JPH09331065A - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ及びその製造方法

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JPH09331065A
JPH09331065A JP14628796A JP14628796A JPH09331065A JP H09331065 A JPH09331065 A JP H09331065A JP 14628796 A JP14628796 A JP 14628796A JP 14628796 A JP14628796 A JP 14628796A JP H09331065 A JPH09331065 A JP H09331065A
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JP
Japan
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film
gate electrode
thin film
resistance portion
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JP14628796A
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English (en)
Inventor
Teruhiko Ichimura
照彦 市村
Junichi Watabe
純一 渡部
Tomotaka Matsumoto
友孝 松本
Tsutomu Tanaka
田中  勉
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オン電流を大きく減少させることなく、オフ
電流の増加を抑制することができる薄膜トランジスタ及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 絶縁性表面を有する基板と、基板上の一
部の領域に配置され、半導体材料により形成されたチャ
ネル層と、基板上であって、チャネル層の両側の領域に
それぞれ配置され、チャネル層と電気的に接続されたソ
ース領域及びドレイン領域と、チャネル層の上に形成さ
れたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜の上に形成されたゲ
ート電極であって、該ゲート電極が低抵抗部と該低抵抗
部よりも高い抵抗率を有する高抵抗部を含んで構成さ
れ、高抵抗部が、低抵抗部とソース領域との間の領域、
及び低抵抗部とドレイン領域との間の領域にそれぞれ配
置されているゲート電極とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜トランジスタ
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜トランジスタ(TFT)を用いたア
クティブマトリクス型液晶表示装置は、走査中でない画
素電極と信号線とを電気的に切り離すことができるた
め、クロストークの発生を容易に排除することができ
る。また、TFTで構成した駆動回路を表示領域の周囲
に配置することが可能である。このため、駆動回路を内
蔵した高解像度、高精細な液晶表示パネルを提供するこ
とが可能である。
【0003】ポリシリコンのキャリア移動度はアモルフ
ァスシリコンのキャリア移動度よりも大きいため、ポリ
シリコンを用いたTFTは高速動作に適している。しか
し、非導通時の電流(オフ電流)がアモルファスシリコ
ンを用いたTFTに比べて大きい。
【0004】nチャネルTFTのゲート電極に負バイア
スを印加すると、ゲート電極直下のチャネル領域にp型
反転層が形成される。このp型反転層とn+ 型のソース
/ドレイン領域との間のpn接合部に大きな電界が発生
する。この電界により、pn接合部内の欠陥を介して電
流が流れるため、オフ電流が増加してしまう。
【0005】図5を参照して、オフ電流の増加を抑制す
るための従来のTFTの構成及び作用を説明する。
【0006】図5(A)は、従来のTFTのソース領域
とチャネル領域との境界近傍の断面図を示す。ガラス基
