JPH0937902A - 同梱ディスプレイ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】包装箱が即座に展示台となり展示用スタンドが
包装箱に収納されて一体に梱包されており、店頭での組
立が容易でディスプレイ効果の高い輸送と展示兼用の同
梱ディスプレイを提供する。 【解決手段】上下にフラップを連接した４枚の側壁パネ
ルが横方向に連接されて構成される包装箱の天面を閉鎖
する上部フラップ５，６，７，８を外側に折り返して商
品展示を行う包装箱４０と前記包装箱４０に収納可能に
折り畳まれる筒状スタンド５０からなり、対向する前記
側壁パネル上に折り返された前記上部フラップ５、７を
前記筒状スタンド５０に設けられた対向する左右側壁パ
ネル２１、２３で包装箱ごと挟み込んで組み立てる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、輸送用の包装箱が
展示台を兼用し、展示用スタンドも包装箱に収納するこ
とができる組立式ディスプレイ（以下、同梱ディスプレ
イと称する）の技術分野に属する。

【０００２】

【従来の技術】従来から店頭における顧客の商品購入の
動機付けに、ＰＯＰ（購買時点）ディスプレイが多用さ
れている。ＰＯＰディスプレイは床置式、吊り下げ式等
種々の形式があり、商品陳列用の販売台を兼用するもの
も多い。一般に販売台の大型のものに関しては、独自に
容易された設置用スタンドの上に置かれる場合が多い。
実開昭５４−１７６５８８号では、図５に示すような折
り畳みのできる筒状スタンド５０’と商品陳列用兼包装
箱４０’が別の外装ケースＯＳによって一体に梱包され
た輸送用包装箱兼展示台が提案されている。また一般に
商品陳列用兼包装箱は段ボールあるいは板紙による包装
箱の天面フラップを側壁パネルの表側に折り返された状
態で、既に箱詰めされている商品（個包あるいは商品包
装されているケースが多い）を陳列するものすでに使用
されているが、折り返された天面フラップの固定の手段
として、両面テープで側壁パネルに貼着させるもの、天
面フラップに設けられた差し込み片を側壁パネルに予め
設けられたスリットに差し込むもの等が実用されていて
いる。一方商品の個装もその商品保護は無論、その商品
の特性を訴える様々な工夫が主としてパッケージデザイ
ン面で施され、前記ＰＯＰディスプレイや販売台はその
個装に調和して、さらに売り場での注目度を高めるよう
な手段が講じられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるに実開昭５４−
１７６５８８号で提案されているものは、商品陳列用兼
包装箱が別の外装ケースによってスタンドと一体に梱包
された輸送用包装箱兼展示台であるが、全体を梱包する
外装ケースを必要とするので、店頭で組立後外装ケース
は邪魔になり、また外装ケースを使用することによって
コストが上昇するという問題がある。また包装箱を展示
台として組み立てる場合に、天面フラップを側壁パネル
の表側に折り返し両面テープで側壁パネルに貼着させる
手段、あるいは天面フラップに設けられた差し込み片を
側壁パネルに予め設けられたスリットに差し込む等の手
段は組立工程を長引かせて面倒であり、またコストを上
昇させるという問題がある。さらに、包装箱の天面フラ
ップを単に折り返しただけでは、単なる箱が正面を向い
て置かれているだけであって、意匠的な造形的な面白さ
はなく、商品の特性に合った雰囲気造りのできない陳列
台あるいは展示台となってしまうという問題がある。本
発明は、前述の問題点に鑑みてなされたもので、外装ケ
ースを必要としない展示兼用の包装箱とその包装箱に収
納される折り畳み可能なスタンドからなり、店頭におけ
る組立が容易で、組立られた展示台の正面デザインの自
由度が高い同梱ディスプレイの提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
になされた本発明の同梱ディスプレイは、上下にフラッ
プを連接した４枚の側壁パネルが横方向に連接されて構
成され、前記側壁パネルの上側に連接された上部フラッ
プを外側に折り返して商品展示を行う包装箱と該包装箱
に収納可能に折り畳まれる筒状スタンドからなり、前記
側壁パネル上に折り返された前記上部フラップを前記筒
状スタンドに設けられた側壁パネルで前記包装箱ごと挟
み込んで組み立て、前記包装箱が、前記上部フラップの
うち少なくとも一組の対向する上部フラップ上に該上部
フラップと側壁パネル間の第１の罫線と所定の間隔を持
って平行に第２の罫線を設け、前記上部フラップをそれ
ぞれの前記罫線で略９０°づつ折り曲げることを特徴と
する同梱ディスプレイを要旨とする。また前記第２の罫
線に沿って切れ線によて区画される任意の領域を前記上
部フラップ上に形成し、該領域が前記上部フラップを前
記第２の罫線で折り曲げる時にポップアップさせること
ができる。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明を図面により詳しく説明す
る。図１は本発明による同梱ディスプレイの包装箱の構
成説明図であり、図１（ａ）は包装箱のブランク展開図
である。図１（ａ）で示すように、包装箱のブランク２
０は横方向に連接された４枚の側壁パネル１、２、３、
４のそれぞれに天面閉鎖用の上部フラップ５、６、７、
８をまた底部Ｂ形成用のフラップを連接してなる、いわ
ゆるＡ形ケースが基本形となっている。大型の包装箱の
場合は、２枚のブランクを継ぎしろ１４、１５で接着剤
を用いて接合し、罫線ａ，ｂで折り畳んで図１（ｂ）で
示すような折り畳まれたブランク（段ボールケース）２
０’が形成される。図１（ｂ）に示すものはＡ形の段ボ
ールケースであって、最も一般的に使用されるタイプで
ある。包装箱４０の長手方向の側壁パネル１、３に設け
られる上部大フラップ（以下、大フラップという）５、
７面には側壁パネル１、３との境界の第１の罫線ｄと平
行に所定の間隔を置いて第２の罫線ｅが設けられ、その
罫線ｅに沿って切れ目線で区画されるポップアップ片１
１が形成されている。この形状は任意に決定すればよ
い。残りの上部小フラップ（以下、小フラップという）
６、８のうち小フラップ６は組立られて屋根部を形成す
る部分で小パネル９が延設されその先端に差し込み片１
２が設けられ、同じく小フラップ８にも差し込み片１３
が設けられている。また側壁パネル２と底部Ｂ間の罫線
ｃ上に前記差し込み片１２を受け入れるスリット１６が
設けられている。図１（ａ）に示す包装箱ブランク２０
の一点鎖線より上部は、包装箱ブランク２０の組立後に
表に現れる部分であり、適宜に図柄を直接段ボールに印
刷するか、プレプリントした薄葉紙を合紙するなどして
化粧を施す化粧領域Ｇである。背面あるいは商品で隠れ
る部分は段ボールの生地そのままでもよい。

