JPH0942436A - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JPH0942436A
JPH0942436A JP7190139A JP19013995A JPH0942436A JP H0942436 A JPH0942436 A JP H0942436A JP 7190139 A JP7190139 A JP 7190139A JP 19013995 A JP19013995 A JP 19013995A JP H0942436 A JPH0942436 A JP H0942436A
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JP
Japan
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shift
gear
clutch
speed change
vehicle
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JP7190139A
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English (en)
Inventor
Atsushi Tabata
淳 田端
Nobuaki Takahashi
信明 高橋
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低駆動トルク発進モードが選択されている場
合に惰行的走行時のクラッチツウクラッチダウン変速が
実行されても変速ショックが防止される車両用自動変速
機の変速制御装置を提供する。 【構成】 低駆動トルク発進モードが選択されたことが
判定された場合は、変速パターン変更手段162によ
り、第1変速線図に替えて第2変速線図が選択される。
シーケンス変速手段166により、上記第2変速線図か
ら、惰行的走行時において前記第1のギヤ段から第2の
ギヤ段へのクラッチツウクラッチダウン変速が判断され
た場合には、その第1のギヤ段から前記第3のギヤ段へ
の変速が実行させられた後に第2のギヤ段への変速が実
行させられる。このため、低駆動トルク発進モードが選
択されている場合には、第2変速線図に基づいて変速が
実行されて低駆動トルク発進が可能とされるとともに、
クラッチツウクラッチコーストダウン変速に起因する変
速ショックや運転性の低下が解消される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用自動変速機
の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】小型、軽量化を目的として一方向クラッ
チを廃止する替わりに、一方の摩擦係合装置(クラッチ
またはブレーキ)の油圧を解放すると同時に他方の摩擦
係合装置(クラッチまたはブレーキ)の油圧を昇圧させ
ることにより所定のギヤ段から他のギヤ段へ切り換える
所謂クラッチツウクラッチ変速が実行される形式の車両
用自動変速機がある。このような車両用自動変速機で
は、クラッチツウクラッチ変速期間では一方と他方の摩
擦係合装置に係合トルクを持たせた期間を発生させるよ
うに、一方の摩擦係合装置の解放圧(ドレーン圧)を調
圧し、或いは他方の摩擦係合装置に供給される係合圧を
調圧することが行われている。このとき、一方と他方の
摩擦係合装置に係合トルクの低下および上昇のタイミン
グが旨く噛み合わないとき、すなわち一方の摩擦係合装
置の係合トルクの低下が速すぎる場合或いは他方の摩擦
係合装置の係合トルクの立ち上がりが遅すぎる場合に
は、たとえばエンジン回転速度の一時的なオーバシュー
トが発生し、また、一方の摩擦係合装置の係合トルクの
低下が遅すぎる場合或いは他方の摩擦係合装置の係合ト
ルクの立ち上がりが速すぎる場合には、所謂タイアップ
と称される自動変速機の出力トルクの一時的な急低下が
発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のクラッチツウク
ラッチ変速では、解放側の摩擦係合装置の係合トルクの
低下と係合側の摩擦係合装置の係合トルクの上昇とを適
切なタイミングで実行して摩擦係合装置を滑らかに解放
或いは係合させることが必要であるため、比較的複雑な
制御が要求されるが、特に惰行的走行時のクラッチツウ
クラッチダウン変速では、そのような制御でも変速ショ
ックが発生し、走行感が損なわれるという問題があっ
た。たとえば、自動変速機の入力軸回転速度と出力軸回
転速度との関係を用いて変速の進行度合を検知しつつ、
適切な制御圧を電磁弁から出力させて調圧弁により係合
圧を調圧させることにより係合側の摩擦係合装置を滑ら
かに係合させることが行われるのであるが、所定の走行
状態、たとえば車両の駆動トルクすなわち自動変速機の
入力トルクが所定値以下の微小駆動状態或いは非駆動状
態のような惰行的走行状態では、上記入力軸回転速度と
出力軸回転速度との関係が崩れて変速の進行度合を正確
に検知できない場合があり、上記調圧弁により調圧され
る摩擦係合装置の係合圧のばらつきが大きくなり、上記
クラッチツウクラッチダウン変速において変速ショック
が発生し易いのである。
【0004】これに対し、上記所定の走行状態たとえば
惰行的走行時には前記第1のギヤ段から第2のギヤ段よ
り1段下の第3のギヤ段へのダウン変速をさせるように
変速線が設定された第1変速線図を通常走行時に用いる
ことが考えられる。このような場合には、惰行的走行時
のクラッチツウクラッチダウン変速が一律に回避される
ので、そのクラッチツウクラッチダウン変速による変速
ショックにより走行感が損なわれることがないが、スノ
ーモードのように低駆動トルクで車両を発進させる低駆
動トルク発進モードが選択された場合には、第2のギヤ
