JPH09281481A - 光学異方体の製造方法 - Google Patents

光学異方体の製造方法

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JPH09281481A
JPH09281481A JP8092503A JP9250396A JPH09281481A JP H09281481 A JPH09281481 A JP H09281481A JP 8092503 A JP8092503 A JP 8092503A JP 9250396 A JP9250396 A JP 9250396A JP H09281481 A JPH09281481 A JP H09281481A
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polymerizable liquid
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Akihiko Uchiyama
昭彦 内山
Toshiaki Yatabe
俊明 谷田部
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度に配向制御された液晶表示装置用光学補
償フィルムとして用いることのできる優れた光学特性を
有する光学異方体を、生産性よく得る。 【解決手段】 一対の基板は、共に配向処理された表面
を有する。少なくとも一方は、直接ラビング処理による
配向処理が施された透明樹脂フィルムまたはシートから
なる透明樹脂基板。かつ少なくとも一方は、可撓性を有
する基板。少なくとも一方の基板の配向処理面上に、重
合性液晶化合物を含有する重合性液晶混合物を塗布し、
一方の基板の重合性液晶混合物塗布面と他方の基板の配
向処理面とを向かい合わせにし、さらに基板間にはスペ
ーサを介した状態で、回転ロールを用いて圧力を加えな
がら一対の基板を貼り合わせ、その後重合性液晶化合物
を液晶配向状態において光硬化させて配向硬化物層と
し、さらにその後一対の基板のうち透明樹脂基板以外の
基板は剥離することで、光学異方体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合性液晶化合物
を液晶配向状態において重合硬化させることにより、光
学異方体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子は、薄型軽量、低消
費電力という大きな利点を持つため、パーソナルコンピ
ュータやワードプロセッサ、携帯型電子手帳等の表示装
置に積極的に用いられている。液晶表示素子の原理は数
多く提案されているが、現在普及している液晶表示素子
のほとんどは、ねじれネマチック型の液晶を用いてい
る。このような液晶を用いた表示方式は、複屈折モード
と旋光モードの2つの方式に大別される。
【0003】複屈折モードであるスーパーツイストネマ
チック(STN)方式は、急峻な電気光学特性を持つ。
これにより単純マトリックスで駆動できるため、比較的
低価格で市場に供給されている。しかしかかる方式で
は、偏光板を介して直線偏光とした入射光が、液晶セル
による複屈折で楕円偏光となり、それをさらに偏光板を
介して見た場合にはデイスプレイが着色して見えるとい
った課題がある。そのため、液晶セル透過後の楕円偏光
を直線に戻して着色を防止すべく、位相差板としての光
学異方体を、液晶セルと偏光板の間に介在させるF−S
TN方式が提案されている。
【0004】このような位相差板としての光学異方体に
は、ポリカーボネートフィルム等を一軸延伸した一軸配
向フィルムや、特開平3−87720号公報に記載があ
るような高分子液晶を用いたねじれネマチック構造を配
向固定したもの等がすでに提案されている。
【0005】一方、旋光モードであるツイストネマチッ
ク(TN)方式は90゜のねじれネマチック液晶からな
り、応答速度が数十ミリ秒と速く、高いコントラスト比
と良好な階調表示性を示すことから、薄膜トランジスタ
ー等のスイッチング素子を各画素ごとに配備した液晶表
示素子として、液晶テレビ等の高精細、高速性が要求さ
れる用途で使用されている。
【0006】STN方式と同様にTN方式にも視角の方
向により、コントラストが異なる等の問題があるが、T
N方式の液晶表示素子の視角特性を改善するいくつかの
方法がすでに提案されている。位相差板による視角補償
方式はその1つであり、具体的な例としては、膜厚方向
の屈折率が面内方向の屈折率より小さい光学的に負の2
軸性光学補償フィルムをTN方式に用いることが提案さ
れている。
【0007】かかる負の2軸性光学補償フィルムについ
てより具体的に提案しているものとしては、第16回液
晶討論会講演予稿集236頁に記載されたものがある。
ここでは2枚の偏光板の間にTN方式液晶セルと、ポリ
カーボネートを材質とした一軸性位相差フィルムを、光
学軸が直交するように2枚積層されたものを配置するこ
とにより、視角特性を改善する方法が提案されている。
【0008】あるいは他の方法としては、特開平6−8
2779号公報では、無機層状化合物を用いる方法が開
示されている。
