JPH0930008A - インクジェットプリンタの記録ヘッド清掃装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録ヘッドからの吸引または予備噴射などの
噴射回復動作、払拭動作を適切に実行して、無駄な動作
を省く。 【解決手段】 記録ヘッドによるドット数（インク噴射
量）ＤＣＮＴが基準値ｎ2 以上になったとき（Ｓ２５：
ＹＥＳ）、ワイパで記録ヘッドを払拭する（清掃処理
４）。記録紙の改行量ＬＣＮＴが基準値ｎ1 以上になっ
てもドット数が少ない（Ｓ２０：ＹＥＳ，Ｓ４０：Ｎ
Ｏ）とき、記録ヘッドからの吸引と予備噴射とを「弱」
で行うと共にワイパで払拭する（清掃処理２）。ＬＣＮ
Ｔが基準値ｎ1以上でドット数が多い（Ｓ２０：ＹＥ
Ｓ，Ｓ４０：ＹＥＳ）とき、予備噴射のみを「弱」で行
うと共にワイパで払拭する（清掃処理３）。非記録時間
Ｔが所定時間Ｔ1 以上継続する（Ｓ１５：ＹＥＳ）と、
吸引と予備噴射とを「強」で行うと共にワイパで払拭す
る（清掃処理１）。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体にインク
を噴射する記録ヘッドと、上記記録媒体を搬送する搬送
手段と、を備えたインクジェットプリンタに設けられ、
上記記録ヘッドを清掃するインクジェットプリンタの記
録ヘッド清掃装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、この種の装置としては、記録
ヘッドからインクを吸引する機構、記録ヘッドにインク
の予備噴射を行わせる機構、或いは、記録ヘッドのイン
ク噴射口の存在する面を払拭する機構を備えたものが知
られている。記録ヘッドからインクを吸引する機構や、
記録ヘッドにインクの予備噴射を行わせる機構などの、
いわゆる噴射回復機構では、インク噴射口内でインクが
増粘して吐出不良が発生するのを特に良好に防止するい
わゆる噴射回復動作を実行することができ、記録ヘッド
のインク噴射口の存在する面を払拭するいわゆるワイパ
機構では、インク噴射口周辺の異物や残留インクを除去
して記録画像が乱れるのを特に良好に防止することがで
きる。なお、噴射回復機構による異物や残留インクの除
去効果、および、ワイパ機構による吐出不良の防止効果
もある程度存在する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来では、
これらの噴射回復動作，払拭動作等（清掃動作と総称す
る）を、インクジェットプリンタによる印字行数やその
プリンタの非記録状態の継続時間のみに基づいて行って
いる。このため、活発に印字が行われ、記録ヘッドが多
量のインクを噴射した場合にも、記録ヘッドが殆どイン
クを噴射していない場合にも同様の動作が行われること
になり、清掃動作に無駄があった。また、これらの清掃
動作にはある程度の時間が必要であり、このため、イン
クジェットプリンタの作業性も充分に向上させることが
できなかった。

【０００４】そこで、本発明は、清掃動作をより適切に
実行して、無駄な清掃動作を省くことのできるインクジ
ェットプリンタの記録ヘッド清掃装置を提供することを
目的としてなされた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達するために
なされた請求項１記載の発明は、記録媒体にインクを噴
射する記録ヘッドと、上記記録媒体を搬送する搬送手段
と、を備えたインクジェットプリンタに設けられ、上記
記録ヘッドを清掃するインクジェットプリンタの記録ヘ
ッド清掃装置であって、上記記録ヘッドのインクの噴射
量を検出する噴射量検出手段と、上記搬送手段による上
記記録媒体の搬送量を検出する搬送量検出手段と、上記
記録ヘッドを清掃する清掃手段と、上記搬送量検出手段
にて検出された上記記録媒体の搬送量が所定量以上とな
ったとき、上記噴射量検出手段の検出結果に応じて上記
清掃手段による上記記録ヘッドの清掃を実行する清掃制
御手段と、を備えたことを特徴としている。

【０００６】請求項２記載の発明は、請求項１記載のイ
ンクジェットプリンタの記録ヘッド清掃装置において、
更に、上記インクジェットプリンタの非記録状態の継続
時間を計測する時間計測手段を備え、上記清掃制御手段
は、上記時間計測手段にて計測された上記非記録状態の
継続時間が所定時間以上となったとき、上記清掃手段に
よる清掃を実行し、上記継続時間が上記所定時間未満の
ときには、上記搬送量検出手段および上記噴射量検出手
段の検出結果に応じて上記清掃手段による清掃を実行す
ることを特徴としている。

