JPH09293185A - 対象検知装置および対象検知方法および対象監視システム - Google Patents

対象検知装置および対象検知方法および対象監視システム

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JPH09293185A
JPH09293185A JP8127767A JP12776796A JPH09293185A JP H09293185 A JPH09293185 A JP H09293185A JP 8127767 A JP8127767 A JP 8127767A JP 12776796 A JP12776796 A JP 12776796A JP H09293185 A JPH09293185 A JP H09293185A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炎や所定の侵入物(例えば侵入者)以外の要因
による誤検知を防止し、炎や侵入物などの対象物を信頼
性良く検知する。 【解決手段】 撮像部1と、撮像部1によって撮像され
た画像から対象物画像領域を抽出し、該対象物画像領域
の画素情報に基づいて対象物に関する情報を割り出す画
像処理部2と、画像処理部2によって割り出された対象
物に関する情報に基づき、これが所定の対象物すなわち
検知対象(炎または侵入物)であるか否かを判断する判断
部3とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炎や侵入物(例え
ば侵入者)などの対象物を検知する対象検知装置および
対象検知方法および対象監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、火災時などに発生する炎を検知す
る対象検知装置として、紫外線式あるいは赤外線式の感
知器(センサ)を用いたものが一般的に知られている。こ
こで、紫外線式の感知器は、紫外線に高感度特性を有す
るUVトロンのような放電管を用いて、炎から放射され
る紫外領域の光を感知し、紫外領域の光の光量に応じた
個数の放電パルスを出力する機能を有しており、紫外線
式の感知器を用いた炎検知装置では、紫外線式の感知器
から出力される放電パルスの個数に基づき炎であるか否
かの検知を行なっている。また、赤外線式の感知器は、
炎から放射される赤外領域の光,特に二酸化炭素の共鳴
放射の約4.3ミクロンの波長の光を感知する機能を有
しており、赤外線式の感知器を用いた炎検知装置では、
赤外線式の感知器により感知された赤外領域の光の光量
とその揺らぎとに基づいて炎であるか否かの検知を行な
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紫外線
式の感知器は、溶接のようなアーク放電から放射される
光にも敏感であり、従って、紫外線式の感知器を用いた
炎検知装置では、溶接などの作業が行なわれるとき、誤
検知がなされることがある。また、赤外線式の感知器
は、赤外領域を含んだ太陽光にも敏感であり、従って、
赤外線式の感知器を用いた炎検知装置では、例えばさざ
波の立っている水面によって反射された太陽光(揺らぎ
(ちらつき)のある赤外領域光)などによって、誤検知が
なされることがある。特に焦電型素子をセンサとする赤
外線式の炎感知器は、炎のチラツキを検知するため高増
幅度のアンプを使用するため、種々の雑音の影響を受け
やすい。特に、ポップコーンノイズは、オペアンプ(演
算増幅器)やコンデンサ,焦電センサなどの電子部品が
急激な温度変化や機械的ストレスなどを受けて発生する
ものであり、このうち、増幅器の初段にある焦電型素子
により発生するポップコーンノイズは、最も影響が大き
い。
【0004】また、炎検知装置として、熱画像装置を用
いたものもあり、熱画像装置を用いた炎検知装置では、
熱画像として撮像した各画素のうち、所定の閾値以上の
画素値をもつ画素の個数(画素数,すなわち面積)を求
め、この画素数(面積)に基づき炎か否かを検知するよう
になっている。しかしながら、熱画像装置を用いた炎検
知装置では、熱画像装置が高温対象物に対して高感度特
性を有するので、炎以外の高温対象物をも撮像してしま
い、誤検知がなされることがある。
【0005】炎検知装置における上述のような問題は、
防犯システムに用いられる侵入物検知装置(例えば、侵
入者検知装置)においても同様に生ずる。すなわち、侵
入者検知装置として、背景温度による放出エネルギーと
人体等による放出エネルギーの差を検知する赤外線熱セ
ンサモジュール(焦電素子)が用いられる場合、焦電素子
特有のポップコーンノイズ等による誤報や、小動物
(猫,ネズミ等)による誤報や、急激な温度変化による誤
報などが発生する。
【0006】本発明は、炎や所定の侵入物(例えば侵入
者)以外の要因による誤検知を防止し、炎や侵入物など
の対象物を信頼性良く検知することの可能な対象検知装
置および対象検知方法および対象監視システムを提供す
ることを目的としている。
【0007】また、本発明は、簡単な構成の1台の装置
で、炎検知と侵入物(例えば侵入者)検知との両方を行な
うことの可能な対象検知装置および対象監視システムを
提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、撮像手段と、撮像手段によ
って撮像された画像から対象物画像領域を抽出し、該対
象物画像領域の画素情報に基づいて、対象物に関する情
報を割り出す画像処理手段と、画像処理手段によって割
り出された対象物に関する情報に基づき、対象物が侵入
物であるか否かを判断する判断手段とを備え、前記画像
処理手段は、前記情報として、対象物画像領域の形状類
似率,対象物画像領域の円形度,対象物画像領域の大き
さ,対象物画像領域の移動速度のうちの少なくとも1つ
を割り出し、前記判断手段は、画像処理手段によって割
り出された対象物画像領域の形状類似率,対象物画像領
域の円形度,対象物画像領域の大きさ,対象物画像領域
の移動速度のうちの少なくとも1つに基づいて対象物が
侵入物であるか否かを判断することを特徴としている。
【0009】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の対象検知装置において、前記判断手段には、前記対
象物画像領域の形状類似率,対象物画像領域の円形度,
対象物画像領域の大きさ,対象物画像領域の移動速度の
各々に対応させて形状類似率,円形度,大きさ,移動速
度をそれぞれパラメータとするメンバーシップ関数が予
め設定されており、前記判断手段は、前記画像処理手段
により対象物画像領域の形状類似率,対象物画像領域の
円形度,対象物画像領域の大きさ,対象物画像領域の移
動速度の各パラメータ値が割り出されたとき、割り出さ
れた各パラメータ値に対する確信度を各々に対応した前
記メンバーシップ関数により求め、各パラメータ値に対
して得られた確信度に基づいて対象物が侵入物であるか
否かを判断することを特徴としている。
【0010】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の対象検知装置において、前記撮像手段には、可視領
域の光に感度を有する1つのCCDが用いられることを
特徴としている。
【0011】また、請求項4記載の発明は、撮像手段
と、撮像手段によって撮像された画像から対象物画像領
域を抽出し、該対象物画像領域の画素情報に基づいて、
対象物に関する情報を割り出す画像処理手段と、画像処
理手段によって割り出された対象物に関する情報に基づ
き、対象物が所定の対象物であるか否かを判断する判断
手段とを備えた対象検知装置であって、炎検知機能と侵
入物検知機能との両方を具備し、検知対象が炎であるか
侵入物であるかにより、前記撮像手段,前記画像処理手
段および判断手段の処理機能を炎検知機能に、または、
侵入物検知機能に切替える制御を行なう切替制御手段が
さらに設けられており、該切替制御手段の切替制御によ
って、該対象検知装置を、炎検知装置として機能させる
か、または、侵入物検知装置として機能させるようにな
っていることを特徴としている。
【0012】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載の対象検知装置において、前記切替制御手段は、侵入
物監視(または炎監視)を行ないながら、炎監視(または
侵入物監視)を行なうように、対象検知装置の状態を切
替制御するようになっていることを特徴としている。
【0013】また、請求項6記載の発明は、請求項4記
載の対象検知装置において、前記切替制御手段は、侵入
者と炎とをそれぞれ対等の監視対象として、切替制御を
行なうようになっていることを特徴としている。
【0014】また、請求項7記載の発明は、請求項4記
載の対象検知装置において、前記切替制御手段は、対象
検知装置を、例えば、通常状態においては、炎検知装置
として機能させ、監視状態においては、炎と侵入者との
両方を検知する侵入者・炎検知装置として機能させるよ
うに切替制御するようになっていることを特徴としてい
る。
【0015】また、請求項8記載の発明は、請求項4乃
至請求項7のいずれか一項に記載の対象検知装置におい
て、前記切替制御手段は、侵入者監視と炎監視とを手動
により切替制御可能に構成されていることを特徴として
いる。
【0016】また、請求項9記載の発明は、請求項4記
載の対象検知装置において、前記撮像手段には、可視領
域の光に感度を有する1つのCCDが用いられ、前記切
替制御手段は、侵入物監視状態では、該CCDに可視領
域の光をそのまま入光させ、一方、炎監視状態では、該
CCDに可視光カットの光を入光させるよう、CCDに
入光する光を制御することを特徴としている。
【0017】また、請求項10記載の発明は、侵入物独
自の特徴が良好に表現される情報を対象物を撮像した画
像データから割り出して、該情報に基づいて対象物が侵
入物か否かを判断することを特徴としている。
【0018】また、請求項11記載の発明は、請求項1
0記載の対象検知方法において、侵入物独自の特徴が良
好に表現される情報をパラメータとしたメンバーシップ
関数が予め設定されており、侵入物独自の特徴が良好に
表現される情報が割り出されたとき、対象物が侵入物で
ある確信度を、前記割り出された情報をパラメータ値と
して前記メンバーシップ関数から求め、得られた確信度
に基づいて、対象物が侵入物であるか否かを判断するこ
と特徴としている。
【0019】また、請求項12記載の発明は、請求項1
乃至請求項9のいずれか一項に記載の対象検知装置が所
定の伝送路を介して受信機に接続されており、前記対象
検知装置は、受信機から呼出されるとき、受信機に対象
検知結果を送信するようになっていることを特徴として
いる。
【0020】また、請求項13記載の発明は、所定の対
象物を検知する対象検知装置が所定の伝送路を介して受
信機に接続されている対象監視システムであって、前記
対象検知装置は、炎検知機能と侵入物検知機能との両方
を具備し、また、前記受信機には、前記対象検知装置
を、炎検知装置として機能させるか、または、侵入物検
知装置として機能させるかの切替制御を行なう切替制御
手段が設けられており、前記受信機の切替制御手段から
の切替制御指令によって、前記対象検知装置を、炎検知
装置として機能させるか、または、侵入物検知装置とし
て機能させるようになっていることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明に係る対象検知装置の
構成例を示す図である。図1を参照すると、この対象検
知装置は、撮像部1と、撮像部1によって撮像された画
像から対象物画像領域を抽出し、該対象物画像領域の画
素情報に基づいて対象物に関する情報を割り出す画像処
理部2と、画像処理部2によって割り出された対象物に
関する情報に基づき、これが所定の対象物すなわち検知
対象(炎または侵入物)であるか否かを判断する判断部3
とを有している。
【0022】ここで、撮像部1は、光学系11と、光学
系11からの光を受光し電気信号に変換する光電変換部
12とを有している。図1の例では、光学系11は、所
定の対象監視領域に応じた画角(視野角)を有するレンズ
系13と、レンズ系13から光電変換部12に入光する
光のスペクトラム(波長)を制限する光学フィルタ14と
により構成されている。また、光電変換部12には、所
定の画素数を有する光電変換素子,例えば2次元のCC
Dが用いられる。
【0023】レンズ系13の画角(視野角)は、監視対象
(炎および/または侵入物など)の大きさと光電変換素子
(CCD)の分解能(総画素数)とに基づき、適切なものに
設定されている。具体的に、レンズ系13は、広角であ
る程、視野角が大きくなり、より広い監視領域をカバー
することができるが、この場合には、光電変換素子(C
CD)において1画素に対応した監視領域の大きさも広
くなり、対象物の大きさが小さいとき、対象物に関する
情報を光電変換素子の1つの画素からしか得ることがで
きず、対象物に関する情報量が著しく少ないものとなっ
てしまう。従って、レンズ系13の視野角,すなわち光
電変換素子の1画素に対応した監視領域の大きさは、対
象物の大きさが小さいときでも、対象物に関する情報を
十分に得るのに必要な画素数(好ましくは複数の画素数)
で対象物を撮像(監視)できるようなものであるのが良
い。
【0024】例えば、検知対象が炎であり、対象検知装
置が炎検知器である場合、消防法による炎検知器の型式
承認のための規格では、炎検知器の火災試験に33×3
3cm2の面積の火皿(33cm角火皿)を用い、この火
皿にノルマルヘプタンをいれて着火し、30秒以内の検
出性能を要求している。この火皿でのノルマルヘプタン
の燃焼炎(以後、3.3cm角火皿の炎と称す)は、幅,
高さがそれぞれ約50cm,約1.5m程度となるの
で、レンズ系13の視野角(すなわち光電変換素子の1
画素に対応した監視領域の大きさ)としては、この燃焼
炎に対し所定距離隔てた位置からこの燃焼炎の揺らぎを
有効に捕えることのできる画素数で、炎を撮像(監視)で
きる大きさのものであるのが良い。
【0025】また、光電変換部12の光電変換素子とし
ては、検知対象(炎または侵入物)に応じた感度特性のも
のを選択して用いることができる。例えば、検知対象が
炎である場合には、炎から放射される赤外領域の光,特
に二酸化炭素の共鳴放射の約4.3ミクロンの波長の光
に高感度特性を有する赤外線CCDが用いられるのが最
も好ましいが、可視領域の光に感度を有する通常のCC
D(通常のCCDであっても、近赤外領域にもある程度
の感度を有している)を用いることもできる。一方、検
知対象が侵入物である場合には、可視領域に感度を有す
る通常のCCDを用いるのが良い。
【0026】また、炎を検知対象として、光電変換素子
に赤外線CCDを用いる場合には、光学系11の光学フ
ィルタ14としては、4.3ミクロン付近の波長帯域以
外の光をカットし、4.3ミクロン付近の波長帯域の光
を透過する特性を有するバンドパスフィルタが用いられ
るのが良い。また、炎を検知対象として、光電変換素子
に可視領域の光に感度を有する通常のCCDを用いる場
合には、光学フィルタ14としては、近赤外の低域フィ
ルタ(例えば、8500Å以下の波長の光をカットし、
8500Å以上の波長の光を透過するフィルタ)を用い
て、可視光領域をカットするようにしても良い。すなわ
ち、光学フィルタ14は、光電変換素子のスペクトル感
度特性に応じた特性のものが用いられる。
【0027】また、CCDの総画素数は、検知対象が例
えば炎である場合、前述のように、約50cm,約1.
