JPH0933627A - 試料振動型磁力計 - Google Patents

試料振動型磁力計

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JPH0933627A
JPH0933627A JP18264895A JP18264895A JPH0933627A JP H0933627 A JPH0933627 A JP H0933627A JP 18264895 A JP18264895 A JP 18264895A JP 18264895 A JP18264895 A JP 18264895A JP H0933627 A JPH0933627 A JP H0933627A
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JP
Japan
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vibration
vibrating
frequency
electrostrictive element
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JP18264895A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Shimada
島田  寛
Takashi Hasegawa
長谷川  隆
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KAGAKU GIJUTSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
KAGAKU GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料を高い振動数で加振し、十分な大きさの
検出信号を得ることができる試料振動型磁力計を提供す
る。 【構成】 磁場内に配置した試料に振動を印加する加振
手段と、試料に形成される磁界変化を検出する検出手段
とを備え、この検出手段からの検出信号によって、試料
の磁化量を求める試料振動型磁力計であって、加振手段
を電歪素子によって構成し、電歪素子が伸縮する軸上に
試料を配置し、電歪素子の伸縮方向と試料振動方向を一
致させることによって、前記目的を達成する試料振動型
磁力計を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料振動型磁力計
に関し、特に、磁性材料の磁化評価装置として適用する
ことができる磁力計に関する。
【0002】
【従来の技術】試料振動型磁力計は磁性材料の磁化を評
価する手段として、測定用のサンプルの作成が容易であ
るため、電力・電気通信事業および機械工業等の種々の
分野の事業所や研究機関で広範囲に利用されている測定
装置である。
【0003】従来知られている試料振動型磁力計は、測
定対象の磁性材料を用いて形成したサンプルを均一な静
磁界の中に置き、サンプルに特定の振動数の機械振動を
印加し、これによって、サンプル中に誘起される磁化変
化を検出コイルで検出し、前記振動数と同一の周波数を
有する交流電気信号を取り出すことによって、サンプル
の磁化強度を評価するものである。
【0004】一般に、この検出コイルによって検出され
る検出信号は微弱であり、また、その信号強度はサンプ
ルの機械的振動数に比例して増加する。そこで、この試
料振動型磁力計によって検出される交番電圧の振幅値を
大きくするためには、高い振動数で振動させることが望
まれる。
【0005】しかしながら、従来の試料振動型磁力計に
おいて、試料に機械的振動を印加する加振機として、電
磁力を用いたボイスコイル型の加振機やカム等の機械的
機構を用いた加振機が知られているが、これら従来の試
料振動型磁力計に用いられる加振機の周波数特性や発生
駆動力に限界があるため、高い周波数を得ることは難し
く、利用可能な振動数は高々100Hz程度である。
【0006】そこで、従来の試料振動型磁力計では、振
動周波数を高くする代わりに、振動振幅を大きくするこ
とによって必要な振動エネルギーを確保する構成として
いる。
【0007】しかしながら、この振幅値を大きくする構
成は、加振機自体の外形寸法を大きくするという欠点が