【０００７】請求項３記載の発明は、請求項１記載のイ
ンクジェットプリンタの記録ヘッド清掃装置において、
上記清掃手段は、上記記録ヘッドに対し複数の異なる態
様で清掃を実行するものであり、上記清掃制御手段は、
上記搬送量検出手段にて検出された上記記録媒体の搬送
量が上記所定量以上となったとき、上記噴射量検出手段
の検出結果に応じて上記清掃手段による上記記録ヘッド
の清掃を異なる態様で実行することを特徴としている。

【０００８】請求項４記載の発明は、請求項３記載のイ
ンクジェットプリンタの記録ヘッド清掃装置において、
更に、上記インクジェットプリンタの非記録状態の継続
時間を計測する時間計測手段を備え、上記清掃制御手段
は、上記時間計測手段にて計測された上記非記録状態の
継続時間が所定時間以上となったときと、上記非記録状
態の継続時間が上記所定時間未満のときとで、上記清掃
手段による上記記録ヘッドの清掃を異なる態様で実行す
ることを特徴としている。

【０００９】請求項５記載の発明は、請求項１または３
記載のインクジェットプリンタの記録ヘッド清掃装置に
おいて、上記清掃手段は、上記記録ヘッドからインクを
吸引すること、または、上記記録ヘッドにインクの予備
噴射を行わせることにより、上記記録ヘッドの噴射回復
動作をする噴射回復機構と、上記記録ヘッドのインク噴
射口の存在する面を払拭するワイパ機構とを含み、上記
清掃制御手段は、上記搬送量検出手段にて検出された上
記記録媒体の搬送量が上記所定量以上となったとき、少
なくとも上記噴射回復機構による噴射回復動作を実行
し、上記検出された搬送量が上記所定量未満のときに
は、上記噴射量検出手段の検出結果に応じて上記ワイパ
機構による払拭動作を実行することを特徴としている。

【００１０】請求項６記載の発明は、請求項２または４
記載のインクジェットプリンタの記録ヘッド清掃装置に
おいて、上記清掃手段は、上記記録ヘッドからインクを
吸引すること、または、上記記録ヘッドにインクの予備
噴射を行わせることにより、上記記録ヘッドの噴射回復
動作をする噴射回復機構と、上記記録ヘッドのインク噴
射口の存在する面を払拭するワイパ機構とを含み、上記
清掃制御手段は、上記時間計測手段にて計測された上記
非記録状態の継続時間が上記所定時間以上となったと
き、および、上記搬送量検出手段にて検出された上記記
録媒体の搬送量が上記所定量以上となったときには、少
なくとも上記噴射回復機構による噴射回復動作を実行
し、上記非記録状態の継続時間が上記所定時間未満で、
かつ、上記記録媒体の搬送量が上記所定量未満のときに
は、上記噴射量検出手段の検出結果に応じて上記ワイパ
機構による払拭動作を実行することを特徴としている。

【００１１】請求項７記載の発明は、請求項１〜６のい
ずれかに記載のインクジェットプリンタの記録ヘッド清
掃装置において、上記記録ヘッドはドットマトリックス
により画像を記録するものであり、上記噴射量検出手段
は、上記記録ヘッドがインクを噴射したドット数を上記
噴射量として検出することを特徴としている。

【００１２】請求項８記載の発明は、請求項１〜７のい
ずれかに記載のインクジェットプリンタの記録ヘッド清
掃装置において、上記搬送量検出手段は、上記インクジ
ェットプリンタの上記記録媒体に対する改行回数を計数
するものであることを特徴としている。

【００１３】

【発明の実施の形態および発明の効果】このように構成
された請求項１記載の発明では、清掃制御手段は、搬送
量検出手段にて検出された記録媒体の搬送量が所定量以
上となったとき、噴射量検出手段による記録ヘッドのイ
ンク噴射量の検出結果に応じて清掃手段による記録ヘッ
ドの清掃を実行する。記録媒体の搬送量と記録ヘッドの
インク噴射量とは、記録媒体上での記録密度の関係し、
両者の関係に基づいて記録ヘッドの清掃の必要性を推定
することができる。記録媒体の搬送量が上記所定量以上
となったとき、本発明では、更に記録ヘッドのインクの
噴射量を検出し、この検出結果を加味して清掃手段によ
る記録ヘッドの清掃を実行している。このため、記録ヘ
ッドには、インクの噴射量に応じた適切な清掃動作を施
すことができる。従って、無駄な清掃動作を省いて、イ
ンクジェットプリンタの作業性を向上させることができ
る。