【0009】また、TN方式の光学補償フィルムとして
は他に傾斜配向が好ましいことが、特開平6−7511
6号公報、特開平6−250166号公報に示されてい
る。ここではこのような高度に配向制御された光学補償
フィルムの具体的な材料、製法に対しての記載に乏し
い。
【0010】また、先述の高分子液晶を用い10数回以
上のねじれネマチック状態を配向固定させた超ねじれ配
向したものを、TN方式における視野角補償板として用
いる方法は、Society for information display intern
ational symposium, Digestof technical papers volum
e XXIII, p401(1992) に提案されている。この位相差板
は負の2軸性屈折率異方性を有することを特徴としてい
る。
【0011】これら複雑な光学特性を有する光学補償フ
ィルムを得るために、室温でネマチック状態となるアク
リレート液晶を配向処理されたガラスセルの間に挟持
し、配向状態のまま紫外線硬化させ、硬化後にガラスセ
ルの少なくとも一方を剥がし、光学補償フィルムを得る
といった方法が第20回液晶討論会講演予稿集216頁
〜219頁(1994)において報告されている。
【0012】STN,TN方式液晶表示装置の画質向上
に伴い、すでに述べてきたように光学補償フィルムに対
して、STNの色補償に必要な光学特性である一軸性と
いった単純な光学特性から、傾斜配向、ねじれ、超ねじ
れ配向等より複雑な光学特性が要求されるようになって
きている。STNにおいては旋光分散補償も可能である
という点で、ねじれ配向した光学補償フィルムが有効で
あることはすでに公知である。また、TNにおいては先
述の超ねじれ配向フィルムや負の2軸性フィルム等が視
野角特性向上に有効であることも公知である。このよう
に、液晶表示装置の光学補償フィルムにおいて、それを
構成する好ましい光学異方体の特性についてはすでにか
なりの部分公知となっているが、それを実際に製造する
ための材料、製法の点に問題があり光学特性及び量産性
の点で満足するものは得られていないのが現状であっ
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】光学補償フィルムを形
成する光学異方体の傾斜、ねじれ、超ねじれ配向等より
複雑な光学特性に対しては高分子液晶を用いる方法が提
案されている。これは高分子液晶樹脂を適当な溶媒に溶
かし、配向処理がしてある支持体上に製膜後、一度液晶
状態となる高温領域まで加熱後、冷却することにより液
晶状態を配向固定させ、ねじれ配向や一軸配向等を得る
といった方法であるが、高温処理が必要なこと等、生産
性に課題がある。
【0014】また、前述の第20回液晶討論会講演予稿
集216頁〜219頁(1994)に記載の方法では、
ガラス等支持体の間にアクリレート液晶を挟持させ光重
合させる必要があることから、大面積化が困難であり、
さらにロールツウロール等連続生産が困難であるといっ
た課題があった。
【0015】本発明はかかる課題を解決して、傾斜、ね
じれ、超ねじれ配向等の高度に配向制御された液晶表示
装置用光学補償フィルムとして用いることのできる優れ
た光学特性を有する光学異方体を、生産性よく得ること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の光学異方体の製
造方法は、光硬化型の重合性液晶化合物を、液晶配向状
態において重合硬化させることにより、光学異方体を製
造する方法において、共に配向処理された表面を有する
ところの一対の基板として、少なくとも一方は直接ラビ
ング処理による配向処理が施された透明樹脂フィルムま
たはシートからなる透明樹脂基板を用い、かつ少なくと
も一方は可撓性を有する基板を用いて、少なくとも一方
の基板の配向処理面上に、重合性液晶化合物を含有する
重合性液晶混合物を塗布し、一方の基板の重合性液晶混
合物塗布面と他方の基板の配向処理面とを向かい合わせ
にし、さらに基板間にはスペーサを介した状態で、回転
ロールを用いて圧力を加えながら一対の基板を貼り合わ
せ、その後重合性液晶化合物を液晶配向状態において光
硬化させて配向硬化物層とし、さらにその後一対の基板
のうち透明樹脂基板以外の基板は剥離することで、光学
異方体を製造することを特徴としている。
【0017】本発明で用いる重合性液晶混合物として
は、光硬化型の重合性液晶化合物を含有する物である。
なおここで重合性液晶混合物としては、1種類の重合性
液晶化合物のみからなる物であっても良い。
【0018】こうした本発明で用いる重合性液晶混合物
は、アクリレート基および/またはメタクリレート基を
備えた重合性液晶化合物を含有する物であることが好ま
しい。重合性官能基としては他にいくつか知られている
が、アクリレート基、メタクリレート基を有する重合性
液晶化合物は、重合に際して脱離化合物等を発生せず、
光重合が可能である。そして重合性液晶化合物が配向し
ている状態において硬化させる本発明の製造方法におい
ては、熱重合と比較しても硬化中に配向を乱すことが少
ないといった優れた特徴を有している。なおこのとき
に、重合性液晶化合物の1分子中におけるアクリレート
