JPH09280123A - 内燃機関の燃料供給方法及び装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給方法及び装置

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JPH09280123A
JPH09280123A JP9027649A JP2764997A JPH09280123A JP H09280123 A JPH09280123 A JP H09280123A JP 9027649 A JP9027649 A JP 9027649A JP 2764997 A JP2764997 A JP 2764997A JP H09280123 A JPH09280123 A JP H09280123A
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昭二 宮崎
Sumio Kamiya
純生 神谷
Mamoru Ishikiriyama
守 石切山
信明 ▲高▼澤
Nobuaki Takazawa
Yasushi Takahashi
靖 高橋
Atsushi Hiei
淳 比叡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧燃料噴射ポンプを用いることなく内燃機
関の燃焼状態を改善する。 【解決手段】 燃料タンク11内の燃料を超臨界圧ポン
プ17で超臨界圧力まで昇圧し、ヒータ18aを有する
超臨界状態生成装置18に供給するとともに、超臨界状
態生成装置18内の燃料を超臨界圧燃料噴射ポンプ19
により燃料噴射弁2から機関1の燃焼室内に噴射する。
超臨界状態の燃料は、燃料噴射弁2から噴射されると燃
焼室内に均一に極めて微細な燃料微粒子を形成する。こ
のため、機関1の燃焼状態が大幅に改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料供
給方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃料噴射装置においては、機
関燃焼状態を向上させるために燃料をできるだけ微細な
粒子として機関燃焼室に供給することが要求される。特
に、ディーゼル機関等のように燃焼室内に直接燃料を噴
射する機関では、噴射燃料の粒子の大きさが機関性能に
与える影響が大きいため噴射燃料を微粒化することによ
る燃焼の改善効果が大きい。従来、燃料噴射の際の燃料
微粒化のためには燃料噴射圧力を高め、高圧の状態で燃
料を燃料噴射弁から噴射する高圧燃料噴射が有効とされ
ていた。このため、排気ガス規制や機関の燃費低減の要
求に対応して燃料噴射装置の燃料噴射圧力の高圧化が進
んでおり、例えばディーゼル機関の燃料噴射装置等で
は、燃料を微粒化するために燃料噴射圧力を50MPa
(500気圧)程度の高圧に設定するようにしたものも
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
燃料噴射圧力を高圧化することにより噴射燃料の微細化
を達成するためには、高圧の燃料を供給可能な燃料噴射
ポンプを使用する必要がある。しかし、高圧の燃料噴射
ポンプは高価であるため、噴射燃料の微細化のために燃
料噴射圧力を高圧化すると燃料噴射装置自体のコストが
大幅に上昇する問題がある。また、高圧燃料噴射ポンプ
では吐出圧力を高くするために接液部のクリアランスを
小さく設定する必要があるため、摺動部の摩耗が生じや
すく長期間の使用に対する信頼性が充分でない問題があ
る。
【0004】本発明は、上記問題に鑑み燃料噴射圧力を
高圧化することなく燃焼を改善することが可能な燃料供
給方法及び装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、液体燃料を超臨界状態にし、該超臨界状態の燃
料を内燃機関の燃焼室内に供給する内燃機関の燃料供給
方法が提供される。請求項2に記載の発明によれば、車
両用内燃機関の燃料供給方法であって、車両上で液体燃
料を超臨界状態にして改質を行い、改質後の燃料を内燃
機関の燃焼室に供給する車両用内燃機関の燃料供給方法
が提供される。
【0006】請求項3に記載の発明によれば、さらに、
前記改質後の燃料を超臨界状態として前記内燃機関の燃
焼室に供給する、請求項2に記載の燃料供給方法が提供
される。請求項4に記載の発明によれば、前記内燃機関
はディーゼル機関であり、前記液体燃料は軽油である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料供給方法が
提供される。
【0007】請求項5に記載の発明によれば、前記液体
燃料に、予め含酸素物質を添加する請求項4に記載の燃
