JPH09279460A - 一方向伸縮性不織布およびその製造方法、並びにこの不織布を用いたおむつ,生理用品 - Google Patents

一方向伸縮性不織布およびその製造方法、並びにこの不織布を用いたおむつ,生理用品

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JPH09279460A
JPH09279460A JP8116797A JP11679796A JPH09279460A JP H09279460 A JPH09279460 A JP H09279460A JP 8116797 A JP8116797 A JP 8116797A JP 11679796 A JP11679796 A JP 11679796A JP H09279460 A JPH09279460 A JP H09279460A
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JP
Japan
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nonwoven fabric
elongation
diaper
stretchable nonwoven
fabric
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JP8116797A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Nakagami
博行 中上
Hiroyuki Mitsuzuka
裕之 三塚
Yasunori Ikuga
康則 生賀
Shunei Okuno
俊英 奥野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一方向だけ伸縮性を有する不織布を提供し、
かつ、その簡便で効率的な製造方法を提供すること、さ
らに横漏れ防止性能および製造機械特性に優れたおむ
つ、生理用品を提供する。 【解決手段】 主としてポリオレフィン系樹脂の繊維か
ら構成し、一方向の伸び率を5〜70%とし、かつ、そ
れと直交する方向の伸び率を100〜500%とし、ま
た、一方向およびそれと直交する方向の10%伸長回復
率の比(SMD/STD)を0.9以下とし、さらに、
一方向およびそれと直交する方向の10%伸び応力の比
(FMD/FTD)を10以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一方向伸縮性不織布
およびその製造方法、並びにこの不織布を用いたおむ
つ,生理用品に関する。さらに詳しくは、一方向だけ伸
縮性を有するおむつ,生理用品用部材、たとえば、ウエ
ストバンド、(延長テープ、サイドフラップとも呼称さ
れる)、ファスニングテープ、立体ギャザー、トップシ
ート、バックシート等に好適に用いられる一方向伸縮性
不織布およびその製造方法、並びにこの不織布を用いた
おむつ,生理用品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、おむつ,生理用品用部材、たとえ
ば、バックシート、ウエストバンド(延長テープ、サイ
ドフラップとも呼称される)、ファスニングテープ、立
体ギャザー等に用いられる不織布は、伸縮性に優れると
共に、おむつ製造機等に対する機械(ハンドリング)適
性から、製造ラインの流れる方向には伸びの少ない素材
が好ましいため、一方向だけの伸縮性が求められてい
る。たとえば、ウエストバンドは、おむつ等を装着して
最後に止めるためのバンドであり、横方向には容易に伸
び、かつ適度に張力をかけてバンドを伸ばしても、張力
フリーにすると縮む必要がある。また、パンツタイプの
使い捨ておむつや生理用ナプキンの付加価値を更に高め
るため新たに***液吸収体の両側に横漏れ防止用の立体
ギャザー付きのものが商品化されている。横漏れ防止性
能は、立体ギャザー材料の溌水性能と身体との密着性、
追従性に依存する。現行品は、非伸縮性のPRスパンボ
ンド不織布やPPメルトプローン不織布の端部に糸ゴム
を付けることにより、立体ギャザーと肌との密着性を高
めて横漏れ防止を図ろうとしている。しかし、運動によ
り、おむつがずれたりすると立体ギャザーと身体の間に
隙間ができて横漏れ防止性能が低下するおそれがある。
