JPH09316534A - 低温靭性の優れた溶接性高強度鋼の製造方法 - Google Patents

低温靭性の優れた溶接性高強度鋼の製造方法

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JPH09316534A
JPH09316534A JP13906196A JP13906196A JPH09316534A JP H09316534 A JPH09316534 A JP H09316534A JP 13906196 A JP13906196 A JP 13906196A JP 13906196 A JP13906196 A JP 13906196A JP H09316534 A JPH09316534 A JP H09316534A
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Hitoshi Asahi
均 朝日
Hiroshi Tamehiro
博 為広
Takuya Hara
卓也 原
Yoshio Terada
好男 寺田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 HAZ靱性、現地溶接性の優れた引張強さ9
50MPa以上(API規格X100超)の高強度ライ
ンパイプ用鋼の製造方法。 【解決手段】 低C−高Mn−Ni−Mo−Nb−Ti
−B系の鋼片から、規定された再加熱条件、未再結晶圧
延での圧下率、圧延終了温度、冷却条件で製造する方
法。 【効果】 低温靱性、現地溶接性の優れた超高強度ライ
ンパイプ(X100超)用鋼の製造が可能となった。そ
の結果、パイプラインの安全性が著しく向上すると共
に、パイプラインの施工能率、輸送効率の向上が可能と
なった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は950MPa以上の
引張強さ(TS)を有する低温靭性・溶接性の優れた超
高強度鋼に関するもので、天然ガス・原油輸送用ライン
パイプをはじめ、各種圧力容器、産業機械などの溶接用
鋼材として広く使用できる。
【0002】
【従来の技術】近年、原油・天然ガスを長距離輸送する
パイプラインに使用するラインパイプは、(1)高圧化
による輸送効率の向上や(2)ラインパイプの外径・重
量の低減による現地施工能率の向上のため、ますます高
強度化する傾向にある。これまでに米国石油協会(AP
I)規格でX80(引張強さ620MPa以上)までの
ラインパイプの実用化がされているが、さらに高強度の
ラインパイプに対するニーズが強くなってきた。現在、
超高強度ラインパイプ製造法の研究は、従来のX80ラ
インパイプの製造技術(たとえばNKK技報No.138(199
2),pp24-31 およびThe 7th Offshore Mechanics and A
rctic Engineering(1988) ,Volume V,pp179-185)を基
本に検討されているが、これではせいぜい、X100
(引張強さ760MPa以上)ラインパイプの製造が限
界と考えられる。パイプラインの超高強度化は強度・低
温靭性バランスを始めとして溶接熱影響部(HAZ)靭
性、現地溶接性、継手軟化など多くの問題を抱えてお
り、これらを克服した画期的な超高強度ラインパイプ
(X100超)の早期開発が要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は強度と低温靭
性のバランスが優れ、かつ現地溶接が容易な引張強さ9
50MPa以上(API規格X100超)の超高強度溶
接用鋼の製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、引張強さ
が950MPa以上で、かつ低温靭性・現地溶接性の優
れた超高強度鋼を得るための鋼材の化学成分(組成)と
そのミクロ組織について鋭意研究を行い、新しい超高強
度溶接用鋼の製造方法を発明するに至った。
【0005】すなわち本発明の要旨とするところは、重
量%で、C :0.05〜0.10%、Si:0.6%
以下、Mn:1.7〜2.2%、P :0.015%以
下、S :0.003%以下、Ni:0.1〜1.0
%、Mo:0.15〜0.50%、Nb:0.01〜
0.10%、B :0.0003〜0.0020%、T
i:0.005〜0.030%、Al:0.06%以
下、N :0.001〜0.006%、に必要に応じ
て、さらにV:0.01〜0.10%、Cu:0.1〜
1.0%、Cr:0.1〜0.6%の1種または2種以
上を含有し、或いはさらに加えてCa:0.001〜
0.006、REM:0.001〜0.002%、M
