JPH0936340A - 薄膜半導体装置 - Google Patents

薄膜半導体装置

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JPH0936340A
JPH0936340A JP7180277A JP18027795A JPH0936340A JP H0936340 A JPH0936340 A JP H0936340A JP 7180277 A JP7180277 A JP 7180277A JP 18027795 A JP18027795 A JP 18027795A JP H0936340 A JPH0936340 A JP H0936340A
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JP
Japan
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layer
gate electrode
film
impurity diffusion
semiconductor device
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Withdrawn
Application number
JP7180277A
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English (en)
Inventor
Yasumasa Miyamoto
育昌 宮本
Atsushi Sakurai
淳 櫻井
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造コストが低く、且つ、性能の優れた薄膜半
導体装置を提供する。 【解決手段】絶縁性基板1上に形成された、受光層8が
上下一対の電極6,9で挟まれて成る受光素子110
と、受光素子110を環状に取り巻くゲート電極5、及
びゲート電極5の下部に形成された半導体膜16aを有
する能動素子120とを備え、半導体膜16aが、ゲー
ト電極5をマスクとして不純物が拡散された、ゲート電
極5より内側の、下部電極6と接する第1の不純物拡散
層3a、及びゲート電極5より外側の、第2の不純物拡
散層3bと、ゲート電極5により不純物の拡散を免れ
た、ゲート電極5直下の動作層2とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一基板上に受光
素子と能動素子とが形成された薄膜半導体装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、一次元ラインセンサ、二次元セン
サ等の密着型イメージセンサとして、水素化非晶質シリ
コン(a−Si:H)薄膜トランジスタ(TFT)等の
能動素子と、a−Si:Hフォトダイオード(PD)等
の受光素子とを組み合わせた薄膜半導体装置が広く用い
られている。
【0003】この薄膜半導体装置は、通常のガラス基板
上に形成することが可能なため材料費の点で有利である
が、更にその製造コストを低減させると共に、この薄膜
半導体装置の性能、特に解像度を一層向上させるための
研究が鋭意続けられている。この薄膜半導体装置を製造
するには、他の処理工程に比べて1回当たりの処理コス
トが著しく高いフォトリソグラフィ法を複数回使用する
必要があり、コスト低減上のネックとなっている。
【0004】従って、薄膜半導体装置の製造コストを低
減するためにはフォトリソグラフィ法の使用回数を減少
させる必要がある。そこで、フォトリソグラフィ法の使
用回数を減少させる方法として、例えば、特開昭64−
50558号公報には、次のような構造のイメージセン
サ及びその製造方法が開示されている。
【0005】図27は、上記公報に示された従来のイメ
ージセンサの縦断面図である。図27に示すように、こ
のイメージセンサ200には、同一の絶縁性基板1上に
順スタガ型のTFT領域21と、PD領域22とが組み
合わされて形成されている。このように組み合わされた
TFT領域21及びPD領域22が絶縁性基板上に複数
組配列され、更に、これら複数組のTFT領域21及び
PD領域22を接続するゲート配線マトリクス23及び
データ配線マトリクス24が備えられて1台のイメージ
センサ装置が構成されている。
【0006】TFT領域21は、絶縁性基板1上に形成
されたp型a−Si:H層26と、a−Si:H層27
と、n型a−Si:H層28と、個別電極31と、絶縁
膜30と、ゲート電極5とから構成されている。PD領
域22は、絶縁性基板1上に形成された下部電極6と、
p型a−Si:H層26と、a−Si:H層27と、n
型a−Si:H層28と、透明電極9と、絶縁膜30と
から構成されている。
【0007】このp型a−Si:H層26、a−Si:
H層27、及びn型a−Si:H層28の3層がそれぞ
れ、P層、I層、及びN層と呼ばれる、いわゆるPIN
型のPDを構成している。このイメージセンサ200に
は、これらTFT領域21及びPD領域22以外に、配
線下部電極25及び配線上部電極29から成るゲート配
線マトリクス23と、個別電極31に接続する配線上部
電極29とが備えられている。
【0008】これらTFT領域21、PD領域22、ゲ
ート配線マトリクス23、及びデータ配線マトリクス2
4の全ての領域を覆うようにパシベーション膜14が形
成されている。このように構成されたイメージセンサ2
00の動作について説明する。所定のバイアスが印加さ
れた、p型a−Si:H層26、a−Si:H層27、
及びn型a−Si:H層28より成るPIN層に上方か
ら光が照射されると、このPIN層を挟む透明電極9と
下部電極6との間に、光電効果による電圧が発生し、そ
の電圧がTFT領域21に転送され、TFT領域21で
増幅されてゲート配線マトリクス23及びデータ配線マ
トリクス24を経て出力される。
【0009】次に、このイメージセンサ200の製造方