板100の表面上にポリシリコン膜101が形成され、
ポリシリコン膜101の表面上に、図の右側約2/3の
領域を覆うゲート絶縁膜102が形成されている。ゲー
ト絶縁膜102の表面上に、図の右側約1/3の領域を
覆うゲート電極103が形成されている。
【0007】ポリシリコン膜101は、ゲート絶縁膜1
02で覆われていないソース領域105、ゲート絶縁膜
102で覆われ且つゲート電極103で覆われていない
境界領域104、及びゲート電極103で覆われた被制
御領域106に区分される。被制御領域106と境界領
域104がチャネル領域を構成する。ソース領域105
はn+ 型、境界領域104はノンドープまたはn- 型、
被制御領域106はノンドープである。
【0008】図5(B)及び(C)は、それぞれ境界領
域104がn- 型及びノンドープの場合のキャリア濃度
分布を示す。横軸はポリシリコン膜101の基板面内位
置、縦軸はキャリア濃度を任意目盛りで表す。ゲート電
極103に負のバイアスを印加すると、被制御領域10
6がp型になる。被制御領域106とソース領域105
との間に、n- 型もしくはノンドープの境界領域104
が設けられているため、この部分に発生する電界強度が
弱められる。電界強度が弱くなることにより、オフ電流
の増加を抑制することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図5(B)に示すよう
に、ソース領域105と被制御領域106との間に低濃
度領域104を形成する場合には、図5(A)に示すゲ
ート絶縁膜102を通してポリシリコン膜101内にリ
ン等の不純物イオンを注入する。従って、低濃度領域1
04の不純物濃度がゲート絶縁膜102の厚さに依存す
る。ゲート絶縁膜102の厚さが所望の値からずれる
と、低濃度領域104の不純物濃度を所望の濃度とする
ことが困難になる。
【0010】図5(C)に示すように、ソース領域10
5と被制御領域106との間にノンドープの領域104
を設けると、オフ電流の増加を抑制することができる
が、ソース領域105と被制御領域106との間に高抵
抗の領域104が直列に挿入されるため、導通時の電流
(オン電流)も減少してしまう。
【0011】本発明の目的は、オン電流を大きく減少さ
せることなく、オフ電流の増加を抑制することができる
薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点による
と、絶縁性表面を有する基板と、前記基板上の一部の領
域に配置され、半導体材料により形成されたチャネル層
と、前記基板上であって、前記チャネル層の両側の領域
にそれぞれ配置され、前記チャネル層と電気的に接続さ
れたソース領域及びドレイン領域と、前記チャネル層の
上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の上
に形成されたゲート電極であって、該ゲート電極が低抵
抗部と該低抵抗部よりも高い抵抗率を有する高抵抗部を
含んで構成され、該高抵抗部が、前記低抵抗部と前記ソ
ース領域との間の領域、及び前記低抵抗部と前記ドレイ
ン領域との間の領域にそれぞれ配置されている前記ゲー
ト電極とを有する薄膜トランジスタが提供される。
【0013】チャネルが非導通状態になる向きのバイア
スをゲート電極に印加すると、チャネル層のうち低抵抗
部直下の領域に反転層が形成される。また、低抵抗部と
ソース領域及びドレイン領域との間に、高抵抗部及びゲ
ート絶縁膜を通ってリーク電流が流れる。このリーク電
流のために高抵抗部内に電圧降下が生ずる。このため、
高抵抗部直下のチャネル層内では、低抵抗部直下の領域
からソース領域及びドレイン領域に近づくに従って反転
の強さが弱くなる。すなわち、キャリア濃度が低下す
る。
【0014】ソース領域及びドレイン領域とチャネルと
の間に、キャリア濃度の低い領域が直列に挿入されるた
め、この部分に発生する電界強度が抑制される。強電界
が発生する場合に増加するオフ電流を抑制することがで
きる。
【0015】本発明の他の観点によると、絶縁性表面を
有する基板の該絶縁性表面上の一部の領域に半導体薄膜
を形成する工程と、前記半導体薄膜の表面上にゲート絶
縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜の表面上であ
