JPH09307625A - 副帯域音響雑音抑圧方法、回路、及び装置 - Google Patents

副帯域音響雑音抑圧方法、回路、及び装置

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JPH09307625A
JPH09307625A JP9026250A JP2625097A JPH09307625A JP H09307625 A JPH09307625 A JP H09307625A JP 9026250 A JP9026250 A JP 9026250A JP 2625097 A JP2625097 A JP 2625097A JP H09307625 A JPH09307625 A JP H09307625A
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echo
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band
noise
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JP9026250A
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Stephen S Oh
エス オー スティーヴン
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Texas Instruments Inc
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Texas Instruments Inc
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04MTELEPHONIC COMMUNICATION
    • H04M9/00Arrangements for interconnection not involving centralised switching
    • H04M9/08Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic
    • H04M9/082Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic using echo cancellers

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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
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  • Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 音響エコー打消し・雑音抑圧システムにおけ
る副帯域ドメイン雑音抑圧方法、回路及び装置を提供す
る。 【解決手段】 調整回路は、マイクロホン(mic) ・イン
入力端子、スピーカ(sp)・ライン入力端子、エコーキャ
ンセラ回路、雑音抑制回路、及び合成フィルタを有す
る。エコーキャンセラ回路はmic ・イン端子とsp・ライ
ン端子との間に結合され、(i) mic 信号を副帯域mic 信
号に、またsp信号を濾波された副帯域sp信号に変換
し、(ii)副帯域sp信号を副帯域mic信号から副帯域
減算して副帯域エコー低減mic 信号を生成する。雑音抑
圧回路は副帯域エコー低減mic 信号を副帯域雑音抑圧し
て副帯域雑音低減・エコー低減mic 信号を生成する。合
成フィルタは副帯域雑音低減・エコー低減mic 信号を全
帯域雑音低減・エコー低減mic 信号に変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には雑音を
抑圧する方法、回路及び装置に関し、詳しく述べれば、
音響エコー打消し・雑音抑圧システムにおいて、副帯域
(サブバンド)ドメイン雑音を抑圧する方法、回路及び
装置に関する。
【0002】
【発明の背景】全二重の、手を使わない(以下に「ハン
ドフリー」という)電話機またはスピーカホンでは、第
1の人がスピーカホンに話しかけてスピーカから発した
音が、(スピーカホンを使用する第2の人が話した音を
拾うようになっている)スピーカホンのマイクロホンに
よって拾われる。ハンドフリー電話機を注意して設計す
れば、ハウリングを生じさせる正のフィードバックを防
ぐことができる。第1の話し手の言葉が時間的に遅れ
て、大きさが減少して、そして屡々ひずみを伴って彼ま
たは彼女へ戻って伝送されて来るような、第2の形状の
フィードバックも存在し得る。その人自身のこの言葉の
エコーは、殆どのユーザを極度に混乱させるものであ
り、通常は音響エコー打消し回路によって制御される。
もしハンドフリー電話機が自動車に搭載されたセルラ電
話機であれば、信号対雑音比が低く、且つ雑音特性が時
間と共に変化するので、適応雑音抑圧が必要である。
【0003】普通のハンドフリーディジタルセルラ電話
機は、音響エコー打消しと、雑音抑圧とを別個の問題と
して取扱う。従って、これらの解決法を一緒に適用する
と非効率的なシステムになってしまう。例えば 1991 年
Marcel Dckker刊 S. Furui及び M.M. Sondhi編 Advanc
ed in Speech Signal Processing に所載の Sondhi,M.
M. 及び Kellerman, W.による Adaptive Echo Cancella
tion for Speech Signals, Chapter 11に記載されてい
る全帯域(フルバンド)LMSアルゴリズムを使用すれ
ば、エコー打消しのための効果的且つ直接的な解決法を
得ることができる。近年、副帯域音響エコーキャンセラ
を使用する研究がなされてきた。これは計算がそれ程複