法について説明する。図28〜図31は、図27に示し
たイメージセンサ200の製造方法の主要工程図であ
る。先ず、絶縁性基板1上に導電膜を着膜し、フォトリ
ソグラフィ法を用いてその導電膜をパターニングして、
図28に示すように、ゲート配線マトリクス23(図2
7参照)用の配線下部電極25及びPD領域22(図2
7参照)用の下部電極6を形成する。
【0010】次に、絶縁性基板1全面にp型a−Si:
H層26、a−Si:H層27、n型a−Si:H層2
8、及び透明導電膜を順次堆積し、フォトリソグラフィ
法により透明導電膜とn型a−Si:H層28とをパタ
ーニングして、図29に示すように、PD領域22(図
27参照)の上部電極となる透明電極9と、データ配線
マトリクス(図27参照)用の個別電極31とを形成す
る。
【0011】次に、絶縁性基板1全面に絶縁膜30を堆
積し、フォトリソグラフィ法により絶縁膜30をパター
ニングして、図30に示すように、ゲート配線マトリク
ス23の配線上部電極29(図27参照)用のコンタク
トホール38とデータ配線マトリクス24の配線上部電
極29(図27参照)用のコンタクトホール39との双
方を形成する。
【0012】次に、絶縁性基板1全面に導電膜を堆積
し、フォトリソグラフィ法によりその導電膜をパターニ
ングして、図31に示すように、TFT領域21(図2
7参照)用のゲート電極5と、ゲート配線マトリクス2
3(図27参照)用及びデータ配線マトリクス24(図
27参照)用の配線上部電極29とを形成する。更に、
絶縁性基板1全面にパシベーション膜14を着膜するこ
とにより、図27に示すイメージセンサ200が完成す
る。
【0013】上記の製造方法によれば、それまでは6〜
9回程度であったフォトリソグラフィ法の使用回数を、
4回という少ない使用回数まで減少させることができる
ので、製造コストの点では大幅に改善することができ
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
て製造されたイメージセンサ200(図27参照)のT
FTは、ゲート電極5と、ソース・ドレイン領域、即ち
n型a−Si:H層28とが自己整合的に形成されてお
らず、ゲート電極5と、ソース・ドレイン領域とが互い
にオーバーラップした構造として形成されている。ゲー
ト電極とソース・ドレイン領域とがオーバーラップして
いると、この両者間に寄生容量が発生し、更に、アライ
メントずれにより複数のTFT間で寄生容量がばらつく
ためTFTの動作速度が遅延するという問題が発生する
ことがある。また、ゲート電極とソース・ドレイン領域
とがオーバーラップしていると、フィードスルーにより
実効ゲート電圧が低下しPDからの電荷転送が不良とな
り残像が発生し易い。
【0015】また、上記の製造方法においては、フォト
リソグラフィ法の使用回数を減少させるためにTFT領
域21とPD領域22とを共通のPIN層上に形成して
いるので、TFT領域21とPD領域22との間にリー
ク電流が発生し、画像の階調を十分確保することができ
なくなるという問題を生じ易い。本発明は、上記の事情
に鑑み、製造コストが低く、且つ、性能の優れた薄膜半
導体装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の薄膜半導体装置は、絶縁性基板上に形成された、
受光層が上下一対の電極で挟まれて成る受光素子と、そ
の受光素子を環状に取り巻くゲート電極、及びそのゲー
ト電極の下部に形成された半導体膜を有する能動素子と
を備え、上記半導体膜が、上記ゲート電極をマスクとし
て不純物が拡散された、上記ゲート電極より内側の、上
記一対の電極のうちの下部電極と接する第1の不純物拡
散層、及び上記ゲート電極より外側の、上記受光素子を
取り巻く第2の不純物拡散層と、上記ゲート電極により
不純物の拡散を免れた、そのゲート電極直下の動作層と
を有することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の薄膜半導体装置は、上記
のように、ゲート電極をマスクとして第1及び第2の不
純物拡散層に不純物が拡散されたものである。即ち、ゲ
ート電極と、第1及び第2の不純物拡散層、即ちソース
・ドレイン領域とが自己整合的に形成されている。その
結果、ゲート電極とソース・ドレイン領域との間の寄生
容量は極めて僅かであり、また、複数のTFTについて
の寄生容量のばらつきも極めて小さいため、TFTの動
作速度の遅延が防止される。また、ゲート電極とソース
・ドレイン領域とが自己整合的に形成されているため、
フィードスルーの発生が防止され、PDからの電荷転送
が不良となることがなく、残像の発生が防止される。
【0018】また、上記のように、受光素子を環状に取
り巻いて能動素子のゲート電極が形成されており、その
ゲート電極の下部に形成された半導体膜は、第1の不純
物拡散層と第2の不純物拡散層とが動作層によって平面
的に完全に分離されているため、第1の不純物拡散層と
第2の不純物拡散層との間、即ちソース・ドレイン領域
相互間のリーク電流が防止される。また、上記のよう
に、受光素子(PD)と能動素子(TFT)とが絶縁性
基板上に別々に形成されているため、TFTとPDとの
間のリーク電流が小さい。このようにリーク電流が減少
することにより、画像の階調を十分確保することができ
る。
【0019】更に、本発明の薄膜半導体装置は上記のよ
うに構成されているので、後述のように、フォトリソグ
ラフィ法の使用回数を、例えば4回で済ますこともでき
る。このように、本発明によれば、前述の引例公報と同
様、低コストで薄膜半導体装置を製造することが可能で
あり、しかも、性能のより優れた薄膜半導体装置を得る
ことができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1は、本発明の薄膜半導体装置の第
1の実施例の平面図、図2は、図1の矢印A−A’方向
から見た縦断面図である。図1及び図2に示すように、
