JPH0942193A - 回転ポンプ及び回転羽根車固定方法 - Google Patents
回転ポンプ及び回転羽根車固定方法Info
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- JPH0942193A JPH0942193A JP7192129A JP19212995A JPH0942193A JP H0942193 A JPH0942193 A JP H0942193A JP 7192129 A JP7192129 A JP 7192129A JP 19212995 A JP19212995 A JP 19212995A JP H0942193 A JPH0942193 A JP H0942193A
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- rotary
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- fitting
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04D—NON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
- F04D29/00—Details, component parts, or accessories
- F04D29/18—Rotors
- F04D29/20—Mounting rotors on shafts
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】回転羽根車を回転軸に対して高信頼性をもって
固着する。 【構成】回転羽根車４を回転軸３に嵌着するボス部４ｅ
において、その外周に羽根４ａを支える側板４ｃが形成
された側板領域部分４ｅ1の締代を多くして緊縛力を大
きくし、側板の厚みを越えて突出した突出領域部分４ｅ
2は締代を少なくして緊縛力を小さくすることにより、
全体的には必要な緊縛力（固着力）を確保しつつ該ボス
部の異常な変形を防止する。
固着する。 【構成】回転羽根車４を回転軸３に嵌着するボス部４ｅ
において、その外周に羽根４ａを支える側板４ｃが形成
された側板領域部分４ｅ1の締代を多くして緊縛力を大
きくし、側板の厚みを越えて突出した突出領域部分４ｅ
2は締代を少なくして緊縛力を小さくすることにより、
全体的には必要な緊縛力（固着力）を確保しつつ該ボス
部の異常な変形を防止する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は回転ポンプに係り、特
に、回転軸に対する回転羽根車の強固な嵌着技術に関す
る。
に、回転軸に対する回転羽根車の強固な嵌着技術に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】火力発電プラントにおいてボイラ系に高
圧水を供給するボイラ給水ポンプや原子力発電プラント
における原子炉系に高圧水を供給する原子炉給水ポンプ
等は、回転軸に複数枚の回転羽根車を取り付けて高速回
転させることにより遠心力によって昇圧する多段遠心ポ
ンプを使用している。
圧水を供給するボイラ給水ポンプや原子力発電プラント
における原子炉系に高圧水を供給する原子炉給水ポンプ
等は、回転軸に複数枚の回転羽根車を取り付けて高速回
転させることにより遠心力によって昇圧する多段遠心ポ
ンプを使用している。
【０００３】この給水ポンプの構造は、外胴，内胴，回
転体及び軸受の主要部に分けられる。外胴は頑丈な円筒
型であり、両端は頑丈な円板型カバーで塞がれている。
内胴は、高速回転する回転羽根車から吐き出される水流
の流れを変えて静圧を回復する機能を有するディフュー
ザまたはボリュートと、次の回転羽根車への流れを整流
する水返し羽根(案内羽根)を有するステージを備え、輪
