JPH0939758A - 四輪懸架式走行車両のブレーキ機構 - Google Patents

四輪懸架式走行車両のブレーキ機構

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JPH0939758A
JPH0939758A JP19783295A JP19783295A JPH0939758A JP H0939758 A JPH0939758 A JP H0939758A JP 19783295 A JP19783295 A JP 19783295A JP 19783295 A JP19783295 A JP 19783295A JP H0939758 A JPH0939758 A JP H0939758A
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brake
braking
wheels
arm
center
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JP19783295A
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Noboru Yamamoto
昇 山本
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Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行車両等の四輪懸架式走行車両において、
前輪と後輪とを独立に制動できるようにして、前後に重
量バランスが移動しやすいタイプの車両でも良好に制動
できるようにする。 【解決手段】 車体前後に、各一個のブレーキを有して
左右の車輪に制動力を分配する前部センターブレーキA
と後部センターブレーキBとを配設し、一体のブレーキ
ペダル13にて両方のブレーキを制動制御でき、また、
各々に自動ブレーキアクチュエーターを設けて、前輪2
及び後輪3への制動力を各々独立して付与できるように
し、また、前部センターブレーキ機構Aは、差動ギア機
構DGにて軸支する差動ギア軸30よりプロペラシャフ
ト42を介して左右前輪2に制動伝達する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、四輪懸架式走行車
両のうち、自動的に制動力を制御して制動及び走行速度
制御可能とした型式のもの、例えばゴルフカート等に適
用され、特に前後に座席を配する五人乗りのゴルフカー
トような車両におけるブレーキ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルフカートにおいては、近年、自動走
行型のものが増えている。例えば、特開平5−3240
69に示すように走行路に誘導ループ線を埋設し、これ
を基にゴルフカートを電磁誘導して走行させる構成であ
る。このような自動走行型のものには、制動に加えて、
走行速度制御(例えば下り坂で低速にする)のため、自
動的に制動力を制御できる自動ブレーキ装置を設けてい
る。また、一パーティのメンバーを一台のカートにて移
動できるよう、前部に二人用、後部に三人用の座席を設
けた五人乗りというような多人数乗りのものも公知とな
っている。
【0003】このように自動走行制御化、また、多人数
乗用化する中で、起伏の多い走行路を走るゴルフカート
にとって、ブレーキが安全に作動することは重要な意味
を占める。従来、ゴルフカートには、自動ブレーキ装置
を設けたものがあり、更にこれと別に、ブレーキ操作具
の操作、例えばブレーキペダルの踏み込みにてかかるブ
レーキが設けられたものが実開平4−365657に示
すように公知となっている。
【0004】また、本出願人は、特願平7−42041
にて、ゴルフカートを実施例とする自動ブレーキ装置に
ついて開示しているが、これは後輪を制動対象としてい
る。ゴルフカートのみならず、従来の四輪懸架式走行車
両におけるブレーキ機構は、前後輪のいずれかのみ(ゴ
ルフカートでは後輪駆動のため、主に後輪のみ)を制動
するものや、或いは前後輪一律に制動するものがある
が、前後輪を独立して制動可能なものはない。また、操
舵用の車輪を制動可能としたものも従来存在するが、左
右の各車輪に各々ブレーキ(主にドラム式)を付設した
構成であり、片効き防止のため、均等にブレーキが作動
するような機構(イコライザ等)が必須となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決すべき課
題は、四輪懸架式走行車両において、なるべく軽薄短小
な構成で、前後輪を独立して制動可能とすることであ
る。まず、前後輪の独立制御という点について述べる
と、ゴルフカートの場合、起伏が多い上に車体重量に比
べて、人や荷物等の積載重量の比が大きく、この上、前
記のような多人数乗りのものを構成すれば、例えば前後
の座席のどちらかのみに人が座っている場合等に、車両
の前後方向で、重量バランスは大きく変化する。このよ
うな事態になると、重量のかかっていない側の車輪は、
地面へのグリップが非常に少なくなり、前後輪のいずれ
かだけを制動するものは勿論、前後輪一律に制動される
ものも、このようなグリップの少なくなった車輪に制動
力を付与すると、良好な制動や、或いは速度制御が得ら
れなくなる。前後輪を独立して制動できれば、この前後
の重心移動に対応して、前輪と後輪との制動比を調節し
て、良好な制動または速度制御ができるようになる。
【0006】また、前後輪のうち、いずれか(主に前
輪)は、操舵用車輪であることが多いが、このように前
後輪を独立して制動する構成としても、前後各車輪で、
左右の車輪は一律に制動しなければならない。この中
