JPH09309957A - 機能性材料 - Google Patents

機能性材料

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JPH09309957A
JPH09309957A JP15011296A JP15011296A JPH09309957A JP H09309957 A JPH09309957 A JP H09309957A JP 15011296 A JP15011296 A JP 15011296A JP 15011296 A JP15011296 A JP 15011296A JP H09309957 A JPH09309957 A JP H09309957A
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JP
Japan
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treatment
functional
antibacterial
inorganic particles
molding
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JP15011296A
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English (en)
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Tamotsu Sugiyama
保 杉山
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AROBAN KK
Original Assignee
AROBAN KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱臭または抗菌機能を有する機能性無機質粒
子を成形物に内添させる方式を採用しながらも、比較的
少量の内添量で顕著な脱臭および抗菌作用が奏され、成
形物の外観、風合、機械的強度、表面特性の低下も効果
的に抑制される機能性材料を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 脱臭または抗菌機能を有する機能性無機
質粒子(a) が内添されたプラスチックスまたはゴム質の
成形物(A) であって、さらにその成形物(A) の表面が微
細に粗面化処理された機能性材料である。粗面化処理の
うち特に好ましいものは、低温プラズマ処理またはコロ
ナ放電処理である。この成形物(A) を支持材料(B) によ
って支持することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱臭または抗菌機
能を有する成形物でできた機能性材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】脱臭または抗菌の観点からの環境改善
は、現在では、家庭、職場、学校、病院、公共の建物、
交通機関をはじめとするあらゆる場に浸透している。
【0003】脱臭剤または抗菌剤は有機系のものと無機
系のものとに大別することができ、いずれも所期の効果
を発揮するが、安全性および持続性を考えると、無機系
の方が伸びが大きい傾向にある。
【0004】無機系の脱臭剤または抗菌剤の応用例の一
つは、銀等の抗菌性金属またはそのイオンを担持したゼ
オライト、ガラス、シリカアルミナ等の無機質粒子を成
形物に内添したものである。また最近では、光触媒作用
を有する酸化チタン等の無機質粒子をガラス、陶器、タ
イル等にコーティングして、半永久的な抗菌性を付与す
ることも報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】銀等の抗菌性金属また
はそのイオンを担持した無機質粒子を内添した成形物
は、安全性および持続性を考慮したものであるが、微量
の金属イオン(殊に銀イオン)の流出により抗菌作用を
発揮させるものであるため、その機能は使用条件に左右
され、また一般に即効性に欠けるという不利がある。そ
のためこの種の抗菌製品は、イメージ的には清潔感があ
るが、果たして期待するほどの抗菌効果があるかどうか
については疑問が残る。
【0006】光触媒作用を有する無機質粒子は、ガラ
ス、陶器、タイル等にコートする使い方をされはじめて
いるが、プラスチックスまたはゴム質に内添(内部添
加、つまり練り込み配合のこと)する使い方は少ないよ
うである。これは、光触媒性無機質粒子をプラスチック
スまたはゴム質の成形物に内添すると、少量添加では成
