JPH0930912A - 土壌生息性有害生物害の防除方法 - Google Patents

土壌生息性有害生物害の防除方法

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JPH0930912A
JPH0930912A JP18151995A JP18151995A JPH0930912A JP H0930912 A JPH0930912 A JP H0930912A JP 18151995 A JP18151995 A JP 18151995A JP 18151995 A JP18151995 A JP 18151995A JP H0930912 A JPH0930912 A JP H0930912A
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soil
water
ozone
hydrogen peroxide
irrigation
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JP18151995A
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Kazunari Sakai
一成 酒井
Yasushi Tomita
康司 富田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】減農薬もしくは無農薬によっても効果的に土壌
生息性有害生物害を防除する。 【解決手段】オゾン溶解水及び/又は過酸化水素水を土
壌に灌水することを特徴とする土壌生息性有害生物害の
防除方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農作物、果樹作
物、林作物、園芸作物等を健全かつ高品質に育成させる
ための、土壌生息性有害生物の加害を防止することに関
する。
【0002】
【従来の技術】農作物、果樹作物、林作物、園芸作物
(以下、特に断らない限り、これら全体を農作物と称す
る)を健全かつ高品質に育成させるためには、農作物の
健全な生育を阻害する有害生物等の除去が必要である。
【0003】従来より、土壌生息性有害生物の加害防止
方法として、有機塩素剤、有機リン剤等の殺虫剤や殺菌
剤の散布法が用いられてきたが、前者には長期土壌残留
や作物残留の問題が、後者には十分な効果が期待できな
いだけでなく作物残留の問題が提起されている。更にク
ロルピクリン、ホルマリン、臭化メチルといった燻蒸剤
の場合、前2者は強い刺激性と催涙性を有するガスのた
め都市近郊での使用は出来ず、後者はオゾン層を破壊す
る恐れが強いことから国際的に使用が制限され、近い将
来全面的に使用が禁止される見通しである。従って、環
境や使用者に対して安全な、しかも連作障害を起こさず
広範囲に有効な防除方法の開発が強く望まれている。こ
のような状況のもと、本出願人は、既に特開平6−20
9689号、特開平6−335343号として、脱気水
または非酸素ガス過飽和水を土壌に灌水することで土壌
生息性有害生物を防除する方法を提供している。しかし
これらの方法では、有害生物の卵までは死滅しない場合
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、減農
薬もしくは無農薬による更に効果的な土壌生息性有害生
物害の防除方法を提供することにより、農作物を健全か
つ高品質に育成させ、管理が簡単で生産性が劣ること無
く高品質農作物を生産することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意研究の結果、オゾンを溶解にした水
および/または過酸化水素水を土壌に灌水すると、土壌
生息性有害生物の密度を低下させ当該有害生物から農作
物を保護し得ること、および、適用後速やかに酸素や水
に分解するため、作物中や土壌中に有害物が長期間残留
することがないことを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0006】即ち本発明は、オゾン溶解水および/また
は過酸化水素水を土壌に灌水することを特徴とする土壌
生息性有害生物害の防除方法に関する。本発明でいうオ
ゾン溶解水とは、オゾンを0.1重量ppm(以下重量