切り型と水平２つ割れ型とがある。
転体及び軸受の主要部に分けられる。外胴は頑丈な円筒
型であり、両端は頑丈な円板型カバーで塞がれている。
内胴は、高速回転する回転羽根車から吐き出される水流
の流れを変えて静圧を回復する機能を有するディフュー
ザまたはボリュートと、次の回転羽根車への流れを整流
する水返し羽根(案内羽根)を有するステージを備え、輪
切り型と水平２つ割れ型とがある。
【０００４】発電プラントにおいて、給水ポンプは心臓
部と言えるほどの重要な機器であり、その故障は発電プ
ラントの停止に直結する場合もある。そのため、細部に
至るまで信頼性を重視した設計となっている。特に、高
速回転する回転羽根車は回転軸に強固に固着していなけ
ればならず、高い信頼性が要求されている。
部と言えるほどの重要な機器であり、その故障は発電プ
ラントの停止に直結する場合もある。そのため、細部に
至るまで信頼性を重視した設計となっている。特に、高
速回転する回転羽根車は回転軸に強固に固着していなけ
ればならず、高い信頼性が要求されている。
【０００５】回転羽根車を回転軸に固着する方法は、回
転羽根車の中心に形成した嵌合穴の内壁と回転軸との嵌
合部に隙間を設け、回転軸と回転羽根車の間に配置した
キーによって軸の回転力を回転羽根車に伝えるように嵌
着するルーズフィット法と、回転羽根車を回転軸に焼き
嵌めによって強固に嵌着するタイトフィット法とがあ
る。ルーズフィット法で嵌着した場合は、熱変化や回転
数・流量変化が繰り返し付与されるとアンバランス振動
を生じ易いため、現在では、回転羽根車を回転軸に強固
に嵌着できて信頼性が高いタイトフィット法が多く用い
られている。回転羽根車をタイトフィット法で回転軸に
嵌着した場合であっても、焼き嵌めが緩んだ場合を考慮
して、回転軸と回転羽根車の間にはキーを配置して信頼
性を高めるようにしている。従って、タイトフィット法
による嵌着であっても、ルーズフィット法と同様に、回
転羽根車と回転軸にはキー溝加工がなされる。
転羽根車の中心に形成した嵌合穴の内壁と回転軸との嵌
合部に隙間を設け、回転軸と回転羽根車の間に配置した
キーによって軸の回転力を回転羽根車に伝えるように嵌
着するルーズフィット法と、回転羽根車を回転軸に焼き
嵌めによって強固に嵌着するタイトフィット法とがあ
る。ルーズフィット法で嵌着した場合は、熱変化や回転
数・流量変化が繰り返し付与されるとアンバランス振動
を生じ易いため、現在では、回転羽根車を回転軸に強固
に嵌着できて信頼性が高いタイトフィット法が多く用い
られている。回転羽根車をタイトフィット法で回転軸に
嵌着した場合であっても、焼き嵌めが緩んだ場合を考慮
して、回転軸と回転羽根車の間にはキーを配置して信頼
性を高めるようにしている。従って、タイトフィット法
による嵌着であっても、ルーズフィット法と同様に、回
転羽根車と回転軸にはキー溝加工がなされる。
【０００６】ところで、従来の遠心ポンプの回転羽根車
は、遠心力によって水を吐き出す羽根と円板状の側板に
より形成される複数の流路を備える翼部と、該翼部の中
心に形成されて回転軸の外周部と嵌合締結して該羽根車
を回転軸に強固に嵌着する円環状のボス部とからなる。
ボス部は回転羽根車を回転軸に対して安定に取り付ける
ための結合手段であって、軸方向に、側板と羽根の内周
端に連なる側板領域部と側板の厚みを越えて軸方向に突
出する突出領域部をもっている。そして、このボス部の
嵌合穴の内壁面には、回転軸に対する組立て分解性を考
慮して、軸方向中央部に逃げ加工が施されている。一般
に、ボス部に形成されている嵌合穴は、旋削で一括加工
して一定の内径に仕上げられる。従って、回転羽根車を
回転軸に焼き嵌めするときは均一な締代になる。
は、遠心力によって水を吐き出す羽根と円板状の側板に
より形成される複数の流路を備える翼部と、該翼部の中
心に形成されて回転軸の外周部と嵌合締結して該羽根車
