JPH09301471A - 収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フロピーディスク等の被収納板体の収納に
際し、出し入れが容易で検索が容易な操作性に優れた収
納ケースを提供する。 【構成】 下ケースに対して上ケースを開成し背面の
連結板を押し倒すと収納袋とともに各フロッピーディス
ク相互間にずれが生じ、順次検索に際してフロッピーデ
ィスクを順次上ケースに回転移動させると転動板がこれ
に則して回転移動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、フロッピーディス
ク、コンパクトディスク等の磁気情報記録板又は各種ク
レジットカード、名刺等の平板状カードあるいはこれら
の専用カセットホルダーその他の板状体を機能性良く効
率的に整理、保存することができる収納ケースに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、フロッピーディスク等を収納する
ケースとしては、例えば最も単純なものとしては透明な
プラスチック等からなる直方体状のケースの上部を開閉
自在の蓋体とし、この蓋を開けてケース内に数枚乃至十
数枚のフロッピーディスク等を直立させて収納する構造
のものが用いられている。しかしながら、このような構
造のものではケース内にフロッピーディスク等を満杯に
近く収納するとフロッピーディスク等が互いに重なり合
ってフロッピーディスク表面に付されたインデックスを
外から視認することができず、取り出しに際して意図す
る対象のフロッピーディスクのみを探索して的確にこれ
を取り出すことが困難であるという問題点を有する。こ
のため、ケース内にはインデックスの視認が可能な程度
の空間を残してフロッピーディスク等を収納することが
必要となり、収納効率が著しく低下する。またケース内
に収納されるフロッピーディスク等を少なくすると、ケ
ース内でフロッピーディスク等が斜めに保持されたりあ
るいは横に倒れたりして下方になったフロッピーディス
ク等を取り出すことがさらに困難になるあるいは重力の
アンバランスでケースが倒れやすくなるという新たな問
題が発生する。

【０００３】一方、上記問題点を考慮して、実開昭５８
−３８４７７号公報には、階段状の仕切りをもつカード
収嵌部を一端が回動自在に本体に取り付け、カードの出
し入れ時にはカード収嵌部を本体より扇形に開成してカ
ード相互間が扇形に広がるように保持し、それ以外の時
にはカード収嵌部が本体に収納されてコンパクト化され
るカードケースの構成が開示されている。この構成によ
れば、カード取り出し時にはインデックスを確認して目
的とするカードを取り出すことができ、収納時にはカー
ド全てを重ね合わせて小空間に効率良くカードを収納す
ることができるということになる。

【０００４】さらに、実開昭６３−７０３７７号公報に
は複数の書類又はカード等の収納に対応して複数の収納
部を蛇腹状に連結して並設し、取り出し時には蛇腹を開
いて収納部それぞれに収納されている各書類又はカード
等の間に空間を形成し、それ以外では蛇腹を閉じてコン
パクトに書類又はカード等を収納保持する書類収納具が
開示されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記実
開昭５８−３８４７７号公報あるいは実開昭６３−７０
３７７号公報記載の構造は、カード等を収納保持した状
態で本体を上下逆にした場合、カード等収納部分の押圧
力のみでカード等を保持することになり、このためカー
ド等の保持が不充分であり、本体からカード等が抜け落
ちるという問題がある。また蛇腹を利用した構造では蛇
腹の部分が疲労破壊し易いという強度的欠陥がある。従
って、これらはカード等の確実な保存という観点では信
頼性に欠けるものであった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題点
に鑑み、内部に収納用空隙を形成する下ケースと上ケー
スそれぞれの一端がケースの背面壁を構成する連結板で
蝶番機構等により開閉自在に連結されてなるケース本体
と、前記連結板に設けられた支持板と、該支持板に回動
自在に軸着され前記連結板の開閉動作に連動する角型形
状の転動板と、該転動板に一端が回動自在に軸着され他
端が被収納板体を収納する開口を有する複数の収納袋
と、を具備してなり、該複数の収納袋はその内部に被収
納板体が挿入されかつ積層状態に配置され、該複数の収
納袋の回転移動に応じて前記転動板が前記支持板を軸と
して回動することを特徴とする収納ケースを提供する。
尚、積層状態に配置された複数の収納袋は、前記連結板
の開閉動作に連動する前記転動板の移動に応じて相互に
ずれを生じるように構成される。

