JPH09326521A - 差周波光発生装置およびこれを用いた赤外吸収分析装置 - Google Patents

差周波光発生装置およびこれを用いた赤外吸収分析装置

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JPH09326521A
JPH09326521A JP14467896A JP14467896A JPH09326521A JP H09326521 A JPH09326521 A JP H09326521A JP 14467896 A JP14467896 A JP 14467896A JP 14467896 A JP14467896 A JP 14467896A JP H09326521 A JPH09326521 A JP H09326521A
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JP
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wavelength
fundamental wave
difference frequency
light
laser
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JP14467896A
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Inventor
Shiro Shichijo
司朗 七条
Kiyobumi Muro
清文 室
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り扱いが容易で、たとえば波長3μm以上
の長波長領域においても高い連続波出力が得られ、かつ
波長掃引が可能な差周波光発生装置および赤外吸収分析
装置を提供する。 【解決手段】 ブロック100は、レーザ媒質23、出
力ミラー22およびKNbO3 から成る非線形光学素子
24で構成された内部共振型固体レーザと、レーザ媒質
23を励起するためのポンプ用半導体レーザ20とを含
む。光共振器は、レーザ媒質23の表面23aと出力ミ
ラー22と間で構成される。レーザ媒質23と非線形光
学素子24との間には、発振光に対して反射し、ミキシ
ング光に対して透過する波長選択ミラー30が介在す
る。ブロック200は、ミキシング光を放射する半導体
レーザ10と、レンズ11とを含む。ブロック300
は、互いに光学長の異なる2つの複屈折素子5、6と、
両者の間に介在する偏光子12とを含んだ、いわゆるリ
オット型フィルタを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長が相互に異な
る第1および第2基本波を非線形光学効果によって差周
波に変換する差周波光発生装置およびこれを用いた赤外
吸収分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大気汚染などの環境汚染の問題が
大きく取り上げられており、大気中の汚染物質、たとえ
ば窒素酸化物(NOX )や硫黄酸化物(SOX )などの
汚染濃度を正確にかつ迅速に測定できる装置が望まれて
いる。こうした汚染濃度は、大気の光吸収スペクトルの
変化を観測することによって定量化が可能であり、特に
波長2μm以上には汚染ガスの吸収線が多く存在するた
め、こうした波長2μm帯以上での可変波長光源が必要
になる。
【0003】従来、これらの汚染気体や特定の重要な注
目気体の濃度を測定するガス分析用光源として、この波
長領域のバンドギャップを持つ(PbEu)Seや(P
bSn)Se等の材料を活性層にした半導体レーザが知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た半導体レーザは、発光効率および寿命の点で液体窒素
温度(77K)まで冷却して使用する必要が有るため、
装置が大型になって、しかも装置の取扱いも煩雑にな
る。さらに、こうした半導体レーザでは数本のマルチモ
ードで発振するため、そのうち一本のみを選択し取り出
すための分光器が必要になり、ガス分析用光源だけでも
大規模になってしまう。
【0005】一方、波長2〜3μmの固体レーザ光源と
して、2μm帯で発振するTm:YAG、Tm,Ho:
YAG等、3μm帯で発振するEr:YAG等のレーザ
媒質を使用するものが知られている。これらのレーザ媒
質は、ポンピング光強度等により発振波長が広くシフト
することが知られている。しかしながら、これらの発振
波長は縦マルチモードであって、しかも連続的に掃引す
ることが出来ないため、上述のようなガス分析用光源に
は不向きである。
【0006】さらに、レーザ共振器内にレーザ媒質およ
び非線形光学結晶を配置し、外部より別のレーザ光をレ
ーザ共振器内に導入して、差周波発生によって赤外光を
発生するようにした差周波レーザが知られている(Edesl
y et al., in Conference onLasers and Electro-Optic
s, 1994,Technical Digest Series, Vol8(OpticalSoci
ety of America, Washington, D.C.,1994, p.380)。