って前記半導体薄膜の上方の領域内の一部に、金属から
なるゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極の表
面層のうち少なくとも側面に位置する表面層を陽極酸化
し、陽極酸化膜を形成する工程と、前記陽極酸化膜に不
純物を添加して導電性を付与する工程とを含む薄膜トラ
ンジスタの製造方法が提供される。
【0016】ゲート電極の表面に形成された不純物を含
む陽極酸化膜が、上述の高抵抗部を構成する。
【0017】本発明の他の観点によると、絶縁性表面を
有する基板の該絶縁性表面上の一部の領域に半導体薄膜
を形成する工程と、前記半導体薄膜の表面上にゲート絶
縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜の上に、高抵
抗層を形成する工程と、前記高抵抗層の上に金属層を堆
積する工程と、前記金属層の表面のうち前記半導体薄膜
の上方の領域内の一部をレジストパターンで覆う工程
と、前記レジストパターンをエッチングマクスとして前
記金属層と高抵抗層とをエッチングし、レジストパター
ンで覆われた領域に高抵抗層と金属層との積層構造を有
するゲート電極を残す工程と、前記ゲート電極の上面を
前記レジストパターンで覆った状態で前記金属層の側面
を陽極酸化して陽極酸化膜を形成する工程と、前記レジ
ストパターンと前記陽極酸化膜とを除去する工程とを有
する薄膜トランジスタの製造方法が提供される。
【0018】金属層の側面に形成された陽極酸化膜を除
去すると、金属層の両側に高抵抗層の端部が張り出した
構成が得られる。この張り出した部分が、上述の高抵抗
部を構成する。
【0019】
【発明の実施の形態】図1及び図2を参照して、本発明
の第1の実施例による薄膜トランジスタの製造方法、構
成及び作用を説明する。
【0020】図1(A)は、薄膜トランジスタの概略平
面図を示す。ガラス基板上に、図の横方向に延在するポ
リシリコン膜2が配置されている。ポリシリコン膜2の
長さ方向のほぼ中央部においてポリシリコン膜2と交差
するゲート電極4が配置されている。ゲート電極4の一
端は、図の横方向に延在するゲート線に連続している。
ゲート電極4及びゲート線は、Alで形成された低抵抗
部4bとその側面を取り囲む陽極酸化膜4aにより構成
されている。
【0021】図1(B)〜(G)は、図1(A)の一点
鎖線A1−A1で示す断面における工程図を示す。
【0022】図1(B)において、ガラス基板1の上に
全面に厚さ約40〜50nmのアモルファスシリコン膜
を堆積した後、レーザアニールによりポリシリコン化
し、このポリシリコン膜をパターニングしてポリシリコ
ン膜2を形成する。アモルファスシリコン膜の堆積は、
例えば原料ガスとしてモノシラン(SiH4 )、還元ガ
スとしてH2 を用い、成長温度を約250℃としたプラ
ズマ励起型化学気相成長(PE−CVD)により行う。
レーザアニールは、例えばエネルギ密度250mJ/c
2 のXeClレーザを照射することにより行う。ポリ
シリコン膜のパターニングは、例えばCl2 系ガスを用
いたドライエッチングにより行う。
【0023】ポリシリコン膜2を覆うように基板1の全
面にSiO2 からなる厚さ約120nmのゲート絶縁膜
3を堆積する。ゲート絶縁膜3の堆積は、例えばSiH
4 とN2 Oを用いたPE−CVDにより行う。
【0024】ゲート絶縁膜3の上に、スパッタリングに
より厚さ約350nmのAl膜を堆積する。このAl膜
上に、図1(A)のポリシリコン膜2と交差するゲート
電極4と同一パターンを有するレジストパターン5を形
成する。レジストパターン5をエッチングマスクとし
て、Cl2 系ガスを用いたドライエッチングによりAl
膜をパターニングし、レジストパターン5で覆われた領
域にゲート電極4を残す。
【0025】図1(C)に示すように、レジストパター
ン5をマスクとして用い、ゲート電極4の露出した表面
を陽極酸化する。ゲート電極4の内部にAlからなる低
抵抗部4bが残り、その側面に厚さ約1〜2μmの陽極
酸化膜4aが形成される。陽極酸化は、シュウ酸を成分
とした水溶液中で行う。陽極酸化後、レジストパターン
5を除去する。
【0026】図1(D)に示すように、ゲート電極4を