で、操舵用車輪は、前記の如く、左右各車輪に独立して
付設したブレーキを、一律に制動すべき機構を設けなけ
ればならない点で、ブレーキ系統の部品点数が多くな
り、また、車輪に直接付設するブレーキは、車輪を直接
制動する点で、大きなブレーキ容量を必要とする。この
点で、コンパクト化に不利になっている。更に、従来で
は、前記のようにブレーキペダル操作のブレーキ系統
と、自動ブレーキ系統が別個に設けられていて、部品点
数が多く、車体の重量化、コスト高に繋がっていた。こ
れを統一する場合には、自動ブレーキ装置にて制動力を
自動制御している場合にも、運転者が任意にブレーキ操
作具(ブレーキペダル)にて選択的に制動できるように
する必要がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
課題を解決するために、次のような手段を用いる。即
ち、請求項1の如く、四輪懸架式走行車両において、一
個のブレーキより差動装置を介して左右の車輪に制動力
を付与するセンターブレーキ機構を車両の前後に一個ず
つ配設し、ブレーキを自動制御する自動制動装置を各セ
ンターブレーキ機構毎に設けて、各自動制動装置を独立
して制御可能とした。
【0008】また、請求項2の如く、四輪懸架式走行車
両で、一個のブレーキより差動装置を介して左右の車輪
に制動力を付与するセンターブレーキ機構を車両の前後
に一つずつ配設し、ブレーキを自動制御する自動制動装
置を各センターブレーキ機構毎に設けたものにおいて、
各センターブレーキ機構のブレーキは、各自動制動装置
によっても、車両に一個設けたブレーキ操作具の操作に
よっても作動し、該ブレーキ操作具の操作による制動が
該自動制動装置による制動に優先するものとし、一個の
ブレーキ操作具から各ブレーキに均等な操作力を付与す
るものとした。
【0009】また、請求項3の如く、四輪懸架式走行車
両の中の操舵用の左右車輪に対し、一個のブレーキより
差動装置を介して制動力を付与するセンターブレーキ機
構を設けた構成において、該センターブレーキ機構の差
動ギア軸から左右車輪にプロペラシャフトを連結し、サ
スペンション用ダンパーを支持する一体状のフロントア
ームにて該プロペラシャフトを内包し、該フロントアー
ムは、該差動ギア軸と連結軸との継手部分付近に回動支
点をして、上下回動自在とした。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を、添付の図面に
基づいて説明する。図1は多人数乗りゴルフカートの全
体側面図、図2は本発明にかかるゴルフカート全体にお
けるブレーキ機構を示す側面図、図3はブレーキペダル
とイコライザー部分の正面図、図4はブレーキペダルか
らのブレーキケーブル配線と前部センターブレーキ機構
Aを示す側面図、図5は前部センターブレーキ機構Aに
おける自動ブレーキアクチュエーターの配設構造を示す
側面図、図6は前部センターブレーキ機構Aの正面断面
図、図7は前部センターブレーキ機構Aのブレーキ本体
ケース23におけるアーム構造を示す側面図、図8は同
じくアーム構造と内部のブレーキ構造を示す正面断面
図、図9は前部センターブレーキ機構Aから左右前輪2
・2への制動伝達構造及びサスペンション構造を示す正
面断面図、図10は同じく平面図、図11は前輪2付近
におけるブレーキ伝達構造及びサスペンション構造を示
す部分正面断面図、図12はフロントアーム44におけ
るスピンドルホルダー44aとナックルアーム45aと
の位置関係を示す平面図、図13はフロントアーム44
の正面図、図14は同じく平面図、図15はフロントア
ーム44における枢支部44cの側面図、図16はフロ
ントアーム44におけるスピンドルホルダー44aの側
面図、図17は同じく正面断面図、図18はフロントア
ーム44の側面図、図19は後部センターブレーキ機構
Bの側面図、図20は同じく正面断面図、図21は後部
センターブレーキ機構Bのブレーキ本体ケース23にお
けるアーム構造を示す側面図、図22は同じくアーム構
造及び内部のブレーキ構造を示す正面断面図である。
【0011】本発明を、図1のように、前後に座席を有
する多人数(5人)乗りのゴルフカートに採用した実施
の形態にて説明する。このゴルフカートの全体構成につ
いて図1より説明する。後部座席用のステップ等を形成
するアンダーボディ1の前後に左右の前輪2と左右の後
輪3が懸架されており、該左右前輪2の懸架部分の上に
て前部座席台4が搭載されていて、その上に前部座席5
が載置されている。また、該前部座席台4より前方にス
テップ板6が延設されて、その前端にてフロントカウル
7が固設されており、その上部後端にハンドル8が突設
されている。一方、該アンダーボディ1上の前後輪2・
3間より後輪3の上方にかけて、リアカウル9が搭載さ
れており、該リアカウル9上に、後部座席10が座席取
付ステー10aを介して取付けられている。更に、フロ
ントカウル7より上部後方にルーフフレーム11を延設
し、また、該ルーフフレーム11の後端と該座席取付ス
テー10aの上部との間にルーフ後部支柱12が連結さ
れている。該ルーフフレーム11の上にはルーフ11a
が固設されて、ゴルフカートの上方を被覆する。そし
て、該ステップ板6の前部に、ブレーキペダル13及び
アクセルペダル16が上方に突設している。
【0012】本ゴルフカートにおける駆動系について簡
単に説明すると、エンジンEは、図2のようにリアカウ
ル9内に内設しており、該エンジンEの後部にミッショ
ンケースMが連設され、該ミッションケースM内の後部
に、図20の如く差動ギア機構DGが形成されていて、
左右の後輪3・3の車軸41・41を軸支している。即
ち、後輪3を駆動輪とする後輪駆動型となっている。前
輪2は従動輪であり、ハンドル8にて操舵される操舵用