基および/またはメタクリレート基の数は、1つまたは
2つであることが好ましい。
【0019】また本発明で用いる重合性液晶混合物は、
液晶状態が少なくとも10〜90℃の領域において発現
することが好ましく、より好ましくは15〜70℃であ
る。液晶の相転移挙動は昇温過程と降温過程では異なる
場合があるが、いずれかの過程で上記温度範囲で液晶相
を発現すればよい。なお、液晶状態より高い温度領域で
は等方状態となることが必要である。10℃未満の領域
でしか液晶状態をとらない重合性液晶混合物では製造
上、冷却工程を必要とすることや、低温領域では重合性
液晶の粘度が上昇する傾向にあり、均一な配向状態を得
ることが困難である場合が多い。一方、90℃より高温
領域でのみ液晶相が発現するような重合性液晶では、液
晶相にするために90℃より高温度にする必要がありこ
の温度に保持している間に熱重合が進行してしまう場合
があり、特に大面積化する場合には、配向の均一性が保
たれない場合がある。そしてこの温度領域のいずれかに
おいて、液晶状態となる温度範囲が10℃以上の幅を持
つことが好ましく、より好ましくは15℃以上である。
この液晶状態の温度範囲はできるだけ広い方が製造上好
ましい。
【0020】本製造方法の概念では、光硬化前にある液
晶配向状態をとっていて、理想的には光硬化後において
その配向状態が固定化されることであるので、この概念
を満足するような液晶状態を光硬化前にとっていれば、
液晶状態には特に限定はないが、好ましくはネマチック
状態、カイラルネマチック状態である。これらは配向の
制御性が容易である点で他の液晶状態より優れている場
合が多い。光硬化前に結晶状態または等方状態である場
合には、硬化後に液晶表示装置として用いられる光学補
償板として十分な配向状態を得ることは困難である。ま
た、光硬化前は良好な配向状態をしていても、硬化後に
配向が大きく乱れてしまい、液晶表示装置用光学補償板
として必要な光学異方性を保持できないような硬化性液
晶は使用することができない。
【0021】カイラルネマチック状態を得るためにはネ
マチック状態をとる重合性液晶にカイラル液晶を混合さ
せることによっても得られるが、この際、カイラル液晶
の混合量がネマチック液晶に対して10重量%以下であ
るならば、このカイラル液晶は必ずしも重合性である必
要はない。
【0022】重合性液晶混合物がとる配向状態として
は、ホモジニアス配向、ねじれ配向、ホメオトロピック
配向、傾斜配向、デイスコテイック液晶を用いた配向
や、これらの複合体が考えられる。適当な重合性液晶混
合物を選択することにより、これらの配向状態は光硬化
後にはほぼ配向固定される。
【0023】アクリレート基、メタクリレート基を有す
る重合性液晶化合物として好ましい物を、以下の化学式
(1)〜(19)に示す。これらを単独で用いた場合、
製膜性や硬化後の光学特性等に不都合が生じる場合に
は、混合物であってもよい。硬化後に測定光400nm
〜700nmの間において透過率80%以上、より好ま
しくは85%以上である物が好ましいが、本発明はこれ
らの化学式に限定されない。これら構造を有するものは
上記特性を有すれば単独でも使用し得るが、そうでない
場合にはブレンドにより最適化される。
【0024】
【化1】
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】
【化19】
【0043】
【化20】
【0044】ただし、上記化学式(1)から(19)に
おいて、R1,R3は炭素数8以下の直鎖アルキル基、直
鎖アルコキシ基、またはその部分は直接結合であり、R
2は炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下のア
ルコキシ基、シアノ基、フッ素、塩素、または水素であ
る。さらにまた化学式中のAは、化学式(20)で示さ
れるように、アクリレート基またはメタクリレート基を
指す。
【0045】上記化合物の一部は、CONFERENCE RECORD
OF THE 1994 INTERNATIONAL DISPLAY RESEARCH CONFERE
NCEの161〜164頁や、特開昭62−70406号
公報にも記載されている。
【0046】重合性液晶化合物の重合方法としてはいく
つか考えられるが、本発明では光重合法であることが必
要である。熱重合では、例えば100℃以上の高温下に
おいて重合させる場合が多く、本発明のように重合性液
晶が液晶相をとった状態で硬化させて配向固定するとい
った方法を用いるのは、配向均一性といった観点から困
難である場合が多い。光重合であれば、重合性液晶が熱
重合のほとんど生じない液晶状態にあるときに硬化を行
うことが可能である。
【0047】また重合性液晶混合物には、光開始剤を添
加することが好ましい。光開始剤を添加した場合、液晶
の配向性に影響を与え、相転移温度等に影響を与える場
合があるので、重合性液晶に対して3重量%以下とする
ことが好ましく、また光開始剤の量が少なすぎても反応
の効率が悪くなるので光開始剤量の下限は0.01重量
%以上が好ましく、より好ましくは0.05重量%以上
である。光開始剤としては、液晶の配向性が添加しない
