を減衰させる効果があるため、測定
の精度等条件によってはフィルタ12を省略することも
できる。
【0017】(実施例4)次に本発明の磁気ヘッドの摩
耗係数推定装置における、圧電素子較正方法について説
明する。図5は、上記構成の装置を使用して研磨性の異
なるテープ3を走行させたときの実効値メータ13の読
みとり値を縦軸にとり、実際に測定した磁気ヘッド2の
摩耗量から求めた磁気ヘッド2の摩耗係数kとテープ3
が磁気ヘッド2に加える垂直力Nと磁気ヘッド2とテー
プ3との摺動速度vの積kNvの平方根を横軸にとった
グラフである。このように両者は直線関係にあることが
わかる。すなわち両者の関係を式で表すと、
【0018】
【数1】
【0019】のようになる。(数1)でαは、直線の傾
き、βは縦軸の切片である。一度このような装置の較正
を行えば、その後はどのような研磨性のテープ3を走行
させても、その時のテープ3が磁気ヘッド2に加える垂
直力Nとテープ3と磁気ヘッド2の摺動速度vを知るこ
とによって磁気ヘッド2の摩耗係数kが推定できる。こ
こでテープ3が磁気ヘッド2に加える垂直力Nは、歪ゲ
ージ等を利用して測定することができる。また磁気ヘッ
ド2が、較正時と変わっても、その硬度をビッカース硬
度計などで測定し、また磁気ヘッド2における弾性波の
減衰率を超音波などを用いて測定することによって換算
が可能である。
【0020】まず本発明の第4の実施例における磁気ヘ
ッドの摩耗係数推定装置における、圧電素子1の較正方
法について説明する。較正に使用する装置は、実施例1
から3に記載された磁気ヘッドの摩耗係数推定装置を用
いるものとする。上記装置を用いて磁気ヘッド2に研磨
性が異なっている2種類のテープ3を接触走行させる。
この時それぞれの圧電素子1の信号電圧の実効値を実効
値メータ13で読みとっておく。また各テープ3を走行
させたことによる磁気ヘッド2の実際の摩耗量を測定
し、磁気ヘッド2の摩耗係数を計算する。このとき磁気
ヘッド2の摩耗量測定は、摩耗前と摩耗後の磁気ヘッド
形状の変化、また質量の変化等によって測定する。かく
して(数1)において、テープ3が2種類であれば連立
方程式を解くことによってαとβが求めることができ
る。テープ3は3種類以上でもよく、それぞれのデータ
を最もよく満たしているαとβを、グラフ上で近似直線
を引く方法等で求めることができる。できるだけ多くの
研磨性の異なるテープ3を使用することによって、求め
るαとβの精度を向上することができる。もちろん短時
間で較正を行う場合は、2種類の研磨性の異なるテープ
3を使用すればよい。本発明の較正方法は、圧電素子1
の較正用に特別に装置を用意する必要がなく、低コスト
でかつ短時間の圧電素子1の較正が可能となる。
【0021】(実施例5)本発明の第5の実施例におけ
る磁気ヘッドの摩耗係数推定装置における、圧電素子1
の較正方法について説明する。較正に使用する装置は、
実施例1から3に記載された磁気ヘッドの摩耗係数推定
装置を用いるものとする。上記装置を用いて磁気ヘッド
2に同一のテープ3を複数回にわたって接触走行させ
る。本発明では、図6に示すように磁気ヘッド2の摩耗
係数、すなわちテープ3の研磨性が走行を繰り返すに従
って低下していくことを、利用している。この時それぞ
れの走行回数における圧電素子1の信号電圧の実効値を
実効値メータ13で読みとっておく。またそれぞれの走
行回数のテープ3による磁気ヘッド2の実際の摩耗量を
測定し、磁気ヘッド2の摩耗係数を計算する。このとき
磁気ヘッド2の摩耗量測定は、摩耗前と摩耗後の磁気ヘ
ッド形状の変化、また質量の変化等によって測定する。
かくして(数1)において、テープ3の走行回数が2回
であれば連立方程式を解くことによってαとβが求めら
れ、また3回以上であれば、それぞれのデータを最もよ
く満たしているαとβを、グラフ上で近似直線を引く方
法等で求めることができる。できるだけ多くの走行回数
実験を行うことによって、求めるαとβの精度を向上す
ることができる。もちろん短時間で較正を行う場合は、
2回だけテープ3を走行させればよい。また連続した回
数のデータを使用しなくとも、たとえば1回目と5回目
の2つのデータのみを使用することも可能である。本発
明によれば、テープ3は一種類のみでよく少ないコスト
