JPH09299987A - 間欠曝気法 - Google Patents

間欠曝気法

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JPH09299987A
JPH09299987A JP14665796A JP14665796A JPH09299987A JP H09299987 A JPH09299987 A JP H09299987A JP 14665796 A JP14665796 A JP 14665796A JP 14665796 A JP14665796 A JP 14665796A JP H09299987 A JPH09299987 A JP H09299987A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】流入汚水の負荷変動の変動に追従して、自動的
に最適運転条件での処理を可能にする間欠曝気法を提供
する。 【解決手段】好気工程において、反応槽内の溶存酸素
(DO)濃度の測定結果に基づき反応槽に供給する空気
量を制御し、以て、DO濃度を所定の値(DO0)に保
持することにより汚水を処理する間欠曝気法であって、
好気工程における反応槽内のDO濃度をDO0に保持す
べき時間の1日の合計T0を予め求めておき、間欠曝気
サイクルの1日の回数をMとし、当日の第i回目(但
し、1≦i≦M)の間欠曝気サイクルにおいて、反応槽
内のDO濃度がDO0に保持された時間をTiとしたと
き、T0とTiの1日の合計との差ΔTに基づき、翌日の
各間欠曝気サイクルにおける好気工程の開始から反応槽
のDO濃度がDO0となる迄の供給酸素量を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水や産業廃水等
の汚水を硝化−脱窒処理するのに適した汚水の処理方法
に関し、より具体的には、効果的に制御された新規の間
欠曝気法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、汚水を硝化−脱窒処理する方法と
して、回分式やオキシデーションディッチ法(OD法)
が知られている。しかしながら、回分法は複数の反応槽
を必要とする場合があり、この場合には処理設備の設置
面積が広くなるだけでなく、処理設備への汚水の流入量
変動に対する調整が複雑である。OD法は、反応槽内に
好気性でも嫌気性でもない中間状態の領域が生じ、反応
槽内に無駄なスペースが生じる。
【0003】これらの回分法やOD法の問題を解決し、
広い設置面積を必要とせず、効率よく汚水を硝化−脱窒
処理することができ、しかも操作が容易であり、特に小
規模な汚水の硝化−脱窒処理を効率よく行うことができ
る方法として、間欠曝気法が知られている。この間欠曝
気法においては、汚水を反応槽内に連続的に供給しなが
ら、反応槽内を好気工程と嫌気工程とに交互に切替え
る。汚水中に含まれる窒素に関しては、好気工程におい
て、硝化菌の働きによってアンモニア性窒素が硝酸性窒
素に酸化され、嫌気工程において、脱窒菌の働きにより
硝酸性窒素は窒素ガスに還元され、汚水から窒素が除去
される。
【0004】一方、汚水中に含まれるリンに関しては、
細胞内にリンを多量に蓄積する性質を有する活性汚泥を
利用する。即ち、かかる活性汚泥は、好気条件において
リンを吸収し、嫌気条件においてはリンを吐き出す。従
って、好気条件でリンの吸収を行い、リンを多量に吸収
した活性汚泥を余剰汚泥として処理系から除去すること
によって、汚水からのリンの除去が可能である。
【0005】間欠曝気法は、例えば、特開平1−310
798号公報や特開平5−50093号公報、特開平5
−237495号公報、特開平5−237496号公報
から公知である。特開平1−310798号公報に開示
された間欠曝気法においては、反応槽の内部に撹拌装置
と曝気装置とを併設し、撹拌装置によって反応槽内の汚
水を連続的に撹拌しながら、曝気装置により間欠的に曝
気する。こうして、所定の時間毎に反応槽内を好気状態
と嫌気状態とに交互に切替えることによって、汚水の硝
化−脱窒処理を行う。
【0006】特開平5−50093号公報に開示された
間欠曝気法においては、間欠1サイクルにおける空気を
供給しない嫌気時間帯と空気を供給する好気時間帯とを
所定の割合に定めて運転すると共に、好気時間帯中、反
応槽内の溶存酸素濃度(以下、DO濃度と呼ぶ場合があ
る)が所定の値を上回ったときには、空気の供給量及び
/又は撹拌機の回転数を低減させる。特開平5−237
495号公報に開示された間欠曝気法においては、好気
時間帯において、空気供給の開始から反応槽内のDO濃
度が所定値に達するまでの間においては、空気の供給量
及び/又は撹拌機の回転数を増大して運転する。特開平
5−237496号公報に開示された間欠曝気法におい
ては、好気時間帯において、空気供給の開始から反応槽
内DO濃度が所定値に達するまでの間においては、空気
の供給量及び/又は撹拌機の回転数を増大して運転する
と共に、反応槽内のDO濃度が所定の値を上回ったとき
には、空気の供給量及び/又は撹拌機の回転数を低減し
て運転する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上の特許公開公報に
開示された間欠曝気法は、極めて効率のよい汚水の硝化
−脱窒処理方法である。しかしながら、通常、反応槽へ
流入する汚水の負荷は変動する。例えば、家庭用廃水を
処理する場合、月曜日から金曜日までの流入汚水の負荷
は概ね一定であり、土曜日及び日曜日は負荷が増大する
傾向が強い。また、季節に依って汚水の平均水温が変動
するために、活性汚泥の硝化反応速度が変動する。上述
の特許公開公報に開示された間欠曝気法においては、こ
のような流入汚水の負荷変動や活性汚泥の硝化反応速度
の変動に追従して、自動的に最適運転条件にて間欠曝気
を行うことは困難である。
【0008】活性汚泥は、好気条件において酸化還元電
位(ORP)値が正のときにはリンを吸収し、嫌気条件
