JPH09281040A - 炭素同位体分析装置 - Google Patents

炭素同位体分析装置

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JPH09281040A
JPH09281040A JP8970996A JP8970996A JPH09281040A JP H09281040 A JPH09281040 A JP H09281040A JP 8970996 A JP8970996 A JP 8970996A JP 8970996 A JP8970996 A JP 8970996A JP H09281040 A JPH09281040 A JP H09281040A
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JP
Japan
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sample cell
temperature
container
adsorption
tube
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Application number
JP8970996A
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English (en)
Inventor
Yoji Azuma
陽二 東
Toshimasa Mori
敏正 森
Kiyonori Okuno
清則 奥野
Akira Nishina
明 西名
Yoshiyo Kezuka
佳代 毛塚
Yasuo Ogawa
康夫 小川
Tetsuya Kimijima
哲也 君島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Radio Co Ltd
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸着剤を用いることで、安価且つ簡便に取り扱
うことが可能な炭素同位体分析装置を提供すること。 【解決手段】吸着剤を入れる吸着管11またはCO2
取キットを用い、前記吸着管11またはCO2 採取キッ
トを所定の減圧状態に維持する。次いで、加熱器12を
付勢してCO2 ガスを脱離せしめて試料セル20中に導
入し、分析部10で12CO2 13CO2 のスペクトル強
度を測定して、その強度比により同位体比を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は試料に光を照射し、
その光吸収スペクトルから炭素同位体を分析する炭素同
位体分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自然界には同位体が僅かに存在し、この
同位体の変化を追跡することにより、医学分野では病気
の診断に、農業分野では光合成の研究や植物の代謝作用
の研究に、地球科学分野においては生態系の解明を図る
ことができる。
【0003】このような用途に利用される同位体として
は、窒素、炭素がある。特に、炭素では、その質量数が
12(以下、単に12Cと略記する)とその質量数が13
(以下、単に13Cと略記する)の安定同位体があり、こ
の安定同位体は放射性同位体のように放射線被爆がなく
取扱が容易である。従って、前記安定同位体を医療分野
で積極的に利用する研究がなされている。
【0004】近年、臨床検査分野において、13C−呼気
検査が期待されている。13C−呼気検査とは、被験者に
13Cを標識した化合物を経口投与し、被験者の呼気を経
時的に採取し、該採取した呼気に含まれる12Cと13Cの
割合(同位体比)を測定し、同位体比の経時変化より被
験者の病態を診断する方法である。
【0005】従来、このような用途を有する炭素同位体
分析装置として、質量分析法と分光分析法を用いた装置
がある。質量分析法を用いた装置(以下、単に質量分析
計と呼ぶ)は、高精度に同位体比を測定できるが、測定
に熟練を要する、高価である等の不都合がある。
【0006】一方、分光分析法を用いた装置は、質量分
析計に比して精度は劣るが、簡便に分析でき、比較的安
価である等の利点がある。分光分析法の中でも、特に、
レーザ光を波長掃引し、12CO2 13CO2 のスペクト
ルを測定して同位体比を求める装置は、高輝度で発振ス
ペクトル幅の非常に狭いレーザ光を用いてスペクトルを
測定するので、高精度な同位体比が求まる。これらの装
置では、予め呼気からCO2 以外のガスを除去してCO
2 濃度を高めた後(前処理)、CO2 を分析する必要が
ある。
【0007】分光分析法を用いた従来の装置を図7に示
す。この装置は、前処理部と分析部からなる。すなわ
ち、図7において、参照符号1は呼気バックを示し、そ
れぞれ参照符号2、3、4はガスの流れを制御するバル