料供給方法が提供される。請求項6に記載の発明によれ
ば、液体燃料を貯留する燃料タンクと、該燃料タンクか
ら供給される燃料を内燃機関燃焼室に噴射する燃料噴射
弁と、前記燃料タンクと前記燃料噴射弁との間の燃料供
給経路中に設けられ、前記液体燃料を超臨界状態にする
超臨界状態生成手段と、を備えた内燃機関の燃料供給装
置が提供される。
【0008】請求項7に記載の発明によれば、前記超臨
界状態生成手段は、前記液体燃料を予め定めた圧力に加
圧する加圧手段と、前記液体燃料を予め定めた温度に加
熱する加熱手段とを備えた請求項6に記載の燃料供給装
置が提供される。請求項8に記載の発明によれば、軽油
を内燃機関に供給する方法であって、 軽油を温度400
℃以上、圧力を1.5MPa以上に保持して改質し、 次
いで改質後の軽油を内燃機関に供給する燃料供給方法が
提供される。
【0009】請求項9に記載の発明によれば、軽油を内
燃機関に供給する方法であって、 軽油を温度400℃か
ら550℃の間、圧力を1.5MPa以上に保持して改
質し、 次いで改質後の軽油を内燃機関に供給する燃料供
給方法が提供される。請求項10記載の発明によれば、
軽油を内燃機関に供給する方法であって、 軽油を温度4
00℃以上、圧力を1.5MPa以上に保持して改質
し、 次いで改質後の軽油を未改質の軽油に混合し、該改
質軽油と未改質軽油との混合物を機関に供給する燃料供
給方法が提供される。
【0010】請求項11に記載の発明によれば、軽油を
内燃機関に供給する方法であって、軽油を温度400℃
から550℃の間、圧力を1.5MPa以上に保持して
改質し、 次いで改質後の軽油を未改質の軽油に混合し、
該改質軽油と未改質軽油との混合物を機関に供給する燃
料供給方法が提供される。以下、各請求項の発明の作用
について説明する。
【0011】請求項1の発明では、液体燃料は超臨界状
態にされ、その後燃焼室内に供給される。後述するよう
に超臨界状態に昇温、昇圧することにより、液体燃料は
極めて密度の高い気体になり、液体に近い性質を有する
流体相になる。超臨界状態の流体相は、気体に近い性質
を有しているため、燃料噴射弁から噴射されると拡散、
液化して極めて微細な燃料微粒子を生成する。一方、後
述するように液体燃料の臨界圧力は比較的低く、例えば
軽油では数MPa(数十気圧)程度である。このため、
請求項1の燃料噴射方法では、高圧燃料噴射を行うこと
なく噴射燃料が微細化される。なお、軽油等の液体燃料
は、 種々の炭化水素成分の混合物であり、 各成分はそれ
ぞれ異なる臨界温度、 圧力を有している。 従って、 温度
圧力条件によっては、 液体燃料の全成分が超臨界状態に
ならずに一部の成分のみが超臨界状態になる場合が存在
する。 上記燃料噴射時の際の燃料微細化や、後述する燃
料改質の効果は液体燃料の全部の成分が超臨界状態にな
らない場合、 すなわち一部の成分のみが超臨界状態にな
っている場合でも十分に得ることができる。 このため、
本明細書では特に断らない限り、 上記のように軽油等の
液体燃料の一部の成分のみが超臨界状態になっている場
合も含めて超臨界状態と呼ぶことにする。
【0012】請求項2の発明では、液体燃料を車両上で
超臨界状態にすることにより燃料の改質を行う。例え
ば、軽油等の液体燃料は分子量の大きい直鎖状飽和炭化
水素、芳香族成分等の重質成分を多く含むが、これら重
質成分は燃焼室内で燃焼しにくく、パティキュレート
(排気微粒子)となって排気とともに排出される。とこ
ろが、これらの重質成分は超臨界状態では比較的低温
(例えば400℃程度)で分解し、分子量の小さい直鎖
状飽和炭化水素等の軽質成分を生成する。請求項2の発
明では、供給された液体燃料は車両上で超臨界状態に保
持されて軽質成分を多く含む燃料に改質される。このた
め、改質後の燃料を燃焼室に供給することにより機関の
燃焼状態が向上する。
【0013】請求項3の発明では、請求項2の方法で改
質された軽質成分を多く含む燃料は、更に超臨界状態と
されて内燃機関の燃焼室に供給される。このため、請求
項3の発明では改質による軽質成分の増加と超臨界状態
での燃料噴射による噴射燃料の微粒化との両方の作用に
より機関燃焼状態が向上する。請求項4の発明では、請
求項1から3の発明が、軽油を燃料として用いるディー
ゼル機関に適用される。これにより、ディーゼル機関の
燃焼状態が向上する。
【0014】請求項5の発明では、請求項4の発明にお
いて液体燃料に予め含酸素物質が添加される。ここで、
含酸素物質とは水、メタノール等のように、酸素または
水酸基(OH)- を含む物質をいう。含酸素物質を液体
燃料に添加した燃料を燃焼させることにより燃焼時に芳
香族成分の生成が抑制され、燃焼状態が向上するととも
に、超臨界状態の燃料改質時の直鎖状重質成分の分解の
際の芳香族成分の生成が抑制され改質後の燃料の燃焼の