においてORP値が負の値のときにはリンを吐き出す。
一般に、連続曝気を行う場合、ORP値は正となる。従
って、好気条件でリンの吸収を行い、リンを多量に吸収
した活性汚泥を余剰汚泥として処理系から除去すること
によって、脱リンが可能である。言い換えれば、間欠曝
気法においては、嫌気工程においてORP値が負となる
傾向にあり、処理汚水中にリンが放出される虞がある。
また、処理汚水が嫌気状態に置かれると、脱リンのため
に凝集剤を処理汚水に添加してもリンの除去が困難とな
る。上記の特許公開公報に開示された間接曝気法には、
汚水からのリンの除去に関して何等触れられていない。
【0009】従って、本発明の第1の目的は、流入汚水
の負荷変動や活性汚泥の硝化反応速度の変動に追従し
て、自動的に最適運転条件にて汚水の硝化−脱窒処理を
行うことを可能にする間欠曝気法を提供することにあ
る。更に、本発明の第2の目的は、第1の目的に加え、
確実に汚水からのリンの除去を行い得る間欠曝気法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するための本発明の第1の態様に係る間欠曝気法は、汚
水を反応槽内に連続的に供給しながら該反応槽内を好気
工程と嫌気工程とに交互に切替え、好気工程において、
反応槽内の溶存酸素濃度の測定結果に基づき反応槽に供
給する空気量を制御し、以て、反応槽内の溶存酸素濃度
を所定の値に保持することにより汚水を処理する間欠曝
気法であって、好気工程における反応槽内の溶存酸素濃
度を該所定の値に保持すべき時間の1日の合計T0を予
め求めておき、好気工程と嫌気工程から成る間欠曝気サ
イクルの1日の回数をMとし、当日の第i回目(但し、
1≦i≦M)の間欠曝気サイクルにおいて、反応槽内の
溶存酸素濃度が該所定の値に保持された時間をTiとし
たとき、(イ)下記の式(1)に基づき求められた差Δ
Tが正の値の場合、翌日の各間欠曝気サイクルにおける
好気工程の開始から反応槽の溶存酸素濃度が該所定の値
となる迄の供給酸素量を、当日の好気工程の開始から反
応槽の溶存酸素濃度が該所定の値となる迄の供給酸素量
よりも増加させ、(ロ)差ΔTが負の値の場合、翌日の
各間欠曝気サイクルにおける好気工程の開始から反応槽
の溶存酸素濃度が該所定の値となる迄の供給酸素量を、
当日の好気工程の開始から反応槽の溶存酸素濃度が該所
定の値となる迄の供給酸素量よりも減少させ、(ハ)差
ΔTが概ね零の場合、翌日の各間欠曝気サイクルにおけ
る好気工程の開始から反応槽の溶存酸素濃度が該所定の
値となる迄の供給酸素量を、当日の好気工程の開始から
反応槽の溶存酸素濃度が該所定の値となる迄の供給酸素
量と同じとすることを特徴とする。
【0011】
【数4】
【0012】季節に依って汚水の平均水温が変動する結
果、活性汚泥の硝化反応速度が変動する。これに対処す
るために、本発明の第1の態様に係る間欠曝気法におい
ては、季節による補正値ΔT0_Sを上記式(1)の右辺
に加えてもよい。即ち、夏場においては、水温が高く、
活性汚泥の硝化反応速度は早い。逆に、冬場において
は、水温が低く、活性汚泥の硝化反応速度は遅い。従っ
て、夏場にあっては活性汚泥の全反応に要する時間は短
くなり、Tiの合計値は大きな値となる傾向にある。一
方、冬場にあっては、活性汚泥の全反応に要する時間は
長くなり、Tiの合計値は小さな値となる傾向にある。
それ故、夏場あるいは冬場に適した補正値ΔT0_S(正
の値若しくは負の値)を上記の式(1)の右辺に加える
ことが望ましい。尚、夏場の補正値ΔT0_Sと冬場の補
正値ΔT0_Sのそれぞれは、実験にて求めればよい。
【0013】また、例えば、家庭用廃水を処理する場
合、月曜日から金曜日までの流入汚水の負荷は概ね一定
であり、土曜日及び日曜日は負荷が増大する傾向が強
い。このような、反応槽に流入する汚水の日々の負荷変
動に確実に対処するために、前記T0を曜日毎に変え、
当日のT0の値をT0_1、翌日のT0の値をT0_2としたと
き、式(1)の代わりに下記の式(2)を用いてΔTを
求めることが好ましい。尚、季節による補正値ΔT0_S
を下記の式(2)の右辺に加えてもよい。これによっ
て、一層安定した間欠曝気法を実施することができる。
【0014】
【数5】
【0015】上記の第1の態様に係る間欠曝気法におい
ては、1日を基準処理サイクルとしている。一方、以下
に説明する本発明の第2の態様に係る間欠曝気法におい
ては、間欠曝気サイクルのN回(但し、N≧2)を基準
処理サイクルとしている。
【0016】即ち、上記の第1の目的を達成するための
本発明の第2の態様に係る間欠曝気法は、汚水を反応槽
内に連続的に供給しながら該反応槽内を好気工程と嫌気
工程とに交互に切替え、好気工程において、反応槽内の
溶存酸素濃度の測定結果に基づき反応槽に供給する空気
量を制御し、以て、反応槽内の溶存酸素濃度を所定の値
に保持することにより汚水を処理する間欠曝気法であっ
て、好気工程と嫌気工程から成る間欠曝気サイクルのN
回(但し、N≧2)において反応槽内の溶存酸素濃度を
該所定の値に保持すべき時間の合計TNを予め求めてお
き、i回前(但し、1≦i≦N)の間欠曝気サイクルに
おいて、反応槽内の溶存酸素濃度が該所定の値に保持さ
れた時間をTiとしたとき、(イ)下記の式(3)に基
づき求められた差ΔTが正の値の場合、今回の間欠曝気
サイクルにおける好気工程の開始から反応槽の溶存酸素
濃度が該所定の値となる迄の供給酸素量を、N回前から
前回までの好気工程の開始から反応槽の溶存酸素濃度が
該所定の値となる迄の供給酸素量の平均値よりも高く
し、(ロ)差ΔTが負の値の場合、今回の間欠曝気サイ
クルにおける好気工程の開始から反応槽の溶存酸素濃度
が該所定の値となる迄の供給酸素量を、N回前から前回
までの好気工程の開始から反応槽の溶存酸素濃度が該所
定の値となる迄の供給酸素量の平均値よりも低くし、
(ハ)差ΔTが概ね零の場合、今回の間欠曝気サイクル
における好気工程の開始から反応槽の溶存酸素濃度が該
