JPH0932932A - 端面型回転軸シール装置 - Google Patents

端面型回転軸シール装置

Info

Publication number
JPH0932932A
JPH0932932A JP18418395A JP18418395A JPH0932932A JP H0932932 A JPH0932932 A JP H0932932A JP 18418395 A JP18418395 A JP 18418395A JP 18418395 A JP18418395 A JP 18418395A JP H0932932 A JPH0932932 A JP H0932932A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal
ring
rotary shaft
mating ring
type rotary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18418395A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Jinnai
陣内毅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eagle Ii G & G Aerospace Kk
Original Assignee
Eagle Ii G & G Aerospace Kk
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eagle Ii G & G Aerospace Kk filed Critical Eagle Ii G & G Aerospace Kk
Priority to JP18418395A priority Critical patent/JPH0932932A/ja
Publication of JPH0932932A publication Critical patent/JPH0932932A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Sealing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速回転時に、摺動する部分を小さくするこ
とで摺動材料の摩耗を少なくして耐久性を向上させる。 【解決手段】 回転軸2に取付けられるとともに、肉厚
部4bと肉薄部4cとを周方向に交互に連続していると
ともに、一方の側面が平滑なシール面4dに形成される
メイティングリング4と、ハウジング5に設けられると
ともに、付勢部材6、11で付勢された状態で先端面が
前記メイティングリング4のシール面4dに押圧される
シールリング8とを具えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、端面型回転軸シ
ール装置に関し、特に、高速回転する軸の両端間をシー
ルする端面型回転軸シール装置に関すものである。
【0002】
【従来技術および解決しようとする課題】一般に高速回
転する軸の両端側間をシールする端面型回転軸シール装
置31にあっては、図10に示すように構成されてい
る。
【0003】回転軸32には、その外側にスリーブ33
を介してメイティングリング34が一体に固定されて、
回転軸32と一体に回転する。
【0004】回転軸32と所定の距離を置いて固定部X
に固設されているハウジング35には、回転軸32の外
側を囲んでいるベローズ36、およびこのベローズ36
の端部に取付けられている固定リング37を介して、回
転軸32の外側を囲んでいるシールリング38が設けら
れている。
【0005】このシールリング38の固定リング37と
反対側の側面には突出部38aが設けられ、この突出部
38aがメイティングリング34の側面のシール面34
dに当接している。
【0006】上記のような端面型回転軸シール装置31
にあっては、回転機器の回転軸の軸シールとして使用さ
れ、最も代表的な使用機器としては航空機のジェットエ
ンジンがある。ジェットエンジンは空気を圧縮して燃焼
室に送り、燃焼室で燃料と混合燃焼させ、その燃焼ガス
で回るタービンは軸受で保持され、これらの軸受には潤
滑油が供給される。
【0007】一方、エンジンの内部にはコンプレッサで
圧縮された空気や燃焼したガスがあり、これらは軸受部