場合に比べてできるだけ変化しないものを用いることが
好ましい。光開始剤は、硬化させるために用いられる光
波長において効率的に反応を起こし得るものであれば良
い。
【0048】本発明の製造方法において、液晶配向状態
において光硬化させて得られた配向硬化物層の膜厚制御
は、重合性液晶混合物が一対の基板間にスペーサを介し
て挟持される工程において行われる。このため、重合性
液晶混合物を塗布する段階では厳密に制御する必要はな
い。このめた塗布の方法としては、異物や泡等の混入を
防げるのであればダイコーテイング法等、公知の塗布技
術を用いることができる。なお、重合性液晶混合物が液
晶状態または等方状態において塗布することが好まし
い。
【0049】また、配向処理された基板との濡れ性の改
善や発泡等を防ぐために、重合性液晶混合物に少量のレ
ベリング剤や消泡剤を混入させても良い。ただし、これ
らは配向性を乱す場合があるので、重合性液晶混合物に
対して0.5重量%以下とすることが好ましい。
【0050】本発明の製造方法における重合性液晶混合
物を挟持する一対の基板は、共に配向処理された表面を
有する。そして少なくとも一方は、直接ラビング処理に
よる配向処理が施された透明樹脂フィルムまたはシート
からなる透明樹脂基板をである。さらにまた、少なくと
も一方は可撓性を有する基板である。本発明の製造方法
ではロール圧力により一対の基板間に重合性液晶混合物
が挟持される工程において、重合性液晶混合物の膜厚を
均一に保ちながら一対の基板を貼り合わせるために、少
なくとも一方の基板が可撓性を有する必要がある。ま
た、少なくとも一方の基板が透明樹脂フィルムまたはシ
ート基板である必要があるのは、重合性液晶混合物を配
向硬化物とした後、転写工程を用いないでも配向硬化物
層を透明樹脂フィルムまたはシート上に積層した構成を
得るために必要となる。
【0051】また、本発明において重合性液晶混合物を
挟持する基板の少なくとも一方は、硬化光透過性でなけ
れば、重合性液晶混合物を挟持した状態で重合性液晶混
合物を光硬化させることができない。本発明においては
少なくとも一方の基板には透明樹脂基板を用いるため、
この要件を満足している。なお、他方の基板をも硬化光
透過性基板としても良い。
【0052】硬化に必要な光は、光開始剤を含んでも良
い重合性液晶混合物が、重合反応を開始できるような波
長を有していることが必要であるが、好ましくは200
〜450nm、より好ましくは300〜400nmの波
長を有する光である。重合反応開始に必要な光の波長
は、用いる光開始剤により変えることができるが、硬化
光透過性基板は光重合の際に、光開始剤が重合反応開始
に用いる光を透過させることができることが必要であ
る。以上述べてきたように用いる光開始剤により、好ま
しい硬化光透過性基板の光透過波長領域は決定される。
【0053】本発明の製造方法において用いられる可撓
性を有する基板とは、プラスチックフィルムやスチール
ベルトのような折り曲げが可能な基板のことを指す。こ
のような基板の材料としては、ポリエステル、ポリアリ
レート、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、トリアセチル
セルロース、ステンレスベルト等が用いられる。
【0054】重合性液晶混合物を挟持する基板の配向処
理に関しては、直接ラビング処理される透明樹脂フィル
ムまたはシートを除いては、配向処理としては、ポリイ
ミド、ポリビニルアルコール等配向膜を基板上に形成し
た後、ラビング処理を行う方法、または、SiO2斜め
蒸着膜等公知の方法を用いることが出来る。もちろん、
必要に応じて基板上に接着層や耐溶剤層を設け、その上
に配向膜を形成しても良い。
【0055】一方、本発明の製造方法で用いられる透明
樹脂フィルムまたはシートからなる透明樹脂基板上に行
われる配向処理は、直接ラビング処理により行われる。
ここで、直接ラビング処理とは、一般に液晶表示装置の
配向処理において行われているような、透明電極付きガ
ラス基板上にポリイミド等の配向膜を塗布した後、ラビ
ングロール等で擦ることにより液晶を配向させる方法を
用いずに、透明樹脂フィルムまたはシート基板上をラビ
ングロール等により擦り、重合性液晶混合物が配向する
ようにする配向処理のことを言う。
【0056】透明樹脂基板は、ラビング処理により液晶
を配向させなくてはならない。また、それは、製膜後に
配向硬化物層が積層されることから、液晶表示装置にお
いて通常用いられる偏光板、偏光板の保護フィルム、位
相差フィルム、プラスチックシート基板、プラスチック
フィルム基板等に用いられる透明樹脂フィルムまたはシ
ートに要求されるような光学特性を有していることが必
要である。偏光板を除いては、測定波長400nm〜8
00nmの範囲において透過率が80%以上、ヘイズ値
は1%以下であることが好ましい。
【0057】本発明における配向硬化物層とは光学的異
方体でありこれ単独でも液晶表示装置の光学補償をする
ことが可能であるが、本発明の製造方法からは透明樹脂
基板上に配向硬化物層を形成した構成になる。透明樹脂
基板として、光学的異方性を表すリタデーションが59