車輪となっている。
【0013】次に、ブレーキ機構について図2乃至図2
2より説明する。図2の如く、前部座席台4の前方足元
(前記ステップ板6の前部)にて、ブレーキ操作具であ
るブレーキペダル13が上方に突設されていて、その下
端は、該ステップ板6の下方にて、図3及び図4にて示
すようなペダル支持部材14に枢支軸14aにて枢支さ
れており、バネ15にて非制動向きに付勢されている。
なお、該ペダル支持部材14には、該ブレーキペダル1
3と平行状にアクセルペダル16を枢支している。また
該ペダル支持部材14の後部にアウター金具20を左右
に二個固設し、該アウター金具20・20にそれぞれ前
輪用ブレーキケーブル21Fと後輪用ブレーキケーブル
21Rの各前端を連結しており、各ブレーキケーブル2
1F・21Rのインナーワイヤを各アウター金具20内
に摺動自在に嵌入して、それぞれ蛇腹状の弾性部材を具
備する吸収部材19に固着している。両吸収部材19・
19の前端はイコライザー板18の左右端に枢支してお
り、該イコライザー板18の中心と該ブレーキペダル1
3の基端部との間にイコライザー連結リンク17を枢結
して、前輪用ブレーキケーブル21Fと後輪用ブレーキ
ケーブル21Rとの操作量を均等にするイコライザー機
構としている。なお、該前輪用ブレーキケーブル21F
・後輪用ブレーキケーブル21Rの各後端部は、それぞ
れ後記の如く前部センターブレーキ機構A及び後部セン
ターブレーキ機構Bの各ブレーキアーム31a・31’
aに連結されている。
【0014】両ブレーキケーブル21F・21Rは、長
時間の使用に伴って伸長するが、前輪ブレーキケーブル
21Fと後輪ブレーキケーブル21Rで長さが異なった
り、摺動量等が異なったりした場合に、該イコライザー
板18が左右回動して、この差異を吸収する。よって、
ブレーキペダル13の操作時には、常に両ブレーキケー
ブル21F・21Rを均等な操作量で差動するものであ
り、従って、前輪2と後輪3が均等に制動される。
【0015】なお、左右車輪にそれぞれ個々にブレーキ
(例えばドラムブレーキ)を付設している場合には、左
右車輪に付設したブレーキに均等な制動力をかけるべ
く、左右ブレーキへのブレーキケーブルをイコライザー
機構より分岐延設する構成が必要だが、本ゴルフカート
においては、後記の如く、一つのブレーキ機構から左右
車輪に差動ギア機構にて制動力を付与する構成なので、
制動力を左右均等にかけることができ、このようなイコ
ライザー機構は不要であり、前記の如く、前後輪の間で
制動操作量を均等とするイコライザー機構のみを設けて
いる。
【0016】前記の前部座席台4内の中央には、図2乃
至図10のように、ブレーキケース22を主体とする前
部センターブレーキ機構Aが配設されている。これにつ
いて説明すると、まず、該ブレーキケース22の一側面
に、図7及び図8図示のブレーキ本体ケース23が図6
の如く固設されている。一方、該ブレーキケース22内
の下部には、図6に示す如く、差動ギア機構DGが内設
されていて、該差動ギア機構DGより両側に左右の差動
ギア軸30・30を軸支し、突設している。該差動ギア
機構DGの上方においては、ブレーキ軸24を横方向に
軸支して、その一端を該ブレーキ本体ケース23内に挿
入し、この挿入部分において、円板状のブレーキ板25
が環設固定されている。該ブレーキ本体ケース23内に
おいて、該ブレーキ板25に添って制動リング26が固
設され、該ブレーキ板25の外側に添ってボールデテン
ト27が回転可能に内嵌されていてる。一方、ブレーキ
ケース22内において、該ブレーキ軸24に環設固定し
たカウンターギア28を差動ギア機構DGにおけるリン
グギア29に噛合している。
【0017】非制動時においては、ブレーキ板25が制
動されておらず、即ち、ブレーキ軸24が回転自在とな
っており、該差動ギア軸30・30は、非制動状態の走
行時においては、左右の前輪2・2より伝動されて(こ
の伝動構成については後に説明する。)、ブレーキ軸2
4もそれに追随して回転している。制動時においてはボ
ールデテント27が非制動位置から制動位置に回動し、
該ブレーキ板25を押圧して、制動リング26に圧着
し、このため、ブレーキ軸24が回転不可能となり、差
動ギア機構DGを介して差動ギア軸30・30が制動さ
れることにより、前輪2・2が制動される構成となって
いる。
【0018】該ボールデテント27は、図8に示す如
く、バネ27bにて非制動状態に付勢されており、ま
た、カム27aを突設して、該ブレーキ本体ケース23
より外側に回動可能に突設されたブレーキアーム軸31
の内側端より突設するカム31dと係合可能となってお
り、該ブレーキアーム軸31が制動位置に回動すると、
該カム31d・27aを介して、ボールデテント27が
制動位置に回動するものである。
【0019】このように前部センターブレーキ機構Aに
は、一体のブレーキ本体ケース23内に一体のディスク
ブレーキが内設されているが、後に説明するように、ブ
レーキペダル操作によっても、自動ブレーキアクチュエ
ーターによっても、この一体のディスクブレーキにて前
輪2・2の制動が可能であり、ブレーキペダル操作によ
るブレーキを別個に設ける必要はない。
【0020】なお、ブレーキ軸24は、差動ギア機構D
Gを介して減速される。該差動ギア機構DGにおける減
速比を高くすれば、それだけブレーキ軸24の回転速度
は遅くなるので、該ブレーキ本体ケース23内のディス
クブレーキのブレーキ容量は小さく抑えることができ
て、コスト低下を図ることができる。
【0021】図7及び図8の如く、該ブレーキ本体ケー
ス23の外側において、該ブレーキアーム軸31には、
ブレーキアーム31aを固設している。また、該ブレー