ppmを単にppmと記載する)以上溶解した水のこと
であり、このような水であればどのような方法で作られ
たものでも良い。オゾンの溶存濃度は、0.5〜100
ppmが好ましく1〜10ppmがより好ましい。溶存
オゾン濃度は、ヨウ化カリウム−チオ硫酸ナトリウム滴
定法等の周知の方法で測定できる。
【0007】オゾン溶解水のオゾン以外の溶存物質の種
類と濃度は任意である。オゾン以外の溶解成分として
は、例えば、酸素、窒素、炭酸ガス等の空気成分、肥
料、抗菌剤、pH調節剤などが挙げられる。勿論、後述
の過酸化水素を含有していることも可能である。オゾン
水を灌水する方法は、後述の過酸化水素水を灌水する方
法に比べて残留期間が短いため、本方法適用後から植え
付けまたは播種までの期間を短くすることが出来る。
【0008】本発明でいう過酸化水素水とは、過酸化水
素を1ppm以上溶解した水のことであり、このような
水であればどのような方法で作られたものでも良い。過
酸化水素の溶存濃度は、5〜10000ppmが好まし
く、100〜5000ppmがより好ましい。溶存過酸
化水素濃度は、ヨウ化カリウム−チオ硫酸ナトリウム滴
定法等の周知の方法で測定できる。
【0009】過酸化水素水についても過酸化水素以外の
溶存物質の種類と濃度は任意である。過酸化水素以外の
溶解成分としては、例えば、酸素、窒素、炭酸ガス等の
空気成分、肥料、抗菌剤、pH調節剤などが挙げられ
る。勿論、既述のようにオゾンを含有していることも可
能である。過酸化水素粋を灌水する方法は、記述のオゾ
ン水を灌水する方法に比べて臭気が少なく、作業環境が
より良好に保たれる。
【0010】本発明における灌水とは土壌への給水のこ
とをいう。本発明でいう土壌とは農作物の生育する畑等
の耕作地のみでなく、プランターや植木鉢等の土壌や、
ロックウール、バーミクライト等の農作物が生育する生
育床も含まれる。本発明における土壌へのオゾン溶解水
および/または過酸化水素水の灌水は、散布、土壌の表
面(地表)への灌水、土壌中への灌注等の方法を採るこ
とが出来るが、オゾンおよび/または過酸化水素の空気
中へ拡散することによる本発明の効果の低減と作業環境
の悪化を防止する点、および灌水量の節約等の点から、
土壌中への灌注が最も好ましく、地表への灌水がこれに
次いで好ましい。特にビニールハウス等の施設栽培の場
合、自然降雨が無いために灌水がなされるが、灌水量の
節約や病害の発生抑制などの面で土壌中への灌注が好ま
しいとされており、本発明の灌水処理においても、同様
の理由および同じ施設を兼用できるため土壌中への灌注
がより好ましい。
【0011】地表へ灌水する方法は、例えば透水性のあ
る管(散水チューブ)を土壌等の上部に敷設し、その管
中にオゾン溶解水および/または過酸化水素水を流すこ
とにより行うことが出来る。ここでいう透水性のある管
とは、例えば透水性のある素焼きの管材、微細な連通細
孔を有する多孔質ゴム管、塩ビ管に多数の孔をあけたも
の等が挙げられる。管に多数の穴をあけたものである場
合は、孔の大きさは1〜3mmが好ましく、孔は5〜10
cm2に1個以上あることが好ましい。
【0012】灌水は土壌表面に単に流すだけでも良い
が、土壌表面を実質的に非透気性のシートで被覆(マル
チング)し、その中に透水性のある管を敷設して灌水す
ることが、灌水量が少なくてすむので好ましい。ここで
いう実質的に非透気性のシートとは、酸素透過速度が3
×10ー7(cm3/cm2,s,cmHg)以下のシート
を言い、例えばポリエチレンフィルムや、塩化ビニール
等のフィルムまたはシートを例示出来る。
【0013】土壌中に灌注する方法は、例えば、土壌に
埋設した透水性のある管を通して、オゾン溶解水および
/または過酸化水素水を流すことにより行うことが出来
る。土壌中への灌注操作は駆除対象生物の生息する深
さ、および農作物の種類等により適宜灌注する深さを調
節して行なうことが出来る。また複数の深さに埋設した
管より給水することや、地表への灌水と併用する事も可
能である。例えば土壌中に深さ20〜100cm、好ま
しくは30〜50cmの位置に管を埋設して灌注するこ
とが好ましい。
【0014】地表への灌水および土壌中への灌注の場
合、管の設置間隔は全面灌水の場合は0.5mおきに1
本以上あることが好ましく、また灌水量を節約するため