あり、外部に大きな機械的ノイズを発生する。また、加
振手段が発生する機械的振動エネルギーを補って必要な
振動振幅を得るために、バネ部材の復元力を用いる構成
を採用する場合には、試料の質量変化や雰囲気温度の変
化等の外部環境の影響を受け易いという欠点も含んでい
る。
【0008】また、従来のボイスコイル型の加振機の持
つ大型であるという欠点を解決する一手段として、例え
ば特開平1−14277号公報に示されるような圧電振
動子を用いた加振機が知られている。しかしながら、こ
の加振機は一端に圧電振動子を備え他端に試料を配置し
た片持ち式の振動材を用いる構成であり、この片持ち式
の振動材によって試料に機械的振動を加えているため、
高い周波数を得ることはボイスコイル型の加振器と同様
に困難である。
【0009】さらに、この検出信号の周波数が高々10
0Hz程度であって、通常ボイスコイル型では常用周波
数の近傍であるため、周辺部の電気機器および電源ライ
ンからのノイズが入りやすく、その対策はかなり煩雑で
コスト上昇の要因となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記した従来
の試料振動型磁力計の問題点を解決し、試料を高い振動
数で加振し、十分な大きさの検出信号を得ることができ
る試料振動型磁力計を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁場内に配置
した試料に振動を印加する加振手段と、試料に形成され
る磁化変化を検出する検出手段とを備え、この検出手段
からの検出信号によって試料の磁化強度を求める試料振
動型磁力計であって、加振手段を電歪素子によって構成
し、電歪素子が伸縮する軸上に試料を配置し、電歪素子
の伸縮方向と試料振動方向を一致させることによって、
前記目的を達成する試料振動型磁力計を構成する。
【0012】本発明の試料振動型磁力計は、磁場内に配
置された磁性体の試料を振動させることによって発生す
る磁化変化を、検出コイル等の検出手段に誘起される交
流電圧として検出し、この検出信号に基づいて試料の磁
化強度を求める磁力計である。そして、本発明の構成で
は、試料を振動させる加振手段として電歪素子を用い、
その電歪素子が伸縮する延長上に試料を配置し、電歪素
子の伸縮方向と試料振動方向を一致させることによっ
て、電歪素子の持つ高い振動周波数で試料を振動させ、
これによって、検出手段から高周波数の検出信号を得る
ものである。
【0013】本発明の試料振動型磁力計に用いる電歪素
子は、100Hzから100KHzの周波数の範囲内の
周波数で駆動することができ、これによって、高い振動
周波数で試料を振動させることができる。
【0014】本発明の試料振動型磁力計に用いる検出手
段は検出コイルを含み、この検出コイルを一構成要素と
して共振回路を構成することができ、これによって、共
振状態で検出することによって検出する信号電圧を増幅
することができる。
【0015】本発明の試料振動型磁力計に用いる加振手
段は、電歪素子の伸長方向と逆方向の力を付勢する非磁
性体からなる付勢手段を備えた構成とすることができ、
これによって、安定した振動を得ることができる。
【0016】また、本発明の試料振動型磁力計に用いる
加振手段と試料との間を繊維強化樹脂により連結するこ
とによって、連結部材の持つ慣性や変形による振動周波
数の低下を低滅することができる。
【0017】本発明の試料振動型磁力計において、磁化
強度の測定対象の試料を一定の磁場内に配置し、加振手
段によって該磁場内において試料を振動させる。この振
動によって試料の近傍には、試料が持つ磁化強度に応じ
た磁化変化が発生する。
【0018】この試料の近傍に配置した検出コイル等の
検出手段には、この磁化変化によって交流電圧が誘起さ
れる。この誘起電圧の大きさは試料の試料の磁化強度に
対応しており、検出手段の検出信号を測定することによ
って試料の磁化強度を求めることができる。
【0019】本発明の加振手段は加振源として電歪素子
を用いており、この電歪素子に印加する周波数に応じた
伸縮運動によって振動する。電歪素子の伸縮運動の周波
数持性は、従来のボイスコイル型の駆動源と比較して高
周波域まで延びているため、高い振動数を得ることがで
きる。また、慣性が小さくまた変形の小さな繊維強化樹