本発明の第1の実施例の薄膜半導体装置100は、ガラ
ス等の絶縁部材から成る絶縁性基板1上に、平面形状が
方形に形成された、PDとして作動する受光素子110
と、受光素子110を取り巻く環状に形成された、TF
Tとして作動する能動素子120とが組み合わされて形
成されている。このように組み合わされた受光素子11
0及び能動素子120が絶縁性基板1上に複数組配列さ
れて1台のイメージセンサ装置が構成される。
【0021】受光素子110は、絶縁性基板1上に形成
された上下一対の電極、即ち透明電極9及び下部電極6
と、これら一対の電極で挟まれた受光層8及びオーミッ
ク層7とから構成されている。更に、受光素子110に
は、透明電極9にバイアス電圧を印加するためのバイア
ス配線13が備えられている。能動素子120は、絶縁
性基板1上に形成されたa−Si:Hの半導体膜16a
と、半導体膜16a上に形成されたゲート絶縁膜4と、
ゲート絶縁膜4上に形成されたゲート電極5とから構成
されている。
【0022】能動素子120の半導体膜16aは、ゲー
ト電極5をマスクとして半導体膜16a中に不純物が拡
散された、ゲート電極5より内側の第1の不純物拡散層
3a、及びゲート電極5より外側の第2の不純物拡散層
3bと、ゲート電極5によりマスクされて不純物の拡散
を免れた、ゲート電極5直下の動作層2とから成る。動
作層の両側の2つの不純物拡散層3a,3bはTFTの
ソース・ドレイン領域として作動する。
【0023】このように形成された能動素子120を上
方から見ると、図1に示すように、ゲート電極5とゲー
ト電極5を挟む不純物拡散層3a,3b(それぞれの一
部がゲート絶縁膜4の蔭に隠れている)とが、ストライ
プ状に受光素子110を取り巻いている。図2に示すよ
うに、ゲート絶縁膜4の、半導体膜16aと接する底面
の幅W1は、半導体膜16a全体の幅W2より狭く形成
されており、第1の不純物拡散層3aの、ゲート絶縁膜
4に覆われていない周縁部3eの上に、受光素子110
の下部電極6の周縁部6eが重なって接している。その
結果、受光素子110の下部電極6と能動素子120の
不純物拡散層3aとが電気的に接続されている。
【0024】更に、能動素子120には不純物拡散層3
bと接続するソース・ドレイン配線11と、ゲート電極
5と接続するゲート配線12とが備えられている。この
ように形成された受光素子110と能動素子120の上
には層間絶縁膜10が被覆され、更にその上にはパシベ
ーション層14が被覆されて薄膜半導体装置100が構
成されている。
【0025】このような薄膜半導体装置100に、上方
から光が照射されると、受光素子110の受光層8とオ
ーミック層7を挟む透明電極9及び下部電極6の間に光
電効果による電圧が発生し、その電圧は能動素子120
に転送され、能動素子120で増幅されてソース・ドレ
イン配線11及びゲート配線12を経て出力される。こ
のように構成された本実施例の薄膜半導体装置100で
は、能動素子120の不純物拡散層3a,3bはゲート
電極5をマスクとして不純物が拡散されて自己整合的に
形成されているため、ゲート電極5と不純物拡散層3
a,3bとはオーバーラップしないので、この両者間に
は寄生容量が発生せず、また、ゲート電極5と不純物拡
散層3a,3bとの間にアライメントのずれが無いの
で、複数のTFTの寄生容量どうしのばらつきが小さく
なる。そのため、TFTの動作速度の遅延が生じたり、
残像が発生したりすることが防止される。
【0026】また、能動素子120のソース領域または
ドレイン領域として作動する、不純物拡散層3aと不純
物拡散層3bは、環状に形成された動作層2の内側と外
側にそれぞれ形成されているため、ソース領域とドレイ
ン領域は平面的に完全に分離されている。そのため、ソ
ース領域とドレイン領域との間にはリーク電流は生じな
い。また、本実施例の薄膜半導体装置100の能動素子
120と受光素子110は、前述の特開昭64−505
58号公報(図27参照)のように、TFTとPDとが
共通の半導体層上に形成されてはおらず、能動素子12
0と受光素子110は絶縁性基板1上に別々に形成され
ているため、能動素子120と受光素子110との間の
リーク電流も少ない。このようにリーク電流の少い薄膜
半導体装置を例えばイメージセンサに応用した場合、従
来より残像が少なく、画像の階調が十分に確保できるイ
メージセンサを得ることができる。
【0027】次に、上記第1の実施例の薄膜半導体装置
100の製造方法について説明する。図3〜図8は、本
発明の薄膜半導体装置の第1の実施例の製造方法の主要
工程図である。先ず、絶縁性基板1上に、プラズマCV
D(Chemical VaporDepositio
n)法によりa−Siを約50nm堆積して半導体膜1
6を形成し、次に、プラズマCVD法により酸化シリコ
ンを約100nm堆積して絶縁膜4aを形成し、更に、
スパッタリング法によりTaを約300nm着膜して導
電膜17を形成する。
【0028】次に、絶縁性基板1全面にレジスト膜を形
成した後、フォトリソグラフィ法によりレジスト膜をパ
ターニングして、図3に示すように、レジスト層15を
形成する。レジスト層15は、図2の不純物拡散層3
a、動作層2、及び不純物拡散層3bのそれぞれの幅を
合計した幅W2を有し、中央に方形の空所を有する広幅
の環状に形成する。
【0029】次に、ドライエッチング法により、導電膜
17、絶縁膜4a、及び半導体膜16のうちの、レジス
ト層15に覆われていない部分の導電膜17、絶縁膜4
a、及び半導体膜16を除去することにより、レジスト
層15と同一の平面形状を有する、半導体膜16a、ゲ
ート絶縁膜4、及び導電膜17を形成する。次に、ウエ
ットエッチング法により、導電膜17のエッチング速度
をゲート絶縁膜4のエッチング速度よりも高くして、導
電膜17とゲート絶縁膜4をサイドエッチングする。こ
うすることにより、半導体膜16a上に半導体膜16a
の幅W2より狭い幅W1を有するゲート絶縁膜4が形成
