JPH0940836A - メチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂組成物シート - Google Patents

メチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂組成物シート

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JPH0940836A
JPH0940836A JP19470395A JP19470395A JPH0940836A JP H0940836 A JPH0940836 A JP H0940836A JP 19470395 A JP19470395 A JP 19470395A JP 19470395 A JP19470395 A JP 19470395A JP H0940836 A JPH0940836 A JP H0940836A
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JP
Japan
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methyl methacrylate
styrene copolymer
copolymer resin
weight
resin composition
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Application number
JP19470395A
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English (en)
Inventor
Yukio Ishizawa
幸雄 石沢
Yoshio Imae
義雄 今江
Kazumasa Sato
和誠 佐藤
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止性、外観特性、光学特性、機械物
性、寸法安定性に優れたメチルメタクリレート−スチレ
ン共重合樹脂組成物シートを提供する。 【解決手段】 (A)特定のメチルメタクリレート−ス
チレン共重合樹脂100重量部、及び(B)特定のスル
ホン酸リチウム塩0.5〜5重量部、更に(C)光拡散
剤として粒子径3〜15μmのものが少なくとも80重
量%であるガラスビーズ0.3〜1.5重量部からな
り、該メチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂組成
物の全光線透過率が85%以上の範囲であり、半値角が
1.4〜1.8度の範囲である光学用メチルメタクリレ
ート−スチレン共重合樹脂組成物シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する記述分野】本発明は、帯電防止性、外観
特性、光学特性、機械物性、寸法安定性に優れたメチル
メタクリレート−スチレン共重合樹脂組成物シートに関
するものである。詳しくは、例えばプロジェクションテ
レビのスクリーンに使用される光拡散性シートやフレネ
ルレンズ、レンチキュラーレンズなどの光学用シートに
好適であり、更にほこり等の付着を嫌う電子・電気機器
材料シートにも好適なメチルメタクリレート−スチレン
共重合樹脂組成物シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロジェクションテレビ等に用いられる
光学用シートは、画面の大型化や映像の鮮明度を上げる
ために、シートが薄肉化してもテレビへはめ込んだ際、
たわまないように剛性及び寸法安定性が要求されてい
る。また、一般にテレビ等の光学用シートには、視野角
度を広くして影像を明るく見やすくするために光拡散性
が要求され、特にこの要求を満たすために、シートとし
ては屈折率の高いものが好ましく用いられる。
【0003】従来のこれらの用途に使用するシートとし
ては、アクリル樹脂(以下、PMMAということがあ
る)シート又はポリカーボネイト樹脂(以下、PCとい
うことがある)シートが用いられてきた。しかし、PM
MAシートの場合、剛性は高いものの、吸水率が高いた
めに寸法安定性が悪く、また屈折率も1.49と低いの
で光学用シートとしては実用的ではない。また、PCシ
ートの場合には、逆に吸水率が低いので寸法安定性は良
く、屈折率も1.59と高いが、剛性が低いので光学用
シートとしては適さない。これらのことを鑑み、本発明
者らは、光学用等のシートとして種々検討した結果、メ
