JPH09322568A - 振動アクチュエータ - Google Patents

振動アクチュエータ

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JPH09322568A
JPH09322568A JP8133490A JP13349096A JPH09322568A JP H09322568 A JPH09322568 A JP H09322568A JP 8133490 A JP8133490 A JP 8133490A JP 13349096 A JP13349096 A JP 13349096A JP H09322568 A JPH09322568 A JP H09322568A
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JP
Japan
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elastic body
vibration
driving force
vibration actuator
actuator
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Application number
JP8133490A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Tomikawa
義朗 富川
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特願平6−318150号により提案した振
動アクチュエータでは、弾性体は相対運動部材に対して
4点接触であるため、安定的に接触させることが難し
く、本来の駆動効率を得ることが容易でない。 【解決手段】 円環型の弾性体2と,弾性体2の一方の
平面に装着される円環状の圧電素子3と,圧電素子3に
装着される電極5a〜5dとを備え、弾性体2に、拡径
及び縮径振動と屈曲振動とを発生する振動アクチュエー
タ11であって、弾性体2の他方の平面には、弾性体2
の中心から120°交差するとともに、一つが、電極5
a,5bの分離線に対して45°交差し、かつ発生する
屈曲振動の腹位置となる3箇所に、窒化珪素からなる球
体により構成される駆動力取出部4−1a〜4−1cが
形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動アクチュエー
タに関し、特に、拡径及び縮径振動と屈曲振動とを利用
した円環型の振動アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の振動アクチュエータは、
電気機械変換素子の励振により、円環状の弾性体に進行
性振動波を発生する。そして、弾性体に加圧接触してい
る移動子(ロータ)を駆動するようにしていた。
【0003】一方、リニア型の振動アクチュエータで
は、棒状弾性体の一方の端部に加振用の電気機械変換素
子を配置する。また、他方の端部には進行波の反射を吸
収する吸振用の電気機械変換素子を配置する。そして、
弾性体の一方から他方へ向かう進行波を発生させ、その
弾性体に加圧接触している移動体を駆動するようにして
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の振動アクチュエ
ータは、レンズ鏡筒に組み込まれ、移動体の回転によ
り、AFレンズを駆動する用途に用いられる。
【0005】一方、撮影光学系の一部を光軸と略直交す
る平面内で移動して、像振れを補正する像振れ補正装置
が提案されている。しかし、前者の振動アクチュエータ
では、駆動方向が異なるために適用できない。また、後
者の振動アクチュエータでは、円筒形のレンズ鏡筒には
組み込み難いうえ、光軸に垂直な平面内におけるX方
向,Y方向の2方向に駆動する場合には、装置が大型化
するという問題があった。
【0006】また、従来の高速・低トルクを特徴とする
電磁モータを利用する場合には、出力トルクを稼ぐため
に通常はギヤ列が必要となる。さらに、駆動対象物を平
面内で2方向に移動させるときには、各々の方向に駆動
対象物を移動させるために、独立したもう1組の電磁モ
ータとギヤ列とが必要となる。このために、装置が大型