には作付ける作物によっても異なるが畝の中心に1本づ
つ設置することが良いこのように本発明は灌水の深度を
適宜設定することが可能なため、例えばゴボウやダイコ
ン等の根菜類のように根が深く土壌中に入り、深いとこ
ろまで線虫が分布し従来の駆除法では大変困難であるよ
うな場合も、本発明の方法では容易に駆除できる。ま
た、本発明の土壌生息性有害生物害の防除方法は、他の
化学的駆除方法、生物学的駆除方法と併用して行うこと
が出来る。例えば作物の植え付け前に本発明の方法を提
供し、植え付け後に通常の化学的駆除法を用いれば、減
農薬や駆除法に選択の幅をもたせる利点もある。
【0015】本発明において灌水量は、オゾンおよび/
または過酸化水素水の濃度、灌水方法、灌水時期、灌水
する土壌の種類や組成、駆除目的の生物等によっても異
なるが、地表への灌水の場合には、1回当たり10〜3
00mm降雨相当量が好ましく、30〜100mm降雨
相当量がより好ましい。土壌中への灌注の場合は10〜
100mm降雨相当量が好ましく、20〜50mm降雨
相当量がさらに好ましい。
【0016】灌水処理時間は、灌水方法、灌水量、灌水
時期、灌水する土壌の種類や組成、処理面積等によって
も異なるが、地表への灌水や散水の場合にはオゾン溶解
水および/または過酸化水素水がすべて土壌に浸透し、
地表を流れない出さない程度の時間で行う事が効率よ
く、1回当たり5分〜6時間が好ましく、10分〜1時
間がさらに好ましい。灌注の場合1回当たり10分〜4
8時間が好ましく、6〜24時間が更に好ましい。
【0017】灌水処理時期は、農作物の植え付けや播種
に先立って実施する事が作物への悪影響が無いため好ま
しく、農作物の植え付けや播種より3日以上、更に好ま
しくは7日以上先だって処理する事が、農作物に与える
影響を無視できるため好ましい。しかし、処理から植え
付けまたは播種までの間隔があきすぎると、再度有害生
物が発生する恐れがあるので、処理後20日以内に植え
付けまたは播種することが好ましい。
【0018】また、処理を複数回実施することも好まし
い。灌水頻度は、1回の灌水量、灌水時期、駆除目的の
生物、灌水する土壌の種類や組成等により異なるが、作
物の播種または作付け前7〜60日の間に1〜3回実施
することが好ましい。例えば農作物の植え付けや播種に
先立って長期に渡って連続して実施することもできる。
【0019】またオゾン溶解水および/または過酸化水
素水の灌水後に通常の水または還元剤水溶液を灌水し、
その後に播種または植え付けを行うことも好ましい。本
法はオゾン溶解水および/または過酸化水素水、特に過
酸化水素水の灌水処理後に間をあけずに播種または植え
付けを実施する場合に用いると有効である。ここで云う
還元剤とは、余剰のオゾンおよび/または過酸化水素水
を還元する物質一般を云うが、土壌中に残留しないか、
あるいは残留しても作物に無害であり、かつ環境汚染性
の少ないものが好ましく、肥料となるものであれば更に
好ましい。このような還元剤として、例えばブドウ糖等
の還元性糖類、チオ硫酸カリウム等のチオ硫酸塩、亜燐
酸2アンモニウム等の亜燐酸塩、亜硫酸カリウム等の亜
硫酸塩、亜硝酸アンモニウム等の亜硝酸塩、シュウ酸ア
ンモニウム等のシュウ酸塩、アンモニア、ホルムアルデ
ヒド、などを挙げることが出来る。水または還元剤の灌
水方法や灌水量は、オゾン溶解および/または過酸化水
素水の灌水に準じて行えば良い。
【0020】本発明でいう土壌生息性生物とは、土壌中
に生息し、農作物や人間の日常生活等に害を及ぼす生物
のことであり、例えば農作物の成育を阻害するネコブセ
ンチュウやネグサレセンチュウ等の土壌線虫、作物や果
樹の根を食すガの幼虫、コガネムシの幼虫、根に寄生す
るセミの幼虫、キスジノミムシ、シバオサゾウムシ、ネ
アブラムシ、コガネムシ、アリ等の昆虫類、土壌病害を
起こすピシウム菌、フザリウム菌、リゾクトニア菌、バ
ーティシリウム菌等の土壌病害菌、芝地や畑を荒らすモ
グラ等、ダンゴムシ、ヤスデ等の多足類、ナメクジ、ウ
スカワマイマイ等の陸生の軟体動物、更に水田などに生
息するタニシ類等が挙げられる。
【0021】本発明は、オゾン溶解水および/または過
酸化水素水を土壌等に灌水することで、農作物の健全な
発育を妨げる土壌線虫等の土壌生息性有害生物を駆除で
きるのみならず、日常生活における不快生物の除去等に
も利用できる。