g:0.001〜0.006%の1種または2種以上を
含有し、かつ P=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.4
5(Ni+Cu)+2 Moが2.5≦P≦4.0を満足し、残部が鉄および不
可避的不純物からなる鋼片を、950〜1250℃に再
加熱し、700〜950℃での累積圧下量が50%以上
となるように700℃以上の鋼材温度で圧延した後、1
0℃/秒以上の冷却速度で550℃以下まで冷却するこ
とを特徴とする低温靭性の優れた溶接性高強度鋼の製造
方法。さらに、必要に応じてこの鋼をAc1点以下の温度
で焼戻し処理することを特徴とする低温靭性の優れた溶
接性高強度鋼の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容について詳細
に説明する。本発明の特徴は、(1)Ni−Mo−Nb
−微量B−微量Tiを複合添加した低炭素・高Mn系で
あり、(2)特定の製造条件を選択することで微細なマ
ルテンサイトを主体とした組織を得ることである。従来
より、極低炭素−高Mn−Nb−(Mo)−(Ni)−
微量B−微量Ti鋼は微細なベイナイト主体の組織を有
するラインパイプ用鋼として知られているが、その引張
強さの上限はせいぜい750MPaが限界であった。
【0007】引張強さ950MPa以上の超高強度を達
成するためには、鋼のミクロ組織をマルテンサイト主体
の組織としてフェライトの生成を抑制する必要がある
が、その場合微細な組織としなければ、良好な低温靭性
を確保することができない。すなわち適正な化学成分と
その化学成分で所望のミクロ組織が得られるような製造
方法の組み合わせが重要である。
【0008】まず、以下に本実施例の成分元素を限定し
た理由を述べる。C量は0.05〜0.10%に限定す
る。炭素は鋼の強度向上に極めて有効であり、マルテン
サイト組織において目標とする強度を得るためには、最
低0.05%は必要である。しかし、C量が多すぎると
母材、HAZの低温靭性や現地溶接性の著しい劣化を招
くので、その上限を0.10%とした。さらに、望まし
くは上限値は0.08%が好ましい。
【0009】Siは脱酸や強度向上のために添加する元
素であるが、多く添加するとHAZ靭性、現地溶接性を
著しく劣化させるので、上限を0.6%とした。鋼の脱
酸はAlでもTiでも十分可能であり、Siは必ずしも
添加する必要はない。Mnは本発明鋼のミクロ組織をマ
ルテンサイト主体の組織とし、優れた強度・低温靭性の
バランスを確保する上で不可欠な元素であり、その下限
は1.7%である。しかし、Mnが多すぎると鋼の焼入
れ性が増してHAZ靭性、現地溶接性を劣化させるだけ
でなく、連続鋳造鋼片の中心偏析を助長し、母材の低温
靭性をも劣化させるので上限を2.2%とした。
【0010】Niを添加する目的は低炭素の本発明鋼を
低温靭性や現地溶接性を劣化させることなく向上させる
ためである。Ni添加はMnやCr、Mo添加に比較し
て圧延組織(とくに連続鋳造鋼片の中心偏析帯)、特に
低温靭性に有害な硬化組織を形成することが少ないばか
りか、0.1%以上の微量Ni添加がHAZ靭性の改善
にも有効であることが判明した(HAZ靭性上、とくに
有効なNi添加量は0.3%以上である)。しかし、添
加量が多すぎると、経済性だけでなく、HAZ靭性や現
地溶接性を劣化させるので、その上限を1.0%とし
た。また、Ni添加は連続鋳造時、熱間圧延時における
Cu割れの防止にも有効である。この場合、NiはCu
量の1/3以上添加する必要がある。
【0011】Moを添加する理由は鋼の焼入れ性を向上
させ、目的とするマルテンサイト主体の組織を得るため
である。B添加鋼においてはMoの焼入れ性向上効果が
高まり、後述のP値におけるMoの倍数が非B添加鋼の
1に対してB添加鋼では2となるため、本発明鋼ではM
o添加が特に有効である。また、MoはNbと共存して
制御圧延時にオーステナイトの再結晶を抑制し、オース
テナイト組織の微細化にも効果がある。このような効果
を得るために、Moは最低でも0.15%必要である。
しかし、過剰なMo添加はHAZ靭性、現地溶接性を劣
化させ、さらにBの焼入れ性向上効果を消失せしめるこ
ともあるので、その上限を0.5%とした。
【0012】Bは極微量で鋼の焼入れ性を飛躍的に高
め、目的とするマルテンサイト主体の組織を得るため
に、本発明鋼において必要不可欠の元素である。後述の
P値において1に相当する、すなわち1%Mnに相当す
る効果がある。さらに、BはMoの焼入れ性向上効果を
高めると共に、Nbと共存して相乗的に焼入れ性を増
す。このような効果を得るためには、Bは最低でも0.