化して重量が増すうえ、ギヤ列により応答性が低下した
り、騒音が発生する等の問題があった。
【0007】そこで、本出願人は、特願平6−3181
50号により、平面内を1次元又は2次元に移動可能で
あって、円筒形状の部分にも組み込み易い円環型の振動
アクチュエータを提案した。
【0008】この振動アクチュエータは、弾性材料から
なる円環型の弾性体と、この弾性体の一方の平面に接合
されるとともに駆動信号により励振されて、弾性体に、
拡径及び縮径方向への伸縮振動と面直方向への屈曲振動
とを発生し、弾性体の所定部分にこれらの振動の合成振
動である楕円運動を発生する電気機械変換素子とを備え
る振動アクチュエータである。
【0009】図7は、この振動アクチュエータ1の構造
を示す分解斜視図であり、図8(a)は、電気機械変換
素子非装着面側から見た振動アクチュエータ1を駆動回
路とともに示す平面図であり、図8(b)は、図8
(a)におけるA−A断面図である。
【0010】この振動アクチュエータ1は、金属材料又
はプラスチック材料等の弾性材料からなる円環型の弾性
体2と、この弾性体2の一方の平面に例えば接着により
装着される四半円環状の電気機械変換素子である4枚の
圧電素子3a〜3dと、弾性体2の他方の平面に突起状
に形成された4個の駆動力取出部4a〜4dとを備え
る。
【0011】この弾性体2は、円環の寸法を適宜設定す
ることにより、第1振動モードである伸縮振動(R1モ
ード:面方向への拡径及び縮径振動)と、第2振動モー
ドである2次の屈曲振動(B21モード)とを一致させる
こと(以下、このような状態を「縮退」という。)がで
きる。本発明者の確認結果によれば、(弾性体2の内径
2y)/(弾性体2の外径2x)≒0.6で縮退が可能
となる。
【0012】圧電素子3a〜3dそれぞれは、図7に示
すように、四半円環状を呈しており、PZT(チタン酸
ジルコン酸鉛)等により作製される。圧電素子3a〜3
dは、図8(b)に示すように、いずれも厚さ方向に分
極されており、それぞれに2相の入力電圧A,Bが印加
される。
【0013】弾性体2の他方の平面に突起状に形成され
る駆動力取出部4a〜4dは、弾性体2に発生する前述
した伸縮振動(第1振動モード)及び屈曲振動(第2振
動モード)が合成されて生じる楕円運動を取り出す部分
である。駆動力取出部4a〜4dは、図示しない相対運
動部材と接触しながら、弾性体2を駆動させる。
【0014】駆動力取出部4a〜4dは、図8に示すよ
うに、弾性体2の他方の平面であって、各圧電素子3a
〜3dの間に相当する位置に90°毎に設けられる。駆
動力取出部4a〜4dは、耐摩耗性を向上させるため、
先端部に窒化珪素等からなる球体を取り付けることによ
り、構成される。
【0015】これらの駆動力取出部4a〜4dは、駆動
力を効率的に取り出すために、変位の小さな縦振動の節
となる位置を避けて設けることが望ましく、移動平面に
対して略垂直方向の屈曲振動モードの腹の位置に設けて
ある。
【0016】この振動アクチュエータ1は、4つの圧電
素子3a〜3dに2相の高周波電圧A,Bを印加するこ
とにより、屈曲振動と伸縮振動との合成振動を起こし、
これにより駆動力取出部4a〜4dの先端に楕円運動を
発生させ、駆動力を発生させる。ここで、4枚の圧電素
子3a〜3dは、互いに極性が同一方向になるように分
極され、高周波電圧A,Bは、π/2の時間的位相差を
有する。なお、4つの圧電素子3a〜3dの分極方向は
互いに逆方向であってもよい。
【0017】図8において、発振器21は高周波信号を
発振するためのものであり、発振器21からの高周波信
号が分岐して、一方は、X方向用移相器22X,Y方向
用移相器22Yによって時間的にπ/2だけ移相された
後に、X方向用の増幅器23X,Y方向用の増幅器23
Yにそれぞれ接続される。発振器21から分岐した他方
は、X方向用の増幅器24X,Y方向用の増幅器24Y
にそれぞれ直接接続される。
【0018】各増幅器23X,23Y,24X,24Y
は、切換スイッチ25を介して、圧電素子の各電極板2
6a,26b,27a,27bにそれぞれ接続される。
切換スイッチ25は、接点が全てX側(図1の破線の状
態)に切り換わっているときに、増幅器23Xの出力は
電極板27a,27bに接続されるとともに、増幅器2