【０００７】上記構成において、ケース本体の上ケース
を開成すると、ケース本体に収納された被収納板体が回
動自在に構成されているため複数の被収納板体を順次下
ケースから上ケースに回転移動して被収納板体それぞれ
のインデックスを順次視認することができ、同時に複数
の被収納板体を下ケースから上ケースに回転移動させる
に従って転動板が回動し得るため、下ケースに位置する
収納袋と上ケースに回転移動した収納袋相互の重量及び
位置バランスを安定に維持するように転動板が動作す
る。また、連結板を押し倒すとこれに連動して転動板が
移動し、積層状態に配置されている被収納板体相互にず
れが生じる。これによって被収納板体を容易に把持し得
る状態が形成される。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例について
フロッピーディスク用収納ケースを例にとって図面を参
照しながら詳細に説明する。

【０００９】図１は本発明の一実施例であるフロッピー
ディスク用収納ケースの閉成状態を示す全体斜視図であ
る。下ケース１の一端に上ケース２の一端が連結板３に
よって開閉自在に連結され、この下ケース１、上ケース
２及び連結板３で閉成時にその内部にフロッピーディス
クを収納する空間を有する箱型のケース本体が構成され
ている。ケース本体は厚紙、金属、アクリルあるいはプ
ラスチック等の合成樹脂で製作されており、連結板３と
上ケース２及び下ケース１のそれぞれの境界部分は可撓
性あるいは蝶番機構を有し、その折り曲げ動作によって
後述するごとく下ケース１に対して上ケース２のみがあ
るいは上ケース２と連結板３がともに折れ曲がり、ケー
ス本体が開閉成される。

【００１０】ケース本体の閉成時には上ケース２と下ケ
ース１の接合部分で双方の縁が重なり合い、これに伴う
摺動圧力で閉成状態が維持される。尚、不用意な開成動
作を阻止するために上ケース２と下ケース１間にフック
あるいは留め金等を付加してもよい。また上ケース２と
下ケース１相互間に係止部材を設け、該係止部材を外す
ことによってバネ機構で上ケース２が下ケース１から弾
発的に開成されるようにすることもできる。

【００１１】図２は図１に示すフロッピーディスク用収
納ケースを平面方向から見た場合の半断面図である。ま
た、図３は図２のＡ−Ａ´矢視断面図である。ケース本
体の内部には連結板３の左右端に設けられた支え板４に
回動自在に軸着された転動板５が設けられている。転動
板５は左右端に配置された三角形状の板一対を一体連結
しかつ支え板４の軸着部分で三角形の１頂点付近を回転
中心として一体的に回動可能としたものである。即ち、
この回転は三角形状の転動板５の偏心動作となる。三角
形状の転動板５の各頂点は、回転をスムーズに行うため
丸く縁取りがされている。また、転動板５の軸着部分に
対向する辺に沿って、それぞれフロッピーディスクが挿
入される複数の収納袋６が重畳配置され、その一端が回
動自在に軸着されている。転動板５と収納袋６の回転面
は平行に設定されている。収納袋６の他端には開口が形
成され、内部にそれぞれフロッピーディスク７が一枚ず
つ挿入されている。収納袋６の内部には挿入されたフロ
ッピーディスクを軽く押圧固定するばね機構（図示せ
ず）が設けられ、これによって複数のフロッピーディス
ク７が収納袋６の数だけケース本体内部に安定に収納さ
れることになる。尚、各フロッピーディスク７は、取り
出しを容易にするため及びインデックスを視認するた
め、本体の一部が収納袋６から露出している。