【００１４】なお、清掃手段としては、記録ヘッドから
インクを吸引する機構、記録ヘッドにインクの予備噴射
を行わせる機構、記録ヘッドのインク噴射口の存在する
面を払拭する機構等、種々の構成を採用することがで
き、更に、これらの構成を組み合わせて採用しても、単
独で採用してもよい。

【００１５】請求項２記載の発明は、請求項１記載の構
成に加え、更に、上記インクジェットプリンタの非記録
状態の継続時間を計測する時間計測手段を備えている。
そして、清掃制御手段は、時間計測手段にて計測された
上記非記録状態の継続時間が所定時間以上となったと
き、上記清掃手段による清掃を実行し、上記継続時間が
上記所定時間未満のときには、前述のように、上記搬送
量検出手段および上記噴射量検出手段の検出結果に応じ
て上記清掃手段による清掃を実行する。

【００１６】このため、非記録状態が長く続いたときに
は、記録媒体の搬送量やインクの噴射量に関わらず清掃
動作を実行することができる。非記録状態の継続時間
は、インク噴射口内でのインクの増粘などときわめて密
接な関係がある。従って、請求項１記載の発明の効果に
加えて、更に、インクの吐出不良などを一層良好に防止
することができるといった効果が生じる。

【００１７】請求項３記載の発明は、請求項１記載の構
成に加え、清掃手段が記録ヘッドに対し複数の異なる態
様で清掃を実行することができ、清掃制御手段は、記録
媒体の搬送量が上記所定量以上となったとき、噴射量検
出手段の検出結果に応じて清掃手段による記録ヘッドの
清掃を異なる態様で実行することを特徴としている。こ
のため、記録ヘッドには、インクの噴射量に応じた態様
で、より適切な清掃動作を施すことができる。従って、
請求項１記載の発明の効果に加え、無駄な清掃動作を一
層良好に省いて、インクジェットプリンタの作業性を一
層向上させることができるといった効果が生じる。

【００１８】請求項４記載の発明は、請求項３記載の構
成に加え、更に、上記インクジェットプリンタの非記録
状態の継続時間を計測する時間計測手段を備えている。
そして、清掃制御手段は、時間計測手段にて計測された
上記非記録状態の継続時間が所定時間以上となったとき
と、上記非記録状態の継続時間が上記所定時間未満のと
きとで、清掃手段による記録ヘッドの清掃を異なる態様
で実行する。

【００１９】このため、インク噴射口内でのインクの増
粘などときわめて密接な関係のある非記録状態の継続時
間に応じて、記録ヘッドの清掃の態様を異ならせること
ができる。従って、請求項３記載の発明の効果に加え
て、更に、インクの吐出不良などを一層良好に防止する
ことができるといった効果が生じる。

【００２０】請求項５記載の発明は、請求項１または３
記載の構成に加え、清掃手段は、記録ヘッドからインク
を吸引すること、または、記録ヘッドにインクの予備噴
射を行わせることにより記録ヘッドの噴射回復動作をす
る噴射回復機構と、記録ヘッドのインク噴射口の存在す
る面を払拭するワイパ機構とを含み、清掃制御手段は、
記録媒体の搬送量が上記所定量以上となったとき、少な
くとも噴射回復機構による噴射回復動作を実行し、その
搬送量が上記所定量未満のときには、噴射量検出手段の
検出結果に応じて上記ワイパ機構による払拭動作を実行
することを特徴としている。

【００２１】前述のように記録媒体の搬送量と記録ヘッ
ドのインク噴射量とから導かれる記録密度は、主に、イ
ンクの増粘などと関係しており、この搬送量が上記所定
以上となったときに噴射回復動作を実行することによ
り、インクの吐出不良などを良好に防止することができ
る。また、インクの噴射量はインク噴射口の存在する面
の汚れと深い関係があり、この検出結果に応じて払拭動
作を実行することにより、記録画像の乱れを良好に防止
することができる。しかも、これらの清掃動作は、各々
が関連するパラメータに基づいて実行されるので、無駄
な動作がきわめて少ない。