分に対しても圧力によって侵入するので軸受の潤滑雰囲
気と侵入ガスとを仕切る必要があり、この仕切りとして
端面型回転軸シール装置31が使用される。この場合、
侵入ガスの圧力が、潤滑している軸受部よりも高いため
にガスシールとなる。
【0008】したがって、図11において、P1側が高
圧のガス雰囲気のガス室で、P2側が低圧の潤滑雰囲気
の軸受室であり、メイティングリング34のシール面3
4dとシールリング38の突出部38aの端面とが回転
摺動し、この部分で動的シールを行う。
【0009】ガス室P1側の圧力は、ベローズ36のば
ね荷重と合わされてシール摺動面に負荷され、シール摺
動面は摺動により発熱する。この発熱量は軸の回転の増
加に伴い増加する。摺動部の発熱でシールリング38お
よびメイティングリング34の摺動部の材料が熱的限界
を超えて摩耗が急激に進行しないように、摺動部での発
生する熱を除去するためにオイルジェット39が有効で
ある。
【0010】すなわち、メイティングリング34に温度
の低いオイルジェット39を噴射して冷却し、これによ
り、摺動部の材料が急激に摩耗することなく高圧側のガ
スが軸受室に大量に漏れ込まないように機能する。
【0011】そして、近年はエンジンの高速化(高回転
化)が図られ、この高速化は従来の端面型回転軸シール
装置の性能の限界を超えてきている。このようなエンジ
ンに従来の端面型回転軸シール装置を使用すると以下の
ような問題が生じ、実際上使用することができない。
【0012】端面型回転軸シール装置31の回転軸32
との摺動部は摺動により発熱する。この発熱量は回転数
の増加に伴って増加するために、材料として熱的限界の
高いものを用いたり、あるいは、シールリングの摺動径
と差圧が作用するベローズの有効径との圧力バランスを
とって負荷軽減をしている。
【0013】しかし、エンジンの高速化によって摺動速
度が速くなると同時にシール圧力も上昇し、回転摺動部
の負荷が摺動材料の限界を超えるようになり、短い時間
で磨耗し寿命に至ってしまう。
【0014】また、摺動部で発生する熱を除去するため
に、メイティングリング34を温度の低いオイルジェッ
ト39で冷却する構造であっても間接冷却のため効率的
な冷却に限界があり、使用する環境、すなわち、高速
化、高圧化は適用限界を超えている。
【0015】この発明の目的は、エンジンが高速になっ
た場合にシールする回転摺動部を小さくすることにより
摺動発熱量を少なくして摺動材料の熱的限界を超えない
ようにし、これによって耐久性を高めることができる端
面型回転軸シール装置を提供することにある。この発明
の他の目的は、摺動部の摺動発熱量が少ないことに加え
てメイティングリングへのオイルジェットによる冷却作
用によって摺動発熱の影響を少なくし、これによって、
耐久性を高めるとともに、適用範囲を広くすることがで
きる端面型回転軸シール装置を提供することにある。
【0016】
【問題点を解決するための手段】前記の目的を達成する
ためにこの発明は、固定部に設けられたハウジングと、
回転軸に設けられて一体に回転するメイティングリング
とを有し、前記ハウジングに、シールリングと、このシ
ールリングを付勢する付勢部材とを設け、前記シールリ
ングがベローズによって前記メイティングリングの端面
に押圧されてシールするようになった端面型回転軸シー
ル装置において、前記メイティングリングを、肉厚部と
肉薄部とを周方向に交互に連続させるとともに、前記シ
ールリングと当接する端面を平滑面に形成したことを特
徴とする端面型回転軸シール装置を構成したものであ
る。
【0017】また、この発明は、固定部に設けられたハ
ウジングと、回転軸に設けられて一体に回転するメイテ
ィングリングとを有し、前記ハウジングに、シールリン
グと、このシールリングを付勢する付勢部材とを設け、
前記シールリングがベローズによって前記メイティング
リングの端面に押圧されてシールするようになった端面
型回転軸シール装置において、前記メイティングリング
を、肉厚部と肉薄部とを周方向に交互に連続させるとと
もに、前記シールリングと当接する端面を平滑面に形成
し、さらに、前記メイティングリングにオイルジェット
を噴射するようにしたことを特徴とする端面型回転軸シ
ール装置を構成したものである。
【0018】そして、前記メイティングリングの肉厚部
と肉薄部との間をなだらかに変化させた手段を採用した