キアーム軸31の外側突出部分に、自動ブレーキアーム
用ボス32が遊嵌環設されていて、該自動ブレーキアー
ム用ボス32より、バネアーム32aとリンクアーム3
2bとが突設している。該ブレーキアーム31aの先端
には、図7のように長孔31bが穿設されていて、該長
孔31b内にて、前記の前輪用ブレーキケーブル21F
の後端の摺動軸34が摺動自在に内嵌されている。ま
た、該ブレーキアーム31aの、該ブレーキアーム軸3
1を介して、該長孔31bと反対側の部位に、該リンク
アーム32bに押当可能なストッパー31cを突設して
いる。なお該ストッパー31cは、該リンクアーム32
bの制動位置寄り側に押当するようにしている。
【0022】該バネアーム31aより、該ブレーキケー
ス22を支持する支持フレーム(図示せず)に、図4図
示の常時ブレーキ用バネ33を連結して、該バネアーム
32aを制動方向に付勢しており、該常時ブレーキ用バ
ネ33が伸長作用を受けない限り、該バネアーム31a
は最終制動位置に固定されている。この時、該リンクア
ーム32bは該バネアーム31aと一体なので、ともに
最終制動位置にあり、該ブレーキアーム31aのストッ
パー31cを押圧して、該ブレーキアーム31aも最終
制動位置に固定している。(図7中、実線にて示す位置
である。)このように、常時ブレーキ用バネ33の付勢
力にてかかっているブレーキを常時ブレーキと称する。
なお、この時、ブレーキペダル13を踏んでいない場合
に、長孔31b内における摺動軸34の位置は、図7に
て実線で示す如く、該長孔31b内の後端位置にあるの
で、ブレーキペダル13を踏んで、前輪用ブレーキケー
ブル21Fが前方に摺動しても、該長孔31b内の遊び
域内での摺動で、該ブレーキアーム31aが、この制動
位置から更に制動方向に回動することはない。
【0023】一方、ブレーキペダル13を踏んでいない
という前提で、常時ブレーキを解除する場合には、該リ
ンクアーム32bが、後記の自動ブレーキアクチュエー
ターによって引っ張られて、バネアーム32aととも
に、常時ブレーキ用バネ33の付勢力に抗して、一体に
非制動位置に移動するので、リンクアーム32bによる
ストッパー31cの抑止がなくなり、即ち、ブレーキア
ーム軸31を制動位置に抑止する力がなくなる。そのた
め、ボールデテント27がバネ付勢力にて非制動位置に
回動し、カム27a・31dを介してブレーキアーム軸
31も非制動方向に回動し、ブレーキアーム31aは、
ストッパー31cがリンクアーム32bに押当する位
置、即ち非制動位置に回動するのである。(図7中、一
点破線にて示す位置である。)この時、該摺動軸34
は、図7の如く、長孔31b内の前端位置に位置してお
り、従って、ブレーキペダル13を踏んで、前輪用ブレ
ーキケーブル21Fが前方に摺動すると、該摺動軸34
は、直ぐに長孔31bの前端部を前方に押すこととな
り、また、リンクアーム32bはストッパー31cに対
して非制動側にあり、該ブレーキアーム31aの制動側
への回動は自由なので、該前輪用ブレーキケーブル21
Fに引かれて、直ちにブレーキアーム31aが制動位置
に回動することとなる。即ち、常時ブレーキが解除状態
になっている時には、ブレーキペダル13の踏み操作に
て前輪2・2を制動できるのである。
【0024】次に、自動ブレーキアクチュエーターにつ
いて説明する。該自動ブレーキアクチュエーターは、図
4乃至図6の如く、ブレーキケース22の上部後方に形
成した自動ブレーキ部22a付近に構成されており、概
略して説明すると、駆動源として正逆転駆動可能なDC
モーターである自動ブレーキモーター36を有し、該リ
ンクアーム32bに自動ブレーキリンク35を連結し
て、これをモーター駆動にて上方に摺動してリンクアー
ム32bを非制動位置に引っ張って、常時ブレーキを解
除するものである。
【0025】具体的には、該自動ブレーキモーター36
のモーター軸がウォーム36aとなっており、該ウォー
ム36aに噛合するウォームホイル37aの中心軸37
が、該ブレーキケース22内に入軸されている。これら
は、ブレーキケース22の上部におけるブレーキ本体ケ
ース23とは反対側に配設されているものであり、一
方、該ブレーキケース22上部の該ブレーキ本体ケース
23と同一側には、ピニオン軸39が枢支されており、
該ピニオン軸39の外部突出部分には、ピニオン39a
が形成されていて、これに噛合する扇型のラック40a
も該ブレーキケース22に枢支されている。ピニオン軸
39は、ブレーキケース22内において、電磁クラッチ
38を介して、該ウォームホイル37aの中心軸37と
直列連結している。
【0026】該ラック40aは、ブレーキケース22内
にて軸支する枢支軸40に環設固定されており、同じ枢
支軸40よりリンクアーム40bが突設されている。そ
して該リンクアーム40bと前記のリンクアーム32b
との間に、該自動ブレーキリンク35が連結されている
のである。
【0027】電磁クラッチ38が通電して係合している
ことを前提にすると、該自動ブレーキモーター36は、
正逆転駆動可能なので、ラック40aのピニオン39a
への噛合位置、即ち回動位置を、上端の非制動位置から
下端の最終制動位置までの間で調節可能である。従っ
て、該自動ブレーキリンク35は、その摺動上端が非制
動位置、下端が最終制動位置であるが、この摺動域にて
位置調節可能となる。よって、バネアーム32a及びリ
ンクアーム32bも、非制動位置と最終制動位置との間
で位置調節可能である。この状態において、前記のよう
に、ブレーキアーム軸31は、ボールデテント27のバ
ネ付勢力にて、非制動方向に回動付勢されており、スト
ッパー31cの押当により、ブレーキアーム31aは、
バネアーム32a及びリンクアーム32bと一体状に回