【００２２】従って、本発明では、請求項１または３記
載の発明の効果に加え、インクの吐出不良や記録画像の
乱れを一層良好に防止すると共に、無駄な清掃動作を一
層良好に省いて、インクジェットプリンタの作業性を一
層向上させることができるといった効果が生じる。

【００２３】請求項６記載の発明は、請求項２または４
記載の構成に加え、清掃手段は、記録ヘッドからインク
を吸引すること、または、記録ヘッドにインクの予備噴
射を行わせることにより記録ヘッドの噴射回復動作をす
る噴射回復機構と、記録ヘッドのインク噴射口の存在す
る面を払拭するワイパ機構とを含み、清掃制御手段は、
非記録状態の継続時間が上記所定時間以上となったと
き、および、記録媒体の搬送量が上記所定量以上となっ
たときには、少なくとも噴射回復機構による噴射回復動
作を実行し、非記録状態の継続時間が上記所定時間未満
で、かつ、記録媒体の搬送量が上記所定量未満のときに
は、噴射量検出手段の検出結果に応じてワイパ機構によ
る払拭動作を実行することを特徴としている。

【００２４】前述のように、上記搬送量および継続時間
は、インクの増粘などと深い関係があり、インクの噴射
量はインク噴射口の存在する面の汚れと深い関係があ
る。本発明では、噴射回復動作および払拭動作を、各々
が関連するパラメータに基づいて実行しているので、無
駄な動作がきわめて少なく、しかも、インクの吐出不良
や記録画像の乱れを良好に防止することができる。

【００２５】従って、本発明では、請求項２または４記
載の発明の効果に加え、インクの吐出不良や記録画像の
乱れを一層良好に防止すると共に、無駄な清掃動作を一
層良好に省いて、インクジェットプリンタの作業性を一
層向上させることができるといった効果が生じる。

【００２６】請求項７記載の発明は、請求項１〜６のい
ずれかに記載の構成に加え、記録ヘッドがドットマトリ
ックスにより画像を記録するものであり、噴射量検出手
段は、記録ヘッドがインクを噴射したドット数を上記噴
射量として検出することを特徴としている。このため、
インクの噴射量を、きわめて簡単な構成で容易に検出す
ることができる。

【００２７】従って、本発明では、請求項１〜６のいず
れかに記載の発明の効果に加え、装置の構成および処理
を簡略化することができるといった効果が生じる。請求
項８記載の発明は、請求項１〜７のいずれかに記載の構
成に加え、搬送量検出手段がインクジェットプリンタの
記録媒体に対する改行回数を計数するものであることを
特徴としている。このため、記録媒体の搬送量を、きわ
めて簡単な構成で容易に検出することができる。

【００２８】従って、本発明では、請求項１〜７のいず
れかに記載の発明の効果に加え、装置の構成および処理
を簡略化することができるといった効果が生じる。

【００２９】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面と共に説明す
る。図１は、本発明が適用された実施例のインクジェッ
トプリンタ１の構成を概略的に表す斜視図である。本実
施例のインクジェットプリンタ１では、記録媒体として
の記録紙９９は、搬送モータ３によって駆動される搬送
ローラ５によって搬送され、その記録紙９９の搬送経路
には、キャリッジ７に支承された記録ヘッド９が対向配
置されている。なお、記録ヘッド９は、インクを噴射し
てドットマトリックスにより画像を記録する周知のもの
である。

【００３０】キャリッジ７は、キャリッジモータ１１に
より駆動されるタイミングベルト１３に固定され、記録
紙９９の搬送方向と直交方向に往復移動可能に構成され
ている。また、キャリッジ７の移動範囲の一端（図中左
端）には、清掃手段としての次のような部材が配設され
ている。