り、メイティングリングを、周方向外方を向くととも
に、所定の間隔を置く複数の孔を外周面に開口した状態
で設けることで、各孔の間で肉厚部を、各孔の側部で肉
薄部を形成し、前記各孔内にオイルジェットが噴射可能
としたりする手段を採用し、さらに、前記肉厚部と肉薄
部との方向は半径方向に対して0°〜±90°の範囲と
した手段を採用した。
【0019】
【作用】この発明は上記の手段を採用したことにより、
回転軸が回転を開始するとメイティングリングも一体に
回転を開始し、シールリングに対して摺動を開始する。
メイティングリングは肉厚部と肉薄部とが交互に連続し
て形成されているので回転時に発生する摺動発熱によっ
て変形し、肉厚部のみがシールリングと当接して肉薄部
に相当する部位との間にくさび形状の隙間が発生した
り、あるいは、肉薄部のみがシールリングと当接して肉
厚部に相当する部位との間にくさび形状の隙間が発生し
たりする。これは回転軸が高速になればなるほど顕著に
なる。したがって、回転軸が高速回転になった場合にシ
ール部である摺動部が小さくなることにより摺動発熱量
が少なくなって摺動材料の熱的限界を超えないようにで
き、耐久性が高くなる。
【0020】また、回転軸が高速回転になった場合に摺
動部が小さくなることにより摺動発熱量が少なくなって
摺動材料の熱的限界を超えないようにでき、摺動部の摺
動発熱量が少ないことに加えてメイティングリングへの
オイルジェットによる冷却作用によって摺動発熱の影響
を少なくし、これによって、耐久性を高めるとともに、
適用範囲を広くすることができる。
【0021】さらに、前記メイティングリングの肉厚部
と肉薄部との間をなだらかな山状に変化させることでく
さび形状の隙間を形成したり、周方向に所定の間隔を置
いて孔を設け、各孔の間で肉厚部を、各孔を形成してい
る外周部で肉薄部を形成したりすることで、孔の内部に
オイルジェットを噴射可能とすることができる。そし
て、前記肉厚部と肉薄部との方向は前記回転軸の半径方
向に対して0°〜±90°の範囲とすれば、隙間を発生
させて摺動発熱を少なくすることができる。
【0022】
【実施例】以下、図面に示すこの発明の実施例について
説明する。図1にはこの発明による端面型回転軸シール
装置1の概略断面図が示されていて、回転軸2には、そ
の外側にスリーブ3を介してメイティングリング4が一
体に固定されている。
【0023】回転軸2と所定の距離を置いて固定部Xに
固設されているハウジング5には、回転軸2の外側を囲
んでいるベローズ6、およびこのベローズ6の端部に取
付けられている固定リング7を介して、回転軸2の外側
を囲んでいるシールリング8が設けられている。
【0024】このシールリング8の固定リング7と反対
側の側面には突出部8aが形成され、この突出部8aの
端面がメイティングリング4の端面であるシール面4d
に当接している。
【0025】そして、P1側が高圧のガス雰囲気のガス
室で、P2側が低圧の潤滑雰囲気の軸受室であり、図1
に示すようにメイティングリング4の端面であるシール
面4dとシールリング8の端面である突出部8aの端面
とが回転摺動し、この間で動的シールを行う。
【0026】さらに、前記メイティングリング4は図1
乃至図3に示すように、回転軸2に取付けられるととも
に、一定の厚みを有する基部4aと、この外周側に周方
向に交互に連続して設けられる肉厚部4bおよび肉薄部
4cとから形成されている。そして、肉厚部4bと肉薄
部4cとはそれらのシールリング8側が平滑となってい
てシール面4dに形成されている。
【0027】なお、図2はメイティングリング4の概略
斜視図、図3は図1のD矢視図である。また、図4およ
び図5は図1のC−C線に沿って見た断面図である。そ
して、肉厚部4bと肉薄部4cとの数は任意に設定可能
であり、また、厚みも任意であり、さらに、円周方向の
幅や軸方向の長さを任意に設定することができる。
【0028】上記のような端面型回転軸シール装置1に
あっては、回転機器の回転軸2の軸シールとして使用さ
れる。そして、回転軸2の回転に伴ってスリーブ3およ
びこのスリーブ3によって回転軸2に一体に固定されて
いるメイティングリング4も回転する。
【0029】メイティングリング4の端面であるシール
面4dは、ベローズ6によって付勢されて押圧されてい
るシールリング8の突出部8aの端面と摺動接触してお
り、この摺動接触によってシール効果を発揮するように