チルメタクリレート−スチレン共重合樹脂(以下、MS
ということがある)シートが、高い剛性と低い吸水率に
よる寸法安定性、及び屈折率が1.52〜1.54と適
度な値を有し、光学用等のシートとして好ましいことを
見出した。
【0004】しかし、光学用等のシートは上記物性だけ
でなく、さらにシート表面へのほこり付着などによる透
明性の低下を防止するため、帯電防止性も要求される。
これに対し、これまでに熱可塑性樹脂に帯電防止性をも
たせるための種々の方法が開示されている。例えば、特
公平1−37414号公報には熱可塑性樹脂に帯電防止
剤としてスルホン酸アルカリ金属塩を練り込む方法が開
示されているが、この場合、シートの帯電防止性は良好
になるが、MSとスルホン酸塩との相溶性が非常に悪い
ため、シートにひけ,線状の曇等の外観不良を生じるだ
けでなく、透明性を得られない等の問題点があった。
【0005】また、特開平3−43440号公報にはP
MMAに芳香族スルホン酸などのスルホン酸金属塩とポ
リエーテルとを配合する方法が、特開平1−19755
2号公報にはPMMAにスルホン酸金属塩とグリセリン
脂肪酸エステルとを配合する方法がそれぞれ開示されて
いるが、この場合外観不良等は改善できても、MSでは
透明性を損なうことがあり、またスルホン酸金属塩は非
常に吸湿性が高いために熱可塑性樹脂との混合がしにく
いことから、光拡散剤などを併用すると分散不良を起こ
しやすく、さらに他の化合物を併用配合することによっ
て工程が煩雑になるばかりでなく、耐熱性を損ないシー
トを着色したり、強度、硬度等の機会物性の低下をもた
らす原因にもなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これら
の従来方法の欠点について改良すべく検討した結果、メ
チルメタクリレート−スチレン共重合樹脂に対して下記
一般式(1)で示されるアルキルベンゼンスルホン酸リ
チウム塩と光拡散剤として特定の無機微粒子を特定量配
合することにより、優れた帯電防止性、外観特性を有す
ると共に、更に特定溶媒を使用してアルキルベンゼンス
ルホン酸リチウム塩を液状で配合すると分散不良なく光
拡散性や全光線透過率に優れ、また着色度の少ない優れ
た光学特性を有し、機械物性、寸法安定性にも優れた光
学用シートが得られることを見い出した。
【0007】具体的には、MS中に含まれるスチレンと
アルキルベンゼンスルホン酸リチウム塩構造中に含まれ
る芳香環との相互作用によって適度な相溶性が得られる
ため、外観不良が改良され、良好な帯電防止性を得られ
ることを見いだした。また、光拡散剤として特定の無機
の微粒子を特定量配合することにより、透明性を損なう
ことなく、光学用に好適な光学物性が得られることを見
出した。本発明は、かかる知見に基いて完成したもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 (1)(A)単量体単位であるメチルメタクリレート単
位とスチレン単位との重量比が75:25〜50:50
(メチルメタクリレート単位:スチレン単位)であり、
重量平均分子量が100000〜200000であると
共に、屈折率が1.52〜1.54、曲げ弾性率が3600
0〜40000kg/cm2 であり、かつ吸水率が0.1
5〜0.25%であるメチルメタクリレート−スチレン共
重合樹脂100重量部、及び(B)下記一般式(1)
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R1 は炭素数8〜16のアルキル
基を示す。)で表されるスルホン酸リチウム塩0.5〜
5重量部、及び(C)光拡散剤として、粒子径3〜15
μmのものが少なくとも80重量%であるガラスビーズ
0.3〜1.5重量部からなり、該メチルメタクリレー
ト−スチレン共重合樹脂組成物の全光線透過率が85%
以上の範囲であり、半値角が1.4〜1.8度の範囲で
あるメチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂組成物
シート
【0011】(2)(B)成分として、一般式(1)で
表されるスルホン酸リチウム塩、溶媒成分の割合が、重
量比で60:40〜90:10からなる液状成分を用い
て得られるじ上記(1)に記載のメチルメタクリレート
−スチレン共重合樹脂組成物シート
【0012】(3)(C)成分の光拡散剤がワックスで
表面処理された上記(1)又は(2)に記載のメチルメ
タクリレート−スチレン共重合樹脂組成物シート。 (4)溶媒成分が、炭素数が1〜4のアルコール、水か
らなり、両者の重量比が60:40〜90:10であ