ブを示す。呼気バック1内の吸気、すなわち、ガスはト
ラップ管5でトラップされる。参照符号6は液体窒素を
入れたヂュワー容器、参照符号7は前記ヂュワー容器6
を上下させる上下機構部を示す。この場合、トラップ管
5はヒータ8で加熱される。参照符号9は真空ポンプ、
参照符号10は分光分析法を用いた分析部である。分析
部としては、赤外線分光計{「13C呼気検査に使用され
る測定機器」、RADIOISOTOPES ,41,41−44(1
992)}、レーザ分光計{「レーザ分光法を用いた同
位体分析計と13C−呼気テストへの応用」、13C医学、
3,12−13(1993)}等が使われる。
【0008】次に、この図7の従来技術の装置の動作を
説明する。 バルブ2、4を閉め、バルブ3を開にして真空ポン
プ9でトラップ管5内を真空または減圧する。 バルブ3を閉め、トラップ管5が液体窒素に浸漬す
るように上下機構部7を付勢してヂュワー容器6を上昇
させる。 バルブ2を開き、呼気バック1中のガス(N2 、O
2 、CO2 )をトラップ管5内でトラップする。 バルブ2を閉め、バルブ3を開にしてCO2 (ドラ
イアイス)以外を排気する。 バルブ3を閉め、ヂュワー容器6を下降させ、ヒー
タ8でトラップ管5を加熱し、CO2 をガス化する。 バルブ4を開き、分析部10内の試料セル20に前
記CO2 ガスを導入する。 分析部10で12CO2 13CO2 のスペクトルを測
定し、スペクトル強度比により同位体比を求める。
【0009】このように、前処理部でCO2 を濃縮した
のち、分析部10でCO2 のスペクトルを測定するの
で、吸収強度が大なるスペクトルが得られ、また、
2 、O2ガス等によりスペクトル幅が広がり(圧力
幅)、スペクトルのピーク値が低下する効果がないので
S/N比の高いスペクトルが得られ、その結果、12Cと
13Cとの高精度な同位体比を求めることができる。しか
しながら、この従来の装置によれば、CO2 の濃縮に液
体窒素が必要である。この種の装置は病院、医院等で使
用することを目的としており、医院では液体窒素の入手
は難しく、また使用場所が制約される。さらに、液体窒
素は−196℃と超低温度であるので前処理部の構成が
大規模且つ複雑となり、装置自体の価格が高くなる等、
種々の問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの不都
合を除去するためにCO2 の濃縮に吸着剤を用い、一
方、液体窒素を不要とし、この結果、安価で簡便な炭素
同位体分析装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、分光分析法を用いて炭素の同位体比を
測定する同位体分析装置において、吸着剤を入れる吸着
管と、前記吸着管を加熱する加熱器と、前記吸着管内の
温度を測定する温度センサと、前記温度センサの出力信
号に基づいて前記吸着管の温度を制御する温度制御回路
と、前記吸着管内の圧力を測定する圧力センサと、前記
吸着管内のCO2 ガスを排気する配管および真空ポンプ
と、試料セルを有する分析部とからなり、予めCO2
吸着した吸着剤を前記吸着管に入れ、真空引きした後、
前記吸着管を加熱して脱離したCO2 ガスを分析部の前
記試料セルに導入し、前記分析部で12CO2 13CO2
のスペクトル強度を測定し、その強度比により前記同位
体比を検出することを特徴とする。
【0012】また、本発明は、分光分析法を用いて炭素
の同位体比を測定する同位体分析装置において、CO2
採取管を入れる真空容器と、前記真空容器を加熱する加
熱器と、真空容器内の温度を測定する温度センサと、前
記温度センサの出力信号に基づいて前記真空容器の温度
を制御する温度制御回路と、前記真空容器内の圧力を測
定する圧力センサと、前記真空容器内のガスを排気する
配管および真空ポンプと、試料セルを有する分析部とか
らなり、予めCO2 を吸着したCO2 採取管を真空容器
に入れ、真空引きした後に前記真空容器を加熱して脱離
したCO2 ガスを前記分析部の試料セルに導入し、前記
分析部で12CO2 13CO2 のスペクトル強度を測定
し、その強度比により前記同位体比を検出することを特
徴とする。
【0013】第1の発明によれば、吸着管内に入れた吸
着剤にCO2 を十分に吸着させた後、該吸着管を外気と
遮断した状態にしておく。次に、吸着管内の不要ガスを
吸引除去し、かつ試料セル内も同様に減圧状態に維持す
る。次いで、吸着管を加熱し、前記吸着管内の圧力が設
定圧力になるように加熱して、この設定圧力値下で12
2 13CO2 のスペクトル強度を求める。
【0014】第2の発明によれば、第1の発明に比し、
吸着管に代えて、別体構成されたCO2 採取キットを採
用している。従って、装置構成がより一層簡素化する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は次のような知見に基づ
く。すなわち、室温乃至低温でCO2 を選択的に多量に