動する。従って、ブレーキアーム軸31の回動量も該バ
ネアーム32a及びリンクアーム32bの位置にて調節
される。
【0028】従って、ブレーキ本体ケース23内におい
ては、ボールデテント27が非制動位置と最終制動位置
との間で位置調節可能となる。この間でボールデテント
27を位置調節されることは、ブレーキ板25の制動リ
ング26に対する圧着度を調節することとなるので、ブ
レーキ軸24への制動力、即ち差動ギア軸30・30へ
の制動力、そして最終的には、前輪2・2への制動力を
調節することとなる。即ち、該自動ブレーキモーター3
6の駆動量や駆動方向を調節して、前輪2・2への制動
力を自動制御できるのであり、これらの調節によって
は、前輪2・2を半制動状態とすることも可能である。
この半制動制御は、低速走行制御として活用される。
【0029】なお、ブレーキペダル13を踏んでいない
状態において、前記摺動軸34は、該ブレーキアーム3
1aが、非制動位置と最終制動位置との間のどの位置に
あっても、長孔31b内における遊び域内にあるので、
前輪用ブレーキケーブル21Fがこれに伴って摺動する
ことはない。そして、半制動状態であっても、ブレーキ
ペダル13を踏めば、該前輪用ブレーキケーブル21F
が前方摺動して、摺動軸34が長孔31b内を前方に摺
動した後、該長孔31bを前方に押し、該ブレーキアー
ム31aを最終制動位置まで回動でき、従って、前輪2
・2を完全な制動状態とすることができる。即ち、自動
ブレーキアクチュエーターで制動力を自動制御している
状態であっても、ブレーキペダル13の踏み込みによっ
て、運転者が任意の位置で完全に前輪2を制動すること
ができるのである。
【0030】ブレーキペダル13の踏込みによらず、自
動ブレーキアクチュエーターにて制動する場合(必ず走
行停止すべき場所では、ブレーキペダル13の踏み込み
によらず、自動的にカートを走行停止するようになって
いる。)には、前記電磁クラッチ38を通電停止して離
脱する。なお、通電停止にて離脱するので、これは、ゴ
ルフカートの電気系統の故障における緊急停止として活
用される。これによって、ウォームホイル37aの中心
軸37よりピニオン軸39への伝動が断たれ、常時ブレ
ーキ用バネ33の付勢力にて、一気に常時ブレーキがか
かる。即ち、自動ブレーキリンク35の上方への引っ張
り力がなくなるから、該常時ブレーキ用バネ33がバネ
アーム32aを最終制動位置に一気に回動し、これと一
体状にリンクアーム32bを、そして、該リンクアーム
32bがストッパー31cを押すことで、ブレーキアー
ム31a及びブレーキアーム軸31を、最終制動位置に
一気に回動して、前輪2・2を制動するのである。な
お、ラック40aとピニオン39aとが噛合している状
態で、一気に自動ブレーキリンク35が下方に引っ張ら
れれば、この噛合部分が摩耗或いは破損するおそれがあ
るので、該自動ブレーキリンク35には、下方への引っ
張り力に対しては、ある程度の伸長自由度を具備してお
り、ラック40aは、緩やかに、殆ど自重で制動位置に
下方回動できるようになっている。
【0031】なお、自動ブレーキモーター36を解除方
向と逆方向に駆動して、ラック40aを制動側に下方回
動させるようにすれば、該ブレーキリンク35を下方に
押し下げ、リンクアーム32b及びバネアーム32aが
制動側に回動する。この回動に伴って、ストッパー31
cを押してブレーキアーム31a及びブレーキアーム軸
31を制動側に回動し、ブレーキがかかる。この場合に
は、ラック40aの回動にて、徐々に制動する形とな
る。非制動状態から半制動状態に変える低速制御時等に
は、このブレーキを活用する。
【0032】次に、図19乃至図22にて図示する後輪
制動用の後部センターブレーキ機構Bは、ブレーキケー
ス22に代えて、走行ミッションケースMを主として形
成されており、該走行ミッションケースM内におけるブ
レーキ軸24’及び差動ギア機構DGが、車軸41・4
1への走行伝動系として機能していることや、ブレーキ
アーム31a’、バネアーム32a’、リンクアーム3
2b’の形状が前記のものと異なること等を除けば、前
部センターブレーキ機構Aと同一構成である。図19乃
至図22中で、前部センターブレーキ機構Aにて用いた
符号と同一符号は同一部材を示しており、24’、31
a’、31b’、31c’、32a’、32b’と符号
を付しているものも、形状等が異なるのみで、ブレーキ
用部材としての機能は、前記の24、31a、31b、
31c、32a、32bと付したものと同一である。従
って自動ブレーキアクチュエーターにて後輪3・3への
制動力を自動制御できるし、また、完全な制動状態でな
い限り、自動ブレーキアクチュエーターにて制動力が制
御されているか否かにかかわらず、ブレーキペダル13
の踏み操作にて後輪3・3を完全な制動状態にすること
ができる。なお、該ブレーキペダル13の踏み操作で
は、前記の如くイコライザー機構により、常に一定の操
作力で、前後輪とも均等に制動できる。
【0033】以上のように、本実施例のゴルフカートに
おいては、図2の如く、車両中央部分の前後に前部セン
ターブレーキ機構Aと後部センターブレーキ機構Bを配
設しており、それぞれ一つのブレーキにて左右の前輪
2、後輪3を制動する構成となっている。また、それぞ
れに自動ブレーキアクチュエーターがついていて、前輪
2、後輪3への制動力を独立して自動制御できる。つま
り、前輪2・後輪3への制動バランスを変化させること
ができる。
【0034】例えば、車体の前部に積載荷重がかかって
いる場合(この5人乗りのカートにおいて、前部座席4
のみに人が乗っている場合等)や、或いは下り坂にある
場合に制動、または低速化する時は、後輪3にブレーキ
をかけても、前輪2側に重心がかかっているために、後