所定の値となる迄の供給酸素量を、N回前から前回まで
の好気工程の開始から反応槽の溶存酸素濃度が該所定の
値となる迄の供給酸素量の平均値と同じとすることを特
徴とする。
【0017】
【数6】
【0018】尚、Nの値は2以上であればよく、好まし
くは3以上6以下である。但し、Nの値はこの値に限定
されるものではなく、汚水の負荷や間欠曝気装置に依存
して、適宜決定すればよい。
【0019】本発明の間欠曝気法においては、汚水を反
応槽内に連続的に供給しながら反応槽内を好気工程と嫌
気工程とに交互に切替える。好気工程においては、反応
槽内の汚水を撹拌しながら、汚水に空気を供給し、有機
物の酸化と、硝化菌の働きによるアンモニア性窒素の硝
酸性窒素への酸化(硝化)を行う。好気工程の終了に引
き続き、嫌気工程が実行される。この嫌気工程において
は、反応槽内の汚水を撹拌し続ける一方、汚水への空気
の供給を停止する。尚、嫌気工程において、汚水の撹拌
を停止してもよい。嫌気工程において、脱窒菌の働きに
より硝酸性窒素は窒素ガスに還元され、窒素が汚水から
除去される。好気工程と嫌気工程から成る間欠曝気サイ
クルの1日の回数Mは、通常、数回から十数回である。
【0020】本発明の間欠曝気法において、反応槽内の
DO濃度の測定は、溶存酸素濃度計(DO計)にて測定
すればよい。反応槽に供給する空気量の制御は、DO計
による測定結果を、例えば、コンピュータから成る演算
装置にて演算し、その結果に基づきインバータの周波数
を制御することによって、送風機から吐出され反応槽内
の汚水に供給される空気量を制御する方式を挙げること
ができる。但し、このような方式に限定するものではな
い。これによって、反応槽内のDO濃度を所定の値(D
0)に保持することができる。ここで、反応槽内のD
O濃度が、所定の値(DO0)の0.9倍から1.1
倍、望ましくは0.95倍から1.05倍の間の範囲に
入っている場合には、反応槽内のDO濃度は所定の値
(DO0)に保持されているものとする。尚、反応槽内
のDO濃度を所定の値(DO0)に保持しない場合、反
応槽内のDO濃度の値は増加する一方である。それ故、
送風機の運転エネルギーの浪費となるばかりか、図7に
示すように、嫌気工程の時間が短くなるため、間欠曝気
サイクルを延長する必要が生じる。尚、図7において、
点線で示されたDO濃度の変化は、反応槽内のDO濃度
を所定の値(DO0)に保持した場合の変化である。本
発明の間欠曝気法においては、好気工程において、反応
槽内のDO濃度の測定結果に基づき反応槽に供給する空
気量を制御し、以て、反応槽内のDO濃度を所定の値
(DO0)に保持するので、過曝気を防止することがで
き、エネルギー消費の低減を達成でき、しかも、後述す
るように嫌気工程の時間が安定する。
【0021】DO濃度の所定の値(DO0)は、汚水の
水温を考慮した経験値あるいは実験値であり、後述する
ように、汚水の硝化の完了を確実に確認し得る値とす
る。一般には、夏場は所定の値(DO0)を低くし、冬
場は高くする。夏場におけるDO濃度の所定の値(DO
0)として1mg/リットル、冬場におけるDO濃度の
所定の値(DO0)として2mg/リットルを例示する
ことができる。
【0022】好気工程における反応槽内のDO濃度を所
定の値(DO0)に保持すべき時間の1日の合計T0は、
活性汚泥の硝化反応速度等に基づき、以下の操作、実験
によって予め求めておくことができる。尚、以下、本発
明の第2の態様に係る間欠曝気法に関しては、以下の説
明における「1日」等を「N回」等と、適宜読み替えれ
ばよいので、本発明の第1の態様に係る間欠曝気法に関
して、専ら説明する。
【0023】活性汚泥の反応においては、有機物の分解
に続き、硝化菌の働きによってアンモニア性窒素が硝酸
性窒素に酸化(硝化)される。尚、以下、これらの反応
を総称して、活性汚泥の全反応と呼ぶ。この活性汚泥の
全反応に必要とされる1日当たりの時間は、有機物の分
解時間と硝化時間の合計に相当する。ここで、以下の表
1のように変数を定義する。
【0024】
【表1】B0・・・BOD総量(kg/日)=流入BO
D量(kg/m3)×流入汚水量(m3/日) N0・・・窒素総量(kg/日)=流入全窒素量(kg
/m3)×流入汚水量(m3/日) Kb・・・BOD分解速度(kgBOD/kgMLSS
・hr) Kn・・・硝化速度(kgN/kgMLSS・hr) ML・・・反応槽内の汚泥量(kg)=汚泥濃度(kg
/m3)×反応槽容量(m3) Db・・・BOD分解時間(hr/日) Dn・・・硝化時間(hr/日)
【0025】BOD分解速度(Kb)は、以下の式
(4)で表される。
【0026】
【数7】 Kb=(B0/24)/(ML×Db) 式(4)
【0027】従って、BOD分解時間(Db)は、式
(4)を変形し、更に、BOD分解速度(Kb)を実験
によって求め、また、BOD総量(B0)及び反応槽内
の汚泥量(ML)を適宜設定することによって、以下の
式(5)から求めることができる。
【0028】
【数8】 Db=(B0/24)/(ML×Kb) 式(5)
【0029】硝化速度(Kn)は、以下の式(6)で表
される。
【0030】
【数9】 Kn=(N0/24)/(ML×Dn) 式(6)
【0031】従って、硝化時間(Dn)は、式(6)を
変形、更に、硝化速度(Kn)を実験によって求め、ま
た、窒素総量(N0)及び反応槽内の汚泥量(ML)を適
宜設定することによって、以下の式(7)から求めるこ
とができる。
【0032】
【数10】 Dn=(N0/24)/(ML×Kn) 式(7)
【0033】一般に、脱窒の際においては、窒素量の3
倍に相当する流入有機物が消費される。従って、かかる
関係を考慮すると、式(5)は、以下のように修正する
ことができる。
【0034】
【数11】 Db={(B0−3×N0)/24}/(ML×Kb) 式(8)
【0035】従って、1日あたりの全反応に要する時間
TOTAL(時間/日)は、式(8)と式(7)の和とな
る。
【0036】