【0007】こうした差周波レーザの一例として、レー
ザ媒質としてNd:YAG結晶、非線形光学結晶として
燐酸チタニルカリウムKTiOPO4 (KTP)結晶を
レーザ共振器内部に配置して、波長1.064μmのレ
ーザ発振を行うとともに、外部から別のレーザ光を共振
器内に導入することによって波長2.8μmの差周波に
波長変換している。しかし、波長2.9μm以上の波長
領域ではKTP結晶の吸収線が存在するため、上記構成
では波長2.9μm以上の差周波を発生することが困難
である。
【0008】一方、非線形光学結晶としてKNbO3
晶を用いる場合、和周波発生によって短波長の光に変換
するとき、波長許容度が狭いため厳密な温度制御が必要
である。しかし、差周波発生によって長波長の光に変換
するとき、波長許容度が広く、ミキシング光の波長を掃
引した場合でも変換効率は変化しないため、差周波発生
用としてKNbO3 結晶は有望である。
【0009】他方、KTP結晶は、波長3μm以上の領
域において水分子H2Oの吸収によって透明でなくなる
ため、差周波発生として使用できない。またKTP結晶
の非線形定数が小さいため、変換効率も低くなる。
【0010】さらに、赤外用非線形光学結晶としてAg
GaS2 結晶を使用することは公知であるが、結晶品質
や耐損傷閾値が低いこともあって、差周波の出力は15
0μW程度にすぎないので、ガス分析等には不向きであ
る。
【0011】本発明の目的は、取り扱いが容易で、たと
えば波長3μm以上の長波長領域においても高い連続波
出力が得られ、かつ波長掃引が可能な差周波光発生装置
およびこれを用いた赤外吸収分析装置を提供することで
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、励起光によっ
て励起され、第1基本波を発振するレーザ媒質と、第1
基本波および該第1基本波と異なる波長を持つ第2基本
波に基づいて、差周波光を発生するための非線形光学素
子と、レーザ媒質および非線形光学素子を内部に配置し
た光共振器と、光共振器の外部に設けられ、第2基本波
を発生するレーザ光源と、レーザ光源からの第2基本波
の波長を制御するための波長制御手段とを備え、前記波
長制御手段が第2基本波を掃引することによって、非線
形光学素子が発生する差周波の波長を掃引することを特
徴とする差周波光発生装置である。本発明に従えば、レ
ーザ光源からの第2基本波を波長掃引することによっ
て、差周波の波長を掃引することが可能になる。そのた
め、比較的長い波長領域において波長を連続的に変化さ
せる用途、たとえばガス分析用として小型軽量で大出力
の光源を実現できる。
【0013】また本発明は、前記波長制御手段は、レー
ザ光源と光共振器との間に設けられ、レーザ光源からの
第2基本波の波長をチューニングする波長選択フィルタ
で構成されることを特徴とする。本発明に従えば、レー
ザ光源と光共振器との間に波長選択フィルタを設けるこ
とによって、第2基本波の波長掃引が広範囲に渡って可
能になり、しかも第2基本波の単色性および波長安定度
を良好に維持できる。そのため、安定した差周波の波長
掃引を実現できる。
【0014】また本発明は、前記レーザ光源がDFB
(Distributed Feedback)構造またはDBR(Distribu
ted Bragg Reflector)構造の半導体レーザで構成さ
れ、前記波長制御手段が該半導体レーザのキャリア分布
を制御することを特徴とする。本発明に従えば、半導体
レーザのキャリア分布を制御することによって、特別な
分光装置を使用しなくても第2基本波の波長掃引が広範
囲に渡って可能になるため、差周波の波長掃引を簡単な
構成で実現できる。
【0015】また本発明は、第2基本波の波長変化に合
わせて、非線形光学素子の位相整合条件を変化させて差
周波出力の安定化を行うための位相整合条件制御手段を
備えたことを特徴とする。本発明に従えば、第2基本波
の波長変化に合わせて、非線形光学素子の位相整合条件
を変化させることによって、差周波出力が安定化が図ら
れるため、出力変動の少ない光源を実現できる。
【0016】また本発明は、非線形光学素子は、KNb
3 結晶で形成されていることを特徴とする。本発明に
従えば、KNbO3 結晶は大きな非線形定数を有し、差
周波発生における波長許容度が広いため、ミキシング光
の波長を掃引した場合でも高い変換効率を維持しつつ安
定した差周波を発生することができる。
【0017】また本発明は、第1基本波が実質的に波長
1.064μmのレーザ光であり、第2基本波が実質的
に波長0.69μmのレーザ光であり、差周波が実質的
に波長1.96μmのコヒーレント光であることを特徴
とする。本発明に従えば、波長1.96μmを中心に
1.9〜2.0μmの範囲に渡って波長掃引が可能な赤
外用光源が得られる。
【0018】また本発明は、第1基本波が実質的に波長
1.064μmのレーザ光であり、第2基本波が実質的
に波長0.78μmのレーザ光であり、差周波が実質的
に波長2.92μmのコヒーレント光であることを特徴
とする。本発明に従えば、波長2.92μmを中心に
2.7〜3.2μmの範囲に渡って波長掃引が可能な赤
外用光源が得られる。
【0019】また本発明は、第1基本波が実質的に波長
1.064μmのレーザ光であり、第2基本波が実質的