る、上記(2)に記載のメチルメタクリレート−スチレ
ン共重合樹脂組成物シート (5)(C)成分の光拡散剤の表面処理に使用するワッ
クスが高級脂肪酸アミドである上記(3)に記載のメチ
ルメタクリレート−スチレン共重合樹脂組成物シート。 (6)メチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂組成
物シートを光学用シートとして用いる上記(1)〜
(5)のいずれかに記載のメチルメタクリレート−スチ
レン共重合樹脂組成物シート を提供するものである。
【0013】本発明のメチルメタクリレート−スチレン
共重合樹脂組成物シートにおいて、(A)成分であるメ
チルメタクリレート−スチレン共重合樹脂は、単量体単
位であるメチルメタクリレート単位75〜50重量%と
スチレン単位25〜50重量%、好ましくはメチルメタ
クリレート単位70〜55重量%とスチレン単位30〜
45重量%から構成されるものである。このメチルメタ
クリレート−スチレン共重合樹脂を製造するには、メチ
ルメタクリレートとスチレンとを、上記各単量体単位の
割合に対応するような割合で混合し、共重合すればよ
い。共重合樹脂を得る際、メチルメタクリレートの単量
体配合割合が上記50重量%未満であると強度、曲げ強
度等の機械的物性が低下し、一方、メチルメタクリレー
トの単量体配合割合が上記75重量%を越えると得られ
る樹脂の屈折率が低下し、またペレットの製造が困難に
なる場合がある。
【0014】また、(A)成分であるメチルメタクリレ
ート−スチレン共重合樹脂の重量平均分子量は、押出混
練り性、物性面から100000〜200000であ
り、好ましくは120000〜180000である。こ
のメチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂を用いて
押出成形によりシートを成形する際に、成形温度条件に
おいて好適な溶融粘度を得る点からも、メチルメタクリ
レート−スチレン共重合樹脂の重量平均分子量は100
000〜200000であることが好ましい。
【0015】さらに、(A)成分であるメチルメタクリ
レート−スチレン共重合樹脂は、屈折率が1.52〜
1.54、曲げ弾性率が36000〜40000kg/c
2 であり、かつ吸水率が0.15〜0.25%であ
る。前記メチルメタクリレートとスチレンとの単量体配
合割合は、(A)成分であるメチルメタクリレート−ス
チレン共重合樹脂の屈折率、曲げ弾性率及び吸水率につ
いて上記範囲になるように選定されることが、(A)成
分を用いた本発明の組成物シートを種々の光学機器に使
用する上で好ましい。
【0016】なお、本発明で規定される屈折率,曲げ弾
性率及び吸水率は、例えば以下のように測定される。屈
折率は、被試験物質である上記樹脂に接触液を接触させ
て、特定の波長の光を透過させることにより測定され
る。曲げ弾性率は、樹脂成形直後の成形板を一定の温湿
度の下で一定時間放置後、テンシロン等を使用して測定
される。また、吸水率は、樹脂成形直後の成形板を一定
の温度の水中に一定時間浸水させ、浸水前後の重量差か
ら測定される。次に、本発明の組成物における(B)成
分であるアルキルベンゼンスルホン酸リチウム塩は、下
記の式(1)で示される。
【0017】
【化3】
【0018】(式中、R1 は炭素数8〜16のアルキル
基を示す。) 本発明における(B)アルキルベンゼンスルホン酸リチ
ウム塩の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸
リチウム塩、オクチルベンゼンスルホン酸リチウム塩等
が挙げられる。これらのスルホン酸リチウム塩は、固体
の状態で配合してもよいが、更にそれ自体は固くて吸湿
性があるため、(A)成分等と配合する際には、溶媒を
加えた液状成分にしておくことが好ましい。この液状成
分の割合は、アルキルベンゼンスルホン酸リチウム塩と
溶媒の重量比が60:40〜90:10重量%、なかで
も70:30〜85:15重量%が好ましい。アルキル
ベンゼンスルホン酸リチウム塩の濃度が上記範囲で、押
出機での溶媒除去が容易でかつ押出安定性を良好に保つ
ことができる。
【0019】本発明の溶媒成分は、炭素数1〜4の低級
アルコール及び水との混合物が挙げられるが、なかでも
イソプロピルアルコールと水との混合物が好ましい。ま
たその割合は、両者の重量比が60:40〜90:1
0、特に70:30〜80:20が好ましく、溶媒成分
が上記範囲において、スルホン酸リチウム塩の溶解、粘
度の点で好ましく、また分散性や押出安定性の点等から