吸着し、加熱するとCO2 を脱離する物理的吸着剤とし
て、合成ゼオライト系の吸着剤(以下、単にゼオライト
と呼ぶ)、あるいは活性炭等の吸着剤がある。これらの
吸着剤はペレット状、または粉末状であり、取り扱い易
く、非常に安価である。
【0016】図1に吸着剤としてゼオライトを用いた本
発明の好ましい実施の形態である実験例1を示す。な
お、図7の装置と同一の参照符号は同一の構成要素を示
し、従って、その詳細な説明を省略する。
【0017】参照符号16、17はガスの流れを制御す
るバルブを示し、参照符号9は、この場合、吸着管11
内の不要ガスを外部に排気する油回転真空ポンプ、ダイ
ヤフラム式真空ポンプ等の真空ポンプである。ゼオライ
トを入れた吸着管11はバルブ16と17との間に介装
され、この吸着管11に近接して該吸着管11を加熱す
る加熱器12が設けられる。参照符号13は前記加熱器
12の温度を制御する温度制御回路を示し、また、参照
符号14は吸着管11の温度をセンシングする温度セン
サを示す。吸着管11内の圧力は圧力センサ15によっ
て検出される。参照符号18は実験時に使用する試料採
取容器、参照符号19はガスを通す配管、そして、参照
符号20は試料セルを示している。
【0018】この場合、吸着管11はガラス、金属等の
非ガス透過性、耐熱性のある材料よりなる容器であり、
前記のように、この吸着管11の両端にバルブ16、1
7が設けられている。加熱器12は抵抗加熱ヒータ、赤
外線加熱ヒータ等であってもよい。一方、温度制御回路
13は設定温度値と温度センサ14で検出した温度が常
時一致するように加熱器の電流、電圧を制御する。温度
センサ14はサーミスタ等の熱抵抗型のセンサ、圧力セ
ンサ15はダイヤフラム、あるいは半導体を用いた絶対
圧が測定できるセンサ、配管19は金属・テフロン等よ
りなるパイプ、試料セル20はガラス・金属等よりなる
シングル・パス型およびマルチ・パス型の光吸収セルで
ある。
【0019】以上のように構成される本実施の形態で
は、先ず、ゼオライトを入れた吸着管11を予め多量に
製作しておき、呼気の採取時にはバルブ16、17を開
成し、シリカゲルが入った水分吸着管を通して呼気を吹
き込みゼオライトにCO2 を十分に吸着させる。呼気を
採集した後はバルブ16、17を閉として保持してお
く。分析時には吸着管11を図1のように固定し、以下
の動作で同位体比を測定する。すなわち、 バルブ17を閉めた状態で、バルブ3、4、16を
開成し、真空ポンプ9により吸着管11内のN2 、O2
等の不要ガスを除去し、同時に試料セル20内を真空引
きし、設定圧力(例えば、2〔Torr〕)以下に到達
した後、バルブ3を閉にして真空引きを中止する。 例えば、250℃の設定温度となるように温度制御
回路13により加熱器12を制御する。 圧力センサ15で測定した圧力が設定圧力(例え
ば、50〔Torr〕)以上となった後、バルブ4を閉
にして、分析部で12CO2 13CO2 のスペクトルを測
定し、スペクトル強度比により同位体比を求める。 加熱器12の加熱を停止する。
【0020】このようにして、液体窒素を用いなくても
簡単に呼気に含まれるCO2 の濃縮ができ、装置も加熱
するだけでよいので、安価で簡便な同位体分析装置を得
ることができる。また、液体窒素を用いていないので使
用場所の制約がない。なお、この実施の形態では、分析
部10は、従来例と同様の構成のものが用いられる。ま
た、バルブ3、4、16に電磁バルブを用いて圧力セン
サ15、温度センサ14の値を基に、該バルブ3、4、
16、温度制御回路13等の各制御を自動化してもよ
い。
【0021】このような動作でゼオライトを加熱して呼
気に含まれていたCO2 を回収するが、吸収スペクトル
のS/N比を精度よく測定するにはCO2 の回収率とC
2の濃度を極力高くする必要がある(好ましくは、9
0%以上)。回収率の向上には加熱脱離時の吸着管11
の加熱温度と時間の最適化、吸着管11内の不要ガス除
去時の真空度を低くする必要がある。また、濃度の向上
には前記真空引き時の真空度を高くする必要がある。こ
れらの制御条件を決めるべく、図1に示すように、本発
明の実施の形態にかかる実験例1でCO2 の加熱脱離実
験を行い、試料採取容器18に脱離したガスを採取して
最適制御条件を求めた。 〔実験例1〕予め、呼気を吸着管11に吹き込み4gの
ゼオライトにCO2 を吸着させた吸着管11を用いて、
動作の設定圧力を1、10、100〔Torr〕とし
て、加熱温度250℃で加熱離脱させ、ガス試料採取容
器18により脱離ガスを採取し、CO2 濃度をガスクロ
マトグラフィで分析した結果、真空度を5〜10〔To
rr〕以下にすると90%以上のCO2 濃度が得られる
ことが分かった。 〔実験例2〕予め、濃度100%のCO2 ガスを吸着管
11に流し、4gのゼオライトにCO2 を十分に吸着さ
せた吸着管11を用いて、動作の設定圧力を約0.