なっている。すなわち、作用する差圧はメイティングリ
ング4のシール面4dと、シールリング8の突出部8a
の端面との間でシールされる。なお、P1がガス室等の
高圧側、P2が軸受室等の低圧側である。
【0030】従来の端面型回転軸シール装置31は、メ
イティングリング34の肉厚が均一なので回転数の上昇
による摺動速度の増加や、シール圧力の上昇にともなう
シール摺動部分への押し付け荷重の増加によりシール面
である摺動部において摺動発熱量が増加し、摺動材料で
あるシールリング8およびメイティングリング4の温度
が上昇する。
【0031】このシールの摺動発熱による温度上昇は摺
動材料に熱的劣化を生じさせ、摺動部の早期摩耗やシー
ルとして必要な摺動部の粗さや摺動面精度の低下を招
き、シールとしての寿命を著しく低下させている。
【0032】しかしながら、本発明による場合にはメイ
ティングリング4が肉厚部4bと肉薄部4cとで構成さ
れているので、摺動発熱により温度上昇が生じた場合に
は図4または図5に示すように変形する。
【0033】そして、メイティングリング4の肉薄部4
cが図4に示すように変位した時はメイティングリング
4のシール面4dとシールリング8の突出部8aの端面
との間にくさび形状の隙間Aが形成される。
【0034】この隙間Aはメイティングリング4の回転
方向後方に行くに従って順次大きくなる前半部分A1
と、順次小さくなる後半部分A2とで形成される。そし
て、後半部分A2には図4に示すような動圧効果が生
じ、この動圧効果によってシールリング8の摺動荷重が
軽減されるので、材料の熱的限界を超えることが防止で
き、急激な摩耗が防止できる。
【0035】なお、隙間Aの前半部分A1は後半部分A
2と逆方向の動圧を生じるが、この動圧は理論上の最大
圧力は真空(実際には、はるかに小さな動圧にしかなら
ない)であり、これ以上にはならないので、後半部分A
2の動圧が打ち勝つ状態で得られることになる。
【0036】また、メイティングリング4の肉薄部4c
が図5に示すように変位した時もメイティングリング4
のシール面4dとシールリング8の突出部8aの端面と
の間にくさび形状の隙間Aが形成される。
【0037】この隙間Aはメイティングリング4の回転
方向後方に行くに従って順次大きくなる前半部分A1
と、順次小さくなる後半部分A2とで形成される。そし
て、後半部分A2には図5に示すような動圧効果が生
じ、この動圧効果によってシールリング8の摺動荷重が
軽減されるので、材料の熱的限界を超えることが防止で
き、急激な摩耗が防止できる。
【0038】なお、隙間Aの前半部分A1は後半部分A
2と逆方向の動圧を生じるが、この動圧は理論上の最大
圧力は真空(実際には、はるかに小さな動圧にしかなら
ない)であり、これ以上にはならないので、後半部分A
2の動圧が打ち勝つ状態で得られることになる。
【0039】すなわち、高速高負荷シールにおいては摺
動発熱によってメイティングリング4の肉薄部4cが図
4あるいは図5に示すように変形する。そして、メイテ
ィングリング4のシール面4dとシールリング8の突出
部8aの端面との間の押付け荷重を低減する。これによ
り、メイティングリング4のシール面4dを熱的な温度
不均一状態にでき、熱変形させることによりくさび形状
の隙間Aを発生させ、この隙間Aにより動圧効果を発生
させて、シールの負荷軽減を行うものである。
【0040】なお、上記の場合、オイルジェット9によ
るクーリングを行うことで、摺動面の温度上昇を抑える
ことができ、効果的な熱除去を行える。このオイルジェ
ット9による冷却効果により温度的に不均一な状態を意
図的につくり、シール面をより熱変形させることができ
る。
【0041】これは、メイティングリング4を肉厚部4
bと肉薄部4cとで形成することで、肉薄部4cは熱伝
達の良い冷却により、肉厚部4bよりも収縮した状態と
なり、これによっても隙間Aはくさび形状に維持され
る。
【0042】以上のようにメイティングリング4の温度
による変形で得られるくさび形状の隙間Aから得られる
動圧作用は、メイティングリング4とシールリング6と
の摺動負荷の上昇を抑制し、適用範囲を大幅に広げるこ
とができる。
【0043】さらに、メイティングリング4の肉厚部4
bや肉薄部4cの大きさを変更したり、あるいは数を変
更することでシールの適用条件に最適な動圧を調整する
ことができる。
【0044】図6にはこの発明による端面型回転軸シー