【００１２】支え板４、転動板５及び収納袋６は上述し
たケース本体と同様な材質を適宜選定して製作すること
ができる。また、転動板５及び収納袋６の軸着部は、図
示するごとく左右に設けられた突起を対向する支持体側
の軸着用孔に挿入することによってそれぞれが回転可能
に支持されることになる。

【００１３】図４は図１に示すフロッピーディスク用収
納ケースの上ケース２及び連結板３を下ケース１に対し
て開成したときの斜視図である。また図５は図４の状態
からさらにフロッピーディスク７を１枚上に持ち上げ、
上ケース２に移送した状態を示す斜視図である。上ケー
ス２を開成しさらに連結板３を外方向に開いて下ケース
１と同一平面に押し倒すと、これに伴って連結板３に設
けられている支え板４が移動し、転動板５が軸着部の辺
を連結板３に揃えるように回転しながら移動する。この
結果、収納袋６が軸着されている転動板６の辺が斜めに
なり、斜めになった分に相当する量だけ複数の収納袋６
が相互にずれを生じることになる。このずれによってフ
ロッピーディスク７それぞれの端部に記されたインデッ
クス部分を視認することができる。あるいは、個々のフ
ロッピーディスク７は収納袋６とともに回動自在になっ
ているので、このずれによってフロッピーディスク７を
順次把持して持ち上げることが容易となり、図５に示す
ごとく上から順番にフロッピーディスク７を持ち上げて
それぞれのインデックスを確認することができる。

【００１４】図６及び図７はケース本体の開閉に伴うフ
ロッピーディスク７、収納袋６及び上ケース２の回転動
作を説明する動作説明図である。下ケース１に対して上
ケース２のみを開くと転動板５は移動することなく従っ
て収納袋６は図３に示すように積層状態を維持している
が、連結板３を背面方向に押し倒すと前述したごとく転
動板５が移動し、収納袋６が相互にずれを生じる。この
状態で個々のフロッピーディスク７は収納袋６の軸着部
を回転中心として上ケース２の方へ回転移動される。フ
ロッピーディスク７を順次上ケース２の方向へ回転移動
すると転動板５が支え板４との軸着部を回転中心として
回転移動し、三角形の他の辺を連結板３に当接させて図
７に示すごとく全てのフロッピーディスク７が上ケース
２に移動される。フロッピーディスク７を下ケース１か
ら上ケース２に回転移動させるに従って、下ケース１と
上ケース２に位置するフロッピーディスク７の重量バラ
ンスが変動することになる。この重量バランスの変化を
転動板５の転動によって追従させ、フロッピーディスク
７の安定な回転移動を実現する。従ってフロッピーディ
スク７を下ケース１から上ケース２に順次回転移動させ
る動作が非常にスムーズに行える。

【００１５】収納袋６の積層数（ケースの収容能力）が
さらに増加すると、下ケース１から上ケース２に収納袋
６を移送するに従って上ケース２側と下ケース側の重量
及び位置バランスの非平衡状態がより一層顕著となり、
移送された上ケース２側の収納袋６が下ケース１側へ戻
ろうとする作用が働くが、このとき転動板５が上ケース
２側へ回転すると、この復帰作用が消滅し、上ケース２
側へ移送された収納袋６が安定する。

【００１６】尚、フロッピーディスク７の取り出しに際
しては、図６の状態で取り出すフロッピーディスク７を
若干持ち上げ、収納袋６から抜き取ることにより、取り
出しが可能となる。