に波長0.83μmのレーザ光であり、差周波が実質的
に波長3.7μmのコヒーレント光であることを特徴と
する。本発明に従えば、波長3.8μmを中心に3.6
〜4.0μmの範囲に渡って波長掃引が可能な赤外用光
源が得られる。
【0020】また本発明は、第1基本波が実質的に波長
1.064μmのレーザ光であり、第2基本波が実質的
に波長0.86μmのレーザ光であり、差周波が実質的
に波長4.5μmのコヒーレント光であることを特徴と
する。本発明に従えば、波長4.5μmを中心に4.2
〜4.8μmの範囲に渡って波長掃引が可能な赤外用光
源が得られる。
【0021】また本発明は、波長掃引手段を有する光源
と、光検出器と、該光検出器からの信号を処理しかつ前
記光源の波長を制御するコントローラとを備えた赤外吸
収分析装置において、前記光源は、励起光によって励起
され、第1基本波を発振するレーザ媒質と、第1基本波
および該第1基本波と異なる波長を持つ第2基本波に基
づいて、差周波光を発生するための非線形光学素子と、
レーザ媒質および非線形光学素子を内部に配置した光共
振器と、光共振器の外部に設けられ、第2基本波を発生
するレーザ光源と、レーザ光源からの第2基本波の波長
を制御するための波長制御手段とを備え、前記波長制御
手段が第2基本波を掃引することによって、非線形光学
素子が発生する差周波の波長を掃引することを特徴とす
る赤外吸収分析装置である。本発明に従えば、光源とし
て全固体でかつ波長を掃引する波長制御手段を有す差周
波光発生装置を利用するので分光装置が不要になり、さ
らに装置の小型化が可能となる。また波長分解能が格段
に向上し測定の精度が向上するとともに、掃引する波長
幅を狭くしても測定するガス特有のスペクトルを高精度
で捉えることができるので確実な分析ができる。
【0022】また本発明の前記波長制御手段は、レーザ
光源と光共振器との間に設けられ、レーザ光源からの第
2基本波の波長をチューニングする波長選択フィルタで
構成されることを特徴とする。本発明に従えば、加えて
より長時間にわたって安定した波長掃引が可能となる。
【0023】また本発明は、前記レーザ光源がDFB
(Distributed Feedback)構造またはDBR(Distribu
ted Bragg Reflector)構造の半導体レーザで構成さ
れ、前記波長制御手段が該半導体レーザのキャリア分布
を制御することを特徴とする。本発明に従えば、加えて
さらに波長分解能が高くなりまた出力も安定化するので
相乗して分析の精度がより向上する。
【0024】また本発明は、第2基本波の波長変化に合
わせて、非線形光学素子の位相整合条件を変化させて差
周波出力の安定化を行うための位相整合条件制御手段を
備えたことを特徴とする。本発明に従えば、加えてさら
に波長分解能が高くなりまた出力も安定化するので相乗
して分析の精度がより向上する。
【0025】以下、本発明の原理について詳説する。本
発明に係る差周波光発生装置において、たとえば波長3
μm以上という長波長領域において高い透過率を有し、
かつ高い非線形定数を有する非線形光学素子を選定する
ことが必要である。
【0026】図1は、本発明に係る差周波光発生装置の
一例を示す構成図である。差周波光発生装置は、レーザ
共振器を構成するブロック100と、ミキシング光源を
構成するブロック200と、ミキシング光の波長を掃引
するブロック300などで構成される。
【0027】ブロック100は、レーザ媒質23、出力
ミラー22、およびKNbO3 から成る非線形光学素子
24で構成された内部共振型固体レーザと、レーザ媒質
23を励起するためのポンプ用半導体レーザ20とを含
む。光共振器は、レーザ媒質23の表面23aと出力ミ
ラー22との間で構成される。レーザ媒質23と非線形
光学素子24との間には、発振光に対して反射し、ミキ
シング光に対して透過する波長選択ミラー30が介在し
て、光共振器の光伝搬軸を屈曲させている。半導体レー
ザ20からの励起光はレンズ21a、21bを経由して
レーザ媒質23に集光される。
【0028】ブロック200は、ミキシング光を放射す
る単一モードの半導体レーザ10と、ミキシング光を集
光するレンズ11とを含む。
【0029】ブロック300は、互いに光学長の異なる
2つの複屈折素子5、6と、両者の間に介在する偏光子
12とを含んだ、いわゆるリオット型フィルタを構成し
ており、急峻なバンドパス特性を有する波長選択素子と
して機能する。
【0030】半導体レーザ10から出力されたミキシン
グ光は、レンズ11、複屈折素子5、偏光子12、複屈
折素子6、波長選択ミラー30、非線形光学素子24を
通過して出力ミラー22で反射され、再び同じ経路を戻
って半導体レーザ10に帰還される。その際、複屈折素
子5、6および偏光子12から成るリオット型フィルタ
が特定の波長のみを選択的に通過させるため、半導体レ
ーザ10の縦モードは該フィルタの通過帯域に安定化さ
れる。
【0031】こうした構成において、内部共振型固体レ
ーザの発振光(第1基本波)の波長をλ1、ミキシング
光(第2基本波)の波長をλ2とすると、非線形光学素
子24において、1/λ3=1/λ1−1/λ2の関係
式を満足する波長λ3の差周波光が発生し、出力ミラー
22を介して外部に取り出される。さらに、ブロック3