際のパティキュレートの発生が減少する作用が得られ
る。
【0015】請求項6の発明では、燃料タンクに貯留さ
れた燃料は燃料噴射弁から噴射される前に超臨界状態生
成手段により超臨界状態にされる。これにより、燃焼室
内への燃料の超臨界状態での供給と、燃料の超臨界状態
での改質とのいずれか一方または両方が行われる。請求
項7の発明では、請求項6の超臨界生成手段は加圧手段
と加熱手段とを備えており、液体燃料は臨界圧力以上の
圧力と臨界温度以上の温度になるように加圧及び加熱さ
れ超臨界状態に到達する。
【0016】軽油を超臨界状態にして改質する場合、重
質成分は圧力1.5MPa以上、温度400℃以上の条
件であれば分解して軽質成分を生成することが判明して
いる。請求項8の発明では、軽油を温度400℃以上、
圧力1.5MPa以上に保持し改質してから内燃機関に
供給するようにしたことにより、軽質成分を多く含む燃
料を機関に供給し、機関燃焼状態を向上させることが可
能となる。
【0017】一方、軽油を超臨界状態で改質する場合、
改質時の温度を高く設定すると重質の直鎖状飽和炭化水
素が分解する際に、芳香族成分が生成される場合があ
る。実験によれば、軽油改質時の芳香族成分は温度55
0℃以上の条件で軽油を改質した場合に多く発生するこ
とが判明している。そこで、請求項9の発明では、軽油
を温度400℃から550℃の間、圧力を1.5MPa
以上に保持して改質することにより、改質時の芳香族成
分の生成を抑制しつつ重質の直鎖状飽和炭化水素成分を
分解するようにしている。
【0018】また、上記のように超臨界状態で改質した
軽油は、未改質の軽油に較べてセタン価はほぼ同等であ
りながら動粘度が大幅に低下し、揮発性が大幅に増大す
ることが判明している。従って、改質後の軽油を未改質
の軽油に燃焼助剤として添加することにより、燃焼室内
における軽油の初期燃焼を促進し、 機関の燃焼状態を向
上させることができる。また、改質軽油を燃焼助剤とし
て未改質軽油に混合する場合には、例えば、 改質軽油を
混合後の重量比で1パーセントから30パーセント程度
の範囲で添加すれば燃焼改善の効果が得られることが判
明している。そこで、請求項10と請求項11との発明
では、超臨界状態で改質した軽油を未改質軽油に混合し
たものを内燃機関に供給することにより、内燃機関の燃
焼状態を向上させる効果を得ている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明するが、具体的な実施形態の説明
に入る前に、液体燃料の超臨界状態について説明する。
超臨界状態は物質を臨界圧力以上の圧力下で臨界温度以
上の温度にまで昇温することにより得られる状態であ
る。超臨界状態まで液体を昇圧昇温することにより液体
は気体に相変化するが、超臨界状態での気体は極めて高
い密度を有するため液体に近い物性を示すようになる。
すなわち、超臨界状態にすることにより、液体は気体と
液体との中間の物性を示す超臨界状態の流体になる。超
臨界状態の流体は、極めて高密度の気体であるためエネ
ルギ密度が大きい状態になっており、種々の特異な性質
を示す。
【0020】例えば、液体燃料を超臨界状態にしてノズ
ルからより低い圧力、温度雰囲気の燃焼室内に噴射する
と、通常の液体燃料を高圧で噴射した場合よりはるかに
微細な燃料粒子が燃焼室内に均一に形成される。超臨界
状態の液体燃料はノズルから噴射される過程で、温度ま
たは圧力が臨界値より低い亜臨界状態になり、一部が通
常の気体になり燃焼室内に拡散するとともに、一部が気
相から液相に変化して燃焼室内に微細な燃料液滴を形成
するようになる。この場合、通常の液体燃料を高圧で噴
射して機械的衝撃によって微粒化する場合に較べて、気
相から液相への相変化(凝縮)により形成される液滴の
粒子サイズは極めて小さくなり、しかも気体としての性
質を持つ超臨界状態の液体燃料は瞬時に燃焼室内に拡散
するため気相から液相への変化による液滴の形成は燃焼
室内全体で発生する。このため、超臨界状態とした液体
燃料を燃焼室内に噴射することにより、燃焼室内全体に
極めて微細な燃料微粒子を均一に形成することができ
る。
【0021】また、後述するように、例えば軽油等では
臨界圧力は数MPa(数十気圧)程度と比較的低い。こ
のため、液体燃料を超臨界状態として噴射することによ
り、50MPa(500気圧)程度まで燃料噴射圧力を
上げて高圧噴射を行う場合に較べて十分の一或いはそれ
以下の圧力で、高圧噴射の場合よりはるかに微細な燃料
微粒子を燃焼室内全体に均一に生成させることができ
る。
【0022】また、超臨界状態の噴射により生成される
燃料微粒子は気相から液相への変化により放出される潜
熱のために大きなエネルギを有しており反応性の高い状