段で発進させることができない。
【0005】また、上記低駆動トルク発進モードが選択
された場合には上記第2のギヤ段で発進させるために、
惰行的走行時にも前記第1のギヤ段から第2のギヤ段へ
のクラッチツウクラッチダウン変速をさせる変速線が設
定された第2変速線図を上記第1変速線図に加えて用い
るようにすることが考えられる。しかし、このような場
合には、低駆動トルク発進モードが選択されている場合
には、惰行的走行時のクラッチツウクラッチダウン変速
が許容されることから、それに起因する変速ショックが
発生する可能性があった。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、低駆動トルク発
進モードが選択されている場合に惰行的走行時のクラッ
チツウクラッチダウン変速が実行されても変速ショック
が防止される車両用自動変速機の変速制御装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、一方の摩擦係合装置
の油圧を解放すると同時に他方の摩擦係合装置の油圧を
昇圧させることにより所定の第1のギヤ段からそれより
1段下の第2のギヤ段へ切り換えるクラッチツウクラッ
チダウン変速が実行される車両用自動変速機において、
予め設定された変速線図から実際の車両走行状態に基づ
いて決定された変速を実行する変速制御手段を備えた変
速制御装置であって、(a) 低駆動トルク発進モードが選
択されたことを判定する低駆動トルク発進判定手段と、
(b) その低駆動トルク発進判定手段により前記低駆動ト
ルク発進モードが選択されたことが判定された場合は、
所定の走行時には前記第1のギヤ段から前記第2のギヤ
段より1段下の第3のギヤ段へのダウン変速をさせる第
1変速パターンに替えて、前記所定の走行時にも前記第
1のギヤ段から第2のギヤ段へのクラッチツウクラッチ
ダウン変速をさせる第2変速パターンを選択する変速パ
ターン変更手段と、(c) その変速パターン変更手段によ
って選択された前記第2変速パターンから、前記所定の
走行時において前記第1のギヤ段から第2のギヤ段への
クラッチツウクラッチダウン変速が判断された場合に
は、その第1のギヤ段から前記第3のギヤ段への変速を
実行させた後に第2のギヤ段への変速を実行させるシー
ケンス変速手段とを、含むことにある。
【0008】
【発明の効果】このようにすれば、低駆動トルク発進判
定手段により前記低駆動トルク発進モードが選択された
ことが判定された場合は、変速パターン変更手段によ
り、所定の走行時には前記第1のギヤ段から第2のギヤ
段より1段下の第3のギヤ段へのダウン変速をさせる第
1変速パターンに替えて、上記所定の走行時にも前記第
1のギヤ段から第2のギヤ段へのクラッチツウクラッチ
ダウン変速をさせる第2変速パターンが選択される。そ
して、シーケンス変速手段により、上記第2変速パター
ンから、上記所定の走行時において前記第1のギヤ段か
ら第2のギヤ段へのクラッチツウクラッチダウン変速が
判断された場合には、その第1のギヤ段から前記第3の
ギヤ段への変速が実行させられた後に第2のギヤ段への
変速が実行させられる。したがって、低駆動トルク発進
モードが選択されていない通常の走行では、第1変速パ
ターンに基づいて変速が実行されるので、可能な限りク
ラッチツウクラッチダウン変速が回避されて運転性が確
保される一方、低駆動トルク発進モードが選択されてい
る場合には、第2変速パターンに基づいて変速が実行さ
れて所定の走行時のクラッチツウクラッチダウン変速が
許容されるので、低駆動トルク発進が可能とされるとと
もに、そのクラッチツウクラッチダウン変速は、シーケ
ンス変速手段によって第1のギヤ段から前記第3のギヤ
段への変速が実行させられた後に第2のギヤ段への変速
が実行させられるので、変速ショックやそれに起因する
運転性の低下が解消される。
【0009】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記所定の走行
は、車両の駆動トルクが所定値以下の微小駆動状態或い
は車両の非駆動状態のような車両の惰行的走行であり、
前記第2変速パターンからエンジン負荷および車速によ
り表される車両の状態に基づいて判断されたクラッチツ
ウクラッチダウン変速が惰行的走行時のものであること
を判定するクラッチツウクラッチコーストダウン変速判
定手段が設けられる。前記シーケンス変速手段は、その
クラッチツウクラッチコーストダウン変速判定手段によ
ってクラッチツウクラッチダウン変速が惰行的走行時の
ものであることが判定された場合に、第1のギヤ段から
前記第3のギヤ段への変速を実行させた後に第2のギヤ
段への変速を実行させる。
【0010】また、好適には、車速が予め設定された低
車速判断基準値以下となったか否かを判定する車速判定
手段が設けられ、前記シーケンス変速手段は、第1のギ
ヤ段から前記第3のギヤ段への変速を実行させた後にお
いて、上記車速判定手段により車速が予め設定された低
車速判断基準値以下となったと判定された場合に第2の
ギヤ段への変速を実行させる。これにより、車両の停止
前までに第2のギヤ段が確実に成立させられる利点があ
る。
【0011】また、好適には、スロットル弁開度、エン
ジン負荷、或いはエンジンの出力トルクが所定値以上で
ある車両の駆動走行であるか否かを判定する駆動走行判
定手段が設けられ、前記シーケンス変速手段は、前記車
速判定手段により車速が予め設定された低車速判断基準
値以下となったと判定されないときでも、上記駆動走行
判定手段により車両の駆動走行が判定された場合には第
2のギヤ段への変速を実行させる。これにより、低駆動
トルク発進モードにおいて、走行中にアクルペダルが踏
み込まれると、車速が予め設定された低車速判断基準値
以下となるまで待たなくても、第2のギヤ段による発進