ル装置1の他の実施例の概略断面図が示されていて、前
記実施例と同様に回転軸2には、その外側にスリーブ3
を介してメイティングリング4が一体に固定されてい
る。
【0045】ハウジング5は、固定部Xに固設される基
部5aと前記回転軸2を囲んでいる筒状部5bとを有
し、基部5aには前記回転軸2と平行に延びる軸10が
設けられ、この軸10の先端部は前記ハウジング5の筒
状部5bの外側を囲む筒状部7bを有する固定リング7
の基部7aを貫通し、しかも、外側にはハウジング5の
基部5aと固定リング7の基部7aとの間を離間させる
向きに作用するばね11が設けられている。
【0046】なお、12は固定リング7が離脱するのを
防止するピン、13はハウジング5の筒状部5bと固定
リング7の筒状部7bとの間をシールするリングであ
り、この実施例ではシール13を2つ用いている。
【0047】前記固定リング7には、回転軸2の外側を
囲んでいるシールリング8が設けられている。このシー
ルリング8のメイティングリング4側の側面には突出部
8aが形成され、この突出部8aの端面がメイティング
リング4の端面であるシール面4dに当接しており、当
接力は付勢部材である前記ばね11の付勢力によってい
る。
【0048】そして、P1側が高圧のガス雰囲気のガス
室で、P2側が低圧の潤滑雰囲気の軸受室であり、図9
に示すようにメイティングリング4の端面であるシール
面4dとシールリング8の端面である突出部8aの端面
とが回転摺動し、この間で動的シールを行う。
【0049】さらに、前記メイティングリング4は図1
乃至図3に示すものと同様であり、一定の厚みを有する
基部4aと、この外周側に周方向に交互に連続して設け
られる肉厚部4bおよび肉薄部4cとから形成されてい
る。そして、肉厚部4bと肉薄部4cとはそれらのシー
ルリング8側が平滑となっていてシール面4dに形成さ
れている。
【0050】なお、図2はメイティングリング4の概略
斜視図、図3は図1のF矢視図である。また、図4およ
び図5は図6のE−E線に沿って見た断面図である。そ
して、肉厚部4bと肉薄部4cとの数は任意に設定可能
であり、また、厚みも任意であり、さらに、円周方向の
幅や軸方向の長さを任意に設定することができ、これは
前記実施例と同様である。
【0051】上記のような端面型回転軸シール装置1に
あっては、回転機器の回転軸2の軸シールとして使用さ
れる。そして、回転軸2の回転に伴ってスリーブ3およ
びこのスリーブ3によって回転軸2に一体に固定されて
いるメイティングリング4も回転する。
【0052】メイティングリング4の端面であるシール
面4dは、シールリング8の突出部8aの端面と摺動接
触しており、この摺動接触によってシール効果を発揮す
るようになっている。すなわち、作用する差圧はメイテ
ィングリング4のシール面4dと、シールリング8の突
出部8aの端面との間でシールされる。なお、P1がガ
ス室等の高圧側、P2が軸受室等の低圧側である。
【0053】そして、作動時にシールリング8がメイテ
ィングリング4に連れ回りすることは、軸10がハウジ
ング5に対する固定リング7の回転を阻止することで防
止される。また、メイティングリング4のシール面4d
に対するシールリング8の突出部8aの押圧力はばね1
1によって任意に設定することができる。
【0054】作動時に摺動発熱を生じた場合には前記実
施例と同様に図4または図5に示すようにメイティング
リング4が変形し、くさび形状の隙間Aが形成されて動
圧効果を生じて急激な摩耗を防止できる。また、オイル
ジェット9を用いることでシール面をより熱変形させる
ことができて隙間Aをくさび形状に維持でき、摺動負荷
の上昇を抑制し、適用範囲を大幅に広げることができ
る。
【0055】図7はメイティングリング4の他の例を示
し、肉厚部4bと肉薄部4cとを鋸状に形成したもので
あり、このように構成した場合でも回転時に肉薄部4c
が変形して隙間が形成され、シールの負荷軽減を行える
ものである。
【0056】図8、図9はメイティングリング4のさら
に他の例を示すものであり、周方向に孔4eを設け、こ
の隣接する孔4e間で肉厚部4bを、孔4eの部分で肉
薄部4cをそれぞれ形成し、しかも、シールリング8と
反対側の基部4aに突起部4fを形成し、この突起部4
fよりも内径側の基部4aに前記孔4eを開口させてあ
る。
【0057】上記のようにメイティングリング4を形成