態になっている。更に、前述のように超臨界状態から噴
射された燃料は、極めて微細な粒子となり燃焼室内の空
気と均一に混合する。このため、超臨界状態の噴射によ
り燃焼室内に生成された燃料微粒子は、高エネルギを持
ち十分に酸素が供給された状態となることから、着火及
び燃焼状態が極めて良好になる。このように噴射された
燃料の燃焼状態が良好になり完全に燃焼することから、
排気とともに排出される未燃燃料の量が低減され従来よ
り少量の燃料で同一の出力を得ることが可能となる。
【0023】図4は、軽油を例にとった場合の超臨界状
態の生成に必要とされる圧力温度条件を説明する図であ
る。一般に軽油は炭素数11から20程度の直鎖状飽和
炭化水素(n−パラフィン)成分と炭素数10から20
程度の芳香族(アルキルベンゼン)成分との混合物であ
る。一般に、臨界圧力と臨界温度は物質毎に異なってお
り、軽油中の各成分もそれぞれ異なる臨界圧力、温度を
有している。
【0024】図4はn−パラフィンとアルキルベンゼン
とについて、炭素数による臨界圧力と臨界温度との変化
を示した図であり、図4の縦軸は各成分の臨界圧力を、
横軸は臨界温度を、それぞれ示している。図4に示すよ
うに、一般には臨界温度は炭素数の多い成分程高くな
り、臨界圧力は炭素数の多い成分程低くなる傾向を示し
ている。また、一般にn−パラフィン成分の臨界圧力と
臨界温度とはそれぞれ同一の炭素数のアルキルベンゼン
成分の臨界圧力と臨界温度とよりそれぞれ低くなる傾向
を示す。
【0025】図4に斜線で示した領域A、Bは、それぞ
れ軽油に含まれるn−パラフィン成分とアルキルベンゼ
ン成分との炭素数の範囲を示している。図4から判るよ
うに、軽油の全成分が完全に超臨界状態になるために
は、温度、圧力条件が図4にSC1で示した領域(圧力
が3〜6MPa以上、温度が400〜500℃以上)に
なっている必要がある。しかし、実際には上述の噴射燃
料の微細化の効果を得るためには必ずしも軽油の全成分
が超臨界状態になっている必要はなく、一部の成分のみ
が超臨界状態になっているだけでも十分に噴射燃料の微
細化の効果が得られることが判っている。従って、実際
には軽油中のn−パラフィン成分或いはアルキルベンゼ
ン成分の一部のみが超臨界状態になるような温度圧力条
件(例えば、圧力1MPa以上、または温度300℃以
上程度)でも噴射燃料の微細化の効果を得ることができ
る。なお、図4から判るように、成分の炭素数が増える
程臨界温度は高くなり、逆に臨界圧力は成分の炭素数が
増える程低くなることから、成分の一部のみを超臨界状
態にする場合には、一般に温度を高くするほど圧力を低
くすることができる。
【0026】上述のように、軽油を超臨界状態として燃
焼室内に噴射することにより、従来の高圧燃料噴射の場
合(例えば50MPa程度)に較べて十分の1程度の圧
力で(軽油成分の一部のみを超臨界状態にする場合には
更に低い圧力で)噴射燃料をより微細化し、高圧燃料噴
射の場合より更に燃焼状態を改善できる。このため、超
臨界状態で液体燃料を噴射するこにより、燃料噴射ポン
プの吐出圧力は高圧噴射の場合より大幅に低く設定で
き、燃料噴射ポンプのコストを低減するとともに、燃料
系機器の耐久性を向上させることが可能となる。
【0027】液体燃料を超臨界状態にして噴射すること
により燃料粒子を微細化して燃焼状態を改善できること
を上記に説明したが、液体燃料を超臨界状態に一定時間
保持することにより、上記の他に燃料の重質成分を軽質
成分に転換して燃料を改質する効果が得られることが知
られている。図5は、超臨界状態における燃料の改質効
果を説明する図である。図5の横軸は軽油を一定時間超
臨界状態に保持した場合の軽油中の各炭素数のn−パラ
フィン成分の濃度変化を示している。図5の例は軽油を
温度400〜500℃、4〜5MPa(40〜50気
圧)の状態に20分程度保持した場合の各成分の濃度変
化を示しており、図5の縦軸は濃度の増減を、横軸は成
分の炭素数を表している。図5の例では、軽油を一定時
間超臨界状態に保持した結果重質n−パラフィン成分
(炭素数13以上の成分)の濃度がいずれも減少し、代
わりに軽質n−パラフィン成分成分(炭素数12以下の
成分)の濃度が増加していることが判る。また、このn
−パラフィン成分の改質効果は、超臨界状態に保持する
際の温度、圧力が高く保持時間が長いほど顕著であるこ
とが判明している。
【0028】実験によれば、上記重質n−パラフィン成
分の改質効果を得るためには、圧力を1.5MPa以上
に保持することが好ましいことが判明している。図7
は、軽油を5MPaの圧力下で温度と保持時間とを変え
て処理した結果を示している。図7に示す表で、文字C
は処理によって軽油の重質n−パラフィン成分量に変化
がなかった処理条件を、文字Bは重質n−パラフィン成