を回転軸に強固に嵌着する円環状のボス部とからなる。
ボス部は回転羽根車を回転軸に対して安定に取り付ける
ための結合手段であって、軸方向に、側板と羽根の内周
端に連なる側板領域部と側板の厚みを越えて軸方向に突
出する突出領域部をもっている。そして、このボス部の
嵌合穴の内壁面には、回転軸に対する組立て分解性を考
慮して、軸方向中央部に逃げ加工が施されている。一般
に、ボス部に形成されている嵌合穴は、旋削で一括加工
して一定の内径に仕上げられる。従って、回転羽根車を
回転軸に焼き嵌めするときは均一な締代になる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】ボス部は、その外周部
に連なって形成された側板及び羽根によって拘束されて
実質的に大径部材となる側板領域部と外周が前記側板の
厚みを越えて軸方向に突出して解放された小径の突出領
域部とでは剛性が異なるために、焼き嵌めによる変形量
が相違する。相対的に小外径で低剛性の突出領域部は焼
き嵌めによる変形量が大きく、高剛性の側板領域部に比
較して大きい外形の膨れが生じる。ボス部の変形は、先
に説明したキー溝を押し広げるように作用してコーナ部
に応力集中を生じさせ、焼き嵌め締代が過大であると該
コーナ部で耐力を上回る応力が発生して塑性変形に至
る。そして、ボス部がこのような変形により円周上で均
一な締代量を維持することができなくなると、回転羽根
車全体が軸心に対して直角に固定されなくなって翼部に
倒れ現象が発生し、芯振れも発生する。
に連なって形成された側板及び羽根によって拘束されて
実質的に大径部材となる側板領域部と外周が前記側板の
厚みを越えて軸方向に突出して解放された小径の突出領
域部とでは剛性が異なるために、焼き嵌めによる変形量
が相違する。相対的に小外径で低剛性の突出領域部は焼
き嵌めによる変形量が大きく、高剛性の側板領域部に比
較して大きい外形の膨れが生じる。ボス部の変形は、先
に説明したキー溝を押し広げるように作用してコーナ部
に応力集中を生じさせ、焼き嵌め締代が過大であると該
コーナ部で耐力を上回る応力が発生して塑性変形に至
る。そして、ボス部がこのような変形により円周上で均
一な締代量を維持することができなくなると、回転羽根
車全体が軸心に対して直角に固定されなくなって翼部に
倒れ現象が発生し、芯振れも発生する。
【０００８】このような現象の発生を抑制するために焼
き嵌めによる締代を小さくすると、高速回転による遠心
力によって回転羽根車のボス部が膨張し、焼き嵌めによ
る緊縛力が減少し、あるいは消失する。焼き嵌めによる
緊縛力が減少すると、回転軸に対する回転羽根車の固定
がばらついて回転部分にアンバランス量が発生して振動
が増大したり、総ての駆動トルクがキーに作用して該キ
ーの降伏や回転羽根車のかじり付き、キーの剪断破壊等
が生じることになる。
き嵌めによる締代を小さくすると、高速回転による遠心
力によって回転羽根車のボス部が膨張し、焼き嵌めによ
る緊縛力が減少し、あるいは消失する。焼き嵌めによる
緊縛力が減少すると、回転軸に対する回転羽根車の固定
がばらついて回転部分にアンバランス量が発生して振動
が増大したり、総ての駆動トルクがキーに作用して該キ
ーの降伏や回転羽根車のかじり付き、キーの剪断破壊等
が生じることになる。
【０００９】以上のように、従来の回転ポンプにおける
回転軸と回転羽根車の焼き嵌めによる嵌合固定方法にお
いては、ボス部の剛性の不均一を考慮しておらず、嵌着
部の信頼性に問題があった。
回転軸と回転羽根車の焼き嵌めによる嵌合固定方法にお
いては、ボス部の剛性の不均一を考慮しておらず、嵌着
部の信頼性に問題があった。
【００１０】本発明の目的は、このような問題を解決し
て高速回転に適した回転ポンプ及び回転羽根車の固定方
法を提案することにある。
て高速回転に適した回転ポンプ及び回転羽根車の固定方
法を提案することにある。