が直ちに可能となる利点がある。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施例である変速制御
装置により変速制御される車両用自動変速機の一例を示
す骨子図である。図において、エンジン10の出力は、
トルクコンバータ12を介して自動変速機14に入力さ
れ、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪
へ伝達されるようになっている。
【0014】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16に連結されたポンプインペラ18
と、自動変速機14の入力軸20に連結されたタービン
ランナー22と、それらポンプインペラ18およびター
ビンランナー22の間を直結するロックアップクラッチ
24と、一方向クラッチ26によって一方向の回転が阻
止されているステータ28とを備えている。
【0015】上記自動変速機14は、ハイおよびローの
2段の切り換えを行う第1変速機30と、後進ギヤ段お
よび前進4段の切り換えが可能な第2変速機32を備え
ている。第1変速機30は、サンギヤS0、リングギヤ
R0、およびキャリヤK0に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされて
いる遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置34と、サ
ンギヤS0とキャリヤK0との間に設けられたクラッチ
C0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0および
ハウジング41間に設けられたブレーキB0とを備えて
いる。
【0016】第2変速機32は、サンギヤS1、リング
ギヤR1、およびキャリヤK1に回転可能に支持されて
それらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わさ
れている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36
と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリヤK
2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリ
ングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成
る第2遊星歯車装置38と、サンギヤS3、リングギヤ
R3、およびキャリヤK3に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされて
いる遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置40とを備
えている。
【0017】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリヤK2とキ
ャリヤK3とが一体的に連結され、そのキャリヤK3は
出力軸42に連結されている。また、リングギヤR2が
サンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リン
グギヤR2およびサンギヤS3と中間軸44との間にク
ラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS
2と中間軸44との間にクラッチC2が設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止
めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング41
に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2とハウジング41との間には、一方向クラッチF1
およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方
向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が
入力軸20と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合
させられるように構成されている。
【0018】キャリヤK1とハウジング41との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング41との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。
【0019】以上のように構成された自動変速機14で
は、たとえば図2に示す作動表に従って後進1段および
変速比が順次異なる前進5段のギヤ段のいずれかに切り
換えられる。図2において○印は係合状態を示し、空欄
は解放状態を示し、●はエンジンブレーキのときの係合
状態を示している。この図2からも明らかなように、第
2速ギヤ段と第3速ギヤ段との間は、ブレーキB3とブ
レーキB2の一方を解放させると同時に他方を係合させ
ることにより達成されるクラッチツウクラッチ変速であ
り、たとえば3→2変速(クラッチツウクラッチダウン
変速)では、解放途中のブレーキB2に係合トルクを持
たせる期間と係合途中のブレーキB3に係合トルクを持
たせる期間とがオーバラップさせられる。また、第2速
ギヤ段または第3速ギヤ段から第1速ギヤ段への2→1
変速または3→1変速では第2速ギヤ段または第3速ギ
ヤ段を解放させるだけで達成される。また、第1速ギヤ
段では、一方向クラッチF2の空転によりエンジンブレ
ーキが作用しない。
【0020】図3に示すように、車両のエンジン10の
吸気配管には、アクセルペダル50によって操作される