脂等からなる連結部材によって、試料と電歪素子とを電
歪素子の伸縮方向に沿った方向に連結し、また、電歪素
子の伸縮方向と試料の振動方向を一致させることによっ
て、電歪素子の高い振動周波数で試料を振動させること
ができる。これによって、検出手段から高周波の検出信
号を得ることができるものである。
【0020】また、検出手段中の検出コイルに並列にコ
ンデンサー等を接続する等の構成によって共振回路と振
動周波数とを一致させることによって検出信号を増幅
し、大きな振幅の検出信号を得る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図を参照
しながら説明する。
【0022】本実施例における試料振動型磁力計の本体
概略図は図1に示す如くである。図1において、静磁場
印加用の電磁石1を配置し、該電磁石1が発生する磁場
外に加振機5を設ける。加振機5は防振装置を施した架
台上に配置する。この加振機5は振動棒4の終端等に固
定した試料3は、電磁石1により形成される静磁場内に
位置するよう配置する。図1では、試料3を電磁石1の
極間の中央部に配置した例を示している。なお、試料3
の振動棒4への取付け位置は、終端に限らず、任意の位
置とする事が出来る。
【0023】静磁場発生用の電磁石1は測定する試料の
保磁力によって、選択して用いることができる。例え
ば、試料の保磁力が200[Oe]以上である場合、最
大磁場10〜20[KG]程度の静磁場を得られるよう
な周知の電磁石を用いることができる。これに対し試料
の保磁力が低くて200[Oe]以下の場合には最大静磁
場500[G]程度の静磁場を得られるようなヘルムホル
ツコイルを用いることができる。なお、前記境界値とし
て200[Oe]は一例であり、この近傍の値により選択
することができることは明らかである。
【0024】また、周知の電磁石あるいはヘルムホルツ
型の電磁石を用いる場合でも、バイポーラ型電源によっ
て駆動する構成とすることによって、試料3に印加する
静磁場の方向を反転させることができる。また加振機5
は発振器6−1、交流電圧増幅器6−2、直流電源6−
3、参照信号送信用線路6−4を含む加振機駆動用電源
6によって駆動される。
【0025】試料3が配置される位置の近傍に検出手段
2を設ける。検出手段2は差動型とし、二対の検出コイ
ルを電磁石1の極間に配置した構造とする。この検出コ
イルの巻き数は、例えば約200ターンとすることがで
きる。そして、検出手段2に誘起された微弱信号を増巾
するために、予め定められた周波数信号のみを拡大する
機能を持ったロックインアンプ7を接続する。ロックイ
ンアンプ7の周波数は加振機5と同調した周波数であ
り、加振機5を駆動するための発振器6−1から発生す
る周波数を参照信号を参照信号送信用線路6−4を介し
てロックインアンプ7に供給する。また、試料に印加さ
れる静磁場の強度は磁界測定用プローブ9を用いて検出
し、磁界測定器本体10において計測する磁界測定器1
0からの測定磁場強度およびロックインアンプ7からの
検出信号は、X−Yレコーダ8等の出力手段に出力され
る。
【0026】以下、本発明の試料振動型磁力計の加振手
段および検出手段のそれぞれについて構成と作用につい
て説明する。図2は本発明の試料振動型磁力計の加振手
段および検出手段を説明するための図である。
【0027】本発明の加振手段は、縦方向振動の電歪素
子により構成することができ、さらに電歪素子とバネと
の組み合わせによって構成することもできる。電歪素子
は強誘電性の圧電効果を利用する素子であり、両端に交
番電圧を印加すると、電歪素子を構成する結晶が伸縮を
繰り返し、外部に振動を発生する。
【0028】次に、本発明の加振機の構造について、図
3を用いて述べる。加振機5に使用する電歪素子として
は、縦型振動の複数個の電歪素子5−1を直列に接着し
て構成する。使用する電歪素子としては、例えばトーキ
ン製の積層型NLA、寸法10×10×18mmを用いることが
できる。電歪素子の数を多くするほど振幅を大きくする
ことができるが、本実施の形態では直列構成の横振動の
発生を考慮して、3〜5個程度が適当である。この直列
構成の電歪素子5−1の一端を非磁性金属(真鍮等)よ
り成る中間基板5−3に接着し、該中間基板の他端(A
面とする)に振動棒4を取り付け、この振動棒4に付勢