【0022】土壌を殺菌するための手段としてはオゾン
ガス含有気体を直接土壌に送り込むことも考えられる
が、施用したガスの大部分が短絡路を通じて大気中へ散
逸するため効率が悪く、また作業環境の悪化も甚だし
い。一方オゾン溶解水および/または過酸化水素水はガ
ス状のオゾンと比較して溶解しているガスの大気への発
散が遅く、細部にまで浸透して消毒作用を発揮するた
め、土壌中の消毒の程度が均等になるためより効率が高
い。
【0023】本発明の農作物とは、農作物、果樹作物、
林作物、園芸作物一般を表わし、特に限定されないが、
例えば、リンゴ、ブドウ、ミカン、モモ、カキ等の果
樹、トマト、スイカ、メロン等の果菜類、ほうれんそ
う、こまつ菜、キャベツ、レタス等の葉菜類、サツマイ
モ等の芋類、ビート、さとうきび等の特用作物、ニンジ
ン、ダイコン等の根菜類等が挙げられる。特に収穫期間
の長い果菜類が最適である。
【0024】本発明によると、土壌生息性有害生物を除
去できるため、色、形が好ましく、外観や重量に問題が
なく出荷に適している作物を生産することができる。本
発明に使用するオゾン溶解水の製造方法については何等
制約は無く、例えばボンベに充填された気体状のオゾン
や、オゾン発生装置で発生した気体状のオゾンを水へ溶
解させるものであっても良いし、水に溶解した酸素をオ
ゾン化するものであっても良い。気体状のオゾン発生方
法の種類や形式も任意であり、例えば無音放電式、コロ
ナ放電式、常圧プラズ式型等のように、酸素含有気体
(例えば空気)に交流、直流、脈流、パルス等の電圧を
印加することにより酸素を酸化する方法や、酸素含有気
体に紫外線や電離放射線を照射する事により酸素を酸化
する方法、化学的にオゾンを発生させる方法などを挙げ
ることが出来る。
【0025】気体状のオゾンまたはオゾン含有気体を水
に溶解する方法としては、気体を水に溶解させる機構を
任意に用いることが出来る。例えば、気泡塔、充填塔、
濡れ壁塔、混合槽(これらについては常圧型または加圧
型であって良い)、膜型気液接触装置、ウォーターポン
プなどを示すことが出来る。
【0026】ウォーターポンプの種類については特に限
定する必要はないが、ターボ型ウォーターポンプが好ま
しく、ターボ型ウォーターポンプとして遠心ポンプ、斜
流ポンプ、軸流ポンプ、電気を動力源とするもの、その
他の動力源によるもの、1段型、多段型など任意のもの
が使用できる。ウォーターポンプの吐出側圧力は0.2
〜10kgf/cm2 であることが好ましい。ターボ型
ウォーターポンプは、各種ウォーターポンプの中で、水
と気体が十分攪拌されるため、特に気体溶解効率が高
い。多段型または複数のウォーターポンプを使用する場
合には、第2段以降のウォーターポンプの吸入側にオゾ
ン含有気体を導入することも好ましい。第2段以降の吸
入側に気体を導入すべく構成されている多段型ウォータ
ーポンプを使用する事も同様に好ましい。
【0027】水に溶解した酸素をオゾン化する方法も任
意の形式であって良く、例えば酸素を溶解した水を電解
酸化する方式、酸素を溶解した水に紫外線や電離放射線
を照射する方式が挙げられる。
【0028】本発明で使用する過酸化水素水の製造方法
についても何等制約はなく、化学的に合成することも可
能ではあるが、市販の過酸化水素水をそのまま或いは希
釈して使用する方法が簡便であり好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態として、例え
ばビニールハウスでトマトを育成する場合、トマトの苗
の植え付け前に地中30cmに埋め込んだ散水チューブ
からオゾン溶解水および/または過酸化水素水を、24
時間で30mm降雨相当量を灌注する。これを7日おき
に2回繰り返した後、7〜14日後にトマトの苗を植え
付けることが好ましい。または土壌表面をポリエチレン
フィルムのシートで被覆し、その中に透水性のある管を
敷設して、もしくはシートの被覆なしに、30〜100
mm降雨相当量を10分〜1時間かけて灌水する。灌水
から7〜14日後に苗を植え付ければ良い。このように
することで、トマトの健全な発育を妨害する、土壌線虫
などの害虫が駆除され、有害生物害を防除することが可
能である。従って、トマトが健全に発育し、高品質なト
マトを生産することができる。特に地中への灌注にすれ
ばより効果的である。
【0030】