で圧電素子1の較正が可能となる。
【0022】(実施例6)本発明の第6の実施例におけ
る磁気ヘッドの摩耗係数推定装置における、圧電素子1
の較正方法について説明する。較正に使用する装置は、
実施例1から3に記載された磁気ヘッドの摩耗係数推定
装置を用いるものとする。上記装置を用いて磁気ヘッド
2に同一のテープ3を複数の湿度の異なる環境で接触走
行させる。本発明では、図7に示すように磁気ヘッド2
の摩耗係数、すなわちテープ3の研磨性が湿度の増加に
従って上昇していくことを、利用している。この時それ
ぞれの湿度環境における圧電素子1の信号電圧の実効値
を実効値メータ13で読みとっておく。またそれぞれの
湿度環境のテープ3による磁気ヘッド2の実際の摩耗量
を測定し、磁気ヘッド2の摩耗係数を計算する。このと
き磁気ヘッド2の摩耗量測定は、摩耗前と摩耗後の磁気
ヘッド形状の変化、また質量の変化等によって測定す
る。かくして(数1)において、湿度環境が2環境であ
れば連立方程式を解くことによってαとβが求められ、
また3環境以上であれば、それぞれのデータを最もよく
満たしているαとβを、グラフ上で近似直線を引く方法
等で求めることができる。できるだけ多くの湿度環境で
実験を行うことによって、またできるだけ研磨性の差が
大きな湿度環境を選択することによって求めるαとβの
精度を向上することができる。もちろん短時間で較正を
行う場合は、2環境だけでテープ3を走行させればよ
い。本発明によれば、テープ3は一種類のみでよく少な
いコストで圧電素子1の較正が可能となるとともに、同
一のテープ3でも湿度環境を変えることによって、大き
な研磨性の差を作り出すことができ、較正の精度が向上
する。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、テープ表面に圧電素子
を装着した磁気ヘッドを接触走行させ、圧電素子に発生
する信号電圧の実効値を測定し、あらかじめ求めてある
信号電圧の実効値と磁気ヘッドの摩耗係数との較正図に
より前記磁気ヘッドの摩耗係数を推定することができ
る。従って、本発明によれば、長時間の摩耗試験をする
ことなく、また測定も容易な、磁気ヘッドおよびテープ
の開発・改良の一環として適用可能な磁気ヘッドの摩耗
係数推定装置を提供することが可能となる。また本発明
によれば、圧電素子較正用に特別の装置を必要とせず、
低コストで高効率の磁気ヘッドの摩耗係数推定装置を提
供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における磁気ヘッドの摩
耗係数推定装置の原理図
【図2】本発明の第1の実施例における圧電素子取り付
け部周辺の詳細図
【図3】本発明の第1の実施例における圧電素子信号電
圧の実効値と摩耗係数の較正図
【図4】本発明の第2の実施例における磁気ヘッドの摩
耗係数推定装置の原理図
【図5】圧電素子の実効値と磁気ヘッドの摩耗係数k、
テープが磁気ヘッドに加える垂直力Nおよび磁気ヘッド
とテープとの摺動速度vの積kNvの平方根との関係を
示す線図
【図6】本発明の第5の実施例における磁気ヘッドの摩
耗係数と走行回数の関係を示す線図
【図7】本発明の第6の実施例における磁気ヘッドの摩
耗係数と湿度環境の関係を示す線図
【符号の説明】
1 圧電素子 2 磁気ヘッド 3 テープ 5 回転シリンダ 7 スリップリング支持台 8 スリップリング 9 ブラシ 12 フィルタ 13 実効値メータ 14a 回転側磁性体 14b 固定側磁性体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの磁気ヘッドを具備した
    回転シリンダと、前記回転シリンダに螺旋状に一定の角
    度で巻きつけられ走行するテープと、前記磁気ヘッド近
    傍あるいは前記回転シリンダに搭載された圧電素子と、
    前記圧電素子の信号を前記回転シリンダの外部に取り出
    す信号伝達手段と、前記圧電素子の出力電圧の実効値を
    求める実効値測定手段を有し、あらかじめ求めてある前
    記圧電素子の出力電圧の実効値と、前記磁気ヘッドの硬
    度、前記磁気ヘッドに加えられている垂直力、前記磁気
    ヘッドの摩耗体積および前記磁気ヘッドと前記テープの