手段5−2を付ける。付勢手段5−2はバネ等の弾性部
材によって構成することができ、電歪素子の伸長方向と
反対の方向に押圧する。なお弾性部材の押圧力は、電歪
素子の伸長力より小さく設定する。また、電歪素子5−
1の他端は保持部5−4により固定され、付勢手段5−
2は中間基板5−3及び5−5を介して保持部5−6に
より固定される。この構成によって、電歪素子が伸長し
てA面が振動棒4を押す時には、電歪素子5−1はその
伸長力が弾性部材の押圧力を越えて伸び、これによって
振動棒4は安定に動作する。なお、加振機を構成する部
品は、弾性部材を含めて非磁性であることが望ましい。
これは、磁化部品が高い周波数で振動すると、微弱な磁
束の振動が発生し、これが検出手段に雑音として入るの
を防止するためである。
【0029】また、電歪素子を高い周波数の交番電圧に
直流のバイアス電圧を印加した駆動電圧によって駆動す
ることができる。これは、一般に電歪素子の特性とし
て、0ボルトの前後で動作させると(例えば、+20V〜
−20Vの間)素子の伸縮は非直線的なヒステリシスを持
ち、これによってエネルギー損失熱が発生するためであ
る。そこで、直流のバイアス電圧(例えば+100V)を
かけることにより、電歪素子の動作領域を非直線領域か
ら直線領域に変移させ、これによってヒステリシスに起
因する熱発生を抑えると共に、交番電圧に比例した振幅
を得ることができるためである。
【0030】次に、振動棒4について述べる。振動棒の
振動周波数には以下のような特徴を有している。
【0031】即ち、電歪素子は高い周波数で振動する
と、ほぼ周波数に比例した熱損失が発生し、電歪素子の
温度が上昇する。そのため印加電圧に対する電歪素子の
振幅量が変化し、温度安定性が低下する。極端な場合に
は電歪素子自体が破壊する場合がある。
【0032】また、電歪素子は非常に強い力を発生する
が、振動棒との組み合わせによる加振手段の構成におい
て、振動棒を押しだすときには充分な力が振動棒に加わ
るが、引き戻すときには振動棒の慣性力により、電歪素
子と振動棒の間の接着部分、あるいは振動棒または電歪
素子自身に引っ張る力が加わり、場合によっては破壊が
生じる虞がある。したがって、振動数の最大値には制限
が生じる。
【0033】ここで、試料振動型磁力計の振動周波数ω
(=2πf)、振動棒の振動変位量x(加振機の出力変
位量と同じ)、振動棒の重量と必要な力Fの間には、ニ
ュートンの運動の法則により以下に示すような関係があ
る。F=m(d2 x/dt2)ただし、F:力[m/s
2 ]、x:変位量[m]、m:質量(振動棒の質量)
[Kg]とする。時間tに対して正弦波状に振動してい
る場合には、変位量xは、次式で表すことができる。 x=ΔD・COS(ωt) 但し、ΔDは、振幅すなわち変位の最大値とする。従来
の電磁力による加振機では代表的な値として、ΔD=1
mm、m= 0.1Kg、ω=2π×100(f=100Hzの振
動)を使うと、前記式からF=9.86[m/s2 ]とな
り、発生する力は約1Kgと小さい値である。これに対
して、本発明の加振手段の場合は、例えば、ΔD=30μ
m、m= 0.1Kg、ω=2π×10KHzとすると、発生
する力は 304Kgに達する。この発生力では振動棒を引
き戻す事は不可能となり、振動棒は正常に振動しない。
そこで、m=0.01Kg、ω=2π× 2.5KHzとして質
量と周波数を低下させると発生する力は76Kgに低下す
る。この程度の力であれば、バネ等の通常の付勢手段に
より発生させることができる。さらに、質量mと振幅Δ
Dを低下させて例えば、m= 0.001Kg、ΔD=3μm
とし、バネの力を2倍とすると、振動周波数ωを2π×
105KHzにする事ができる。しかしながら、これ以上
振動棒の質量を軽くすると、振動棒自体の強度が低下
し、振動棒自体が破壊する虞があり、実用的な振動周波
数の上限としては100KHz程度である。また、逆に、
振動数が100Hz以下では信号検出時のQが小さく、充
分な出力を得ることが困難となる。
【0034】したがって、高い周波数を得るためには振
動棒の質量は軽いものが望ましい。また、同時に、振動
棒は非常に高い周波数の振動を試料に伝えなければなら
ない。この点で、金属は重い上に、内部での歪等による
内部摩擦が大きく振動が減衰してしまう。従って、振動
棒に適した素材としては、例えばガラス、セラミクス、