【００３１】キャリッジ７が図中左端に移動して停止す
る位置には、その位置に移動した記録ヘッド９と気密に
接触するキャップ２１が配設され、キャップ２１にはチ
ューブ２３が接続されている。チューブ２３は、キャッ
プ２１内のインク等を空気と共に吸引するポンプ２５に
接続され、そのポンプ２５は、上記吸引したインク等を
チューブ２７を介して廃インクタンク２９に排出する。
また、ポンプ２５は、ポンプモータ３１によって駆動さ
れる。更に、記録ヘッド９が記録紙９９との対向位置か
らキャップ２１上へ移動する経路には、ワイパ３３がソ
レノイド３５の駆動状態に応じて出没自在に設けられて
いる。なお、ワイパ３３は、弾性材料によって構成さ
れ、キャリッジ７の移動経路に突出することにより、記
録ヘッド９のインク噴射口（図示せず）が存在する面を
払拭する周知のものである。

【００３２】次に、図２に示すように、インクジェット
プリンタ１は上記構成の他、記録紙９９の有無を検出す
るペーパセンサ４１、記録ヘッド９がキャップ２１と対
向するキャリッジ７の位置（以下、原点という）を検出
する原点センサ４３、各種動作を指示するための操作パ
ネル４５、および、外部のパーソナルコンピュータ等か
ら文書データ等を受信するためのインタフェース４７を
備えており、これらの部材は、前述のソレノイド３５を
駆動するソレノイドドライバ５１、キャリッジモータ１
１を駆動するキャリッジモータドライバ５３、ポンプモ
ータ３１を駆動するポンプモータドライバ５５、およ
び、搬送モータ３を駆動する搬送モータドライバ５７と
共に、第１制御回路６１に接続されている。

【００３３】第１制御回路６１は、後述の第２制御回路
６３およびヘッドドライバ６５を介して記録ヘッド９に
も接続されており、内部に、ＲＯＭ，ＲＡＭなどのメモ
リ６１ａ，セントラルプロセシングユニット（ＣＰＵ）
６１ｂ、プログラマブルペリフェラルインタフェース
（ＰＰＩ）６１ｃを備えたマイクロコンピュータによっ
て構成されている。そして、第１制御回路６１は、イン
タフェース４７を介して入力された文書データに基づ
き、記録ヘッド９，キャリッジモータ１１，および搬送
モータ３への駆動信号を出力して記録紙９９への印字動
作を実行する周知の処理と共に、後述の清掃制御処理を
実行する。

【００３４】第２制御回路６３は、ハードウェアの論理
回路によって構成され、第１制御回路６１が出力した記
録ヘッド９の駆動信号（パラレルデータ）を、シリアル
データに変換してヘッドドライバ６５に入力するヘッド
・ドライバ・インタフェース６３ａと、上記駆動信号に
対応する文書の改行回数を計数する改行カウンタ６３ｂ
と、上記駆動信号に対応するドット数（記録ヘッド９が
インクを噴射するドット数）を計数するドットカウンタ
６３ｃと、上記駆動信号が入力されず、インクジェット
プリンタ１が印字も改行も行っていない状態（非記録状
態）の継続期間を計測するタイマ６３ｄと、を備えてい
る。また、改行カウンタ６３ｂ，ドットカウンタ６３
ｃ，およびタイマ６３ｄの値は、第１制御回路６１へフ
ィードバックされている。

【００３５】次に、第１制御回路６１にて実行される清
掃制御処理について、図３のフローチャートを用いて説
明する。なお、第１制御回路６１は、この処理を所定周
期毎に割込実行する。処理を開始すると、先ず、Ｓ１５
にてタイマ６３ｄの値（以下、タイマ値Ｔという。改行
カウンタ６３ｂ，ドットカウンタ６３ｃの値も、同様
に、改行カウンタ値ＬＣＮＴ，ドットカウンタ値ＤＣＮ
Ｔという。）を所定時間Ｔ1 と比較し、タイマ値Ｔが所
定時間Ｔ1 に達していなければＳ２０へ移行する。Ｓ２
０では、改行カウンタ値ＬＣＮＴを第１基準値ｎ1 と比
較し、ＬＣＮＴ＜ｎ1 であればＳ２５へ移行する。Ｓ２
５では、ドットカウンタ値ＤＣＮＴを第２基準値ｎ2 と
比較し、ＤＣＮＴ＜ｎ2 であれば再びＳ１５へ移行す
る。このＳ１５〜Ｓ２５の処理を繰り返す間に、非記録
状態が長く継続してＴ≧Ｔ1 となると（Ｓ１５：ＹＥ
Ｓ）、Ｓ３０へ移行して清掃処理１を実行する。