0nmの光で測定した値で10nm以下の光学的にほぼ
等方と言える基板を用いれば、この基板の影響はほぼ無
視することが可能で、配向硬化物層が光学補償能を決定
することができる。
【0058】これら透明樹脂基板の膜厚としては、10
μm以上500μm以下であることが好ましい。また、
その材質としてはポリカーボネート、ポリアリレート、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアル
コール、トリアセチルセルロース等が好ましく用いられ
る。これらの基板の製造方法としては溶液製膜法等が好
適に用いられる。
【0059】なおこうした基板は、重合性液晶混合物を
均一に配向させるために、表面粗さが所定の値以下であ
ることが好ましい。すなわち基板上の凹凸高さの最大最
小値の差が、100平方cmの面積当たりでは2μm以
下であり、かつ1平方cmの面積当たりでは0.2μm
以下であることが好ましい。この100平方cmの面積
当たりでの条件は、基板が配向処理された後での満足し
ていることが好ましい。あるいはさらに微小な表面粗さ
の条件としては、位相差シフト干渉法を測定原理に用い
ている測定器(例えばWYCO社製の商品名「TOPO
−3D」)を用いて、基板表面上の辺の長さが256μ
mの正方形の範囲内を、1μm間隔で測定したときに得
られる中心線平均粗さとして定義されるRaの値が、1
0nm以下であることが好ましい。
【0060】重合性液晶混合物は、配向処理された一対
の基板間に、スペーサを介して挟持される。ここでスペ
ーサとしては、球状の物、棒状の物、あるいは厚さ数μ
mから数10μm程度のポリマーの壁をマトリクス状に
形成した物を用いることができる。中でも球状スペーサ
は、棒状スペーサなどに比べて占有面積が小さくて済
み、またその生産性・入手性を良いことから好まし。そ
してこうした球状スペーサの材質としては二酸化ケイ
素,樹脂架橋共重合体等、またはこれらに熱可塑性樹脂
を薄くコーテイングした固着型スペーサ等公知のものを
使用できる。
【0061】そしてこうした球状スペーサは、配向硬化
物層中での含有密度を1平方mm中に20個以上200
個以下とし、かつ配向硬化物層中での分散状態を1平方
mm中に5個以上凝集した状態のスペーサ群の数を1個
以下とすることが好ましい。スペーサの含有密度や分散
状態の密度がこれ以上高いとスペーサが凝集しやすくな
り、また、散乱光が多くなる等の不都合が生じる場合が
ある。そして含有密度が上記の値以下では、膜厚を均一
に制御することが困難である。
【0062】こうしたスペーサの散布法としては、液晶
表示装置においてスペーサを散布する方法としてすでに
公知のフロン/アルコール等の溶剤とともに混合させて
ノズルより散布する湿式散布法、スピンコートによる方
法あるいは乾式法等を用いることができる。スペーサ散
布は重合性液晶混合物を挟持する基板の少なくとも一方
でよい。
【0063】本発明の製造方法により、ロールツウロー
ル等連続生産を行うことが可能であるが、もちろん1枚
毎の枚葉製膜も可能である。ロール圧力により重合性液
晶混合物が、一対の基板間にスペーサを介して挟持され
る工程および、重合性液晶混合物を液晶配向状態におい
て光硬化させ配向硬化物層とする工程の例を、図1(連
続処理の場合)と図2(枚葉処理の場合)に示す。
【0064】図1中で、1は重合性液晶混合物とスペー
サとを載せ配向処理された基板、2は可撓性と硬化光透
過性を有し配向処理された基板、3は基板貼り合わせ用
のロール、4は基板2の搬送方向、5は貼り合わせ用ロ
ール3の回転方向、6は重合性液晶とスペーサが挟持さ
れた状態の一対の基板、7は紫外線硬化装置、8はヒー
タである。
【0065】また図2中で、21は重合性液晶混合物と
スペーサとを載せ配向処理された基板、22は可撓性と
硬化光透過性を有し配向処理された基板、23は基板貼
り合わせ用のロール、24は貼り合わせ用ロール23の
回転方向、25は基板貼り合わせ用のロール23の移動
方向、26と27は重合性液晶とスペーサが挟持された
状態の一対の基板、28は紫外線硬化装置である。
【0066】ロール圧力により重合性液晶混合物が、一
対の基板間にスペーサを介して挟持される工程におい
て、重合性液晶混合物は、液晶状態または等方状態であ
る必要があるが、より好ましくは等方状態である。なお
その際に重合性液晶混合物の温度制御は、赤外線ヒータ
ーやフィルムに温風を当てる方法等公知の方法を利用し
得る。
【0067】ロールの材質としては、ステンレス等の金
属や、ゴム、シリコーン等が好適に用いられる。ロール
表面は出来るだけ平滑であることが好ましい。また、ロ
ールの温度を可変としても良い。
【0068】光重合に必要な光源としては公知の紫外線
ランプ等を用いることが出来る。照射量については重合
性液晶混合物を十分に硬化させることができれば特に限
定はなく、また、光強度においては0.1〜50mW/
cm2であることが好ましい。これ以下の強度では硬化
が不十分な場合やあるいは硬化可能でも時間が長くかか
る等製膜上問題の生じる場合がある。また本発明では基
板間に挟持された状態で光重合することから、ラジカル
重合の障害となる酸素障害が非常に少ないため、これ以