形物表面に露われる粒子が少ないため、脱臭、抗菌効果
が著しく減殺されて実用レベルに達せず、一方、脱臭、
抗菌効果が現われるほど多量に添加すると、成形物自体
の機械的強度や諸特性を損なってしまい、また光触媒性
無機質粒子が高価であるため成形物全体のコストが余り
に高くなるためであると思われる。加えて光触媒性無機
質粒子の内添量を多くすると、母体である有機物(プラ
スチックスまたはゴム質の成形物)自体を酸化分解して
しまい、成形物の寿命が短くなる。
【0007】本発明は、このような背景下において、脱
臭または抗菌機能を有する機能性無機質粒子を成形物に
内添させる方式を採用しながらも、比較的少量の内添量
で顕著な脱臭および抗菌作用が奏され、成形物の外観、
風合、機械的強度、表面特性の低下も効果的に抑制され
る機能性材料を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の機能性材料は、
脱臭または抗菌機能を有する機能性無機質粒子(a) が内
添されたプラスチックスまたはゴム質の成形物(A) であ
って、さらにその成形物(A) の表面が微細に粗面化処理
されていることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0010】〈プラスチックスまたはゴム質の成形物
(A) 〉プラスチックスまたはゴム質の成形物(A) として
は、好適には、フィルム・シート状またはフィラメント
状の成形物があげられ、積層物、織布、不織布、編布、
綿、糸、紐、ロープ、網などの二次加工物であってもよ
い。また、パイプ、ロッド、板や、部品または製品を構
成する成形物など任意の成形物であってもよい。
【0011】プラスチックスまたはゴム質としては、ポ
リオレフィン、アモルファスポリオレフィン、ポリスチ
レン、ABS樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リビニルアルコール、ビニルアルコール共重合体、アク
リル樹脂、アクリロニトリル共重合体、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリフェニレ
ンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリパラキシレン、ポリメチルペン
テン、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリウレタ
ン、ポリイミド、フェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ
樹脂、アセチルセルロース、熱可塑性エラストマー(ポ
リオレフィン系エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共
重合体エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリ
エステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー
等)、合成ゴム、天然ゴム、天然ゴムをはじめとする任
意のプラスチックスまたはゴム質が用いられる。
【0012】〈機能性無機質粒子(a) 〉脱臭または抗菌
機能を有する機能性無機質粒子(a) としては、抗菌性金
属またはそのイオンを担持した無機質粒子、光触媒作用
を有する無機質粒子、または光還元メッキ無機質粒子な
どがあげられる。
【0013】このうち抗菌性金属またはそのイオンを担
持した無機質粒子の例は、銀、銅、亜鉛等の抗菌性金属
またはそのイオンを担持したゼオライト、ガラス、シリ
カアルミナ、アパタイト、リン酸ジルコニウム、シリカ
ゲル、ケイ酸カルシウム等の無機質粒子である。
【0014】光触媒作用を有する無機質粒子の例は、X
線粒径がたとえば100nm以下というような超微細の酸
化チタンであり、その表面を金属(金、銀、銅、白金、
亜鉛、ケイ素、鉄等)または金属化合物(酸化亜鉛、酸
化ケイ素等)で修飾したものも好適に用いることができ
る。
【0015】光還元メッキ無機質粒子とは、光触媒層の
上にさらに銀や銅等の金属イオンをコートして、還元固
定化したものである。
【0016】〈内添方法〉上記の機能性無機質粒子(a)
は、プラスチックスまたはゴム質の成形物(A) に内添さ
れる。すなわち、機能性無機質粒子(a) を成形用原料に
配合して成形に供する。成形方法としては、押出成形
法、射出成形法、圧縮成形法、エクストルージョンコー
ティング法、メルトブロー法、キャスティング法(流延
法)、カレンダー成形法など任意の成形法が採用され
る。成形に際しては、上記の機能性無機質粒子(a) のほ