5mの大きさの炎を所定距離隔てた位置からレンズ系1
3を介して撮像するときに、この大きさの炎に対応する
画像領域が複数の画素にわたるような分解能のものとな
っている必要がある。図2には、2次元CCDの画素構
成例が示されており、図2の例では、2次元CCDは、
x,y方向に、それぞれN個,M個の画素数(総画素数
N×M個)をもち、対象物として所定の大きさの炎を所
定の距離を隔てて撮像したとき、その炎に対応する画像
領域(対象物画像領域)OBJが5個の画素にわたるもの
となっている。
【0028】また、撮像部1の光電変換部12は、所定
の時間間隔で画像を撮像して、これを画像処理部2に与
えるようになっており、画像処理部2は、撮像部1によ
り所定の時間間隔毎に撮像された図2に示すような画像
データを順次に取り込んで、対象検知(炎検知や侵入物
検知(例えば侵入者検知))に必要な所定の画像処理を行
ない、所定の情報を獲得するようになっている。
【0029】具体的に、画像処理部2は、光電変換部1
2からの画像データ(2次元アナログ画像データ)に対し
て、例えば2値化処理を行ない、アナログ画像データを
2値化画像データに変換するA/D変換機能を備えてい
る。ここで、2値化の閾値athは、一般に、1回の画像
データ中の最高輝度値と最低輝度値との間のある値が用
いられるが、所定の時間間隔毎に毎回得られる画像デー
タにおいて、最高輝度値と最低輝度値は常に同じ値のも
のではなく、一般に変化するので、2値化の閾値につい
ても最高輝度値,最低輝度値の変化に応じて、変化させ
るのが良い。これにより、輝度がある時点で瞬時に変化
することによる影響を取り除くことができる。また、画
像処理部2は、上記A/D変換処理において最高輝度の
画像データが飽和せずに所定のダイナミックレンジがと
れるよう光電変換部12にフィードバック制御を行なっ
て画像データの自動利得調整制御を行なう機能を具備し
ていても良い。
【0030】いずれにしろ、画像処理部2は、撮像部1
で撮像された各画素位置(x,y)のアナログ画像データ
xyに対して、例えば、axy≧athのときには、そ
の画素位置(x,y)の画素値pxyを“1”(黒画素)に
し、また、axy<athのときには、その画素位置
(x,y)の画素値pxyを“0”(白画素)にする2値化
処理を行なうことができる。また、対象物の輪郭を抽出
するために、2値化画像データに対して微分処理を施す
こともできる。具体的に、2値化画像データに対する微
分処理は、2値化画像データの1つの画素位置(x,y)
に着目するとき、この画素の値pxyが例えばpxy
x-1,y-1,pxy≠px-1,y,pxy≠px-1,y+1,ま
たはpxy≠px,y-1の場合にのみ、pxy=1(黒画
素)とし、それ以外の場合にpxy=0(白画素)とする
ことによって行なわれる。
【0031】このように、画像処理部2では、撮像部1
において所定の時間間隔毎に撮像された画像に対して、
A/D変換処理(2値化処理)を行ない、所定の時間間隔
毎に得られる2値化画像データに基づいて、対象検知
(炎検知や侵入物検知)に必要な画像処理を行なうように
なっている。
【0032】対象検知に必要な画像処理としては、先
ず、所定の時間間隔毎に得られる2値化画像データから
検知対象(炎および/または侵入物(例えば侵入者))の候
補を対象物画像領域として抽出する処理を行なう必要が
ある。このため、画像処理部2は、例えば、ある時点の
2値化画像データとその1つ前の時点の2値化画像デー
タとを比較し、この比較の結果、前後の時点の2値化画
像データ間において、あるまとまった画像領域(例えば
黒画素が連結している領域)のところで所定画素数の画
素値に変化があったとき、この変化があった画像領域
(連結領域)を対象物画像領域として抽出するようになっ
ている(対象物画像領域を特定するようになっている)。
【0033】具体的に、例えば時刻t0の2値化画像デ
ータが図3(a)のようなものであり、次の時刻t1の2
値化画像データが図3(b)のようなものとなるとき、こ
れらの差画像データは図3(c)のようになり、画像領域
OBJで5個の画素数の画素値に変化があったと認めら
れるので(時刻t1で何らかの対象物が発生したと認めら
れるので)、この領域OBJを対象物画像領域として特
定することができる。
【0034】ところで、本発明は、炎または侵入物(例
えば侵入者)が、炎または侵入物以外の要因とは異なっ
た特徴(情報)をもつことに着目し、上記のように特定し
た対象物画像領域OBJの画素情報に基づいて対象物に
関する情報(特徴情報)を割り出し、割り出した対象物に
関する情報に基づいて対象物が所定の対象物すなわち検
知対象(炎または侵入物)であるか否かを判断するように
している。
【0035】より詳細には、所定の対象物(検知対象)独
自の特徴が良好に表現されている情報として、検知対象
が炎である場合には、対象物画像領域OBJの重心移動
度,主軸変化率,形状類似率を求めることができる。ま
た、検知対象が侵入者である場合には、対象物画像領域
OBJと標準的な人体モデル(パターン)との形状類似率
を求めることができる。
【0036】ここで、対象物画像領域OBJの重心移動
度,主軸変化率,形状類似率は、次のように求めること
ができる。すなわち、前述のように、所定の時間間隔Δ
t毎に得られる2値化画像データから対象物画像領域O
BJを特定したときに、対象物画像領域OBJの特徴表
現として、次式(数1)の慣性モーメントMpqを先ず考え
る。なお、数1において、x,yは、図2に示すような
N個,M個の画素数をもつ撮像画像の座標軸ではなく、
図4に示すように、図2の撮像画像から対象物画像領域
OBJを特定したときに、この対象物画像領域OBJに
接する直交座標軸であるとする。
【0037】
【数1】
【0038】この慣性モーメントMpqの式において、p
=q=0の場合には、Mpq,すなわちM00は、次式(数
2)のように面積を表わすものとなる。
【0039】
【数2】
【0040】また、数1の慣性モーメントMpqの式にお
いて、p=1,q=0;p=0,q=1の場合には、M
pq,すなわちM10,M01は、次式(数3)となる。
【0041】
【数3】
【0042】従って、次式(数4)のように、M10
00,M01/M00で得られる座標Ic,Jcが、それぞ
れ、対象物画像領域OBJのx方向,y方向の重心Gを
表わす。なお、座標Ic,Jcは、M10,M01をそれぞれ
00すなわち面積で規格化しており、従って、対象物画
像領域OBJの大きさに影響されない不変な尺度のもの
となっている。
【0043】
【数4】Ic=M10/M00c=M01/M00
【0044】また、上述のような重心G=(Ic,Jc)の
まわりの慣性モーメントMfは、次式(数5)のようにな
る。
【0045】
【数5】
【0046】また、上述のような重心を通る直線y=x
tanθについてのPx,yの慣性モーメントMθは、次式
(数6)のようになる。
【0047】
【数6】
【0048】なお、数5,数6に関しては、x,yは、
重心Ic,Jcを原点としたときの座標系での座標である
とする。
【0049】数6において、Mθが最小となる角度をθ
0とするとき、y=xtanθ0は、Px,yの慣性主軸となっ
ている。数6から、Mθ=M20sin2θ−2M11sinθcos
θ+M02cos2θが成立するので、Mθを最小にするため
に、これをθで微分して0とおくと、次式(数7)が得ら
れる。
【0050】
【数7】tan2θ0=2M11/(M20−M02)
【0051】これから、対象物画像領域OBJの主軸の
方向θ0は、次式(数8)のようになる。
【0052】
【数8】θ0=(1/2)tan-1[2M11/(M02−M20)]
【0053】図4には、対象物画像領域OBJの重心G
=(Ic,Jc)とともに、上述のようにして得られる対象
物画像領域OBJの主軸の方向θ0が示されている。
【0054】上述のようにして、対象物画像領域OBJ
の重心G=(Ic,Jc)と主軸の方向θ0が求まると、こ
れらと、さらに、前述のような微分処理によって抽出し
た対象物画像領域OBJの輪郭とから、現時点(現画面)
での対象物の形状を求めることができる。すなわち、重
心G=(Ic,Jc)から輪郭への距離rを角度の関数r
(θ)としてプロットすると、図5に示すように、対象物
に特有の2πの周期波形を描く。図5において、θ0
主軸の方向である。
【0055】このように、この距離関数r(θ)は、対象
物画像領域OBJ,すなわち対象物の形状を特徴付ける
ものとなっているので、この距離関数r(θ)を用いて、
対象物画像領域OBJの形状の類似率を求めることがで
きる。
【0056】例えば、図1の対象検知装置が、対象物と
して炎を検知する炎検知装置である場合、炎の形状につ
いて標準的なパターン(標準的な距離関数)を予め設定す
るのは難しいので、この場合には、前時点(前画面)での
対象物画像領域OBJの形状(距離関数r2(θ))に対す
る現時点(現画面)での対象物画像領域OBJの形状(距
離関数r1(θ))の類似率を形状類似率として求めること
ができる。
【0057】図6(a),(b)には、それぞれ前時点(前
画面),現時点(現画面)での対象物画像領域OBJおよ
び距離関数r(θ)の一例が示されている。これらの形状
類似率を求める場合、これらの間の主軸の方向θ0が変
わることによる影響をなくすため、それぞれ、距離関数
r(θ)の基準点を、その時点での主軸の方向θ0に合わ
せる。そして、例えば、各々の距離関数r(θ)を、所定
の角度Δθ(例えば5゜)ずつ360゜までサンプリング
する。Δθが5゜である場合には、それぞれ、72個の
サンプルr(θi)(i=1〜72)が得られる。現時点(現
画面)での対象物画像領域OBJの距離関数をr1i)
(i=1〜72)とし、前時点(前画面)での対象物画像領
域OBJの距離関数をr2i)(i=1〜72)とすると
き、これらの形状類似率fは、例えば次式によって与え
られる。
【0058】
【数9】
【0059】ここで、対象物の大きさ,移動度等による
形状類似率fへの影響をなくすため、r1i),r2
i)を規格化しておく必要がある。例えば、距離関数をr
(θ)をθ=θ0のところで“1”に規格化することがで
きる(すなわち、r(θ0)=1とすることができる)。こ
れにより、r1i=θ0)=1,r2i=θ0)=1とす
ることができ、r1i)とr2i)との比を求めると
き、対象物の大きさの変化,移動度等による影響をなく
すことができる。また、この場合、Fは、r2i)がr
1i)よりも小さいときには、F(r2i)/r1i))