4Xの出力は電極板27a,27bに接続される。した
がって、左側の電極板26a,26bがグループ化され
るとともに、右側の電極板27a,27bがグループ化
されるため、弾性体2は±X方向への移動が可能とな
る。
【0019】同様にして、切換スイッチ25は、接点が
全てY側(図1の破線の状態)に切り換わっているとき
に、増幅器23Yの出力は電極板26a,27aに接続
されるとともに、増幅器24Yの出力は電極板26b,
27bに接続される。したがって、上側の電極板26
a,27aがグループ化されるとともに、下側の電極板
26b,27bがグループ化されるため、弾性体2は±
Y方向への移動が可能となる。
【0020】図9(A)は、この振動アクチュエータ1
に入力される2相の高周波電圧A,Bの時間的変化を時
間t1 〜時間t9 で示す。図9(A)の横軸は、高周波
電圧の実効値を示す。図9(B)は、振動アクチュエー
タ1の断面の変形の様子を示し、振動アクチュエータ1
に発生する屈曲振動の時間的変化(時間t1 〜時間
9 )を示す。図9(C)は、振動アクチュエータ1の
断面の変形の様子を示し、振動アクチュエータ1に発生
する伸縮振動の時間的変化(時間t1 〜時間t9 )を示
す。図9(D)は、振動アクチュエータ1の駆動力取出
部4a,4cに発生する楕円運動の時間的変化(時間t
1 〜時間t9 )を示す。
【0021】次に、この振動アクチュエータ1の動作
を、時間t1 から時間t9 までについて説明する。な
お、説明の便宜上、図9ではX方向への移動の際の状況
を例にとって説明するが、Y方向についても全く同様で
ある。
【0022】時間t1 において、図9(A)に示すよう
に、高周波電圧Aは正の電圧を発生し、同様に高周波電
圧Bは同一の正の電圧を発生する。図9(B)に示すよ
うに、高周波電圧A,Bによる屈曲振動は互いに打ち消
し合い、質点Y1と質点Z1とがともに振幅零となる。
また、図9(C)に示すように、高周波電圧A,Bによ
る伸縮振動は伸張する方向に発生する。質点Y2と質点
Z2とは矢印で示されるように、節Xを中心にして最大
の伸張を示す。その結果、図9(D)に示すように、上
記の両振動が複合され、質点Y1と質点Y2との運動の
合成が質点Yの運動となり、また、質点Z1と質点Z2
との運動の合成が質点Zの運動となる。
【0023】時間t2 において、図9(A)に示すよう
に、高周波電圧Bは零となり、高周波電圧Aは正の電圧
を発生する。図9(B)に示すように、高周波電圧Aに
よる屈曲振動が発生し、質点Y1が負方向に振幅し、質
点Z1が正方向に振幅する。また、図9(C)に示すよ
うに、高周波電圧Aによる伸縮振動が発生し、質点Y2
と質点Z2とが時間t1 のときよりも縮む。その結果、
図9(D)に示すように、上記の両振動が複合され、質
点Yと質点Zとが時間t1 のときよりも左回りに移動す
る。
【0024】時間t3 において、図9(A)に示すよう
に、高周波電圧Aは正の電圧を発生し、同様に高周波電
圧Bは同一の負の電圧を発生する。図9(B)に示すよ
うに、高周波電圧A及びBによる屈曲振動が合成されて
増幅され、質点Y1が時間t1 のときよりも負方向に増
幅され、最大の負の振幅値を示す。質点Z1が時間t2
のときよりも正方向に増幅され、最大の正の振幅値を示
す。また、図9(C)に示すように、高周波電圧A及び
Bによる伸縮振動が互いに打ち消し合い、質点Y2と質
点Z2とが元の位置に戻る。その結果、図9(D)に示
すように、上記の両振動が複合されることにより、質点
Yと質点Zとが時間t2 のときよりも左回りに移動す
る。
【0025】時間t4 において、図9(A)に示すよう
に、高周波電圧Aは零となり、高周波電圧Bは負の電圧
を発生する。図9(B)に示すように、高周波電圧Bに
よる屈曲振動が発生し、質点Y1は時間t3 のときより
も振幅が低下し、質点Z1が時間t3 のときよりも振幅
が低下する。また、図9(C)に示すように、高周波電
圧Bによる伸縮振動が発生し、質点Y2と質点Z2とが
収縮する。その結果、図9(D)に示すように、上記両
振動が複合され、質点Yと質点Zとが時間t3のときよ
りも左回りに移動する。
【0026】時間t5 において、図9(A)に示すよう
に、高周波電圧Aは正の電圧を発生し、同様に高周波電