あるいはボロン、カーボン、ガラスの繊維を用いた強化
樹脂等が適当である。
【0035】次に、本発明と従来装置との加振手段の比
較を行う。従来使用されるボイスコイル型の加振機は、
永久磁石と振動コイルから成り、振動コイルに交番電流
を流すことにより電磁力で振動を発生するものである。
これに対して、本発明における電歪素子では、強誘電性
結晶を構成する原子間において作用する電気分極による
引力・反発力を利用するのであり、非常に強い力を発生
できると共に、両端に電圧を加えるだけであるので、極
めて簡易な構成とすることができる。両者の加振機構の
特徴を比較すると従来の電磁力型は、大振幅が得られる
ものの大型で発生する機械力は弱い。これに対し、本発
明の電歪素子は振幅は小さいが、小型で大きな出力を発
生することができる。
【0036】本発明による加振機と従来加振機における
主要特性の比較を第1表に示す。
【0037】
【表1】 次に、本発明の試料振動型磁力計の検出手段について説
明する。図4は本発明の試料振動型磁力計の検出手段を
説明するための等価回路図である。図4において、Lお
よびRは検出コイルのインダクタンス成分および抵抗成
分を示し、Cは検出コイルに並列接続したコンデンサー
の容量を示す。またEiは試料の振動によって検出コイ
ルに誘起される交流電圧成分を示す。
【0038】図4に示される接続において、電気共振条
件を充たすように検出コイルのL、Rおよびコンデンサ
ーCの値を設定すると、コンデンサーCの両端に発生す
る信号電圧即ち、増幅器への入力Ecは、次式(1)に
よって表すことができる。
【0039】 Ec=Ei・(1/jωC)/(R+jωL+(1/jωC)) (1) 但し、ω=2πf、fは周波数である。
【0040】試料振動型磁力計では、磁化(M)を持つ
試料が振動静磁場中で振動することによって、その周囲
に振動する磁束が誘起され、検出コイルに試料の磁化
(M)に比例する信号電圧(Ei)を発生する。この電
圧(Ei)は(2)式で表すことができる。 Ei∝(M・V)×ΔD×f×n (2) 但し、Mは試料の磁化の強さ、Vは試料体積、ΔDは振
動振幅、f:振動周波数、nは検出コイル巻き数であ
る。
【0041】従来のボイスコイル型加振機の代表的な値
としては第1表に示すように、例えば、ΔD=1mm、
f=50Hz、n=数千ターン等がある。これに対し、本
発明による電歪素子型では、ΔD=0.03mmと小さい
が、f=10KHzの高周波数の駆動が可能であり、検出
コイルの巻き数nを1/6に減少させることができる。こ
の違いによって、以下のような利点を得ることができ
る。
【0042】1) 従来の加振機のように、検出コイル
の巻き数が数千回にもなると、その電気抵抗は数KΩと
なり、このコイルを接続する増幅器の入力端子に雑音を
発生する。これは、検出コイル自信の熱雑音とともに、
外部の電気的雑音も混入するためである。逆に、本発明
の加振機のようにコイル抵抗を低下させることにより、
入力端子がアースされた状態に近づき、雑音を拾わなく
なる。従って、コイルの信号は低い出力で済み、巻数は
更にもっと少なくてよいことになる。
【0043】2) 本発明の加振機のように、検出コイ
ルの巻数を減少させる構成によって、コイル寸法を縮小
させることができる。これによって、試料を磁化するた
めの電磁石も小型化することができ、装置全体を小型化
することができる。 3) 本発明の加振機のように、検出コイルの巻数を減
少させることにより、より太い銅線を使う事ができる。
ここでCがこの回路の共振条件すなわち ωL=1/ωC
を満足する場合には、(1)式は、Ec=Ei・(j
ωL/R)となる。このとき、Q=ω・L/Rとする
と、Ecの絶対値は|Ec|=Q|Ei|となる。すな
わち、検出コイルの内部抵抗が小さいほど、また、周波
数が高いほど、大きな出力を得ることができる。従来の
検出手段は数千回巻きの検出コイルを用いるためRが大
きく、周波数が低いため、Q値は非常に小さく、共振に
よる信号増幅の効果を期待することはできない。これに
対し、本発明の検出コイルにおけるQ値は10〜20に
する事ができるので、増幅器へ伝わる信号がそれだけ大
きくなる。更に、振動周波数を上げれば、(1)式より
信号電圧が上昇し、また(2)式よりQ値を上げること
は可能である。
【0044】