した場合には孔4e内をオイルジェット9が流れること
により孔4eとシール面4dとの間で形成される肉薄部
4cは、隣接する孔4e間で形成される肉厚部4bに比
べてシール面4dの発熱を効率的に除去でき、その結果
変形してくさび形状の隙間Aが形成されるものであり、
したがって、適用範囲を大幅に広げることができる。
【0058】以上のような動圧効果を得るメイティング
リング4の形状として、図3および図7の肉厚部4bと
肉薄部4c、および図8のオイルジェットであるクーリ
ング流体が通過する孔4eによって形成した肉厚部4b
と肉薄部4cを図示したように半径方向に沿った状態か
ら所定の角度θの範囲内であれば有効に動圧が作用する
ものである。
【0059】すなわち、図10に示すように半径方向を
0°とし、これから±90°の範囲内で角度θをつけて
肉厚部4bおよび肉薄部4cを形成しても有効にくさび
形状の隙間を形成することができる。さらに、肉厚部4
bと肉薄部4cとは図示した形状に限定されず種々の形
状を採用することが可能であり、要は、メイティングリ
ング4に肉厚部4bと肉薄部4cとを設けてシールリン
グ8の押圧時に動圧を発生させて摺動発熱が減少するよ
うにすれば良いものである。
【0060】また、前記各実施例においてはシールリン
グ8をメイティングリング4に押圧する手段としてベロ
ーズ6やばね11を用いたものを示したが、これに限定
することなく種々の付勢手段を用いることができる。
【0061】
【発明の効果】この発明による端面型回転軸シール装置
にあっては、回転により生じた遠心力によってメイティ
ングリングのうちの周方向の所定の部位がシールリング
の端面から離間、あるいは、その部位のみが当接するの
で摺動部位が少なくなって発熱量が少なくなり、これに
よって材料の熱的限界を超えないようにできて摩耗を防
止して耐久性を高めることができる。
【0062】また、回転により生じる摺動部位の減少に
よる摺動発熱量を少なくすることに加えて、メイティン
グリングの内径側へオイルジェットを噴射して冷却作用
を施すことによって摺動発熱の影響をさらに少なくし、
これによって、耐久性が高められるとともに、適用範囲
を広くすることができるという効果を有している。
【0063】また、前記メイティングリングの肉厚部と
肉薄部との間をなだらかに変化させることでくさび形状
の隙間をなだらかに変化しない場合と比較して大きくす
ることができて最適な動圧効果に設定することができ
る。前記メイティングリングの内部に孔を設けることで
孔の内部にオイルジェットを噴射可能として冷却効率を
高めることができる。前記肉厚部と肉薄部との方向は回
転軸の軸線方向に対して0°〜±90°の範囲とすれ
ば、回転軸の回転によるメイティングリングの回転時に
肉厚部に遠心力が作用して肉厚部が外方に膨らむことが
できて、動圧効果を得ることができる。
【0064】さらに、上記の効果はメイティングリング
を変更するだけで発揮することができるので、従来のシ
ール装置が設けられている部位に対してもメイティング
リングを変更するだけで設置することができるという効
果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の端面型回転軸シール装置の全体を示
す概略断面図である。
【図2】メイティングリングの概略斜視図である。
【図3】図1のD矢視図、および図6のF矢視図であ
る。
【図4】摺動発熱によりメイティングリングが一方向に
変形した状態を示す概略図である。
【図5】摺動発熱によりメイティングリングが他方向に
変形した状態を示す概略図である。
【図6】この発明の端面型回転軸シール装置の他の実施
例の全体を示す概略断面図である。
【図7】メイティングリングの他の例を示す概略図であ
る。
【図8】メイティングリングのさらに他の例を示す概略
図である。
【図9】図8に示すものを回転軸に取付けた状態を示す
断面図である。
【図10】メイティングリングの肉厚部と肉薄部との境
目が半径方向に対して傾斜した状態を示す概略図であ
る。
【図11】従来の端面型回転軸シール装置の全体を示す
概略図である。
【符号の説明】