00の透過波長を何らかの手段によって連続的に変化さ
せることによって、ミキシング光の波長λ2を掃引で
き、上記関係式に従って差周波の波長λ3を連続的に掃
引できる。
【0032】こうして波長λ1、λ2を適切に設定する
ことによって、たとえばガス分析等に有用な赤外領域の
高出力光源を実現できる。
【0033】非線形光学素子24として使用するKNb
3 結晶は、高い非線形定数を有するため、たとえば第
2高調波発生(SHG)によるブルーレーザ用波長変換
材料として使用されることが多い。一方、差周波発生を
行う場合には、位相整合可能な光伝搬方向と、波長変換
効率を左右する実効的非線形光学定数deff を見積もる
ことが重要である。
【0034】図2は、結晶軸と光伝搬方向との関係を示
す座標系である。KNbO3 結晶の最大屈折率を有する
結晶軸をb軸、最小屈折率を持つ軸をc軸とし、a−b
面内でa軸からの角度をφ、c軸からの頂角をθとする
と、光伝搬方向は角度φと角度θの2つの角度で定義で
きる。たとえば、レーザ媒質23の発振光の波長λ1を
固定し、ミキシング光の波長λ2を変化させた場合、1
/λ3=1/λ1−1/λ2の関係式で決まる差周波波
長λ3で位相整合可能な結晶方位角と光伝搬方向とを一
致させることが必要になる。
【0035】図3は、位相整合角度θとミキシング光波
長λ2との関係を示すグラフである。ここでは、KNb
3 結晶を用いて、波長λ1=1064nm、角度φ=
90度にそれぞれ設定した計算結果を示す。
【0036】このように非線形光学素子の屈折率、発振
光波長λ1、ミキシング光波長λ2が決まれば、2つの
位相整合角度φ、θを容易に算出することができ、この
光伝搬方向と一致するように非線形光学素子のカット方
向および配置を決定する。
【0037】図4は、実効的非線形光学定数deff とミ
キシング光波長λ2との関係を示すグラフである。ここ
でも同様に、KNbO3 結晶を用いて、波長λ1=10
64nm、角度φ=90度にそれぞれ設定し、角度θは
図3のグラフに従って変化させている。
【0038】グラフを見ると、ミキシング光波長λ2が
長くなるほど実効的非線形光学定数deff は徐々に低下
しているが、たとえば波長780nm近傍においても依
然として10pm/V以上という大きな数値が得られる
ことが判る。
【0039】次に、ミキシング光の波長掃引について説
明する。ミキシング光を発生する半導体レーザとして、
波長掃引可能な半導体レーザを使用することが好まし
い。こうした可変波長半導体レーザとして、1)DBR
(Distributed Bragg Reflector) 領域にキャリアを注入
することによって、プラズマ効果を利用してブラッグ波
長を変化させることができる多電極DBRレーザや、
2)各電極への電流比を変化させることによって、しき
いキャリア密度が変化してブラッグ波長を変化させるこ
とができる多電極DFB(Distributed Feedback)レー
ザ等が開発されており、波長4〜7nmに渡って連続的
に発振波長を変化できる半導体レーザも開発されている
(応用物理第63巻第1号2頁、1994年)。こうし
た多電極のDBRレーザやDFBレーザは、光ファイバ
通信に好適な波長1.5μmを中心として開発が行われ
ており、その他の波長領域についても容易に製造でき
る。
【0040】こうした可変波長半導体レーザから出力さ
れるミキシング光を内部共振型固体レーザの光共振器内
に導入することによって、非線形光学素子において波長
掃引可能な差周波を発生することができる。なお、図1
において、ミキシング光用の半導体レーザ10として可
変波長半導体レーザを使用する場合には、波長掃引用の
ブロック300は無くても構わない。
【0041】一方、ミキシング光用の半導体レーザ10
として、通常の半導体レーザを使用する場合には、図1
に示すように、波長掃引用のブロック300を配置し
て、半導体レーザ10に帰還する光の波長を選択すると
ともに、この選択波長を掃引することによって、半導体
レーザ10の発振波長を掃引することができる。
【0042】図1においては、ブロック300が2つの
複屈折素子5、6および偏光子12から成る2段型リオ
ットフィルタで構成される例を示し、たとえば複屈折素
子5として厚み0.5mmのノンドープYVO4 結晶、
複屈折素子6として厚み2.0mmのノンドープYVO
4 結晶を使用できる。一般に、リオットフィルタは、1
枚の複屈折素子と1枚の偏光子との組合せが最小構成で
あるが、波長選択特性をより急峻にするために、厚みの
異なる複数の複屈折素子の間にそれぞれ偏光子を介在さ
せた多段型リオットフィルタで構成してもよい。
【0043】こうしたリオットフィルタの透過波長を制
御する機構として、1)複屈折素子5、6にヒータや熱
電素子等をそれぞれ取付けて、温度変化によって複屈折
素子5、6の屈折率を制御する機構、2)複屈折素子
5、6に対向電極をそれぞれ形成して、印加電界の大き
さを変化させることによって複屈折素子5、6の屈折率
を制御する機構、3)複屈折素子5、6を光軸回りに回
転させる回転機構をそれぞれ設けて、複屈折素子5、6
の光軸回りの回転角を変化させることによって偏光状態
を制御する機構、などが考えられる。
【0044】図5は、複屈折素子の回転制御によるリオ