【００１１】特に、遠心ポンプにおける回転羽根車を回
転軸に対して高信頼性をもって固着することができる嵌
着技術を提案することにある。
転軸に対して高信頼性をもって固着することができる嵌
着技術を提案することにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転羽根車を
回転軸に強固に嵌着させるボス部と前記回転軸の嵌合部
の締代量を該ボス部の軸方向の位置に応じて異ならせて
該ボス部に異常な変形が発生しないようにした。
回転軸に強固に嵌着させるボス部と前記回転軸の嵌合部
の締代量を該ボス部の軸方向の位置に応じて異ならせて
該ボス部に異常な変形が発生しないようにした。
【００１３】ボス部は、その外周に羽根を支える側板が
形成された側板領域部分と側板の厚みを越えて突出した
突出領域部分を備える。そこで、側板領域部分は締代を
多くして緊縛力を大きくし、突出領域部分は締代を少な
くして緊縛力を小さくすることにより、全体的には必要
な緊縛力（固着力）を確保するようにした。
形成された側板領域部分と側板の厚みを越えて突出した
突出領域部分を備える。そこで、側板領域部分は締代を
多くして緊縛力を大きくし、突出領域部分は締代を少な
くして緊縛力を小さくすることにより、全体的には必要
な緊縛力（固着力）を確保するようにした。
【００１４】
【作用】その外周に羽根を支える側板が形成された側板
領域部分は高剛性となり、側板の厚みを越えて突出した
突出領域部分は低剛性となる。従って、側板領域部分は
締代を多くして緊縛力を大きくし、突出領域部分は締代
を少なくして緊縛力を小さくすることによりボス部の異
常な変形を防止することができる。
領域部分は高剛性となり、側板の厚みを越えて突出した
突出領域部分は低剛性となる。従って、側板領域部分は
締代を多くして緊縛力を大きくし、突出領域部分は締代
を少なくして緊縛力を小さくすることによりボス部の異
常な変形を防止することができる。
【００１５】
【実施例】図１は、本発明の一実施例であるボイラ給水
ポンプの縦断側面図である。高速遠心ポンプの代表であ
るボイラ給水ポンプは、バーレルケーシング１の吸込口
２から吸込んだボイラ給水を、高速回転する主軸３に固
定されて該主軸３と共に回転する多段の回転羽根車４に
よって昇圧し、各段の回転羽根車４の外周に配列したデ
イフューザ５へ吐出して静圧を回復し、その後、ステー
ジ６によって外向きの流れを内向きに変える水返し羽根
で整流して次段の回転羽根車４へ導き、このような昇圧
過程を繰返して加圧した水を吐出口７から吐出する構造
である。
ポンプの縦断側面図である。高速遠心ポンプの代表であ
るボイラ給水ポンプは、バーレルケーシング１の吸込口
２から吸込んだボイラ給水を、高速回転する主軸３に固
定されて該主軸３と共に回転する多段の回転羽根車４に
よって昇圧し、各段の回転羽根車４の外周に配列したデ
イフューザ５へ吐出して静圧を回復し、その後、ステー
ジ６によって外向きの流れを内向きに変える水返し羽根
で整流して次段の回転羽根車４へ導き、このような昇圧
過程を繰返して加圧した水を吐出口７から吐出する構造
である。
【００１６】図２は、このボイラ給水ポンプ（遠心ポン
プ）における主軸３に固定された片吸込み回転羽根車４
の１つを示す斜視図である。回転羽根車４は焼き嵌めに
よって主軸３に強固に嵌着されており、キー溝にキー
（図示せず）を挿入してトルク伝達時に主軸３と回転羽
根車４の間に滑りが発生するのを防止するようにしてい
る。
プ）における主軸３に固定された片吸込み回転羽根車４
の１つを示す斜視図である。回転羽根車４は焼き嵌めに
よって主軸３に強固に嵌着されており、キー溝にキー
（図示せず）を挿入してトルク伝達時に主軸３と回転羽
根車４の間に滑りが発生するのを防止するようにしてい
る。
【００１７】図３は、図２に示したように主軸３に固定
した回転羽根車４の縦断側面面である。回転羽根車４
