JPH09314421A - 放電加工による曲がり穴加工方法及びその装置 - Google Patents

放電加工による曲がり穴加工方法及びその装置

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JPH09314421A
JPH09314421A JP13677296A JP13677296A JPH09314421A JP H09314421 A JPH09314421 A JP H09314421A JP 13677296 A JP13677296 A JP 13677296A JP 13677296 A JP13677296 A JP 13677296A JP H09314421 A JPH09314421 A JP H09314421A
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electrode
machining
tube
workpiece
hole
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JP13677296A
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Inventor
Akinobu Takeuchi
昭伸 竹内
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲がり穴wrを加工する部分を小型化して、
小径の曲がり穴wrを高精度で加工する。 【解決手段】 本発明に係る放電加工による曲がり穴加
工方法は、電極32と被加工物wとの間の放電を利用し
てその被加工物wに曲がり穴wrを加工する方法におい
て、曲がり穴wrに倣って曲がるチューブ34の先端に
電極32を揺動自在に吊設し、被加工物wを予め決めら
れた方向に傾斜させ、そのチューブ34を送ることによ
り電極32を重力方向に進行させて被加工物wの加工面
に当接させ、間隔調整手段によりその電極32と加工面
との間隔を放電可能な間隔に調整することを特徴とす
る。このため、電極32を三次元的に移動させるための
関節機構が必要なくなり、曲がり穴wrを形成する部位
の小型化が可能になる。また、電極32は常に重力方向
に進行するためにその電極32の先端位置を正確に把握
することができ、曲がり穴wrの加工精度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極と被加工物と
の間の放電を利用してその被加工物に曲がり穴を加工す
る方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】これに関する従来の曲がり穴加工装置が
電気加工技術Vol.12 No.38 1988 に記載されており、そ
の概略図が図7に示されている。前記曲がり穴加工装置
1は、図7(A)に示されるように、円筒形の複数の関
節片をユニバーサルジョイント状に連結した関節機構2
を備えており、その関節機構2の先端に放電加工用の電
極3が装着されている。被加工物wに曲がり穴wrを加
工する場合には、図7(B)に示されるように、その関
節機構2を遠隔操作して穴の加工形状に合わせて電極3
を移動させながら放電加工を行う。これによって、被加
工物wに三次元的な曲がり穴wrを加工することが可能
となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記曲
がり穴加工装置1は複雑な関節機構2を備えているため
に装置の小型化が困難であり加工できる曲がり穴の径が
限られてしまうという問題がある。また、曲がり穴の形
状によっては関節機構2の途中部分が捻じれるため、関
節機構2の動きが硬くなり、前記電極3の先端位置や向
きを高精度で把握できなくなる。本発明の技術的課題
は、関節機構を使用しなくても電極を被加工物に対して
三次元的に移動できるようにすることにより、装置の電
極支持部分の小型化を図り、小径の曲がり穴でも高精度
で加工できるようにするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、以下の
特徴を有する放電加工による曲がり穴加工方法によって
解決される。即ち、請求項1に記載の発明は、電極と被
加工物との間の放電を利用してその被加工物に曲がり穴
を加工する方法において、前記曲がり穴に倣って曲がる
チューブの先端に前記電極を揺動自在に吊設し、被加工
物を予め決められた方向に傾斜させ、そのチューブを送
ることにより前記電極を重力方向に進行させ、間隔調整
手段によりその電極と加工面との間隔を放電可能な間隔