1、1.0、2.0〔Torr〕として、加熱温度を2
50℃で加熱脱離せしめ、得られた脱離ガスの圧力より
各設定圧力に対する脱離量を求めた。2.0〔Tor
r〕での脱離量を回収率100%として相対比較する
と、真空度0.1、1.0、2.0〔Torr〕に対す
る回収率は59%、74%、100%となり、真空度
2.0〔Torr〕で回収率が最も高いことが分かっ
た。 〔実験例3〕実験例2と同様の吸着管11を用いて、動
作の設定圧力を2.0〔Torr〕とし、加熱温度を
200℃、250℃、300℃で加熱脱離せしめ、脱離
ガスの圧力より各加熱温度に対する回収率を求めた。こ
こでの回収率は以下のようにした。すなわち、300℃
の場合、加熱時間10分後の回収率を100%、200
℃、250℃の場合、加熱開始16分後に加熱温度を3
00℃に変更して、10分後の回収率を100%とし
た。その結果を図6に示す。加熱時間4〜6分で吸着し
たCO2 の大部分が脱離し、加熱温度200、250、
300℃で加熱時間5分後の回収率はそれぞれ84、9
3、97%が得られた。なお、300℃を大きく越えて
ゼオライトを加熱すると破壊するので、これ以上の高温
加熱を避けた。
【0022】これらの実験により総合的に制御条件を勘
案すると、本実施の形態では、ゼオライトの加熱温度は
250〜300℃、加熱時間は4〜6分、また、真空引
きの真空度は2〜5〔Torr〕が最適である。このよ
うな制御条件は本発明の実施の形態で容易に実現可能な
値であり、実用上、特に問題とならない。
【0023】呼気中のCO2 の採取を図2に示すような
CO2 採取キットで行い、本発明の実施の態様にかかる
実験例1で用いた吸着管11を真空容器に変更し、実験
例2(図4)に示すような構成にすることにより、さら
に簡便に且つ安価に呼気検査ができる。
【0024】すなわち、図2において、参照符号25は
プラスチック等からなるCO2 採取キットの本体を示
し、参照符号26は本体の蓋を示す。本体25の内部に
は呼気中の水分を除去するためのシリカゲル等の水分吸
着剤が入った水分吸着管27と、ゼオライトまたは活性
炭等のCO2 吸着剤が入ったCO2 採取管28とが設け
られる。参照符号29、30は、それぞれ、本体25と
該本体25に被蓋される本体蓋26の通路を閉塞する栓
を示す。本体25は円筒形の容器であり、同様に円筒状
の水分吸着管27、CO2 採取管28を入れる。水分吸
着管27は円筒形の両端に吸着剤粒子が抜けないような
メッシュ状の穴の空いた構造となっている。CO2 採取
管28は耐熱性の高い金属・ガラス等からなり、円筒形
の両端にCO2 吸着剤粒子が抜けないようにメッシュ状
の穴の空いた構造であり、一方、CO2 採取管28内に
は予め加熱されCO2 ガスが十分に脱離された後に、N
2 、He等でパージされたCO2 吸着剤が充填されてい
る。前記本体25の内部に水分吸着管27、CO2 採取
管28を装着した後に本体蓋26で蓋をして、栓29、
30で大気と遮断されている。
【0025】その作用について説明すれば、呼気よりC
2 を採取する場合は、先ず、栓29を外して、栓29
を外した呼気吹込口に口を付け、呼気を本体25内に導
入し、次に栓30を外して十分に呼気を吹き込み、最後
に栓29、30で本体25を密封する。
【0026】図3は本発明の第2の実施の形態にかかる
実験例2であり、この実施の形態において、前記と同様
に、先の実施の形態と同一の構成要素には同一の参照符
号を付し、その詳細な説明を省略する。そこで、真空容
器23には金属、ガラス等の耐熱性のある材料からなる
CO2 採取管28が入れられ、密閉蓋24によってその
開口部が閉成される。参照符号19aは配管を示す。前
記真空容器23は密閉蓋24で蓋をした後、配管19a
を介して真空ポンプ9の付勢下に真空引きすることによ
り該真空容器23内は真空状態となる。加熱器12は前
記真空容器23内を十分に加熱可能である。なお、この
加熱器12は真空容器23の外部に配してもよいし、真
空容器23の内部に配してもよい。
【0027】図4に図3の装置に組み込まれる真空容器
23を例示する。本例では、CO2採取管28の形状が
円筒形であるので、真空容器23内は円筒状の中空の穴
があいており、この穴にCO2 採取管28を入れる。
【0028】このような構造において、CO2 採取管2
8で採取したCO2 は以下の手順で脱離され、同位体比
が測定される。すなわち、 真空容器23内およびその周辺にN2 ガスを満たし