マスクとしてゲート絶縁膜3をエッチングし、ゲート電
極4の直下にのみゲート絶縁膜3aを残す。ゲート絶縁
膜3のエッチングは、例えばフッ素系ガスを用いたドラ
イエッチングにより行う。ゲート絶縁膜3aの両側にポ
リシリコン膜2の一部表面が露出する。
【0027】図1(E)に示すように、基板全面にP+
イオンを注入し、レーザ照射による活性化アニールを行
う。注入量は、ポリシリコン膜2のイオン注入領域のシ
ート抵抗が約1kΩ/□以下となる量とする。ポリシリ
コン膜2のうち、ゲート絶縁膜3aの両側に露出した部
分にn+ 型のソース領域2S及びドレイン領域2Dが形
成される。陽極酸化膜4aにもP+ イオンが注入され
る。
【0028】Alの陽極酸化膜4aにP+ イオンを注入
することにより、導電性が付与される。このようにし
て、Alからなる低抵抗部4bと、そのソース領域2S
側及びドレイン領域2D側に配置された高抵抗部4aか
らなるゲート電極4が形成される。
【0029】P+ イオンが注入された陽極酸化膜4aを
X線光電子分光(XPS)で分析したところ、AlとP
との結合が確認された。また、加速エネルギ10ke
V、ドーズ量5×1015cm-2の条件でP+ イオンを注
入した場合、膜最表面におけるAl、P、O、の濃度
が、それぞれ26原子%、4原子%、51原子%、及び
19原子%であり、最表面から10nmの深さにおける
Al、P、Oの濃度が、それぞれ42原子%、9原子
%、49原子%であった。なお、膜最表面に含まれるC
は、大気中からの混入と思われる。
【0030】図1(F)に示すように、基板全面に厚さ
約30nmのSiO2 膜と厚さ約270nmのSiN膜
がこの順番に積層された層間絶縁膜6を堆積する。Si
2膜の堆積は、例えば原料ガスとしてSiH4 とN2
Oを用い、成長温度を300℃としたPE−CVDによ
り行い、SiN膜の堆積は、例えば原料ガスとしてSi
4 とNH3 を用い、成長温度を300℃としたPE−
CVDにより行う。
【0031】層間絶縁膜6に、ソース領域2S及びドレ
イン領域2Dの各々の一部表面を露出させるコンタクト
ホール7S及び7Dを形成する。SiN膜のエッチング
は、例えばフッ素系ガスを用いたドライエッチングによ
り行い、SiO2 膜のエッチングは、例えばNH4 Fと
HFとH2 Oとを混合したバッファード弗酸を用いたウ
ェットエッチングにより行う。
【0032】図1(G)において、基板全面に厚さ約5
0nmのTi膜と厚さ約300nmのAl膜をこの順番
に積層する。この積層構造をパターニングし、ソース領
域2Sに接続されたソース引出線8S及びドレイン領域
2Dに接続されたドレイン引出線8Dを形成する。Ti
膜及びAl膜のエッチングは、例えば塩素系ガスを用い
たドライエッチングにより行う。
【0033】次に、図2を参照して、上記第1の実施例
による薄膜トランジスタの作用を説明する。
【0034】図2(A)は、第1の実施例による薄膜ト
ランジスタのソース領域2Sとゲート電極4との境界部
近傍の断面図を示す。各構成部分には、図1(G)の対
応する構成部分と同一の参照符号が付されている。ポリ
シリコン膜2が、ゲート電極4の低抵抗部4b直下の被
制御領域2C、高抵抗部4a直下の境界領域2B、及び
ソース領域2Sに区分されている。
【0035】図2(B)は、ゲート電極4に負バイアス
を印加したときのポリシリコン膜2内のキャリア濃度分
布を示す。横軸はポリシリコン膜2の基板面内の位置に
対応し、縦軸はキャリア濃度を任意目盛りで表す。
【0036】ソース領域2Sはn+ 型であり、被制御領
域2Cはp型になる。図2(A)において、ソース領域
2Sからゲート絶縁膜3a及び高抵抗部4aを通って低
抵抗部4bに、わずかのリーク電流が流れる。リーク電
流のために、高抵抗部4a内に、ソース領域2S側の端
部から低抵抗部4b側の端部に向かって電圧降下が生ず
る。
【0037】電圧降下のため、境界領域2B内において
は、被制御領域2Cからソース領域2Sに近づくに従っ
て正孔濃度が徐々に低くなる。ソース領域2Sと被制御
領域2Cとの間にキャリア濃度の低い領域が形成される
ため、pn接合部に発生する電界強度を弱めることがで
き、オフ電流の増加が抑制される。
【0038】図2(C)は、ゲート電極4に正バイアス