雑ではなく、最適のエコー打消しが得られるフィルタ係
数に急速に収斂するからである。雑音抑圧アルゴリズム
は、スペクトル減算法に基づくのが一般的である。スペ
クトル減算法では、高速フーリエ変換(FFT)、また
は帯域通過フィルタバンクを使用して雑音スペクトルを
推定する。雑音を伴うスピーチ信号が到来すると、雑音
スペクトル推定が雑音信号スペクトルから減算される。
このスペクトル減算法は良好に動作して信号対雑音比を
向上させるが、「音楽雑音」と呼ばれるアーチファクト
を生成する可能性がある。音楽雑音の発生を回避するた
めに、平滑されたスペクトルをスペクトル減算に使用す
るシステムがTexas Insuturumentsに譲渡された 1995
年4月18日付 Allen V. McCreeの米国特許出願第 08/42
6,746 号に開示されている。
【0004】図1に示す従来のシステムでは、音響エコ
ー打消しのための1つと、雑音抑圧のための1つの、計
2つのアルゴリズムが互いに独立的に適用される。図1
のシステムでは、音響エコー打消しはブロック110に
よって行われ、雑音抑圧はブロック134によって行わ
れる。スピーカ106を駆動するのに使用されるライン
104上の出力信号は、ハンドフリー電話機(図示して
ない)の内部の公知回路から増幅器102によって供給
される。ライン104上の出力信号はライン108によ
って分解フィルタ112へも供給される。分解フィルタ
112は、その出力ライン114上に副帯域信号を生成
する。ライン114上の副帯域信号は適応フィルタ11
6へ供給される。ライン118上の適応フィルタ116
の出力は加算増幅器120へ供給される。加算増幅器1
20は、分解フィルタ122からの入力をも受けてい
る。分解フィルタ122は、ユーザから発した音響
(「近端スピーチ」と呼ばれる)であるマイクロホン1
24の入力からの副帯域信号を供給する。ライン126
上の加算増幅器120の出力は合成フィルタ130へ供
給される。合成フィルタ130はライン132上に全帯
域信号を生成し、ライン128を介してそれを適応フィ
ルタ116へ供給し、フィルタが使用する係数を調整す
る。適応フィルタ116の係数は、公知のようにして音
響エコー打消しを行うように調整される。ブロック11
0は、副帯域音響エコー打消しシステムを表している。
もしシステムが全帯域ドメインで実現されていれば、分
解フィルタ112及び122、及び合成フィルタ130
は省略される。
【0005】ライン132上の全帯域のエコーを減少さ
せた信号は、雑音抑圧回路134への入力であり、先ず
FFTジェネレータ136へ印加される。ライン138
上のFFTジェネレータ136の出力は、スペクトル減
算を遂行する雑音抑圧回路140への入力である。ライ
ン142上の雑音抑圧回路140の出力は逆フーリエ変
換(IFFT)回路144へ印加される。IFFT回路
144は、音響エコー打消し・雑音抑圧回路100の出
力としてライン146上に全帯域信号を発生する。図1
のシステムは、マイクロホンからの信号がエコー打消し
のための副帯域ドメインに変換され、雑音抑圧のために
周波数ドメインに変換されるので、冗長性を有してい
る。このシステムは、例えば Texas Instruments TMS 3
20C50 DSP (ディジタル信号プロセッサ)によって実現
することができ、もし全帯域音響エコー抑圧システムを
実現するのであれば、 20 乃至 30 MIPSの処理能力を必
要とすることになる。従って、より少ない処理能力を使
用して、従ってより少ない費用でこれらの機能を遂行で
きる、より効率的なアプローチに対するニーズが存在し
ている。
【0006】
【発明の概要】雑音を抑圧する方法、回路、及び装置を
提供することが本発明の一般的な目的である。本発明の
別の目的は、音響エコー打消し・雑音抑圧システムにお
いて、副帯域ドメイン雑音を抑圧する方法、回路、及び
装置を提供することである。本発明のさらなる目的は、
ハンドフリー電話機において音響エコーを打消し、雑音
を抑圧する方法、回路、及び装置を提供することであ
る。本発明の更に別の目的は、自動車用ハンドフリーセ
ルラ電話機のための音響エコー打消し・雑音抑圧システ
ムにおいて副帯域雑音を抑圧する方法、回路、及び装置
を提供することである。
【0007】これらの及び他の目的、長所、及び特色
は、第1の音響信号を発生するラウドスピーカ付近のマ
イクロホンのための音響エコー調整回路によって達成さ
れる。マイクロホンは、第1の音響信号の成分を含む第
2の音響信号を受け、対応する入力信号を生成する。副
帯域ドメイン音響エコー打消し回路が出力信号源とマイ
クロホンとの間に接続され、入力信号内の第1の音響信
号の成分の存在を減少させ、副帯域のエコーを減少させ
た信号(以下に、エコー低減信号という)を生成する。
副帯域ドメイン雑音抑圧回路が副帯域エコー低減信号を
受信するように接続され、副帯域エコー低減信号内の雑
音を低下させ、副帯域の雑音を低下させた(以下に、雑
音低減という)・エコー低減信号を生成する。本発明の
別の面は、出力信号源に結合されていて対応音響信号を
生成するラウドスピーカと、入力信号を生成するマイク
ロホンとを有するハンドフリー電話機を動作させる方法
を含む。入力信号内の出力信号の存在は、副帯域ドメイ
ン音響エコー打消しによって減少されて副帯域エコー低
減信号が生成される。副帯域エコー低減信号内の雑音
は、副帯域ドメイン雑音抑圧によって抑圧されて副帯域
雑音低減・エコー低減信号が生成される。
【0008】本発明のさらなる面は、出力信号源に結合
されていて対応音響信号を生成するラウドスピーカを有
する音響エコー打消し・雑音抑圧装置を備えている。マ
イクロホンは第1の音響信号の成分を含む第2の音響信
号を受け、対応する入力信号を生成する。副帯域ドメイ
ン音響エコー打消し回路が出力信号源とマイクロホンと
の間に結合され、入力信号内の第1の音響信号の成分の
存在を減少させて副帯域エコー低減信号を生成する。副
帯域ドメイン雑音抑圧回路が副帯域エコー低減信号を受