1、31……端面型回転軸シール装置 2、32……回転軸 3、33……スリーブ 4、34……メイティングリング 4a、5a、7a……基部 4b……肉厚部 4c……肉薄部 4d、34d……シール面 4e……孔 4f……突起部 5、35……ハウジング 5b、7b……筒状部 6、36……ベローズ 7、37……固定リング 8、38……シールリング 8a、38a……突出部 9、39……オイルジェット 10……軸 11……ばね 12……ピン 13……シール X……固定部 A……くさび状の隙間 A1……隙間の前半部分 A2……隙間の後半部分 P1……ガス室 P2……軸受室

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部(X)に設けられたハウジング
    (5)と、回転軸(2)に設けられて一体に回転するメ
    イティングリング(4)とを有し、前記ハウジング
    (5)に、シールリング(8)と、このシールリング
    (8)を付勢する付勢部材(6、11)とを設け、前記
    シールリング(8)が付勢部材(6、11)によって前
    記メイティングリング(4)の端面に押圧されてシール
    するようになった端面型回転軸シール装置において、前
    記メイティングリング(4)を、肉厚部(4b)と肉薄
    部(4c)とを周方向に交互に連続させるとともに、前
    記シールリング(8)と当接する端面(4d)を平滑面
    に形成したことを特徴とする端面型回転軸シール装置。
  2. 【請求項2】 固定部(X)に設けられたハウジング
    (5)と、回転軸(2)に設けられて一体に回転するメ
    イティングリング(4)とを有し、前記ハウジング
    (5)に、シールリング(8)と、このシールリング
    (8)を付勢する付勢部材(6、11)とを設け、前記
    シールリング(8)が付勢部材(6、11)によって前
    記メイティングリング(4)の端面に押圧されてシール
    するようになった端面型回転軸シール装置において、前
    記メイティングリング(4)を、肉厚部(4b)と肉薄
    部(4c)とを周方向に交互に連続させるとともに、前
    記シールリング(8)と当接する端面(4d)を平滑面
    に形成し、さらに、前記メイティングリング(4)にオ
    イルジェット(9)を噴射するようにしたことを特徴と
    する端面型回転軸シール装置。
  3. 【請求項3】 前記付勢部材は、ベローズ(6)により
    形成されている請求項1、2記載の端面型回転軸シール
    装置。
  4. 【請求項4】 前記付勢部材は、ばね(11)により形
    成されている請求項1、2記載の端面型回転軸シール装
    置。
  5. 【請求項5】 前記メイティングリング(4)の肉厚部
    (4b)と肉薄部(4c)との間がなだらかに変化して
    いる請求項1、2記載の端面型回転軸シール装置。
  6. 【請求項6】 前記メイティングリング(4)は、周方
    向外方を向くとともに、所定の間隔を置く複数の孔(4
    e)が外周面に開口した状態で設けられ、各孔(4e)
    の間で肉厚部(4b)が、各孔(4e)の側部で肉薄部
    (4c)が形成され、前記各孔(4e)内にオイルジェ
    ット(9)が噴射可能となっている請求項1、2記載の
    端面型回転軸シール装置。
  7. 【請求項7】 前記肉厚部(4b)と肉薄部(4c)と
    の方向は半径方向に対して0°〜±90°の範囲となっ
    ている請求項1、2記載の端面型回転軸シール装置。
JP18418395A 1995-07-20 1995-07-20 端面型回転軸シール装置 Pending JPH0932932A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18418395A JPH0932932A (ja) 1995-07-20 1995-07-20 端面型回転軸シール装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18418395A JPH0932932A (ja) 1995-07-20 1995-07-20 端面型回転軸シール装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0932932A true JPH0932932A (ja) 1997-02-07

Family

ID=16148819