ットフィルタ特性を示すグラフである。実線はフィルタ
特性、破線は半導体レーザのゲイン曲線を示し、縦軸は
フィルタの透過率、横軸はゲイン曲線の中心波長を基準
とした波長である。フィルタ特性は、厚み2.0mmで
決まる短周期(周期約0.3nm)のピーク成分と、厚
み0.5mmで決まる長周期(周期約2.4nm)の包
絡線成分とを合成したような特性となる。
【0045】図5(a)では、図1に示すリオットフィ
ルタの複屈折素子5、6の回転角を調整して、最大ピー
クとゲイン曲線の中心とを一致させているため、この状
態では中心波長での縦モード(矢印)が優勢に発振す
る。
【0046】図5(b)では、複屈折素子6を固定し、
複屈折素子5を0.4度だけ回転した場合を示し、フィ
ルタ特性の短周期成分のピーク位置は変化せず、長周期
成分の位相が短波長側にシフトする。この状態では、半
導体レーザ10の縦モードは中心波長から短波長側に不
連続にジャンプしながら掃引される。
【0047】図5(c)では、両方の複屈折素子5、6
を0.4度だけ回転した場合を示し、図5(a)に示す
フィルタ特性が全体に短波長側に連続的にシフトするた
め、その結果、半導体レーザ10の発振波長を連続的に
掃引できる。
【0048】このように偏光子の固定位置を基準とし
て、全ての複屈折素子を同時に回転することによって、
フィルタの通過波長が連続的に変化するため、半導体レ
ーザ10の連続的な波長掃引が可能なる。このことは多
段式のリオットフィルタでも同様な動作が可能である。
【0049】図6は、差周波波長とミキシング光波長と
関係を示すグラフである。上記リオットフィルタによる
波長掃引によって、半導体レーザ10から出力されるミ
キシング光の波長を2nmの範囲に渡って連続的に掃引
することが可能となる。たとえば、内部共振型固体レー
ザの発振波長1064nmとミキシング光の波長780
nmとの差周波を発生する場合、波長2.8μm帯の差
周波光を30nmの範囲に渡って連続的に変化させるこ
とができる。また、半導体レーザの温度を変化させても
よい。
【0050】以上、リオットフィルタを構成する複屈折
素子を光軸回りに回転させることによって波長掃引を実
現する例を説明したが、同様に、複屈折素子の温度や電
界を連続的に変化させても波長掃引を実現できる。
【0051】図7は、非線形光学素子の位相整合状態を
示すグラフである。ミキシング光波長を変化させると、
図1に示す非線形光学素子24の位相整合条件が変化す
るため、差周波出力が変化してしまう。その場合、差周
波出力が最大値の半分になる半値全幅を許容度と呼んで
いる。ここでは、非線形光学素子24として結晶長1c
mのKNbO3 結晶を使用し、内部共振型固体レーザの
発振波長1064nmとミキシング光の波長780nm
との混合によって、波長2.8μm帯の差周波を発生す
る例を示す。なお、3つのカーブは非線形光学素子24
の温度が異なる場合を示し、実線は40℃、一点鎖線は
35℃、破線は30℃である。
【0052】たとえば破線カーブを注目すると、非線形
光学素子24の許容度は約1nmと求まるが、ミキシン
グ光の波長掃引範囲が1nmとすると、差周波出力は最
大出力から半減する可能性が出てくる。そのため、差周
波出力が常に最大となるように安定化するには、ミキシ
ング光の波長掃引に応じて非線形光学素子24の温度を
変化させて、位相整合条件を最適化することが好まし
い。たとえば、ミキシング光波長を780.7nmから
781.4nmへ掃引する場合には、非線形光学素子2
4の温度を30℃から35℃へ制御すると、差周波出力
を最大値に保持でき、その温度変化率は約0.72℃/
Åに設定すればよい。
【0053】したがって、図1の非線形光学素子24を
ヒーターや熱電素子等の温度制御装置(不図示)に搭載
して、ミキシング光の波長掃引に合わせて温度制御を行
うことが好ましい。
【0054】また、以上に述べた差周波光発生装置を光
源として、赤外光を利用する分析装置である赤外吸収分
析装置に適用することができる。図11はそのうちの1
つである測定対象ガスの赤外吸収を利用したガス分析装
置の概略図である。光源に波長を掃引する波長制御手段
を備えた差周波光発生装置からでた赤外光を、測定対象
のガスを収めたセル101に導入し、測定対象のガスを
通過して出てきた光を光検出器102で受けてその強度
を測定する。コントローラ103からは差周波光発生装
置100に制御信号が送られ、波長の掃引がなされる。
光検出器からの強度信号はコントローラ103に送ら
れ、そこで信号処理されディスプレイまたはプリンタ
(いずれも図示せず)に吸収スペクトルが出力され、あ
るいは同定したガスの種類が表示される。従来の分析装
置で必要とした分光装置が不要である。
【0055】また測定するガスを収めるセルを用いず、
差周波光発生装置からの赤外光を直接大気に出射して、
反射した光を光検出器で検出することで大気中のガスを
直接分析することができる。
【0056】いずれの場合でも波長分解能が高いので、
差周波光発生装置においてたとえば数nmの波長幅を掃
引するだけでガス特有の吸収スペクトルを弁別でき、確
実なガス分析が可能となる。
【0057】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)図8は、本発明の第1実施形態を示す