され、更にそのゲート絶縁膜4上にゲート絶縁膜4より
幅の狭いゲート電極5が形成される。ここで、導電膜1
7のサイドエッチングの深さにより、ゲート電極5の幅
が決定され、この幅が、次の工程で形成される動作層2
(図4参照)の幅を決定することとなる。
【0030】次に、レジスト層15を剥離し、イオンド
ーピング法により、ゲート電極5をマスクとして上方よ
り半導体膜16aにP等の不純物イオンを導入すること
により、図4に示すように、一対の不純物拡散層3a,
3bを形成する。それと同時に、マスクであるゲート電
極5の直下には、不純物の拡散を免れた動作層2が形成
される。
【0031】このように、ゲート電極5をマスクとして
不純物イオンを導入して不純物拡散層3a,3bを自己
整合的に形成することにより、ゲート電極5と不純物拡
散層3a,3bとのオーバーラップを殆ど無くすことが
でき、オーバーラップに起因する寄生容量の発生及び複
数のTFTの寄生容量どうしのばらつきを大幅に低減す
ることができる。
【0032】次に、図5に示すように、スパッタリング
法により絶縁性基板1の全面にTi膜6aを約200n
m着膜し、次に、プラズマCVD法によりn+a−S
i:H層7aとa−Si:H層8aを堆積し、更に、ス
パッタリング法により透明導電膜18を着膜する。次
に、図6に示すように、フォトリソグラフィ法を用い
て、透明導電膜18、a−Si:H層8a、n+a−S
i:H層7a、及びTi膜6aをエッチングして、透明
電極9、受光層8、オーミック層7、及び下部電極6に
パターニングする。
【0033】この工程においては、下部電極6の周縁部
6eが不純物拡散層3aの周縁部3eの上に重なるよう
に下部電極6がパターニングされる。次に、図7に示す
ように、酸化シリコンを絶縁性基板1の全面に約1μm
堆積して層間絶縁膜10を形成する。次に、フォトリソ
グラフィ法によりゲート配線用のコンタクトホール3
5、ソース・ドレイン配線用のコンタクトホール36、
及びバイアス配線用のコンタクトホール37を形成し、
スパッタリング法により約1μmのAl−Cuを着膜
し、フォトリソグラフィ法によりパターニングして、図
8に示すように、ソース・ドレイン配線11、ゲート配
線12、及びバイアス配線13を形成する。
【0034】更に、プラズマCVD法により酸化シリコ
ンを絶縁性基板1の全面に約1μm堆積してパシべーシ
ョン膜14を形成することにより、図1及び図2に示す
薄膜半導体装置100が完成する。本実施例において
は、フォトリソグラフィ法は4回しか使用されないの
で、薄膜半導体装置100を低コストで製造することが
できる。
【0035】なお、薄膜半導体装置の製造方法は上記の
例に限定されるものではない。例えば、半導体膜16a
の堆積はプラズマCVD法に限定されるものではなく、
LPCVD(Low Pressure Chemic
al Vapor Deposition)法、ECR
(Electron Cyclotron Reson
ance)−CVD法、スパッタリング法、蒸着法等の
方法を用いることができる。
【0036】また、半導体膜16の材質は、a−Si:
Hに限定されるものではなく、例えば多結晶シリコンや
微結晶シリコン等を用いてもよい。また、a−Siをエ
キシマレーザやArレーザ、電子線、赤外線ランプ等に
よりアニールして半導体膜としてもよい。また、ゲート
絶縁膜4等の絶縁膜は、酸化シリコンの他、例えば窒化
シリコン、酸化窒化シリコン、SOG等でもよい。ま
た、絶縁膜の成膜方法としては、LPCVD法、ECR
−CVD法、スパッタリング法、蒸着法、スピンコート
法等、使用材料に適した処理方法を用いることができ
る。
【0037】また、ゲート電極5用の導電材料として
は、Ti、W、Cr、Mo、Al、Cu等の金属材料、
およびそれらの合金材料、及びそれらの珪化材料等でも
よい。また、導電材料の着膜方法としては、その使用材
料に適した処理方法を用いることができる。また、能動
素子120の半導体膜16aへの不純物の導入にはプラ
ズマ処理、イオン注入等、いずれの方法を用いてもよ
い。
【0038】また、半導体膜16aへの不純物導入の際
に、不純物の導入深さを制御し、オフセット領域及び低
濃度不純物領域をゲート電極5に覆われずにゲート絶縁
膜4に覆われている半導体膜に形成することにより、オ
フセットTFTもしくはLDD(Lightly Do
ped Drain)TFTを形成してもよい。特に、
能動素子120の半導体膜16aとして多結晶シリコン
を用いる場合は、このような構造のTFTとすることに
よりリーク電流を更に低減することができるのでこのよ
うな構造とすることが好ましい。
【0039】また、受光素子110は、a−Si:Hの
みを用いたショットキー型のPDに限定されるものでは
なく、従来広く用いられているようなp型a−Si:
H、a−Si:H、n型a−Si:Hを積層したPIN
型のPDでもよく、その他の積層型のPDでもよい。ま
た、PDと他の素子とが積層されたものでもよい。ま
た、ゲート配線12、ソース・ドレイン配線11を、絶
縁性基板1上に能動素子120とほぼ同一の形状に形成
し、これらを互いに接続することによって配線マトリク
スを形成するようにしてもよい。
【0040】図9は、上記第1の実施例の薄膜半導体装
置の平面形状の変形例を示す平面図である。上記の第1
の実施例においては、図1に示すように薄膜半導体装置
の受光素子110は方形の平面形状に形成され、能動素
子120は受光素子110を取り巻く方形の環状の平面
形状に形成されているが、受光素子110及び能動素子
120の平面形状は方形のみに限定されるものではな
く、円形でも、楕円形でも、あるいは多角形でもよい。
また、図1に示すような形状以外に、レイアウト設計上
もしくは製造工程上の事情に応じて、図9(a)〜図9
(c)に示すように、種々の形状に形成することができ
る。
【0041】図9(a)は、受光素子の透明電極9が円