第1スロットル弁52とスロットルアクチュエータ54
によって電気的に操作される第2スロットル弁56とが
設けられている。また、エンジン10の回転速度NE
検出するエンジン回転センサ58、エンジン10の吸入
空気量Qを検出する吸入空気量センサ60、吸入空気の
温度TA を検出する吸入空気温度センサ62、上記第1
スロットル弁52の開度θTHを検出するスロットルセン
サ64、出力軸42の回転速度NOUT から車速Vを検出
する車速センサ66、エンジン10の冷却水温度TW
検出する冷却水温センサ68、ブレーキの作動を検出す
るブレーキスイッチ70、シフトレバー72の操作位置
SHを検出する操作位置センサ74などが設けられてお
り、それらのセンサから、エンジン回転速度NE 、吸入
空気量Q、吸入空気温度TA 、第1スロットル弁の開度
θ TH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキの作動
状態BK、シフトレバー72の操作位置PSHを表す信号
がエンジン用電子制御装置76および変速用電子制御装
置78に供給されるようになっている。また、タービン
回転速度NT すなわちクラッチC0の回転速度NC0を検
出するタービン回転センサ73からタービン回転速度N
T (=NC0)を表す信号と、油圧制御回路84の作動油
温度TOIL を検出する油温センサ75から作動油温度T
OIL を表す信号とが変速用電子制御装置78に供給され
る。さらに、スノーモード選択スイッチ77からは低駆
動トルクの発進を示す信号SNが変速用電子制御装置7
8に供給される。
【0021】また、図4に示すように、上記シフトレバ
ー72は、車両の前後方向に位置するPレンジ、Rレン
ジ、Nレンジ、Dおよび4レンジ、3レンジ、2および
Lレンジへ操作されるとともに、Dレンジと4レンジの
間、および2レンジとLレンジとの間が車両の左右方向
に操作されるようにその支持機構が構成されている。
【0022】エンジン用電子制御装置76は、CPU、
RAM、ROM、入出力インターフェースを備えた所謂
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制御を実
行する。たとえば、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁
80を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ82を
制御し、アイドルスピード制御のために図示しないバイ
パス弁を制御し、トラクション制御のためにスロットル
アクチュエータ54により第2スロットル弁56を制御
し、エンジン回転速度NE が予め設定された過回転領域
(たとえばレッドゾーン)に入ると燃料噴射弁80を遮
断してそれ以上のエンジン回転速度NE の上昇を抑制す
る。このエンジン用電子制御装置76は、変速用電子制
御装置78と相互に通信可能に接続されており、一方に
必要な信号は他方から適宜送信されるようになってい
る。
【0023】変速用電子制御装置78も、上記と同様の
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路84の各電
磁弁或いはリニヤソレノイド弁を駆動する。たとえば、
変速用電子制御装置78は、第1スロットル弁52の開
度θTHに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させ
且つアキュム背圧を制御するためにリニヤソレノイド弁
SLT を、ロックアップクラッチ24の係合、解放、スリ
ップ量およびクラッチツウクラッチのシフトを制御する
ためにリニヤソレノイド弁SLU をそれぞれ駆動する。ま
た、変速用電子制御装置78は、予め記憶された変速線
図から実際のスロットル弁開度θTHおよび車速Vに基づ
いて自動変速機14のギヤ段やロックアップクラッチ2
4の係合状態を決定し、この決定されたギヤ段および係
合状態が得られるように電磁弁S1、S2、S3を駆動
する変速制御を実行する。さらに、変速用電子制御装置
78は、クラッチツウクラッチ変速に際しては、ブレー
キB2とブレーキB3の係合トルクが適切にオーバラッ
プするように、自動変速機14の入力軸回転速度Nin
よび出力軸回転速度Nout の関係を利用しつつ変速の信
号度合に応じて上記リニヤソレノイド弁SLUおよびリニ
ヤソレノイド弁SLT の出力圧PSLT を制御する。
【0024】図5および図6は、上記油圧制御回路84
の要部を示している。図の1−2シフト弁88および2
−3シフト弁90は、電磁弁S1、S2の出力圧に基づ
いて、第1速ギヤ段から第2速ギヤ段への変速時および
第2速ギヤ段から第3速ギヤ段への変速時においてそれ
ぞれ切り換えられる切換弁であり、その切換位置を示す
数値はギヤ段を示している。前進レンジ圧PD は、シフ
トレバー72が前進レンジ(D、4、3、2、L)へ操
作されているときに図示しないマニュアル弁から発生さ
れる圧であり、図示しないレギュレータ弁によりスロッ
トル弁開度に応じて高く調圧されるライン圧PL を元圧
としている。
【0025】第1速ギヤ段から第2速ギヤ段へ切り換え
る変速出力が出された時には、上記前進レンジ圧P
D は、1−2シフト弁88、2−3シフト弁90、油路
L01、B3コントロール弁92、油路L02を経てブ
レーキB3およびダンパー94へ供給される。また、第
2速ギヤ段から第3速ギヤ段へ切り換える変速出力が出
された時には、前進レンジ圧PD は、2−3シフト弁9
0、油路L03を経て、ブレーキB2およびB2アキュ
ムレータ100へ供給されると同時に、ブレーキB3内
の作動油は、油路L02、B3コントロール弁92、油
路L01、2−3シフト弁90、戻り油路L04、2−
3タイミング弁98を経て調圧ドレンされるとともに、
戻り油路L04から分岐する分岐油路L05およびB2