を印加したときのポリシリコン膜2内のキャリア濃度分
布を表す。被制御領域2Cに電子が蓄積されてn型にな
る。図2(B)の場合と同様に、境界領域2Bにおいて
は、高抵抗部4a内の電圧降下により、被制御領域2C
との境界からソース領域2Sに近づくに従って電子濃度
が徐々に低下する。
【0039】図5(C)に示した従来の薄膜トランジス
タの場合は、境界領域104内にキャリアがほとんど存
在しないため、オン電流の減少を招く。これに対し、図
2(C)の場合には、境界領域2B内の被制御領域2C
側の部分にはキャリアが存在し、キャリアのほとんど存
在しない部分がソース領域2S側の短い領域に限定され
る。このため、オン電流の減少を抑制することができ
る。
【0040】また、図5(B)の場合に必要であったゲ
ート絶縁膜102を通した境界領域104へのイオン注
入を行う必要がない。ゲート絶縁膜を通してイオン注入
を行う場合には、不純物添加量を再現性良く制御するこ
とが困難である。第1の実施例による薄膜トランジスタ
の製造方法により、製造歩留りを高めることが可能にな
る。
【0041】ゲート電極の低抵抗部としてAlもしくは
Al合金を用い、高抵抗部としてAlの陽極酸化膜(A
2 3 )を用いた場合を説明したが、ゲート電極材料
としてその他の陽極酸化可能な材料を用いてもよい。例
えば、ゲート電極材料としてTaまたはMo等を使用し
てもよい。これらの陽極酸化膜にも、Pを添加すること
により導電性を付与することができる。
【0042】また、上記第1の実施例では、Alの陽極
酸化膜にPを添加して導電性を付与する場合を説明した
が、導電性が得られるその他の不純物、例えばAs等を
添加してもよい。
【0043】次に、図3を参照して、本発明の第2の実
施例による薄膜トランジスタの製造方法を説明する。
【0044】図3(A)に示すように、図1(B)の場
合と同様の方法で、ガラス基板1の上にポリシリコン膜
2及びゲート絶縁膜3を形成する。ゲート絶縁膜3の上
に、厚さ約50nmのアモルファスシリコン膜11aを
堆積する。アモルファスシリコン膜11aの堆積は、例
えば原料ガスとしてSiH4 、還元ガスとしてH2 を用
いたPE−CVDにより行う。アモルファスシリコン膜
11aの上に、スパッタリングにより厚さ約350nm
のAl膜11bを堆積する。
【0045】図3(B)に示すように、Al膜11b及
びアモルファスシリコン膜11aをパターニングして、
ポリシリコン膜2の上方にアモルファスシリコン膜4c
とAl膜4dの積層からなるゲート電極4を残す。酒石
酸を含む水溶液を用いてゲート電極4の表面を陽極酸化
する。
【0046】図3(C)に示すように、ゲート電極4を
マスクとし、図1(D)の場合と同様の方法でゲート絶
縁膜3をエッチングし、ゲート電極4の直下にのみゲー
ト絶縁膜3aを残す。
【0047】図3(D)に示すように、図1(E)の場
合と同様の方法でポリシリコン膜2にP+ をイオン注入
し、活性化アニールを行って、ソース領域2S及びドレ
イン領域2Dを形成する。なお、この活性化アニール
は、アモルファスシリコンが結晶化しない条件で行うこ
とが好ましい。
【0048】図3(E)において、基板全面にポジ型レ
ジスト膜を塗布し、基板の裏面から紫外線を照射する。
レジスト膜のうち、ゲート電極4の直上の部分には紫外
線が照射されず、その他の部分には紫外線が照射され
る。レジスト膜を現像すると、ゲート電極4の直上にの
みレジスト膜12が残る。
【0049】図3(F)に示すように、レジスト膜12
をマスクとして、Al膜4dの露出した側面を陽極酸化
し、厚さ約1〜2μmの陽極酸化膜4eを形成する。こ
の陽極酸化は、例えばシュウ酸を含む水溶液を用いて行
う。シュウ酸を用いて陽極酸化を行うと、図3(B)の
工程で行った酒石酸を用いた陽極酸化に比べて、緻密性
の低い膜が形成される。陽極酸化した後、レジスト膜1
2を除去する。
【0050】なお、Al膜4dの表面は、図3(B)の
工程で行われた酒石酸を用いた陽極酸化により、予め薄
い陽極酸化膜で覆われている。本願発明者らの実験によ
ると、図3(B)の工程で陽極酸化を行わない場合に
は、図3(F)の工程における側面からの陽極酸化の深
さを安定して制御することが困難であった。図3(B)
の工程で、Al膜4dの表面を予め陽極酸化しておくこ