上の強度を用いる必要はない場合が多い。
【0069】配向硬化物層の膜厚は、用いる重合性液晶
混合物の特性や目的とする光学特性により変化するもの
であるが、0.1μm以上50μm以下にあることが好
ましい。0.1μm未満では十分な光学特性を得ること
が困難である場合が多く、一方、50μmより大きい場
合には、均一に配向させることが困難となる場合が多い
等の問題がある。
【0070】重合性液晶混合物を液晶配向状態において
光硬化させ配向硬化物層とする工程の後、配向硬化物層
の安定化のため熱処理を行ってもよい。また、耐熱性の
点で、配向硬化物は130℃以下の温度領域において液
晶状態または結晶状態とならないものが好ましい。
【0071】本発明の製造方法では、重合性液晶混合物
を液晶配向状態において光硬化させ配向硬化物層とする
工程の後、一対の基板のうち透明樹脂基板以外の基板は
剥離する。なお一対の基板は両方が透明樹脂基板であれ
ば、剥離の工程が必要ないことは明らかである。
【0072】こうした剥離工程では、透明樹脂基板上に
配向硬化物が積層されている状態を得なくてはならない
が、この状態を得るためには配向硬化物層とそれぞれの
基板との接着力が異なることが好ましい。透明樹脂基板
のみに接着力を付与するために、基板配向処理前後にコ
ロナ放電処理や、紫外線オゾン処理等を行ってもよい。
また、配向膜として他方の基板に剥離性の配向膜を用い
てもよい。
【0073】本発明の光学異方体は配向硬化物層がその
作用素子ではあるが、光学的に等方な透明樹脂フィルム
またはシート基板だけではなく、位相差フィルムとの積
層も可能である。さらに、これら基板と反対側の配向硬
化物層上に、耐環境性に優れるハードコート層を設けて
も良い。このハードコート層には特に限定はないが、配
向硬化物層との接着性を考えて、アクリル系架橋性樹脂
が好ましい。配向硬化物層の透過率は550nm測定光
で80%以上、ヘイズ値では1.5%以下であることが
好ましい。
【0074】なお後述の実施例と比較例においては、次
のようにして特性の評価を行っている。リタデーション
は、多波長複屈折率測定装置(日本分光(株)製の商品
名「M−150」)により評価した。透過率は、分光光
度計((株)日立製作所製の商品名「U−3500」)
を用いて評価した。ヘイズ値は、日本電色工業(株)の
商品名「COH−300A」を用いて評価した。表面粗
さは、位相差シフト干渉法を測定原理に用いているWY
CO社製商品名「TOPO−3D」を用いて評価した。
その際に、40倍の倍率基板表面上の辺の長さが256
μmの正方形の面を1μm間隔で測定したときに得られ
る中心線平均粗さとして定義した。
【0075】
【実施例1】 <1> 基板の作製とスペーサの散布 直接ラビング処理による配向処理が施された透明樹脂基
板としてのフィルム基板と、配向処理された基板として
のガラス基板を、次のようにして作製した。
【0076】まず、帝人化成(株)製の商品名「C14
00」からなる溶液製膜法により作製された、5cm×
8cmでかつ厚さ125μmのポリカーボネートフィル
ムを透明樹脂フィルムを用意した。このフィルムの表面
粗さは2.3nmであった。そして表面にコロナ放電処
理した後、ラビング処理を行った。こうして得られたポ
リカーボネートフィルムからなるフィルム基板は、透過
率が波長550nmの測定光で89%、Δn・dが波長
590nmの測定光で3nmであった。
【0077】また、もう一方の基板としては5cm×8
cmで、厚み1.1mmの研磨ガラス上に、3.0gの
ポリビニールアルコール(重合度約500)と3.0g
の1,8−オクタンジオールを水100gとエタノール
100gからなる混合溶媒に溶解させたものをスピンコ
ート法により塗布、乾燥させたものを用いた。この基板
上の表面粗さは3.0nmであった。さらにラビング処
理を行い、配向処理を施したガラス基板とした。
【0078】スペーサとしては、直径4μmの球状スペ
ーサ(積水ファインケミカル(株)製の商品名「ミクロ
パールSP−204」)を用いた。これをイソプロピル
アルコール中に超音波分散させ、そのアルコール分散液
をスピンコート法によりフィルム基板のラビング処理に
よる配向処理された面上に散布した。スペーサの分散状
態は、基板中央を1cm間隔で5点、顕微鏡により測定
した。平均スペーサ分散数は1平方mm当たり85個で
あり、それぞれの観測点でも5個以上凝集したスペーサ
は確認されなかった。
【0079】<2> 重合性液晶混合物の作製 下記の化学式(21)と(22)で表される重合性液晶
化合物を、それぞれ後述する方法により合成し、これら
を50:50(モル比)の割合で混合した。
【0080】
【化21】
【0081】
【化22】
【0082】こうして得られた混合物は、少なくとも室
温付近から46℃まではネマチック液晶状態、46℃以
上では等方状態となる物であった。さらには光開始剤
を、この混合物に対して0.5重量%混ぜ、これを基板
間に挟持する重合性液晶混合物とした。なおここで光開
始剤としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセ
トフェノン(チバガイギー社製の商品名「イルガキュア
ー651」)を用いた。
【0083】ところで、化学式(21)で表される重合
性液晶化合物は、次のようにして合成した。まずは、4
−[4−n−ペンチルフェニルエチニル]フェノール
(化学式(23)参照)を、公知の方法で合成した。
【0084】
【化23】
【0085】この化合物13.4gとトリエチルアミン
15.6gとを、テトラヒドロフラン200mlに溶解
させ、この溶液を5℃に冷却した。これに、アクリル酸
クロライド7.0gのテトラヒドロフラン溶液50ml
を、5分間かけて滴下した。そして1時間反応させた。
反応終了後、酢酸エチル500mlを加えて抽出し、有
機層を希炭酸水素ナトリウム水溶液で洗った後、水洗し
た。そして無水硫酸ナトリウムを用いて有機層を乾燥さ
せた後、さらに水洗した。そして無水硫酸ナトリウムを
用いて有機層を乾燥させた後、溶媒を留去して粗生成物
17.5gを得た。この粗生成物をカラムクロマトグラ
フィー処理を行い生成した。このカラム処理は担体をシ
リカゲル、展開溶媒を酢酸エチル:n−ヘキサン=1:
8として行った。さらにメタノールから再結晶させ、化
学式(21)の化合物を9.5gを得た。
【0086】また化学式(22)で表される重合性液晶
化合物は、次のようにして合成した。まずは、4−プロ
ピルシクロヘキシルフェノール(化学式(24)参照)
を、公知の方法により合成した。
【0087】
【化24】
【0088】この化合物11.2gとトリエチルアミン
15.6gとを、テトラヒドロフラン200mlに溶解
させ、この溶液を5℃に冷却した。これに、アクリル酸
クロライド7.0gのテトラヒドロフラン溶液50ml
を、5分間かけて滴下した。そして1時間反応させた。
反応終了後、酢酸エチル500mlを加えて抽出し、有
機層を希炭酸水素ナトリウム水溶液で洗った後、水洗し
た。無水硫酸ナトリウムを用いて有機層を乾燥させた
後、さらに水洗した。無水硫酸ナトリウムを用いて有機
層を乾燥させた後、溶媒を留去して粗生成物14.5g
を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー処理
を行い生成した。このカラム処理は担体をシリカゲル、
展開溶媒を酢酸エチル:n−ヘキサン=1:8として行
った。さらにメタノールから再結晶させ、化学式(2
2)の化合物を7.8gを得た。
【0089】<3> 重合性液晶混合物を一対の基板間
に挟持 前述のとおりに作製したガラス基板とフィルム基板と
を、配向膜面を向かい合わせにし、重合性液晶混合物を
基板間に挟持させつつ、図2に示すように回転ロールで
押さえつけて圧力を加えながら貼り合わせた。
【0090】その際、ガラス基板を下側に配置した。ま
たガラス基板上のロール貼り合わせ開始位置には、先に
作製しておいた重合性液晶混合物0.1gを、ロールと
基板との相対的な移動進行方向とは垂直方向に幅1c
m、平行方向に長さ4.5cmの範囲で塗布した。また
回転ロールとしては、直径30mm、長さ25cm、材
質はゴム製の物を用いた。ロール圧力は、1平方cm当
たり2.3kgfで一定とし、上下の基板温度は25℃
で一定、ロールが進む方向に液晶が一軸配向するように
ラビング配向処理がアンチパラレルとなるように貼り合
わせた。
【0091】<4> 重合性液晶混合物を液晶配向状態
において光硬化 基板間に挟持された重合性液晶混合物を、25℃の温度
の配向状態において、フィルム基板側から紫外線照射し
硬化させた。その際に、紫外線強度は350nm光で測
定して1平方cm当たり1mWであり、照射時間は3分
間とした。紫外線照射後、雰囲気温度130℃で2時間
のエージングを行った。
【0092】その後、ガラス基板のみ剥離し、透明樹脂
フィルム基板/配向硬化物層からなる光学異方体を得
た。この光学異方体をクロスニコル下で観察したところ
均一に一軸配向していることを確認した。また、この光
学補償板の590nmの光で測定したリタデーションは
330nm、550nmの光で測定して透過率83%、
ヘイズ値は0.8%であった。本光学異方体の耐久試験
を行ったが、80℃500時間の環境においてもリタデ
ーション、透過率、ヘイズ値には変化がなかった。
【0093】
【実施例2】まずは光開始剤入り重合性液晶混合物を、
実施例1と同じ条件で作製した。さらにこれに、下記の
化学式(25)で表されるカイラル液晶(メルク社製の
商品名「S811」)を0.6重量%ドープして、これ
を実施例2では基板間に挟持させる重合性液晶混合物と
した。
【0094】
【化25】
【0095】また配向処理された一対の基板は、実施例
1と同じ条件で作製した。そして基板の貼り合わせ角度
を変えた以外は実施例1と同じ条件で、重合性液晶混合
物を挟持しつつ一対の基板を貼り合わせた。すなわち実
施例2では基板の貼り合わせ角度を、ラビング方向がパ
ラレルになるようにした。これにより基板間に挟持され
る重合性液晶混合物は、180゜ねじれ配向となるよう
にした。そしてその後の条件は実施例1と同じにして、
透明樹脂フィルム基板/配向硬化物層からなる光学異方
体を作製した。
【0096】この光学異方体の偏光解析を行い、180
゜にねじれ配向していることを確認した。さらにクロス