は、羽根４ａと側板４ｂ，４ｃで囲まれた流路を中心と
し流水を加速する翼部４ｄと、主軸３の外周に強固に嵌
着して該回転羽根車４を該主軸３に固着する円環状のボ
ス部４ｅを備える。ボス部４ｅに形成された嵌合穴の内
壁及び主軸３の外周にはキー溝８が形成され、キー９が
挿入されている。
した回転羽根車４の縦断側面面である。回転羽根車４
は、羽根４ａと側板４ｂ，４ｃで囲まれた流路を中心と
し流水を加速する翼部４ｄと、主軸３の外周に強固に嵌
着して該回転羽根車４を該主軸３に固着する円環状のボ
ス部４ｅを備える。ボス部４ｅに形成された嵌合穴の内
壁及び主軸３の外周にはキー溝８が形成され、キー９が
挿入されている。
【００１８】図４は、回転羽根車４の縦断側面図であ
る。ボス部４ｅは、その外周部に連なって形成された側
板４ｃ及び羽根４ａによって拘束されて実質的に大径部
材となる側板領域部４ｅ1とその外周が前記側板４ｃの
厚みを越えて軸方向に突出して解放された小径の突出領
域部４ｅ2とを備え、嵌合穴４ｆはこれらを貫通してい
る。嵌合穴４ｆの内壁には環状の逃げ溝４ｇ，４ｈが形
成される。逃げ溝４ｇは嵌合穴４ｆの軸方向の中央部に
位置して主軸３に対する挿脱を円滑にするための逃げ溝
として機能し、逃げ溝４ｈは突出領域部４ｅ2の外端部
に位置してキー溝加工時の終端部の逃げ溝として機能す
る。
る。ボス部４ｅは、その外周部に連なって形成された側
板４ｃ及び羽根４ａによって拘束されて実質的に大径部
材となる側板領域部４ｅ1とその外周が前記側板４ｃの
厚みを越えて軸方向に突出して解放された小径の突出領
域部４ｅ2とを備え、嵌合穴４ｆはこれらを貫通してい
る。嵌合穴４ｆの内壁には環状の逃げ溝４ｇ，４ｈが形
成される。逃げ溝４ｇは嵌合穴４ｆの軸方向の中央部に
位置して主軸３に対する挿脱を円滑にするための逃げ溝
として機能し、逃げ溝４ｈは突出領域部４ｅ2の外端部
に位置してキー溝加工時の終端部の逃げ溝として機能す
る。
【００１９】ボス部４ｅに形成された前記嵌合穴４ｆの
内径寸法は、側板領域部４ｅ1の内径Ｄａに対して突出
領域部４ｅ2の内径Ｄｂの方を若干大きくし、このボス
部４ｅの嵌合部の締代寸法は、突出領域部４ｅ2の締代
寸法δｂの方が側板領域部４ｅ1の締代寸法δａよりも
小さくなるようにすることにより、突出領域部４ｅ2に
発生する応力が過大になるのを抑制する。
内径寸法は、側板領域部４ｅ1の内径Ｄａに対して突出
領域部４ｅ2の内径Ｄｂの方を若干大きくし、このボス
部４ｅの嵌合部の締代寸法は、突出領域部４ｅ2の締代
寸法δｂの方が側板領域部４ｅ1の締代寸法δａよりも
小さくなるようにすることにより、突出領域部４ｅ2に
発生する応力が過大になるのを抑制する。
【００２０】図５〜図７は、実測と解析によって求めた
焼き嵌め時のボス部４ｅの応力と摩擦トルクの関係を示
している。
焼き嵌め時のボス部４ｅの応力と摩擦トルクの関係を示
している。
【００２１】図５は、焼き嵌め時の回転羽根車４のキー
溝８部の最大主応力（但し、材料の耐力との関係で示
す）と側板領域部４ｅ1の締代（但し、標準締代δｏと
の比として示す）との関係を示している。側板領域部４
ｅ1は、標準的締代δｏを越える大きな締代寸法δａと
しても、その外周が側板４ｃによって補強されて比較的
高剛性となっているために変形量が小さく、キー溝８部
の最大主応力は十分に小さい。これに対して従来構造羽
根車の突出領域部は、外径寸法が小さく剛性が低いため
に、側板領域部４ｅ1と同様の締代寸法δａとすると、
キー溝８部の最大主応力が過大になって塑性変形に至
る。しかし、本発明に従えば、突出領域部４ｅ2の嵌合
部の締代寸法δｂは、側板領域部４ｅ1に対して若干小
さくなるため、キー溝８部の最大主応力の増加を抑える
ことができる。
溝８部の最大主応力（但し、材料の耐力との関係で示
す）と側板領域部４ｅ1の締代（但し、標準締代δｏと
の比として示す）との関係を示している。側板領域部４