けるように接続され、副帯域エコー低減信号内の雑音を
低下させて副帯域雑音低減・エコー低減信号を生成す
る。本発明の更に別の面は、オーディオ周波数信号内の
雑音を低下させる装置を含む。分解フィルタは、オーデ
ィオ周波数信号を受けるように結合され、副帯域信号を
生成する。副帯域雑音抑圧回路は副帯域信号を受けるよ
うに結合され、現在の電力ρi t)を推定する回路と、雑
音スペクトル推定NSi を更新する回路と、雑音抑圧利
得Gi を計算する回路と、最小利得について調整する回
路と、計算された利得でエコー低減信号をスケーリング
する回路とを備えている。
【0009】本発明の更に別の面は、オーディオ周波数
信号内の雑音を低下させる方法によって達成される。オ
ーディオ周波数信号から副帯域信号が生成される。副帯
域信号内の雑音は、現在の電力ρi (t) を推定し、雑音
スペクトル推定NSi を更新し、雑音抑圧利得Gi を計
算し、最小利得について調整し、そして計算された利得
でエコー低減信号をスケーリングすることによって低下
される。
【0010】
【実施の形態】本発明においては、音響エコー打消し
と、雑音抑圧の両動作が、合成フィルタ及び高速フーリ
エ変換を通過することなく同一のドメイン内で遂行され
るより効率的なシステムを得るために、周波数ドメイン
処理は副帯域ドメイン処理の特別な場合と見做される。
合成フィルタリング及び高速フーリエ変換の動作を少な
くすることによって、処理能力が節約され、計算の複雑
さが減少される。本発明が提供するシステムの処理能力
は7 MIPS 程度でよく、従って必要処理能力は 2/3乃至
3/4まで少なくなる。図2に、音響エコーキャンセラ・
副帯域ドメイン雑音抑圧システム200を示す。図1の
要素と同一の要素に対しては下2桁を同一の番号にして
ある。従って、増幅器、スピーカ、及びマイクロホンは
図1と同一の下2桁の番号で識別することができる。音
響エコーキャンセラブロック210は、副帯域によるエ
コー打消しの後の、副帯域信号を全帯域信号に変換する
ための合成フィルタ130が除去されていることを除い
て、本質的には図1の音響ブロック110と同一であ
る。その代わりとして、雑音抑圧回路230の出力ライ
ン232に合成フィルタ234が接続されており、合成
フィルタ234がライン236上に全帯域信号z(t) を
供給するようになっている。
【0011】雑音抑圧回路230は、ライン226から
i番目の副帯域のための音響エコーキャンセラの出力を
i (t) として受信し、図3に示す副帯域雑音抑圧プロ
セス300を遂行する。好ましい実施例では8副帯域が
使用され、各副帯域毎の電力スペクトル推定に対して、
一次ループフィルタであるIIR(無限インパルス応
答)フィルタを使用して平滑動作を時間ドメインで遂行
し、システム待ち時間を導入することなく時間ドメイン
平滑を行う。ブロック302において、i番目の副帯域
の電力スペクトルが次式を使用して推定される。 ρ1(t)=(1−μ)*ρi (t−1)+μ|Χi(t)|2 (式 1) ここに、ρ1(t)はi番目の副帯域における電力スペクト
ルの推定であり、|Χi(t)|2 はi番目の副帯域におけ
る現在の瞬時電力であり、μ≪1である。
【0012】これは、先行各時間サンプル毎に指数的に
低下して行く貢献度を与える。例えば、 ρ1(10) =(1−μ) ρi (9) +μ|Χi(10) |2 =(1−μ)[(1−μ) ρi (8) +μ|Χi(9)|2]+μ|Χi(10) |2 =(1−μ)2ρi (8) +μ(1−μ) |Χi(9)|2 +μ|Χi(10) |2 =(1−μ)10 ρi (0) +μ(1−μ)9|Χi(1)|2 +μ(1−μ)8|Χi(1)|2 …+ μ(1−μ) |Χi(9)|2 +μ|Χi(10) |2 μ= 0.1、ρ1(0)=0 の場合には、 ρ1(10) =0.1 |Χi(10) |2 + 0.09 |Χi(9)|2 + 0.08 |Χi(8)|2 …+ 0 次いで、ブロック304において雑音スペクトル推定N
i が更新される。ブロック306は、この情報を使用
して雑音抑圧利得を次式によって計算する。 G1 ={1−(NSi /kρi )}1/2 (式 2) ここにkは電力スペクトル推定に起因する利得の変動を
減少させるための所定値であり、NSi はi番目の副帯
域の雑音スペクトル推定である。次いで、利得が所定の
最小利得と比較され、もしそれが最小利得よりも小さけ
ればブロック308において最小利得に等しくセットさ
れる。雑音の多い信号を過大に抑圧すると信号内に可聴
アーチファクトを生じてしまうことが分かっている。従
って、この可聴アーチファクトを回避するために、利得
には最小値を割当てて各副帯域における雑音抑制を実質
的にクランプする。次いでブロック310において、各
エコー打消しされた副帯域信号ei (t) に対応する計算
された雑音抑圧利得Gi が乗算され、スケールされた副
帯域信号si (t) が生成される。
【0013】図4は、図3のプロセスのより詳細な流れ
図である。ブロック402から開始され、副帯域i=0
に初期化され、次いでブロック404へ進んで副帯域が
1だけ増数即ちインクリメントされる。次いでプロセス
はブロック406へ進み、副帯域の番号が雑音抑圧動作
に使用される副帯域の数(この実施例では8副帯域)と
比較される。もし副帯域の数が合理的であれば、副帯域
の数が多い程必要とされる計算能力は少なくてよい。例
えば 32 副帯域を使用することができる。しかしながら
副帯域の数を増加させると、より多くのメモリが必要に
なるという欠点が発生する。本実施例の8副帯域は合理
的な妥協として選択したものである。もし副帯域の数が
限度を超えていれば、プロセスはブロック408におい
て終了する。そうでなければプロセスはブロック410
へ進み、式1を使用して現在の副帯域信号の更新された
電力スペクトル推定ρi が計算される。次いでプロセス
はブロック412へ進み、電力ρi が、所定の係数kと