対策として、糸ゴムの弾性を強化する方法があるが、皮
膚への締めつけ力が強くなり圧迫感が増大し、皮膚を傷
めるので好ましくない。また、不織布に伸縮性を付与す
る方法が考えられるが、例えばボリウレタン不織布のよ
うに縦方向にも伸びるため製造時の機械適性に問題があ
る。縦方向の伸びを抑えるため非伸縮性のトリコットを
貼合すると硬くなりゴワゴワして好ましくない。また、
高価となり使い捨て商品には適さない。このような伸縮
性ウエストバンド、立体ギャザーの素材としては、それ
自身が捲縮した伸縮性を有する繊維等からなる不織布や
ウレタンフィルムが用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような不
織布は、その構造上一方向だけが伸縮性を有し、かつそ
れと直交する方向は伸縮性を実質的に有しないものとす
ることは困難であり、伸縮性を実質的に要求されない方
向には、非伸縮性の織布テープやフィルムを貼着して、
その方向の伸縮の制御をする等の手間を必要としてい
た。
【0004】本発明は、上述の問題に鑑みなされたもの
であり、一方向だけ伸縮性を有する不織布を提供するこ
と、かつ、その簡便で効率的な製造方法を提供するこ
と、さらに横漏れ防止性能、および製造機械特性に優れ
たおむつ,生理用品およびそれらの部材を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、主として熱可塑性樹脂の繊維から
なる不織布において、一方向の伸び率が5〜70%であ
り、かつそれと直交する方向の伸び率が100〜500
%であることを特徴とする一方向伸縮性不織布が提供さ
れる。
【0006】また、その好ましい態様として、一方向の
JIS−L−1096に規定された伸長回復率A法に準
拠した10%伸長回復率(SMD)と、それと直交する
方向の前記10%伸長回復率(STD)との比(SMD
/STD)が0.9以下であることを特徴とする一方向
伸縮性不織布が提供される。
【0007】また、その好ましい態様として、一方向の
JIS−L−1096に規定された引張強さの測定方法
に準拠した10%伸び応力(FMD)と、それと直交す
る方向の前記10%伸び応力(FTD)との比(FMD
/FTD)が10以上であることを特徴とする一方向伸
縮性不織布が提供される。
【0008】また、(A)主として熱可塑性樹脂の繊維
からなる不織布を作製し、(B)この未延伸原反を、延
伸温度が融点より60℃低い温度から融点より10℃低
い温度の間の温度で、また、延伸倍率が1.4〜4.
0、かつニップロール間隔(ニップ間距離)が未延伸原
反幅の0.5〜10倍の条件で一軸延伸をすること、を
特徴とする一方向伸縮性不織布の製造方法が提供され
る。
【0009】また、その好ましい態様として前記熱可塑
性樹脂の繊維が、エラストマー成分を含まないポリオレ
フィン樹脂長繊維であることを特徴とする一方向伸縮性
不織布またはその製造方法が提供される。
【0010】また、前記一方向伸縮性不織布を用いたこ
とを特徴とするおむつ,生理用品用部材が提供される。
【0011】さらに、前記生理用品用部材を用いたおむ
つ,生理用品が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一方向伸縮性不織
布およびその製造方法の実施の形態を具体的に説明す
る。本発明の一方向伸縮性不織布は、主として、熱可塑
性樹脂の繊維からなり、互いに直交する二方向におい
て、それぞれ特定の伸び率、10%伸長回復率の比、お
よび10%伸び応力の比を有している。 1.熱可塑性樹脂の不織布 本発明に用いられる熱可塑性樹脂の不織布の素材として
は、特に制限はないが、たとえば、ポリオレフィン系樹
脂,ポリエステル系樹脂,ポリアミド系樹脂,ポリアク
リル系樹脂,ハロゲン含有ポリビニル系樹脂,ゴム系樹
脂及びそれらの混合物を挙げることができる。おむつ等
への使用に際し、揆水性,柔軟性,リサイクル性を考慮
すると、エラストマー成分を含まないポリオレフィン,
およびポリエステル樹脂が好ましい。中でもポリプロピ
レン系樹脂が特に好ましい。このポリプロピレン系樹脂
としては、たとえば、ホモポリプロピレン、プロピレン
とα−オレフィン(エチレン等)とのランダム共重合体
を挙げることができる。また、これらの材料中には、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリカーボネイト等の異種ポ