【数12】 DTOTAL=Db+Dn ={(B0−3×N0)/24}/(ML×Kb) +(N0/24)/(ML×Kn) 式(9)
【0037】本発明の間欠曝気法においては、式(9)
から得られた1日あたりの全反応に要する時間(D
TOTAL)を各好気工程に割り当てる。即ち、好気工程と
嫌気工程から成る間欠曝気サイクルの1日の回数をMと
すれば、1回の好気工程における反応期間DMは、 DM=DTOTAL/M 式(10) となる。
【0038】尚、本発明の第2の態様に係る間欠曝気法
においては、1日当たりの間欠曝気サイクル数を設定
し、かかる間欠曝気サイクル数で全反応に要する時間
(DTOTA L)を除することで、1回の好気工程における
反応期間Dを求めることができる。
【0039】各好気工程におけるこの反応期間(DM
内において、反応槽内のDO濃度は、溶存酸素が活性汚
泥の反応に消費されるために、低い値となる(図1参
照)。活性汚泥の全反応が完了すると、消費される酸素
量は減少する。その結果、反応槽内のDO濃度は急激に
上昇する。
【0040】以上の反応期間(DM)に関する議論は、
あくまでも1日当たりあるいは単位時間当たりのBOD
総量や窒素総量が一定として議論したものであり、実際
には汚水の流入量や、流入BOD量、流入全窒素量とい
った負荷の変動が伴う。従って、実際の反応期間は変動
する。
【0041】反応期間(DM)を一定とした場合、流入
汚水の負荷が過剰となったとき、反応期間(DM)内に
は活性汚泥の全反応が完了しなくなる。このような場合
にあっては、反応槽内のDO濃度は低いままであり、反
応が完了した場合と区別が付かない。従って、従来の技
術あるいは本発明においては、この反応期間(DM)に
引き続き、補助期間を設け、この補助期間の間において
も引き続き反応槽内の汚水に空気を供給する。そして、
反応期間(DM)と補助期間の合計を好気工程の期間
(時間)とし、かかる好気工程の期間(時間)を一定と
している。このような補助期間を設けることによって、
活性汚泥の全反応が完了したか否かを検知することがで
きる。即ち、活性汚泥の全反応が完了した後には消費さ
れる酸素量が減少するので、反応槽内のDO濃度は急激
に上昇する。それ故、補助期間内に反応槽内のDO濃度
の増加が認められたならば、活性汚泥の全反応が完了し
たことになる。通常、反応期間(DM)と補助期間の合
計である好気工程の時間は40乃至60分であり、反応
期間(DM)の時間は10乃至20分であり、補助期間
の時間は20乃至50分である。尚、補助期間の内、反
応槽内のDO濃度をDO0に制御する時間は10乃至4
0分とすることが好ましい。好気工程の期間(時間)を
一定としているので、流入汚水の負荷変動によって反応
期間(DM)が長くなれば補助期間は短くなり、反応期
間(DM)が短くなれば補助期間は長くなる。即ち、補
助期間の時間は流入汚水の負荷によって変動する。
【0042】流入汚水の負荷が、BOD総量(B0)、
窒素総量(N0)、BOD分解速度(Kb)、硝化速度
(Kn)、反応槽内の汚泥量(ML)等の設定値(これら
は流入汚水の負荷の設定値であり、以下、単に負荷設定
値と呼ぶ)と略等しい場合の間欠曝気サイクルにおける
DO濃度の変化を、図1に模式的に示す。流入汚水の負
荷が負荷設定値より多い場合の間欠曝気サイクルにおけ
るDO濃度の変化を、図2の(A)に模式的に示し、流
入汚水の負荷が負荷設定値より極めて多い場合の間欠曝
気サイクルにおけるDO濃度の変化を、図2の(B)に
模式的に示す。図2の(A)に示す場合における反応期
間は、図1に示す場合の反応期間よりも長くなる。然る
に、好気工程の期間(時間)は一定であるが故に、反応
槽内のDO濃度が所定の値(DO0)に保持された時間
iは短くなる。図2の(B)に示す場合における反応
期間は、図2の(A)に示す場合の反応期間よりも更に
長くなる。然るに、好気工程の期間(時間)は一定であ
るが故に、反応槽内のDO濃度が所定の値(DO0)に
保持された時間Tiは「0」となる。一方、流入汚水の
負荷が負荷設定値より小さい場合の間欠曝気サイクルに
おけるDO濃度の変化を、図3に模式的に示す。図3に
示す場合における反応期間は、図1に示す場合の反応期
間よりも短くなるが、好気工程の期間(時間)は一定で
あるが故に、反応槽内のDO濃度が所定の値(DO0
に保持された時間Tiは長くなる。尚、図2及び図3に
おいて、破線は、流入汚水の負荷が負荷設定値と略等し
い場合の間欠曝気サイクルにおけるDO濃度の変化(図
1参照)を示す。
【0043】間欠曝気サイクルにおける好気工程の開始
から反応槽の溶存酸素濃度が所定の値(DO0)となる
迄の供給酸素量の標準的な値AIRSTDを、予め試験に
よって決定しておく。そして、式(10)から求められ
た1回の好気工程における反応期間DM及び補助期間の
設定値、溶存酸素濃度の所定の値(DO0)、供給酸素
量の標準的な値AIRSTDに基づき、試験を繰り返し、
1回の好気工程における反応槽内の溶存酸素濃度が所定
の値(DO0)に保持される時間t0を決定する。そし
て、この時間t0をM倍すれば、好気工程における反応
槽内の溶存酸素濃度を該所定の値に保持すべき時間の1
日の合計T0が求まる。
【0044】通常、嫌気工程の時間は、60乃至80分
である。嫌気工程においては、好気工程において上昇し
た反応槽内のDO濃度が0mg/リットルとなる迄に或
る時間が必要とされる。汚水中の窒素の除去は、DO濃
度が0mg/リットルとなってから始まるので、反応槽
内のDO濃度が出来る限り短時間で0mg/リットルと
なることが好ましい。本発明の間欠曝気法においては、
好気工程において、反応槽内のDO濃度を所定の値(D
0)に保持するので、反応槽内のDO濃度が0mg/
リットルとなる時間は概ね一定となる。尚、嫌気工程に
おいては、反応槽内のDO濃度が0mg/リットルとな
った後、20分乃至60分の間、この状態が保持され
る。嫌気工程においては、反応槽内の汚水の撹拌を行っ
ても、行わなくともよい。あるいは又、各嫌気工程の終