オリフィスコントロール弁96を経て急速ドレンされる
ようになっている。
【0026】上記B2アキュムレータ100の背圧室1
00B には、リニヤソレノイド弁SLT の出力圧PSLT
リニヤソレノイド弁SLT の出力圧PSLT が、各変速に際
して供給される。
【0027】前記B3コントロール弁92は、油路L0
1と油路L02との間を開閉するスプール弁子104
と、スプリング106を挟んでスプール弁子104と同
心に設けられ且つそのスプール弁子104よりも大径の
プランジャ108と、スプリング106を収容し、前記
2−3シフト弁90が第3速側へ切り換えられたときに
それから出力される前進レンジ圧PD を油路L07を介
して受け入れる油室110と、プランジャ108の軸端
に設けられてリニヤソレノイド弁SLU の出力圧P SLU
受け入れる油室112とを備えている。このため、B3
コントロール弁92は、第2速ギヤ段の成立過程では、
リニヤソレノイド弁SLU の出力圧PSLU に従ってスプー
ル弁子104を中心線の左側に示す開位置に位置させて
ファーストフィルをその初期に行うとともに、その後は
油路L01からの作動油を油路L02に供給したり或い
は油路L02内の作動油を排出油路L06へ流出させる
ことによりブレーキB3内の係合圧PB3の立ち上がりを
数式1から上記出力圧PSLUに基づいて調圧する。ま
た、B3コントロール弁92は、第3速ギヤ段以上のギ
ヤ段では、2−3シフト弁90から油室110に供給さ
れる前進レンジ圧PD に従ってスプール弁子104を中
心線の左側に示す開位置にロックさせる。これは、B3
コントロール弁92の油室112と2−3タイミング弁
98の油室138とが接続されていることから、第2→
3変速状態では、B3コントロール弁92の油室112
の容積変化を阻止して、2−3タイミング弁98による
調圧作動に影響を与えないようにするためである。な
お、数式1において、S1 およびS2はプランジャ10
8およびスプール弁子104の断面積である。
【0028】
【数1】PB3=PSLU ・S1 /S2
【0029】B2オリフィスコントロール弁96は、ブ
レーキB2およびB2アキュムレータ100と油路L0
3との間を開閉すると同時に排出油路L06とドレンポ
ート113との間を開閉するスプール弁子114と、ス
プール弁子114をファーストドレン位置へ向かって付
勢するスプリング116と、スプール弁子114の軸端
に設けられて第3電磁弁S3の出力圧PS3を3−4シフ
ト弁118を通して受け入れる油室120とを備えてい
る。これにより、3→2変速時などには第3電磁弁S3
がオン状態とされてその出力圧PS3が油室120に供給
されなくなるので、スプール弁子114によりブレーキ
B2およびB2アキュムレータ100と油路L03との
間を開かれて、それらブレーキB2およびB2アキュム
レータ100からの作動油の排出を速やかに行うファー
ストドレン作動が行われる。また、1→2変速において
は、上記第3電磁弁S3がオフ状態とされてその出力圧
S3が油室120に供給されることにより、B3コント
ロール弁92の調圧作動によりそれから排出される作動
油を排出させる排出油路L06とドレンポート113と
の間が開かれてそのB3コントロール弁92の調圧作動
が許容されるが、1→2変速が完了すると第3電磁弁S
3がオン状態とされて排出油路L06とドレンポート1
13との間が閉じられることによりB3コントロール弁
92の調圧作動が停止させられる。
【0030】2−3タイミング弁98は、第2速ギヤ段
から第3速ギヤ段への変速に関与し、ブレーキB3から
の解放圧をリニヤソレノイド弁SLU から出力圧PSLU
従って調圧する調圧弁として機能する。すなわち、2−
3タイミング弁98は、2→3変速が出力されたときに
2−3シフト弁90から出力された前進レンジ圧PD
3−4シフト弁118およびソレノイドリレー弁122
を通して供給される供給ポート124と、ドレンポート
126と、油路L04をその供給ポート124またはド
レンポート126に連通させることによりブレーキB3
のドレン期間の圧力PB3を調圧するスプール弁子128
と、スプリング130を介してスプール弁子128と同
心に設けられ且つそのスプール弁子128と同径の第1
プランジャ132と、スプール弁子128と同心に且つ
その一端に当接可能に設けられ且つそのスプール弁子1
28よりも大径の第2プランジャ134と、スプリング
130を収容し、前記2−3シフト弁90が第2速側へ
切り替えられたときにそれから出力される前進レンジ圧
D を油路L08を介して受け入れる油室136と、第
1プランジャ132の軸端に設けられ、リニヤソレノイ
ド弁SLU からの出力圧PSLU を受け入れる油室138
と、第2プランジャ134の軸端に設けられ、ブレーキ
B2内の油圧PB2を受け入れる油室140と、フィード
バック圧を受け入れるフィードバック油室142とを備
えている。
【0031】したがって、スプール弁子128および第
1プランジャ132の断面積をS3、スプール弁子12
8の第2プランジャ134側のランドの断面積をS4
第2プランジャ134の断面積をS5 とすると、2→3
変速出力が出された状態における解放過程のブレーキB
3の圧力PB3は、2−3タイミング弁98による調圧作
動により、数式2から、ブレーキB2の係合圧PB2の増
加に応じて減少し、リニヤソレノイド弁SLU の出力圧P
SLU に応じて増加するように調圧される。
【0032】
【数2】PB3=PSLU ・S3 /(S3 −S4 )−PB2
5 /(S3 −S4
【0033】また、上記2−3タイミング弁98は、第
2速側へ切り換えられた2−3シフト弁90から出力さ
れる前進レンジ圧PD が油室136へ供給されると、上
記スプール弁子128がロックされるようになってい