分量がわずかに減少した処理条件を、また文字Aは重質
n−パラフィン成分量が減少した処理条件を示してい
る。図7から判るように、軽油を圧力5MPaの下で改
質した場合温度が400℃以上であれば改質効果が得ら
れる(すなわち、軽油中の重質n−パラフィン成分が減
少する)。
【0029】また、図7に示すように、圧力が一定であ
れば、改質のために必要な処理時間は、処理温度が高い
ほど短くなる。例えば、図7において温度が400℃の
場合には重質成分を減少させるためには処理時間として
120分以上が必要とされるが、温度475℃以上の場
合には1分以下の処理時間で重質成分を減少させること
ができる。
【0030】ところが、一方では軽油の超臨界改質処理
の際に処理温度と圧力とを高くすると分解した重質のn
−パラフィン成分によりアルキルベンゼン成分が生成さ
れ、アルキルベンゼン成分の量が増加することが確認さ
れている。図6は、図5と同一の軽油を温度600℃、
圧力5MPaに20分程度保持した場合の軽油中の各炭
素数のアルキルベンゼン成分の濃度変化を示す図であ
る。図6に示すように、温度、圧力が高い場合にはアル
キルベンゼン成分が増大しており、重質のn−パラフィ
ン成分がアルキルベンゼン成分に転換されていることが
判る。
【0031】一般に軽油中の重質のn−パラフィン成分
やアルキルベンゼン成分が増加すると、排気中のパティ
キュレートの量が増加する。特に、重質のアルキルベン
ゼン(例えばベンゼン環が2つ以上のアルキルベンゼ
ン)は排気中のパティキュレート量を増大させる。この
ため、超臨界改質処理により軽油中のアルキルベンゼン
成分が増大することは好ましくない。
【0032】図8は、軽油を5MPaの圧力で温度と圧
力とを変えて超臨界処理したときの結果を示している。
図8の表中、文字Cは処理により軽油中のアルキルベン
ゼン成分が増大した処理条件を、文字Bはわずかに軽油
中のアルキルベンゼンが増大した処理条件を、また、文
字Aは軽油中のアルキルベンゼンが増加しなかった処理
条件を、それぞれ表している。
【0033】図8に示すように、超臨界処理時の圧力を
5MPaに維持した場合、処理温度を550℃以上とす
ると処理時間を1分とした場合でもアルキルベンゼン成
分の増大が生じる。しかし、処理温度が低くなるほど処
理時間を長くしてもアルキルベンゼン成分の増大が生じ
なくなる。図7と図8の結果を考慮すると、超臨界処理
の際に、例えば圧力を1.5MPa以上で温度を400
℃以上550℃以下とすれば、重質n−パラフィン成分
を減少させ、すなわち軽油を改質し、しかもアルキルベ
ンゼン成分の増大を抑制することができる処理時間条件
が存在することがわかる。
【0034】また、上記のように超臨界処理時の温度圧
力条件をアルキルベンゼン成分が増大しにくい条件に保
持すること以外にも、アルキルベンゼン成分の増大を抑
制するためには、軽油に予め水やメタノール等の含酸素
物質(酸素や水酸基成分を含む物質)を添加する事が有
効である。軽油に対して数パーセントから十数パーセン
トの比率の水またはメタノールを添加して超臨界改質処
理を行うことにより、分解した重質n−パラフィン成分
がアルキルベンゼン成分に転換されることが抑制され
る。また、軽油中のn−パラフィン成分は燃焼の際にも
少量のアルキルベンゼン成分を生成することが知られて
いるが、軽油に予め上記の含酸素成分を添加することに
より燃焼時のアルキルベンゼン成分の生成を抑制し、排
気中のパティキュレートの量を有効に低減することがで
きる。
【0035】次に、上記超臨界改質を行った場合の軽油
の他の物性の変化について説明する。図9は、未改質の
軽油(JIS JTD−5)の物性と、この軽油を圧力
5MPa、温度400から550℃で超臨界改質処理し
た改質油の物性とを示している。図9から判るように、
改質処理によって軽油のセタン価はほとんど変化してい
ないにもかかわらず動粘度と引火点とは大幅に低下して
いる。このことは、改質後の軽油を機関燃焼室に噴射し
た場合に、噴射された軽油は動粘度が低いために未改質
の軽油より微細な液滴を形成し、しかも引火点が低下す
るために着火も容易になることを意味している。
【0036】更に、図9に示すように、改質油はセタン
価を未改質油と同等に維持しながら、初留点、引火点と
も未改質油に較べて大幅に低下している。このことは、
改質油は未改質油と同等のセタン価を有しながら、未改
質油にくらべて高度に揮発性になっていることを意味し
ている。このため、超臨界改質処理により改質した軽油
を、通常(未改質)の軽油に添加することにより、軽油
の燃焼室内での初期燃焼を促進することができる。すな
わち、改質後の軽油は通常の軽油に添加する燃焼助剤と
して使用することが可能である。実験によれば、改質油
が混合後の重量比で1パーセント程度以上になるよう
