JPH09296957A - 給湯器の凍結防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単位面積あたりの伝熱量を小さくして耐熱的
に弱い接続配管にも適用できる給湯器の凍結防止装置を
提供する。 【解決手段】 給湯器の接続配管部の水側本体Ａと給水
接手Ｂの接合フランジ１、２に略適合する広い面積の伝
熱板３を有し、該伝熱板３の一側起立板４に凍結防止用
ヒータ５を取付けてなるヒータ取付板Ｃを、上記水側本
体Ａの接合フランジ１と給水接手Ｂの接合フランジ２と
の間にその伝熱板３を挟み込んで取付け、広い伝熱面積
が得られるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、給湯器の凍結防
止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の給湯器の凍結防止装置において、
その接続配管部の凍結防止手段として、たとえば、図８
に示されているように、接続配管部の、たとえば、水側
本体Ａ′又は給水接手Ｂ′の側面部に凍結防止用ヒータ
５′をヒータ固定板６′で取付け固定している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】給湯器の接続配管には
その軽量化とコストダウンを目的として、昨今、樹脂製
の接続配管が用いられるようになってきた。しかしなが
ら、上記従来の技術の接続配管部の、たとえば、水側本
体Ａ′又は給水接手Ｂ′の側面部に凍結防止用ヒータ
５′を取付け固定したものでは、伝熱面積が狭いために
樹脂製の接続配管を用いた場合、その取付け部分に熱が
集中して配管が熱で溶けたり、変形するおそれがあるた
め適用できず、また、接続配管の、たとえば、水側本体
Ａ′又は給水接手Ｂ′の外形は凹凸しているため専用の
取付け部４′を設ける必要があり、さらには、熱伝導も
悪いため効率的な凍結防止ができないという問題点があ
った。

【０００４】この発明の給湯器の凍結防止装置は上記課
題を解決し、伝熱面積を広くして単位面積あたりの伝熱
量を小さくすることにより、たとえば、樹脂製の接続配
管のような耐熱的に弱い接続配管にも適用できる給湯器
の凍結防止装置の提供を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するこの
発明の第１の給湯器の凍結防止装置は、給湯器の接続配
管部における接手部分に凍結防止用加熱手段を備えて、
広い伝熱面積のもとに単位面積あたりの伝熱量を小さく
したことを特徴とする。上記構成を有するこの発明の第
１の給湯器の凍結防止装置は、単位面積あたりの伝熱量
が小さいので、耐熱的に弱い、たとえば、樹脂製の接続
配管であっても効率的な凍結防止が可能である。

【０００６】上記課題を解決するこの発明の第２の給湯
器の凍結防止装置は、凍結防止用ヒータを備え、かつ、
広い面積の伝熱板を有するヒータ取付板を上記接手部分
に伝熱板を挟着して取付けたことを特徴とする。上記構
成を有するこの発明の第２の給湯器の凍結防止装置は、
凍結防止用ヒータからの熱がヒータ取付板の広い面積の
伝熱板に熱伝導して接続配管に伝熱するから、広い伝熱
面積が得られ凍結を効果的に防止する。

【０００７】上記課題を解決するこの発明の第３の給湯
器の凍結防止装置は、上記接手部分に接合面積の広い接
合フランジを備え、該接合フランジの近くに凍結防止用
ヒータを備えたことを特徴とする。上記構成を有するこ
の発明の第３の給湯器の凍結防止装置は、凍結防止用ヒ
ータからの熱が接合面積の広い接合フランジを介して熱
伝導するから、広い伝熱面積が得られ凍結を効果的に防
止する。

【０００８】上記課題を解決するこの発明の第４の給湯
器の給湯器の凍結防止装置は、上記接続配管の一方が樹
脂製である場合、上記凍結防止用加熱手段による伝熱が
他方の金属製接続配管に移動して接続配管内の水を加熱
対流して凍結を防止することを特徴とする。上記構成を
有するこの発明の第４の給湯器の凍結防止装置は、凍結
防止用ヒータから金属製接続配管への熱移動が起こり、
上下方向に接続された接続配管内の水を対流させるか
ら、凍結防止が効果的に行いうる。

【０００９】上記課題を解決するこの発明の第５の給湯
器の給湯器の凍結防止装置は、上記接続配管がともに樹
脂製である場合、該接続配管に上記凍結防止用加熱手段
による伝熱量が負荷を軽減して伝熱することを特徴とす
る。上記構成を有するこの発明の第５の給湯器の凍結防
止装置は、接続配管が耐熱的に弱い樹脂製であっても接
続配管を傷めることなく伝熱するから、凍結防止が確実
に行いうる。