i番目の副帯域の雑音スペクトル推定NSi とを乗算し
た量と比較される。もしρi がこの量を超えていればブ
ロック414において雑音スペクトル推定NSi が増加
される。そうでなければプロセスはブロック416へ進
み、ρi がk×NSi より小さいか否かが決定される。
もし小さければ、ブロック418においてNSi が減少
される。もし小さくなければ、プロセスはブロック42
0へ進んで、NSi はρi に等しくセットされる。
【0014】ブロック414、418、及び420か
ら、プロセスはブロック422へ進んで、NSi が最小
雑音スペクトル推定よりも小さいか否かが決定される。
もし小さければ、ブロック424においてNSi は雑音
スペクトル推定の最小値に等しくセットされる。ブロッ
ク424から、またはブロック422がNOであると、
プロセスはブロック426へ進み、式2を使用して雑音
抑圧利得Gi が計算される。プロセスはブロック428
へ進み、利得が最小利得よりも小さいか否かが決定され
る。もし小さければ、ブロック430において利得は最
小利得にセットされる。ブロック430から、またはブ
ロック428がNOであると、プロセスはブロック43
2へ進み、副帯域出力si (t) が、計算された利得Gi
×エコーを打消された副帯域信号ei (t) に等しくセッ
トされる。次いでプロセスはブロック404へ戻り、副
帯域指標iがインクリメントされ、全ての利得が調整さ
れてしまうまでこのプロセスを繰り返す。その後に雑音
抑圧プロセスはブロック408において終了する。これ
に続いて合成フィルタ234が、副帯域信号si (t)を
全帯域信号z(t) に変換してライン236上に出力す
る。
【0015】図5に、副帯域ドメインにおいて近端スピ
ーチを検出する本発明のさらなる実施例500を示す。
近端スピーチとは、ハンドフリー電話機の局所的な位置
におけるスピーチであり、換言すれば(電話回線または
電話リンクの他方の端の人のスピーチu(t) に対する)
電話機のユーザのスピーチy(t) である。近端スピーチ
が検出されると、適応フィルタ516が不安定になるの
を防ぐために、適応フィルタ516のフィルタ係数が
「凍結」される。音響エコー打消し技術の基礎は、近端
スピーチは存在しないと仮定することである。従って、
近端スピーチが検出されると、例えば論理回路によって
適応フィルタ係数の更新が開始されて不安定さを防ぐの
である。図5の回路は、副帯域ドメイン近端スピーチ検
出回路538が付加されていることを除いて、図2の回
路と同一である。回路538は、分解フィルタ512か
らの出力である副帯域信号xi (t) と、音響エコーキャ
ンセラブロック510の出力である副帯域信号ei (t)
とを受信する。またライン544上の雑音抑圧回路53
0の出力と、ライン548上の分解フィルタ522の副
帯域出力をも入力として受信する。近端スピーチが検出
されると、制御ライン542は適応フィルタ516に制
御信号を送ってその係数を「凍結」させる。
【0016】回路538は、図6に示すアルゴリズム6
00を実現する。目標にした環境が不利(自動車の内
部)であり、時間的に変化するので、適応アルゴリズム
を使用するのである。このアルゴリズムは近端スピーチ
を検出するために2つの測度、即ちエコー経路エネルギ
比、及びエコーキャンセラエネルギ比を使用する。「エ
コー経路エネルギ比」とは、図5の近端スピーチ信号y
(t) と遠端スピーチ信号u(t) との間のエネルギ比とし
て定義されるものである。高速道路を走行中の自動車の
内部の雑音成分は 500Hz以下に集中し、一方スピーチ
信号は全周波数領域に広がっていることが分かってい
る。従って、もし 500Hzを超える周波数成分について
エコー経路エネルギ比を計算すれば、雑音状態には無関
係に、近端スピーチを検出することができる。これは高
めの周波数ビンを選択することによって副帯域ドメイン
において容易に達成できる。「エコーキャンセラエネル
ギ比」とは、音響エコー打消し・雑音抑圧出力si (t)
と、遠端スピーチ信号u(t) との間のエネルギ比として
定義されるものである。近端スピーチ検出アルゴリズム
は、長時間平均を取ることによってエコー経路エネルギ
比を追跡し、エネルギの変動が大き過ぎるようになった
時点を検出する。エネルギの変動が過大になる根本的な
原因は、人のスピーチ信号のエネルギが、どのような雑
音の変化よりも遙かに速く変動するからである。エコー
キャンセラエネルギ比について、近端スピーチ信号を検
出するために固定しきい値が使用される。音響エコーキ
ャンセラ及び雑音抑圧回路が共に適切に動作している場
合には、s(t) のエネルギはu(t)のエネルギよりも小
さい筈である。そうでなければ、エコーが打消されてい
ないか、または雑音が十分に抑圧されていないの何れか
である。固定しきい値は経験的に決定される。
【0017】アルゴリズム600はブロック602から
開始され、遠端スピーチ信号u(t)の長時間平均エネル
ギが計算される。次いでプロセスはブロック604へ進
み、近端スピーチ信号y(t) の長時間平均エネルギが計
算される。プロセスはブロック606へ進み、近端スピ
ーチ信号と遠端スピーチ信号との間の比としてエコー経
路エネルギ比(EPR)が決定される。次いでプロセス
はブロック608へ進み、EPRがβLT EPRより
大きいか否かが決定される。βは経験的に導出された定
数であり、LT EPRはブロック602において計算
されたEPRの長時間平均である。第1の経路において
は、LT EPRはブロック606からのEPRに等し
くセットされる。もしEPRがβLT EPRより大き
ければ、ブロック610において近端スピーチ1信号の
ブール値がYESにされる。もし大きくなければプロセ
スはブロック612へ進み、LT EPRが更新され
る。次いでプロセスはブロック614へ進み、近端スピ
ーチ1はブール値NOにされる。ブロック610及び6
14から、プロセスは判断ブロック626へ進む。プロ
セスはまた、ブロック602からブロック616へ分岐