も好ましい。
【0020】本発明の組成物シートにおいて、(B)ア
ルキルベンゼンスルホン酸リチウム塩の配合割合は、
(A)成分であるメチルメタクリレート−スチレン共重
合樹脂100重量部に対して、0.5〜5重量部であ
る。アルキルベンゼンスルホン酸リチウム塩の配合割合
が上記0.5重量部未満では、十分な帯電防止効果が得
られない。上記5重量部を超える場合では、アルキルベ
ンゼンスルホン酸リチウム塩とメチルメタクリレート−
スチレン共重合樹脂との混合が困難になり、結果として
押出機での原料供給部分でのすべり性が悪くなることに
起因する押出安定性が低下するので好ましくなく、また
得られるシートの外観特性及び透明性が低下するので好
ましくない。
【0021】本発明で用いる(C)光拡散剤としてガラ
スビーズが好ましく、他の無機化合物の微粒子では良好
な光拡散特性を得ることができない。またその際、ガラ
スビーズは粒子径3〜15μmのものが少なくとも80
重量%以上、好ましくは90重量%以上である添加量が
0.3〜1.5重量部、好ましくは0.5〜1.2重量
部からなり、該メチルメタアクリレート−スチレン共重
合樹脂組成物シートの全光線透過率が85%以上であ
り、半値角が1.4〜1.8度の範囲にあるものが好ま
しい。
【0022】本発明において使用するガラスビーズの粒
径は3〜15μmの範囲のものが少なくとも80重量%
以上含まれるものを使用する。ガラスビーズの粒径が3
μm以上の場合に良好な透明性を得ることができ、粒径
が15μm以下の場合に、良好な光拡散性を得ることが
できる。特にプロジェクションテレビ用スクリーンなど
に使われる光学用シートは、上記全光線透過率と半値角
を兼ね備えていなければならず、粒子径が3〜15μm
のものが80重量%未満の場合上記光学物性を得ること
ができないおそれがある。従って、ガラスビーズとし
て、粒子径が3〜15μm以外のもの、例えば粒子径が
1〜3μm、又は15〜25μmのものがが20重量%
を越えない範囲で含まれていてもよい。
【0023】上記ガラスビーズの添加量が、メチルメタ
クリレート−スチレン共重合樹脂100重量部に対し、
0.3〜1.5重量部、好ましくは0.5〜1.2重量
部である。た添加量が上記0.3重量部未満の場合、光
拡散性が不足し、また、上記1.5重量部を越える場合
は押出シート成形時に空気を巻き込み外観不良を起こす
ので問題がある。
【0024】本発明では、さらにガラスビーズの表面を
ワックスで処理したものを用いることができる。一般に
無機化合物は、樹脂組成物中で分散不良や凝集を起こし
やすく、光学物性の低下や外観不良の原因となる。その
ため、ガラスビーズの表面にワックス、なかでも高級脂
肪酸アミドで表面処理をすると、分散不良や凝集が抑え
られ、外観良好で光学物性の良好なシートを得ることが
できる。用いられる高級脂肪酸アミドとしては、メチレ
ンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、
ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどが挙げら
れる。これらは単独でも二種以上の混合物でもよい。
【0025】本発明のメチルメタアクリレート−スチレ
ン共重合樹脂組成物シートの全光線透過率は85%以上
である。全光線透過率が85%未満では、光の損失が大
きで、光学用シートとして用いる場合には画面の明るさ
が不十分となる。本発明におけるガラスビーズの配合量
から、実用的な全光線透過率は86〜91%程度とする
のが望ましい。本発明におけるメチルメタアクリレート
−スチレン共重合樹脂組成物シートの半値角が1.4〜
1.8度の範囲にあるものが好ましい。
【0026】本発明での半値角とは、サンプル面に垂直
に入射した平行光線を、光源とは反対面からサンプルを
見て、光軸上における輝度を100とした場合、輝度が
50まで低下するに要する光軸とのなす角度の2倍値を
半値角とするものである。プロジェクションテレビ等に
用いられる光学用シートでは、この半値角が大きく、全
光線透過率が高いほど、光拡散特性が良好となるため、
画面の視野角度が広がり映像を明るく見やすくすること
ができるが、光のエネルギー損失を抑え、かつ適度な光
拡散指向性を付与させるには1.4〜1.8度の範囲で
ある。本発明のメチルメタクリレート−スチレン共重合
樹脂組成物シートをプロジェクションテレビ用スクリー
ンに用いられる光学用シートとして用いる場合、そのシ
ート厚みは、0.8〜10mm、好ましくは1.0〜
5.0mmであることが望ましい。