圧Bは同一の負の電圧を発生する。図9(B)に示すよ
うに、高周波電圧A,Bによる屈曲振動は互いに打ち消
し合い、質点Y1と質点Z1とが振幅零となる。また、
図9(C)に示すように、高周波電圧A,Bによる伸縮
振動は収縮する方向に発生する。質点Y2と質点Z2と
は矢印で示されるように、節Xを中心にして最大の収縮
を示す。その結果、図9(D)に示すように、上記の両
振動が複合されることにより、質点Yと質点Zとが時間
4 のときよりも左回りに移動する。
【0027】時間t6 から時間t9 に変化するにしたが
って、上述の原理と同様に屈曲振動及び伸縮振動が発生
し、その結果、図9(D)に示すように、質点Y及び質
点Zが左回りに移動し、楕円運動をする。
【0028】以上の原理により、この振動アクチュエー
タ1は、駆動力取出部4a〜4dの先端に楕円運動を生
じて、駆動力を発生させる。したがって、駆動力取出部
4a〜4dの先端を、相対運動部材である固定部に加圧
すると、弾性体1は、固定部に対して自走する。
【0029】ところで、この振動アクチュエータ1で
は、弾性体2は相対運動部材に対して4点の駆動力取出
部4a〜4dを介して接触する。しかし、このような4
点接触では、通常の加工精度によっては、駆動力取出部
4a〜4dを相対運動部材に均等に接触させることは極
めて難しい。そのため、この振動アクチュエータ1で
は、本来の駆動効率を得ることが容易でないという課題
があった。
【0030】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、円環
状に生成された弾性体と,弾性体に接合された電気機械
変換素子と,弾性体との間で相対運動を行う相対運動部
材とを備え、電気機械変換素子の励振により、弾性体
に、円環状の弾性体の直径が広がる方向及び縮まる方向
に変位する振動と、屈曲振動とを発生させることで、弾
性体と相対運動部材との間に相対運動を生じさせる振動
アクチュエータであって、弾性体が、相対運動部材と向
かい合う面に設けられた駆動力取出部を有し、この駆動
力取出部において相対運動部材と加圧された状態で接触
するとともに、駆動力取出部が、弾性体の中心から12
0°交差3ヵ所に配置されていることを特徴とする。
【0031】請求項2の発明は、請求項1に記載された
振動アクチュエータにおいて、駆動力取出部の一つが、
弾性体に生じる屈曲振動の節直径が発生する位置に対し
て45°交差する位置に、設置されることを特徴とす
る。
【0032】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載された振動アクチュエータにおいて、駆動力取出
部が、弾性体の中心からの距離が略等しい位置に設置さ
れることを特徴とする。
【0033】請求項4の発明は、請求項1から請求項3
までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータに
おいて、駆動力取出部が、屈曲振動の振幅の腹の位置に
設置されることを特徴とする。
【0034】請求項5の発明は、請求項1から請求項4
までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータに
おいて、駆動力取出部が、球体状に形成されていること
を特徴とする。
【0035】請求項6に発明は、請求項5に記載された
振動アクチュエータにおいて、球体が、窒化珪素により
形成されていることを特徴とする。
【0036】本発明において、「電気機械変換素子」と
は、円環状の弾性体の一方の平面に装着されて電気エネ
ルギーを機械的変位に変換することができる素子をい
い、4枚の四半円環状の電気機械変換素子や、1枚の円
環状の電気機械変換素子とこの電気機械変換素子に貼付
される4枚の四半円環状の電極との組み合わせ等を例示
することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明にかかる振動アクチュエ
ータの実施形態を添付図面を参照しながら、詳細に説明
する。なお、以降の各実施形態の説明は、振動アクチュ
エータとして超音波の振動域を利用する超音波アクチュ
エータを例にとって、行う。
【0038】本実施形態の超音波アクチュエータの構成
が、前述した特願平6−318150号により提案した