了直前においてのみ反応槽内の汚水の撹拌を行ってもよ
い。
【0045】本発明の間欠曝気法においては、好気工程
における(より具体的には、この補助期間における)反
応槽内の溶存酸素濃度を所定の値(DO0)に保持すべ
き時間の1日の合計T0を、先に説明したように、予め
求めておく。あるいは又、好気工程と嫌気工程から成る
間欠曝気サイクルのN回(但し、N≧2)において反応
槽内の溶存酸素濃度を所定の値に保持すべき時間の合計
Nを予め求めておく。
【0046】そして、当日の第i回目(但し、1≦i≦
M)の間欠曝気サイクルにおいて、反応槽内のDO濃度
が所定の値(DO0)に保持された時間Tiを求める。こ
の時間Tiは、反応槽内に配設されたDO計の値が所定
の値(DO0)となってから好気工程が終わるまでの時
間として求めることができる。尚、好気工程の時間は一
定とする。そして、式(1)から差ΔTを求める。尚、
時間Tiの合計は、シーケンサーやコンピュータ等の演
算装置を用いて容易に行うことができる。
【0047】式(1)に基づき求められた差ΔTが正の
値の場合、Tiの合計時間がT0よりも短い。即ち、当日
の流入汚水の負荷が負荷設定値よりも高く、当日の反応
期間の合計がDTOTALを超えているが故に、補助期間に
おける時間Tiの合計がT0よりも短くなっている。それ
故、翌日の流入汚水の負荷が負荷設定値よりも高くなる
であろうことが予測される。従って、翌日の各間欠曝気
サイクルにおける好気工程の開始から反応槽のDO濃度
が所定の値(DO0)となる迄の供給酸素量(AIR2
を、当日の好気工程の開始から反応槽のDO濃度が所定
の値(DO0)となる迄の供給酸素量(AIR1)よりも
増加させる。具体的には、例えば、差ΔTの値に基づ
き、コンピュータ等の演算装置を用いて、供給酸素量
(AIR2)を供給するために必要とされるインバータ
の周波数を決定し、かかる周波数の制御によって送風機
から吐出され反応槽内の汚水に供給される空気量を制御
すればよい。尚、インバータの運転周波数を、例えば、
予め30〜100%の範囲内で数段階に設定しておき、
演算装置からの指令で所定の周波数が選択されるように
構成すればよい。このような操作を行うことによって、
翌日の各好気工程における反応期間(DM)内における
酸素供給量が増加し、翌日の各好気工程における反応期
間(DM)を当日よりも短くすることができる。即ち、
翌日の流入汚水の負荷の増加に確実に対処することがで
きる。
【0048】式(1)に基づき求められた差ΔTが負の
値の場合、Tiの合計時間がT0よりも長い。即ち、当日
の流入汚水の負荷が負荷設定値よりも低く、当日の反応
期間の合計がDTOTALを下回っているが故に、補助期間
における時間Tiの合計がT0よりも長くなっている。そ
れ故、翌日の流入汚水の負荷が負荷設定値よりも低くな
るであろうことが予測される。従って、翌日の各間欠曝
気サイクルにおける好気工程の開始から反応槽のDO濃
度が所定の値(DO0)となる迄の供給酸素量(AI
2)を、当日の好気工程の開始から反応槽のDO濃度
が所定の値(DO0)となる迄の供給酸素量(AIR1
よりも減少させる。このような操作を行うことによっ
て、翌日の各好気工程における反応期間(DM)内にお
ける酸素供給量が減少し、翌日の各好気工程における反
応期間(DM)を当日よりも長くすることができる。即
ち、汚水の負荷の減少に確実に対処することができ、且
つ、不要なエネルギーの消費を抑制することができる。
【0049】また、差ΔTが概ね零の場合、当日の流入
汚水の負荷は負荷設定値と略等しい。それ故、翌日の流
入汚水の負荷は負荷設定値と略等しくなるであろうこと
が予測される。従って、翌日の各間欠曝気サイクルにお
ける好気工程の開始から反応槽のDO濃度が所定の値
(DO0)となる迄の供給酸素量(AIR2)を、当日の
好気工程の開始から反応槽のDO濃度が所定の値(DO
0)となる迄の供給酸素量(AIR1)と同じとすればよ
い。
【0050】尚、差ΔTと、翌日の各間欠曝気サイクル
における好気工程の開始から反応槽のDO濃度が所定の
値(DO0)となる迄の供給酸素量(AIR2)のAIR
1に対する増減量との関係は、予め実験や試験にて求め
ておけばよい。また、差ΔTが概ね零であるとは、|Δ
T/T0|の値が0.1以内にあると規定する。尚、こ
の|ΔT/T0|の値は、間欠曝気装置や流入汚水の条
件等に依存して、実験等により適宜決定すればよい。
【0051】尚、本発明の第2の態様に係る間欠曝気法
においても、上述したと同様の操作を行えばよい。
【0052】本発明においては、このような操作を行う
ので、流入汚水の負荷変動に対応した間欠曝気法の実施
が容易に行え、しかも、汚水処理性能が一層安定する。
【0053】先に説明したように、活性汚泥は、好気条
件において酸化還元電位(ORP)値が正のときにはリ
ンを吸収し、嫌気条件においてORP値が負の値のとき
にはリンを吐き出す。一般に、連続曝気を行う場合、O
RP値は正となる。従って、好気条件でリンの吸収を行
い、リンを多量に吸収した活性汚泥を余剰汚泥として処
理系から除去することによって、脱リンが可能である。
言い換えれば、間欠曝気法においては、嫌気工程におい
てORP値が負となる傾向にあり、処理汚水中にリンが
放出される虞がある。また、処理汚水が嫌気状態に置か
れると、脱リンのために凝集剤を処理汚水に添加しても
リンの除去が困難となる。上記の第2の目的を達成する
ための本発明の第1若しくは第2の態様に係る間欠曝気
法においては、反応槽の下流に連続曝気槽を備え、反応
槽内で処理された処理汚水を該連続曝気槽で連続的に曝
気処理する。これによって、連続曝気槽は好気状態とな
り、処理汚水からのリンの除去を確実に行うことができ
る。尚、連続曝気槽における処理汚水の滞留時間は30
分乃至60分とすることが好ましい。リンの高率除去を
行う場合には、PAC(ポリ塩化アルミニウム)や塩化
第2鉄等の凝集剤を連続曝気槽内の処理汚水に添加すれ
ばよい。
【0054】本発明の第1若しくは第2の態様に係る間