する。ブロック616では、エコー打消し出力エネルギ
が計算される。プロセスはブロック618へ進み、音響
エネルギ打消し・雑音抑圧回路の出力s(t) と、ブロッ
ク602において計算された遠端スピーチ信号u(t) の
長時間平均との間の比としてエコーキャンセラエネルギ
比(ECER)が決定される。次いでプロセスはブロッ
ク620へ進み、ECERがαより大きいか否かが決定
される。αは経験的に決定されたしきい値である。もし
ECERがαを超えていれば、プロセスはブロック62
2へ進んで近端スピーチ2にブール値YESが与えられ
る。もし超えていなければ、プロセスはブロック624
へ進んで近端スピーチ2にブール値NOが与えられる。
次いでプロセスはブロック626へ進み、近端スピーチ
1信号及び近端スピーチ2信号が共にブール値のYES
であるか否かが決定される。もしYESであれば近端ス
ピーチが検出されたのであり、ブロック632において
プログラムは終了する。もしNOであればブロック63
0においてスピーチは検出されてなく、ブロック632
においてプログラムは終了する。
【0018】図7は、ブロック750内に実現されてい
る残留エコー抑圧を付加的に有する音響エコー打消し・
雑音抑制回路700を示す。回路700は、残留エコー
抑圧回路750が付加されていることを除いて、図5の
回路500と本質的に同一である。図5と同一の要素に
は下2桁に同一の番号を付してある。図7には副帯域ド
メイン近端スピーチ検出回路ブロック738が示されて
いるが、必ずしも残留エコー抑圧を実施する必要はな
い。残留エコー抑圧ブロック750は、ライン732上
の信号si (t) を受信するように接続されていて、雑音
抑圧回路730の出力を受信する。またこのブロックは
ライン754によってライン748に接続され、分解フ
ィルタ722の出力(マイクロホン724からの副帯域
ドメイン信号)を受信する。エコー抑圧回路750の出
力は、ライン752を介して合成フィルタ734へ印加
され、ライン736上に全帯域出力z(t) が生成され
る。
【0019】残留エコー抑圧回路750の目的は、音響
エコーキャンセラ回路210による処理の後に残留する
エコー信号(もしあれば)を減少させることである。例
えばもし音響エコーキャンセラ回路210がエコーを 2
5 dBだけ低下させたとしても、それはまだ聞こえるか
も知れない。しかしながら、雑音が多い環境の場合に
は、残留エコー信号の完全な除去は望ましくない。何故
ならば、抑圧モードと非抑圧モードとの間を余りにも屡
々スイッチングするためにクリッキング効果が発生する
からである。これは、残留エコー信号を抑圧すべき期間
にわたって雑音成分を抑圧する交番回路によってもたら
されるものであり、背景雑音に急激な変化を生じさせ
る。そこでクリッキング効果を少なくするために、いわ
ゆる「心地よい雑音」を生成させる。近端スピーチが抑
圧されるのを回避するために、残留エコー抑圧は近端ス
ピーチが存在する間は不活動である。近端スピーチ検出
器は、近端スピーチが存在しない場合に近端スピーチが
存在するもとのして偽の警報を出し、近端スピーチが潜
在的に抑圧されるのを少なくさせるべきである。残留エ
コー抑圧アルゴリズムは、エコーキャンセラエネルギ比
(ECER:前述したように、信号を抑圧する時点を検
出する)を使用する。検出のために、上述した近端スピ
ーチ検出に使用したものと類似の固定しきい値を使用す
る。例えば 10 dBの打消しがあった場合には、ECE
R値は約 0.3よりも小さくすべきである。従って、もし
ECERが 0.3よりも小さければ、残留信号は抑圧され
る。ここで使用するしきい値は近端スピーチ検出回路で
使用されるものとは異なることに注意されたい。
【0020】残留エコー抑圧回路750は、図8のアル
ゴリズム800を実現する。このアルゴリズムはブロッ
ク802から開始され、現在の電力の推定が行われる。
次いでプロセスはブロック804へ進み、ブロック30
2現在のエコーキャンセラエネルギ比(ECER)が計
算される。プロセスはブロック806へ進み、ECER
が経験的に決定された定数γより小さいか否かが決定さ
れる。もし小さければエコーが十分に抑圧されたものと
決定され、それ以上の動作は行われない。もし小さくな
ければプロセスはブロック808へ進んで、スペクトル
再成形技術が適用される。スペクトル再成形技術は、前
記雑音スペクトルNSi を使用する。スペクトル再成形
技術の目的は、背景雑音特性に精密に一致する心地よい
雑音を発生させることである。スペクトル再成形技術
は、可聴残留エコー信号を含む現在の信号を、雑音スペ
クトル推定に基づいて再成形する。スペクトルを再成形
することによって、信号は背景雑音に似た音になり(背
景雑音が残留エコーに置換され)、クリッキング効果は
殆ど除去されるようになる。
【0021】ブロック808のスペクトル再成形技術
は、図9のアルゴリズム900によって実現される。ア
ルゴリズム900は、ブロック902から開始され、ブ
ロック904へ進んでi=0にセットされる(iは処理
中の周波数ビンの数を表す)。iの値が初期化される
と、プロセスはブロック906へ進んでiの値が1だけ
インクリメントされ、プロセスはブロック908へ進ん
でiが処理に使用されている副帯域の数(この実施例で
は8副帯域が使用されている)よりも大きいか否かが決
定される。もし処理中の副帯域の数を超えていればプロ
セスはブロック910へ進み、アルゴリズムは停止す
る。もし処理中の副帯域の数を超えていなければ、プロ
セスはブロック912へ進み、次式を使用してエネルギ
ξi を計算することができる。
【0022】 ξi =λ/|s1(t)|2 (式 3) ここに、λは定数である。しかしながら、本発明の好ま
しい実施例では式3は、 ξi =λ(t) Ψi (t) (式 4) に置換されている。ここに、λ(t) は時間変化定数であ
る。式3は、si (t) の瞬時電力の基づくスケーリング
値ξi を表し、一方式4は、より滑らかな応答を与える