に調整することを特徴とする。即ち、被加工物を傾斜さ
せながら電極を常に重力方向に進行させて放電加工を行
う方法のため、前記電極を三次元的に移動させるための
関節機構が必要なくなり、曲がり穴を形成する部位の小
型化が可能になる。したがって、小径の曲がり穴を形成
することができる。また、前記電極は常に重力方向に進
行するためにその電極の先端位置及び方向を正確に把握
することができ、曲がり穴の加工精度が向上する。
【0005】また、請求項2に記載の発明は、電極と被
加工物との間の放電を利用してその被加工物に曲がり穴
を加工する装置において、前記曲がり穴に倣って曲がる
チューブと、前記チューブを前記曲がり穴に送り込むチ
ューブ送り手段と、前記チューブの先端に揺動自在に吊
設された電極と、被加工物の傾きを調整する傾き調整手
段と、前記電極と被加工物の加工面との間隔を放電可能
な間隔に調整する間隔調整手段と、を有している。した
がって、この曲がり穴加工装置により請求項1に記載の
発明を実施できるようになる。
【0006】また、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載された放電加工による曲がり穴加工装置におい
て、間隔調整機構は、チューブの先端位置に形成された
噴出口から噴出される加工液の量と、同じくチューブの
先端位置で電極の背面に対向して形成された吸入口から
吸入される加工液の量とを調節することにより、前記電
極と被加工物の加工面との間隔を調整することを特徴と
する。このため、前記チューブの先端に機械的な電極位
置決め機構を設ける必要がなくなり、構造が簡単になる
とともに装置がコンパクト化する。
【0007】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕以下、図1〜図7に基づいて、本
発明の一の実施の形態に係る放電加工による曲がり穴加
工方法及びその装置について説明する。ここで、図1は
本実施の形態に係る放電加工による曲がり穴加工装置の
全体模式図、図2は図1のII部詳細図である。また、図
3は放電加工による曲がり穴加工方法を表す側面図、図
4は放電加工による曲がり穴加工方法を表すフローチャ
ート、図5は加工しようとする曲がり穴の中心線の形状
を表す模式図である。なお、図1において左右方向をX
軸方向、紙面に直角方向をY軸方向、高さ方向をZ軸方
向として以下の説明を行う。
【0008】前記曲がり穴加工装置10は、電極32と
被加工物wとの間の放電を利用してその被加工物wに曲
がり穴wrを加工する装置であり、放電加工用の電力を
供給する電力供給装置11と、曲がり穴の形状、電極の
位置に応じて被加工物wの傾きを調整する傾き調整装置
20と、前記電極32の先端位置を制御する電極位置制
御装置30とから構成されている。電力供給装置11
は、放電加工を監視制御する主制御盤14と、その主制
御盤14からの信号に基づいて電極32に電力を供給す
る電力供給盤16を備えており、前記電力供給盤16と
電極32及びその電力供給盤16と被加工物wとが電流
供給コード14kによって接続されている。そして、前
記電極32と被加工物wの加工面との間隔が所定の範囲
内にあるときに、両者32,w間で放電が行われ、被加
工物wの加工面が放電加工される。
【0009】傾き調節装置20は、前述のように、被加
工物wの傾きを調整する装置であり、ベース22上にY
軸方向に固定された一対の軸受け架台23を備えてい
る。前記軸受け架台23は外部リング架台24をY軸回
りに回動可能に支持する架台であり、その軸受け架台2
3の軸受け孔23kに対し前記外部リング架台24の外
周面に半径方向に固定された一対のピン24pが挿通さ
れている。前記外部リング架台24は同軸に位置決めさ
れた内部リング架台25(図中 点線部分参照)をY軸
に直交する軸回り回動可能に支持する架台であり、前記
ピン24pの位置から90°回転した位置に一対の軸受け
孔24kを備えている。そして、その軸受け孔24kに
対し前記内部リング架台25の外周面に半径方向に固定
された一対のピン25pが挿通されている。
【0010】前記内部リング架台25は被加工物wを支
持する架台であり、その内側には被加工物wを把持する
ための把持機構(図示されていない)が装着されてい
る。この構造により、前記内部リング架台25に把持さ
れた被加工物wをY軸回りに、あるいはY軸と直交する
軸回りに傾けることができるようになる。また、前記ベ
ース22には外部リング架台24をY軸回りに回動させ
るための第1サーボモータ26が設置されており、前記
外部リング架台24には内部リング架台25をY軸と直