形で、それを取り巻く能動素子の不純物拡散層3a,3
b、ゲート絶縁膜4、及びゲート電極5が円環状に形成
された例を示しているが、これらの平面形状は楕円形の
環状に形成されてもよい。また、図9(b)に示すよう
に、隣り合う2つの円環状の不純物拡散層3bどうしが
互いに接合された形状に形成してもよい。また、図9
(b)では、2つの能動素子のゲート電極5は互いに分
離されているが、ゲート電極5のサイドエッチング条件
を調整することにより2つのゲート電極5どうしが直接
接合された形状に形成してもよい。
【0042】また、図9(c)に示すように、能動素子
の外側の不純物拡散層3bから側方に張り出した引出し
領域3cを設け、引出し領域3cとソース・ドレイン配
線11とをコンタクトさせる構造としてもよい。次に、
本発明の第2の実施例について説明する。図10は、本
発明の薄膜半導体装置の第2の実施例の縦断面図であ
る。なお、この第2の実施例の薄膜半導体装置は、前記
の第1の実施例の平面図(図1)と同様の平面形状を有
しているため、平面図については、図1を参照して説明
する。
【0043】図10及び図1に示すように、薄膜半導体
装置100は、中央に形成された受光素子110と受光
素子110を取り巻く環状に形成された能動素子120
とから構成されている。受光素子110は、絶縁性基板
1上に形成された上下一対の電極、即ち透明電極9及び
下部電極6と、これら一対の電極で挟まれた受光層8及
びオーミック層7とから構成されている。更に、受光素
子110には透明電極9にバイアス電圧を印加するため
のバイアス配線13が備えられている。
【0044】能動素子120は、絶縁性基板1上に形成
された遮光膜19と、その遮光膜19上に形成されたバ
ッファ層20と、バッファ層20上に形成されたa−S
i:Hの半導体膜16aと、半導体膜16a上に形成さ
れた半導体膜16aの幅W2よりも狭い幅W1を有する
ゲート絶縁膜4と、ゲート絶縁膜4上に形成されたゲー
ト絶縁膜4より狭い幅を有するゲート電極5とから構成
されている。
【0045】能動素子120の半導体膜16aは、ゲー
ト電極5をマスクとして半導体膜16a中に不純物が拡
散された、ゲート電極5より内側の第1の不純物拡散層
3a、及びゲート電極5より外側の第2の不純物拡散層
3bと、ゲート電極5によりマスクされて不純物の拡散
を免れた、ゲート電極5直下の動作層2とから成る。動
作層の両側の2つの不純物拡散層3a,3bはTFTの
ソース・ドレイン領域として作動する。
【0046】このように形成された能動素子120を上
方から見ると、図1に示すように、ゲート電極5とゲー
ト電極5を挟む不純物拡散層3a,3b(それぞれの一
部がゲート絶縁膜4の蔭に隠れている)とが、ストライ
プ状に受光素子110を取り巻いている。図10に示す
ように、ゲート絶縁膜4の、半導体膜16aと接する底
面の幅W1は、半導体膜16a全体の幅W2より狭く形
成されており、第1の不純物拡散層3aの、ゲート絶縁
膜4に覆われていない周縁部3eの上に、受光素子11
0の下部電極6の周縁部6eが重なって接している。そ
の結果、受光素子110の下部電極6と能動素子120
の不純物拡散層3aとが電気的に接続されている。
【0047】更に、能動素子120には不純物拡散層3
bと接続するソース・ドレイン配線11と、ゲート電極
5と接続するゲート配線12とが備えられている。この
ように形成された受光素子110と能動素子120の上
には層間絶縁膜10が被覆され、更にその上にはパシベ
ーション層14が被覆されて薄膜半導体装置100が構
成されている。
【0048】このように構成された本実施例の薄膜半導
体装置100では、第1の実施例におけると同様、ゲー
ト電極5と不純物拡散層3a,3bとが自己整合的に形
成されているため、ゲート電極5と不純物拡散層3a,
3bとの間には寄生容量が発生せず、また、複数のTF
T間の寄生容量のばらつきも発生しない。従って、TF
Tの動作速度の遅延が生じたり、残像が発生したりする
ことが防止される。
【0049】また、第1の実施例におけると同様、TF
Tのソース領域またはドレイン領域とが平面的に完全に
分離されているため、ソース領域とドレイン領域との間
にリーク電流が流れることがない。また、TFTとPD
とが独立に形成されているので、TFTとPDとの間の
リーク電流も少なくなる。このようにリーク電流の少な
い薄膜半導体装置100を、例えばイメージセンサに応
用した場合、従来より残像が少なく、画像の階調が十分
に確保できるイメージセンサを得ることができる。
【0050】その上に、本実施例の薄膜半導体装置10
0には、能動素子120の半導体膜16aの下部に遮光
膜19及びバッファ層20が形成されているので、動作
層2の光劣化やリーク電流の増大を防ぐことができ、更
に信頼性の高いイメージセンサを得ることができる。次
に、上記第2の実施例の薄膜半導体装置の製造方法につ
いて説明する。
【0051】図11〜図16は、本発明の第2の実施例
の薄膜半導体装置の製造方法の主要工程図である。先
ず、絶縁性基板1上に、スパッタリング法によりTaを
約100nm堆積し遮光膜19を形成し、次に、プラズ
マCVD法により酸化シリコンを約100nm堆積しバ
ッファ層20を形成し、次に、プラズマCVD法により
a−Siを約50nm堆積し半導体膜16を形成し、更
に、プラズマCVD法により酸化シリコンを約100n
m堆積し絶縁膜4aを形成し、更に、スパッタリング法
によりTaを約300nm着膜して導電膜17を形成す
る。
【0052】次に、絶縁性基板1全面にレジスト膜を形
成した後、フォトリソグラフィ法によりレジスト膜をパ
ターニングして、図11に示すように、レジスト層15
を形成する。レジスト層15の平面形状は、図10の不
純物拡散層3aの内側の輪郭線から不純物拡散層3bの
外側の輪郭線までの幅16wを有する広幅の環状に形成
する。
【0053】次に、ドライエッチング法により、導電膜
17、絶縁膜4a、及び半導体膜16のうちの、レジス