リマーが少量添加されていてもよい。更に、必要に応じ
て、難燃剤、顔料、帯電防止剤、耐候性向上剤等の添加
剤を混合してもよい。ポリプロピレン系樹脂の分子量に
ついては、特に制限はない。なお、本発明において、熱
可塑性樹脂の融点の温度とは、DSCを用い、昇温速度
10℃/分で測定した融解吸収曲線の極値を与える温度
をいう。
【0013】また、不織布を構成する糸径は、通常5〜
100μm、好ましくは10〜50μmである。糸径が
5μmより細い場合には、糸切れが生じやすくなり、か
つ繊維自体の生産が困難になる。また、100μmより
太い場合には、不織布の風合いが硬くなる。
【0014】本発明の不織布の目付は、用途により適宜
選択して用いることができる。たとえば、バックシート
に用いる場合、15〜25g/m2 が好ましい。15g
/m2 より薄いと、強度不足で、おむつ製造機にかから
ず25g/m2 を超えると、柔軟性が損なわれ、コスト
も高くなる。ウエストバンド、ファスニングテープに用
いる場合、30〜50g/m2 が好ましい。30g/m
2 未満の場合、強度が弱く、おむつを止めるため力を加
えると伸びたままになる。50g/m2 を超えると、コ
ストが、高くなる。立体ギャザーに用いる場合、10〜
50g/m2 が好ましく、13〜30g/m2 がより好
ましい。10g/m2 未満では横漏れ防止性が足りず、
また、安定して不織布が得られない。50g/m2 を超
えると柔らかさが足りず着用感が低下する。
【0015】2.伸び率 本発明における伸び率とは、JIS−L−1096に準
拠し、幅5cm,長さ20cmの試験片を、つかみ間隔
10cm、引張速度30cm/分で引張り、破断するま
での原反の伸びを、つかみ間隔10cmに対する割合
(%)で示したものをいう。互いに直交するに方向、た
とえば、縦横方向の伸び率は、横方向が100〜500
%、好ましくは120〜300%である。縦方向は70
%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは30
%以下である。横方向の伸び率が100%未満であると
十分な伸縮性が得られず、500%を超えると原反が伸
びきって回復しない。また、縦方向の伸び率が70%を
超えるとおむつ製造機に対する機械適性が悪化する。
【0016】3.直交する二方向の10%伸長回復率の
比 本発明における10%伸長回復率(S10)は、以下の
ようにして求められる。すなわち、JIS−L−109
6に規定された伸長回復率A法に準拠し、幅5cm,長
さ20cmの試験片を、つかみ間隔間隔10cm、引張
速度10cm/分で1cmだけ伸長し、そのまま1分間
放置後、10cm/分の速度で弛緩させる。この弛緩の
過程で応力が零になった時の残留伸び(Lmm)を記載
紙より読み取り、次式により求められる。 10%伸長回復率(%)=[(10−L)/10]×1
00 本発明の不織布においては、互いに直交する二方向、た
とえば、縦横方向の10%伸長回復率の比(SMD/S
TD)は0.9以下であることが好ましい。0.9を超
えると、おむつ製造機に対する機械適性が悪化する。
【0017】4.直交する二方向の10%伸び応力の比 本発明における10%伸び応力(F10)とは、JIS
−L−1096に規定された引張強さの測定方法に準拠
し、幅5cm,長さ20cmの試験片を、つかみ間隔間
隔10cm、引張速度10cm/分で1cmだけ伸長し
た時の応力をいう。従って、F10が大きいほど、加工
時に伸びにくく、機械適性に優れていることを意味す
る。本発明の不織布においては、互いに直交する二方
向、たとえば、縦横方向の10%伸び応力の比(FMD
/FTD)は10以上が好ましく、20以上がさらに好
ましい。10未満であると、縦方向に低い応力で伸びる
ことになり、おむつ製造機に対する機械適性が悪化する
ため、又は横方向に伸ばすために必要な力が大きくなる
ため、たとえば、おむつとして使用する際、ウエストバ
ンドの要求性能を満たさないおそれがある。 5.積層体 おむつ,生理用品用部材、たとえば、ウエストバンド
(延長テープ、サイドフラップとも呼称される)、ファ
スニングテープ、立体ギャザー、トップシート、バック
シート等に本発明の一方向伸縮性不織布を用いる場合、
一方向伸縮不織布単体で使用する以外に、要求特性を損