交する軸回りに回動させるための第2サーボモータ27
が設置されている。そして、前記第1サーボモータ26
及び第2サーボモータ27が傾き制御盤50からの信号
に基づいて制御されるようになっている。前記傾き制御
盤50は曲がり穴wrの形状データに基づいて前記第1
サーボモータ26等を制御するとともに、後記するチュ
ーブ34及び電極32の送り量を制御する。
【0011】前記電極位置制御装置30は、曲がり穴w
rに挿入されて加工位置まで電極32を送るチューブ3
4と、そのチューブ34を曲がり穴wrに送り込むチュ
ーブ送り機構36と、加工部位に加工液を供給するとと
もに電極32と加工面との間隔を調整する加工液供給機
構38とから構成されている。前記チューブ34は曲が
り穴wrに倣って曲がることができる可撓性を有してお
り、そのチューブ34の軸心部分に電極32に電流を供
給する電流供給コード14kが位置決めされている。こ
こで、前記電流供給コード14kはチューブ34の先端
部分でのみ拘束されており、その他の部分では拘束され
ていない。このため、前記電流供給コード14kがチュ
ーブ34の曲がりを妨げることがない。
【0012】さらに、前記チューブ34の内部には、図
2(A)に示されるように、放電加工部位に加工液を供
給するための供給通路34aと、曲がり穴wrから加工
液を回収するための回収通路34bとが形成されてい
る。そして、その回収通路34bの開口34dが、図2
(B)に示されるように、前記チューブ34の先端中央
部分に放射状に配置されている。また、前記供給通路3
4aの開口34cが前記回収通路34bの開口34dの
周囲に配置されている。このため、加工液は外周部から
中心部へ向かって流れるようになる。
【0013】さらに、前記チューブ34の先端中央に
は、電流供給コード14kの先端に接続されたフランジ
状のフック34f(図2参照)がユニバーサルジョイン
トUにより揺動自在に連結されており、このフック34
fに電極32が吊設されている。また、チューブ34の
先端部外周には曲がり穴wrの内径にほぼ等しい外径を
有する内径保証リング34rが固定されている。このた
め、前記電極32が消耗して加工された曲がり穴wrの
内径が小さくなると、前記チューブ34はその曲がり穴
wrに進入できなくなり、放電加工は中止される。
【0014】前記電極32は短円柱の先端が球状に加工
されており、その材料として消耗し難い銅タングステン
等が使用されている。また、電極32の上面(背面)中
央には、チューブ34に連結されたフック34fと係合
する係合部材32kが固定されている。前記係合部材3
2kは筒体32tの上端にリング状の段差32rを備え
ており、その段差32rがフランジ状のフック34fと
係合するようになっている。このため、図2に示される
ように、前記チューブ34が立てられた状態で電極32
に上方向の力が加わらなければ、電極32の重量でフッ
ク34fと段差32rとが当接するようになり、チュー
ブ34の先端面と電極32の上面とが最も離れてその値
が寸法dに保持される。逆に、前記電極32に対して上
方向の力が加わると、その電極32はこの位置から筒体
32tの高さ分だけ上方に変位できるようになる。
【0015】前記チューブ送り機構36は、図1に示さ
れるように、被加工物wの上面wuに取付けられる門型
架台36mを備えており、その門型架台36mの両支柱
にチューブ34をその支柱に沿って送るための送りロー
ラ36rが装着されている。前記ローラ36rは送りサ
ーボモータ(図示されていない)によって駆動され、そ
の送りサーボモータが前記傾き制御盤50からの信号に
基づいて制御される。また、前記門型架台36mの天井
部には前記電流供給コード14kの送り込み量を検出す
るための送り検出センサー36sが装着されている。前
記送り検出センサー36sからの検出信号は前記傾き制
御盤50に入力される。ここで、電流供給コード14k
は、前述のように、チューブ34の先端部でのみ拘束さ
れているために、そのチューブ34の捻じれ等の影響を
受けず、チューブ34の送り込み量を正確に把握できる
ようになっている。
【0016】前記チューブ34の基端部には加工液供給
装置38の供給パイプ38aと回収パイプ38bとが接
続されるようになっている。前記供給パイプ38aはチ
ューブ34の供給通路34aと加工液槽38tとを接続
するパイプであり、その途中には加工液の供給量、即
ち、供給通路34aの開口34cからの加工液の噴出量
を調節するための第1調節機構38eが装着されてい
る。また、前記回収パイプ38bはチューブ34の回収
通路34bと加工液槽38tとを接続するパイプであ
り、その途中には加工液の回収量、即ち、回収通路34