とにより、Al膜4dの側面に均一に陽極酸化膜を形成
することができるようになった。
【0051】図3(G)に示すように、陽極酸化膜4b
(図3(F))をエッチング除去する。Al膜4dの両
側にアモルファスシリコン膜4cの端部近傍表面が露出
する。陽極酸化膜のエッチングは、クロム酸及びリン酸
を主成分とする水溶液を用いたウェットエッチングによ
り行う。
【0052】図3(H)に示すように、図1(F)及び
(G)の場合と同様に、層間絶縁膜6、ソース引出線8
S及びドレイン引出線8Dを形成する。
【0053】アモルファスシリコン膜4cはAl膜4d
よりも高い抵抗率を有する。このため、Al膜4dが図
1(G)の低抵抗部4bと同様の作用をし、アモルファ
スシリコン膜4cのうちAl膜4dの両側に張り出した
部分が、図1(G)の高抵抗部4aと同様の作用をす
る。なお、図3(H)に示すTFTでは、Al膜4dと
ゲート絶縁膜3aとの間にもアモルファスシリコン膜4
cが配置されているが、その厚さはAl膜4dの両側に
張り出した部分の張り出し長に比べて十分薄いため、図
1(G)のTFTと比べて動作上の有意な差異はない。
【0054】このように、ゲート電極4のAl膜4dと
ゲート絶縁膜3aとの間にAl膜4dの両側に張り出し
たアモルファスシリコン膜4cを配置することにより、
図2を参照して説明した第1の実施例の場合と同様の効
果を得ることができる。
【0055】図4は、第1または第2の実施例によるT
FTを用いた液晶表示パネルの1画素部分の平面図を示
す。図4の縦方向に延在する複数の信号線20と横方向
に延在する複数の制御線21が格子模様を構成してい
る。信号線20と制御線21とは、その交差箇所におい
て層間絶縁膜により相互に絶縁されている。信号線20
と制御線21との交差箇所に対応して第1または第2の
実施例によるTFT22が配置されている。
【0056】TFT22のゲート電極22Gは、対応す
る制御線21に連続している。ソース領域22Sは、T
FT22を覆う層間絶縁膜上に形成された透明画素電極
23に、コンタクトホール24Sを介して接続されてい
る。ドレイン領域22Dは、層間絶縁膜に形成されたコ
ンタクトホール24Dを介して、対応する信号線20に
接続されている。
【0057】本発明の第1または第2の実施例によるT
FTを用いることにより、オフ電流を少なくすることが
できる。このため、選択されていない画素、すなわちT
FTが非導通状態になっている画素の画素電極23に、
対応する信号線20に印加されている画像信号が漏れる
ことを抑制することができる。
【0058】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ゲート電極の両側にゲート電極に接続された高抵抗体を
配置することにより、TFTのオフ電流の増加を抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるTFTの製造方法
を説明するための、TFTの平面図及び製造工程途中の
TFTの断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例によるTFTの動作を説
明するためのTFTの部分断面図及びキャリア密度分布
を表すグラフである。
【図3】本発明の第2の実施例によるTFTの製造方法
を説明するための製造工程途中のTFTの断面図であ
る。
【図4】液晶表示パネルの1画素部分の平面図である。
【図5】従来のTFTの動作を説明するためのTFTの
部分断面図及びキャリア密度分布を表すグラフである。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 ポリシリコン膜 2S ソース領域 2D ドレイン領域 2C 被制御領域 2B 境界領域 3、3a ゲート絶縁膜 4 ゲート電極 4a 陽極酸化膜、高抵抗部 4b 低抵抗部 4c アモルファスシリコン膜 4d Al膜 5 レジストパターン 6 層間絶縁膜 7S、7D コンタクトホール 8S、8D 引出線 12 レジスト膜 20 信号線 21 制御線 22 TFT 22G ゲート電極 22S ソース領域 22D ドレイン領域 23 画素電極 24S、24D コンタクトホール 100 ガラス基板 101 ポリシリコン膜 102 ゲート絶縁膜 103 ゲート電極 104 境界領域 105 ソース領域 106 被制御領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 友孝 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 田中 勉 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性表面を有する基板と、 前記基板上の一部の領域に配置され、半導体材料により