欠曝気法においては、各嫌気工程において反応槽内の汚
水の撹拌を行っても、行わなくともよい。あるいは又、
各嫌気工程の終了直前においてのみ反応槽内の汚水の撹
拌を行ってもよい。この場合には、嫌気工程の終了直前
に、嫌気工程の期間(時間)の10%乃至20%の期間
(時間)の間、反応槽内の汚水の撹拌を行うことが好ま
しい。これによって、嫌気工程におけるエネルギー消費
の低減を達成することができる。
【0055】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明を説明する。
【0056】(実施例1及び比較例1)本発明の間欠曝
気法の実施に適した間欠曝気装置の概念図を図4に示
す。この間欠曝気装置は、反応槽10と、反応槽10内
の汚水のDO濃度を測定するためのDO計11と、演算
装置12と、インバータ13と、ルーツブロワーから成
る送風機14と、散気装置15と、水中撹拌機16から
構成されている。尚、散気装置と水中撹拌機とは一体構
造のものを用いることもできる。演算装置12は、コン
ピュータから構成され、DO計11による測定結果を演
算し、インバータ13の周波数を制御する。これによっ
て、送風機14から吐出され反応槽内の汚水に散気装置
15を介して供給される空気量を制御することができ、
反応槽10内のDO濃度を所定の値(DO0)に保持す
ることができる。また、演算装置12は、当日の第i回
目(但し、1≦i≦M)の間欠曝気サイクルにおいて、
反応槽内のDO濃度が所定の値(DO0)に保持された
時間Tiの合計を計算する。尚、この時間Tiは、反応槽
10内に配設されたDO計11の値が所定の値(D
0)となってから好気工程が終わるまでの時間として
演算装置12によって求めることができる。
【0057】反応槽10で処理された処理汚水は、配管
を介して沈澱槽20内に流入する。沈殿槽20内で処理
汚水は固液分離され、汚泥の一部は汚泥ポンプ21によ
って反応槽10内に返送され、残余の汚泥は系外に排出
される。一方、上澄液は処理水として沈殿槽20の上部
から排出される。
【0058】この間欠曝気装置を用いて、本発明の第1
の態様に係る間欠曝気法の試験を行った。尚、実施例1
においては、|ΔT/T0|の値が0.1を超えたとき
に、差ΔTの値を評価した。また、(2−ΔT/T0
の値と(AIR2/AIR1)の値を等しくした。尚、M
=12、T0=240分とした。
【0059】比較例1として、汚水を反応槽内に連続的
に供給しながら反応槽内を好気工程と嫌気工程とに交互
に切替える、従来の間欠曝気法による試験を行った。比
較例1においては、好気工程において、反応槽内の溶存
酸素濃度の測定結果に基づき反応槽に供給する空気量を
制御することは、行っていない。従って、T0と、Ti
合計から、差ΔTを求める操作も、比較例1においては
行っていない。試験の条件及び試験結果を、以下の表2
に示す。
【0060】
【表2】 実施例1 比較例1 試験条件 好気工程 (分) 40 40 嫌気工程 (分) 80 80 DO0 (mg/リットル) 2 −− 水温 (゜C) 17〜19 18〜24 流入汚水 BOD (g/m3) 86〜100 100〜133 T−N (g/m3) 30〜 43 35〜 43 試験結果 処理水中のBOD (g/m3) 6.4 16.3 BOD除去率 (%) 93.1 85.3 処理水中のT−N (g/m3) 6.5 7.7 T−N除去率 (%) 79.3 74.8
【0061】表2からも明らかなように、比較例1と比
べて、実施例1においてはBOD除去率及びT−N除去
率が大幅に向上している。
【0062】(実施例2、実施例3及び比較例2)実施
例2においては、図5に示す間欠曝気装置を用いた。実
施例2の間欠曝気装置は反応槽10の下流に連続曝気槽
30を備えている。反応槽10及びそれに付帯する装置
は実施例1と同様である。連続曝気槽30には、酸化還
元電位計(ORP計)31と、送風機34と、散気装置
35とが備えられている。実施例2においては、実施例
1にて説明した間欠曝気法にて反応槽10内で処理され
た処理汚水を、連続曝気槽30で連続的に曝気処理す
る。連続曝気槽30における処理汚水の滞留時間を30
〜60分とした。尚、連続曝気槽30から流出した処理
汚水は、実施例1と同様に配管を介して沈澱槽20内に
流入する。沈殿槽20内で処理汚水は固液分離され、汚
泥の一部は汚泥ポンプ21によって反応槽10内に返送
され、残余の汚泥は系外に排出される。一方、上澄液は
処理水として沈殿槽20の上部から排出される。
【0063】この間欠曝気装置を用いて、本発明の第1
の態様に係る間欠曝気法の試験を行った。尚、実施例2
においては、|ΔT/T0|の値が0.1を超えたとき
に、差ΔTの値を評価した。また、(2−ΔT/T0
の値と(AIR2/AIR1)の値を等しくした。尚、M
=12、T0=240分とした。
【0064】比較例2として、汚水を反応槽内に連続的
に供給しながら反応槽内を好気工程と嫌気工程とに交互
に切替える、従来の間欠曝気法による試験を行った。比
較例2においては、好気工程において、反応槽内の溶存
酸素濃度の測定結果に基づき反応槽に供給する空気量を
制御することは、行っていない。従って、T0と、Ti
合計から、差ΔTを求める操作も、比較例2においては
行っていない。尚、実施例3として、実施例1と同様の
間欠曝気法を実施した。ここで、実施例3が実施例1と
相違する点は、実施例3においては、凝集剤としてPA
Cを添加している点にある。実施例2及び実施例3にお
けるPACの添加量を、PO4−P=5g/m3と想定し
て、汚水1m3に対して100gとした。試験の条件及
び試験結果を、以下の表3に示す。
【0065】