bの開口34dからの加工液の吸入量を調節するための
第2調節機構38fが装着されている。前記第1調節機
構38eと第2調節機構38fは前記主制御盤14から
の制御信号に基づいて駆動される。
【0017】前記電極32が、図3(A)に示されるよ
うに、曲がり穴wrに収納されている状態で、加工液の
流量が第1調節機構38e、第2調節機構38fにより
吸入量≫噴出量に調整されると、前記電極32はチュー
ブ34の先端に吸引されて図2(A)の一点鎖線の位置
(上限ロック位置)まで上昇する。逆に、加工液の流量
が吸入量≪噴出量に調整されると、電極32は加工液に
押圧されて図2(A)の実線の位置(下限位置)まで下
降する。また、加工液の流量が吸入量=噴出量に調整さ
れると、電極32は加工液に押圧力や吸引力を受けずに
自重で加工液中を下降する。さらに、吸入量と噴出量を
調節しながら電極32に対する押圧力や吸引力を調整す
ることにより、電極32を下限位置と上限位置との間で
昇降させてその電極32と被加工物wの加工面との間隔
を調整できるようになる。即ち、前記供給パイプ38
a、回収パイプ38bや第1調節機構38e、第2調節
機構38f及び主制御盤14が本発明の間隔調整手段と
して機能する。
【0018】次に、本実施の形態に係る曲がり穴加工方
法について図3及び図4、図5に基づいて説明する。先
ず、被加工物wが傾き調節装置20の内部リング架台2
5にセットされ、その被加工物wの上面wuの所定位置
にチューブ送り機構36の門型架台36mが固定され
る。ここで、図3(A)〜(C)に示されるように、縦
に穴加工をする場合には、傾き制御盤50により第1サ
ーボモータ26及び第2サーボモータ27が駆動されて
被加工物wは縦に位置決めされる。次に、主制御盤14
からの信号に基づいて電力供給盤16が制御され、電極
32と被加工物wとの間に所定のパルス電圧が印加され
る(図4 ステップ101)。さらに、主制御盤14に
より第1調節機構38e、第2調節機構38fが制御さ
れて加工液が噴出量≪吸入量となるように調整され、電
極32がチューブ34の先端面に吸引されて上限ロック
位置まで上昇する(ステップ102,103)。
【0019】次に、加工液が噴出量=吸入量となるよう
に調整されることにより、電極32が自然に下降する
(ステップ104、105)。そして、前記電極32が
下降する過程でその電極32と被加工物wとの間に電流
が流れるか否かが判定される(ステップ106)。電流
が流れない場合には、電極32と被加工物wとの間隔が
離れすぎていることが考えられるため、その電極32の
球体部分の中心(以下、先端中心という)が指令位置に
あるか否かが判定される(ステップ107)。そして、
前記電極32の先端中心が指令位置になければ、前記チ
ューブ34が送りローラ36rによって一定量だけ送り
込まれる(ステップ108 図3(A)参照)。これに
よって、被加工物wの加工面に電極32が当接するよう
になる。
【0020】そして、再びステップ102〜ステップ1
06までの処理が実行されて、電極32と被加工物wと
の間で電流が流れると(ステップ106 YES )、無負
荷電圧印加時間が基準時間より短いか否かが判定される
(ステップ109)。無負荷電圧印加時間が基準時間よ
り短い場合には、電極32と被加工物wの加工面との間
隔が狭いため、加工液が吸入量>噴出量に調整される
(ステップ110)。これによって、前記電極32がチ
ューブ34の先端面に吸引されて上方に変位し、その電
極32と被加工物wの加工面との間隔が広くなる。ま
た、無負荷電圧印加時間が基準時間より長い場合には、
電極32と被加工物wの加工面との間隔が広いため、加
工液が吸入量<噴出量に調整される(ステップ11
2)。これによって、電極32がチューブ34の先端面
から離れ、その電極32が被加工物wの加工面に接近す
るようになる。即ち、前記電極32と被加工物wの加工
面との間隔が適正値に保持されるようになり、放電加工
が良好に行われる(図3(B)参照)。
【0021】このように前記電極32と被加工物wの加
工面との間隔が適正値に保持されるため、放電加工が行
われて被加工物wの加工面が徐々に削られると、これに
伴って前記電極32も徐々に下降するようになる。そし
て、前記電極32がチューブ34の先端面から最も離れ
た位置、即ち、先端面から寸法dの下限位置まで到達
し、その電極32と被加工物wの加工面との間隔が放電
可能な間隔よりも広くなると自動的に放電が停止する
(図3(C)参照)。ステップ114で、電極32と被
加工物wとの間で電流が流れないと判定されると、再び
ステップ102〜ステップ107までの処理が実行さ