=r2i)/r1i)とし、r2i)がr1i)よりも
大きいときには、F(r2i)/r1i))=r1i)/r
2i)とする関数である。従って、形状類似率fは、0
≦f≦1の範囲にある。このように、現時点(現画面)の
対象物画像領域OBJの距離関数r1(θ)と前時点(前画
面)の対象物画像領域OBJの距離関数r2(θ)との類似
率(形状類似率)fを、炎独自の特徴が良好に表現されて
いる情報として用いることができる。
【0060】なお、上述の例では、r1i)とr2i)
との比を求めることによって形状類似率fを求めたが、
例えば、r1i)とr2i)との差に基づき(例えば、
これらの差の2乗に基づき)、形状類似率fを求めるこ
ともできる。この場合にも、対象物の大きさ,移動度等
による形状類似率fへの影響をなくすため、r1i),
2i)を規格化しておく必要がある。すなわち、例え
ば、r1i=θ0)=1,r2i=θ0)=1とすること
で、r1i)とr2i)との差を求めるとき、対象物の
大きさ,移動度等による影響をなくすことができる。
【0061】このように、検知対象が炎である場合に
は、炎独自の特徴が良好に表現されている情報として、
対象物画像領域OBJの形状類似率を用いることがで
き、対象物の形状類似率が所定の閾値以上か否かを判断
することで、この対象物が炎か否かを信頼性良く検知す
ることができる。
【0062】また、例えば、図1の対象検知装置が、対
象物として侵入者を検知する侵入者検知装置である場
合、侵入者の形状について、例えば標準的ないくつかの
人体モデル(いくつかの標準的な人体形状パターンの距
離関数r0(θ))を予め設け、これらいくつかの標準的な
人体形状パターン(いくつかの距離関数r0(θ))と現時
点(現画面)での対象物画像領域OBJの形状(距離関数
1(θ))とをパターンマッチングし、そのうち、最も大
きな値(類似率)をもつものを、形状類似率として求める
ことができる。この際、1つの標準的なパターンとのマ
ッチングは、炎検知の場合と同様に、例えば、r1i)
とr0i)との比を求めることによって、あるいは、r
1i)とr0i)との差に基づき(例えば、これらの差
の2乗に基づき)、行なうことができる。なお、また、
いくつかの標準的な人体形状パターンの距離関数r
0(θ)としては、例えば、人体の立位正面の標準パター
ンの距離関数r0(θ),人体の立位側面の標準パターン
の距離関数r0(θ)などを用意することができる。
【0063】また、このように、標準的な人体形状パタ
ーン(距離関数r0(θ))と現時点(現画面)での対象物画
像領域OBJの形状(距離関数r1(θ))とをパターンマ
ッチングすることで形状類似率を求める場合にも、対象
物の大きさ,移動度等による形状類似率fへの影響をな
くすため、r0i),r1i)を規格化しておく必要が
ある。例えば、距離関数r0(θ),r1i)をθ=θ0
ところで“1”に規格化することができる(すなわち、
1i=θ0)=1,r2i=θ0)=1とすることがで
きる)。これにより、r0i)とr1i)とをパターン
マッチングするとき、対象物の大きさの変化,移動度等
による影響をなくすことができる。
【0064】このように、検知対象が侵入者である場合
には、侵入者独自の特徴が良好に表現されている情報と
して、対象物画像領域OBJの形状類似率を用いること
ができ、対象物の形状類似率が所定の閾値以上か否かを
判断することで、この対象物が侵入者か否かを信頼性良
く検知することができる。
【0065】以上のように、対象物画像領域OBJの重
心G=(Ic,Jc)から輪郭への距離関数r(θ)に基づく
形状の類似率を、対象物(炎または侵入者)独自の特徴が
良好に表現されている情報として用いることもできる。
【0066】また、検知対象が炎である場合には、炎独
自の特徴が良好に表現されている情報として、対象物画
像領域の形状類似率の他に、さらに、重心移動度,主軸
変化率を用いることもできる。ここで、重心移動度,主
軸変化率は、次のようにして求めることができる。すな
わち、対象物画像領域OBJの重心移動度gは、対象物
の特定を行なった時点t1から(例えばこの時点t1をも
含めて)、所定の時間間隔Δtずつ隔てた複数(n個)の
時点t1,t2,…tnでの2値化画像データに基づいて
それぞれ求めたn個の各対象物画像領域OBJ1,OB
2,…,OBJnの重心G(t1),G(t2),…,G
(tn)の平均値〈G〉に対する重心G(t1),G(t2),
…,G(tn)のばらつき(分散の標準偏差値)として、次
式(数10)のように求めることができる。
【0067】
【数10】
【0068】なお、重心Gは、(Ic,Jc)のように、x
座標,y座標から構成されていることから、Icについ
て数10の演算を行ない、また、これと独立して、Jc
について数10の演算を行ない、Icについての演算結
果とJcについての演算結果とを例えば合成して、重心
移動度gを求めることができる。
【0069】また、対象物画像領域の主軸変化率hは、
対象物の特定を行なった時点t1から(例えばこの時点t
1をも含めて)、所定の時間間隔Δtずつ隔てた複数(n
個)の時点t1,t2,…tnでの2値化画像データに基づ
いてそれぞれ求めたn個の各対象物画像領域OBJ1
OBJ2,…,OBJnの主軸の方向θ0(t1),θ
0(t2),…,θ0(tn)の平均値〈θ0〉に対する主軸の
方向θ0(t1),θ0(t2),…,θ0(tn)のばらつき(分
散の標準偏差値)として、次のように求めることができ
る。
【0070】
【数11】
【0071】従って、図1の画像処理部2は、検知対象
が炎である場合には、所定の時間間隔Δt毎に得られる
2値化画像データから対象物画像領域OBJを特定した
ときに、炎独自の特徴が良好に表現されている情報とし
て、重心移動度、および/または、主軸変化率、および
/または、形状類似率を求めることができる。
【0072】また、所定の対象物が炎である場合には、
炎独自の特徴が良好に表現されている情報として、上記
のような形状情報(重心移動度,主軸変化率,形状類似
率)の他に、さらに、所定の時間的変化特性を用いるこ
ともでき、対象物画像領域OBJが炎特有の所定の時間
的変化特性をもつか否かをも判断することで、この対象
物が炎であるか否かを信頼性良く検知することができ
る。
【0073】なお、上記時間的変化特性として、本願の
発明者は、対象物画像領域の大きさ(画素数;面積)の時
間的揺らぎ特性と、対象物画像領域の大きさ(画素数;
面積)の時間的変動の規則性とに、特に着目した。
【0074】従って、図1の画像処理部2は、検知対象
が炎である場合には、所定の時間間隔Δt毎に得られる
2値化画像データから対象物画像領域OBJを特定した
ときに、炎独自の特徴が良好に表現されている情報とし
て、対象物画像領域OBJの大きさの時間的揺らぎ特
性、および/または、時間的変動の規則性を求めること
もできる。より具体的に、対象物画像領域OBJの大き
さ(画素数)の時間的揺らぎ特性は、対象物画像領域OB
Jの大きさ(画素数)の時間的平均値に対する分散率(分
散の標準偏差値)として求めることができ、また、対象
物画像領域OBJの大きさ(画素数)の時間的変動の規則
性は、対象物画像領域OBJの大きさ(画素数)の時間変
化についての自己相関として求めることができる。
【0075】このように、検知対象が炎である場合、画
像処理部2は、炎独自の特徴が良好に表現される情報と
して、形状情報,分散率,自己相関のうちの少なくとも
1つを求める処理を行なうことができる。なお、この場
合、炎の時間的揺らぎ特性などを確実に検出することが
できるよう、撮像の時間間隔Δtは、適切なもの(例え
ば、0.5秒〜2秒程度の時間間隔)である必要がある。
【0076】具体的に、対象物画像領域の時間的揺らぎ
特性、すなわち対象物画像領域の大きさ(画素数)の時間
的平均値に対する分散率(分散の標準偏差値)dは、対象
物の特定を行なった時点t1から(例えばこの時点t1
も含めて)、所定の時間間隔Δtずつ隔てた複数(n個)
の時点t1,t2,…tnでの2値化画像データに基づい
てそれぞれ求めたn個の各対象物画像領域OBJ1,O
BJ2,…,OBJn内の黒画素の個数w(t1),w
(t2),…,w(tn)の平均値〈w〉に対する黒画素の個
数w(t1),w(t2),…,w(tn)のばらつき(分散の標
準偏差値)として、次式のように求めることができる。
【0077】
【数12】
【0078】また、対象物画像領域の大きさ(画素数)の
時間変化についての自己相関は、所定の時間間隔Δtず
つ隔てた複数の時点での対象物画像領域内の黒画素の個
数から、次のように求めることができる。
【0079】
【数13】
【0080】なお、判断部3において、炎であるか否か
を実際に判断するために用いる自己相関cor(k)とし
ては、自己相関関数corm(k)を時間パラメータmに
ついて時間平均したものが用いられる。すなわち、画像
処理部2は、実際には、次式で与えられる自己相関値c
or(k)を判断部3に与えるようになっている。
【0081】
【数14】
【0082】ここで、mとしては、これを任意の整数値
のものにすることもできるが、mを0と設定することも
できる。mを0に設定する場合は、数14は、時刻ti
と時刻(ti+tk)との間の通常良く知られた次式の自己
相関関数となる。
【0083】
【数15】
【0084】このように、画像処理部2において、対象
物画像領域の形状情報,対象物画像領域の大きさ(画素
数)の時間的平均値に対する分散率(分散の標準偏差値)
d,対象物画像領域の大きさ(画素数)の時間的変化につ
いての自己相関cor(k)のうちの少なくとも1つが求
められると、判断部3はこれらの処理結果に基づいて、
対象物画像領域が所定の対象物(炎)であるか否かを判断
するようになっている。
【0085】本願の発明者は、対象物(光源)として、
3.3cm角火皿の炎,回転灯,白熱電球を所定の撮像
距離から撮像し、これらの各対象物の2値化画像データ
における対象物画像領域の黒画素数の時間的変化を測定
した。
【0086】図7は、対象物として3.3cm角火皿の
炎を撮像した2値化画像データにおいて炎に対応した対
象物画像領域内の画素数(黒画素数)の時間的変化の測定
結果を示す図であり、また、図8は、対象物として回転
灯を撮像した2値化画像データにおいて回転灯に対応し
た対象物画像領域内の画素数(黒画素数)の時間的変化の
測定結果を示す図であり、また、図9は、対象物として
白熱電球を撮像した2値化画像データにおいて白熱電球
に対応した対象物画像領域内の画素数(黒画素数)の時間