輪3は地面から浮いてしまい、スリップする。そこで、
前部センターブレーキ機構Aと後部センターブレーキ機
構Bに設けた各自動ブレーキアクチュエーターによる制
動力に差異を設ける。まず、制動時においては、前部セ
ンターブレーキ機構Aにおいて、電磁クラッチの離脱操
作等、通常の制動操作で前輪2の制動を行い、後部セン
ターブレーキ機構Bにおいては、スリップを避けるべ
く、後輪3を半制動状態にする。また、低速制御の時に
は、前輪2への制動力を強くし、後輪3への制動力を弱
くする。このようにすることで、前輪2は重量がかかっ
ていて地面への圧着度が高く、有効に制動力がかかる
し、また、後輪3においては、制動力を弱くすること
で、スリップを回避できるので、有効にゴルフカートを
制動、または低速制御できるのである。
【0035】この制動バランスの読み取り、即ち、前輪
2・後輪3のどちらに強い制動力をかけるかの判断は、
車体に設けた傾斜角度センサーの検出に基づく。即ち、
傾斜角度センサーにて、例えば車体が前輪2側に低く傾
斜していることが検出されれば、前輪2に強い制動力
を、後輪3に弱い制動力をかけるように、各センターブ
レーキ機構A・Bの自動ブレーキアクチュエーターにお
ける電磁クラッチ38を通電停止し、または自動ブレー
キモーター36に制御信号を送るのである。
【0036】次に、前部センターブレーキ機構Aと左右
前輪2・2との間の連結機構について、図9乃至図18
より説明する。該前輪2・2は、操舵用車輪で、従動輪
なので、従来は、左右各前輪に各々ドラムブレーキのよ
うなブレーキを付設し、別個の両ブレーキに同時に制動
力を付与する構成としていたが、この実施例では、一つ
のディスクブレーキを有する前部センターブレーキ機構
Aより二つの左右前輪2・2に制動力を付与する構成と
しなければならない。後輪3・3は駆動輪なので、走行
駆動系の車軸41・41の駆動を、後部センターブレー
キ機構Bにおける差動ギア機構DGに対して一つのディ
スクブレーキにて制動力を付与することで制動して、左
右両後輪3・3を制動できるが、従来、一つのブレーキ
から従動輪である左右の車輪に制動力を伝達する構成は
ない。
【0037】また、ブレーキケース22の配設位置は、
地面との当接を避けるため、ある程度高い位置に配設し
ており、一方、前輪2の中心位置は差動ギア軸DGの位
置よりも低くなっている。更に、人を乗せて起伏の多い
場所を走行する等から、安全上、前輪2をサスペンショ
ン支持する(後輪3においても、車軸41をダンパーに
て吊持するサスペンション構造を採用している。)た
め、該前輪2の高さがある程度自由度を持つ構成にしな
ければならない。前輪を制動するものとしては四輪駆動
型のトラクター等があるが、これは、制動対象となる前
輪の駆動軸を固定的なアクスルケース内に収納している
ので、サスペンション構造を取ることはできない。
【0038】そこで、該前部ブレーキセンター機構Aに
おいて、図9及び図10の如く、左右に突設した差動ギ
ア軸30・30よりユニバーサルジョイント30a・4
2aを介して、それぞれプロペラシャフト42・42を
傾斜状に、即ち、ブレーキケース22から前輪2に向け
て下方傾斜して延設しており、一方、左右各前輪2・2
の内側には、該前輪2の中心軸よりユニバーサルジョイ
ント43が突設されていて、このユニバーサルジョイン
ト43と、各プロペラシャフト42の先端に具備したユ
ニバーサルジョイント42bを連結して、左右前輪2の
回転が該差動ギア軸30に伝動されるようになってい
る。こうして、走行時においては、従動輪である前輪2
・2の回転がプロペラシャフト42・42を介して差動
ギア軸30・30に伝わり、ブレーキケース22内にて
軸支するブレーキ軸24も従動回転している。そして、
制動時においては、ブレーキ本体ケース23内のディス
クブレーキにてブレーキ軸24が制動され、差動ギア軸
30・30の回転を停止し、プロペラシャフト42・4
2を介して前輪2・2を制動する。
【0039】また、サスペンション用部材のダンパー4
8を支持し、かつ、該プロペラシャフト42を保護する
部材として、図13乃至図18に示す形状のフロントア
ーム44を配設する。該フロントアーム44は、平面視
Vの字状に上下平行に板材を配したアーム部44bの上
下板材間に該プロペラシャフト42を内包し、その内側
端は、枢支部44c・44cとなっていて、前記のブレ
ーキケース22を支持する支持フレームに、上下回動自
在に枢支している。この枢支位置は、図9及び図10に
示す如く、前記の差動ギア軸30とプロペラシャフト4
2とを連結するユニバーサルジョイント30a・42a
の配設位置近傍にあるので、該プロペラシャフト42の
上下回動に追随して、フロントアーム44も、該アーム
部44b内にプロペラシャフト42を内包した状態を保
持したままで上下回動できるのである。
【0040】また、該フロントアーム44の外側端には
スピンドルホルダー44aが形成されており、該スピン
ドルホルダー44aの上部と該アーム部44bの上部と
の接合部分において、ダンパー枢支部44dを上方に突
設し、該ダンパー枢支部44dに、図9及び図11の如
くダンパー48の下端を枢支している。このダンパー枢
支部44dは、フロントアーム44の補強リブ材として
も機能する。
【0041】このように前輪をサスペンション構造とし
て、制動可能とした構造は、一般乗用車のFF車や四輪
駆動車にも見られる。この場合には、中央部のミッショ
ンケースやベベルギアケース等より左右前輪に、やはり
ユニバーサルジョイントを用いたプロペラシャフトにて
連結している。サスペンション構造を有し、かつ駆動輪
を保護するフロントアーム構造は、該駆動輪の傾斜自由
度を確保すべく、上下平行リンクをなすもの(ウィッシ