【実施例】以下実施例により本発明を更に具体的に説明
する。 [オゾン溶解水の製造例]オゾン溶解水は、小島製作所
(株)製オゾン水製造ユニットWE−3000により製
造した。本装置では、圧縮空気を、PSA式(圧力スイ
ング吸着式)酸素濃縮機により高酸素濃度にまで濃縮す
る。得られた高純度酸素ガス中でコロナ放電を行うこと
によりオゾンを発生させる。得られたオゾンは、ウォー
ターポンプ法により水に溶解させる。オゾン濃度は、3
ppmとなるように調節した。
【0031】[実施例1]オゾン溶解水によるサツマイ
モネコブセンチュウ駆除試験 縦50cm、横18cm、深さ20cmのプランター
に、トマト連作圃場のサツマイモネコブセンチュウ汚染
土壌を入れた。プランターの底部中央には予め内径13
mmの硬質塩化ビニール管(以下塩ビ管と称す)を埋め
込んだ。この塩ビ管には2mmのドリルで1cm間隔に
穴をあけており管末は封止した。もう一方はL字管によ
りプランター上に出して給水できるようにした。オゾン
溶解水処理は、製造例で製造したオゾン溶解水を下口付
きの20Lポリタンクに取り、L字管上端へホースを介
して接続して自然流下により上記プランターの土壌中に
灌注した。灌水は、プランター下端の排水孔から水が流
出してきた時点で停止した(10分で約30mm降雨相
当量)。オゾン溶解水処理は、5日間隔で2回行った。
次に予め臭化メチルで消毒した土壌を入れた播種床にト
マト(品種:福寿)を播種しておき、3週間後にオゾン
溶解水処理プランター1個につき各4本ずつ移植した。
苗の移植は、オゾン溶解水処理後7日目に行った。この
プランターをオゾン溶解水処理区とした。同様の方法で
オゾン溶解水の代わりに水道水を用い、これを対照水処
理区とした。試験は1処理区3連制で行い、試験期間中
の給水は水道水を用い、適時自然落下式の地中灌注で行
った。プランターはガラス温室内の育苗棚に置き、トマ
ト苗移植後36日目に全個体を掘り取り、根を水洗して
個体毎に根こぶ寄生度を表1に示すように0〜4の階級
をつけて調べ、根こぶ指数を下記の式1により算出し
た。また土壌中の線虫数はベールマン法により分離して
2令幼虫を計数し、試験成績を表2に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【数1】(式1) 但し A:根こぶ寄生度1の株数 B:根こぶ寄生度2
の株数 C:根こぶ寄生度3の株数 D:根こぶ寄生度
4の株数 N:全調査株数
【0034】
【表2】 線虫数は土壌20g当たりの2令幼虫数(ベールマン法
3反復の平均値) [実施例2] オゾン溶解水によるニンジンのネグサレ
センチュウ駆除試験 ガラス室内に幅90cm、長さ20mの生育床を作り、
縦方向に30cm幅で多孔質ゴム管地中灌水チューブ
(商品名:リーキーパイプ(登録商標);日本酸素
(株)製)を深さ40cmに埋設し、製造例で製造した
オゾン溶解水を、流量計を介して灌水チューブから土壌
中に灌注した。灌水量は、24時間で30mm降雨相当
とした。この処理を7日間隔で合計2回繰り返しオゾン
溶解水処理を行った。処理後14日目にニンジンの種子
を播種した。その後は慣行栽培法で生育させた。但し灌
水は、水道水の地中灌注で行った。ニンジンの収穫は、
播種140日〜142日後に行った。これをオゾン溶解
水処理区とした。同様の方法でオゾン溶解水の代わりに
水道水を用い、これを対照水処理区とした。試験成績は
表3に示した。(ニンジン品種:黒田五寸、肥培管理:
慣行、試験区制:1処理区18m2 2連制) 調査はオゾン溶解水処理前、処理後、収穫時に各区より
3箇所の深度20cmの土壌を採取し、ベールマン法に
より土壌100gのネグサレセンチュウの数を計数し
た。また収穫時に根の被害を調べ、式2により、収穫物
被害根率を算出した。収穫物被害根率は1処理区につき
2区を調査し、1区200本を調べ2区の平均値で示し
た。
【0035】
【数2】(式2)
【0036】
【表3】 [実施例3] 過酸化水素水によるサツマイモネコブセ
ンチュウ駆除試験 オゾン溶解水の代わりに、市販の30%過酸化水素水
(和光純薬(株)製)を60倍に希釈したものを使用し
たこと以外は実施例1と同様にして土壌の灌水処理を行
った。灌水処理の14日後にホウセンカの種子を播種し
て温室内で一般の栽培管理を行った。試験は1処理区1