ト層15で覆われていない部分の導電膜17、絶縁膜4
a、及び半導体膜16を除去し、レジスト層15と同一
の平面形状を有する、半導体膜16a、ゲート絶縁膜
4、及び導電膜17を形成する。次に、ウエットエッチ
ング法により、導電膜17のエッチング速度をゲート絶
縁膜4のエッチング速度よりも高くして導電膜17とゲ
ート絶縁膜4をサイドエッチングする。こうすることに
より、半導体膜16a上に半導体膜16aの幅W2より
狭い幅W1を有するゲート絶縁膜4が形成され、更にそ
のゲート絶縁膜4上にゲート絶縁膜4より幅の狭いゲー
ト電極5が形成される。ここで、導電膜17のサイドエ
ッチングの深さにより、ゲート電極5の幅が決定され、
この幅が、次の工程で形成される動作層2(図12参
照)の幅を決定することとなる。
【0054】次に、レジスト層15を剥離し、イオンド
ーピング法により、ゲート電極5をマスクとして上方よ
り半導体膜16aにP等の不純物イオンを導入すること
により、図12に示すように、一対の不純物拡散層3
a,3bを形成する。それと同時に、マスクであるゲー
ト電極5の直下には不純物の拡散を免れた動作層2が形
成される。
【0055】このように、ゲート電極5をマスクとして
不純物イオンを導入して不純物拡散層3a,3bを自己
整合的に形成することにより、ゲート電極5と不純物拡
散層3a,3bとのオーバーラップを殆ど無くすことが
でき、オーバーラップに起因する寄生容量の発生及び複
数のTFTの寄生容量どうしのばらつきを大幅に低減す
ることができる。
【0056】次に、図13に示すように、スパッタリン
グ法により絶縁性基板1の全面にTi膜6aを約200
nm着膜し、次に、プラズマCVD法によりn+a−S
i:H層7aとa−Si:H層8aを堆積し、更に、ス
パッタリング法により透明導電膜18を着膜する。次
に、図14に示すように、フォトリソグラフィ法を用い
て、透明導電膜18、a−Si:H層8a、n+a−S
i:H層7a、及びTi膜6aをエッチングして、透明
電極9、受光層8、オーミック層7、及び下部電極6に
パターニングする。
【0057】この工程においては、下部電極6の周縁部
6eが不純物拡散層3aの周縁部3eの上に重なるよう
に下部電極6がパターニングされる。次に、図15に示
すように、酸化シリコンを絶縁性基板1の全面に約1μ
m堆積して層間絶縁膜10を形成する。次に、フォトリ
ソグラフィ法によりゲート配線用のコンタクトホール3
5、ソース・ドレイン配線用のコンタクトホール36、
及びバイアス配線用のコンタクトホール37を形成し、
スパッタリング法により約1μmのAl−Cuを着膜
し、フォトリソグラフィ法によりパターニングして、図
16に示すように、ソース・ドレイン配線11、ゲート
配線12、及びバイアス配線13を形成する。
【0058】更に、プラズマCVD法により酸化シリコ
ンを絶縁性基板1の全面に約1μm堆積して、パシべー
ション膜14を形成することにより、図10に示す薄膜
半導体装置100が完成する。本実施例においては、フ
ォトリソグラフィ法は4回しか使用されないので、薄膜
半導体装置100を低コストで製造することができる。
【0059】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図17は、本発明の薄膜半導体装置の第3の実施
例の平面図、図18は、図17の矢印A−A’方向から
見た縦断面図である。図17及び図18に示すように、
薄膜半導体装置100は、方形に形成された、PDとし
て作動する受光素子110を中心として、受光素子11
0を取り巻く環状に形成された、TFTとして作動する
能動素子120と、更に能動素子120を取り巻く環状
に形成された、各素子領域を電気的に分離するための素
子分離領域130とから構成されている。
【0060】これらの受光素子110、能動素子12
0、及び素子分離領域130は、ガラス等の絶縁部材か
ら成る絶縁性基板1上に形成されている。能動素子12
0は、絶縁性基板1上に形成されたa−Si:Hから成
る半導体膜16aと、半導体膜16a上に形成されたゲ
ート絶縁膜4と、ゲート絶縁膜4上に形成されたゲート
電極5とから成るTFTとして形成されている。
【0061】半導体膜16aは絶縁性基板1上の全面に
形成されており、能動素子120の領域の半導体膜16
aは、動作層2と不純物拡散領域3aと不純物拡散領域
3bの3つの領域から成る。不純物拡散層3a,3b
は、ゲート電極5をマスクとして半導体膜16a中に不
純物が拡散されて自己整合的に形成され、TFTのソー
ス・ドレイン領域として作動する。また、ゲート電極5
直下の半導体膜16aは、ゲート電極5によりマスクさ
れて不純物の拡散を免れた結果、TFTの動作層2とし
て形成されている。更に、能動素子120には不純物拡
散層3bと接続するソース・ドレイン配線11と、ゲー
ト電極5と接続するゲート配線12とが備えられてい
る。
【0062】受光素子110は、上記不純物拡散層3a
上に形成された上下一対の電極、即ち透明電極9及び下
部電極6と、これら一対の電極で挟まれた受光層8及び
オーミック層7とを備えている。更に、受光素子110
には透明電極9にバイアス電圧を印加するためのバイア
ス配線13が備えられている。図18に示すように、ゲ
ート絶縁膜4の、半導体膜16aと接する底面の幅W1
は、動作層2の幅W3より広く形成されている。不純物
拡散層3aのうち、ゲート絶縁膜4に覆われていない領
域上に受光素子110の下部電極6が形成されており、
その結果、受光素子110の下部電極6と能動素子12
0の不純物拡散層3aとが電気的に接続されている。
【0063】素子分離領域130は、絶縁性基板1上に
形成された半導体膜16aと、この半導体膜16a上に
形成された素子分離絶縁膜43と、この素子分離絶縁膜
43の上に形成された素子分離電極44とから成る。素
子分離領域130の半導体膜16aは、不純物拡散層3
bと、高抵抗領域41と、低抵抗領域42との3つの領