なわない範囲で、各種素材との積層体、たとえば、通気
性を持つフィルムとエンボスラミネートしたもの、通気
性を持つフィルムに散点または斑点状に接着剤を塗布し
て、一方向伸縮不織布とラミネートしたものであっても
良い。 なお、立体ギャザーに使用する場合でも、通常
の不織布を使用した立体ギャザーと同様の織り込み方法
や、不織布の端部に糸ゴムを内包する方法等を適用する
ことができる。
【0018】6.製造方法 本発明の一方向伸縮性不織布は、主な工程として、ウェ
ブの作製工程、必要に応じた熱融着工程、および一軸延
伸工程を含んでいる。 (1)ウェブの作製工程 上述のように、本発明に用いられる熱可塑性樹脂として
は、エラストマーを含まないポリオレフィン樹脂が好ま
しく、中でもポリプロピレン系樹脂が特に好ましい。こ
の、主としてポリプロピレン系樹脂の繊維からなるウェ
ブには、他の繊維が混入されていてもよい。たとえば、
ポリエチレン等のポリプロピレン以外のポリオレフィン
繊維、PET等のポリエステル繊維、ポリアミド繊維、
レーヨン繊維等が混入可能である。ウェブの作製方法と
しては、特に制限はなく、たとえば、長繊維の場合はス
パンボンド法などがあり、短繊維の場合は、ステープル
ファイバーをカード機に通してウェブ化する方法などが
ある。
【0019】(2)熱融着工程 上記で得られたウェブを不織布にするための一つの例と
して、熱融着方法を挙げることができる。具体的には、
エンボスロールを使用した熱エンボス加工を好適例とし
て挙げることができる。融点160℃のポリプロピレン
系繊維からなるウェブを用いた場合、加工温度は、12
0〜160℃が好ましい。120℃より低い場合には、
融着が不十分となって、毛羽立ち、ほつれ等が生じやす
くなる。また、160℃より高い場合には、融着部の穴
あきや周辺部の繊維の溶融による風合いの低下や原反の
熱ロールへの巻きつきによる機械の停止等が生じるおそ
れがある。
【0020】この熱融着の際の圧着率は特に制限はない
が、3〜30%が適当である。3%より下の場合には繊
維の脱落が起きる可能性があり、また、30%より大き
い場合には風合いが硬くなったり、用途によっては透液
性や通気性が低下するおそれがある。なお、熱融着以外
の繊維間の接合方法、たとえば、ニードルパンチ法、ウ
ォーターニードル法等を用いることもできるが、生産速
度が遅い、設備が大規模になる等の不都合を生ずること
がある。
【0021】(3)一軸延伸工程 一軸延伸の具体的方法としては、たとえば、ロール式延
伸法、テンター式延伸法等を挙げることができる。融点
160℃のポリプロピレン系樹脂の繊維からなるウェブ
を用いた場合、延伸温度は、100〜150℃が好まし
く、120〜140℃が特に好ましい。100℃未満で
あると原反の伸びが足りなくなって切れてしまう。ま
た、延伸温度が150℃を超えると、繊維が溶融状態に
近くなり、不織布表面に延伸ロール表面が転写されて表
面がフィルム状になったり、風合いが硬くなったりす
る。
【0022】延伸時の延伸倍率は1.4〜4倍とするこ
とが好ましい。1.4倍未満であると、延伸による繊維
の配向(並び替え)が十分に発生せず、繊維の流れ方向
(本願でいう縦方向)の強度が得られないばかりか、横
方向の伸縮性も少なくなる。4倍を超えると原反が裂け
たり、ひどい場合は破断することがある。また、一軸延
伸時、図1に示すように不織布2を熱炉3に展開するた
めのニップロール1の間隔(ニップ間距離)は、未延伸
不織布の原反幅の0.5〜10倍、好ましくは1〜5倍
とする。0.5倍未満であると横方向に縮む力が十分に
発生せず、単なる縦延伸となり、幅方向への伸縮性が生
まれない。10倍を超えると横方向に縮む力が強すぎ、
有効な製品幅が得られない。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、さらに具体
的に説明する。 [実施例1]ポリプロピレン(出光石油化学社製、出光
ポリプロ Y6005GM(商品名)を溶融紡糸して糸
径25μmのポリプロピレン長繊維を製造した後、この
ポリプロピレン長繊維より目付50g/m2 のウェブを
作製した。次に、エンボスロールを使用し、このウェブ
を145℃−線圧60kg/cmで熱エンボス加工して
圧着率14%の未延伸の原反を得た。なお、この不織布
の融点は160℃であった。さらに原反の端部をスリッ
トすることにより1m幅の未延伸原反を得た。