かに、他の無機質粒子、着色剤、滑剤、安定剤、可塑
剤、帯電防止剤、難燃剤、補強繊維などを配合すること
ができる。
【0017】プラスチックスまたはゴム質の成形物(A)
に対する機能性無機質粒子(a) の内添量(配合量)に特
に制限はないものの、配合後の成形物の重量基準で、
0.1〜40重量%、好ましくは 0.5〜30重量%、さら
に好ましくは1〜20重量%とすることが望ましい。通
常は10重量%以下で充分であることが多い。機能性無
機質粒子(a) の配合量が余りに少ないときは脱臭・抗菌
効果が不足し、一方機能性無機質粒子(a) の配合量が余
りに多いときは、成形物(A) の機械的強度が損なわれ
る。
【0018】〈粗面化処理〉そして本発明においては、
機能性無機質粒子(a) を内添したプラスチックスまたは
ゴム質の成形物(A) を得た後は、その成形物(A) の表面
を微細に粗面化処理する。なお粗面化処理は、成形と同
時に行ってもよい。
【0019】粗面化処理方法としては、電気的処理、光
学的処理、機械的処理、化学的処理などがあげられる。
【0020】これらの処理方法の中では、電気的処理、
特にプラズマ処理が好適である。プラズマ処理には、低
温プラズマ処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、プ
ララズマジェト処理などが含まれ、低温プラズマ処理お
よびコロナ放電処理が特に重要である。このうちコロナ
放電処理は、装置コストおよびランニグコストの点でも
好ましいものである。
【0021】上記のうち低温プラズマ処理方法として
は、直流放電、交流の低周波放電、高周波およびマイク
ロ波放電などがあげられる。プラズマを構成するイオン
種としては、空気、窒素、酸素、水素、アルゴン、ヘリ
ウム、ネオン、亜酸化窒素、一酸化窒素、二酸化窒素、
一酸化炭素、二酸化炭素、フッ素、塩素、臭素、シアン
化臭素、亜硫酸ガス、硫化水素、アンモニア、メタン、
エタン、プロパンをはじめとする種々の無機または有機
のガスが用いられるが、通常は空気で充分である。低温
プラズマ処理時の真空度は、たとえば0.01〜10Torr程
度に設定する。処理時間は、真空度によっても大きく異
なるが、通常は数秒ないし10分程度までとする。長時
間の低温プラズマ処理は、成形物(A) の強度低下を招く
おそれがあるからである。
【0022】上記のうちコロナ放電処理は、高電圧発生
機に接続した電極と、金属ロールとの間に 0.5〜 0.6mm
程度の間隔を設け、数100KC/Sの高周波で数千〜数万
Vの高電圧をかけ、間隙に高圧コロナを発生させると共
に、その間隙に薄層の成形物を走らせて処理する方法で
ある。これにより薄層物表面が活性化される。なお、支
持フィルム上に立体の成形物を固定し、その支持フィル
ムを走行させると、立体の成形物であってもコロナ放電
処理することができる。
【0023】粗面化処理方法のうち光学的処理方法、化
学的処理方法、機械的処理方法としては、紫外線照射処
理、オゾン処理、スパッタエッチング処理、イオンビー
ム処理、火炎処理、クロム酸処理、アルカリ処理、サン
ドブラスト処理、刃・針・やすり等による傷つけ処理な
どがあげられる。
【0024】〈機能性材料〉このようにして、脱臭また
は抗菌機能を有する機能性無機質粒子(a) が内添されか
つ表面が微細に粗面化処理された成形物(A) が得られ
る。
【0025】この成形物(A) は、それを支持する支持材
料(B) によって支持することもできる。支持材料(B) と
しては、通常の成形物、金属材料、セラミックス材料、
織布、不織布、編布、紙をはじめ、任意の材質のものが
用いられる。成形物(A) と支持材料(B) とを積層する方
式はもちろん、成形物(A) としての繊維と支持材料(B)
としての繊維とを併用して不織布、織布、編布とするよ
うな使い方も好ましい。
【0026】〈用途〉本発明の機能性材料は、壁紙、仕
切り、床材、履物、被服、寝具、敷物、フィルター、筐
体、各種部品、各種小物類(文房具等)、台所用品、ト
イレタリー用品、浴室用品、応接用品、OA機器をはじ
め、家庭用、産業用、公共用、病院用、園芸用、農業
用、畜産用、水産加工用など広い分野に用いられる。
【0027】〈作用〉脱臭または抗菌機能を有する機能
性無機質粒子(a) が内添されたプラスチックスまたはゴ
ム質の成形物(A) の表面を、プラズマ処理(低温プラズ
マ処理やコロナ放電処理等)やその他の方法により粗面
化処理すると、成形物(A) 表面の薄い油膜が除去された
り、活性なラジカルや官能基が発生したり、成形物(A)
表面に微細な凹凸や亀裂が形成されたりする。その結
果、内添した機能性無機質粒子(a) が成形物(A) 表面に