【０００６】図１（ｂ）に示すようなＡ形段ボールケー
スを供給されたユーザーは、ケースを角柱状に起こし、
底部Ｂの小フラップを内側に折り返し、大フラップを突
き合わせてテープ貼りして底を成形する。次に天面から
商品を詰め込み、整列させ、その上に後述する折り畳ん
だ筒状スタンド３０’を詰め込み、小フラップ６、８に
次いで大フラップ５、７を重ねるように内側に折り返せ
ば包装箱４０の成形、充填が終了する。本発明による同
梱ディスプレイの包装箱４０には天地が最初から決まっ
ているので、商品詰め込みの際には商品上部が天の方向
に向くように配列される必要がある。また、図示されて
いないが、商品によっては特に小型の商品で積み重ねに
くい場合、数種の商品を詰め合わせておき好みの商品を
自由に取り出せるようにする場合には中仕切りを使用し
てもよい。

【０００７】図２は筒状スタンドのブランク３０の平面
図である。、図２（ａ）に示すように、４枚の側壁パネ
ル２１、２２、２３、２４と継ぎしろ２８が罫線ｇ，ｆ
を介して連接されており、継ぎしろ２８で接合されて、
角柱が形成されるが、正面側壁パネル２２と裏面側壁パ
ネル２４の中央に縦罫線ｈが設けられており、両パネル
はそれぞれ内側に折り畳まれて、図２（ｂ）で示すよう
なフラットな形状に折り畳まれる。この折り畳まれた筒
状スタンド３０’が前記のように包装箱４０に商品と一
緒に詰め合わされる。図２（ａ）に示すように、正面側
壁パネル２２の上部に受け板２５が連接され、その受け
板２５の左右には差し込み片２６が設けられている。ま
た、対向する側壁パネル２１、２３には折り返し片２７
が設けられている。また折り返し片２７を折り返す罫線
に沿ってスリットＳ１が設けられている。さらに、筒状
スタンドに化粧を施す場合には、側壁パネル２１、２
２、２３が化粧領域Ｇとなる。