    形成されたチャネル層と、 前記基板上であって、前記チャネル層の両側の領域にそ
    れぞれ配置され、前記チャネル層と電気的に接続された
    ソース領域及びドレイン領域と、 前記チャネル層の上に形成されたゲート絶縁膜と、 前記ゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極であっ
    て、該ゲート電極が低抵抗部と該低抵抗部よりも高い抵
    抗率を有する高抵抗部を含んで構成され、該高抵抗部
    が、前記低抵抗部と前記ソース領域との間の領域、及び
    前記低抵抗部と前記ドレイン領域との間の領域にそれぞ
    れ配置されている前記ゲート電極とを有する薄膜トラン
    ジスタ。
  2. 【請求項2】 前記ゲート電極の低抵抗部がAlもしく
    はAl合金であり、高抵抗部が、不純物が添加されて導
    電性を付与されたAlもしくはAl合金の陽極酸化膜で
    ある請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 【請求項3】 前記ゲート電極が、前記低抵抗部と前記
    ゲート絶縁膜との間に配置された他の高抵抗部を有し、
    前記高抵抗部と前記他の高抵抗部が同一の材料で形成さ
    れた1つの層を構成している請求項1に記載の薄膜トラ
    ンジスタ。
  4. 【請求項4】 絶縁性表面を有する基板の該絶縁性表面
    上の一部の領域に半導体薄膜を形成する工程と、 前記半導体薄膜の表面上にゲート絶縁膜を形成する工程
    と、 前記ゲート絶縁膜の表面上であって前記半導体薄膜の上
    方の領域内の一部に、金属からなるゲート電極を形成す
    る工程と、 前記ゲート電極の表面層のうち少なくとも側面に位置す
    る表面層を陽極酸化し、陽極酸化膜を形成する工程と、 前記陽極酸化膜に不純物を添加して導電性を付与する工
    程とを含む薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】 絶縁性表面を有する基板の該絶縁性表面
    上の一部の領域に半導体薄膜を形成する工程と、 前記半導体薄膜の表面上にゲート絶縁膜を形成する工程
    と、 前記ゲート絶縁膜の上に、高抵抗層を形成する工程と、 前記高抵抗層の上に金属層を堆積する工程と、 前記金属層の表面のうち前記半導体薄膜の上方の領域内
    の一部をレジストパターンで覆う工程と、 前記レジストパターンをエッチングマクスとして前記金
    属層、高抵抗層、及びゲート絶縁膜とをエッチングし、
    レジストパターンで覆われた領域に、高抵抗層と金属層
    との積層構造を有するゲート電極を残すとともに、該ゲ
    ート電極の直下にゲート絶縁膜を残す工程と、 前記ゲート電極の上面を前記レジストパターンで覆った
    状態で前記金属層の側面を陽極酸化して陽極酸化膜を形
    成する工程と、 前記レジストパターンと前記陽極酸化膜とを除去する工
    程とを有する薄膜トランジスタの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11224595A (ja) * 1998-02-06 1999-08-17 Toppan Printing Co Ltd 冷電子放出素子及びその製造方法
JP2001196594A (ja) * 1999-08-31 2001-07-19 Fujitsu Ltd 薄膜トランジスタ、液晶表示用基板及びその製造方法

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