露われて有効表面積が著しく増大する上、粗面化された
表面が臭気成分や微生物を一時的に吸着捕捉して機能性
無機質粒子(a) による作用が発揮されやすくなり、その
ような粗面化処理を行わない場合に比し脱臭および抗菌
能力が格段に向上する。
【0028】機能性無機質粒子(a) が光触媒作用を有す
る無機質粒子であるときは、それ自体でも酸化作用を奏
するが、脱臭、抗菌に用いながら光照射するか、脱臭、
抗菌に用いたのち光照射すれば、脱臭、抗菌能力が回復
するので、繰り返し再使用することができる。このとき
の光は紫外線が最適であるが、蛍光灯による光、白色
光、太陽光線でも充分の効果がある。
【0029】本発明の機能性材料にあっては、機能性無
機質粒子(a) の内添量が比較的少なくても大きな脱臭、
抗菌能力を発揮するので、成形物(A) の外観、風合、機
械的強度、表面特性の低下が効果的に抑制される。また
機能性無機質粒子(a) として、成形物(A) 自体を強度低
下させるおそれのある光触媒作用を有する無機質粒子を
用いても、その内添量を少なくすることができる上、そ
の成形物(A) を支持材料(B) で支持すれば必要な強度が
確保されるので、特に支障とはならない。
【0030】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0031】実施例1 光触媒作用を有する無機質粒子の一例として、石原産業
株式会社製の光触媒用酸化チタン「ST−31」を準備
した。「ST−31」は、カタログの記載によれば、結
晶形はアナタース、形状は粉体、TiO2 含量(110
℃乾燥品)は81重量%、X線粒径は7nm、比表面積
(簡易BET法)は260m2/gである。
【0032】この光触媒用酸化チタン30部を低密度ポ
リエチレン70部に混合し、押出機に供給して線状に溶
融押出すると共にペレット化し、マスターバッチペレッ
トとなした。
【0033】ついでこのマスターバッチペレットの所定
量を新しい低密度ポリエチレンペレットに混合してイン
フレーション成形法により溶融押出を行い、光触媒用酸
化チタンの内添量が全体に対し 1.0重量%、 3.0重量
%、 5.0重量%のフィルムを得た(厚みは40μm )。
これを30mm×60mmの大きさに裁断し、サンプルとし
た。また比較のために、新しい低密度ポリエチレンペレ
ットのみを用いて溶融押出を行い、同厚のシートおよび
サンプルを得た。
【0034】〈消臭試験/酸化チタン内添の効果〉半径
30mm、高さ70mmのガラスビンにトリメチルアミンの
0.06重量%濃度の水溶液40mlを入れ、トリメチルアミ
ンの分解の状況を見るためフェノールフタレインを加え
て着色し、さらに上記のサンプルを入れて密封し、これ
を24時間および72時間野外放置して直射日光に曝し
た後、550nmにおける吸光度を測定した。結果を表1
および図1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】〈消臭試験/低温プラズマ処理の効果〉上
記の予備試験から、光触媒用酸化チタンの内添は消臭に
有意な効果があり、特にその内添量が全体に対し 5.0重
量%の場合が良好であることがわかったので、次にその
5.0重量%内添品につき、滋賀県工業技術センターの低
温プラズマ処理装置を用いて、 (イ)気体:空気、処理電力:10W、処理時間:1
分、真空度: 0.2Torr (ロ)気体:空気、処理電力:10W、処理時間:5
分、真空度: 0.2Torr (ハ)気体:空気、処理電力:100W、処理時間:1
分、真空度: 0.2Torr の条件で低温プラズマ処理を行った。
【0037】消臭試験は、容量50mlのガラス容器にア
ンモニアの 0.014重量%濃度の水溶液40mlを入れ、フ
ェノールフタレインを加えて着色し、さらに30mm×6
0mmの大きさのサンプルを入れて密封し、これに直射日
光を3時間および8時間照射した後、550nmにおける
吸光度を測定することにより行った。結果を表2および
図2に示す。表2中、「−」は低温プラズマ処理を行わ
なかった場合である。
【0038】
【表2】 TiO2内添量 低温プラズマ 吸光度(abs.) 試料No. (wt%) 処理条件 3hr後 8hr後 0 0 − 0.219 0.203 5 5.0 − 0.176 0.138 5a 5.0 (イ) 0.135 0.089 5b 5.0 (ロ) 0.139 0.071 5c 5.0 (ハ) 0.111 0.062
【0039】表2および図2から、低温プラズマ処理は
消臭に有意の効果があり、特に(ハ)の条件のときの消
臭効果が大きいことがわかる。
【0040】〈抗菌試験/低温プラズマ処理の効果〉上