プランターで行い、播種数は1プランター当たり50粒
とした。播種後60日目にホウセンカを掘り取り、根を
水洗して個体毎に根こぶ寄生度を実施例1と同様に調
べ、根こぶ指数を算出した。結果は表4に示す。
【0037】
【表4】 [実施例4] 過酸化水素水によるサツマイモネコブセ
ンチュウ駆除試験 過酸化水素水処理の実施24時間後に0.05%のチオ
硫酸カリウム水溶液を30mm降雨量相当灌注し、直ち
にホウセンカの種子を播種したこと以外は実施例3と同
様の試験を行った。結果を表5に示す。また、この試験
の発芽率は96%であった。
【0038】
【表5】 [実施例5]チオ硫酸カリウム水溶液の灌水を行わなか
ったこと以外は実施例4と同様の試験を行った。根こぶ
指数は実施例4と同様であったが、発芽率は56%に留
まった。
【0039】
【発明の効果】本発明の土壌生息性有害生物害の防除方
法によると、土壌生息性生物による作物への加害を防止
するため、作物を健全に生育させることが可能である。
また、オゾン、過酸化水素共に分解性であって、作物中
への残留の恐れが無く、安全性の高い作物を供給するこ
とが可能である上、残留成分による河川、地下水、大気
の汚染の恐れもない。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オゾン溶解水および/または過酸化水素水
    を土壌に灌水する事を特徴とする土壌生息性有害生物害
    の防除方法。
  2. 【請求項2】オゾン溶解水および/または過酸化水素水
    の土壌への灌水が、土壌中への灌注である請求項1記載
    の防除方法。
  3. 【請求項3】オゾン溶解水および/または過酸化水素水
    の土壌への灌水が、実質的に非透気性のフィルムまたは
    シートで覆われた土壌または生育床表面への灌水である
    請求項1記載の防除方法。
  4. 【請求項4】作物を植え付けまたは播種する前に、オゾ
    ン溶解水および/または過酸化水素水を土壌へ灌水した
    後、水または還元剤水溶液を灌水する事を特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1に記載の防除方法。
  5. 【請求項5】還元剤水溶液が肥料からなる請求項4記載
    の防除方法。
  6. 【請求項6】オゾン溶解水および/または過酸化水素水
    が1〜10重量ppmのオゾン溶解水である請求項1〜
    5のいずれか1に記載の防除方法。
  7. 【請求項7】オゾン溶解水および/または過酸化水素水
    が100〜1000重量ppmの過酸化水素水である請
    求項1〜5のいずれか1に記載の防除方法。
JP18151995A 1995-07-18 1995-07-18 土壌生息性有害生物害の防除方法 Pending JPH0930912A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005094557A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-13 Kureha Corporation 過酸化水素を根部から吸収させる植物の糖度向上及び収量増加方法
WO2006005764A3 (en) * 2004-07-14 2006-04-13 Solvay Use of inorganic peroxides for oxygenation of soil in order to prevent diseases caused by anaerobic agents in plants
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JP2009095326A (ja) * 2007-10-15 2009-05-07 Nobutaka Nakamura ボウフラ駆除兼給水器
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CN115152552B (zh) * 2021-07-21 2023-12-29 南京农业大学 降低水稻直链淀粉含量和调控水稻的Wx基因表达的方法

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