構成図である。ここでは、固体レーザの発振光である波
長1064nmの光と共振器外部から導入した波長78
0nmの光とを混合して、波長2.92μmの差周波光
を発生させる例を示す。
【0058】内部共振型固体レーザを構成する光共振器
25は、Ndが1%ド−プされたNd:YVO4 結晶か
ら成るレ−ザ媒質23と、KNbO3 結晶から成る非線
形光学素子24と、出力ミラー22とを含む。
【0059】レーザ媒質23の表面23aには、レーザ
媒質23の発振波長1064nmに対して反射率が9
9.9%であって、励起光26の波長809nmに対し
て透過率が95%以上となるコーティングが施されてい
る。レーザ媒質23の非線形光学素子24側の表面24
bには、波長1064nmに対して透過率が99.9%
以上となるコーティングが施されている。
【0060】非線形光学素子24側の表面24a、24
bには、波長1064nmに対して透過率が99.9%
以上となるコーティングが施されている。出力ミラー2
2の曲面には、波長1064nmに対して反射率が9
9.9%となるコーティングが施されている。こうして
レーザ媒質23の表面23aと出力ミラー22との間で
発振波長1064nmに対する光共振器25を構成す
る。なお、レーザ媒質23の表面23bと非線形光学素
子24の表面24aとは、実際には互いに接している。
【0061】一方、励起光26を放射する半導体レーザ
20が光共振器25の外部に配置され、たとえばペルチ
ェ素子等の温度調整回路に搭載され温度制御されてい
る。半導体レーザ20とレーザ媒質23との間には、励
起光26をコリメートするためのレンズ21aと、ミキ
シング光を導入するための偏光ビームスプリッタ13
と、励起光26をレーザ媒質23に集光するレンズ21
bが配置されている。
【0062】ここで固体レーザの動作を説明する。半導
体レーザ20から出力された励起光26は、レンズ21
a、偏光ビームスプリッタ13、レンズ21bを通過し
て、レーザ媒質23に入射すると、レーザ媒質23中に
反転分布が形成され、Nd:YVO4 結晶の場合には波
長1064nmでレーザ発振が起こり、この発振光は光
共振器25内で高い出力となって閉じ込められる。
【0063】次に差周波発生について説明する。波長7
80nm、出力100mWのミキシング光を放射する半
導体レーザ10を配置し、該ミキシング光はレンズ11
でコリメートされて偏光ビームスプリッタ13によって
反射され、励起光26と共軸となって、光共振器25内
に導入され、非線形光学素子24の表面24aでビーム
ウエストを形成する。
【0064】図9は、非線形光学素子24であるKNb
3 結晶の切出し軸を示す座標系である。KNbO3
晶は2軸性結晶であり、屈折率の最も大きい偏光軸をb
軸、最も小さい軸をc軸とすると、b軸の屈折率nb>
a軸の屈折率na>c軸の屈折率ncという関係にな
り、c軸に対して頂角θ=49.4度、かつa−b平面
においてa軸から角度φ=90度の方向が光伝搬軸(図
8のY軸方向)となるように切り出した、いわゆるb−
cカット結晶に形成している。さらに、a軸が図8のZ
軸方向と平行な偏光軸となるように非線形光学素子24
を配置する。
【0065】こうしたKNbO3 結晶において、a軸に
偏光した波長1064nmの発振光とX軸に偏光した波
長780nmのミキシング光とが混合すると、波長変換
によってa軸に偏光した波長2.92μmの差周波光が
Y軸に沿って発生する。たとえば非線形光学素子24の
厚みを5mmに形成した場合、出力0.2mW、波長
2.92μmの差周波光を取り出すことができた。
【0066】図8の構成において波長掃引を行う場合、
ミキシング光用の半導体レーザ10として、発振波長可
変のDFB構造またはDBR構造の半導体レーザを使用
し、レーザチップに複数の電極を配置することによって
光導波領域のキャリア分布を制御するように構成する。
【0067】また、波長掃引に応じて非線形光学素子2
4の位相整合条件を最適化するために、非線形光学素子
24にヒータやペルチェ素子等の温度制御回路を設けて
温度制御してもよい。
【0068】(第2実施形態)図10は、本発明の第2
実施形態を示す構成図である。ここでは、固体レーザの
発振光である波長1064nmの光と共振器外部から導
入した波長830nmの光とを混合して、波長3.77
μmの差周波光を発生させる例を示す。
【0069】内部共振型固体レーザを構成する光共振器
25は、図8の構成と同様であって、Ndが1%ド−プ
されたNd:YVO4 結晶から成るレ−ザ媒質23と、
KNbO3 結晶から成る非線形光学素子24と、出力ミ
ラー22とを含む。また、半導体レーザ20からの励起
光26を導入する光学系も図8と同様であり、重複説明
を省く。
【0070】ただし、ミキシング光波長が少し長くなっ
たため、KNbO3 結晶の切り出し方向を若干変更して
おり、c軸に対して頂角θ=48.5度、かつa−b平
面においてa軸から角度φ=90度の方向が光伝搬軸
(図10のY軸方向)となるように切り出した、いわゆ
るb−cカット結晶に形成している。
【0071】一方、波長830nm、出力200mWの
ミキシング光を放射する半導体レーザ10を配置し、半