ておき、図2に示すCO 2 採取キットからCO2 採取管
28を取り出し真空容器23に入れ、密閉蓋24で蓋を
する。 バルブ3、4、16を開成し、真空ポンプ9により
真空容器23内のN2 、O2 等の不要ガスを除去すると
共に試料セル20内を真空引きし、設定圧力(例えば、
2.0〔Torr〕)以下になった後、バルブ3を閉に
して真空引きを中止する。 加熱温度(例えば、250℃)を設定し、常にこの
設定温度となるように温度制御回路13により加熱器1
2を制御する。 圧力センサ15で測定した圧力が設定圧力(例え
ば、50〔Torr〕)以上となった後、バルブ4を閉
にして、分析部で12CO2 13CO2 のスペクトルを測
定し、スペクトル強度比により同位体比を求める。 加熱器12の加熱を停止する。
【0029】CO2 採取キットを用いると、実験例1の
吸着管11のバルブ16、17等が不要となり、また、
CO2 採取管28以外は耐熱性が不要なので軽量・安価
で量産に適しているプラスチック類が使用できる。従っ
て、呼気検査におけるCO2の採取が簡便且つ安価に実
施できる。
【0030】なお、本実施の形態では、水分吸着管2
7、CO2 採取管28、真空容器23を円筒形で例示し
たが任意の形状を採用できることは言うまでもない。
【0031】実験例1と2に示した試料セル20を容量
可変の試料セルにすると、さらに回収率が向上し、呼気
検査時の採取呼気量を減らすことができる。これは実験
例1では吸着管11、試料セル20、配管19内を真空
引きした後、また、実験例2では真空容器23、試料セ
ル20、配管19a内を真空引きした後、吸着剤を加熱
してCO2 を脱離しているので、脱離により吸着管11
内および真空容器23内のCO2 の圧力が高くなり、そ
のためにそれ以上の脱離が抑えられる。従って、この時
の圧力を下げれば、さらに脱離量が増加する。
【0032】容量可変の試料セルとして注射器のような
ピストン付きの試料セル、風船の如き伸縮性に富む材質
のものを利用することができる。ここでは図5のような
ピストン付き試料セルを例示して説明する。参照符号2
0aはピストン付きの試料セル、参照符号21はピスト
ン、参照符号22はガス導入・排出口である。
【0033】試料セル20a内の容量は、ピストン21
を退動させると大となり、ピストン21を進動させると
小となる。このような試料セル20aで実験例1での動
作のときにピストン21を退動させて真空引きし、動
作でピストン21を進動させて試料セル20a内の圧
力を上げてスペクトルを測定して分析する。このように
すると、分離時の圧力を低くすることができ且つ分析時
に圧力を高くできる。
【0034】さらに、本実験例1、2で容量可変の試料
採取容器を用いてもよい。容量可変の試料採取容器とし
て容量可変な試料セルと同様に、ピストン付きの試料採
取容器、あるいは風船の如き伸縮性に富む材質のものを
利用することができる。容量可変の試料採取容器を用い
た場合は、実験例1で試料採取容器18の位置に容量可
変の試料採取容器を付け、実験例1での動作で容量可
変の試料採取容器の容量を最大として真空引きし、動作
で容量可変の試料採取容器の容量を最小とし試料セル
20内の圧力を上げてスペクトルを測定する。
【0035】このような容量可変の試料セル・試料採取
容器の使用によりCO2 の回収率を向上させることがで
き、その結果、呼気検査で採取する採取呼気量を減らす
ことができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
安価で扱いやすく容易に吸着・分離ができる吸着剤を用
いてCO2 を濃縮して同位体比を測定可能であるので、
安価で高精度な同位体分析装置が実現でき、また、装置
の使用場所にも制約されない等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すブロック構成
図である。
【図2】図1の装置に組み込まれるCO2 採取キッドの
概略縦断面説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示すブロック構成
図である。
【図4】図3に示す装置に組み込まれる真空容器の概略
斜視説明図である。
【図5】図3に示す装置に適用可能な容量可変タイプの
試料セルの概略縦断面説明図である。
【図6】加熱温度と加熱時間に対するガスの回収率の特
性曲線図である。