【００１０】

【発明の実施の形態】給湯器の接続配管部における、た
とえば、水側本体Ａと給水接手Ｂの接手部分（以下この
項において同じ）の接合フランジ１、２に略適合する広
い面積の伝熱板３を有し、該伝熱板３の一側を延長して
設けた起立板４に凍結防止用ヒータ５を備えてなるヒー
タ取付板Ｃを設け、該ヒータ取付板Ｃの伝熱板３を水側
本体Ａと又は給水接手Ｂの接合フランジ１、２間を挟み
込んで取付けることにより、凍結防止用ヒータ５から接
続配管部への熱伝導は接合フランジ１、２による広い伝
熱面積のもとに単位面積あたりの伝熱量を小さくして水
側本体Ａと給水接手Ｂに伝熱する。したがって、たとえ
ば、樹脂製の接続配管のように耐熱的に弱い接続配管の
凍結防止も確実に行いうる。なお、上記ヒータ取付板Ｃ
には銅板のように熱伝導性にすぐれたものを用いる。ま
た、上記接手部分の接合フランジ１、２はその接合面積
を広くすると、広い伝熱面積が効果的に稼ぎうる。

【００１１】上記接続配管の上部の水側本体Ａは樹脂製
で、下部の給水接手Ｂは金属製である場合は、凍結防止
用ヒータ５から給水接手Ｂに熱移動が起こり、接続配管
内の水は上下方向に対流する。したがって、これらの凍
結は効率的に防止される。

【００１２】上記接続配管の水側本体Ａと給水接手Ｂが
ともに樹脂製である場合、これらに凍結防止用ヒータ５
からの伝熱量が負荷を軽減して伝熱される。したがっ
て、接続配管が耐熱的に弱い樹脂製であってもこれらを
傷めることなく伝熱加熱しこれらの凍結を確実に防止す
る。

【００１３】以上この発明の実施の形態の一例について
説明したが、この発明はこうした実施の形態に何ら限定
されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲
において様々な形態で実施しうること勿論である。

【００１４】以上説明したこの発明の構成、作用及び実
施の形態を一層明確にするために、この発明の給湯器の
凍結防止装置を具体的に示した実施例について図面を参
照して以下に説明する。

【００１５】

【実施例】実施例はこの発明を給湯器の水側入口部分の
接続配管部に適用したものであって（図７参照）、図１
〜図４において、Ａは水側本体で、その接手部分に接合
フランジ１を備え、樹脂又は金属で作られている。ま
た、Ｂは給水接手で、その接手部分に上記水側本体Ａの
接合フランジ１に適合する接合フランジ２を備え、金属
又は樹脂で作られている。さらに、Ｃはヒータ取付板
で、上記水側本体Ａと給水接手Ｂの接合フランジ１、２
に略適合する広い面積の伝熱板３を有し、該伝熱板３の
一側を延長して立設した起立板４に凍結防止用ヒータ５
をヒータ固定板６で取付け固定してなり、このヒータ取
付板Ｃは銅板のように熱伝導性にすぐれたもので作られ
ている。

【００１６】上記ヒータ取付板Ｃは、水側本体Ａの接合
フランジ１と給水接手Ｂの接合フランジ２との間にその
伝熱板３を挟み込んで取付けられ、凍結防止用ヒータ５
から伝熱板３を介して水側本体Ａと給水接手Ｂへ伝えら
れる熱は接合フランジ１、２による広い伝熱面積のもと
に単位面積あたりの伝熱量が小さくなる構成となってい
る。なお、図１〜図３の実施例では水側本体Ａの接合フ
ランジ１と給湯器のバックカバー７との間にヒータ取付
板Ｃの伝熱板３を挟み込み、水側本体Ａと給水接手Ｂと
をバックカバー７を介在して接続しているが、図４の実
施例では水側本体Ａの接合フランジ１と給水接手Ｂの接
合フランジ２とをヒータ取付板Ｃの伝熱板３を介在して
直接接続している。

【００１７】上記構成において、水側本体Ａは樹脂製
で、給水接手Ｂは金属製であり、水側本体Ａを上部に、
給水接手Ｂを下部としてこれらを縦方向に接続した場
合、凍結防止用ヒータ５からの熱は伝熱板３を介して金
属製の給水接手Ｂに移動して金属製の給水接手Ｂが加熱
されるため、水側本体Ａと給水接手Ｂ内の水は上下方向
に加熱対流し水側本体Ａと給水接手Ｂからなる接続配管
の凍結を水の加熱対流により効率的に防止する。

【００１８】また、水側本体Ａと給水接手Ｂがともに樹
脂製である場合は、凍結防止用ヒータ５からの熱は伝熱
板３を介して接合フランジ１、２による広い伝熱面積の
もとに単位面積あたりの伝熱量を小さくし負荷を軽減し
て水側本体Ａと給水接手Ｂに伝熱し、樹脂製の水側本体
Ａと給水接手Ｂからなる接続配管を加熱して凍結を確実
に防止する。なお、上記樹脂製の水側本体Ａと給水接手
Ｂにこれらを傷めることなく伝熱して凍結を防止するた
めの加熱温度としては、４０℃〜５０℃程度が最適であ
る。