記の消臭試験から、酸化チタンの内添量が全体に対し
5.0重量%で、かつ(ハ)の条件(気体:空気、処理電
力:100W、処理時間:1分、真空度: 0.2Torr)で
低温プラズマ処理を行ったときにすぐれた消臭効果が奏
されることがわかったので、今度は 5.0重量%内添品を
この条件で低温プラズマ処理したときのサンプルの抗菌
試験を行った。
【0041】抗菌試験は、市販培地 0.1重量%を含む水
(自然落下菌を含む)40mlに30mm×60mmの大きさ
のサンプルを入れて密封し、室内自然光下に静置するこ
とにより行った。菌の繁殖は、96時間および104時
間後に600nmの透過率を測定することにより判定し
た。結果を表3および図3に示す。
【0042】
【表3】 TiO2内添量 低温プラズマ 透過率 (%T) 試料No. (wt%) 処理条件 96hr後 104hr後 0 0 − 84.0## 70.6## 5 5.0 − 91.8# 85.9## 5c 5.0 ハ 99.0* 95.6* (注)##は、白濁、腐敗臭。# は、わずかに白濁、わずかに異臭。 * は、透明、無臭。
【0043】表3および図3から、低温プラズマ処理は
抗菌性の点でも顕著な効果があることがわかる。
【0044】実施例2 〈消臭試験/コロナ放電処理の効果〉実施例1の酸化チ
タン 5.0重量%内添品につき、春日電機株式会社製のコ
ロナ放電処理装置を用いて、(A)弱、(B)強、の2
条件でコロナ放電処理を行った。また参考のため、実施
例1で述べたように、 (イ)気体:空気、処理電力:10W、処理時間:1
分、真空度: 0.2Torr 条件で低温プラズマ処理を行った。
【0045】消臭試験は、容量50mlのガラス容器にア
ンモニアの 0.001重量%濃度の水溶液40mlを入れ、フ
ェノールフタレインを加えて着色し、さらに30mm×6
0mmの大きさのサンプルを入れて密封し、これに直射日
光を1時間照射した後、550nmにおける吸光度を測定
することにより行った。結果を表4および図4に示す。
表4中、「−」はコロナ放電処理または低温プラズマ処
理を行わなかった場合である。
【0046】
【表4】 TiO2内添量 コロナ 低温プラ 1hr後の吸光度 除去率 試料No. (wt%) 放電処理 ズマ処理 (abs.) (%) 0 0 − − 0.212 − 5a 5.0 − (イ) 0.009 95.7 5d 5.0 弱 − 0.023 89.1 5e 5.0 強 − -0.006 100
【0047】上記とは条件を変えて(アンモニア水溶液
の濃度を上げて)、同様の消臭試験を行った。すなわ
ち、容量50mlのガラス容器にアンモニアの 0.005重量
%濃度の水溶液40mlを入れ、フェノールフタレインを
加えて着色し、さらに30mm×60mmの大きさのサンプ
ルを入れて密封し、これに直射日光を2時間および4時
間照射した後、550nmにおける吸光度を測定すること
により行った。結果を表5および図5に示す。表5中、
「−」はコロナ放電処理または低温プラズマ処理を行わ
なかった場合である。
【0048】
【表5】 TiO2内添量 コロナ 低温プラ 吸光度(abs.) 試料No. (wt%) 放電処理 ズマ処理 2hr後 4hr後 0 0 − − 0.468 0.470 5a 5.0 − (イ) 0.239 0.142 5d 5.0 弱 − 0.244 0.144 5e 5.0 強 − 0.203 0.082
【0049】〈抗菌試験/コロナ放電処理の効果〉実施
例1の酸化チタン 5.0重量%内添品につき、春日電機株
式会社製のコロナ放電処理装置を用いて、(A)弱、
(B)強、の2条件でコロナ放電処理を行った。また参
考のため、実施例1で述べた(ハ)の条件(気体:空
気、処理電力:100W、処理時間:1分、真空度:
0.2Torr)で低温プラズマ処理を行った。
【0050】抗菌試験は、実施例1の場合と同様に、市
販培地 0.1重量%を含む水(自然落下菌を含む)40ml
に30mm×60mmの大きさのサンプルを入れて密封し、
室内自然光下に静置することにより行った。菌の繁殖
は、72時間後に600nmの透過率を測定することによ
り判定した。結果を表6および図6に示す。
【0051】
【表6】 TiO2内添量 コロナ 低温プラ 72hr後の透過率 試料No. (wt%) 放電処理 ズマ処理 (%T) 0 0 − − 70.8 5c 5.0 − (ハ) 89.7 5d 5.0 弱 − 78.1 5e 5.0 強 − 83.9
【0052】表4〜6から、コロナ放電処理によっても
消臭効果および抗菌効果が顕著に増大し、その効果は低
温プラズマ重合に匹敵することがわかる。
【0053】実施例3 実施例1で用いた光触媒用酸化チタンを5重量%内添し