【００３６】ここで、本実施例のインクジェットプリン
タ１では、キャリッジ７を原点へ移動させた後ポンプ２
５を駆動して記録ヘッド９からインクを吸引する吸引動
作、キャリッジ７を原点へ移動させた後記録ヘッド９に
インクの予備噴射を行わせる噴射動作、および、ソレノ
イド３５によりワイパ３３をキャリッジ７の移動経路に
突出させ、記録ヘッド９のインク噴射口が存在する面を
払拭させる払拭動作、以上３通りの清掃動作を実行する
ことができる。また、上記吸引動作および噴射動作は、
強弱２段階に切換可能である。そこで、本実施例では、
これらの動作を組み合わせて、次の表１に示す４種類の
清掃処理を設定している。

【００３７】

【表１】

【００３８】Ｓ３０では清掃処理１、すなわち、吸引動
作および噴射動作を「強」で行うと共に払拭動作を行っ
た後Ｓ３５へ移行する。Ｓ３５では、全カウンタ値ＬＣ
ＮＴ，ＤＣＮＴおよびタイマ値Ｔを０にクリアしてＳ１
５へ移行する。また、タイマ値Ｔが所定時間Ｔ1 に達す
る前に改行カウンタ値ＬＣＮＴが第１基準値ｎ1 に達す
ると（Ｓ２０：ＹＥＳ）、Ｓ４０へ移行してドットカウ
ンタ値ＤＣＮＴと第３基準値ｎ3 とを比較する。ＤＣＮ
Ｔ≧ｎ3 であるときは（Ｓ４０：ＹＥＳ）Ｓ４５にて清
掃処理３を実行した後前述のＳ３５へ移行し、ＤＣＮＴ
＜ｎ3 であるときは（Ｓ４０：ＮＯ）Ｓ５５にて清掃処
理２を実行した後Ｓ３５へ移行する。なお、第３基準値
ｎ3 は第２基準値ｎ2 と同一でもよく、異なってもよ
い。

【００３９】更に、タイマ値Ｔも所定時間Ｔ1 に達せ
ず、改行カウンタ値ＬＣＮＴも第１基準値ｎ1 に達しな
い内に、ドットカウンタ値ＤＣＮＴが第２基準値ｎ2 に
達すると（Ｓ２５：ＹＥＳ）、Ｓ６０，６５へ順次移行
し、清掃処理４を実行した後ドットカウンタ値ＤＣＮＴ
を０にクリアしてＳ１５へ移行する。

【００４０】以上の処理により、本実施例では、次のよ
うに清掃動作を実行することができる。記録ヘッド９の
インク噴射量（ドットカウンタ値ＤＣＮＴに対応）が第
２基準値ｎ2 に対応する所定量に達する度に（Ｓ２５：
ＹＥＳ）、払拭動作を実行して記録ヘッド９を清掃する
ことができる（Ｓ６０）。インクの噴射量の増大に応じ
て記録ヘッド９のインク噴射口の存在する面の汚れもひ
どくなることが予想されるが、この場合に払拭動作をし
て、記録画像の乱れを防止することができる。

【００４１】記録紙９９の搬送量（改行カウンタ値ＬＣ
ＮＴに対応）が第１基準値ｎ1 に対応する所定量以上
（Ｓ２０：ＹＥＳ）であるにも関わらずインク噴射量が
少ない（Ｓ４０：ＮＯ）、すなわち、記録紙９９上での
記録密度が低いと、記録ヘッド９のインク噴射口内での
インクの増粘などが心配され、記録ヘッド９の清掃が必
要となる。この場合、清掃処理２（Ｓ５５）として払拭
動作および弱い噴射動作を実行すると共に、弱い吸引動
作を行う。記録紙９９の搬送量が多くなっても、インク
の噴射量が多い場合（Ｓ４０：ＹＥＳ）はあまり吐出不
良の心配がない。そこで、その場合は吸引動作を省略す
る（清掃処理３：Ｓ４５）のである。

【００４２】非記録状態が所定時間Ｔ1 以上と長く続く
と、記録ヘッド９のインク噴射口内でのインクの増粘な
どが心配されるが、この場合（Ｓ１５：ＹＥＳ）は、記
録紙９９の搬送量やインクの噴射量に関わらず、吸引動
作および噴射動作を「強」で実行する（Ｓ３０）。この
ため、インクの吐出不良を良好に防止することができ
る。また、この吸引動作および噴射動作と共に払拭動作
を行うので、記録再開時に記録画像が乱れるのも防止す
ることができる。