【０００８】図３は本発明による同梱ディスプレイの組
立説明図であり、図４は組立完成図である。上記の構成
による包装箱４０に商品と折り畳まれた筒状スタンド３
０’を同時に詰め合わせた同梱ディスプレイを受け取っ
た販売店は、まず包装箱４０の天面の４枚のフラップを
図３（ａ）のように外側に開く、この場合左右の大フラ
ップ５、７には２本の罫線が設けられており、それぞれ
の罫線で９０°づつ折り曲げると、額縁面１０が左右に
形成され、さらに大フラップ５、７に設けられたポップ
アップ片１１が起き上がる。このポップアップ片１１は
ポップアップディスプレイとして機能し、アイキャッチ
効果を発揮するものである。開封さた包装箱４０は展示
台に早変わりする。この展示台の天部には屋根を形成す
べく、フラップ６を後ろに倒し小パネル９に設けられた
差し込み片１２を包装箱４０のスリット１６に差し込め
ば屋根部が形成される。この屋根部は略水平になるがこ
の上にさらにアイキャッチ効果のある小ディスプレイを
乗せるようにしてもよい。次に、包装箱４０から取り出
された折り畳まれた筒状スタンド３０’を、図３（ｂ）
に示すように、角柱状に起こし、折込み片２７を内側に
倒し（図示せず）、次いで受け板２５を内側に折り返
し、差し込み２６をスリットＳ１に差し込んで固定す
る。この受け板２５には展示台を適度な角度で傾斜させ
るような傾斜角度が設けられているが、角度は自由に設
定すればよい。次に、図４に示すように、対向する大フ
ラップ５、７をそれぞれの側壁パネル１、３外面に接触
するまで折り返した状態で筒状スタンド５０の受け板２
５上に設置し、筒状スタンド５０の側壁パネル２１、２
３で挟んで固定する。また下側の小フラップ８の差し込
み片１３をスタンド正面のスリットＳ２に差し込んで前
面を固定すると同梱ディスプレイ６０が完成する。な
お、図４（ｂ）は図４（ａ）に示す組立られた同梱ディ
スプレイ６０のＡ−Ａ断面図であって、外側に折り返さ
れたフラップ５、７が筒状スタンドの側壁パネル２１、
２３で包装箱４０ごと挟みこまれて固定されている状態
を示している。

【０００９】本発明による同梱ディスプレイによれば商
品物流用の包装箱が販売台に早変わりする。この販売台
を支えるスタンドには通常圧縮強度に耐えるように井桁
のような補強部材を使用するが、本発明においてはこの
ような部材は使用せず折り畳み可能な筒状のスタンドを
採用することによって商品と一緒に詰合せができ、外装
ケース等は全く不要な無駄のない構成になっている。ま
た単なる包装箱を開封した状態とは異なり、額縁面が包
装箱のイメージを払拭させ、ワンポイント的に付け加え
られたポップアップディスプレイもアイキャッチ効果を
発揮する。本発明による同梱ディスプレイは、食品、飲
料、化粧品、医薬品、医薬部外品、一般生活用品等幅広
い商品を対象として通常の販売促進はもとより生活歳時
や各種イベントに合わせた販促ツールとしての利用が可
能である。

【００１０】本発明による同梱ディスプレイに使用する
材料は大型の場合はＡ，Ｂフルート段ボールとなるが、
小型になればＥフルート段ボールあるいは板紙の使用が
好ましい。段ボールの場合は前述のように何らかの方法
で販売台、スタンドとも表面に現れる部分について化粧
を施すことが望ましい。白ライナ、カラーライナを使用
する段ボールに対しては、プリンタースロッターによる
フレキソ印刷方式が最適であるが、フレキソ印刷等でプ
レプリントしたライナ原紙をコルゲート加工してもよ
く、また予め印刷した薄葉紙をラミネートするいわゆる
合紙方式を採用してもよい。この薄葉紙への印刷の自由
度は大きくオフセット、グラビア、フレキソ等の周知の
いかなる印刷方法によってもよい。