i (t) の平均電力に基づくスケーリング値ξ1 を表し
ている。式4において、Ψ1 (t) はi番目のビンの長時
間電力推定であって、 Ψi (t) =(1−μ) Ψi (t−1) +μ|s1(t)|2 (式 5) として計算することができる。前述したようにμ≪1で
ある。時間変化定数λ(t) は各フレーム毎に、 λ(t) =(1/N)(1/M)Σk=1 N Σj=1 M |sj t −k )|2 (式 6) として推定することができる。ここに、Mはビンの数で
あり、Nはあるフレーム内のデータ点の合計数である。
また、式5に類似の手法でλ(t) を推定するか、または
経験的に決定することができる(時間に無関係の)定数
λを使用することも可能である。次いでプロセスはブロ
ック914へ進み、ライン732上の信号si (t) に雑
音スペクトル推定及び式7を使用して計算されたξi
値を乗算することによって出力信号ri (t) が計算され
る。 ri (t) =si (t) ・NSi ・ξi (式 7) 次いでプロセスはブロック906へ戻り、Mの値が処理
中の副帯域の数を超えるまでこのプロセスが繰り返さ
れ、超えるとアルゴリズムはブロック910において終
了する。
【0023】図10及び11にシステムの性能を示す。
図10には、マイクロホン224からの入力を信号10
02で示されている。約 55 秒の第1の期間中の信号は
高速道路雑音を伴うエコー信号を含み、残余の期間は近
端スピーチの存在を示している。信号1004は、入力
雑音の劇的な低下を示している。信号1006は、近端
スピーチを表している。この試験では、残留エコー抑圧
は使用しなかった。図11に、4つの信号のスペクトロ
グラムを示す。図11の(a)は、音響エコー打消し・
雑音抑圧システムの入力信号y(t) である。図11の
(b)は、エコー打消し回路だけの出力e(t) である。
図11の(c)は雑音抑圧回路の出力における信号si
(t) であり、そして図11の(d)はスペクトル再成形
を使用する残留エコー抑圧の出力ri (t) である。残留
エコー抑圧の出力にはスピーチ特性が見られないことに
注目されたい。
【0024】アセンブラ言語で実現されたプログラムを
用いる TMS 320C50 を使用すれば、音響エコー打消しプ
ロセスは6 MIPS の処理能力を、雑音抑圧は1 MIPの処
理能力を、そして残留エコー抑圧は1 MIPの処理能力を
必要としよう。従って音響エコー打消し・雑音抑圧を備
えているシステムは7 MIPS の処理能力で動作すること
ができる。現在のシステムが 20 または 30 MIPSの処理
能力を必要とするのに比して、これは処理能力を 2/3乃
至 3/4低下させ、従ってシステムはより低価格で製造す
ることができる。以上に本発明の特定の実施例を説明し
たが、当業者ならば若干の変化及び変更を容易に考案で
きるであろう。例えば、残留抑圧回路を副帯域ドメイン
システム内で説明したが、この回路はそのように限定さ
れるものではない。FFT、DFT、または Wavelet変
換のような周波数ドメインを表すための変換も使用する
ことができる。これらの変換、及び周波数ドメインへ戻
す逆変換を遂行するのに必要な回路は当分野においては
公知である。これらの変化及び変更は特許請求の範囲に
よって限定されている本発明から逸脱することなく実施
可能である。
【0025】以上の記載に関連して、以下の各項を開示
する。 (1) マイクロホン信号を受信するマイクロホン・イン入
力端子、スピーカ信号を受信するスピーカ・ライン入力
端子、及びマイクロホンアウト出力端子と、上記マクロ
ホン・イン入力端子と上記スピーカ・ライン入力端子と
の間に結合され、(i) 上記マイクロホン信号を副帯域マ
イクロホン信号に、また上記スピーカ信号を濾波された
副帯域スピーカ信号に変換し、(ii)上記濾波された副帯
域スピーカ信号を上記副帯域マイクロホン信号から副帯
域減算することによって副帯域エコー低減マイクロホン
信号を生成するエコーキャンセラ回路と、上記エコーキ
ャンセラ回路に結合され、上記副帯域エコー低減マイク
ロホン信号の副帯域雑音を抑圧することによって副帯域
雑音低減・エコー低減マイクロホン信号を生成する雑音
抑圧回路と、上記雑音抑圧回路と上記マイクロホン・ア
ウト端子との間に結合され、上記副帯域雑音低減・エコ
ー低減マイクロホン信号を全帯域雑音低減・エコー低減
マイクロホン信号に変換する合成フィルタと、を備えて
いることを特徴とする調整回路。 (2) 上記エコーキャンセラ回路は、上記副帯域エコー低
減マイクロホン信号のフィードバックに応答して変化可
能なフィルタ係数を有していて上記スピーカ信号を濾波
された副帯域スピーカ信号に変換する適応フィルタを備
えている上記(1) 項に記載の調整回路。 (3) 上記副帯域マイクロホン信号、上記副帯域エコー低
減マイクロホン信号、及び上記雑音低減・エコー低減マ
イクロホン信号に応答し、上記マイクロホン信号が近端
スピーチ(上記マイクロホンの近くで実際に発声された
スピーチ)を含む場合に限って「凍結」制御信号を生成
する検出器回路と、上記「凍結」制御信号に応答し、上
記フィルタ係数が変化するのを不能にする適応フィルタ
と、をさらに備えている上記(2) 項に記載の調整回路。 (4) 上記検出器回路は、上記出力信号と上記入力信号と
の間のエネルギ比としてエコー経路エネルギ比(EP
R)を、また上記エコーキャンセラ回路の出力と上記出
力信号との間のエネルギ比としてエコーキャンセラエネ
ルギ比(ECER)を決定する回路と、上記EPRと第
1の所定のしきい値レベルとを、及び上記ECERと第
2の所定のしきい値レベルとを比較する回路と、上記E
PRが上記第1の所定のしきい値レベルを超え、同時に
上記ECERが上記第2の所定のしきい値レベルを超え
た時に、上記近端スピーチが存在することを決定する感
知回路と、を備えている上記(3) 項に記載の調整回路。 (5) 上記合成フィルタを上記雑音抑圧回路に結合する副