ｅ1は、標準的締代δｏを越える大きな締代寸法δａと
しても、その外周が側板４ｃによって補強されて比較的
高剛性となっているために変形量が小さく、キー溝８部
の最大主応力は十分に小さい。これに対して従来構造羽
根車の突出領域部は、外径寸法が小さく剛性が低いため
に、側板領域部４ｅ1と同様の締代寸法δａとすると、
キー溝８部の最大主応力が過大になって塑性変形に至
る。しかし、本発明に従えば、突出領域部４ｅ2の嵌合
部の締代寸法δｂは、側板領域部４ｅ1に対して若干小
さくなるため、キー溝８部の最大主応力の増加を抑える
ことができる。
【００２２】図６は、ボス部４ｅの突出領域部４ｅ2の
締代寸法δｂを一定とし、該突出領域部４ｅ2の外径寸
法Ｄｃ（但し、標準外径Ｄｃｏとの比で示す）を変えた
場合の該突出領域部４ｅ2のキー溝８部の最大主応力
（但し、耐力との比として示す）を示している。ボス部
４ｅにおける突出領域部４ｅ2の外径寸法Ｄｃを多少変
えても、キー溝８部の最大主応力は殆ど変化せず、その
効果は小さい。
締代寸法δｂを一定とし、該突出領域部４ｅ2の外径寸
法Ｄｃ（但し、標準外径Ｄｃｏとの比で示す）を変えた
場合の該突出領域部４ｅ2のキー溝８部の最大主応力
（但し、耐力との比として示す）を示している。ボス部
４ｅにおける突出領域部４ｅ2の外径寸法Ｄｃを多少変
えても、キー溝８部の最大主応力は殆ど変化せず、その
効果は小さい。
【００２３】図７は、側板領域部４ｅ1の締代寸法δａ
（但し、標準締代δｏとの比で示す）を変えた場合の焼
き嵌めによるボス部４ｅ（回転羽根車４）の摩擦トルク
（但し、回転ポンプ出力から求めた必要トルクとの比で
示す）を示している。全体の摩擦トルク（トータル値）
は、焼き嵌め部の面圧によって変化するため、剛性の高
い側板領域部４ｅ1の締代を大きくして面圧を高めるこ
とによってそのおおよそを決定できる。本発明では、突
出領域部４ｅ2の締代寸法δｂは、δａよりも自動的に
小さくなるが、図中（１）＋（２）と（２）＋（３）の
曲線を比較すると明らかなように、ボス部４ｅの全体で
は摩擦トルクが不足することがないようにすることがで
きる。
（但し、標準締代δｏとの比で示す）を変えた場合の焼
き嵌めによるボス部４ｅ（回転羽根車４）の摩擦トルク
（但し、回転ポンプ出力から求めた必要トルクとの比で
示す）を示している。全体の摩擦トルク（トータル値）
は、焼き嵌め部の面圧によって変化するため、剛性の高
い側板領域部４ｅ1の締代を大きくして面圧を高めるこ
とによってそのおおよそを決定できる。本発明では、突
出領域部４ｅ2の締代寸法δｂは、δａよりも自動的に
小さくなるが、図中（１）＋（２）と（２）＋（３）の
曲線を比較すると明らかなように、ボス部４ｅの全体で
は摩擦トルクが不足することがないようにすることがで
きる。
【００２４】以上の実施例は、主軸３と回転羽根車４の
ボス部４ｅの間の締代寸法を該ボス部４ｅに形成する嵌
合穴４ｆの内径寸法Ｄａ，Ｄｂを変えて調整するように
したが、内径寸法Ｄａ，Ｄｂを同一寸法にし、主軸３の
外形寸法を変えて決めるようにすることもできる。この
場合には、主軸３の大径部と小径部の間に環状の逃げ溝
を形成するとよい。
ボス部４ｅの間の締代寸法を該ボス部４ｅに形成する嵌
合穴４ｆの内径寸法Ｄａ，Ｄｂを変えて調整するように
したが、内径寸法Ｄａ，Ｄｂを同一寸法にし、主軸３の
外形寸法を変えて決めるようにすることもできる。この
場合には、主軸３の大径部と小径部の間に環状の逃げ溝
を形成するとよい。
【００２５】
【発明の効果】本発明は、回転羽根車を回転軸に嵌着す
るボス部において、その外周に羽根を支える側板が形成
された側板領域部分の締代を多くして緊縛力を大きく
し、側板の厚みを越えて突出した突出領域部分は締代を
少なくして緊縛力を小さくすることにより、全体的には
必要な緊縛力（固着力）を確保しつつ該ボス部の異常な
変形を防止することができる。
