JPH0931583A - 耐食性に優れた高強度アルミニウム合金およびその成形体 - Google Patents

耐食性に優れた高強度アルミニウム合金およびその成形体

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JPH0931583A
JPH0931583A JP20525795A JP20525795A JPH0931583A JP H0931583 A JPH0931583 A JP H0931583A JP 20525795 A JP20525795 A JP 20525795A JP 20525795 A JP20525795 A JP 20525795A JP H0931583 A JPH0931583 A JP H0931583A
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JP
Japan
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corrosion resistance
aluminum alloy
alloy
strength
intermetallic compound
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JP20525795A
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Yoshimasa Okubo
喜正 大久保
Naoki Tokizane
直樹 時実
Kazuhisa Shibue
和久 渋江
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 Mg:5.0〜10.0wt%を含有し、且つCr、F
eのうちの1種または2種を合計量で1.0 〜5.0wt %含
有し、さらにMn、Zr、Vのうちの1種または2種以
上を合計量で0.2 〜3.0wt %含み、残部Alおよび不可
避的不純物からなる組成を有し、マトリックス中に分散
する金属間化合物の平均粒径が5 μm 以下である。急冷
凝固アルミニウム合金の成形体とするのが好ましい。 【効果】 耐食性が良好で粒界腐食がなく、強度、靭
性、加工性に優れたAl−Mg系合金が提供され、当該
合金は、船舶、航空機などの構造部材として有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性に優れた高
強度アルミニウム合金、とくに船舶、航空機その他の構
造材として好適な耐食性に優れた高強度アルミニウム合
金およびその成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】Mgを必須成分として含有するAl−M
g系合金は、一般に、耐食性、成形性に優れ、さらに適
度の強度をそなえているため、種々の用途に広く使用さ
れているが、海水その他の腐食性雰囲気で長時間使用さ
れた場合、結晶粒界に沿って腐食孔が発生し、内部に進
行することが経験されている。
【0003】とくに、環境温度が数十℃以上の場合、腐
食孔の発生、進行が顕著となる傾向があり、このため、
Al−Mg系合金は、船舶、航空機などの構造部材とし
て十分な信頼が得られていない。腐食孔は粒界に析出す
るβ相(Al8 Mg5)が優先的に溶解することに起因す
るものとされており、合金成分の組合わせによりβ相の
析出をなくして耐食性を向上させたAl−Mg系材料の
開発も試みられているが、十分な耐食性を有する材料は
開発されていない。一方、Al−Mg系合金の製造方法
の改良に基づいて、結晶粒界へのβ相の析出を軽減して
腐食孔の発生を防止しようとすることも試みられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Al−Mg
系合金において、粒界に沿った腐食孔の生じない材料を
開発するために、粒界へのβ相の析出と合金成分の組合
わせおよび合金材の製造方式との関連性について多角的
に実験、検討した結果としてなされたものであり、その
目的は、粒界へのβ相の析出を軽減して腐食孔の発生を
抑制し、耐食性を向上させた高強度Al−Mg系合金お
よびその成形体を製造することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による耐食性に優れた高強度アルミニウム合
金は、Mg:5.0〜10.0%を含有し、且つCr、Feのう
ちの1種または2種を合計量で1.0 〜5.0 %含有し、さ
らにMn、Zr、Vのうちの1種または2種以上を合計
量で0.2 〜3.0 %含み、残部Alおよび不可避的不純物
からなる組成を有し、マトリックス中に分散する金属間
化合物の平均粒径が5 μm 以下であることを構成上の特
徴とする。
【0006】本発明による耐食性に優れた高強度アルミ
ニウム合金成形体は、上記組成を有する急冷凝固アルミ