導体レーザ10と偏光ビームスプリッタ13との間に波
長掃引用の複屈折フィルタ15を配置している。
【0072】複屈折フィルタ15は、図1と同様に、厚
み0.5mmのノンドープYVO4から成る複屈折素子
5、偏光ビームスプリッタから成る偏光子12、および
厚み5mmのノンドープYVO4 から成る複屈折素子6
を備え、2段のリオットフィルタを構成している。複屈
折素子5、6の各表面には、波長830nmの無反射コ
ーティングが施されている。また、複屈折素子5、6
は、光軸回りの回転角を制御するための回転ステージ
(不図示)にそれぞれ搭載され、波長掃引に応じて連動
する。
【0073】半導体レーザ10から出たミキシング光
は、レンズ11によってコリメートされ、複屈折フィル
タ15を通過して偏光ビームスプリッタ13で反射し、
光共振器25内に導入され、非線形光学素子24におい
て発振光とともに差周波に変換される。出力ミラー22
はミキシング光波長830nmに対して反射率85%程
度に形成されている。そのため、差周波発生に寄与しな
かったミキシング光の大部分は、出力ミラー22によっ
て再び同軸で反射し、光共振器25から偏光ビームスプ
リッタ13を経て複屈折フィルタ15を逆行して半導体
レーザ10へ帰還光として戻る。
【0074】こうした光学的帰還によって、半導体レー
ザ10の発振波長は複屈折フィルタ15の通過波長に一
致するようになるため、上述のような波長掃引機構によ
って半導体レーザ10の発振波長を連続的に変化させる
ことができる。また、波長掃引に応じて非線形光学素子
24の位相整合条件を最適化するために、非線形光学素
子24にヒータやペルチェ素子等の温度制御回路を設け
て温度制御してもよい。
【0075】図10の構成において、ミキシング光波長
を5nmの範囲に渡って掃引が可能であり、波長106
4nmの発振光と波長830nmのミキシング光との混
合によって、波長3.774μmを中心として5nmの
範囲に渡って連続掃引可能な差周波を出力500μW程
度で発生することができた。
【0076】以上の説明では、a)波長1064nmと
波長780nmとで波長2.92μmの差周波を発生す
る例、b)波長1064nmと波長830nmとで波長
3.7μmの差周波を発生する例を示したが、その他に
c)波長1064nmと波長690nmとで波長1.9
6μmの差周波を発生する例、d)波長1064nmと
波長860nmとで波長4.5μmの差周波を発生する
例など、各種組合せが可能である。
【0077】たとえば波長4.5μmの差周波光を発生
する差周波光発生装置を赤外吸収分析装置の光源に利用
すると、この波長近傍に吸収線のある一酸化炭素ガスや
塩化水素ガスを分析することができる。
【0078】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、レ
ーザ光源からの第2基本波を波長掃引することによっ
て、差周波の波長を掃引することが可能になる。そのた
め、比較的長い波長領域において波長を連続的に変化さ
せる用途、たとえばガス分析用として小型軽量で大出力
の光源を実現できる。
【0079】また、第2基本波の波長変化に合わせて、
非線形光学素子の位相整合条件を変化させることによっ
て、差周波出力が安定化が図られ、出力変動の少ない光
源を実現できる。
【0080】また、半導体レーザのキャリア分布を制御
することによって、特別な分光装置を使用しなくても第
2基本波の波長掃引が広範囲に渡って可能になるため、
差周波の波長掃引を簡単な構成で実現できる。
【0081】また、レーザ光源と光共振器との間に波長
選択フィルタを設けることによって、第2基本波の波長
掃引が広範囲に渡って可能になり、しかも第2基本波の
単色性および波長安定度を良好に維持できる。そのた
め、安定した差周波の波長掃引を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る差周波光発生装置の一例を示す構
成図である。
【図2】結晶軸と光伝搬方向との関係を示す座標系であ
る。
【図3】位相整合角度θとミキシング光波長λ2との関
係を示すグラフである。
【図4】実効的非線形光学定数deff とミキシング光波
長λ2との関係を示すグラフである。
【図5】複屈折素子の回転制御によるリオットフィルタ
特性を示すグラフである。
【図6】差周波波長とミキシング光波長と関係を示すグ
ラフである。
【図7】非線形光学素子の位相整合状態を示すグラフで
ある。
【図8】本発明の第1実施形態を示す構成図である。
【図9】非線形光学素子24であるKNbO3 結晶の切
出し軸を示す座標系である。
【図10】本発明の第2実施形態を示す構成図である。
【図11】本発明に係る赤外吸収分析装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
5、6 複屈折素子 10、20 半導体レーザ 12 偏光子 13 偏光ビームスプリッタ 15 複屈折フィルタ 22 出力ミラー 23 レーザ媒質 24 非線形光学素子 25 光共振器 26 励起光 30 波長選択ミラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/103 H01S 3/103