的変化の測定結果を示す図である。
【0087】さらに、本願の発明者は、図7,図8,図
9の各対象物についての画素数(黒画素数)の時間的変化
の測定結果に基づき、各対象物ごとに分散率dと自己相
関関数corm(k)とを求めた。なお、この測定におい
て、撮像の時間間隔Δtを1秒とした。
【0088】図10は撮像距離を変えながら上記のよう
にして求めた3.3cm角火皿の炎,回転灯,白熱電球
の分散率(時間的分散率)dを示す図である。なお、図1
0においては、さらに、対象物としてコンロの炎を撮像
したときのコンロの炎についての分散率dも示されてい
る。
【0089】図10から、対象物が3.3cm角火皿の
炎,コンロの炎である場合、分散率dは、ほぼ0.3〜
0.5の範囲にあり、対象物が回転灯である場合、分散
率dは、ほぼ0.9〜1.2の範囲にあり、また、対象物
が白熱電球である場合、分散率dは、ほぼ0となること
がわかる。このことから、分散率dに基づき、炎と回転
灯と白熱電球とを明確に識別することができる。特に、
分散率(時間的分散率)dは、撮像距離が変わっても差程
変化しないので、任意の撮像距離から撮像した場合で
も、この分散率dに基づき、対象物が炎であるか、回転
灯であるか、白熱電球であるかを、安定して容易に識別
することができる。なお、従来では、炎の揺らぎを検出
するために例えば高速フーリエ変換によるスペクトラム
を求めるようにしており、この場合には、複雑な演算を
必要とするなどの問題があったが、上記時間的分散率d
は、高速フーリエ変換のような複雑な演算を必要とせず
に、これを容易に求めることができ、また、この時間的
分散率dは、上述のように、炎と回転灯と白熱電球とを
安定して明確に識別できるので、この分散率dは、炎で
あるか否かを判断する上で、特に有用な情報となる。
【0090】また、図11は、図8の測定結果に基づい
て求めた回転灯の自己相関corm(k)を示す図であ
る。なお、図11では、撮像距離が1m,3m,5mで
ある場合の回転灯の自己相関corm(k)がそれぞれ示
されている。
【0091】また、図12は、図7の測定結果に基づい
て求めた3.3cm角火皿の炎の自己相関corm(k)を
示す図である。なお、図12では、撮像距離が4m,6
m,8m,10mである場合の炎の自己相関cor
m(k)がそれぞれ示されている。
【0092】なお、図11,図12において、mは
“0”に設定した。
【0093】図11と図12とを比べると、図11の回
転灯の自己相関corm(k)は、周期的に時間変化する
のに対して、図12の3.3cm角火皿の炎の自己相関
corm(k)は、時間的にほぼ一定であることがわか
る。回転灯では、光の出射方位が一定の回転速度で回転
し、従って、撮像部1で受光される光量は、この回転に
伴なって周期的に変化し、これに伴なって、自己相関c
orm(k)も図11のように周期的に時間変化する。こ
れに対し、炎から放射される光の光量は、回転灯のよう
に周期的には変化せず、自己相関corm(k)も図12
のように周期的には変化しない。
【0094】このように、自己相関によって、回転灯の
ような人為的な周期性のある雑音と炎とを明確に識別す
ることができる。
【0095】このように、分散率d,自己相関cor
は、対象物毎に、すなわち、炎と回転灯と白熱電球とで
それぞれ異なったものとなり、炎か否かを判断する上
で、それぞれ有用な情報となる。
【0096】このように、図1の対象検知装置におい
て、検知対象が炎である場合(すなわち、この対象検知
装置を炎検知に用いる場合)、画像処理部2は、所定の
時間間隔Δt毎に得られる2値化画像データから炎の候
補を対象物画像領域OBJとして特定したときに、この
対象物画像領域OBJの重心移動度gを求め、および/
または、対象物画像領域の主軸変化率hを求め、および
/または、対象物画像領域の形状類似率fを求め、およ
び/または、対象物画像領域OBJの大きさ(画素数)の
時間的揺らぎ特性として、対象物画像領域OBJの大き
さ(画素数)の時間的平均値に対する分散率(分散の標準
偏差値)を求め、および/または、対象物画像領域OB
Jの大きさ(画素数)の時間的変動の規則性として、対象
物画像領域OBJの大きさ(画素数)の時間変化について
の自己相関を求めるようになっており、これらのうちの
少なくとも1つが求められると、判断部3はこれらの処
理結果に基づいて、対象物画像領域が炎であるか否かを
判断するようになっている。
【0097】従って、判断部3では、分散率d,自己相
関cor,重心移動度g,主軸変化率h,形状類似率f
の少なくとも1つに基づいて、対象物が炎であるか否か
を判断することができる。すなわち、分散率dに基づい
て炎であるか否かを判断することもできるし、あるい
は、自己相関corに基づいて炎であるか否かを判断す
ることもできるし、あるいは、重心移動度gに基づいて
炎であるか否かを判断することができるし、あるいは、
主軸変化率hに基づいて炎であるか否かを判断すること
ができるし、あるいは、形状類似率fに基づいて炎であ
るか否かを判断することもできるし、さらには、これら
を適宜組合せて、炎であるか否かを判断することもでき
る。
【0098】例えば、判断部3は、画像処理部2におい
て例えば、分散率d,自己相関cor,重心移動度g,
主軸変化率h,形状類似率fが求められたとき、分散率
d,自己相関cor,重心移動度g,主軸変化率h,形
状類似率fをパラメータとし、ファジィ理論を用いて、
炎であるか否かの判断を行なうことができる。
【0099】具体的に、例えば、形状類似率f,重心移
動度g,主軸変化率h,分散率d,自己相関corの各
パラメータについて、炎である確信度を表現するメンバ
ーシップ関数MEM(f),MEM(g),MEM(h),M
EM(d),MEM(cor)を予め設定し、画像処理部2
において形状類似率f,重心移動度g,主軸変化率h,
分散率d,自己相関corが求められたとき、各々に対
応したメンバーシップ関数MEM(f),MEM(g),M
EM(h),MEM(d),MEM(cor)から、それぞ
れ、炎である確信度o(f),o(g),o(h),o(d),
o(cor)を得ることができ、これらの確信度o(f),
o(g),o(h),o(d),o(cor)から、あるいはこ
れらの確信度を組合せて、最終的に、炎であるか否かを
検知することができる。
【0100】図13は、形状類似率fのパラメータ(0
〜1)について、炎である確信度を表現するメンバーシ
ップ関数MEM(f)の設定例を示す図であり、また、図
14は、重心移動度gのパラメータ(0〜1)について、
炎である確信度を表現するメンバーシップ関数MEM
(g)の設定例を示す図であり、また、図15は、主軸変
化率hのパラメータ(0〜1)について、炎である確信度
を表現するメンバーシップ関数MEM(h)の設定例を示
す図である。
【0101】また、図16は、時間的分散率dのパラメ
ータ(0〜1)について、炎である確信度を表現するメン
バーシップ関数MEM(d)の設定例を示す図であり、ま
た、図17は、自己相関cor(k)のパラメータ(0〜
1)について、炎である確信度を表現するメンバーシッ
プ関数MEM(cor)の設定例を示す図である。なお、
回転灯については、分散率dが1.0よりも大きくなる
ことがあるが、1.0以上の値については、これをパラ
メータ値1.0に換算して図13のメンバーシップ関数
MEM(d)を設定した。
【0102】図13乃至図17からもわかるように、各
メンバーシップ関数MEM(f),MEM(g),MEM
(h),MEM(d),MEM(cor)は、形状類似率f,
重心移動度g,主軸変化率h,分散率d,自己相関co
rのパラメータ値が炎であるとの蓋然性が最も高いとき
に“1”の確信度(重み付け)を与え、また、炎であると
の蓋然性が最も低いときに“0”の確信度(重み付け)を
与えるものであり、このようなメンバーシップ関数は、
人間の判断により設定でき、従って、このようなメンバ
ーシップ関数を用いることで、人間の判断に近い炎検知
判断が可能になる。また、形状類似率f,重心移動度
g,主軸変化率h,分散率d,自己相関corの各情報
は、このようなファジィ理論のメンバーシップ関数のパ
ラメータとしても良好に適合したものとなっている。
【0103】いま、例えば、対象物が炎であって、画像
処理部2において求めたこの対象物の分散率d,自己相
関cor,重心移動度g,主軸変化率h,形状類似率f
の各パラメータ値が、それぞれ“0.3”,“0.9
5”,“0.9”,“0.8”,“0.7”であるとき、
図13乃至図17のメンバーシップ関数から、各パラメ
ータ値の確信度o(0.3),o(0.95),o(0.9),
o(0.8),o(0.7)は、それぞれ“1.0”,“1.
0”,“1.0”,“1.0”,“1.0”となる。
【0104】また、対象物が回転灯である場合、回転灯
は、撮像部のシャッタースピードと同期しないと画像に
現われないため、重心移動度g,主軸変化率h,形状類
似率fは、測定不能である。例えば、画像処理部2にお
いて求めたこの対象物(回転灯)の分散率d,自己相関c
or,重心移動度g,主軸変化率h,形状類似率fの各
パラメータ値が、それぞれ“1.0”,“0.5”,“測
定不能”,“測定不能”,“測定不能”であるとき、図
13乃至図17のメンバーシップ関数から、各パラメー
タ値の確信度o(1.0),o(0.5),o(測定不能),o
(測定不能),o(測定不能)は、“0.0”,“0.0”,
“測定不能”,“測定不能”,“測定不能”となる。
【0105】また、対象物が白熱電球(位置が固定され
た一般光源)であって、画像処理部2において求めたこ
の対象物の分散率d,自己相関cor,重心移動度g,
主軸変化率h,形状類似率fの各パラメータ値が、それ
ぞれ“0.1”,“1.0”,“1.0”,“1.0”,
“1.0”であるとき、図13乃至図17のメンバーシ
ップ関数から、各パラメータ値の確信度o(0.1),o
(1.0),o(1.0),o(1.0),o(1.0)は、“0.
0”,“0.0”,“0.0”,“0.0”,“0.0”と
なる。
【0106】また、対象物が人為的なライトのちらつき
であって、画像処理部2において求めたこの対象物の分
散率d,自己相関cor,重心移動度g,主軸変化率
h,形状類似率fの各パラメータ値が、それぞれ“0.
4”,“0.8”,“0.5”,“0.2”,“0.5”で
あるとき、図13乃至図17のメンバーシップ関数か
ら、各パラメータ値の確信度o(0.4),o(0.8),o
(0.5),o(0.2),o(0.5)は、“1.0”,“1.