ニウム合金の成形体であって、成形体のマトリックス中
に分散する金属間化合物の平均粒径が5 μm 以下である
ことを特徴とする。
【0007】本発明は、上記のように、Mg:5.0〜10.0
%を含有するAl−Mg合金に、合金成分としてCrお
よび/またはFeを多量に含有させ、好ましくは粉末成
形による製造プロセスを組合わせ、結晶粒内および結晶
粒界に特定サイズの均一微細な金属間化合物を分散させ
ることによって、優れた耐食性と強度を付与することを
特徴とするものである。
【0008】本発明における合金成分の意義および限定
範囲について説明すると、Mgは、Crと共存してAl
−Mg−Cr系の金属間化合物を形成し、当該化合物を
微細に分散させることにより合金の耐蝕性を高めるとと
もに強度を向上させる。またMgの一部は合金マトリッ
クス中に固溶して強度向上に機能する。Mgの好ましい
含有範囲は5.0 〜10.0%であり、5.0 %未満ではその効
果が小さく、10.0%を越えて含有すると、加工性が低下
するとともに応力腐食割れが生じ易くなる。さらに好ま
しいMgの含有範囲は5.0 〜7.0 %である。
【0009】CrはMgと共存してAl−Mg−Cr系
金属間化合物を形成し、またFeはAl−Fe系の金属
間化合物を形成し、ともに耐食性および強度の向上に寄
与する。Cr、Feは単独または組合わせて含有させ
る。含有量は、合計量で1.0 〜5.0 %の範囲が好まし
く、合計含有量が1.0 %未満ではその効果が十分でな
く、5.0 %を越えると、合金の加工性および靭性が低下
する。さらに好ましいCrおよび/またはFeの含有量
は、合計量で2.0 〜4.0 %の範囲である。
【0010】Mn、Zr、Vは、合金材の耐食性を変化
させずに強度を向上させる機能を有するもので、これら
のうちの1種または2種以上を含有させる。好ましい含
有量は合計量で0.2 〜3.0 %の範囲であり、0.2 %未満
ではその効果が不十分であり、3.0 %を越えると、加工
性および靭性が低下する。また融点が高くなり、とくに
高Mg合金の場合、溶解作業が困難となる。なお、溶湯
酸化防止のために、5ppm以下のBeを添加しても、本発
明のアルミニウム合金材の特性に影響を与えることはな
い。
【0011】本発明の合金マトリックス中に形成、分散
される金属間化合物は、合金の耐食性および強度特性を
向上させ、加工性、靭性を高める。マトリックス中に分
散する金属間化合物の平均粒径は5 μm 以下が好まし
く、平均粒径が5 μm を越えると上記の性能が低下する
傾向がある。さらに好ましい分散粒径は3 μm 以下の範
囲である。
【0012】本発明のアルミニウム合金は、上記合金成
分の特定の組合わせにより、β相(Al8 Mg5 )の粒
界析出を軽減して腐食孔の形成を防止し、生成、分散す
るAl−Mg−Cr系、Al−Fe系などの金属間化合
物を特定された平均粒径の範囲で微細に分散させるこよ
により、耐食性を高めるものであり、通常の鋳造法によ
る鋳塊から、加工条件や熱処理条件などを調整すること
によって合金材を製造する(IM法)ことも可能である
が、耐食性と強度に優れた合金材を確実に得るために
は、以下に述べるように急冷凝固粉末を固化成形する粉
末冶金法(PM法)、スプレーフォーミングのような急
冷凝固プロセスにより得た急冷凝固材を成形する方法
(SF法)によって、急冷凝固アルミニウム合金の成形
体とするのが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態につい
て説明すると、前記組成を有するアルミニウム合金を溶
解し、溶湯をエアあるいは不活性ガスでアトマイズして
微細な急冷凝固粉末を作製し、脱ガス、およびホットプ
レスまたは熱間押出を行い、さらに必要に応じて二次加
工を経て急冷凝固粉末成形体とする。なお、脱ガスは、
粉末表面に吸着している水分やガスを除去するための処
理で、通常、粉末を缶に充填し、400 〜500 ℃の高温で
真空排気することにより行われる。
【0014】スプレーフォーミング法(SF法)はオス
プレイ法ともいわれるもので、スプレーフォーミング法
による合金材の製造は、前記組成のアルミニウム合金を
溶解し、溶湯を、通常、不活性ガスでアトマイズし、半
凝固状態のうちにサブストレート上に堆積させて急冷凝
固プリフォームを作製し、これを押出、圧延あるいは鍛
造し、さらに必要に応じて二次加工することによって成
形体を得る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。 実施例1 表1に示す組成のアルミニウム合金を溶解し、エアアト
マイズ法により急冷凝固粉末を作製し、得られた粉末を
300 μm 以下に分級して、これをアルミニウム缶に充填
し、490 ℃で1h脱ガス処理を行って封缶し、直径6 イン
チのビレットとしたのち、420 ℃の温度で20mm×40mmの
矩形断面に熱間押出加工( 押出比25、押出速度6m/min.)