るボス部において、その外周に羽根を支える側板が形成
された側板領域部分の締代を多くして緊縛力を大きく
し、側板の厚みを越えて突出した突出領域部分は締代を
少なくして緊縛力を小さくすることにより、全体的には
必要な緊縛力（固着力）を確保しつつ該ボス部の異常な
変形を防止することができる。
【００２６】従って、高速回転に適した回転ポンプ及び
回転羽根車を得ることができ、特に、遠心ポンプにおけ
る回転羽根車を回転軸に対して高信頼性をもって固着す
ることができる。
回転羽根車を得ることができ、特に、遠心ポンプにおけ
る回転羽根車を回転軸に対して高信頼性をもって固着す
ることができる。
【図１】本発明の一実施例であるボイラ給水ポンプの縦
断側面図である。
断側面図である。
【図２】図１に示したボイラ給水ポンプの主軸に嵌着し
た１つの回転羽根車を示す斜視図である。
た１つの回転羽根車を示す斜視図である。
【図３】図２に示す主軸と回転羽根車の縦断側面図であ
る。
る。
【図４】図２に示す回転羽根車の縦断側面図である。
【図５】回転羽根車におけるボス部の締代とキー溝の最
大主応力の関係を示す特性図である。
大主応力の関係を示す特性図である。
【図６】回転羽根車におけるボス部の突出領域部の外径
と該部のキー溝の最大主応力の関係を示す特性図であ
る。
と該部のキー溝の最大主応力の関係を示す特性図であ
る。
【図７】回転羽根車におけるボス部の側板領域部及び突
出領域部の焼き嵌めの締代とキー溝の最大主応力の関係
を示す特性図である。
出領域部の焼き嵌めの締代とキー溝の最大主応力の関係
を示す特性図である。
３…主軸、４…回転羽根車、４ａ…羽根、４ｂ，４ｃ…
側板、４ｅ…ボス部、４ｅ1…側板領域部、４ｅ2…突出
領域部、４ｇ…逃げ溝、８…キー溝。
側板、４ｅ…ボス部、４ｅ1…側板領域部、４ｅ2…突出
領域部、４ｇ…逃げ溝、８…キー溝。
Claims (9)
- 【請求項１】ボスの外周から放射状に広がる円板状の側
板に羽根を設けた回転羽根車の前記ボスを回転軸に強固
に嵌着して該回転羽根車を該回転軸によって回転するよ
うにした回転ポンプにおいて、 前記ボスは、前記側板の内周側に位置する側板領域部と
該側板の厚みを越えて軸方向に突出した突出領域部を備
え、前記突出領域部は側板領域部よりも少ない締代で回
転軸に嵌着するようにしたことを特徴とする回転ポン
プ。 - 【請求項２】請求項１において、前記ボスは、回転軸と
の嵌合穴の内壁の軸方向中央部に環状の逃げ溝を備えた
ことを特徴とする回転ポンプ。 - 【請求項３】請求項１または２において、前記ボスは、
回転軸と嵌合する嵌合穴の内径を前記側板領域部に対し
て突出領域部を大きくしたことを特徴とする回転ポン
プ。 - 【請求項４】請求項１または２において、前記回転軸
は、前記ボスにおける前記側板の内周側に位置する側板
領域部に嵌着する嵌合部の径よりも該側板の厚みを越え
て軸方向に突出した突出領域部に嵌着する嵌合部の径を
小さくしたことを特徴とする回転ポンプ。 - 【請求項５】請求項１〜４の１項において、前記回転羽
根車は、回転軸に多段に嵌着されたことを特徴とする回
転ポンプ。 - 【請求項６】ボスの外周から放射状に広がる円板状の側
板に羽根を設けた回転羽根車の前記ボスを回転軸に焼き
嵌めして固定する回転羽根車固定方法において、 前記ボスにおいて前記側板の内周側に位置する側板領域
部の締代に対して該側板の厚みを越えて軸方向に突出し
た突出領域部の締代を少なくしたことを特徴とする回転
羽根車固定方法。 - 【請求項７】請求項６において、前記ボスは、回転軸と
嵌合する嵌合穴の内径を前記側板領域部に対して突出領
域部を大きくしたことを特徴とする回転羽根車固定方
法。 - 【請求項８】請求項６において、前記回転軸は、側板領
域部に嵌着する嵌合部の径よりも突出領域部に嵌着する
嵌合部の径を小さくすることを特徴とする羽根車固定方
法。 - 【請求項９】ボスの外周から放射状に広がる円板状の側