【００４３】なお、清掃処理１，２，３では、記録ヘッ
ド９の吸引または予備噴射を行った際に記録ヘッド９に
付着したインクを除くためワイパ３３で払拭している。
このように、本実施例のインクジェットプリンタ１で
は、非記録状態の継続時間，記録紙９９の搬送量、およ
び記録ヘッド９のインク噴射量を、それぞれ加味して、
上記吸引動作，噴射動作，および払拭動作を適切に施す
ことができる。従って、インクの吐出不良や記録画像の
乱れを良好に防止すると共に、無駄な清掃動作をきわめ
て良好に省くことができる。また、これによって、清掃
動作に要する時間を短縮して、インクジェットプリンタ
１の作業性を向上させることができる。

【００４４】更に、本実施例では、ドットカウンタ６３
ｃにて計数した文書のドット数（ドットカウンタ値ＤＣ
ＮＴ）をインクの噴射量として制御に使用すると共に、
改行カウンタ６３ｂにて計数した文書の改行回数（改行
カウンタ値ＬＣＮＴ）を記録紙９９の搬送量として制御
に使用している。従って、これらの噴射量，搬送量の検
出に関わる構成および処理をきわめて簡略化することが
できる。更に、これらの計数動作は、ハードウェアで構
成した第２制御回路６３で実行される。このため、本実
施例では、第１制御回路６１の負担を軽減して処理速度
を向上させると共に、装置の構成を簡略化してコストダ
ウンを図ることができる。

【００４５】なお、上記実施例において、搬送モータ３
および搬送ローラ５が搬送手段に、ドットカウンタ６３
ｃが噴射量検出手段に、改行カウンタ６３ｂが搬送量検
出手段に、タイマ６３ｄが時間計測手段に、第１制御回
路６１が清掃制御手段に、キャップ２１から廃インクタ
ンク２９に至る機構が噴射回復機構に、ワイパ３３およ
びソレノイド３５がワイパ機構に、それぞれ相当する。

【００４６】また、本発明は上記実施例になんら限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々の態様で実施することができる。例えば、上記実施例
のインクジェットプリンタ１は、噴射回復機構およびワ
イパ機構を共に備えているが、本発明は、それらの機構
のいずれか一方のみを備えたものにも、或いは、更に異
なる種類の清掃手段を備えたものにも適用することがで
きる。また、本発明は、上記実施例のインクジェットプ
リンタ１ようないわゆるシリアルプリンタのみならず、
ラインプリンタにも適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例のインクジェットプリンタの構成を概略
的に表す斜視図である。

【図２】そのインクジェットプリンタの制御系の構成を
表すブロック図である。

【図３】その制御回路が実行する清掃制御処理を表すフ
ローチャートである。

【符号の説明】

１…インクジェットプリンタ ３…搬送モータ
５…搬送ローラ ７…キャリッジ ９…記録ヘッド
１１…キャリッジモータ ２１…キャップ ２５…ポンプ
２９…廃インクタンク ３１…ポンプモータ ３３…ワイパ
３５…ソレノイド ６１…第１制御回路 ６３…第２制御回路
６３ｂ…改行カウンタ ６３ｃ…ドットカウンタ ６３ｄ…タイマ
９９…記録紙