して試験材を得た。
【0016】得られた試験材について、金属間化合物の
平均粒径、常温および150 ℃の温度での引張性能を測定
し、靭性評価としてシャルピー衝撃試験( Vノッチ試験
片使用)、耐食性評価として試験期間30日の塩水噴霧試
験(JIS Z 2371 に準拠するもので試験面は30mm×50mm)
を行い、塩水噴霧試験については、試験後の腐食による
質量変化( 腐食生成物除去後) および最大腐食孔深さを
測定した。結果を表2に示す。
【0017】表2に示すように、本発明に従う試験材N
o.1〜2 は、常温での耐力が300MPaを越え、150 ℃での
耐力が250MPaを越える優れた強度特性、衝撃値が6 J/cm
2 を越える優れた靭性をそなえ、塩水噴霧試験において
も、質量変化が1.5mg 以下、最大腐食孔深さ0.2mm 以下
の優れた耐食性を示した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】実施例2 表3に示す組成のアルミニウム合金を溶解し、アトマイ
ズガスとして窒素ガスを用い、回転するサブストレート
上に溶湯の液滴を堆積させるスプレーフォーミング法に
より直径6 インチのビレットを作製した。このビレット
を実施例1と同じ条件で熱間押出加工して試験材とし、
実施例1と同一の方法により、各試験材について、金属
間化合物の平均粒径、常温および高温の引張性質を測定
し、シャルピー衝撃試験、塩水噴霧試験を行った。結果
を表4に示す。表4にみられるように、本発明に従う試
験材No.3〜7 は、実施例1の試験材と同様の優れた強度
特性、靭性および耐食性を示した。
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】比較例1 表5に示す組成のアルミニウム合金を溶解し、試験材N
o.8〜10については、実施例2と同一の条件でスプレー
フォーミングして直径6 インチのビレットを作製したの
ち、実施例1と同じ条件で熱間押出を行い、試験材No.1
1 〜12については、通常のDC鋳造により直径6 インチ
のビレットを作製したのち、このビレットを実施例1と
同一の条件で熱間押出加工し、試験材を得た。
【0024】これらの試験材について、実施例と同じ方
法で、各試験材のマトリック中に分散する金属間化合物
の平均粒径、常温および高温の機械的性質を測定し、シ
ャルピー衝撃試験、塩水噴霧試験を行って、シャルピー
衝撃値、腐食による質量変化、最大腐食孔深さを測定し
た。測定結果を表6に示す。なお、試験材No.11 は、従
来の5083合金である。また、表5〜6において、本発明
の条件を外れたものには下線を付した。
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】表6に示すように、試験材No.8は、Cr含
有量が多過ぎるため、伸びが低く加工性が劣り、靭性も
不十分である。試験材No.9はMgおよびCrの含有量が
低いため、耐食性および強度が劣る。試験材No.10 はZ
rとVの合計量が多過ぎるため、伸びとシャルピー衝撃
値が低く、加工性および靭性が劣る。試験材No.11 は従
来の5083合金で、MgおよびCrの含有量が低過ぎるた
め、耐食性および強度が劣る。試験材No.12 は金属間化
合物の粒径が大きく、金属間化合物が粒内および粒界に
粗大に析出するため、強度、耐食性が劣り、伸びも低く
加工性も不十分である。
【0028】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、耐食性
が良好で粒界腐食がなく、強度、靭性および加工性に優
れたAl−Mg系合金およびその成形体が提供され、当
該成形体は、船舶、航空機などの構造部材として有用で
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mg:5.0〜10.0%(重量%、以下同じ)
    を含有し、且つCr、Feのうちの1種または2種を合
    計量で1.0 〜5.0 %含有し、さらにMn、Zr、Vのう
    ちの1種または2種以上を合計量で0.2 〜3.0 %含み、
    残部Alおよび不可避的不純物からなる組成を有し、マ
    トリックス中に分散する金属間化合物の平均粒径が5 μ
    m 以下であることを特徴とする耐食性に優れた高強度ア
    ルミニウム合金。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組成を有する急冷凝固ア
    ルミニウム合金の成形体であって、マトリックス中に分
    散する金属間化合物の平均粒径が5 μm 以下であること
    を特徴とする耐食性に優れた高強度アルミニウム合金成
    形体。
JP20525795A 1995-07-19 1995-07-19 耐食性に優れた高強度アルミニウム合金およびその成形体 Pending JPH0931583A (ja)

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