【００１１】

【実施例】個装された芳香剤用の同梱ディスプレイを次
の仕様で作成した。 同梱ディスプレイの 組立寸法 幅 ３００〜３３４ｍｍ 奥行き ５００ 高さ １０７０ 包装箱の外法寸法 縦 ６８８ 横 ２９２ 高さ ２８８ 筒状スタンド外法寸法 高さ ６８０ 幅 ３１０ 奥行 ２８５ 筒状スタンド両側壁パネル内法寸法 ３０５ 受け台の傾斜度 １７° 天面左右フラップ 長さ ２９２ 額縁 幅 ２３ 段ボールと段の種類 両面ダンボール、Ａフルート 段ボールケースの種類 Ａ型 段ボール用ライナ坪量 ２２０ｇ／ｍ² 段ボール用中しん坪量 １２５ 合紙用紙 コート紙 ７３ｇ／ｍ² 合紙印刷 オフセット印刷 ４色刷 以上の仕様で作成した同梱ディスプレイの組立を現場で
行ったところ、従来のフラップ固定式に較べて時間短縮
を図ることができ、加工コストの削減も図れた。さらに
展示台として正面らみた見栄えが改善された。

【００１２】

【発明の効果】本発明による同梱ディスプレイの組立は
包装箱の大フラップを側壁パネル外側面に折り返した状
態で筒状スタンドの両側壁パネル間に包装箱ごと挟み込
めばよく、組付け時間が削減され、フラップ固定手段が
省けることと全体をまとめる外ケース、井桁部材等を一
切使用しないので材料及び加工コストを削減することが
可能である。また、展示台の周辺に額縁面を形成できる
ため展示台としての見栄えがよくなり、さらに簡単に取
り付けることができるポップアップディスプレイによっ
てディスプレイ効果を一層高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による同梱ディスプレイの包装箱の構成
説明図

【図２】本発明による同梱ディスプレイの筒状スタンド
の構成説明図

【図３】本発明による同梱ディスプレイの組立説明図

【図４】組立完了斜視図と水平断面図

【図５】従来の輸送用包装箱兼展示台説明図

【符号の説明】

１〜４ 側壁パネル ５、７ 上部大フラップ ６、８ 上部小フラップ ９ 小パネル １０ 額縁面 １１ ポップアップ片 １２、１３ 差し込み片 １４、１５ 継ぎしろ １６ スリット ２０ 包装箱のブランク ２０’折り畳まれたブランク（段ボールケース） ２１〜２４ 側壁パネル ２５ 受け板 ２６ 差し込み片 ２７ 折り返し片 ２８ 継ぎしろ ３０ 筒状スタンドブランク ３０’折り畳まれた筒状スタンド ４０ 包装箱 ５０ 筒状スタンド ６０ 同梱ディスプレイ ａ〜ｈ 罫線 Ｂ 胴部 Ｇ 化粧領域 ＯＳ 外装ケース Ｓ１，Ｓ２ スリット

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下にフラップを連接した４枚の側壁パ
   ネルが横方向に連接されて構成され、前記側壁パネルの
   上側に連接された上部フラップを外側に折り返して商品
   展示を行う包装箱と該包装箱に収納可能に折り畳まれる
   筒状スタンドからなり、前記側壁パネル上に折り返され
   た前記上部フラップを前記筒状スタンドに設けられた側
   壁パネルで前記包装箱ごと挟み込んで組み立てられたこ
   とを特徴とする同梱ディスプレイ。
2. 【請求項２】 前記包装箱が、前記上部フラップのうち
   少なくとも一組の対向する上部フラップ上に該上部フラ
   ップと側壁パネル間の第１の罫線と所定の間隔を持って
   平行に第２の罫線を設け、前記上部フラップをそれぞれ
   の前記罫線で略９０°づつ折り曲げることを特徴とする
   請求項１記載の同梱ディスプレイ。
3. 【請求項３】 前記第２の罫線に沿って切れ線によて区
   画される任意の領域を前記上部フラップ上に形成し、該
   領域が前記上部フラップを前記第２の罫線で折り曲げる
   時にポップアップすることを特徴とする請求項２記載の
   同梱ディスプレイ。