域から成る。
【0064】このうち不純物拡散層3bは上記の能動素
子120の不純物拡散層3a,3bの形成工程におい
て、素子分離電極44をマスクとして半導体膜16aに
不純物が拡散される際に同時に形成される。それと共
に、素子分離電極44の直下には素子分離電極44によ
りマスクされて不純物の拡散を免れた結果、高抵抗領域
41が形成される。
【0065】更に、これら受光素子110、能動素子1
20、及び素子分離領域130を覆うように層間絶縁膜
10、及びパシベーション膜14が形成されて、薄膜半
導体装置100が構成される。なお、第3の実施例で
は、図17に示すように、受光素子110、能動素子1
20、及び素子分離領域130はそれぞれ方形の平面形
状に形成されているが、これら各素子、及び各領域の平
面形状は方形のみに限定されるものではなく、例えば円
形、楕円形、または多角形等どのような平面形状でもよ
い。
【0066】このように、前記第1の実施例におけると
同様、ゲート電極5と不純物拡散層3a,3bとが自己
整合的に形成されているため、ゲート電極5と不純物拡
散層3a,3bとの間に寄生容量の発生及び複数のTF
Tの寄生容量どうしのばらつきも発生しない。従って、
TFTの動作速度の遅延が生じたり、残像が発生したり
することが防止される。
【0067】また、第1の実施例におけると同様、TF
Tのソース領域とドレイン領域とが平面的に完全に分離
されているため、ソース領域とドレイン領域との間にリ
ーク電流が流れることがない。また、素子分離電極44
にゼロバイアスを印加し、高抵抗領域41をゼロバイア
ス状態に保つことにより、不純物拡散層3bから高抵抗
領域41を介して低抵抗領域42に流れ込むリーク電流
を更に低減させることができる。また、TFTを動作さ
せるためのバイアスと逆のバイアスを素子分離電極44
に印加し、素子分離領域130を強いオフ状態にするこ
とによりリーク電流を抑えることも可能である。
【0068】このようにリーク電流の少ない薄膜半導体
装置を、例えばイメージセンサに応用した場合、従来の
イメージセンサより残像が少なく、画像の階調が十分に
確保できるイメージセンサを得ることができる。また、
本実施例の薄膜半導体装置100では、不純物拡散層3
bの外側に高抵抗領域41が形成されているため、隣り
合う能動素子120どうしが完全に分離されている。こ
のような高抵抗領域41が設けられているため、第1及
び第2の実施例のように、フォトリソグラフィ法により
半導体膜16をパターニングする(図3〜図4及び図1
1〜図12)ことにより隣り合う能動素子120どうし
を分離する必要がなくなり、フォトリソグラフィ法の使
用回数を減少させることができる。
【0069】次に、本発明の第3の実施例の薄膜半導体
装置の製造方法について説明する。図19〜図26は、
第3の実施例の薄膜半導体装置の製造方法の主要工程の
縦断面図または平面図である。先ず、絶縁性基板1上に
プラズマCVD法によりa−Siを約50nm堆積して
半導体膜16を形成し、次に、プラズマCVD法により
酸化シリコンを約100nm堆積して絶縁膜4aを形成
し、更に、スパッタリング法によりTaを約300nm
着膜して導電膜17を形成する。
【0070】次に、絶縁性基板1全面にレジスト膜を形
成した後、フォトリソグラフィ法によりレジスト膜をパ
ターニングして、図19及び図20に示すように、レジ
スト層15a,15bを形成する。なお、図19は、図
20の矢印A−A’方向から見た断面図である。レジス
ト層15a,15bは、図20に示すように、内側の環
(レジスト層15a)と外側の環(レジスト層15b)
とから成る2重の環状の平面形状に形成される。なお、
外側のレジスト層15bはその環の一部が環の外側に延
びて図示しない他の素子のレジスト層15bに接続する
形状に形成される。
【0071】次に、ウエットエッチング法により、導電
膜17のエッチング速度を絶縁膜4aのエッチング速度
よりも高くして導電膜17と絶縁膜4aをサイドエッチ
ングする。こうすることにより、内側のレジスト層15
a直下の半導体膜16上にレジスト層15aと同じ幅の
ゲート絶縁膜4が形成され、更にそのゲート絶縁膜4上
にゲート絶縁膜4より幅の狭いゲート電極5が形成され
る。一方、外側のレジスト層15b直下の半導体膜16
上にはレジスト層15bと同じ幅の素子分離絶縁膜43
が形成され、更にその素子分離絶縁膜43上に素子分離
絶縁膜43より幅の狭い環状の素子分離電極44が形成
される。なお、素子分離絶縁膜43及び素子分離電極4
4は、上記のレジスト層15bと同様、その環の一部が
環の外側に延びて図示しない他の素子の素子分離電極4
4に接続する形状に形成される。
【0072】次に、図21に示すように、レジスト層1
5a,15bを剥離した後、イオンドーピング法によ
り、ゲート電極5及び素子分離電極44をマスクとして
上方より半導体膜16にP等の不純物イオンを導入する
ことにより、図22に示すように、不純物拡散層3a、
不純物拡散層3b、及び低抵抗領域42を形成する。そ
れと共に、マスクであるゲート電極5及び素子分離電極
44の直下には不純物の拡散を免れた動作層2及び高抵
抗領域41がそれぞれ形成される。次に、図23に示す
ように、スパッタリング法によりTiを約200nm着
膜しTi膜6aを形成し、次に、プラズマCVD法によ
りn+a−Si:H層7a、及びa−Si:H層8aを
堆積し、更にスパッタリング法により透明導電膜18を
着膜する。
【0073】次に、図24に示すように、フォトリソグ
ラフィ法を用いて、透明導電膜18、a−Si:H層
8、n+a−Si:H層7、及びTi膜6aをエッチン
グして、透明電極9、受光層8、オーミック層7、及び
下部電極6にをパターニングする。次に、図25に示す
ように、酸化シリコンを絶縁性基板1の全面に約1μm
堆積して層間絶縁膜10を形成する。
【0074】次に、フォトリソグラフィ法によりゲート
配線用のコンタクトホール35、ソース・ドレイン配線