【0027】シート厚みが上記範囲内である場合には、
シートの剛性が維持できると共に、製造も容易であるの
で好ましい。シート厚みは薄い方が明るくできるが、
0.8mm未満ではシートが柔らかくなり、機械的物性
が低下する場合があり、一方、10mmを超えると製造
が困難になる場合がある。本発明のメチルメタクリレー
ト−スチレン共重合樹脂組成物シートには、更に所望に
応じて安定剤,顔料,染料,難燃剤,滑剤等の各種添加
剤、エラストマーあるいは充填剤を配合して使用するこ
とができる。本発明の組成物シートを調整するに当たっ
ては、従来公知の方法が採用されれば良く、ドライブレ
ンドやスーパーミキサーなどからの結果物を押出機等で
混練する方法などがある。
【0028】なお、本発明に係るメチルメタクリレート
−スチレン共重合樹脂組成物シートの製造は、押出し成
形等の通常のシート成形手段を適用することができる。
このような本発明のメチルメタクリレート−スチレン共
重合樹脂組成物シートは、優れた帯電防止性及び外観特
性を有するとともに、分散不良なく光拡散性や全光線透
過率に優れ、また着色度の少ない優れた光学特性を有
し、機械物性や寸法安定性にも優れる。なお、上記特性
の評価は、例えば、外観特性についてはブランクのシー
トを標準として肉眼により比較すること、黄色度につい
ては色差計を用いて透過法によりYI値等を比較するこ
と、表面固有抵抗値については成形後の成形板を一定条
件で放置後微少電流計等で抵抗値を測定すること、全光
線透過率及び雲価についてはヘイズメーター等を用いて
測定することなどにより実施することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明の詳細を説明す
る。尚、評価は、以下の方法によった。 (1)屈折率は、アタゴ(株)製のRアッベ屈折計4T
型を使用して、接触液にα−ブロムナフタレンを用い
て、JIS−K7105に準じて測定した。 (2)曲げ強度、曲げ弾性率は、成形直後、成形板を2
3℃,50%湿度の恒温室に88時間放置後、東洋ボー
ルドウィン(株)製のテンシロンUTM−5T型を使用
して、JIS−K7203に準じて測定した。 (3)吸水率は、JIS−K7209に準じて、成形直
後、成形板を23℃の水中に24時間浸水させて、浸水
前後の重量差を百分率で表すことで求めた。 (4)押出状況は、ベント付45mmφの2軸押出機で
溶融混練、押出を行った際の状況を評価した。○印は、
問題なく良好に押出ができた場合を示し、×印は、ホッ
パー部で樹脂が凝集し落下しないなどの問題が起こり押
出に支障をきたした場合を示す。
【0030】(5)外観特性は、ブランクのシート(合
成高分子のみから成るシート)を標準として肉眼により
比較評価した。○印は、透明でくもり、ひけ、線状の曇
がない場合を示し、×印は、くもり、ひけ、すじ等があ
る場合を示す。 (6)黄色度(YI値)は、日本電色工業(株)製の測
色色差計(型式:Z−Σ80)を使用して、JIS−K7
105に準じて透過法によって測定した。 (7)表面固有抵抗値は、成形直後、成形板を23℃、
50%湿度の恒温室に24時間放置後、アドバンテスト
製のR−12704デジタル超高抵抗/微少電流計で、
JIS−K6911に準じて測定した。 (8)全光線透過率及び雲価は、日本電色工業(株)製
のヘイズメーター(型式:NDH)を使用して、JIS
−K7105に準じて測定した。また、MSの全光線透
過率は92%であり、PC及びPMMAの全光線透過
率,屈折率,曲げ弾性率,吸水率は表1に示す通りであ
る。 (9)半値角は、(株)村上色彩技術研究所製の自動変
角光度計GONIOPHOTOMETERを使用して測
定した。
【0031】実施例1〜3 メチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂(メチルメ
タクリレート64重量%、スチレン36重量%からなる
単量体混合物を共重合して得た、重量平均分子量150
000のペレット)と、ドデシルベンゼンスルホン酸リ
チウム塩/イソプロピルアルコール/水(80/15/
5重量%)からなる液状成分であるドデシルベンゼンス
ルホン酸リチウム塩(表2中の配合量は、ドデシルベン
ゼンスルホン酸リチウム塩のみの量、以下の表において
も同じ)と、粒子径3〜15μmのものが80重量%以
上含まれる平均粒子径5〜7μmのガラスビーズ(東芝
バロティー(株)製、商品名:EMB−10)とを、表
2に示す割合で配合し、スーパーミキサーで撹拌混合
し、ベント付45mmφの2軸押出機で、樹脂温度23
0℃で溶融混練、押出を行うことによってペレットを製