に、好ましくは5%以上になるように通常の軽油に添加
すれば、燃焼助剤としての効果を充分に得ることができ
ることが判明している。
【0037】次に、液体燃料を超臨界状態として内燃機
関の燃焼室内に噴射するための燃料噴射装置の具体的構
成について説明する。図1は、本発明の燃料噴射装置の
一実施形態の構成を示す概略図である。図1において、
1はディーゼル機関、2はディーゼル機関の各燃焼室内
に超臨界状態の軽油を噴射する燃料噴射弁、11は機関
1の燃料(軽油)を貯留する燃料タンクを示す。また、
図1において13は、燃料タンク11内の燃料を噴射用
燃料タンク15に圧送する燃料供給ポンプを示してい
る。更に、図1の17は噴射用燃料タンク15内の燃料
を臨界圧力以上の所定圧力まで昇圧して超臨界圧燃料噴
射ポンプ19に供給する臨界圧ポンプ、18は超臨界圧
燃料噴射ポンプ19から燃料噴射弁2に供給される燃料
を臨界温度以上の温度に加熱する、電気ヒータ等のヒー
タ18bを備えた超臨界状態生成装置である。
【0038】液体燃料は、噴射用燃料タンク15から臨
界圧ポンプ17により、例えば3〜6MPa程度の臨界
圧力に昇圧され、後述するように超臨界圧燃料噴射ポン
プ19内の弁体19a内の通路19hを通って超臨界状
態生成装置18内の加熱室18aに流入し、ヒータ18
bにより臨界温度以上の温度(例えば400〜550℃
程度)に加熱され超臨界状態になる。また、燃料噴射時
期になると超臨界圧燃料噴射ポンプ19内のプランジャ
19bにより加熱室内18a内の燃料は更に増圧され
る。これにより、燃料圧力が燃料噴射弁2の開弁圧を越
えると加熱室18a内の超臨界状態の燃料が燃料噴射弁
2から噴射され、機関燃焼室内に極めて微細な燃料微粒
子が均一に形成される。
【0039】図2は、図1の超臨界圧燃料噴射ポンプ1
9の概略構造を示す図である。図19において、19d
は円筒状のシリンダ、19aはソレノイドアクチュエー
タ19cに駆動されシリンダ19d内を滑動するスプー
ル、19bは機関1のカム軸(図示せず)により駆動さ
れシリンダ19d内を往復動するプランジャ、19eは
スプール19aとプランジャ19bとによりシリンダ内
に画定される加圧室である。プランジャ19bのストロ
ークは、図示しないガバナーにより機関1の負荷に応じ
て調節される。
【0040】プランジャ19bの下降中、スプール19
aはソレノイド19cにより、図2に示した下降位置に
移動され、臨界圧ポンプ17から配管21を通して圧送
される燃料は、ポート21a及びスプール19a内の通
路19hを通り、ポート24aから配管24を介して直
接超臨界状態生成装置18の加熱室18aに供給され
る。また、臨界圧ポンプ17からの燃料の一部は配管2
2、ポート22aから加圧室19e内に供給される。ま
た、プランジャ19bが所定位置まで下降するとポート
23aが開口し、19eに供給された余剰の燃料はリタ
ーン配管23を通じて燃料タンク11に還流する。図1
に23bで示すのは、リターン配管23を通じて還流す
る燃料を冷却するための冷却水ジャケットである。
【0041】次に、プランジャ19bが上昇を開始し、
ポート23a、22aがプランジャ19bにより閉鎖さ
れると加圧室19e内の燃料の圧力がプランジャ19b
の上昇により増大する。この状態で、燃料噴射弁2から
の燃料噴射時期になると、スプール19aはソレノイド
19cにより上昇位置に移動され、前述の通路19hは
閉鎖され、代わりにスプール19a内の別の通路19j
がポート24aに連通する。この状態では、プランジャ
19bにより増圧された加圧室19e内の燃料が通路1
9j、ポート24を通り加熱室18a内に流入し、加熱
室18a内の燃料の圧力は更に上昇する。なお、プラン
ジャ19bの通路19jには、逆止弁19kが設けられ
ており、通路19jから加圧室19eに加熱室18a内
の燃料が逆流することを防止している。
【0042】プランジャ19bの上昇により、加熱室1
8a内の燃料圧力が燃料噴射弁2の開弁圧より高くなる
と、前述のように燃料噴射弁2から加熱室18内の燃料
が噴射される。ついで、プランジャ19bが下降を開始
すると加熱室18a内の圧力は低下し、圧力が燃料噴射
弁2の開弁圧より低下すると燃料噴射弁2が閉弁し燃料
噴射が終了する。また、このとき逆止弁19kが閉弁す
るため、加熱室18a内の燃料圧力は臨界圧以上に維持
され、加熱室18a内の燃料は超臨界状態のままに保持
される。ついで、スプール19aは図2の下降位置に移
動され、再度上述した燃料噴射サイクルが開始されるこ
とになる。なお、加熱室18aの容積を適宜に選択する
ことにより、加熱室18a内の燃料の滞留時間を任意に
設定することができ、ヒータ18bにより燃料温度が十
分に臨界温度に昇温する時間を確保することができる。