振動アクチュエータの構成と相違するのは、電気機械変
換素子の形状と、駆動力取出部の設置位置及び設置数と
である。したがって、本実施形態の説明は、これらの相
違点だけを説明することとし、同一の部分については同
一の図中符号を付すことにより、重複する説明を省略す
る。
【0039】図1は、本実施形態の超音波アクチュエー
タ11の構成を示す斜視図であり、図2は、この超音波
アクチュエータ11を電気機械変換部材非装着面側から
見た平面図である。
【0040】図1及び図2に示すように、本実施形態の
超音波アクチュエータ11は、ステンレス鋼により構成
される円環状の弾性体2と、圧電セラミックスにより構
成され弾性体2の一方の平面に貼付される円環状の圧電
素子3(電気機械変換素子)と、圧電素子3の平面に互
いに離間して貼付される四半円環状の4枚の電極5a,
5b,5c及び5dとを備える。なお、本実施形態で
は、圧電素子3と電極5a〜5dとにより、電気機械変
換素子が構成される。
【0041】本実施形態では、弾性体2の一方の平面に
円環状の圧電素子3を装着し、この圧電素子3の表面に
さらに電極5a〜5dを互いに離間して装着している
が、図8及び図9に示すように、弾性体2の表面に四半
円環状の圧電素子3a〜3dを直接的に装着することに
より電気機械変換素子を構成してもよい。ただし、本実
施形態によれば、圧電素子3の製造コストや装着作業性
の点で有利である。なお、弾性体2は接地される。
【0042】この弾性体2の他方の平面である圧電素子
非装着面には、図2に示すように、弾性体2の中心から
120°交差する3箇所2a,2b及び2cに、駆動力
取出部4−1a,4−1b及び4−1cが形成される。
【0043】これらの駆動力取出部4−1a〜4−1c
は、駆動力取出部4−1aが、弾性体2に生じる屈曲振
動の節直径の発生する位置に対して45°交差する位置
に配置されるように、設置される。また、駆動力取出部
4−1a〜4−1cの設置位置2a〜2cは、弾性体2
の中心から等距離にあって弾性体2に発生する屈曲振動
の腹の位置でもある。
【0044】この駆動力取出部4−1a〜4−1cは、
特願平6−318150号により提案した振動アクチュ
エータ1と同様に、耐摩耗性に優れた窒化珪素からなり
球体状に形成される。本実施形態では、駆動力取出部4
−1a〜4−1cは、弾性体2の設置位置2a〜2cに
接着されて固定される。
【0045】これ以外の構成は、図7及び図8に示す特
願平6−318150号により提案した振動アクチュエ
ータ1と全く同様であり、これ以上の説明は省略する。
【0046】本実施形態における駆動力取出部4−1a
〜4−1cの設置位置2a〜2cは、4分割されて配置
された電極5a〜5dに対し、駆動時に同じ影響を与え
る配置である。すなわち、駆動力取出部4−1a〜4−
1cが120°ずつ等間隔に配置されていることに主に
基づき、駆動時に、弾性体2には、方向が互いに180
°異なる一対の2ベクトルが2組得られる。これら2組
の駆動ベクトル対は、互いに90°交差する位置関係に
なる。このようにして、互いに直交する4つの駆動ベク
トルが、合成ベクトルとして得られる。
【0047】また、本実施形態では、駆動力取出部4−
1aが弾性体2に生じる屈曲振動の節直径の発生する位
置に対して45°交差する位置に配置されることに主に
基づき、各駆動ベクトルの大きさも等しくなる。
【0048】そのため、駆動力取出部4−1a〜4−1
cに作用する駆動ベクトルの和は、図3(a),図3
(b),図3(c)及び図3(d)に示すように、互い
に90°ずつ交差する4方向について同じ大きさとな
る。このように、本実施形態の超音波アクチュエータ1
1は、図3(a)〜図3(d)に示すように、入力電圧
が一定であれば、互いに直交する4方向(W方向,E方
向,N方向及びS方向)へ均等に直線移動することが可
能となる。
【0049】このように、本実施形態の超音波アクチュ
エータ11によれば、弾性体2に発生する屈曲振動(B
21モード又はB21’モード)と拡径及び縮径振動
((R,1)モード)との合成振動の形成により、駆動
力取出部4−1a〜4−1cを介して加圧接触する相対
運動部材との間で相対運動を発生することができる。
【0050】この本実施形態の超音波アクチュエータ1