用のコンタクトホール36、及びバイアス配線用のコン
タクトホール37を形成し、スパッタリング法により約
1μmのAl−Cuを着膜し、フォトリソグラフィ法に
よりパターニングして、図26に示すように、ソース・
ドレイン配線11、ゲート配線12、及びバイアス配線
13を形成する。
【0075】更に、プラズマCVD法により酸化シリコ
ンを絶縁性基板1の全面に約1μm堆積してパシべーシ
ョン膜14を形成することにより、図18に示す薄膜半
導体装置100が完成する。上記の第3の実施例の製造
方法においては、フォトリソグラフィ法は4回しか使用
されないので、薄膜半導体装置100を低コストで製造
することができる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の薄膜半導
体装置によれば、製造コストが低く、且つ、性能の優れ
た薄膜半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜半導体装置の第1の実施例の平面
図である。
【図2】図1の矢印A−A’方向から見た縦断面図であ
る。
【図3】本発明の薄膜半導体装置の第1の実施例の製造
方法の主要工程図である。
【図4】本発明の薄膜半導体装置の第1の実施例の製造
方法の主要工程図である。
【図5】本発明の薄膜半導体装置の第1の実施例の製造
方法の主要工程図である。
【図6】本発明の薄膜半導体装置の第1の実施例の製造
方法の主要工程図である。
【図7】本発明の薄膜半導体装置の第1の実施例の製造
方法の主要工程図である。
【図8】本発明の薄膜半導体装置の第1の実施例の製造
方法の主要工程図である。
【図9】本発明の第1の実施例の薄膜半導体装置の平面
形状の変形例を示す平面図である。
【図10】本発明の薄膜半導体装置の第2の実施例の縦
断面図である。
【図11】本発明の第2の実施例の薄膜半導体装置の製
造方法の主要工程図である。
【図12】本発明の第2の実施例の薄膜半導体装置の製
造方法の主要工程図である。
【図13】本発明の第2の実施例の薄膜半導体装置の製
造方法の主要工程図である。
【図14】本発明の第2の実施例の薄膜半導体装置の製
造方法の主要工程図である。
【図15】本発明の第2の実施例の薄膜半導体装置の製
造方法の主要工程図である。
【図16】本発明の第2の実施例の薄膜半導体装置の製
造方法の主要工程図である。
【図17】本発明の第3の実施例の薄膜半導体装置の平
面図である。
【図18】図17の矢印A−A’方向から見た縦断面図
である。
【図19】本発明の第3の実施例の薄膜半導体装置の製
造方法の主要工程の平面図である。
【図20】本発明の第3の実施例の薄膜半導体装置の製
造方法の主要工程図である。
【図21】本発明の第3の実施例の薄膜半導体装置の製
造方法の主要工程図である。
【図22】本発明の第3の実施例の薄膜半導体装置の製
造方法の主要工程図である。
【図23】本発明の第3の実施例の薄膜半導体装置の製
造方法の主要工程図である。
【図24】本発明の第3の実施例の薄膜半導体装置の製
造方法の主要工程図である。
【図25】本発明の第3の実施例の薄膜半導体装置の製
造方法の主要工程図である。
【図26】本発明の第3の実施例の薄膜半導体装置の製
造方法の主要工程図である。
【図27】従来のイメージセンサの縦断面図の一例であ
る。
【図28】従来のイメージセンサの製造方法の主要工程
図である。
【図29】従来のイメージセンサの製造方法の主要工程
図である。
【図30】従来のイメージセンサの製造方法の主要工程
図である。
【図31】従来のイメージセンサの製造方法の主要工程
図である。
【符号の説明】 1 絶縁性基板 2 動作層 3,3a,3b 不純物拡散層 3e 周縁部 4 ゲート絶縁膜 4a 絶縁膜 5 ゲート電極 6 下部電極 6a Ti膜 6e 周縁部 7 オーミック層 7a n+a−Si:H層 8 受光層 8a a−Si:H層 9 透明電極 10 層間絶縁膜 11 ソース・ドレイン配線 12 ゲート配線 13 バイアス配線 14 パシベーション膜 15,15a,15b レジスト層 16,16a 半導体膜 17 導電膜 18 透明導電膜 19 遮光膜 20 バッファ層 21 TFT領域 22 PD領域 23 ゲート配線マトリクス 24 データ配線マトリクス 25 配線下部電極 26 p型a−Si:H層 27 a−Si:H層 28 n型a−Si:H層 29 配線上部電極 30 絶縁膜 31 個別電極 32 導電膜 33 絶縁膜 34 透明導電膜 35,36,37,38,39 コンタクトホール 41 高抵抗領域 42 低抵抗領域 43 素子分離絶縁膜 44 素子分離電極 100 薄膜半導体装置 110 受光素子 120 能動素子 130 素子分離領域 200 イメージセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 31/10 A G

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に形成された、受光層が上
    下一対の電極で挟まれて成る受光素子と、 該受光素子を環状に取り巻くゲート電極、及び該ゲート
    電極の下部に形成された半導体膜を有する能動素子とを
    備え、 該半導体膜が、前記ゲート電極をマスクとして不純物が
    拡散された、前記ゲート電極より内側の、前記一対の電
    極のうちの下部電極と接する第1の不純物拡散層、及び
    前記ゲート電極より外側の、前記受光素子を取り巻く第
    2の不純物拡散層と、前記ゲート電極により不純物の拡
    散を免れた、該ゲート電極直下の動作層とを有すること
    を特徴とする薄膜半導体装置。
JP7180277A 1995-07-17 1995-07-17 薄膜半導体装置 Withdrawn JPH0936340A (ja)

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