帯域残留エコー打消し回路をさらに備え、上記副帯域残
留エコー打消し回路は上記副帯域マイクロホン信号を使
用して上記雑音低減・エコー低減マイクロホン信号内の
残留エコーを低減させる上記(1) 項に記載の調整回路。 (6) 各副帯域iにおいて、上記雑音抑圧回路は、現在の
電力ri (t) を推定し、雑音スペクトル推定NSi を更
新し、雑音抑圧利得Gi を計算し、最小利得について調
整することによって調整された利得を決定し、そして上
記調整された利得を用いて上記副帯域エコー低減マイク
ロホン信号をスケーリングする上記(1)項に記載の調整
回路。 (7) 上記スピーカ・ライン端子に結合されているラウド
スピーカと、上記マイクロホン・イン端子に結合されて
いるマイクロホンとをさらに備えている上記(1) 項に記
載の調整回路。 (8) 出力信号源に結合され対応する音響信号を生成する
ラウドスピーカと、入力信号を生成するマイクロホンと
を備えているハンドフリー電話機を動作させる方法であ
って、副帯域ドメイン音響エコー打消しによって上記入
力信号内の出力信号の存在を低減させ、副帯域エコー低
減信号を生成する段階と、副帯域ドメイン雑音抑圧によ
って上記副帯域エコー低減信号内の雑音を抑圧し、副帯
域雑音低減・エコー低減信号を生成する段階と、を備え
ていることを特徴とする方法。 (9) 合成フィルタ内において、上記副帯域エコー低減・
雑音低減信号から全帯域信号を生成する段階をさらに備
えている上記(8) 項に記載の方法。 (10)上記ハンドフリー電話機は、上記副帯域音響エコー
を打消すための適応フィルタを含み、上記マイクロホン
からの副帯域信号、及び上記副帯域雑音抑圧からの出力
を、上記副帯域エコー低減信号と共に処理することによ
り、上記マイクロホンによって検出された近端スピーチ
を検出する段階と、上記適応フィルタの係数の変化を禁
止するための制御信号を生成する段階と、をさらに備え
ている上記(8) 項に記載の方法。 (11)上記副帯域エコー低減・雑音低減信号内の残留エコ
ーを低減させる段階をさらに備えている上記(8) 項に記
載の方法。 (12)各副帯域i毎に雑音を抑圧する段階は、現在の電力
i (t) を推定する段階と、雑音スペクトル推定NSi
を更新する段階と、雑音抑圧利得Gi を計算する段階
と、最小利得について調整することによって調整された
利得を決定する段階と、上記調整された利得を用いて上
記副帯域エコー低減マイクロホン信号をスケーリングす
る段階とからなる上記(8) 項に記載の方法。 (13)上記ハンドフリー電話機は、セルラ電話機である上
記(8) 項に記載の方法。 (14)エコー打消し・雑音抑圧装置であって、出力信号源
に応答し、対応する第1の音響信号を生成するラウドス
ピーカと、上記第1の音響信号の成分を含む第2の音響
信号に応答し、対応する入力信号を生成するマイクロホ
ンと、上記出力信号源と上記マイクロホンとの間に結合
され、上記入力信号内の上記第1の音響信号の成分を低
減させることによって副帯域エコー低減信号を生成する
副帯域エコー打消し回路と、上記副帯域エコー低減信号
に応答し、上記副帯域エコー低減信号内の雑音を低減さ
せることによって副帯域雑音低減・エコー低減信号を生
成する副帯域雑音抑圧回路と、を備えていることを特徴
とするエコー打消し・雑音抑圧装置。 (15)上記副帯域雑音低減・エコー低減信号に応答し、全
帯域雑音低減・エコー低減信号を生成する合成フィルタ
をさらに備えている上記(14)項に記載の装置。 (16)上記副帯域エコー打消し回路は、上記出力信号源か
らの対応する副帯域信号及び上記マイクロホンの入力信
号を受信するように結合されていて上記マイクロホンに
よって検出された上記ラウドスピーカからの第1の音響
信号の成分に比例する信号を生成する適応フィルタを含
む上記(14)項に記載の装置。 (17)上記副帯域エコー低減・雑音低減信号及び上記マイ
クロホンの入力信号からの副帯域信号を受信するように
結合されていて残留エコー信号を低減させる副帯域エコ
ー抑圧回路をさらに備えている上記(14)項に記載の装
置。 (18)上記副帯域雑音抑圧回路は、現在の電力ri (t) を
推定し、雑音スペクトル推定NSi を更新し、雑音抑圧
利得Gi を計算し、最小利得を調整する調整された利得
を決定し、そして上記調整された利得を用いて上記副帯
域エコー低減マイクロホン信号をスケーリングするもの
である上記(14)項に記載の装置。 (19)上記ラウドスピーカ及び上記マイクロホンは、ハン
ドフリー電話機を構成している上記14項に記載の装
置。 (20)近端スピーチ検出器をさらに備え、上記近端スピー
チ検出器は、上記出力信号と上記入力信号との間のエネ
ルギ比としてエコー経路エネルギ比(EPR)を決定す
るエコーエネルギ検出器と、上記エコー打消し回路の出
力と上記出力信号との間のエネルギ比としてエコーキャ
ンセラエネルギ比(ECER)を決定するキャンセラ出
力検出器と、(i) EPRと第1の所定のしきい値レベル
とを、及び(ii)ECERと第2の所定のしきい値レベル
とを、同時に比較するコンパレータ回路と、上記コンパ
レータ回路に応答し、上記EPR及びECERが上記第
1及び上記第2の所定のしきい値レベルをそれぞれ同時
に超えた時に、上記近端スピーチが存在することを指示
する検出器回路と、を備えている上記(14)項に記載の装
置。 (21)ラウドスピーカ206の付近に配置されているマイ
クロホン224と共に使用する調整回路は、マイクロホ
ン・イン225及びスピーカ・ライン208入力端子、
エコーキャンセラ回路(212、216、220、22
2)、雑音抑制回路230、及び雑音抑制回路230を
マイクロホン・アウト出力端子236に結合する合成フ
ィルタ234を有している。マイクロホン・イン225
及びスピーカ・ライン208入力端子はそれぞれ、マイ
クロホン信号及びスピーカ信号を受信する。エコーキャ
ンセラ回路はマイクロホン・イン225とスピーカ・ラ
イン208入力端子との間に結合され、(i) マイクロホ