1によれば、以下に列記する効果が得られる。 (1)本実施形態の超音波アクチュエータ11を、円筒
形のレンズ鏡筒に像振れ補正装置の駆動源として組み込
むと、円環型であるためにレンズ鏡筒との干渉を防止し
ながらちいさな設置スペースで容易に組み込むことがで
きるとともに、装置の大型化を防止しながら光軸に垂直
な平面内におけるX方向,Y方向の2方向に駆動するこ
とができる。
【0051】(2)従来の電磁モータとは異なり、ギヤ
列を必要とせずに駆動対象物を駆動することができる。
そのため、応答性の低下や騒音の発生を解消することが
できる。また、駆動対象物を2方向に駆動させる場合に
も、1個の超音波アクチュエータを設置するだけでよ
く、装置の大型化や重量増を解消することができる。
【0052】(3)弾性体2は、相対運動部材に対して
3点の駆動力取出部4−1a〜4−1cを介して接触す
る。そのため、駆動力取出部4−1a〜4−1cと相対
運動部材とを均等に接触させることが極めて容易とな
る。そのため、本実施形態の振動アクチュエータ11で
は、本来の駆動効率を容易に得ることができる。
【0053】
【実施例】以下、本実施形態の超音波アクチュエータ1
1について、共振特性,直進移動特性及び駆動力特性を
調査した。以下、各調査項目について、調査内容及び測
定結果を示す。
【0054】(共振特性)図1及び図2に示す構造の超
音波アクチュエータ11を製作し、弾性体2に発生する
屈曲振動(B21モード),拡径及び縮径振動((R,
1)モード)それぞれの共振周波数を測定した。
【0055】その結果、それぞれの振動の共振周波数
は、B21モード:35.2(kHz ),(R,1)モー
ド:34.2(kHz )であった。B21モード,(R,
1)モードそれぞれの共振周波数は完全に一致してはい
ないものの、充分に近接した値である。そのため、縮退
して駆動力取出部4−1a〜4−1cに楕円運動を発生
して超音波アクチュエータ11を駆動することが可能で
ある。
【0056】(直進移動特性)34.5(kHz )の周波
数の電圧を駆動電圧として印加したところ、弾性体2は
駆動された。この際の入力電圧をパラメータとして、入
力電圧周期数に対する移動距離を、直進移動特性として
調査した。調査結果を図4にグラフで示す。図4に示す
グラフから、入力電圧を大きくすると、移動距離が略線
型に増加することがわかる。また、この超音波アクチュ
エータ11の分解能は約1.9(μm/period)と測定
された。
【0057】また、弾性体2に錘を搭載することにより
荷重を与えた際の移動距離特性(重量の移動距離に及ぼ
す影響)を測定した。結果を図5にグラフにまとめて示
す。図5に示すグラフから、本実施形態の超音波アクチ
ュエータ11は、負荷する荷重と移動距離との間には線
型の相関があることがわかる。
【0058】(駆動力特性)弾性体2を直線移動させて
いる時の駆動力特性(重量と駆動力との関係)を図6に
グラフで示す。
【0059】図6に示すグラフに示すように、入力電圧
を高くすると駆動力は大きくなるとともに、最大駆動力
が得られる最適荷重も大きくなることがわかる。入力電
圧が20(VP-P )である場合には、最大駆動力は、1
5.3(gf)が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の超音波アクチュエータの構成を
示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の超音波アクチュエータを電気機
械変換素子非装着面側から見た平面図である。
【図3】図3(a),図3(b),図3(c)及び図3
(d)は、第1実施形態の超音波アクチュエータにおけ
る駆動力取出部に作用する駆動ベクトルの和を示す説明
図である。
【図4】第1実施形態の超音波アクチュエータにおける
直進移動特性を示すグラフである。
【図5】第1実施形態の超音波アクチュエータに荷重を
与えた際の直進移動特性を示すグラフである。
【図6】第1実施形態の超音波アクチュエータを直線移
動させている時の駆動力特性を示すグラフである。
【図7】特願平6−318150号により提案した振動
アクチュエータの構造を示す斜視図である。
【図8】特願平6−318150号により提案した振動