【実施例】以下に、本発明の試料振動型磁力計による検
出結果の例を示す。
【0045】本発明の試料振動型磁力計において、第2
表に示すような試験条件で静磁場を変化させながら検出
することによって、図5に示すような試料の磁化強度を
得ることができる。
【0046】
【表2】 以上説明した如く、試料を高い振動数で加振し、それに
伴って十分に大きな検出信号を得ることができた。それ
に加えて、試料振動型磁力計を製造する工程において、
重要部品である加振機の構造が簡略であり短い手順で作
製でき、安価に製作可能である。性能面では従来の技術
に較べて、駆動周波数が20倍以上であり試料振動の振幅
が少なくても実用上充分な出力が得られるので、均一磁
場の領域の低滅、即ち、ポールピースの縮小化など磁界
印加用電磁石のコストダウンにつながる。また同様に、
センサーコイルの巻き数も従来の10分の1に減少でき、
製造コスト上の利点が生ずる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
試料を高い振動数で加振し、十分な大きさの検出信号を
得る試料振動型磁力計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試料振動型磁力計における加振手段お
よび検出手段の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の試料振動型磁力計の加振手段を説明す
るための図である。
【図3】本発明の試料振動型磁力計の一実施例の全体構
成およびその作用について説明する図である。
【図4】本発明の試料振動型磁力計による一検出結果で
ある。
【図5】本発明の試料振動型磁力計の検出手段を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1 静磁界印加用電磁石 2 検出手段 2−1 検出コイル 2−2 電気共振用コンデンサー 3 測定試料 4 振動棒 5 加振機 5−1 電歪素子 5−2 バイアス応力印加用バネ 5−3 中間基板 5−4 保持部 5−5 基板 5−6 保持部 6 加振機駆動用電源 6−1 発振器 6−2 交流電圧増幅器 6−3 直流電源 6−4 参照信号送信用線路 7 ロックインアンプ 8 X−Yレコーダー 9 磁界測定用プローブ 10 磁界測定器本体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁場内に配置した試料に振動を印加する
    加振手段と、前記試料に形成される磁化変化を検出する
    検出手段とを備え、該検出信号によって試料の磁化強度
    を求める試料振動型磁力計であって、前記加振手段を電
    歪素子によって構成し、該電歪素子が伸縮する軸上に試
    料を配置し、電歪素子の伸縮方向と試料振動方向を一致
    させることを特徴とする試料振動型磁力計。
  2. 【請求項2】 前記電歪素子は、100Hzから100
    KHzの周波数の範囲内の周波数で駆動することを特徴
    とする請求項1記載の試料振動型磁力計。
  3. 【請求項3】 前記検出手段は、検出コイルを含み共振
    回路を構成することを特徴とする請求項1、又は2記載
    の試料振動型磁力計。
  4. 【請求項4】 前記加振手段は、電歪素子の伸長方向と
    逆方向の力を付勢する非磁性体からなる付勢手段を備え
    たことを特徴とする請求項1、2、又は3記載の試料振
    動型磁力計。
  5. 【請求項5】 前記加振手段と試料とは、繊維強化樹脂
    により連結することを特徴とする請求項1、2、3又
    は、4記載の試料振動型磁力計。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008304411A (ja) * 2007-06-11 2008-12-18 National Institute For Materials Science Squid顕微鏡
JP2016102752A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 日立金属株式会社 磁石特性測定方法及び磁石特性測定装置

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