【００１７】尚、上記実施例で、転動板５に取り付ける
収納袋６の数は３個の場合を例示したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく４個以上としてより収納力を
増強することが可能である。また、転動板５は三角形以
外に四角形以上の多角形状に成型してもよく、収納袋６
を軸着している辺あるいはこれに隣接する辺は円弧状に
成型してもよい。収納袋６の積層数が増加すると転動板
６は四角形以上の多角形状にする方が操作性は向上す
る。逆にケース本体を薄型コンパクトに成型する場合に
は三角形状が適している。ケース本体の形状は、上記実
施例で示した直方体状のものに限らず、ＣＤディスクに
対応させて半円形若しくは楕円形の形状に成型すること
も可能であり、その他被収納板体の種類に応じて菱形、
六角形等適宜の形状にすることができる。さらにクレジ
ットカード、テレフォンカードあるいは名刺等のカード
類の収納に際して、収納袋６全体またはその一部を透明
なビニールケース等で作製してもよい。

【００１８】

【発明の効果】本発明によれば、多数の被収納板体を小
空間に効率良く充填収納することができ、被収納板体の
取り出し時には、被収納板体に付されたインデックス等
を視認しながら目的とする被収納板体を取り出すことが
できるので被収納板体の取り出しが容易となり、また被
収納板体を収納ケースに入れる操作も容易に行うことが
できる。さらに被収納板体個々の順次検索が極めてスム
ーズに行われるので収納ケースとしての操作性が格段に
向上する。

【００１９】ケース本体に収納された被収納板体はそれ
ぞれ収納袋内で安定に保持されるため、ケース本体内で
振動などによって移動して一方に偏在しバランスが不安
定になるといった問題が生じない。また、ケース本体を
運搬する際にも被収納板体ががたつくことがなく被収納
板体を損傷することもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例であるフロッピーディスク用
収納ケースの閉成状態を示す全体斜視図。

【図２】図１に示すフロッピーディスク用収納ケースを
平面方向から見た半断面図。

【図３】図２のＡ−Ａ´矢視断面図。

【図４】図１に示すフロッピーディスク用収納ケースの
上ケースと連結板を開成したときの斜視図。

【図５】図４の状態でさらにフロッピーディスクを一枚
持ち上げたときの斜視図。

【図６】図１に示すフロッピーディスク用収納ケースの
主要部の回転動作を説明する動作説明図。

【図７】図１に示すフロッピーディスク用収納ケースの
フロッピーディスクを全て上ケースにと連結板を開成し
たときの斜視図。

【符号の説明】

１ 下ケース ２ 上ケース ３ 連結板 ４ 支え板 ５ 転動板 ６ 収納袋 ７ フロッピーディスク

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ１１Ｂ 23/023 ６０１ Ｇ０６Ｋ 19/00 Ｙ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に収納用空隙を形成する下ケースと
   上ケースそれぞれの一端が背面壁となる連結板で開閉自
   在に連結されてなるケース本体と、前記連結板に設けら
   れた支持板と、該支持板に回動自在に軸着され前記連結
   板の開閉動作に連動する角型形状の転動板と、該転動板
   に一端が回動自在に軸着され他端が被収納板体を収納す
   る開口を有する複数の収納袋と、を具備してなり、該複
   数の収納袋の回転移動に応じて前記転動板が回動するこ
   とを特徴とする収納ケース。
2. 【請求項２】 前記複数の収納袋は重畳状態に配置さ
   れ、前記連結板の開閉動作に連動する前記転動板の移動
   に応じて相互にずれを生じる請求項１記載の収納ケー
   ス。
3. 【請求項３】 内部に収納用空隙を形成する下ケースと
   上ケースそれぞれの一端が背面壁となる連結板で開閉自
   在に連結されてなるケース本体の前記上ケースを前記下
   ケースに対して開成するとともに双方を連結する前記連
   結板を外方へ押し倒すことにより、前記連結板に設けら
   れた支持板に軸着された転動板を移動させ、該転動板に
   回動自在に軸着されかつ積層配置された複数の被収納板
   体挿入用収納袋相互間にずれを形成した後、該収納袋を
   前記下ケースから前記上ケースに回転移動させる動作に
   即応して前記転動板を前記上ケースに接近する方向へ転
   動させることを特徴とする収納ケース。