たポリエステルフィラメントを製造し、ついでそのフィ
ラメントを用いて不織布を製造した。ついでこの不織布
上にホットメルト接着剤粉末を散布してから、通常のポ
リエステルフィラメント製の不織布を積層接着した。
【0054】この積層した不織布を壁紙として用いたと
ころ、室内の臭気を効果的に除去し、また通常の不織布
製の壁紙ではカビが発生する露結しやすい壁に貼った場
合でも、カビの発生が認められなかった。
【0055】実施例4 実施例3における光触媒用酸化チタン内添ポリエステル
フィラメントと通常のポリエステルフィラメントとを重
量比で1:1の割合で混合し、不織布を製造した。この
不織布を壁紙として用いたところ、室内の臭気を効果的
に除去し、また通常の不織布製の壁紙ではカビが発生す
る露結しやすい壁に貼った場合でも、カビの発生が認め
られなかった。
【0056】実施例5〜7 実施例1の酸化チタン 5.0重量%内添品につき、高圧水
銀灯を用いて紫外線を照射を行い(実施例5)、また同
様にしてオゾン処理を行い(実施例6)、またサンドブ
ラスト処理を行った(実施例7)。いずれの場合も、実
施例1〜2に準ずる消臭効果および抗菌効果が得られ
た。
【0057】実施例8 ポリプロピレン95重量部に市販の銀ゼオライト微粒子
5重量部を混合して溶融成形することにより、厚み40
μm のフィルムを得たので、このフィルムを、気体:空
気、処理電力:100W、処理時間:1分、真空度:
0.2Torrの条件で低温プラズマ処理した。このフィルム
は、低温プラズマ処理を行わないフィルムに比し、抗菌
性が格段にすぐれていた。
【0058】実施例9 ポリプロピレン95重量部に市販の銀ゼオライト微粒子
5重量部を混合して溶融成形することにより、厚み40
μm のフィルムを得たので、このフィルムを、実施例2
の場合と同様にコロナ放電処理した。このフィルムは、
コロナ放電処理を行わないフィルムに比し、抗菌性が格
段にすぐれていた。
【0059】
【発明の効果】本発明の機能性材料にあっては、脱臭ま
たは抗菌機能を有する機能性無機質粒子を成形物に内添
させる方式を採用しながらも、比較的少量の内添量で顕
著な脱臭および抗菌作用が奏され、また、成形物の外
観、風合、機械的強度、表面特性の低下も効果的に抑制
される。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化チタン内添の効果を見るための消臭試験の
結果を示すグラフである。
【図2】低温プラズマ処理の効果を見るための消臭試験
の結果を示すグラフである。
【図3】低温プラズマ処理の効果を見るための抗菌試験
の結果を示すグラフである。
【図4】コロナ放電処理の効果を見るための消臭試験の
結果を示すグラフである。
【図5】コロナ放電処理の効果を見るための消臭試験の
結果を示すグラフである。
【図6】コロナ放電処理の効果を見るための抗菌試験の
結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/12 B32B 27/12 27/18 27/18 F C08J 7/00 302 C08J 7/00 302

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱臭または抗菌機能を有する機能性無機質
    粒子(a) が内添されたプラスチックスまたはゴム質の成
    形物(A) であって、さらにその成形物(A) の表面が微細
    に粗面化処理されていることを特徴とする機能性材料。
  2. 【請求項2】脱臭または抗菌機能を有する機能性無機質
    粒子(a) が、抗菌性金属またはそのイオンを担持した無
    機質粒子、光触媒作用を有する無機質粒子、または光還
    元メッキ無機質粒子である請求項1記載の機能性材料。
  3. 【請求項3】粗面化処理が、電気的処理、光学的処理、
    化学的処理または機械的処理である請求項1記載の機能
    性材料。
  4. 【請求項4】粗面化処理のうち電気的処理が、低温プラ
    ズマ処理またはコロナ放電処理である請求項3記載の機
    能性材料。
  5. 【請求項5】機能性無機質粒子(a) が内添されかつ表面
    が微細に粗面化処理された成形物(A) が、それを支持す
    る支持材料(B) によって支持されていることを特徴とす
    る請求項1記載の機能性材料。
JP15011296A 1996-05-20 1996-05-20 機能性材料 Withdrawn JPH09309957A (ja)

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