【0043】図1の装置により、機関1の燃焼室内に超
臨界状態の液体燃料を噴射することが可能となる。な
お、燃料噴射弁2の開弁圧力及び加熱室18a内の温度
は液体燃料の全成分が完全に超臨界状態になる圧力と温
度(例えば、軽油の場合圧力が3〜6MPa以上、温度
が400〜500℃以上)に設定することが好ましい
が、前述のように、成分の一部のみが超臨界状態になる
圧力、温度に設定した場合でも燃料の微細化の効果を十
分に得ることができる。また、燃料タンク11内の軽油
には、予め水、メタノール等の含酸素物質を添加して燃
焼によるアルキルベンゼンの生成を抑制するようにする
ことも可能である。
【0044】次に、図3を用いて液体燃料を超臨界状態
で改質するための具体的な装置構成例を説明する。図3
は、燃料タンク11に供給された液体燃料を超臨界状態
で改質して機関1の燃焼室に噴射する場合の装置の概略
構成を示す。図3において、図1と同一の参照符号は図
1と同一の要素を示している。図3の実施形態では、燃
料タンク1から燃料を超臨界改質器31に供給する第2
の臨界圧ポンプ33が設けられている点、及び図1の噴
射用燃料タンク15の代わりに、改質後の燃料を貯留す
る改質燃料タンク35が設けられている点が図1の実施
形態と相違している。本実施形態では、第2の臨界圧ポ
ンプ33は、3〜6MPa程度の圧力で燃料を超臨界改
質器31に供給する。超臨界改質器31は、ヒータ31
aと、このヒータ31aにより燃料を加熱するための燃
料加熱通路31bを備えている。燃料は、改質器31内
の加熱通路31bを流れる間にヒータ31aにより加熱
され、臨界温度を越えて超臨界状態になる。また、通路
31b内の燃料の流速(滞留時間)は流量制御弁37に
より調節される。本実施形態では、燃料を400〜60
0℃程度の温度で20分程度の時間改質器31の通路3
1b内に保持するように、流量制御弁37とヒータ31
aの容量を設定している。これにより、燃料は改質器3
1内の通路31bを通過する際に改質され、改質後の燃
料が改質タンク35に貯留されるようになる。
【0045】また、本実施形態では、改質タンク35内
の燃料は、図1の実施形態と同様に臨界圧ポンプ17、
超臨界圧燃料噴射ポンプ19、超臨界状態生成装置18
により再度超臨界状態にされ、燃料噴射弁2から機関燃
焼室内に噴射されるが、これらの装置の構成、作用は図
1のものと同一であるのでここでは説明を省略する。本
実施形態によれば、改質器31は燃料タンク11から燃
料噴射弁2への燃料供給経路内に配置されるため、例え
ば車両用内燃機関では燃料の改質を車両上で行うことが
できる。このため、特別な改質燃料を車両に供給する必
要がないので、燃料補給のための特別な給油設備が不要
になるという利点がある。
【0046】なお、本実施形態では、改質後の燃料を再
度超臨界状態にして噴射しているが、改質後の燃料を通
常の燃料噴射ポンプを用いて液体のままで噴射するよう
にしても、燃料の改質による燃焼改善効果が得られるこ
とはいうまでもない。また、図3の超臨界改質器31の
流量制御弁37の代わりにタイマで開閉される遮断弁を
設け、改質器31内の燃料をバッチ処理で改質するよう
にすることも可能である。 更に、本実施形態において
も燃料タンク11内の燃料に予め水、エタノール等の含
酸素物質を添加することにより、改質器31内での、及
び改質後の燃料の燃焼の際の、アルキルベンゼン成分の
生成を抑制し燃焼状態を更に改善することが可能であ
る。
【0047】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、液体燃
料を超臨界状態にすることにより、機関燃焼状態を大幅
に改善し、排気の清浄化と燃費の低減とを同時に達成す
ることを可能とする共通の効果が得られる。すなわち、
請求項1に記載の発明によれば、超臨界状態で燃料を燃
焼室内に供給することにより、高圧の噴射ポンプを使用
することなく燃焼室内に極めて微細な燃料微粒子を形成
することができるため、機関燃焼状態が大幅に改善され
る。
【0048】また、請求項2に記載の発明によれば、超
臨界状態で改質処理した燃料を機関に供給することによ
り、機関燃焼状態が大幅に改善される。更に、請求項3
に記載の発明によれば、請求項2において改質した燃料
を更に超臨界状態として燃焼室に供給するようにしたた
め、請求項2の効果に加えて、更に燃焼状態を改善する
ことができるという効果が得られる。
【0049】また、請求項4に記載の発明では、請求項
1から3のいずれかをディーゼル機関に適用することに
より、ディーゼル機関の排気の清浄化と燃費の低減とを
同時に達成することを可能とする効果が得られる。更
に、請求項5の発明によれば、請求項4において液体燃
料に予め含酸素物質を添加することにより、請求項4の