造した。次いで、ベント付65mmφのシート押出機
で、樹脂温度235℃で試験片を試作し、各物性値を測
定した。測定結果を表2に示す。
【0032】実施例4 実施例1で使用したメチルメタクリレート−スチレン共
重合樹脂と、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム塩
と、粒子径3〜15μmのものが80重量%以上含まれ
る平均粒子径10〜12μmのガラスビーズ(東芝バロ
ティー(株)製、商品名:EMB−20)とを、表3に
示す割合で配合した以外は、実施例1と同様にして試験
片を試作し、各物性値を測定した。測定結果を表3に示
す。
【0033】実施例5 実施例1で使用したメチルメタクリレート−スチレン共
重合樹脂と、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム塩
と、表面にワックス処理(ガラスビーズ(東芝バロティ
ー(株)製、商品名:EMB−10)/エチレンビスス
テアロアミドの重量比:100/10)されたガラスビ
ーズとを、表3に示す割合で配合した以外は、実施例1
と同様にして試験片を試作し、各物性値を測定した。測
定結果を表3に示す。
【0034】比較例1、2 実施例1で使用したメチルメタクリレート−スチレン共
重合樹脂、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム塩、お
よび光拡散剤として平均粒子径5μmの硫酸バリウム
(日本化学工業(株)製)とをそれぞれ表4に示す割合
で配合した以外は、実施例1と同様にして試験片を試作
し、各物性値を測定した。測定結果を表4に示す。
【0035】比較例3 実施例1で使用したメチルメタクリレート−スチレン共
重合樹脂、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム塩、お
よび光拡散剤として平均粒子径2.2μmの炭酸カルシ
ウム(日東粉化(株)製、商品名:SS−80)とをそ
れぞれ表4に示す割合で配合した以外は、実施例1と同
様にして試験片を試作し、各物性値を測定した。測定結
果を表4に示す。
【0036】
【発明の効果】メチルメタクリレート−スチレン共重合
樹脂に対して、本発明の一般式(1)で示されるアルキ
ルベンゼンスルホン酸リチウム塩と光拡散剤として特定
の無機微粒子を特定量配合することにより、優れた帯電
防止性、外観特性を有すると共に、更に特定溶媒を使用
してアルキルベンゼンスルホン酸リチウム塩を液状で配
合すると分散不良なく光拡散性や全光線透過率に優れ、
また着色度の少ない優れた光学特性を有し、機械物性、
寸法安定性にも優れた光学用シートが得られる。
【0037】
【表1】 樹脂 MS PC PMMA PS 全光線透過率(%) 92 89 93 90 屈折率 1.52〜1.54 1.59 1.49 1.59 曲げ強度(kg/cm2) 1100〜1200 900 1200 750 曲げ弾性率(kg/cm2) 36000〜40000 23000 35000 33000 吸水率(%) 0.15〜0.25 0.2 0.3 0.03
【0038】
【表2】実施例番号 1 2 3 配合組成(重量部) MS 100 100 100 DBSL 1.0 1.0 3.0 ガラスビーズ 0.3 1.0 1.3 ガラスビーズ(ワックス処理) − − − 厚み(mm) 1.8 1.8 1.8 押出状況 ○ ○ ○ 外観特性 ○ ○ ○ 黄色度(YI値) -0.5 -3.2 -4.8 表面固有抵抗値(Ω) 4×1012 3×1012 1×1011 全光線透過率(%) 90 87 86 半値角 1.4° 1.54° 1.63° *略号 DBSL:ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム塩
【0039】
【表3】実施例番号 4 5 配合組成(重量部) MS 100 100 DBSL 1.0 3.0 ガラスビーズ 1.0 − ガラスビーズ(ワックス処理) − 1.0 厚み(mm) 1.8 1.8 押出状況 ○ ○ 外観特性 ○ ○ 黄色度(YI値) -3.5 -3.1 表面固有抵抗値(Ω) 4×1012 3×1011 全光線透過率(%) 87 87 半値角 1.6 ° 1.63° *略号 DBSL:ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム塩
【0040】