0”,“0.0”,“0.0”,“0.5”となる。
【0107】このように、各パラメータ値ごとの確信度
o(d),o(cor),o(g),o(h),o(f)が得られ
るとき、判断部3は、例えば、各確信度の平均値(o
(d)+o(cor)+o(g)+o(h)+o(f))/5を求
め、この平均値が所定の閾値,例えば“0.8”以上の
ときに炎であると判断し、“0.8”以下のときに炎で
はないと判断することができる。
【0108】上記の例では、対象物が炎であって、各パ
ラメータ値の確信度o(0.3),o(0.95),o(0.
9),o(0.8),o(0.7)が、“1.0”,“1.
0”,“1.0”,“1.0”,“1.0”となる場合、
この平均値は“1.0”となり、“0.8”以上となるの
で、対象物が炎であると判断できる。
【0109】また、対象物が回転灯であって、各パラメ
ータ値の確信度o(1.0),o(0.5)が、“0.0”,
“0.0”,“測定不能”,“測定不能”,“測定不
能”となる場合、この平均値は測定不能であるので、対
象物が炎ではないと判断できる。
【0110】また、対象物が白熱電球であって、各パラ
メータ値の確信度o(0.1),o(1.0),o(1.0),
o(1.0)が、“0.0”,“0.0”,“0.0”,
“0.0”,“0.0”となる場合、この平均値は“0.
0”となり、“0.8”以下であるので、対象物が炎で
ないと判断できる。
【0111】また、対象物が人為的なライトちらつきで
あって、各パラメータ値の確信度o(0.4),o(0.
8),o(0.5),o(0.2),o(0.5)が、“1.
0”,“1.0”,“0.0”,“0.0”,“0.5”と
なる場合、この平均値は“0.5”となり、“0.8”以
下であるので、対象物が炎でないと判断できる。
【0112】このように、本発明の対象検知装置によれ
ば、これを炎検知に用いる場合、情報量の多い対象物撮
像画像データを用いて、火災時等に発生する炎独自の特
徴(他の要因と明確に区別することのできる特徴)が良好
に表現される情報を割り出して、この情報に基づき対象
物が炎か否かを判断するので、炎であるか否かの判断の
信頼性を著しく向上させることができる。
【0113】従って、本発明の対象検知装置を、炎検知
装置として用い、火災警報装置に適用することができ
る。
【0114】図18は本発明の対象検知装置を適用した
火災警報装置の構成例を示す図である。図18を参照す
ると、この火災警報装置は、図1に示した対象検知装置
において、撮像部1が検知対象として炎を良好に撮像す
るように設定されており、また、判断部3からの出力,
すなわち、判断部3における判断結果が炎であるとき
に、実火災と判断し火災警報(異常警報)を出力する警報
出力部4がさらに設けられたものとなっている。
【0115】図19は図18の火災警報装置の処理動作
を説明するためのフローチャートである。この火災警報
装置では、これを実際に動作させるに先立って、例え
ば、各パラメータ(重心移動度,主軸変化率,形状類似
率,分散率,自己相関)についてのメンバーシップ関数
を例えば図13乃至図17に示したように決定し、これ
を判断部3に予め設定しておく(ステップS1)。
【0116】このような初期設定を行なった後、撮像部
1において対象物が撮像され、画像処理部2において、
この対象物が対象物画像領域として検出されると、画像
処理部2では、その後、この対象物画像領域の画素情報
に基づいて、重心移動度,主軸変化率,形状類似率,分
散率,自己相関の各情報(各パラメータ値)を前述のよう
にして割り出す(ステップS2)。
【0117】画像処理部2において各情報(各パラメー
タ値)が割り出されたとき、判断部3では、これらの各
情報(各パラメータ値)に対して、それぞれに対応したメ
ンバーシップ関数を用いて、対象物が炎である確信度
(ファジィ値)を求める(ステップS3)。そして、各パラ
メータ値について求めた確信度に基づいて(例えば各確
信度の平均値が所定閾値(例えば“0.8”)よりも大き
いか否かを調べることで)、対象物が炎であるか否かを
判断し(ステップS4)、対象物が炎であると判断したと
きには、警報出力部4に対して、警報出力を行なわせる
ための信号を出力する(ステップS5)。これにより、警
報出力部4では、判断部3において炎と判断されたとき
のみ、警報を出力することができる。
【0118】このように、図18の火災警報装置では、
炎検知装置において、情報量の多い対象物撮像画像デー
タを用いて、火災時に発生する炎独自の特徴(他の非火
災報要因と明確に区別することのできる特徴)が良好に
表現される情報を割り出して、この情報に基づき、対象
物が炎か否かを判断することができるので、火災判断の
信頼性を著しく向上させることができる。換言すれば、
紫外線式あるいは赤外線式の感知器(センサ)などを用い
た従来の火災警報装置(自火報システム)では、種々の非
火災報要因によって、誤報が出力されることがあるが、
図18の火災警報装置では、非火災報要因による誤報の
発生を極めて有効に防止することができる。
【0119】また、本発明の対象検知装置を、侵入物検
知装置(例えば侵入者検知装置)として用い、防犯システ
ム(防犯警報装置)に適用することもできる。
【0120】図20は本発明の対象検知装置を適用した
防犯警報装置の構成例を示す図である。図20を参照す
ると、この防犯警報装置は、図1に示した対象検知装置
において、撮像部1が検知対象として侵入物(例えば侵
入者)を撮像するように設定されており、また、判断部
3からの出力,すなわち、判断部3における判断結果が
侵入者であるときに、警報(異常警報)を出力する警報出
力部4がさらに設けられたものとなっている。
【0121】図21は図20の防犯警報装置の処理動作
を説明するためのフローチャートである。この防犯警報
装置では、これを実際に動作させるに先立って、例え
ば、いくつかの標準的な人体形状パターンの距離関数r
0(θ)を予め設定しておく(ステップS11)。
【0122】このような初期設定を行なった後、撮像部
1において対象物が撮像され、画像処理部2において、
この対象物が対象物画像領域として検出されると、画像
処理部2では、その後、この対象物画像領域の画素情報
に基づいて、この対象物画像領域の形状情報として、前
述のような距離関数r1(θ)を割り出す(ステップS1
2)。すなわち、画像処理部2では、対象物画像領域O
BJについてその重心から輪郭までの距離関数r1i)
を前述のようにして求める。そして、この距離関数r
1i)と予め用意されたいくつかの標準的な人体形状パ
ターンの距離関数r0i)とをパターンマッチングし、
そのうち、最も大きな値(類似率)をもつものを、形状類
似率(標準的な人体形状パターンに対する対象物パター
ンの一致度)として求める(ステップS13)。
【0123】このようにして、画像処理部2において形
状類似率が割り出されたとき、判断部3では、この形状
類似率が所定閾値(例えば“0.8”)よりも大きいか否
かを調べることで、対象物が侵入者であるか否かを判断
する(ステップS14)。この結果、対象物が侵入者では
ないと判断したときには、処理を終了する。これに対
し、ステップS14において、対象物が侵入者であると
判断したときには、警報出力部4に対して、警報出力を
行なわせるための信号を出力する(ステップS15)。こ
れにより、警報出力部4では、判断部3において侵入者
と判断されたときのみ、警報を出力することができる。
【0124】このように、図20の防犯警報装置では、
侵入者検知装置において、情報量の多い対象物撮像画像
データを用いて、侵入者独自の特徴(侵入者以外の他の
要因と明確に区別することのできる特徴)が良好に表現
される情報を割り出して、この情報に基づき、対象物が
侵入者か否かを判断することができるので、侵入者判断
の信頼性を著しく向上させることができる。
【0125】なお、上述の例では、検知対象が侵入物
(例えば侵入者)である場合、侵入者独自の特徴が良好に
表現されている情報として、対象物画像領域の重心から
輪郭までの距離関数r1(θ)に基づく形状類似率を用い
たが、侵入者独自の特徴が良好に表現されている情報と
して、距離関数r1(θ)に基づく形状類似率とともに、
あるいは、これにかわって、円形度を用いることもでき
る。
【0126】具体的に、ある1つの時点での2値化画像
データにおける対象物画像領域OBJの円形度eは、対
象物画像領域OBJ全体を構成する画素数(対象物画像
領域OBJの面積に対応)uと、この対象物画像領域O
BJの輪郭を形成する画素数(対象物画像領域OBJの
輪郭線の長さに対応)vとにより、次式のようにして求
められる。
【0127】
【数16】e=(4π・u)/v2
【0128】ここで、対象物画像領域OBJ全体を構成
する画素数(面積)uは、2値化画像データにおいて対象
物画像領域OBJの各画素が黒画素として表現されてい
る場合、対象物画像領域OBJ全体を構成する黒画素の
個数を計数することによって求めることができる。ま
た、対象物画像領域OBJの輪郭を形成する画素数(輪
郭長さ)vは、例えば2値化画像データに対してさらに
微分処理を施し、この微分画像データにおいて、対象物
に対応した黒画素の個数を計数することによって得るこ
とができる。
【0129】例えば、ある1つの時点における2値化画
像データが図22(a)のようなものであって、図22
(a)において対象物画像領域がOBJであるとき、対象
物画像領域全体を構成する画素数(面積)uは、対象物画
像領域OBJ内の黒画素の総数“5”として求めること
ができる。
【0130】また、図22(a)の2値化画像データに対
して微分処理を施すと(すなわち、図22(a)の2値化
画像データの1つの画素位置(x,y)に着目するとき、
この画素の値pxyが例えばpxy≠px-1,y-1,px
y≠px-1,y,pxy≠px-1,y+1,またはpxy≠p
x,y-1の場合にのみ、pxy=1(黒画素)とし、それ以
外の場合にpxy=0(白画素)とする処理を施すと)、
図22(b)のような微分画像データが得られ、図22
(b)の微分画像データにおいて、対象物の輪郭を形成す
る画素数(輪郭長さ)vは、図22(a)の対象物画像領域
OBJに対応した部分の黒画素の総数“4”として求め
ることができる。
【0131】対象物画像領域OBJが円形形状のもので
ある場合、その半径を仮りにrとすると、対象物画像領
域全体を構成する画素数uは“πr2”に比例し、ま
た、対象物画像領域の輪郭を形成する画素数vは“2π
r”に比例するので、上記円形度eは、“1.0”とな
る。換言すれば、対象物画像領域の円形度eは、対象物
画像領域の形状が円形に近いぼど、“1.0”に近づ
き、形状が複雑になる程、“0.0”に近づく。対象物
が侵入者である場合、その円形度eが例えば0.4〜
0.6程度であるとすると、円形度eが例えば0.4〜
0.6の範囲内にあるか否かにより、対象物が侵入者か
否かを判断することができる。
【0132】対象物画像領域OBJの円形度は、このよ
うに、ある1時点での2値化画像データ,例えば対象物
画像領域OBJの特定を行なった時点t1での2値化画
像データだけに基づいて円形度eとして求めることがで
きるが、信頼性をより高めるため、対象物画像領域の特
定を行なった時点t1から(例えばこの時点t1をも含め
て)、所定の時間間隔Δtずつ隔てた複数(n個)の時点
1,t2,…tnでの2値化画像データに基づいてそれ
ぞれ求めたn個の対象物画像領域OBJ1,OBJ2
…,OBJnの円形度e(t1),e(t2),…,e(tn)の
平均値〈e〉として、次式のように求めることもでき
る。
【0133】
【数17】
【0134】このようにして、侵入者独自の特徴が良好
に表現されている情報として、形状類似率fとともに、
あるいは、これにかわって、円形度e(〈e〉)を用いる
こともできる。
【0135】さらに、侵入者独自の特徴が良好に表現さ
れている情報として、上記のような形状情報(f,e)に
加えて、あるいは上記のような形状情報(f,e)のかわ
りに、対象物の大きさSや、移動速度mvなどを用いる
こともできる。ここで、対象物の大きさSは、対象物画