れ、電極32の先端中心が指令位置になければ(ステッ
プ107 NO) 、前記チューブ34が送りローラ36r
によって一定量だけ送り込まれる(ステップ108 図
3(A)参照)。これによって、被加工物wの加工面に
電極32が当接するようになる。
【0022】このように上記した手順が繰り返し実行さ
れて、電極32の先端中心が指令位置に到達すると(ス
テップ107 YES )、電極32と被加工物wとの間の
印加パルス電圧が零にされる(ステップ115)。そし
て、その指令位置が最終指令位置であれば(ステップ1
16 YES )、加工が終了し、被加工物wには縦に穴w
rが加工される。
【0023】また、前記指令位置から曲がり穴wrを形
成するには、パルス電圧が零にされた後(ステップ11
5)、傾き制御盤50により第1サーボモータ26及び
第2サーボモータ27が駆動されて、被加工物wは予め
決められた方向に傾斜する(ステップ117 図3
(D)参照)。これによって、被加工物wの加工面に電
極32が当接するようになる。次に、再びパルス電圧が
印加された後(ステップ101)、上記したように、電
極32がチューブ34の先端面に吸引されて上限ロック
位置まで上昇した後、加工液の噴出量、吸入量が制御さ
れることにより電極32と被加工物wの加工面との間隔
が調整され、放電加工が行われる(ステップ102〜1
08、ステップ109〜114 図3(E)参照)。そ
して、放電加工が進行することにより前記電極32がチ
ューブ34の先端面から寸法dの下限位置まで到達し、
その電極32と被加工物wの加工面との間隔が広くなる
と自動的に放電が停止する(図3(F)参照)。ステッ
プ114で、電極32と被加工物wとの間で電流が流れ
ないと判定されると、再びステップ102〜ステップ1
07までの処理が実行され、電極32の先端中心が指令
位置になければ(ステップ107 NO) 、前記チューブ
34が送りローラ36rによって一定量だけ送り込まれ
る(ステップ108 図3(A)参照)。これによっ
て、被加工物wの加工面に電極32が当接するようにな
る。
【0024】このような手順が繰り返し実行されて放電
加工が行なわれ、電極32の先端中心が次の指令位置P
n+1 に到達すると(ステップ107 YES )、パルス電
圧が零にされた後(ステップ115)、傾き制御盤50
により第1サーボモータ26及び第2サーボモータ27
が駆動されて、被加工物wは予め決められた方向に傾斜
する。このように、前記指令位置を、図5(B),
(C)に示されるように、Pn+1、…、Pn+n に指定
し、電極32の先端中心が指令位置に到達する毎に、被
加工物wを予め決められた方向に傾斜させることによ
り、被加工物wに半径Rの曲がり穴wrを形成すること
ができるようになる。また、前記指令位置を、図5
(A)に示されるように、Pn+1 、…、Pn+n に指定す
ることにより、折れ線状の曲がり穴wrを形成すること
も可能になる。
【0025】ここで、前記チューブ34に対する電極3
2の最大傾斜角度をαmax とすると、図2(A)に示さ
れるように、電極32はその上面がチューブ34の先端
面に当接するまで傾斜可能なため、αmax =90°−COS
-1(d/r1)で表される。なお、dは、チューブ34の先端
面と電極32の上面との最大距離であり、r1は、チュー
ブ34の先端面の半径である。したがって、被加工物w
の傾きをαmax 以下にすることにより、チューブ34と
電極32との干渉を防止することができる。また、図5
(B)に示される曲がり穴wrの半径Rは、R=ΔL÷
(2SIN(α/2))で表される。ここで、ΔLは指令位置間
の距離、即ち、微小線分の長さ、αは微小線分の成す角
である。ΔL、αを一定にすることにより、一定曲率の
曲がり穴を加工することができる。
【0026】また、図6は曲がり穴wrが曲がる際に外
側に膨らむことを示している。この原因は、曲がり穴を
縦に加工した後、電極32をチューブ34の先端に固定
されたユニバーサルジョイントUを中心に回転させて加
工するためである。電極32の先端球部の半径をr2、電
極32の回転角をα、ユニバーサルジョイントUから先
端球部の中心Cまでの距離をhとすると、膨らみ量eは
e=r2−(r2 −hSIN α) =hSIN αで表される。した
がって、膨らみ量eは距離h、回転角αに比例して大き
くなる。このため、膨らみ量eの許容値をEとしたとき
の回転角の最大値αmax2は、αmax2=SIN -1( E/h)
で表される。したがって、電極32の回転角をαmax2以
下にすることにより、膨らみ量eを許容値以内に抑えて
曲がり穴Wrを加工できるようになる。
【0027】このように本実施の形態に係る放電加工に