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ４１Ｊ 2/125

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録媒体にインクを噴射する記録ヘッド
   と、上記記録媒体を搬送する搬送手段と、を備えたイン
   クジェットプリンタに設けられ、上記記録ヘッドを清掃
   するインクジェットプリンタの記録ヘッド清掃装置であ
   って、 上記記録ヘッドのインクの噴射量を検出する噴射量検出
   手段と、 上記搬送手段による上記記録媒体の搬送量を検出する搬
   送量検出手段と、 上記記録ヘッドを清掃する清掃手段と、 上記搬送量検出手段にて検出された上記記録媒体の搬送
   量が所定量以上となったとき、上記噴射量検出手段の検
   出結果に応じて上記清掃手段による上記記録ヘッドの清
   掃を実行する清掃制御手段と、 を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタの記
   録ヘッド清掃装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載のインクジェットプリンタ
   の記録ヘッド清掃装置において、 更に、上記インクジェットプリンタの非記録状態の継続
   時間を計測する時間計測手段を備え、 上記清掃制御手段は、上記時間計測手段にて計測された
   上記非記録状態の継続時間が所定時間以上となったと
   き、上記清掃手段による清掃を実行し、上記継続時間が
   上記所定時間未満のときには、上記搬送量検出手段およ
   び上記噴射量検出手段の検出結果に応じて上記清掃手段
   による清掃を実行することを特徴とするインクジェット
   プリンタの記録ヘッド清掃装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載のインクジェットプリンタ
   の記録ヘッド清掃装置において、 上記清掃手段は、上記記録ヘッドに対し複数の異なる態
   様で清掃を実行するものであり、 上記清掃制御手段は、上記搬送量検出手段にて検出され
   た上記記録媒体の搬送量が上記所定量以上となったと
   き、上記噴射量検出手段の検出結果に応じて上記清掃手
   段による上記記録ヘッドの清掃を異なる態様で実行する
   ことを特徴とするインクジェットプリンタの記録ヘッド
   清掃装置。
4. 【請求項４】 請求項３記載のインクジェットプリンタ
   の記録ヘッド清掃装置において、 更に、上記インクジェットプリンタの非記録状態の継続
   時間を計測する時間計測手段を備え、 上記清掃制御手段は、上記時間計測手段にて計測された
   上記非記録状態の継続時間が所定時間以上となったとき
   と、上記非記録状態の継続時間が上記所定時間未満のと
   きとで、上記清掃手段による上記記録ヘッドの清掃を異
   なる態様で実行することを特徴とするインクジェットプ
   リンタの記録ヘッド清掃装置。
5. 【請求項５】 請求項１または３記載のインクジェット
   プリンタの記録ヘッド清掃装置において、 上記清掃手段は、上記記録ヘッドからインクを吸引する
   こと、または、上記記録ヘッドにインクの予備噴射を行
   わせることにより、上記記録ヘッドの噴射回復動作をす
   る噴射回復機構と、上記記録ヘッドのインク噴射口の存
   在する面を払拭するワイパ機構とを含み、 上記清掃制御手段は、上記搬送量検出手段にて検出され
   た上記記録媒体の搬送量が上記所定量以上となったと
   き、少なくとも上記噴射回復機構による噴射回復動作を
   実行し、上記検出された搬送量が上記所定量未満のとき
   には、上記噴射量検出手段の検出結果に応じて上記ワイ
   パ機構による払拭動作を実行することを特徴とするイン
   クジェットプリンタの記録ヘッド清掃装置。
6. 【請求項６】 請求項２または４記載のインクジェット
   プリンタの記録ヘッド清掃装置において、 上記清掃手段は、上記記録ヘッドからインクを吸引する
   こと、または、上記記録ヘッドにインクの予備噴射を行
   わせることにより、上記記録ヘッドの噴射回復動作をす
   る噴射回復機構と、上記記録ヘッドのインク噴射口の存
   在する面を払拭するワイパ機構とを含み、 上記清掃制御手段は、上記時間計測手段にて計測された
   上記非記録状態の継続時間が上記所定時間以上となった
   とき、および、上記搬送量検出手段にて検出された上記
   記録媒体の搬送量が上記所定量以上となったときには、
   少なくとも上記噴射回復機構による噴射回復動作を実行
   し、上記非記録状態の継続時間が上記所定時間未満で、
   かつ、上記記録媒体の搬送量が上記所定量未満のときに
   は、上記噴射量検出手段の検出結果に応じて上記ワイパ
   機構による払拭動作を実行することを特徴とするインク
   ジェットプリンタの記録ヘッド清掃装置。
7. 【請求項７】 請求項１〜６のいずれかに記載のインク
   ジェットプリンタの記録ヘッド清掃装置において、 上記記録ヘッドはドットマトリックスにより画像を記録
   するものであり、 上記噴射量検出手段は、上記記録ヘッドがインクを噴射
   したドット数を上記噴射量として検出することを特徴と
   するインクジェットプリンタの記録ヘッド清掃装置。
8. 【請求項８】 請求項１〜７のいずれかに記載のインク
   ジェットプリンタの記録ヘッド清掃装置において、 上記搬送量検出手段は、上記インクジェットプリンタの
   上記記録媒体に対する改行回数を計数するものであるこ
   とを特徴とするインクジェットプリンタの記録ヘッド清
   掃装置。