【表4】比較例番号 1 2 3 配合組成(重量部) MS 100 100 100 DBSL 1.0 1.0 1.0 硫酸バリウム 0.3 1.0 − 炭酸カルウシム − − 1.0 厚み(mm) 1.8 1.8 1.8 押出状況 ○ ○ ○ 外観特性 ○ ○ ○ 黄色度(YI値) -3.2 40 − 表面固有抵抗値(Ω) 2×1016 3×1012 2×1012 全光線透過率(%) 91 85 75 半値角 1.2° 1.2° 1.2° *略号 DBSL:ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム塩
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止性、外観
特性、光学特性、機械物性、寸法安定性に優れたメチル
メタクリレート−スチレン共重合樹脂組成物シートに関
するものである。詳しくは、例えばプロジェクションテ
レビのスクリーンに使用される光拡散性シートやフレネ
ルレンズ、レンチキュラーレンズなどの光学用シートに
好適であり、更にほこり等の付着を嫌う電子・電気機器
材料シートにも好適なメチルメタクリレート−スチレン
共重合樹脂組成物シートに関するものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】また、特開平3−43440号公報にはP
MMAに芳香族スルホン酸などのスルホン酸金属塩とポ
リエーテルとを配合する方法が、特開平1−19755
2号公報にはPMMAにスルホン酸金属塩とグリセリン
脂肪酸エステルとを配合する方法がそれぞれ開示されて
いるが、この場合外観不良等は改善できても、MSでは
透明性を損なうことがあり、またスルホン酸金属塩は非
常に吸湿性が高いために熱可塑性樹脂との混合がしにく
いことから、光拡散剤などを併用すると分散不良を起こ
しやすく、さらに他の化合物を併用配合することによっ
て工程が煩雑になるばかりでなく、耐熱性を損ないシー
トを着色したり、強度、硬度等の機械物性の低下をもた
らす原因にもなる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)単量体単位であるメチルメタクリ
    レート単位とスチレン単位との重量比が75:25〜5
    0:50(メチルメタクリレート単位:スチレン単位)
    であり、重量平均分子量が100000〜200000
    であると共に、屈折率が1.52〜1.54、曲げ弾性率が
    36000〜40000kg/cm2であり、かつ吸水
    率が0.15〜0.25%であるメチルメタクリレート
    −スチレン共重合樹脂100重量部、及び(B)下記一
    般式(1) 【化1】 (式中、R1 は炭素数8〜16のアルキル基を示す。)
    で表されるスルホン酸リチウム塩0.5〜5重量部、及び
    (C)光拡散剤として、粒子径3〜15μmのものが少
    なくとも80重量%であるガラスビーズ0.3〜1.5
    重量部からなり、該メチルメタクリレート−スチレン共
    重合樹脂組成物の全光線透過率が85%以上の範囲であ
    り、半値角が1.4〜1.8度の範囲であるメチルメタ
    クリレート−スチレン共重合樹脂組成物シート。
  2. 【請求項2】 (B)成分として、一般式(1)で表さ
    れるスルホン酸リチウム塩、溶媒成分の割合が、重量比
    で60:40〜90:10からなる液状成分を用いて得
    られる請求項1記載のメチルメタクリレート−スチレン
    共重合樹脂組成物シート。
  3. 【請求項3】 (C)成分の光拡散剤がワックスで表面
    処理された請求項1または2記載のメチルメタクリレー
    ト−スチレン共重合樹脂組成物シート。
  4. 【請求項4】 溶媒成分が、炭素数が1〜4のアルコー
    ル、水からなり、両者の重量比が60:40〜90:1
    0である、請求項2記載のメチルメタクリレート−スチ
    レン共重合樹脂組成物シート。
  5. 【請求項5】 (C)成分の光拡散剤の表面処理に使用
    するワックスが高級脂肪酸アミドである請求項3記載の
    メチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂組成物シー
    ト。
  6. 【請求項6】 メチルメタクリレート−スチレン共重合
    樹脂組成物シートを光学用シートとして用いる請求項1
    〜5のいずれかに記載のメチルメタクリレート−スチレ
    ン共重合樹脂組成物シート。
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