よる曲がり穴加工方法によると、電極32を常に重力方
向に進行させて被加工物wを傾斜させる方法のため、前
記電極32を三次元的に移動させるための関節機構が必
要なくなり、曲がり穴wrを形成する部位の小型化が可
能になる。したがって、小径の曲がり穴wrを形成する
ことができるようになる。また、前記電極32は常に重
力方向に進行するためにその電極32の先端位置及び方
向を正確に把握することができ、曲がり穴wrの加工精
度が向上する。
【0028】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、この本発明の実施の形態には請求の範囲に記載し
た技術的事項以外に次のような各種の技術的事項を有す
るものであることを付記しておく。 (1) 請求項2に記載された放電加工による曲がり穴
加工装置において、前記チューブの外周面には、加工し
ようとする曲がり穴の内径とほぼ等しい外径を有するリ
ングが装着されていることを特徴とする放電加工による
曲がり穴加工装置。このため、放電により電極が消耗し
て曲がり穴の内径が小さくなると、チューブが曲がり穴
に進入できなくなり、放電加工は自動的に中止される。 (2) 請求項3に記載された放電加工による曲がり穴
加工装置において、間隔調整手段は、無負荷電圧印加時
間が基準時間とほぼ等しくなるように、電極と被加工物
の加工面との間隔を調整することを特徴とする放電加工
による曲がり穴加工装置。このため、放電加工が良好に
行われる。
【0029】
【発明の効果】本発明によると、曲がり穴を形成する部
分を小型化できるため、小径の曲がり穴の加工が可能に
なる。また、電極が常に重力方向に進行するため、その
電極の先端位置等を正確に把握することができ、曲がり
穴の加工精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施の形態に係る放電加工による
曲がり穴加工装置の全体模式図である。
【図2】図1のII部詳細図である。
【図3】本発明の一の実施の形態に係る放電加工による
曲がり穴加工方法を表す側面図である。
【図4】本発明の一の実施の形態に係る放電加工による
曲がり穴加工方法を表すフローチャートである。
【図5】加工しようとする曲がり穴の中心線の形状を表
す図面である。
【図6】曲がり穴の外側への膨らみを表す図面である。
【図7】従来の放電加工による曲がり穴加工装置の関節
機構の斜視図及び装置の全体模式図である。
【符号の説明】
w 被加工物 wr 曲がり穴 14 主制御盤(間隔調整手段) 20 傾き調整装置(傾き調整手段) 32 電極 34 チューブ 36 チューブ送り機構(チューブ送り手段) 38a 供給パイプ(間隔調整手段) 38b 回収パイプ(間隔調整手段) 38e 第1調節機構(間隔調整手段) 38f 第2調節機構(間隔調整手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極と被加工物との間の放電を利用して
    その被加工物に曲がり穴を加工する方法において、 前記曲がり穴に倣って曲がるチューブの先端に前記電極
    を揺動自在に吊設し、被加工物を予め決められた方向に
    傾斜させ、そのチューブを送ることにより前記電極を重
    力方向に進行させ、間隔調整手段によりその電極と加工
    面との間隔を放電可能な間隔に調整することを特徴とす
    る放電加工による曲がり穴加工方法。
  2. 【請求項2】 電極と被加工物との間の放電を利用して
    その被加工物に曲がり穴を加工する装置において、 前記曲がり穴に倣って曲がるチューブと、 前記チューブを前記曲がり穴に送り込むチューブ送り手
    段と、 前記チューブの先端に揺動自在に吊設された電極と、 被加工物の傾きを調整する傾き調整手段と、 前記電極と被加工物の加工面との間隔を放電可能な間隔
    に調整する間隔調整手段と、を有することを特徴とする
    放電加工による曲がり穴加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された放電加工による曲
    がり穴加工装置において、 間隔調整手段は、チューブの先端位置に形成された噴出
    口から噴出される加工液の量と、同じくチューブの先端
    位置で電極の背面に対向して形成された吸入口から吸引
    される加工液の量とを調節することにより、前記電極と
    被加工物の加工面との間隔を調整することを特徴とする
    放電加工による曲がり穴加工装置。
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