アクチュエータを電気機械変換素子非装着面側から見た
平面図である。
【図9】図9(A)は、特願平6−318150号によ
り提案した振動アクチュエータに入力される2相の高周
波電圧A,Bの時間的変化を時間t1 〜時間t9 で示す
説明図であり、図9(B)は、振動アクチュエータの断
面の変形の様子を経時的に示す説明図であり、図9
(C)は、振動アクチュエータの断面の変形の様子を経
時的に示す説明図であり、さらに、図9(D)は、振動
アクチュエータの駆動力取出部に発生する楕円運動の時
間的変化を示す説明図である。
【符号の説明】
2 弾性体 2a,2b,2c 駆動力取出部形成位置 3 圧電素子(電気機械変換素子) 4−1a,4−1b,4−1c 駆動力取出部 5a,5b,5c,5d 電極 11 超音波アクチュエータ(振動アクチュエータ) 21 発振器 22X X方向用移相器 22Y Y方向用移相器 23X X方向用増幅器 23Y Y方向用増幅器 24X X方向用増幅器 24Y Y方向用増幅器 25 切換スイッチ 26a,26b,27a,27b 電極板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円環状に生成された弾性体と,前記弾性
    体に接合された電気機械変換素子と,前記弾性体との間
    で相対運動を行う相対運動部材とを備え、 前記電気機械変換素子の励振により、前記弾性体に、前
    記円環の直径が広がる方向及び縮まる方向に変位する振
    動と、屈曲振動とを発生させることで、前記弾性体と前
    記相対運動部材との間に相対運動を生じさせる振動アク
    チュエータであって、 前記弾性体は、前記相対運動部材と向かい合う面に設け
    られた駆動力取出部を有し、該駆動力取出部において前
    記相対運動部材と加圧された状態で接触するとともに、
    前記駆動力取出部は、前記弾性体の中心から120°交
    差3ヵ所に配置されていることを特徴とする振動アクチ
    ュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記駆動力取出部の一つは、前記弾性体に生じる屈曲振
    動の節直径が発生する位置に対して45°交差する位置
    に設置されることを特徴とする振動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された振動
    アクチュエータにおいて、 前記駆動力取出部は、前記弾性体の中心からの距離が略
    等しい位置に設置されることを特徴とする振動アクチュ
    エータ。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
    項に記載された振動アクチュエータにおいて、 前記駆動力取出部は、前記屈曲振動の振幅の腹の位置に
    設置されることを特徴とする振動アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1
    項に記載された振動アクチュエータにおいて、 前記駆動力取出部は、球体状に形成されていることを特
    徴とする振動アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記球体は、窒化珪素により形成されていることを特徴
    とする振動アクチュエータ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009005560A (ja) * 2007-06-25 2009-01-08 Canon Inc 振動波駆動装置の制御装置、振動波駆動装置の制御方法、及びプログラム
US9263972B2 (en) 2012-04-19 2016-02-16 Canon Kabushiki Kaisha Vibrator, vibration type driving apparatus and manufacturing method of vibrator
CN113224972A (zh) * 2021-04-28 2021-08-06 南京航空航天大学 单定子三自由度球形超声电机及其激励方法

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