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起光によって励起され、第1基本波を
    発振するレーザ媒質と、 第1基本波および該第1基本波と異なる波長を持つ第2
    基本波に基づいて、差周波光を発生するための非線形光
    学素子と、 レーザ媒質および非線形光学素子を内部に配置した光共
    振器と、 光共振器の外部に設けられ、第2基本波を発生するレー
    ザ光源と、 レーザ光源からの第2基本波の波長を制御するための波
    長制御手段とを備え、 前記波長制御手段が第2基本波を掃引することによっ
    て、非線形光学素子が発生する差周波の波長を掃引する
    ことを特徴とする差周波光発生装置。
  2. 【請求項2】 前記波長制御手段は、レーザ光源と光共
    振器との間に設けられ、レーザ光源からの第2基本波の
    波長をチューニングする波長選択フィルタで構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の差周波光発生装置。
  3. 【請求項3】 前記レーザ光源がDFB(Distributed
    Feedback)構造またはDBR(Distributed Bragg Refl
    ector) 構造の半導体レーザで構成され、 前記波長制御手段が該半導体レーザのキャリア分布を制
    御することを特徴とする請求項1または2記載の差周波
    光発生装置。
  4. 【請求項4】 第2基本波の波長変化に合わせて、非線
    形光学素子の位相整合条件を変化させて差周波出力の安
    定化を行うための位相整合条件制御手段を備えたことを
    特徴とする請求項1または2記載の差周波光発生装置。
  5. 【請求項5】 非線形光学素子は、KNbO3 結晶で形
    成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに
    記載の差周波光発生装置。
  6. 【請求項6】 第1基本波が実質的に波長1.064μ
    mのレーザ光であり、第2基本波が実質的に波長0.6
    9μmのレーザ光であり、差周波が実質的に波長1.9
    6μmのコヒーレント光であることを特徴とする請求項
    1〜4の何れかに記載の差周波光発生装置。
  7. 【請求項7】 第1基本波が実質的に波長1.064μ
    mのレーザ光であり、第2基本波が実質的に波長0.7
    8μmのレーザ光であり、差周波が実質的に波長2.9
    2μmのコヒーレント光であることを特徴とする請求項
    1〜4の何れかに記載の差周波光発生装置。
  8. 【請求項8】 第1基本波が実質的に波長1.064μ
    mのレーザ光であり、第2基本波が実質的に波長0.8
    3μmのレーザ光であり、差周波が実質的に波長3.7
    μmのコヒーレント光であることを特徴とする請求項1
    〜4の何れかに記載の差周波光発生装置。
  9. 【請求項9】 第1基本波が実質的に波長1.064μ
    mのレーザ光であり、第2基本波が実質的に波長0.8
    6μmのレーザ光であり、差周波が実質的に波長4.5
    μmのコヒーレント光であることを特徴とする請求項1
    〜4の何れかに記載の差周波光発生装置。
  10. 【請求項10】 波長掃引手段を有する光源と、光検出
    器と、該光検出器からの信号を処理しかつ前記光源の波
    長を制御するコントローラとを備えた赤外吸収分析装置
    において、 前記光源は、励起光によって励起され、第1基本波を発
    振するレーザ媒質と、 第1基本波および該第1基本波と異なる波長を持つ第2
    基本波に基づいて、差周波光を発生するための非線形光
    学素子と、 レーザ媒質および非線形光学素子を内部に配置した光共
    振器と、 光共振器の外部に設けられ、第2基本波を発生するレー
    ザ光源と、 レーザ光源からの第2基本波の波長を制御するための波
    長制御手段とを備え、 前記波長制御手段が第2基本波を掃引することによっ
    て、非線形光学素子が発生する差周波の波長を掃引する
    ことを特徴とする赤外吸収分析装置。
  11. 【請求項11】 前記波長制御手段は、レーザ光源と光
    共振器との間に設けられ、レーザ光源からの第2基本波
    の波長をチューニングする波長選択フィルタで構成され
    ることを特徴とする請求項10記載の赤外吸収分析装
    置。
  12. 【請求項12】 前記レーザ光源がDFB(Distribute
    d Feedback)構造またはDBR(Distributed Bragg Re
    flector)構造の半導体レーザで構成され、 前記波長制御手段が該半導体レーザのキャリア分布を制
    御することを特徴とする請求項10記載の赤外吸収分析
    装置。
  13. 【請求項13】 第2基本波の波長変化に合わせて、非
    線形光学素子の位相整合条件を変化させて差周波出力の
    安定化を行うための位相整合条件制御手段を備えたこと
    を特徴とする請求項10記載の赤外吸収分析装置。
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