0003%必要である。一方、過剰に添加すると、低温
靭性を劣化させるだけでなく、かえってBの焼入れ性向
上効果を消失せしめることもあるので、その上限を0.
0020%とした。
【0013】また、本発明鋼では、必須の元素としてN
b:0.01〜0.10%、Ti:0.005〜0.0
30%を含有する。NbはMoと共存して制御圧延時に
オーステナイトの再結晶を抑制して組織を微細化するだ
けでなく、析出硬化や焼入れ性増大にも寄与し、鋼を強
靭化する。特にNbとBが共存すると焼入れ性向上効果
が相乗的に高まる。しかし、Nb添加量が多すぎると、
HAZ靭性や現地溶接性に悪影響をもたらすので、その
上限を0.1%とした。一方、Ti添加は微細なTiN
を形成し、スラブ再加熱時およびHAZのオーステナイ
ト粒の粗大化を抑制してミクロ組織を微細化し、母材お
よびHAZの低温靭性を改善する。また、Bの焼入れ性
向上効果に有害な固溶NをTiNとして固定する役割も
有する。この目的のために、Ti量は3.4N(各々重
量%)以上添加することが望ましい。また、Al量が少
ない時(たとえば0.005%以下)、Tiは酸化物を
形成し、HAZにおいて粒内フェライト生成核として作
用し、HAZ組織を微細化する効果も有する。このよう
なTiNの効果を発現させるためには、最低0.005
%のTi添加が必要である。しかし、Ti量が多すぎる
と、TiNの粗大化やTiCによる析出硬化が生じ、低
温靭性を劣化させるので、その上限を0.03%に限定
した。
【0014】Alは通常脱酸材として鋼に含まれる元素
で、組織の微細化にも効果を有する。しかし、Al量が
0.06%を越えるとAl系非金属介在物が増加して鋼
の清浄度を害するので、上限を0.06%とした。しか
し、脱酸はTiあるいはSiでも可能であり、Alは必
ずしも添加する必要はない。NはTiNを形成しスラブ
再加熱時およびHAZのオーステナイト粒の粗大化を抑
制して母材、HAZの低温靭性を向上させる。このため
に必要な最小量は0.001%である。しかし、N量が
多すぎるとスラブ表面疵や固溶NによるHAZ靭性の劣
化、Bの焼入れ性向上効果の低下の原因となるので、そ
の上限は0.006%に抑える必要がある。さらに、本
発明では、不純物元素であるP、S量をそれぞれ0.0
15%、0.003%以下とする。この主たる理由は母
材およびHAZの低温靭性をより一層向上させるためで
ある。P量の低減は連続鋳造スラブの中心偏析を軽減す
るとともに、粒界破壊を防止して低温靭性を向上させ
る。また、S量の低減は熱間圧延で延伸化するMnSを
低減して延靭性を向上させる効果がある。
【0015】つぎに、V、Cu、Cr、Ca、REM、
Mgを添加する目的について説明する。基本となる成分
に、更にこれらの元素を添加する主たる目的は、本発明
鋼の優れた特徴を損なうことなく、強度・靭性の一層の
向上や製造可能な鋼材サイズの拡大をはかるためであ
る。したがって、その添加量は自ずから制限されるべき
性質のものである。VはNbとほぼ同様の効果を有する
が、その効果はNbに比較して弱い。しかし、超高強度
鋼におけるV添加の効果は大きく、NbとVの複合添加
は本発明鋼の優れた特徴をさらに顕著なものとする。上
限はHAZ靭性、現地溶接性の点から0.10%まで許
容できるが、特に0.03〜0.08%の添加が望まし
い範囲である。
【0016】Cuは母材、溶接部の強度を増加させる
が、多すぎるとHAZ靭性や現地溶接性を著しく劣化さ
せる。このためCu量の上限は1.0%である。Crは
母材、溶接部の強度を増加させるが、多すぎるとHAZ
靱性や現地溶接性を著しく劣化させる。このためCr量
の上限は0.6%である。
【0017】V、Cu、Cr量の下限0.01%、0.