ニコル下で観察したところ均一に配向していることも確
認した。550nmの光で測定して透過率85%、ヘイ
ズ値は0.8%であった。本光学補償板の耐久試験を行
ったが、80℃で500時間の環境においても光学特性
には変化がなかった。
【0097】
【実施例3】一対の基板としては、実施例1と同様にし
て作成したフィルム基板を2枚用意した。ただしここで
は実施例1とは異なり、フィルム基板上にはコロナ放電
処理を行わなかった。
【0098】そして用意した一対の基板に対しては、実
施例1と同様にして作製した重合性液晶混合物を、実施
例1と同様にして挟持してそれを硬化させた。ただし実
施例1とは異なり、その後一方の基板の剥離は行わなか
った。
【0099】こうして得られた光学異方体の構成は、透
明樹脂フィルム/配向硬化物層/透明樹脂フィルムであ
り、590nmの光で測定したリタデーションは340
nm、550nmの光で測定して透過率84%、ヘイズ
値は0.9%であった。本光学異方体の耐久試験を行っ
たが、80℃500時間も環境においてもリタデーショ
ン、透過率、ヘイズ値に変化がなかった。
【0100】
【比較例1】一対の基板としては、実施例1と同様にし
て作成したガラス基板を2枚用意した。ただしここでは
実施例1とは異なり、一方のガラス基板上に、実施例1
と同様にスペーサーを散布した。
【0101】そして用意した一対の基板に対しては、実
施例1と同様にして作製した重合性液晶混合物を、実施
例1と同様にして挟持して貼り合わせた。貼り合わせた
直後の重合性液晶の配向状態は一軸配向しているものの
膜厚ムラが大きいため、色ムラが非常に大きい状態であ
った。
【0102】さらにはこれを、実施例1と同様にして紫
外線硬化したが、硬化前の膜厚ムラが起因して非常に色
ムラの目立つ光学異方体となってしまった。
【0103】
【発明の効果】本発明は以上詳述したとおり、高品質で
かつ生産性に優れた液晶表示装置用光学補償板を提供す
ることができるといった効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】重合性液晶混合物を基板間に挟持して配向硬化
物層とする工程(連続処理の場合)
【図2】重合性液晶混合物を基板間に挟持して配向硬化
物層とする工程(枚葉処理の場合)
【符号の説明】
1 重合性液晶混合物とスペーサとを載せ配向処理さ
れた基板 2 可撓性と硬化光透過性を有し配向処理された基板 3 基板貼り合わせ用のロール 4 基板2の搬送方向 5 貼り合わせ用ロール3の回転方向 6 重合性液晶とスペーサが挟持された状態の一対の
基板 7 紫外線硬化装置 8 ヒータ 21 重合性液晶混合物とスペーサとを載せ配向処理さ
れた基板 22 可撓性と硬化光透過性を有し配向処理された基板 23 配基板貼り合わせ用のロール 24 貼り合わせ用ロール23の回転方向 25 基板貼り合わせ用のロール23の移動方向 26,27 重合性液晶とスペーサが挟持された状態の
一対の基板 27 貼り合わせ用ローラ22の回転方向 28 紫外線硬化装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光硬化型の重合性液晶化合物を、液晶配
    向状態において重合硬化させることにより、光学異方体
    を製造する方法において、共に配向処理された表面を有
    するところの一対の基板として、少なくとも一方は直接
    ラビング処理による配向処理が施された透明樹脂フィル
    ムまたはシートからなる透明樹脂基板を用い、かつ少な
    くとも一方は可撓性を有する基板を用いて、少なくとも
    一方の基板の配向処理面上に、重合性液晶化合物を含有
    する重合性液晶混合物を塗布し、一方の基板の重合性液
    晶混合物塗布面と他方の基板の配向処理面とを向かい合
    わせにし、さらに基板間にはスペーサを介した状態で、
    回転ロールを用いて圧力を加えながら一対の基板を貼り
    合わせ、その後重合性液晶化合物を液晶配向状態におい
    て光硬化させて配向硬化物層とし、さらにその後一対の
    基板のうち透明樹脂基板以外の基板は剥離することで、
    光学異方体を製造することを特徴とする光学異方体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 重合性液晶混合物は、アクリレート基お
    よび/またはメタクリレート基を備えた重合性液晶化合
    物を含有する物であることを特徴とする請求項1記載の
    光学異方体の製造方法。
  3. 【請求項3】 重合性液晶混合物は、10〜90℃の温
    度範囲の中では液晶状態となる温度範囲が、少なくとも
    10℃以上の幅であることを特徴とする請求項1〜2の
    いずれかに記載の光学異方体の製造方法。
  4. 【請求項4】 透明樹脂基板は、リタデーションが10
    nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の光学異方体。
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