    摺動距離から求められる前記磁気ヘッドの摩耗係数との
    相関図から磁気ヘッドの摩耗係数を求めることを特徴と
    した磁気ヘッドの摩耗係数推定装置。
  2. 【請求項2】 前記圧電素子の出力を周波数帯域制限す
    る手段を有し、かつそれが遮断周波数1KHz以上の高
    周波通過型の周波数帯域制限手段であることを特徴とし
    た請求項1記載の磁気ヘッドの摩耗係数推定装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも一つの磁気ヘッドを具備した
    回転シリンダと、前記回転シリンダに螺旋状に一定の角
    度で巻きつけられ走行するテープと、前記磁気ヘッド近
    傍あるいは前記回転シリンダに搭載された圧電素子と、
    前記回転シリンダと一体的に回転し、前記回転シリンダ
    の回転中心と同軸に第1のコイルを捲装した軟磁性材料
    からなる回転側磁性体と、該回転側磁性体と所定の空隙
    を持って対向し、前記第1のコイルと対向する位置に第
    2のコイルを捲装配設した軟磁性材料からなる固定側磁
    性体と、前記圧電素子の出力電圧の実効値を求める実効
    値測定手段を有し、あらかじめ求めてある前記圧電素子
    の出力電圧の実効値と、前記磁気ヘッドの硬度、前記磁
    気ヘッドに加えられている垂直力、前記磁気ヘッドの摩
    耗体積および前記磁気ヘッドと前記テープの摺動距離か
    ら求められる前記磁気ヘッドの摩耗係数との相関図から
    磁気ヘッドの摩耗係数を求めることを特徴とした磁気ヘ
    ッドの摩耗係数推定装置。
  4. 【請求項4】 複数の研磨性の異なったテープを磁気ヘ
    ッドと接触走行させ、その時の圧電素子の信号電圧の実
    効値と前記磁気ヘッドの硬度、前記磁気ヘッドに加えら
    れている垂直力、前記磁気ヘッドの摩耗体積および前記
    磁気ヘッドと前記テープの摺動距離から求められる摩耗
    係数を用いて、前記圧電素子の信号電圧の実効値と前記
    磁気ヘッドの摩耗係数との較正式を求めることを特徴と
    した請求項1、請求項2および請求項3記載の磁気ヘッ
    ドの摩耗係数推定装置。
  5. 【請求項5】 同一のテープを複数回繰返し磁気ヘッド
    と接触走行させ、各回数における圧電素子の信号電圧の
    実効値と前記磁気ヘッドの硬度、前記磁気ヘッドに加え
    られている垂直力、前記磁気ヘッドの摩耗体積および前
    記磁気ヘッドと前記テープの摺動距離から求められる摩
    耗係数を用いて、前記圧電素子の信号電圧の実効値と前
    記磁気ヘッドの摩耗係数との較正式を求めることを特徴
    とした請求項1、請求項2および請求項3記載の磁気ヘ
    ッドの摩耗係数推定装置。
  6. 【請求項6】 同一のテープを複数の湿度環境で磁気ヘ
    ッドと接触走行させ、各湿度環境における圧電素子の信
    号電圧の実効値と前記磁気ヘッドの硬度、前記磁気ヘッ
    ドに加えられている垂直力、前記磁気ヘッドの摩耗体積
    および前記磁気ヘッドと前記テープの摺動距離から求め
    られる摩耗係数を用いて、前記圧電素子の信号電圧の実
    効値と前記気ヘッドの摩耗係数との較正式を求めること
    を特徴とした請求項1、請求項2および請求項3記載の
    磁気ヘッドの摩耗係数推定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8570678B2 (en) 2011-11-18 2013-10-29 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Determining tape head condition
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CN110095280A (zh) * 2019-04-29 2019-08-06 南京理工大学 一种滚动直线导轨副综合磨损系数测试方法
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