ュボーン式サスペンション)となっていて、複雑で高価
なものである。その点、本発明においては、フロントア
ーム44そのものは、リンクを具備したりせず、固定的
一体状のものであって、これを支持フレーム4aに対し
て上下回動可能に枢支することで、プロペラシャフト4
2の上下回動にも追随し、サスペンション支持にも対応
できるものとしているのであり、上下平行リンク状のフ
ロントアーム構造に比べて簡単かつ低コストである。
【0042】該スピンドルホルダー44a内において、
図11の如く、その上下面の内側面にキングピン支持部
材45を、キングピン46を介して枢支している。ま
た、前輪2と一体状の該ユニバーサルジョイント43
は、ボール軸受47に内嵌されていて、該ボール軸受4
7の外側部分は、キングピン支持部材45に内嵌固設さ
れている。即ち、前輪2及びユニバーサルジョイント4
3の回転にキングピン支持部材45が追従しないように
なっている。こうして、キングピン支持部材45のキン
グピン支持部45a内にてユニバーサルジョイント42
b・43の連結部が内包されている。該キングピン支持
部材45は、該キングピン46を介してフロントアーム
44のスピンドルホルダー44aに対して回動可能とな
っている。この回動によって、前輪2が該キングピン支
持部材45と一体に左右揺動するものである。
【0043】そして、該キングピン支持部材45から突
設するナックルアーム45aを、図10及び図12の如
く、スピンドルホルダー44a内より後方外部に突出し
ており、左右のナックルアーム45a・45a同士をタ
イロッド48にて連結している。該タイロッド48は、
ハンドル8の操作にて左右に位置移動できるようになっ
ており、これによって、左右前輪2・2が一体に左右に
操舵されるのである。従来の乗用車のFF車や四輪駆動
車では、上側のキングピンを上方に延長して、これにナ
ックルアームを枢支し、タイロッドを該プロペラシャフ
トの上方に配設しているが、これでは、本発明の該フロ
ントアーム44においては、キングピン部分にモーメン
ト荷重が強くかかって、フロントアーム44そのものも
円滑に回動せず、円滑な旋回ができない。本発明のよう
に、キングピン支持部材45を水平方向に突出してナッ
クルアーム45aとすれば、このようなモーメントがか
かって前輪2の操舵を妨げることはない。
【0044】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
次のような効果を奏する。まず、請求項1の如く構成し
たので、四輪懸架式走行車両において、前輪と後輪とを
独立して制動制御できるので、それぞれの制動力に差異
を設けることができる。従って車体の前後いずれかに重
心が偏在する場合に、重心がかかっている側の車輪を通
常通り、或いは強めに制動し、重心がかかっていない側
の車輪は、地面へのグリップが少ないので、制動力を緩
めてスリップを防ぐということが可能となり、確実な制
動或いは低速制御が可能となる。ゴルフカート等のよう
な車両は、起伏の多い場所を走行し、また、頻繁に人の
乗降や荷物の積卸しがあるので、このような重心移動が
多く、更に、座席を前後に配した5人乗りのようなタイ
プならば、前後の車輪間隔が長くなり、この前後車輪間
に重心があれば問題はないが、前後どちらかの座席にの
み人が座っているような場合には、そちらに重心が偏り
やすいという不具合がある。本発明は、このような前後
に重心移動を生じやすい様式の車両においては、有効な
制動効果または速度制御効果を奏する。
【0045】また、一つのブレーキ機構から四輪前部に
制動力を付与する構造であれば(例えば、四輪各々にブ
レーキを付設し、一つの自動制御装置より全ブレーキに
一斉に制動力を付与する構造)、この自動制御装置が故
障すれば、全車輪を制動できなくなる。本発明のよう
に、前輪・後輪を独立して制動する構成とすれば、どち
らかの制動機構が故障しても、一方の制動機構は正常に
働き、両方の制動機構が同時に効かなくなるという確率
は低いので、全く制動不可能となる事態は低減される。
【0046】また、請求項2の如く構成することで、一
つのブレーキで差動装置を介して左右の車輪に制動力を
分配でき、更に、ブレーキ軸は、差動装置によって減速
できるので、減速比に比例してブレーキ容量を小さく抑
えることができ、このようなことから、前記の如く前後
輪を独立して制御する構成としても、ブレーキ構造をコ
ンパクトかつ低コストに抑えることができる。これは、
請求項1及び請求項3にも共通の効果である。そして、
該センターブレーキ機構のブレーキを、自動制御装置に
てもブレーキペダル操作にても差動する構成とすること
で、それぞれのブレーキ系統を別個に設ける構成に比べ
て、ブレーキ系統を削減することができて、簡素化し、
車両のコンパクト化、軽量化にも貢献する。
【0047】また、ブレーキペダル操作による制動は、
自動制動装置による制動に優先するので、自動制動装置
の自動制御を受けての走行中においても、自動制動地点
であるなしにかかわらず、運転者の自由意思で、任意の
位置に車両を停止できる。また、一つのブレーキペダル
操作でも、イコライザーにてブレーキの摩耗にて遊び量
が初期設定値から変化しても、前輪と後輪に均等に操作
力がかけられるので、常に良好な制動が得られる。
【0048】また、請求項3の構成により、操舵用の車
輪であっても、センターブレーキ機構における差動ギア
軸から前輪にプロペラシャフトを介設することで、前輪
高さの変化するサスペンション構造を有しながら、一つ
のブレーキより左右の前輪に制動力を付与することがで
きる。また、フロントアームの回動支点は、プロペラシ
ャフトの上下回動支点である差動ギア軸との連結部に近
接することで、フロントアームが常にプロペラシャフト