効果に加えて燃焼時のパティキュレートの発生を効果的
に抑制できるという優れた効果を得ることができる。ま
た、請求項6と7の発明によれば、請求項1から4に記
載した発明を、車両用の機関に適用する場合に、車両上
で燃料の超臨界状態を生成することが可能となり、前述
の各請求項の効果を達成することができる。
【0050】更に請求項8と9の発明によれば、超臨界
状態で軽油を改質する際に適切な条件が設定され、機関
の燃焼状態が向上する効果が得られる。また、請求項1
0と11の発明によれば、超臨界状態で改質した軽油を
未改質の軽油の燃焼助剤として使用することにより、機
関燃焼状態を向上させることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示す略示図であ
る。
【図2】図1の超臨界圧燃料噴射ポンプの構成を説明す
る図である。
【図3】本発明の図1とは別の実施形態の構成を示す略
示図である。
【図4】軽油に含まれる各成分の臨界圧力と臨界温度と
を示す図である。
【図5】超臨界状態における軽油の改質結果を説明する
図である。
【図6】超臨界状態における軽油の改質結果を説明する
図である。
【図7】超臨界状態における軽油の改質結果を説明する
図である。
【図8】超臨界状態における軽油の改質結果を説明する
図である。
【図9】超臨界状態における軽油の改質結果を説明する
図である。
【符号の説明】
1…内燃機関 17…臨界圧ポンプ 18…超臨界状態生成装置 19…超臨界圧燃料噴射ポンプ 31…超臨界改質器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼澤 信明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 高橋 靖 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 比叡 淳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体燃料を超臨界状態にし、該超臨界状
    態の燃料を内燃機関の燃焼室内に供給する内燃機関の燃
    料供給方法。
  2. 【請求項2】 車両用内燃機関の燃料噴射方法であっ
    て、車両上で液体燃料超臨界状態にして改質を行い、改
    質後の燃料を内燃機関の燃焼室に供給する車両用内燃機
    関の燃料供給方法。
  3. 【請求項3】 さらに、前記改質後の燃料を超臨界状態
    として前記内燃機関の燃焼室に供給する、請求項2に記
    載の燃料供給方法。
  4. 【請求項4】 前記内燃機関はディーゼル機関であり、
    前記液体燃料は軽油である、請求項1から3のいずれか
    1項に記載の燃料供給方法。
  5. 【請求項5】 前記液体燃料に、予め含酸素物質を添加
    する請求項4に記載の燃料供給方法。
  6. 【請求項6】 液体燃料を貯留する燃料タンクと、 該燃料タンクから供給される燃料を内燃機関燃焼室に噴
    射する燃料噴射弁と、 前記燃料タンクと前記燃料噴射弁との間の燃料供給経路
    中に設けられ、前記液体燃料を超臨界状態にする超臨界
    状態生成手段と、 を備えた内燃機関の燃料供給装置。
  7. 【請求項7】 前記超臨界状態生成手段は、前記液体燃
    料を予め定めた圧力に加圧する加圧手段と、前記液体燃
    料を予め定めた温度に加熱する加熱手段とを備えた請求
    項6に記載の燃料供給装置。
  8. 【請求項8】 軽油を内燃機関に供給する方法であっ
    て、 軽油を温度400℃以上、圧力を1.5MPa以上に保
    持して改質し、 次いで改質後の軽油を内燃機関に供給す
    る燃料供給方法。
  9. 【請求項9】 軽油を内燃機関に供給する方法であっ
    て、 軽油を温度400℃から550℃の間、圧力を1.5M
    Pa以上に保持して改質し、 次いで改質後の軽油を内燃
    機関に供給する燃料供給方法。
  10. 【請求項10】 軽油を内燃機関に供給する方法であっ
    て、 軽油を温度400℃以上、圧力を1.5MPa以上に保
    持して改質し、 次いで改質後の軽油を未改質の軽油に混
    合し、該改質軽油と未改質軽油との混合物を機関に供給
    する燃料供給方法。
  11. 【請求項11】 軽油を内燃機関に供給する方法であっ
    て、 軽油を温度400℃から550℃の間、圧力を1.5M
    Pa以上に保持して改質し、 次いで改質後の軽油を未改
    質の軽油に混合し、該改質軽油と未改質軽油との混合物
    を機関に供給する燃料供給方法。
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