【００１９】次に、図５及び図６の実施例は、水側本体
Ａの接合フランジ１と給水接手Ｂの接合フランジ２の接
合面積を広くし、該接合フランジ１、２の近くに凍結防
止用ヒータ５を備えて、凍結防止用ヒータ５からの熱を
水側本体Ａと給水接手Ｂに広い面積の接合フランジ１、
２による広い伝熱面積のもとに単位面積あたりの伝熱量
を小さくして伝へ、その負荷をより効率的に軽減する構
成となしたものである。すなわち、給水接手Ｂの接合フ
ランジ２の凹入空間部２ａに接合用繋ぎ面２ｂを設け
て、その接合面を水側本体Ａの接合フランジ１に適合さ
せることにより、その伝熱面積を広くしたものである。
また、この実施例では図５及び図６に示されているよう
に、給水接手Ｂの接合フランジ２の側面に凍結防止用ヒ
ータ５を設けるか又は先の実施例の図４に示されている
ように、水側本体Ａの接合フランジ１と給水接手Ｂの接
合フランジ２との間にヒータ取付板Ｃの伝熱板３を挟着
して広い伝熱面積を得られるようにしてもよい。すなわ
ち、先の実施例のようにバックカバーを介在していな
い。その他の構成及び作用は図１及び図２の実施例と同
一につき同一部分に同一符号を付してその説明は省略す
る。

【００２０】以上説明した実施例は給水側にこの発明を
適用した例であるが、給湯側にも同様に適用できること
勿論である。なお、図中、８は給水接手Ｂの給水接続
口、９は水抜栓、１０は給湯接手、１１はガス接続口、
１２は熱交換器への給水管、１３は給湯管、１４は給気
ファン、１５はＯリングである。

【００２１】

【発明の効果】この発明の第１の給湯器の凍結防止装置
は、広い伝熱面積のもとに単位面積あたりの伝熱量を小
さくしたので、耐熱的に弱い、たとえば、樹脂製の接続
配管であっても効率的な凍結防止が行いうる。したがっ
て、給湯器の接続配管に樹脂製の接続配管を用いてその
軽量化とコストダウンが実現できる。

【００２２】この発明の第２の給湯器の凍結防止装置
は、凍結防止用ヒータからの熱がヒータ取付板の広い面
積の伝熱板に熱伝導して接続配管に伝熱するから、広い
伝熱面積が得られ単位面積あたりの伝熱量を小さくして
凍結を効果的に防止する。

【００２３】この発明の第３の給湯器の凍結防止装置
は、凍結防止用ヒータからの熱が接合面積の広い接合フ
ランジを介して熱伝導し接続配管に伝熱するから、広い
伝熱面積が得られ単位面積あたりの伝熱量を小さくして
凍結を効果的に防止する。

【００２４】この発明の第４の給湯器の給湯器の凍結防
止装置は、凍結防止用ヒータから金属製接続配管への熱
移動が起こり、上下方向に接続された接続配管内の水を
加熱対流させるから、凍結防止が効率的に行いうる。

【００２５】この発明の第５の給湯器の給湯器の凍結防
止装置は、接続配管を耐熱的に弱い、たとえば、樹脂製
としても広い伝熱面積のもとに単位面積あたりの伝熱量
が小さいので、接続配管を傷めることなく加熱して凍結
を効果的に防止する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の給湯器の凍結防止装置の一実施例を
示した要部の分解斜視図である。

【図２】要部の断面図である。

【図３】給水接手だけの平面図である。

【図４】接合手段を異にする要部の断面図である。

【図５】異なる実施例の要部の断面図である。

【図６】その給水接手だけの平面図である。

【図７】給湯器の一例を示した正面図である。

【図８】従来例の要部の分解斜視図である。

【符号の説明】

Ａ…水側本体、Ｂ…給水接手、１…水側本体の接合フラ
ンジ、２…給水接手の接合フランジ、Ｃ…ヒータ取付
板、３…伝熱板、４…起立板、５…凍結防止用ヒータ。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給湯器の接続配管部における接手部分に凍
   結防止用加熱手段を備えて、広い伝熱面積のもとに単位
   面積あたりの伝熱量を小さくしたことを特徴とする給湯
   器の凍結防止装置。
2. 【請求項２】凍結防止用ヒータを備え、かつ、広い面積
   の伝熱板を有するヒータ取付板を上記接手部分に伝熱板
   を挟着して取付けた請求項１記載の給湯器の凍結防止装
   置。
3. 【請求項３】上記接手部分に接合面積の広い接合フラン
   ジを備え、該接合フランジの近くに凍結防止用ヒータを
   備えた請求項１記載の給湯器の凍結防止装置。
4. 【請求項４】上記接続配管の一方が樹脂製である場合、
   上記凍結防止用加熱手段による伝熱が他方の金属製接続
   配管に移動して接続配管内の水を加熱対流して凍結を防
   止する請求項１、２、３記載の給湯器の凍結防止装置。
5. 【請求項５】上記接続配管がともに樹脂製である場合、
   該接続配管に上記凍結防止用加熱手段による伝熱量が負
   荷を軽減して伝熱し凍結を防止する請求項１、２、３記
   載の給湯器の凍結防止装置。