を内包した状態を保持したまま、前輪の上下動に追随す
ることができる。また、従来のような上下リンク状のフ
ロントアーム構造にすることなく、一体状のフロントア
ームで対応可能であり、構造が簡単で低コスト化に貢献
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多人数乗りゴルフカートの全体側面図である。
【図2】本発明にかかるゴルフカート全体におけるブレ
ーキ機構を示す側面図である。
【図3】ブレーキペダルとイコライザー部分の正面図で
ある。
【図4】ブレーキペダルからのブレーキケーブル配線と
前部センターブレーキ機構Aを示す側面図である。
【図5】前部センターブレーキ機構Aにおける自動ブレ
ーキアクチュエーターの配設構造を示す側面図である。
【図6】前部センターブレーキ機構Aの正面断面図であ
る。
【図7】前部センターブレーキ機構Aのブレーキ本体ケ
ース23におけるアーム構造を示す側面図である。
【図8】同じくアーム構造と内部のブレーキ構造を示す
正面断面図である。
【図9】前部センターブレーキ機構Aから左右前輪2・
2への制動伝達構造及びサスペンション構造を示す正面
断面図である。
【図10】同じく平面図である。
【図11】前輪2付近におけるブレーキ伝達構造及びサ
スペンション構造を示す部分正面断面図である。
【図12】フロントアーム44におけるスピンドルホル
ダー44aとナックルアーム45aとの位置関係を示す
平面図である。
【図13】フロントアーム44の正面図である。
【図14】同じく平面図である。
【図15】フロントアーム44における枢支部44cの
側面図である。
【図16】フロントアーム44におけるスピンドルホル
ダー44aの側面図である。
【図17】同じく正面断面図である。
【図18】フロントアーム44の側面図である。
【図19】後部センターブレーキ機構Bの側面図であ
る。
【図20】同じく正面断面図である。
【図21】後部センターブレーキ機構Bのブレーキ本体
ケース23におけるアーム構造を示す側面図である。
【図22】同じくアーム構造及び内部のブレーキ構造を
示す正面断面図である。
【符号の簡単な説明】 A 前部センターブレーキ機構 B 後部センターブレーキ機構 DG 差動ギア機構 2 前輪 3 後輪 13 ブレーキペダル 18 イコライザー板 21F 前輪用ブレーキケーブル 21R 後輪用ブレーキケーブル 22 ブレーキケース 23 ブレーキ本体ケース 30 差動ギア軸 31 ブレーキアーム軸 31a(31a’) ブレーキアーム 31b(31b’) 長孔 31c(31c’) ストッパー 32 自動ブレーキ用ボス 32a(32a’) バネアーム 32b(32b’) リンクアーム 33 常時ブレーキ用バネ 34 摺動軸 35 自動ブレーキリンク 35 自動ブレーキモーター 38 電磁クラッチ 39a ピニオン 40a ラック 40b リンクアーム 41 車軸 42 プロペラシャフト 44 フロントアーム 44a スピンドルホルダー 45 キングピン支持部材 45a ナックルアーム 46 キングピン 48 タイロッド 49 ダンパー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四輪懸架式走行車両において、一個のブ
    レーキより差動装置を介して左右の車輪に制動力を付与
    するセンターブレーキ機構を車両の前後に一個ずつ配設
    し、ブレーキを自動制御する自動制動装置を各センター
    ブレーキ機構毎に設けて、各自動制動装置を独立して制
    御可能としたことを特徴とする四輪懸架式走行車両のブ
    レーキ機構。
  2. 【請求項2】 四輪懸架式走行車両で、一個のブレーキ
    より差動装置を介して左右の車輪に制動力を付与するセ
    ンターブレーキ機構を車両の前後に一つずつ配設し、ブ
    レーキを自動制御する自動制動装置を各センターブレー
    キ機構毎に設けたものにおいて、各センターブレーキ機
    構のブレーキは、各自動制動装置によっても、車両に一
    個設けたブレーキ操作具の操作によっても作動し、該ブ
    レーキ操作具の操作による制動が該自動制動装置による
    制動に優先するものとし、一個のブレーキ操作具から各
    ブレーキに均等な操作力を付与するものとしたことを特
    徴とする四輪懸架式走行車両のブレーキ機構。
  3. 【請求項3】 四輪懸架式走行車両の中の操舵用の左右
    車輪に対し、一個のブレーキより差動装置を介して制動
    力を付与するセンターブレーキ機構を設けた構成におい
    て、該センターブレーキ機構の差動ギア軸から左右車輪
    にプロペラシャフトを連結し、サスペンション用ダンパ
    ーを支持する一体状のフロントアームにて該プロペラシ
    ャフトを内包し、該フロントアームは、該差動ギア軸と
    連結軸との継手部分付近に回動支点をして、上下回動自
    在としたことを特徴とする四輪懸架式走行車両のブレー
    キ機構。
JP19783295A 1995-08-02 1995-08-02 四輪懸架式走行車両のブレーキ機構 Pending JPH0939758A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100372423B1 (ko) * 2000-11-07 2003-02-19 현대자동차주식회사 대형트럭의 주차브레이크장치 제동방법
CN103863464A (zh) * 2014-03-24 2014-06-18 陈文熙 一种学生用的电动车

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