【表3】 実施例2 実施例3 比較例2 試験条件 好気工程 (分) 40 40 40 嫌気工程 (分) 80 80 80 DO0 (mg/リットル) 2 2 −− 水温 (゜C) 18 18 18 連続曝気 有り 無し 無し PAC 添加 添加 無添加 流入汚水 BOD (g/m3) 140 同左 同左 T−N (g/m3) 34.7 同左 同左 T−P (g/m3) 3.7 同左 同左 試験結果 処理水中のBOD (g/m3) 5.6 6.3 14.7 BOD除去率 (%) 96.0 95.5 89.5 処理水中のT−N (g/m3) 6.5 7.1 9.6 T−N除去率 (%) 81.3 79.5 72.3 処理水中のT−P (g/m3) 0.2 1.3 2.9 T−P除去率 (%) 94.6 64.9 21.6
【0066】表3から、実施例2においては、格段にリ
ンが除去されていることが解る。
【0067】(実施例4)実施例4においては、本発明
の第1の態様に係る間欠曝気法において、各嫌気工程に
おいて反応槽内の汚水の撹拌を行わなかった。図6に実
施例4の実施に適した間欠曝気装置の概念図を示す。
【0068】反応槽10中の汚泥は、必要な栄養分を細
胞内に迅速に取り込んでしまうため、微視的に見た場
合、汚泥を取り囲む水は、処理汚水と変わらない水質と
なっている。従って、反応槽10を、反応槽10に流入
した汚水が短絡して沈殿槽20に流出しない構造とすれ
ば、嫌気工程において反応槽10内で汚泥が沈澱してい
ても、処理汚水の水質には殆ど影響がない。従って、嫌
気工程において、反応槽10内の汚水を撹拌しなくと
も、処理汚水の水質は、反応槽10内の汚水を撹拌した
ときとほぼ同じとなる。しかも、反応槽10内の汚水を
撹拌しなくともよいので、エネルギー消費の低減を達成
できる。図6に示すように、実施例4における間欠曝気
装置においては、反応槽10に流入した汚水が短絡して
沈殿槽20に流出することを防止するために、流入汚水
が汚泥ゾーン内で反応槽10に流入する構造とした。実
際に、嫌気工程において、反応槽10内の汚水を撹拌し
ない場合、及び撹拌した場合について試験を行ったが、
処理汚水の水質に大きな差異は認められなかった。
【0069】どの程度の省エネルギーが達成できるか
を、以下に評価する。2000人分の汚水(540m3
/日)を処理する場合を考える。送風機14及び水中撹
拌機16の消費電力を22kW時、11kW時とする。
また、間欠曝気サイクルの1日の回数Mを12とし、好
気工程の時間を40分、嫌気工程の時間を80分とす
る。
【0070】好気工程及び嫌気工程において水中撹拌機
16を動作させたときの1日の消費電力は、以下のとお
りである。 (40+80)/60×12(サイクル)×11(kW
時)=264kW/日
【0071】一方、好気工程においてのみ水中撹拌機1
6を動作させたときの1日の消費電力は、以下のとおり
である。 40/60×12(サイクル)×11(kW時)=88
kW/日
【0072】従って、この場合には、176kW/日の
エネルギーの削減が可能となる。
【0073】(実施例5)実施例5においては、図4に
示した間欠曝気装置を用いて、本発明の第2の態様に係
る間欠曝気法の試験を行った。尚、実施例5において
は、|ΔT/T0|の値が0.1を超えたときに、差Δ
Tの値を評価した。また、(2−ΔT/T0)の値と
(AIR2/AIR1)の値を等しくした。尚、N=4、
0=20分×4サイクル=80分とした。試験の結
果、好気工程において、反応槽内の溶存酸素濃度の測定
結果に基づき反応槽に供給する空気量を制御することを
行わない従来の間欠曝気法と比べて、実施例5において
はBOD除去率及びT−N除去率が大幅に向上した。
【0074】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例にて示した間欠曝気装置や間欠曝気法の条件は例
示であり、適宜変更することができる。
【0075】
【発明の効果】本発明の間欠曝気法によれば、反応槽に
流入する汚水の負荷変動に対して確実に追従することが
でき、安定した間欠曝気による汚水処理を行うことがで
きる。また、間欠曝気の実施に伴うエネルギー消費を低
減することができるし、汚泥の解体とそれによる水質悪
化に繋がる過曝気を防ぐことができる。また、反応槽の
下流に連続曝気槽を備えることによって、汚水からリン
を効果的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の間欠曝気法において、流入汚水の負荷
が負荷設定値と略等しい場合の間欠曝気サイクルにおけ
る反応槽内のDO濃度の変化を模式的に示す図である。
【図2】本発明の間欠曝気法において、流入汚水の負荷
が負荷設定値よりも大きい場合の間欠曝気サイクルにお
ける反応槽内のDO濃度の変化を模式的に示す図であ
る。
【図3】本発明の間欠曝気法において、流入汚水の負荷
が負荷設定値よりも小さい場合の間欠曝気サイクルにお
ける反応槽内のDO濃度の変化を模式的に示す図であ
る。
【図4】本発明の間欠曝気法の実施に適した間欠曝気装
置の概念図である。
【図5】本発明の間欠曝気法の実施に適した、連続曝気
槽を備えた間欠曝気装置の概念図である。
【図6】本発明の間欠曝気法の実施に適した別の形式の
間欠曝気装置の概念図である。
【図7】反応槽内のDO濃度を所定の値に保持しない場
合の反応槽内のDO濃度の変化を模式的に示す図であ
る。
【符号の説明】
10 反応槽 11 溶存酸素濃度計(DO計) 12 演算装置 13 インバータ 14,34 送風機 15,35 散気装置 16 水中撹拌機 20 沈澱槽 21 汚泥ポンプ 30 連続曝気槽 31 酸化還元電位計(ORP計)
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【数7】KBo/(M×D) 式(4)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【数8】DBo/(M×K) 式(5)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【数9】KNo/(M×D) 式(6)
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【数10】DNo/(M×K) 式(7)