る。これも、2−3タイミング弁98の油室138とB
3コントロール弁92の油室112とが接続されている
ことから、第1速および第2速の状態では2−3タイミ
ング弁98の油室138の容積変化を阻止して、B3コ
ントロール弁92の調圧作動に影響を与えないようにす
るためである。
【0034】C0エキゾースト弁150は、第3電磁弁
S3の出力圧PS3および油路L01内の油圧に従って閉
位置に位置させられるが、第4電磁弁S4の出力圧PS4
に従って開位置に位置させられるスプール弁子152を
備え、図示しない4−5シフト弁が第4速以下の切り換
え状態であるときにそれを経由して供給されるライン圧
L を、第2速および第5速時以外のときにクラッチC
0およびC0アキュムレータ154に供給する。
【0035】図7および図8は、変速用電子制御装置7
8のROMに予め記憶された第1変速線図および第2変
速線図をそれぞれ示している。図7の第1変速線図およ
び図8の第2変速線図は、第1変速パターンおよび第2
変速パターンで車両を走行させるために、各変速判断の
ための複数本のダウンシフト線および複数本のアップシ
フト線をそれぞれ備えているが、図7の第1変速線図で
は、2→1ダウンシフト線および3→2ダウンシフト線
が、図8の第2変速線図では、2→1ダウンシフト線、
1→2アップシフト線、および3→2ダウンシフト線が
例示されている。上記第1変速線図は、たとえば車両を
低駆動トルク発進させるためのスノーモードが選択され
ない通常の走行において用いられるものであり、2→1
ダウンシフト線および3→2ダウンシフト線のうち低ス
ロットル開度側が共通化されていることにより、微小駆
動走行や非駆動走行などの惰行的走行状態での3→2変
速すなわちクラッチツウクラッチダウン変速が回避され
るようになっている。また、上記第2変速線図は、車両
を低駆動トルク発進させるためのスノーモードが選択さ
れた特殊の走行において用いられるものであり、2→1
ダウンシフト線および1→2アップシフト線の低スロッ
トル開度側が除去されていることにより、微小駆動走行
や非駆動走行などの惰行的走行状態での3→2変速すな
わちクラッチツウクラッチダウン変速が許容されて車両
停止時には第2速ギヤ段が形成され、その第2速ギヤ段
で再発進され得るようになっている。
【0036】図9は、変速用電子制御装置78による制
御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。変速
制御手段158は、予め記憶された第1変速線図或いは
第2変速線図から実際のスロットル弁開度θTHおよび車
速Vに基づいて自動変速機14の変速を判断し、その変
速を実行するための電磁弁S1、S2、S3のいずれか
を作動させるために変速出力を実行することにより、第
1変速パターン或いは第2変速パターンに従って車両を
走行させる。
【0037】低駆動トルク発進判定手段160は、スノ
ーモード選択スイッチ77によって低駆動トルク発進モ
ードが選択されたことを判定する。変速パターン変更手
段162は、その低駆動トルク発進判定手段160によ
り低駆動トルク発進モードが選択されたことが判定され
た場合は、上記変速制御手段158で用いるための変速
線図として、図7の第1変速線図に替えて図8の第2変
速線図を選択することにより、第1変速パターンに替え
て第2変速パターンにて車両を走行させる。
【0038】クラッチツウクラッチコーストダウン変速
判定手段164は、上記図8の第2変速線図からエンジ
ン負荷(スロットル弁開度θTH)および車速Vにより表
される車両の状態に基づいて判断されたクラッチツウク
ラッチダウン変速が惰行的走行時のものであることを判
定する。シーケンス変速手段166は、クラッチツウク
ラッチコーストダウン変速判定手段164が、上記変速
パターン変更手段162によって選択された第2変速線
図から、惰行的走行時の3→2変速すなわちクラッチツ
ウクラッチダウン変速が判断されと判定した場合には、
第3速ギヤ段から第1速ギヤ段への変速を実行させた後
に第1速ギヤ段から第2速ギヤ段への変速を実行させ
る。
【0039】車速判定手段168は、車速Vが予め設定
された低車速判断基準値A以下となったか否かを判定す
る。上記シーケンス変速手段166は、第3速ギヤ段か
ら第1速ギヤ段への変速を実行させた後において、上記
車速判定手段168により車速Vが予め設定された低車
速判断基準値A以下となったと判定された場合に第2速
ギヤ段への変速を実行させる。
【0040】駆動走行判定手段170は、スロットル弁
開度などにより表されるエンジン負荷、或いはエンジン
の出力トルクが所定値以上である車両の駆動走行である
か否かを判定する。前記シーケンス変速手段166は、
車速判定手段168により車速Vが予め設定された低車
速判断基準値A以下となったと判定されないときでも、
上記駆動走行判定手段170により車両の駆動走行が判
定された場合には第2速ギヤ段への変速を実行させる。
【0041】図10は、変速用電子制御装置78の制御
作動の要部を説明するフローチャートである。図10に
おいて、ステップ(以下ステップを省略する)SA1で
は、種々の入力信号が読み込まれるなどの入力信号処理
が行われた後、SA2において、シフトレバー72がD
レンジへ操作されているか否かが判断される。このSA
2の判断が否定された場合は、SA3において他のレン
ジの変速制御が実行された後、本ルーチンが終了させら
れる。この他のレンジの変速制御では、シフトレバー7
2が4レンジ、3レンジ、2レンジ、Lレンジに応じた
変速線図から変速が制御されるとともにエンジンブレー
キ作用を発生させるための電磁弁S4が駆動されるとと
もに、各レンジに応じてギヤ段の変化範囲が制限され
る。
【0042】上記SA2の判断が肯定された場合は、前
記低駆動トルク発進判定手段160に対応するSA4に