像領域OBJの総画素数として求めることができ、ま
た、対象物の移動速度mvは、ある時点での対象物画像
領域とその前時点での対象物画像領域とを比較して求め
ることができる。このような対象物の大きさSや、移動
速度mvが求められる場合、対象物の大きさSが人体の
大きさとして妥当なものであるか否かにより、対象物が
侵入者か否かを判断でき、また、対象物の移動速度mv
が人間の移動速度として妥当なものであるか否かによ
り、対象物が侵入者か否かを判断できる。
【0136】このように、図1の対象検知装置におい
て、検知対象が侵入物(例えば侵入者)である場合(すな
わち、この対象検知装置を侵入物検知に用いる場合)、
画像処理部2は、所定の時間間隔Δt毎に得られる2値
化画像データから侵入物の候補を対象物画像領域OBJ
として特定したときに、この対象物画像領域OBJの形
状類似率fを求め、および/または、対象物画像領域O
BJの円形度eを求め、および/または、対象物画像領
域OBJの大きさSを求め、および/または、対象物画
像領域OBJの移動速度mvを求めることができ、これ
らのうちの少なくとも1つが求められると、判断部3は
これらの処理結果に基づいて、対象物画像領域が侵入物
(例えば侵入者)であるか否かを判断することができる。
【0137】従って、判断部3では、形状類似率f,円
形度e,大きさS,移動速度mvの少なくとも1つに基
づいて、対象物が侵入物(例えば侵入者)であるか否かを
判断することができる。すなわち、形状類似率fに基づ
いて侵入物(侵入者)であるか否かを判断することもでき
るし、あるいは、円形度eに基づいて侵入物(侵入者)で
あるか否かを判断することもできるし、あるいは、大き
さSに基づいて侵入物(侵入者)であるか否かを判断する
ことができるし、あるいは、移動速度mvに基づいて侵
入物(侵入者)であるか否かを判断することができるし、
さらには、これらを適宜組合せて、侵入物(侵入者)であ
るか否かを判断することもできる。
【0138】例えば、判断部3は、画像処理部2におい
て例えば、形状類似率f,円形度e,大きさS,移動速
度mvが求められたとき、形状類似率f,円形度e,大
きさS,移動速度mvをパラメータとし、ファジィ理論
を用いて、侵入物(侵入者)であるか否かの判断を行なう
こともできる。
【0139】具体的に、例えば、形状類似率f,円形度
e,大きさS,移動速度mvの各パラメータについて、
侵入物(侵入者)である確信度を表現するメンバーシップ
関数MEM(f),MEM(e),MEM(S),MEM(m
v)を予め設定し、画像処理部2において形状類似率
f,円形度e,大きさS,移動速度mvが求められたと
き、各々に対応したメンバーシップ関数MEM(f),M
EM(e),MEM(S),MEM(mv)から、それぞれ、
炎である確信度o(f),o(e),o(S),o(mv)を得
ることができ、これらの確信度o(f),o(e),o
(S),o(mv)から、あるいはこれらの確信度を組合せ
て、最終的に、侵入物(侵入者)であるか否かを検知する
こともできる。
【0140】このように、図1の対象検知装置を侵入物
検知装置として用いる場合、侵入物(侵入者)か否かの判
断を信頼性良く行なうことができる。
【0141】なお、上述の各構成例では、撮像部1(光
電変換部12)からのアナログ画像データに対し、画像
処理部2においてA/D変換処理として2値化処理を施
し、アナログ画像データを2値化画像データに変換した
上で、炎検知,侵入物検知に必要な処理を行なっている
が、撮像部1(光電変換部12)からのアナログ画像デー
タに対し、画像処理部2においてA/D変換処理として
多値化処理を施し、アナログ画像データを多値化デジタ
ル画像データに変換した上で、上述したと同様の炎検
知,侵入物検知に必要な処理を行なうこともできる。
【0142】また、上述の各構成例では、対象物が1つ
であり、撮像画像から1つの対象物画像領域(連結領域)
OBJが特定される場合について説明したが、対象物が
複数存在し、撮像画像中に複数の対象物画像領域(複数
の連結領域)が含まれる場合にも本発明を同様に適用す
ることができ、この場合、複数の対象物画像領域のそれ
ぞれについて、前述した処理を行なうことで、各対象物
が所定の検知対象(炎または侵入物)か否かを信頼性良く
判断することができる。
【0143】例えば撮像画像から2つの対象物画像領域
(2つの連結領域)OBJ1,OBJ2が特定される場合、
画像処理部2は、2つの対象物画像領域OBJ1,OB
2内の画素にラベル番号を付すラベリング処理を行な
うことができる。例えば、対象物画像領域OBJ1内の
各画素には、同じラベル番号“1”を付し、また、対象
物画像領域OBJ2内の各画素には、同じラベル番号
“2”を付し、そして、同じラベル番号をもつ画素領域
ごとに、前述したと同様の画像処理を行ない、この画像
処理結果に基づき、判断処理を行なうことができる。
【0144】すなわち、上記例では、ラベル番号とし
て、“1”の付された対象物画像領域OBJ1について
所定の画像処理がなされ、第1の画像処理結果を獲得
し、また、ラベル番号として“2”の付された対象物画
像領域OBJ2について所定の画像処理がなされ、第2
の画像処理結果を獲得し、第1の画像処理結果に基づい
てラベル番号“1”の対象物が所定の対象物であるか否
かを判断し、また、第2の画像処理結果に基づいてラベ
ル番号“2”の対象物が所定の対象物であるか否かを判
断することができる。
【0145】また、上述の説明では、図1の対象検知装
置に警報出力部4を設け、対象物が炎または侵入物であ
ると判断されたときには、警報出力部4により警報を出
力するとしたが、警報出力部4からのこのような警報出
力を行なうかわりに、あるいは、このような警報出力と
ともに、判断部3からの判断結果をこの対象検知装置の
外部へ送信することも可能である。例えば、図1に破線
で示すように、この対象検知装置を所定の伝送路を介し
て受信機100に接続し、この対象検知装置が受信機1
00から呼出されるときに(例えば、アドレスポーリン
グされるときに)、この対象検知装置の判断部3からの
判断結果を受信機100に返送し、受信機100側にお
いて警報処理等を行なわせることも可能である。
【0146】また、上述の説明では、図1の対象検知装
置が、炎を検知する炎検知装置、または、侵入者を検知
する侵入者検知装置として構成されているとしたが、図
1の対象検知装置に、炎検知装置と侵入者検知装置との
両方の機能を具備させることも可能である。すなわち、
上述のように、対象物が炎であっても、また、侵入者で
あっても、図1の対象検知装置の画像処理部2は、これ
らに対して、基本的には同様の画像処理機能を有し、ま
た、判断部3は、これらに対して、基本的には同様の判
断処理機能を有しているので、図1の対象検知装置に、
炎検知機能と侵入者検知機能との両方の機能を具備させ
る場合、少なくとも、画像処理部2と判断部3について
は、これらを、炎検知,侵入者検知の両方に兼用するこ
とができる。具体的に、画像処理部2と判断部3とを、
1つのプロセッサとRAM,ROM等で構成する場合、
この1つのプロセッサユニットに炎検知,侵入者検知の
両方の画像処理,判断処理機能をもたせることができ
る。例えば、RAMあるいはROM内に炎検知用の画像
処理プログラム,判断処理プログラムとともに、侵入者
検知用の画像処理プログラム,判断処理プログラムを格
納し、場合に応じて、1つのプロセッサは、炎検知用の
画像処理プログラム,判断処理プログラムにより炎検知
処理を行ない、また、侵入者検知用の画像処理プログラ
ム,判断処理プログラムにより侵入者検知処理を行なう
ことができる。
【0147】さらに、撮像部1についても、これを炎検
知,侵入者検知の両方に兼用するよう構成することがで
きる。すなわち、撮像部1の光電変換部12として、1
つのセンサ(例えば、通常の可視光CCD(可視領域に感
度を有するCCD))だけを用いて、炎と侵入者の両方を
検知するよう構成することができる。
【0148】しかしながら、侵入者を監視するときには
可視光領域が用いられる一方、炎を監視するときには例
えば近赤外領域が用いられるというように、炎検知と侵
入者検知とで、用いられる光の波長領域が異なるため、
1つのセンサ(例えば、通常の可視光CCD)だけを用い
て炎検知と侵入者検知との両方を行なわせる場合、侵入
者検知のときには、可視光をそのまま通過させてこのセ
ンサに入光させる一方、炎検知のときには、可視領域を
カットし、このセンサに可視領域のカットされた光を入
光させるような切替制御がなされるのが望ましい。
【0149】侵入者検知のときには、可視光をそのまま
通過させてこのセンサに入光させる一方、炎検知のとき
には、可視領域をカットし、このセンサに可視領域のカ
ットされた光を入光させるような切替制御、並びに、画
像処理部2,判断部3に炎検知を行なわせるか侵入者検
知を行なわせるかの切替制御は、例えば前述のプロセッ
サユニットにより、切替制御手段として実現することが
できる。
【0150】図23はこのような切替制御手段7が設け
られた対象検知装置の構成例を示す図である。このよう
な切替制御手段7が設けられていることにより、図23
の1つの対象検知装置だけで、炎と侵入者との両方を検
知する機能(侵入者・炎検知装置としての機能)を、種々
の形態でもたせることができる。
【0151】例えば、図23の対象検知装置の切替制御
手段7は、例えば、撮像部1に当初、侵入者センサとし
ての機能をもたせ、この対象検知装置に侵入者監視を行
なわせ、対象物が検知されたときに、この対象物が侵入
者であるか否かを判断部3において判断させ、判断部3
において侵入者ではないと判断されたときに、撮像部1
に炎センサとしての機能をもたせるよう撮像部1の機能
を切替え、炎センサとしての機能をもたせるよう切替え
た後、この対象検知装置に炎監視を行なわせ、判断部3
において炎であるか否かを判断させるような切替制御を
行なうことができる。
【0152】図24は図23の対象検知装置の処理動作
を説明するためのフローチャートである。図24を参照
すると、切替制御手段7は、当初、撮像部1の光電変換
部12(1つのセンサ)に可視光をそのまま入光させる状
態にし、この状態で例えば輝度調整などを行なわせ、輝
度調整等が行なわれた後、この対象検知装置に侵入者監
視処理動作を開始させる(ステップS21)。
【0153】これにより、画像処理部2では、撮像部1
で撮像された対象物について、例えば前述したような侵
入者検知用の画像処理を行ない、判断部3では、画像処
理部2からの侵入者検知用の画像処理結果に基づき、例
えば前述したような仕方で、侵入者か否かの判定を行な
う(ステップS22)。なお、侵入者か否かの判定処理
は、例えば、現画像データと前画像データとの差分が抽
出(差分画素の連結成分が所定閾値以上抽出)されたこと
をトリガとして開始する。
【0154】ステップS22の判定処理において、侵入
者であると判断されると、例えば侵入者警報を鳴動する
(ステップS26)。一方、ステップS22の判定処理に
おいて、侵入者ではないと判断されると、さらに、現画
像データと前画像データとの差分(差分データ)を抽出
し、差分データが存在するか否かを判断する(ステップ
S23)。この結果、差分データがあれば、再びステッ
プS21に戻り、再度、侵入者か否かの判定を行なわせ
る。
【0155】このようにして、侵入者の判定処理を行な
わせ、ステップS22において侵入者ではないと判定さ
れ、また、ステップS23において差分データがないと
判断されると、切替制御部7は、撮像部1の光電変換部
12(1つのセンサ)に可視領域をカットした光を入光さ
せるように撮像部1の状態を切替え、この状態で例えば
輝度調整などを行なわせ、輝度調整等が行なわれた後、
この対象検知装置に炎監視処理動作を行なわせる(ステ
ップS24)。
【0156】これにより、画像処理部2では、撮像部1
で撮像された対象物について、例えば前述したような炎
検知用の画像処理を行ない、判断部3では、画像処理部
2からの炎検知用の画像処理結果に基づき、例えば前述