1%、0.1%はそれぞれの元素添加による材質上の効
果が顕著になる最小量である。CaおよびREMは硫化
物(MnS)の形態を制御し、低温靱性を向上(シャル
ピー試験の吸収エネルギーの増加など)させる。しか
し、Ca量またはREM量が0.001%以下では実用
上効果なく、またCa量が0.006%、REMが0.
02%を超えて添加するとCaO−CaSまたはREM
−CaSが大量に生成して大型クラスター、大型介在物
となり、鋼の清浄度を害するだけでなく、現地溶接性に
も悪影響をおよぼす。このためCa添加量の上限を0.
006%またはREM添加量の条件を0.02%に制限
した。なお超高強度ラインパイプでは、S、O量をそれ
ぞれ0.001%、0.002%以下に低減し、かつE
SSP=(Ca)[1−124(O)]/1.25Sを
0.5≦ESSP≦10.0とすることがとくに有効で
ある。Mgは微細分散した酸化物を形成し、溶接熱影響
部の粒粗大化を抑制して低温靱性を向上させる。0.0
01%未満では靱性向上が見られず、0.006%以上
では粗大酸化物を生成し逆に靱性を劣化させる。
【0018】以上の個々の添加元素の限定に加えて本発
明では、さらにP=2.7C+0.4Si+Mn+0.
8Cr+0.45(Ni+Cu)+2Moを2.5≦P
≦4.0に制限する。これは、目的とする強度・低温靱
性バランスを達成するためである。P値の下限を2.5
としたのは950MPa以上の強度と優れた低温靱性を
得るためである。また、P値の上限を4.0としたのは
優れたHAZ靱性、現地溶接性を維持すためである。
【0019】以上のような化学成分を有していても、微
細なマルテンサイト主体の組織が得られる適正な製造条
件としなければ所望の特性は得られない。微細なマルテ
ンサイト主体の組織を得る原理的な方法は、再結晶粒を
未再結晶温度域で加工し、板厚方向に偏平したオーステ
ナイト粒とし、これをマルテンサイト臨界冷却速度以上
の冷却速度で冷却することである。
【0020】本発明では鋼片を950〜1250℃に再
加熱し、700〜950℃での累積圧下量が50%以上
となるように700℃以上の鋼材温度で圧延した後、1
0℃以上の冷却速度で550℃以下まで冷却する。また
必要に応じてAc1変態点以下の温度で焼戻しを行う。以
下に製造条件の限定理由について述べる。
【0021】まず鋼片の再加熱温度の限定理由について
述べる。950℃未満では元素の固溶が十分ではなく、
所望の特性が得られず、また圧延温度の確保が困難にな
る。一方、1250℃超にするとオーステナイト結晶粒
の粗大化が著しく、その後の圧延でも結晶粒の微細化が
困難となる。従って、再加熱温度は950〜1250℃
とした。再加熱された鋼片は通常、950℃以下の制御
圧延に適した厚さまで粗圧延する。この時、1050℃
以上の加熱温度を選択した場合には結晶粒が大きくなっ
ているため、再加熱粒が再結晶して再加熱粒よりも微細
となる条件で圧延することが望ましい。
【0022】次に、圧延条件の限定理由について述べ
る。微細な組織とするためには再結晶が起こらない条件
での大きな加工が必要である。本発明鋼の如きNbを
0.01%以上含有し、さらにMoを含有する鋼の未再
結晶温度は950℃以下であり、組織を微細化するため
には950℃以下で50%以上の圧下が必要である。ま
た、加工はフェライトが生成しない700℃以上で終了
する必要がある。良好な低温靱性を得るためには圧延終
了温度は800℃以下にすることがさらに好ましい。所
望のマルテンサイトを主体とする組織を得るためには圧
延後10℃/sec以上の冷却速度で、ほぼマルテンサ
イト変態が終了する550℃以下の温度まで冷却する必
要がある。10℃/secは合金量が少なくPの値が
2.5に近い材料のマルテンサイト変態臨界冷却速度に
相当し、この冷却速度は容易に達成できるので、これを
最小値とした。冷却速度が早くなっても臨界冷却速度以
上ではわずかに特性改善の方向であり、鋼材の熱伝導に
より冷却速度の上限が決まるため上限値は特に限定しな
い。この時、冷却停止温度を550〜350℃に制御す
ると変態後の複熱により次に述べる焼戻し処理を施した
場合と同様な効果を得ることができる。
【0023】さらに必要に応じて、前記の方法で製造し
た鋼をAc1変態点以下の温度で焼戻してもよい。焼戻し
処理によって延靱性は適度に回復する。焼戻し処理はミ