おいて、車両を第2速ギヤ段により低駆動トルクで発進
させるための低駆動トルク発進モードが選択されている
か否かが、スノーモード選択スイッチ77からの信号に
基づいて判断される。このSA4の判断が否定された場
合は、通常の変速モードであるので、SA5においてD
レンジでの通常の変速制御が実行された後、本ルーチン
が終了させられる。この通常の変速制御では、図7の第
1変速線図から実際のスロットル弁開度θTHおよび車速
Vに基づいて自動的に変速が制御されることにより第1
変速パターンにて車両が走行させられるので、変速制御
が比較的困難な惰行的走行でのクラッチツウクラッチダ
ウン変速が低スロットル領域において回避される。
【0043】上記SA4の判断が肯定された場合は、前
記変速パターン変更手段162に対応するSA6におい
て、それまでに用いられていた第1変速線図に替えて第
2変速線図が選択される。次いで、前記クラッチツウク
ラッチコーストダウン変速判定手段164に対応するS
A7において、第2変速線図に基づいて判断された変速
が惰行的走行時の3→2変速すなわちクラッチツウクラ
ッチコーストダウン変速であるか否かが、たとえば3→
2変速判断時のスロットル弁開度θTHに基づいて判断さ
れる。
【0044】上記SA7の判断が否定された場合は、S
A8において低駆動トルク発進モード選択時の第2変速
線図に基づく変速制御が実行された後、本ルーチンが終
了させられる。この変速制御では、図8の第2変速線図
から実際のスロットル弁開度θTHおよび車速Vに基づい
て自動的に変速が制御されることにより第2変速パター
ンにて車両が走行させられるので、惰行的走行時の3→
2変速以外の3→2変速すなわちクラッチツウクラッチ
ダウン変速が許容される。本実施例では、前記SA5お
よび上記SA8が前記変速制御手段158に対応してい
る。
【0045】しかし、上記SA7の判断が肯定された場
合は、SA9において第3速ギヤ段から第1速ギヤ段へ
の3→1変速が実行された後、前記車速判定手段168
に対応するSA10において車速Vが予め設定された低
車速判断基準値A以下であるか否かが判断される。この
低車速判断基準値Aは、車両が殆ど走行していない零車
速に近い値に設定される。当初は上記SA10の判断が
否定されるので、前記駆動走行判定手段170に対応す
るSA11において、車両の駆動走行状態であるか否か
が、スロットル弁開度θTHが判断基準値B以上であるか
否かに基づいて判断される。そして、そのSA11の判
断が否定された場合は、本ルーチンが終了させられる。
【0046】以上のステップが繰り返し実行されるう
ち、上記SA10の判断が肯定された場合は、車速Vが
零車速近くまで低下した状態であるので、SA12にお
いて第1速ギヤ段から第2速ギヤ段への1→2変速が実
行される。また、上記SA10の判断が否定された場合
でも、SA11の判断が肯定された場合には、SA12
において第1速ギヤ段から第2速ギヤ段への1→2変速
が実行される。本実施例では、前記SA9および上記S
A12が前記シーケンス変速手段166に対応してい
る。
【0047】上述のように、本実施例によれば、低駆動
トルク発進判定手段160に対応するSA4により低駆
動トルク発進モードが選択されたことが判定された場合
は、変速パターン変更手段162に対応するSA6によ
り、図7の第1変速線図に替えて図8の第2変速線図が
選択されることにより第1変速パターンに替えて第2変
速パターンが選択される。そして、シーケンス変速手段
166に対応するSA9およびSA12により、上記第
2変速線図から、惰行的走行時において前記第3速ギヤ
段から第2速ギヤ段へのクラッチツウクラッチダウン変
速が判断された場合には、その第3速ギヤ段から前記第
1速ギヤ段への変速が実行させられた後に第2速ギヤ段
への変速が実行させられる。したがって、低駆動トルク
発進モードが選択されていない通常の走行では、第1変
速線図に基づいて変速が実行されるので、可能な限りク
ラッチツウクラッチダウン変速が回避されて運転性が確
保される一方、低駆動トルク発進モードが選択されてい
る場合には、第2変速線図に基づいて変速が実行されて
惰行的走行時のクラッチツウクラッチダウン変速が許容
されるので、低駆動トルク発進が可能とされるととも
に、そのクラッチツウクラッチダウン変速は、シーケン
ス変速手段166によって第3速ギヤ段から前記第1速
ギヤ段への変速が実行させられた後に第2速ギヤ段への
変速が実行させられるので、変速ショックやそれに起因
する運転性の低下が解消される。
【0048】また、本実施例によれば、車速判定手段1
68に対応するSA10において車速Vが予め設定され
た低車速判断基準値A以下となったと判定されると、シ
ーケンス変速手段166に対応するSA12は、第3速
ギヤ段から第1速ギヤ段への変速の後の第1速ギヤ段か
ら第2速ギヤ段への変速を実行させるので、車両の停止
前までに第2速ギヤ段が確実に成立させられる利点があ
る。
【0049】また、本実施例では、駆動走行判定手段1
70に対応するSA11において車両の駆動走行である
と判定されると、上記車速判定手段168に対応するS
A10において車速Vが予め設定された低車速判断基準
値A以下となっていないと判定されるときでも、シーケ
ンス変速手段166に対応するSA12は、第3速ギヤ
段から第1速ギヤ段への変速の後の第1速ギヤ段から第
2速ギヤ段への変速を実行させるので、低駆動トルク発
進モードにおいて、走行中にアクルペダルが踏み込まれ
ると、車速が予め設定された低車速判断基準値以下とな
るまで待たなくても、第2速ギヤ段による発進が直ちに
可能となる利点がある。
【0050】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0051】たとえば、前述の図10の実施例におい
て、SA10およびSA11が除去されても差支えな