板に羽根を設けた回転羽根車の前記ボスを回転軸に焼き
嵌めして固定する回転羽根車固定方法において、前記ボ
スにおいて前記側板の内周側に位置する側板領域部の緊
縛力に対して該側板の厚みを越えて軸方向に突出した突
出領域部の緊縛力を小さくすることを特徴とする回転羽
根車固定方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7192129A JPH0942193A (ja) | 1995-07-27 | 1995-07-27 | 回転ポンプ及び回転羽根車固定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7192129A JPH0942193A (ja) | 1995-07-27 | 1995-07-27 | 回転ポンプ及び回転羽根車固定方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0942193A true JPH0942193A (ja) | 1997-02-10 |
Family
ID=16286168
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7192129A Pending JPH0942193A (ja) | 1995-07-27 | 1995-07-27 | 回転ポンプ及び回転羽根車固定方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0942193A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008298287A (ja) * | 2007-05-30 | 2008-12-11 | Nuovo Pignone Spa | 回転流体機械のロータ用の固定システム |
| JP2012233410A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | インペラ |
| JP2016008537A (ja) * | 2014-06-24 | 2016-01-18 | 株式会社Ihi | 遠心圧縮機 |
| CN107559206A (zh) * | 2017-10-13 | 2018-01-09 | 嘉利特荏原泵业有限公司 | 首级双吸结构双壳体对称式径向剖分多级离心泵 |
| WO2019078316A1 (ja) * | 2017-10-20 | 2019-04-25 | 株式会社荏原製作所 | ポンプ、ポンプ装置、及びポンプ装置の分解方法 |
| CN114135652A (zh) * | 2021-12-16 | 2022-03-04 | 新疆德勤互力工业技术有限公司 | 一种减速器密封用的耐磨轴套结构 |
-
1995
- 1995-07-27 JP JP7192129A patent/JPH0942193A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008298287A (ja) * | 2007-05-30 | 2008-12-11 | Nuovo Pignone Spa | 回転流体機械のロータ用の固定システム |
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| WO2019078316A1 (ja) * | 2017-10-20 | 2019-04-25 | 株式会社荏原製作所 | ポンプ、ポンプ装置、及びポンプ装置の分解方法 |
| CN114135652A (zh) * | 2021-12-16 | 2022-03-04 | 新疆德勤互力工业技术有限公司 | 一种减速器密封用的耐磨轴套结构 |
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