ン信号を副帯域マイクロホン信号に、またスピーカ信号
を濾波された副帯域スピーカ信号に変換し、(ii)副帯域
スピーカ信号を副帯域マイクロホン信号から副帯域減算
することによって副帯域エコー低減マイクロホン信号を
生成する。雑音抑圧回路230はエコーキャンセラ回路
に結合され、副帯域エコー低減マイクロホン信号の副帯
域雑音抑圧によって副帯域雑音低減・エコー低減マイク
ロホン信号を生成する。合成フィルタ234は、副帯域
雑音低減・エコー低減マイクロホン信号を全帯域雑音低
減・エコー低減マイクロホン信号に変換する。エコー打
消し及び雑音低減の両方を受けるまで副帯域信号は全帯
域信号に復元されないので、本システムの処理能力は、
副帯域エコー打消しと雑音低減との間に合成フィルタが
適用されているシステムよりも小さくてすむ。本システ
ムは、ハンドフリー電話機、特に自動車内で使用される
ハンドフリーセルラ電話機に有用である。マイクロホン
信号内の近端スピーチを副帯域検出し、近端スピーチが
検出されるとエコー打消しフィルタ係数を自動的に凍結
できる回路538を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の音響エコー打消し・雑音抑圧システムの
ブロック線図である。
【図2】本発明の一実施例による音響エコー打消し・雑
音抑圧システムのブロック線図である。
【図3】図2の雑音抑圧回路によって実現される事象シ
ーケンスの流れ図である。
【図4】図3の事象シーケンスのより詳細な流れ図であ
る。
【図5】副帯域ドメイン近端スピーチ検出を含む音響エ
コー打消し・雑音抑圧システムのブロック線図である。
【図6】図5の副帯域ドメイン近端スピーチ検出によっ
て実現される事象シーケンスの流れ図である。
【図7】副帯域ドメイン近端スピーチ検出及び残留エコ
ー抑圧の両方を有する音響エコー打消し・雑音抑圧シス
テムのブロック線図である。
【図8】図7の実施例の残留エコー抑圧の事象シーケン
スの流れ図である。
【図9】図8のスペクトル再成形の事象シーケンスの流
れ図である。
【図10】残留エコー抑圧を使用しない音響エコー打消
し・雑音抑圧システムの入力及び出力信号を示す図であ
る。
【図11】(a)は音響エコー打消し・雑音抑圧システ
ムの入力信号y(t) のスペクトログラム、(b)はエコ
ー打消し出力e(t) のスペクトログラム、(c)は雑音
抑圧出力si (t) のスペクトログラム、そして(d)は
スペクトル再成形を使用する残留エコー抑圧出力r
i (t) のスペクトログラムである。
【符号の説明】
100、200、500、700 音響エコー打消し・
雑音抑圧回路 102、202、502、702 増幅器 106、206、506、706 スピーカ 110、210、510、710 副帯域音響エコー打
消しシステム 112、212、512、712 分解フィルタ 116、216、516、716 適応フィルタ 120、220、520、720 加算増幅器 122、222、522、722 分解フィルタ 124、224、524、724 マイクロホン 130、234、534、734 合成フィルタ 538、738 副帯域トメイン近端スピーチ検出回路 750 残留エコー抑圧回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロホン信号を受信するマイクロホ
    ン・イン入力端子、スピーカ信号を受信するスピーカ・
    ライン入力端子、及びマイクロホンアウト出力端子と、 上記マクロホン・イン入力端子と上記スピーカ・ライン
    入力端子との間に結合され、(i) 上記マイクロホン信号
    を副帯域マイクロホン信号に、また上記スピーカ信号を
    濾波された副帯域スピーカ信号に変換し、(ii)上記濾波
    された副帯域スピーカ信号を上記副帯域マイクロホン信
    号から副帯域減算することによって副帯域エコー低減マ
    イクロホン信号を生成するエコーキャンセラ回路と、 上記エコーキャンセラ回路に結合され、上記副帯域エコ
    ー低減マイクロホン信号の副帯域雑音を抑圧することに
    よって副帯域雑音低減・エコー低減マイクロホン信号を
    生成する雑音抑圧回路と、 上記雑音抑圧回路と上記マイクロホン・アウト端子との
    間に結合され、上記副帯域雑音低減・エコー低減マイク
    ロホン信号を全帯域雑音低減・エコー低減マイクロホン
    信号に変換する合成フィルタと、を備えていることを特
    徴とする調整回路。
  2. 【請求項2】 出力信号源に結合され対応する音響信号
    を生成するラウドスピーカと、入力信号を生成するマイ
    クロホンとを備えているハンドフリー電話機を動作させ
    る方法であって、 副帯域ドメイン音響エコー打消しによって上記入力信号
    内の出力信号の存在を低減させ、副帯域エコー低減信号
    を生成する段階と、 副帯域ドメイン雑音抑圧によって上記副帯域エコー低減
    信号内の雑音を抑圧し、副帯域雑音低減・エコー低減信
    号を生成する段階と、を備えていることを特徴とする方
    法。
  3. 【請求項3】 エコー打消し・雑音抑圧装置であって、 出力信号源に応答し、対応する第1の音響信号を生成す
    るラウドスピーカと、 上記第1の音響信号の成分を含む第2の音響信号に応答
    し、対応する入力信号を生成するマイクロホンと、 上記出力信号源と上記マイクロホンとの間に結合され、
    上記入力信号内の上記第1の音響信号の成分を低減させ
    ることによって副帯域エコー低減信号を生成する副帯域
    エコー打消し回路と、 上記副帯域エコー低減信号に応答し、上記副帯域エコー
    低減信号内の雑音を低減させることによって副帯域雑音
    低減・エコー低減信号を生成する副帯域雑音抑圧回路
    と、を備えていることを特徴とするエコー打消し・雑音
    抑圧装置。
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