クロ組織分率そのものを変えず、本発明の優れた特徴を
損なうものでなく、溶接熱影響部の軟化幅を狭める効果
も有する。
【0024】
【実施例】つぎに本発明の実施例について述べる。実験
室溶解(50kg、100mm厚鋼塊)または転炉−連
続鋳造法(240mm厚)で種々の鋼成分の鋳片を製造
した。これらの鋳片を種々の条件で厚みが15〜25m
mの鋼板に圧延し、場合によっては焼戻し処理を行い諸
性質、ミクロ組織を調査した。鋼板の機械的性質(降伏
強さ:YS、引張強さ:TS、シャルピー試験の−40
℃での吸収エネルギー:vE−40と50%破面遷移温
度:vTrs)は圧延と直角方向で調査した。HAZ靱
性(シャルピー試験の−40℃での吸収エネルギー:v
E−40)は再現熱サイクル装置で再現したHAZで評
価した(最高加熱温度:1400℃、800〜500℃
の冷却時間[Δt800−500]:25秒)。また現
地溶接性はYスリット溶接割れ試験(JIS G315
8)においてHAZの低温割れ防止に必要な最低予熱温
度で評価した(溶接方法:ガスメタルアーク溶接、溶接
棒:引張強さ100MPa、入熱:0.3kJ/mm、
溶着金属の水素量:3cc/100g金属)。
【0025】実施例を表1および2に示す。本発明法に
従って製造した鋼板は優れた強度・低温靱性バランス、
HAZ靱性および現地溶接性を示す。これに対して比較
鋼は化学成分またはミクロ組織が不適切なため、いずれ
かの特性が著しく劣ることが明らかである。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明により、低温靱性、現地溶接性の
優れた超強度ラインパテプ(引張強さ950MPa以
上、API規格X100超)用鋼が安定して大量に製造
できるようになった。その結果、パイプラインの安全性
が著しく向上するとともに、パイプラインの輸送効率、
施工能率の飛躍的な向上が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 好男 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.05〜0.10%、 Si:0.6%以下、 Mn:1.7〜2.2%、 P :0.015%以下、 S :0.003%以下、 Ni:0.1〜1.0%、 Mo:0.15〜0.50%、 Nb:0.01〜0.10%、 B :0.0003〜0.0020%、 Ti:0.005〜0.030%、 Al:0.06%以下、 N :0.001〜0.006% を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、下
    記式で定義されるP値が2.5以上、4.0以下の範囲
    にある鋼片を950〜1250℃に再加熱し、700〜
    950℃の温度での累積圧下量が50%以上となるよう
    に700℃以上の鋼材温度で圧延した後、10℃/秒以
    上の冷却速度で550℃以下まで冷却することを特徴と
    する低温靭性の優れた溶接性高強度鋼の製造方法。 P=2.7 C+0.4 Si+Mn+0.8 Cr+0.45(Ni+
    Cu)+2Mo
  2. 【請求項2】 請求項1の鋼成分に加えてさらに、重量
    %で、 V :0.01〜0.10% Cu:0.1〜1.0% Cr:0.1〜0.6% の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
    項1記載の低温靭性の優れた溶接性高強度鋼の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の成分に加えてさ
    らに、重量%で、 Ca :0.001〜0.006%、 REM:0.001〜0.02%、 Mg :0.001〜0.006%、 の1種または2種以上を含有することを特徴とする低温
    靭性の優れた溶接性高強度鋼の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2或いは3の方法で製造した
    鋼を、さらにAc1変態点以下の温度で焼戻すことを特徴
    とする低温靭性の優れた溶接性高強度鋼の製造方法。
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