い。この場合のシーケンス変速手段166は、SA9に
おいて第3速ギヤ段から第1速ギヤ段への切り換えを実
行した後、SA12において第1速ギヤ段から第2速ギ
ヤ段への切り換えを直ちに実行する。
【0052】また、前述の実施例において、車両の惰行
的走行時とは、スロットル弁開度θ THが所定値以下の微
小駆動状態、およびスロットル弁開度θTHが零である非
駆動状態のような惰行走行状態を指し、積極的に加速操
作が行われている駆動走行は除外される。
【0053】また、前述の実施例の低駆動トルク発進判
定手段160は、スノーモード選択スイッチ77の操作
に基づいて低駆動トルク発進モードの選択を判定してい
たが、低μ路発進スイッチや凍結路発進スイッチなどの
他の名称のスイッチの操作に基づいて低駆動トルク発進
モードの選択を判定してもよい。
【0054】また、前述の実施例では、自動変速機14
の第3速ギヤ段、第2速ギヤ段、第1速ギヤ段が、請求
項の第1のギヤ段、第2のギヤ段、第3のギヤ段に対応
するものとして説明されていたが、自動変速機14の他
のギヤ段、たとえば第4速ギヤ段、第3速ギヤ段、第2
速ギヤ段が、請求項の第1のギヤ段、第2のギヤ段、第
3のギヤ段に対応するものとされてもよい。
【0055】また、前述の変速パターン変更手段162
(SA6)は、図7の第1変速線図に替えて図8の第2
変速線図が選択されることにより、第1変速パターンに
替えて第2変速パターンが選択されるように構成されて
いたが、同じ変速線図を用いながら、スロットル弁開度
θTH或いは車速Vのような入力信号に補正を加えること
により変速判断を変更して結果的に第2変速パターンと
なるようにしたり、或いは、第2速用シフトダウン線の
一部を第1速シフトダウン判断に用いることにより、結
果的に第2変速パターンとなるように構成されてもよ
い。
【0056】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の変速制御装置によってギヤ
段が制御される車両用自動変速機の構成を説明する骨子
図である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の摩擦係合装
置の作動の組合わせとそれにより成立するギヤ段との関
係を示す図表である。
【図3】図1の自動変速機を制御する油圧制御回路およ
び電気制御回路を含むブロック線図である。
【図4】図3のシフトレバーの操作位置を説明する図で
ある。
【図5】図3の油圧制御回路の要部を説明する図であ
る。
【図6】図3の油圧制御回路の要部を説明する図であ
る。
【図7】図3の変速用電子制御装置において用いられる
第1変速線図を示す図である。
【図8】図3の変速用電子制御装置において用いられる
第2変速線図を示す図である。
【図9】図3の変速用電子制御装置の制御機能の要部を
説明する機能ブロック線図である。
【図10】図3の変速用電子制御装置の制御作動の要部
を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
14:自動変速機 158:変速制御手段 160:低駆動トルク発進判定手段 162:変速パターン変更手段 164:クラッチツウクラッチコーストダウン変速判定
手段 166:シーケンス変速手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の摩擦係合装置の油圧を解放すると
    同時に他方の摩擦係合装置の油圧を昇圧させることによ
    り所定の第1のギヤ段からそれより1段下の第2のギヤ
    段へ切り換えるクラッチツウクラッチダウン変速が実行
    される車両用自動変速機において、予め設定された変速
    線図から実際の車両走行状態に基づいて決定された変速
    を実行する変速制御手段を備えた変速制御装置であっ
    て、 低駆動トルク発進モードが選択されたことを判定する低
    駆動トルク発進判定手段と、 該低駆動トルク発進判定手段により前記低駆動トルク発
    進モードが選択されたことが判定された場合は、所定の
    走行時には前記第1のギヤ段から前記第2のギヤ段より
    1段下の第3のギヤ段へのダウン変速をさせる第1変速
    パターンに替えて、前記所定の走行時にも前記第1のギ
    ヤ段から第2のギヤ段へのクラッチツウクラッチダウン
    変速をさせる第2変速パターンを選択する変速パターン
    変更手段と、 該変速パターン変更手段によって選択された前記第2変
    速パターンから、前記所定の走行時において前記第1の
    ギヤ段から第2のギヤ段へのクラッチツウクラッチダウ
    ン変速が判断された場合には、該第1のギヤ段から前記
    第3のギヤ段への変速を実行させた後に該第2のギヤ段
    への変速を実行させるシーケンス変速手段とを、含むこ
    とを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置。
JP7190139A 1995-07-26 1995-07-26 車両用自動変速機の変速制御装置 Pending JPH0942436A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100706008B1 (ko) * 2001-08-01 2007-04-11 도요다 지도샤 가부시끼가이샤 차량용 자동변속기의 변속제어장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100706008B1 (ko) * 2001-08-01 2007-04-11 도요다 지도샤 가부시끼가이샤 차량용 자동변속기의 변속제어장치

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