したような仕方で、炎か否かの判定を行なう(ステップ
S25)。この結果、炎であると判定されると、例えば
火災警報を鳴動する(ステップS26)。
【0157】これに対し、ステップS25において炎で
ないと判定されると、切替制御手段7は、再び、撮像部
1の光電変換部12(1つのセンサ)に可視光をそのまま
入光させるように撮像部1の状態を切替え、この状態で
例えば輝度調整などを行なわせ、輝度調整等が行なわれ
た後、この対象検知装置に侵入者監視処理動作を開始さ
せる(ステップS21)。
【0158】このようにして、簡単な構成の1台の対象
検知装置により、侵入者監視(侵入者検知)を行ないなが
ら、炎監視(炎検知)をも行なうことができる。
【0159】なお、上述の例では、侵入者監視を行ない
ながら、炎監視を行なっているが、これとは逆に、炎監
視を行ないながら、侵入者監視を行なうこともできる。
すなわち、この場合には、切替制御手段7は、例えば、
撮像部1に当初、炎センサとしての機能をもたせ、この
対象検知装置に炎監視を行なわせ、対象物が検知された
ときに、この対象物が炎であるか否かを判断部3におい
て判断させ、判断部3において炎ではないと判断された
ときに、撮像部1に侵入者センサとしての機能をもたせ
るよう撮像部1の機能を切替え、この対象検知装置に侵
入者監視を行なわせ、判断部3において侵入者であるか
否かを判断させるような切替制御を行なう。
【0160】また、上述の例では、侵入者または炎のい
ずれか一方を通常の監視対象とし、侵入者(または炎)の
監視(通常の監視)を行ないながら、炎(または侵入者)の
監視を行なうようにしているが、侵入者と炎とをそれぞ
れ対等の監視対象として、監視制御(切替制御)を行なう
こともできる。すなわち、図23の対象検知装置におい
て、切替制御手段7は、例えば、撮像部1を侵入者セン
サとしての機能と炎センサとして機能とに交互に切替
え、また、これに同期させて、画像処理部2,判断部3
の処理を、侵入者処理と炎処理とに交互に切替えるよう
な切替制御を行なうこともできる。
【0161】この場合、例えば、ある1つの時点t1
は、撮像部1は侵入者センサとしての機能に切替えられ
(光電変換部12(1つのセンサ)に可視光をそのまま入
光させる状態に切替えられ)、画像処理部2,判断部3
では、この状態で撮像された画像に対し、侵入者検知用
の画像処理を行ない、画像処理された結果に基づいて、
侵入者の判断処理を行ない、次の時点t2では、撮像部
1は炎センサとしての機能に切替えられ(光電変換部1
2(1つのセンサ)に可視光カットの光を入光させる状態
に切替えられ)、画像処理部2,判断部3では、この状
態で撮像された画像に対し、炎検知用の画像処理を行な
い、画像処理された結果に基づいて、炎の判断処理を行
ない、また、次の時点t3では、撮像部1は侵入者セン
サとしての機能に切替えられ(光電変換部12(1つのセ
ンサ)に可視光をそのまま入光させる状態に切替えら
れ)、画像処理部2,判断部3では、この状態で撮像さ
れた画像に対し、侵入者検知用の画像処理を行ない、画
像処理された結果に基づいて、侵入者の判断処理を行な
うというように、侵入者の監視,炎の監視を交互に行な
うことができる。
【0162】また、図23の対象検知装置を、例えば、
通常状態においては、炎検知装置として機能させ、監視
状態においては、炎を侵入者との両方を検知する侵入者
・炎検知装置として機能させるように制御することもで
きる。
【0163】また、上述の各例では、切替制御手段7
は、侵入者監視と炎監視とを自動的に切替制御するよう
になっているが、侵入者監視と炎監視とを手動により
(例えば、手動スイッチにより)、切替制御可能に構成す
ることも可能である。
【0164】この場合には、オペレータが例えば手動ス
イッチを侵入者監視側に設定すると、図23の対象検知
装置は、侵入者検知装置として機能する。すなわち、撮
像部1は侵入者センサとしての機能に切替えられ(光電
変換部12(1つのセンサ)に可視光をそのまま入光させ
る状態に切替えられ)、画像処理部2,判断部3では、
この状態で撮像された画像に対し、侵入者検知用の画像
処理を行ない、画像処理された結果に基づいて、侵入者
の判断処理を行なう。
【0165】また、オペレータが例えば手動スイッチを
炎監視側に設定すると、図23の対象検知装置は、炎検
知装置として機能する。すなわち、撮像部1は炎センサ
としての機能に切替えられ(光電変換部12(1つのセン
サ)に可視光カットの光を入光させる状態に切替えら
れ)、画像処理部2,判断部3では、この状態で撮像さ
れた画像に対し、炎検知用の画像処理を行ない、画像処
理された結果に基づいて、炎の判断処理を行なう。
【0166】このように、切替制御手段7の構成に応じ
て、1つの対象検知装置で、侵入者と炎との互いに異な
る対象物について、種々の態様の監視制御が可能であ
る。すなわち、図23の1つの対象検知装置だけによ
り、炎と侵入者との両方を検知する機能(侵入者・炎検
知装置としての機能)を、種々の形態でもたせることが
できる。
【0167】なお、切替制御手段7において、撮像部1
を、侵入者センサとしての機能と炎センサとしての機能
とに切替えるのに、例えばメカニカルシャッタなどを用
いることができる。
【0168】図25はメカニカルシャッタの構成例を示
す図である。図25の例では、メカニカルシャッタ10
1は、撮像部1のレンズ系13の前段に設置されてお
り、シャッタ制御線102からの制御信号に応じて、対
象物監視領域の光路上に可視光カットフィルタを挿脱
(クローズまたはオープン)する機構のものとなってい
る。図26(a)には可視光カットフィルタ103がクロ
ーズ(閉)となった状態が示され、また図26(b)には可
視光カットフィルタ103がオープン(開)となった状態
が示されている。
【0169】このようなメカニカルシャッタ101を用
いる場合、切替制御手段7は、撮像部1を侵入者センサ
として機能させるときには、メカニカルシャッタ101
が図26(b)のようなオープン状態となるように制御
し、また、撮像部1を炎センサとして機能させるときに
は、メカニカルシャッタ101が図26(a)のようなク
ローズ状態となるように制御する。
【0170】また、図23の対象検知装置においても、
図1の対象検知装置と同様に、警報出力部4が設けられ
ていても良く、この場合には、侵入者監視状態,炎監視
状態に応じて、侵入者警報,炎警報を出力することがで
きる。
【0171】このように、図23の対象検知装置は、簡
単な構成のものであるにもかかわらず、これ1台で、侵
入者と炎との両方を監視,検知する機能を有しているの
で、この対象検知装置を用いれば、建築物等において、
侵入者検知装置と炎検知装置とを別々に配置する必要が
なくなり、配線等を低減し、また、設置スペースやコス
ト等を削減できる。
【0172】また、上述の説明では、図23の対象検知
装置に警報出力部4を設け、対象物が炎または侵入物で
あると判断されたときには、警報出力部4により警報を
出力するとしたが、警報出力部4からのこのような警報
出力を行なうかわりに、あるいは、このような警報出力
とともに、判断部3からの判断結果をこの対象検知装置
の外部へ送信することも可能である。例えば、図23に
破線で示すように、この対象検知装置を所定の伝送路を
介して受信機100に接続し、この対象検知装置が受信
機100から呼出されるときに(例えば、アドレスポー
リングされるときに)、この対象検知装置の判断部3か
らの判断結果を受信機100に返送し、受信機100側
において警報処理等を行なわせることも可能である。
【0173】この場合、図23の対象検知装置のよう
に、これ1台で、侵入者と炎との両方を監視,検知する
機能が設けられている場合、この対象検知装置を用いた
対象監視システムも、1つのシステム(受信機)だけで済
み、また、侵入者センサ機能と炎センサ機能とに対し、
この1つの受信機において、1つのアドレスを付すだけ
で良いので(図23の対象検知装置に対して1つのアド
レス(ポーリングアドレス)を付すだけで良いので)、侵
入者監視と炎監視との両方を行なう場合にも、管理の煩
雑化を回避することができる。
【0174】すなわち、侵入者検知装置と炎検知装置と
がそれぞれ別体のものとして配置されている場合には、
仮に、侵入者検知装置と炎検知装置とについて1つの受
信機により監視がなされるとしても、侵入者検知装置と
炎検知装置とに対し、それぞれ別個のアドレス(例えば
ポーリングアドレス)を付ける必要があり、管理が煩雑
になるなどの問題があるが、図23の対象検知装置で
は、これを受信機に接続して、侵入者監視,炎監視の両
方を行なわせる場合、1つの受信機だけで済み、また、
1つのアドレスを付けるだけで良いので、管理等を極め
て容易に行なうことが可能となる。
【0175】また、図23の構成例では、対象検知装置
内に切替制御手段7が設けられているが、対象検知装置
が所定の伝送路を介して受信機100に接続されて対象
監視システムとして構成されている場合(この対象検知
装置が受信機100から呼出されるときに(例えば、ア
ドレスポーリングされるときに)、この対象検知装置の
判断部3からの判断結果を受信機100に返送し、受信
機100側において警報処理等を行なわせるようになっ
ている場合)には、切替制御手段100を対象検知装置
内に設けるかわりに、これを図27に示すように受信機
100内に設け、受信機100からの切替制御指令によ
って、対象検知装置を侵入者検知装置の状態または炎検
知装置の状態に切替えることも可能である。
【0176】また、図23,図27の構成例において、
対象検知装置の画像処理部2および判断部3は、侵入者
検知用の画像処理および判断処理,炎検知用の画像処理
および判断処理を、前述したような仕方で行なうことが
できるが、図23,図27の構成例については、侵入者
検知用と炎検知用とで、画像処理部2および判断部3と
を兼用できるものであれば、前述の仕方に限定されず、
任意の侵入者検知用の画像処理および判断処理,任意の
炎検知用の画像処理および判断処理を行なわせることも
できる。
【0177】また、前述の例では、画像処理および判断
処理を1つのプロセッサユニットで行なわせる場合、侵
入者検知用の画像処理および判断処理(プログラム),炎
検知用の画像処理および判断処理(プログラム)をRAM
やROMに格納するとしたが、侵入者検知用の画像処理
および判断処理(プログラム),炎検知用の画像処理およ
び判断処理(プログラム)についてはこれを任意の仕方で
保持させることができる。例えば、侵入者検知用の画像
処理および判断処理(プログラム),炎検知用の画像処理
および判断処理(プログラム)をフロッピィディスクやC
D−ROMなどの可搬性の記憶媒体に予め記録させてお
き、対象検知装置の起動時に、この記録媒体を対象検知
装置に装着し、この記録媒体に記録されている侵入者検
知用の画像処理および判断処理(プログラム),炎検知用
の画像処理および判断処理(プログラム)をRAMなどに
ロードして用いることもできる。
【0178】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1乃至請
求項3,請求項10,請求項11記載の発明によれば、
情報量の多い対象物撮像画像データを用いて、侵入物独
自の特徴(他の要因と明確に区別することのできる特徴)
が良好に表現される情報を割り出して、この情報に基づ
き、対象物が侵入物か否かを判断するので、侵入物であ
るか否かの判断の信頼性を著しく向上させることができ
る。
【0179】特に、請求項2,請求項11記載の発明で
は、侵入物独自の特徴が良好に表現される情報をパラメ
ータとしたメンバーシップ関数が予め設定されており、
侵入物独自の特徴が良好に表現される情報が割り出され
たとき、対象物が侵入物である確信度を、割り出された
情報をパラメータ値としてメンバーシップ関数から求
め、得られた確信度に基づいて、対象物が侵入物である
か否かを判断するので、人間の判断に近いより信頼性の
高い侵入物検知判断を行なうことができる。
【0180】また、請求項4乃至請求項8記載の発明で
は、撮像手段と、撮像手段によって撮像された画像から