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】
【数11】 D(Bo−3×No)/(M×K) 式(8)
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【数12】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】汚水を反応槽内に連続的に供給しながら該
    反応槽内を好気工程と嫌気工程とに交互に切替え、好気
    工程において、反応槽内の溶存酸素濃度の測定結果に基
    づき反応槽に供給する空気量を制御し、以て、反応槽内
    の溶存酸素濃度を所定の値に保持することにより汚水を
    処理する間欠曝気法であって、 好気工程における反応槽内の溶存酸素濃度を該所定の値
    に保持すべき時間の1日の合計T0を予め求めておき、 好気工程と嫌気工程から成る間欠曝気サイクルの1日の
    回数をMとし、 当日の第i回目(但し、1≦i≦M)の間欠曝気サイク
    ルにおいて、反応槽内の溶存酸素濃度が該所定の値に保
    持された時間をTiとしたとき、 (イ)下記の式(1)に基づき求められた差ΔTが正の
    値の場合、翌日の各間欠曝気サイクルにおける好気工程
    の開始から反応槽の溶存酸素濃度が該所定の値となる迄
    の供給酸素量を、当日の好気工程の開始から反応槽の溶
    存酸素濃度が該所定の値となる迄の供給酸素量よりも増
    加させ、 (ロ)差ΔTが負の値の場合、翌日の各間欠曝気サイク
    ルにおける好気工程の開始から反応槽の溶存酸素濃度が
    該所定の値となる迄の供給酸素量を、当日の好気工程の
    開始から反応槽の溶存酸素濃度が該所定の値となる迄の
    供給酸素量よりも減少させ、 (ハ)差ΔTが概ね零の場合、翌日の各間欠曝気サイク
    ルにおける好気工程の開始から反応槽の溶存酸素濃度が
    該所定の値となる迄の供給酸素量を、当日の好気工程の
    開始から反応槽の溶存酸素濃度が該所定の値となる迄の
    供給酸素量と同じとすることを特徴とする間欠曝気法。 【数1】
  2. 【請求項2】季節による補正値ΔT0_Sを上記式(1)
    の右辺に加えることを特徴とする請求項1に記載の間欠
    曝気法。
  3. 【請求項3】前記T0を曜日毎に変え、当日のT0の値を
    0_1、翌日のT0の値をT0_2としたとき、前記式
    (1)の代わりに以下の式(2)を用いて前記ΔTを求
    めることを特徴とする請求項1に記載の間欠曝気法。 【数2】
  4. 【請求項4】季節による補正値ΔT0_Sを上記式(2)
    の右辺に加えることを特徴とする請求項3に記載の間欠
    曝気法。
  5. 【請求項5】汚水を反応槽内に連続的に供給しながら該
    反応槽内を好気工程と嫌気工程とに交互に切替え、好気
    工程において、反応槽内の溶存酸素濃度の測定結果に基
    づき反応槽に供給する空気量を制御し、以て、反応槽内
    の溶存酸素濃度を所定の値に保持することにより汚水を
    処理する間欠曝気法であって、 好気工程と嫌気工程から成る間欠曝気サイクルのN回
    (但し、N≧2)において反応槽内の溶存酸素濃度を該
    所定の値に保持すべき時間の合計TNを予め求めてお
    き、 i回前(但し、1≦i≦N)の間欠曝気サイクルにおい
    て、反応槽内の溶存酸素濃度が該所定の値に保持された
    時間をTiとしたとき、 (イ)下記の式(3)に基づき求められた差ΔTが正の
    値の場合、今回の間欠曝気サイクルにおける好気工程の
    開始から反応槽の溶存酸素濃度が該所定の値となる迄の
    供給酸素量を、N回前から前回までの好気工程の開始か
    ら反応槽の溶存酸素濃度が該所定の値となる迄の供給酸
    素量の平均値よりも高くし、 (ロ)差ΔTが負の値の場合、今回の間欠曝気サイクル
    における好気工程の開始から反応槽の溶存酸素濃度が該
    所定の値となる迄の供給酸素量を、N回前から前回まで
    の好気工程の開始から反応槽の溶存酸素濃度が該所定の
    値となる迄の供給酸素量の平均値よりも低くし、 (ハ)差ΔTが概ね零の場合、今回の間欠曝気サイクル
    における好気工程の開始から反応槽の溶存酸素濃度が該
    所定の値となる迄の供給酸素量を、N回前から前回まで
    の好気工程の開始から反応槽の溶存酸素濃度が該所定の
    値となる迄の供給酸素量の平均値と同じとすることを特
    徴とする間欠曝気法。 【数3】
  6. 【請求項6】前記反応槽の下流に連続曝気槽を備え、該
    反応槽内で処理された処理汚水を該連続曝気槽で連続的
    に曝気処理することを特徴とする請求項1乃至請求項5
    のいずれか1項に記載の間欠曝気法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010091457A (ko) * 2000-03-15 2001-10-23 박기호 질소제거 효율향상을 도모한 하수처리방법 및 장치
KR100384660B1 (ko) * 2001-06-04 2003-05-22 주식회사 유니테크 하·폐수의 질소를 처리하기 위한 하·폐수 처리 자동화시스템 및 그 방법
JP2006043540A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Sumitomo Heavy Ind Ltd オキシデーションディッチの運転方法
JP2013512096A (ja) * 2009-12-01 2013-04-11 リ、ジンミン 汚水生物処理方法を用いた汚泥処理方法、及び汚泥処理装置と装置

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