【図7】従来の分光分析法を用いた同位体分析装置を示
すブロック構成図である。
【符号の説明】
1…呼気バック 2、3、4、1
6、17…バルブ 5…トラップ管 6…ヂュワー容
器 7…上下機構部 8…ヒータ 9…真空ポンプ 10…分析部 11…吸着管 12…加熱器 13…温度制御回路 14…温度セン
サ 15…圧力センサ 18…試料採取
容器 19、19a…配管 20、20a…
試料セル 21…ピストン 22…ガス導入
・排出口 23…真空容器 24…密閉蓋 25…本体 26…本体蓋 27…水分吸着管 28…CO2
取管 29、30…栓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥野 清則 東京都三鷹市下連雀5丁目1番1号 日本 無線株式会社内 (72)発明者 西名 明 茨城県つくば市大久保10 日本酸素株式会 社内 (72)発明者 毛塚 佳代 茨城県つくば市大久保10 日本酸素株式会 社内 (72)発明者 小川 康夫 東京都港区西新橋一丁目16番7号 日本酸 素株式会社内 (72)発明者 君島 哲也 茨城県つくば市大久保10 日本酸素株式会 社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分光分析法を用いて炭素の同位体比を測定
    する同位体分析装置において、吸着剤を入れる吸着管
    と、前記吸着管を加熱する加熱器と、前記吸着管内の温
    度を測定する温度センサと、前記温度センサの出力信号
    に基づいて前記吸着管の温度を制御する温度制御回路
    と、前記吸着管内の圧力を測定する圧力センサと、前記
    吸着管内のCO2 ガスを排気する配管および真空ポンプ
    と、試料セルを有する分析部とからなり、予めCO2
    吸着した吸着剤を前記吸着管に入れ、真空引きした後、
    前記吸着管を加熱して脱離したCO2 ガスを分析部の前
    記試料セルに導入し、前記分析部で12CO2 13CO2
    のスペクトル強度を測定し、その強度比により前記同位
    体比を検出することを特徴とする炭素同位体分析装置。
  2. 【請求項2】分光分析法を用いて炭素の同位体比を測定
    する同位体分析装置において、CO 2 採取管を入れる真
    空容器と、前記真空容器を加熱する加熱器と、真空容器
    内の温度を測定する温度センサと、前記温度センサの出
    力信号に基づいて前記真空容器の温度を制御する温度制
    御回路と、前記真空容器内の圧力を測定する圧力センサ
    と、前記真空容器内のガスを排気する配管および真空ポ
    ンプと、試料セルを有する分析部とからなり、予めCO
    2 を吸着したCO2 採取管を真空容器に入れ、真空引き
    した後に前記真空容器を加熱して脱離したCO2 ガスを
    前記分析部の試料セルに導入し、前記分析部で12CO2
    13CO2 のスペクトル強度を測定し、その強度比によ
    り前記同位体比を検出することを特徴とする炭素同位体
    分析装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の装置において、試
    料セルを容量可変の試料セルで構成し、CO2 の脱離時
    に試料セルの容量を最大とし、測定時に試料セルの容量
    を最小とすることを特徴とする炭素同位体分析装置。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の装置において、試
    料の採取容量が可変の試料採取容器をさらに有し、CO
    2 の脱離時に試料採取容器の容量を最大とし、測定時に
    試料採取容器の容量を最小とすることを特徴とする炭素
    同位体分析装置。
  5. 【請求項5】請求項1記載の装置において、前記吸着部
    内に入れられる吸着剤はゼオライトであることを特徴と
    する炭素同位体分析装置。
  6. 【請求項6】請求項2記載の装置において、前記装置
    は、さらにCO2 採取キットを有し、該CO2 採取キッ
    トは水分吸着管とCO2 採取管とからなることを特徴と
    する炭素同位体分析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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