対象物画像領域を抽出し、該対象物画像領域の画素情報
に基づいて、対象物に関する情報を割り出す画像処理手
段と、画像処理手段によって割り出された対象物に関す
る情報に基づき、対象物が炎であるか否かを判断する判
断手段とを備えた対象検知装置であって、炎と侵入物と
の両方を検知可能に構成され、検知対象が炎であるか侵
入物であるかにより、撮像手段の状態を切替え、また、
画像処理手段および判断手段の処理機能を切替える制御
を行なう切替制御手段が設けられており、該切替制御手
段の切替制御によって、該対象検知装置を、炎検知装置
として機能させるか、また、侵入物検知装置として機能
させるようになっているので、簡単かつコンパクトな構
成であるにもかかわらず、1台の対象検知装置で、炎と
侵入物との両方を監視(検知)することができる。
【0181】特に、請求項8記載の発明では、撮像手段
には、可視領域の光に感度を有するCCDが用いられる
ので、低コストの製品が提供できる。
【0182】また、請求項12記載の発明によれば、請
求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の対象検知装
置が所定の伝送路を介して受信機に接続されており、前
記対象検知装置は、受信機から呼出されるとき、受信機
に対象検知結果を送信するようになっているので、対象
検知装置からの対象検知結果に基づき、受信機側で警報
処理等を行なうことができる。
【0183】また、請求項13記載の発明では、対象検
知装置が侵入者検知,炎検知の両方の機能を具備してい
る場合、受信機からの切替制御指令によって、対象検知
装置の状態を侵入者検知装置または炎検知装置のいずれ
かに切替制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る対象検知装置の構成例を示す図で
ある。
【図2】2次元CCDの画素構成例を示す図である。
【図3】撮像した画像から対象物画像領域を特定する処
理を説明するための図である。
【図4】対象物画像領域OBJの重心G,主軸の方向θ
0,距離関数r(θ)を説明するための図である。
【図5】対象物画像領域OBJの距離関数r(θ)の一例
を示す図である。
【図6】対象物画像領域OBJの形状類似率fを説明す
るための図である。
【図7】3.3cm角火皿の炎を撮像した2値化画像デ
ータにおいて炎に対応した対象物画像領域内の画素数
(黒画素数)の時間的変化の測定結果を示す図である。
【図8】対象物として回転灯を撮像した2値化画像デー
タにおいて回転灯に対応した対象物画像領域内の画素数
(黒画素数)の時間的変化の測定結果を示す図である。
【図9】対象物として白熱電球を撮像した2値化画像デ
ータにおいて白熱電球に対応した対象物画像領域内の画
素数(黒画素数)の時間的変化の測定結果を示す図であ
る。
【図10】時間的分散率の測定結果を示す図である。
【図11】図8の測定結果に基づいて求めた回転灯の自
己相関を示す図である。
【図12】図7の測定結果に基づいて求めた3.3cm
角火更の炎の自己相関を示す図である。
【図13】形状類似率fのパラメータについて、炎であ
る確信度を表現するメンバーシップ関数の設定例を示す
図である。
【図14】重心移動度gのパラメータについて、炎であ
る確信度を表現するメンバーシップ関数の設定例を示す
図である。
【図15】主軸変化率hのパラメータについて、炎であ
る確信度を表現するメンバーシップ関数の設定例を示す
図である。
【図16】時間的分散率dのパラメータについて、炎で
ある確信度を表現するメンバーシップ関数の設定例を示
す図である。
【図17】自己相関cor(k)のパラメータについて、
炎である確信度を表現するメンバーシップ関数の設定例
を示す図である。
【図18】本発明の対象検知装置を適用した火災警報装
置の構成例を示す図である。
【図19】図18の火災警報装置の処理動作例を示すフ
ローチャートである。
【図20】本発明の対象検知装置を適用した防犯警報装
置の構成例を示す図である。
【図21】図20の防犯警報装置の処理動作例を示すフ
ローチャートである。
【図22】対象物の円形度を割り出す処理を説明するた
めの図である。
【図23】本発明に係る対象検知装置の他の構成例を示
す図である。
【図24】図23の対象検知装置の処理動作を説明する
ためのフローチャートである。
【図25】メカニカルシャッタの構成例を示す図であ
る。
【図26】図25のメカニカルシャッタの動作を説明す
るための図である。
【図27】本発明に係る対象監視システムの構成例を示
す図である。
【符号の説明】
1 撮像部 2 画像処理部 3 判断部 4 警報出力部 7 切替制御手段 11 光学系 12 光電変換部 13 レンズ系 14 光学フィルタ 100 受信機 101 メカニカルシャッタ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮像手段と、撮像手段によって撮像され
    た画像から対象物画像領域を抽出し、該対象物画像領域
    の画素情報に基づいて、対象物に関する情報を割り出す
    画像処理手段と、画像処理手段によって割り出された対
    象物に関する情報に基づき、対象物が侵入物であるか否
    かを判断する判断手段とを備え、前記画像処理手段は、
    前記情報として、対象物画像領域の形状類似率,対象物
    画像領域の円形度,対象物画像領域の大きさ,対象物画
    像領域の移動速度のうちの少なくとも1つを割り出し、
    前記判断手段は、画像処理手段によって割り出された対
    象物画像領域の形状類似率,対象物画像領域の円形度,
    対象物画像領域の大きさ,対象物画像領域の移動速度の
    うちの少なくとも1つに基づいて対象物が侵入物である
    か否かを判断することを特徴とする対象検知装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の対象検知装置において、
    前記判断手段には、前記対象物画像領域の形状類似率,
    対象物画像領域の円形度,対象物画像領域の大きさ,対
    象物画像領域の移動速度の各々に対応させて形状類似
    率,円形度,大きさ,移動速度をそれぞれパラメータと
    するメンバーシップ関数が予め設定されており、前記判
    断手段は、前記画像処理手段により対象物画像領域の形
    状類似率,対象物画像領域の円形度,対象物画像領域の
    大きさ,対象物画像領域の移動速度の各パラメータ値が
    割り出されたとき、割り出された各パラメータ値に対す
    る確信度を各々に対応した前記メンバーシップ関数によ
    り求め、各パラメータ値に対して得られた確信度に基づ
    いて対象物が侵入物であるか否かを判断することを特徴
    とする対象検知装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の対象検知装置において、
    前記撮像手段には、可視領域の光に感度を有する1つの
    CCDが用いられることを特徴とする対象検知装置。
  4. 【請求項4】 撮像手段と、撮像手段によって撮像され
    た画像から対象物画像領域を抽出し、該対象物画像領域
    の画素情報に基づいて、対象物に関する情報を割り出す
    画像処理手段と、画像処理手段によって割り出された対
    象物に関する情報に基づき、対象物が所定の対象物であ
    るか否かを判断する判断手段とを備えた対象検知装置で
    あって、炎検知機能と侵入物検知機能との両方を具備
    し、検知対象が炎であるか侵入物であるかにより、前記
    撮像手段,前記画像処理手段および判断手段の処理機能
    を炎検知機能に、または、侵入物検知機能に切替える制
    御を行なう切替制御手段がさらに設けられており、該切
    替制御手段の切替制御によって、該該対象検知装置を、
    炎検知装置として機能させるか、または、侵入物検知装
    置として機能させるようになっていることを特徴とする
    対象検知装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の対象検知装置において、
    前記切替制御手段は、侵入物監視(または炎監視)を行な
    いながら、炎監視(または侵入物監視)を行なうように、
    対象検知装置の状態を切替制御するようになっているこ
    とを特徴とする対象検知装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の対象検知装置において、
    前記切替制御手段は、侵入者と炎とをそれぞれ対等の監
    視対象として、切替制御を行なうようになっていること
    を特徴とする対象検知装置。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の対象検知装置において、
    前記切替制御手段は、対象検知装置を、例えば、通常状
    態においては、炎検知装置として機能させ、監視状態に
    おいては、炎と侵入者との両方を検知する侵入者・炎検
    知装置として機能させるように切替制御するようになっ
    ていることを特徴とする対象検知装置。
  8. 【請求項8】 請求項4乃至請求項7のいずれか一項に
    記載の対象検知装置において、前記切替制御手段は、侵
    入者監視と炎監視とを手動により切替制御可能に構成さ
    れていることを特徴とする対象検知装置。
  9. 【請求項9】 請求項4記載の対象検知装置において、
    前記撮像手段には、可視領域の光に感度を有する1つの
    CCDが用いられ、前記切替制御手段は、侵入物監視状
    態では、該CCDに可視領域の光をそのまま入光させ、
    一方、炎監視状態では、該CCDに可視光カットの光を
    入光させるよう、CCDに入光する光を制御することを
    特徴とする対象検知装置。
  10. 【請求項10】 侵入物独自の特徴が良好に表現される
    情報を対象物を撮像した画像データから割り出して、該
    情報に基づいて対象物が侵入物か否かを判断することを
    特徴とする対象検知方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の対象検知方法におい
    て、侵入物独自の特徴が良好に表現される情報をパラメ
    ータとしたメンバーシップ関数が予め設定されており、
    侵入物独自の特徴が良好に表現される情報が割り出され
    たとき、対象物が侵入物である確信度を、前記割り出さ
    れた情報をパラメータ値として前記メンバーシップ関数
    から求め、得られた確信度に基づいて、対象物が侵入物
    であるか否かを判断すること特徴とする対象検知方法。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項9のいずれか一項
    に記載の対象検知装置が所定の伝送路を介して受信機に
    接続されており、前記対象検知装置は、受信機から呼出
    されるとき、受信機に対象検知結果を送信するようにな
    っていることを特徴とする対象監視システム。
  13. 【請求項13】 所定の対象物を検知する対象検知装置
    が所定の伝送路を介して受信機に接続されている対象監
    視システムであって、前記対象検知装置は、炎検知機能
    と侵入物検知機能との両方を具備し、また、前記受信機
    には、前記対象検知装置を、炎検知装置として機能させ
    るか、または、侵入物検知装置として機能させるかの切
    替制御を行なう切替制御手段が設けられており、前記受
    信機の切替制御手段からの切替制御指令によって、前記
    対象検知装置を、炎検知装置として機能させるか、また
    は、侵入物検知装置として機能させるようになっている
    ことを特徴とする対象監視システム。
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