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18418395A Pending JPH0932932A (ja) 1995-07-20 1995-07-20 端面型回転軸シール装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0932932A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014061543A1 (ja) * 2012-10-19 2014-04-24 イーグルブルグマンジャパン株式会社 ベローズシール
US20190360531A1 (en) * 2018-05-25 2019-11-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Motor
JP2021092259A (ja) * 2019-12-09 2021-06-17 イーグル工業株式会社 メカニカルシール

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014061543A1 (ja) * 2012-10-19 2014-04-24 イーグルブルグマンジャパン株式会社 ベローズシール
US20190360531A1 (en) * 2018-05-25 2019-11-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Motor
US10935078B2 (en) 2018-05-25 2021-03-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Motor having a mechanical seal for holding lubricating oil supplied to a bearing
JP2021092259A (ja) * 2019-12-09 2021-06-17 イーグル工業株式会社 メカニカルシール

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3702212B2 (ja) 軸シール機構及びタービン
EP0473018B1 (en) Compliant finger seal
US5301957A (en) Expanding circumferential seal with upper-cooled runner
CA2544158C (en) Integrated labyrinth and carbon seal
US6244599B1 (en) Floating brush seal
KR100266251B1 (ko) 기계적 표면 밀봉수단
US5626347A (en) Coning resistant face seal having a "U" shape
US6719296B2 (en) Seal for a rotating member
US5639096A (en) Oil film cooled face seal
US4971306A (en) Seals for cylindrical surfaces
EP0894947A2 (en) Gas turbine interstage seal
JPH0599345A (ja) 改良型らせん溝ガス潤滑式シール
CA2513053A1 (en) Controlled gap carbon seal
KR19980080552A (ko) 가스 터빈 스테이터 베인 조립체를 밀봉하기 위한 방법 및 장치
JPH1162510A (ja) 低熱膨張シールリング支持体
EP1645726A1 (en) A sealing arrangement
JPH04337165A (ja) 非接触形メカニカルシール装置
US4451048A (en) High speed shaft seal
US4088329A (en) Controlled aperture seal with drag pad
JPH0932932A (ja) 端面型回転軸シール装置
JPH0139487B2 (ja)
JP3412325B2 (ja) ターボチャージャのオイル洩れ防止構造
US11143046B2 (en) Seal runner and method
CN111927634B (zh) 一种轴承腔非接触化石墨密封结构
JP3166062B2 (ja) リップ型シール