【0024】次に、一軸ロール延伸機を使用し、この未
延伸原反を延伸温度130℃、延伸倍率2.0倍、ニッ
プロール間隔を1.5mの条件で一軸延伸して本実施例
に係る延伸不織布を製造した。この不織布の目付量は4
0g/m2 であった。このような製造条件をまとめて表
1に示す。この製造時における運転安定性は、良好であ
った。また、得られた不織布の性状は、毛羽立ち、ほつ
れも見られず、風合いの硬さもなかった。
【0025】次に、本実施例の延伸不織布に対して、縦
横方向の伸び率、10%伸長回復率(S10)、および
10%伸長応力(F10)をそれぞれ測定した。その結
果を表2に示す。
【0026】また、本実施例における、おむつ製造機に
対する機械(ライン)適性、およびファスニング適性
(ファスニングテープで止め易いか否かの適性)につい
て評価した結果を表2に示す。ここで、おむつ製造機に
対する機械適性は、おむつ製造ライン(200ショット
/分)にサンプル不織布をかけて1時間稼動をして、フ
ァスニングテープ部に起因するトラブル、製品不良の発
生回数から、ライン適性を判断した。その評価は下記の
ようにした。 ○:トラブル回数0 △:トラブル回数1〜10 ×:トラブル回数10以上 なお、記号△および×の場合、縦方向の強度が弱いの
で、ライン上で原反が引っぱられ幅変動がおこり、生産
トラブル,製品不良が発生した。また、ファスニング適
性は、上記おむつ製造機において、得られたおむつを1
0人の母子に実際に装着してもらい、下記基準(特にフ
ァスニングテープで止めやすいか否か)により評価し
た。 ○:8人以上の母が良好(止め易い)と判断 △:3人〜7人以上の母が良好(止め易い)と判断 ×:全員、不良(止めにくい)と判断
【0027】[実施例2]延伸倍率を3倍にして不織布
を得たこと以外は、実施例1と同様にした。この例にお
ける不織布の目付量は35g/m2 であった。
【0028】[比較例1]延伸温度を80℃にしたこと
以外は実施例1と同様にした。この場合、不織布切れが
発生し、製造できなかった。
【0029】[比較例2]延伸温度を160℃にしたこ
と以外は実施例1と同様にした。この場合、不織布に溶
融による穴あきや切断が生じ製造できなかった。
【0030】[比較例3]延伸倍率を1.2倍にしたこ
と以外は実施例1と同様にした。得られた不織布の目付
量は43g/m2 であった。
【0031】[比較例4]延伸倍率を5倍にしたこと以
外は実施例1と同様にした。この場合、不織布切れが発
生し、製造できなかった。
【0032】[比較例5]未延伸原反を目付が80g/
2 のポリプロピレンスパンボンド不織布(目付以外
は、実施例1と同じものである)としたこと、およびニ
ップロール間隔を25cmとしたこと以外は実施例1と
同様にした。得られた不織布の目付量は41g/m2
あった。
【0033】[比較例6]目付が50g/m2 の未延伸
原反をそのまま用い、実施例1と同様の評価を行った。
【0034】[実施例3]ポリプロピレンのステープル
ファイバー(糸径25μm、繊維長52mm)をカード
機に通し、目付50g/m2 のウェブを作製した。次に
エンボスロールを使用し、前述のウェブを145℃−線
圧60kg/cmで熱エンボス加工して圧着率14%の
未延伸の原反を得た。なお、この不織布の融点は160
℃であった。さらに原反の端部をスリットすることによ
り、1m幅の未延伸原反を得た。これを実施例1と同様
の方法で延伸し、同様の評価を行った。得られた不織布
の目付量は50g/m2 であった。
【0035】[比較例7]実施例3の延伸に使用した、
未延伸の不織布(目付50g/m2 )について、実施例
1と同様の評価を行った。
【0036】[実施例4]PPスパンボンド不織布(出
光石油化学社製「ストラテック」)RW2030を延伸
倍率2倍、ニップロール間隔150cm、延伸温度13
0℃で延伸して得られた一方向伸縮性PPスパンボンド
不織布(出光石油化学社製「ストラテック」VW202
3、目付23g/m2 )を用いて、ギャザー幅が30m
mの立体ギャザーを有する図2に示す砂時計型パンツタ
イプのおむつを製造した。次に、得られたおむつの着用
時の立体ギャザーの高さを計測した。一方向伸縮性PP
スパンボンド不織布の立体ギャザーの高さは不織布が伸
びて38mmであった。
【0037】[比較例8]実施例1と同様の方法で製造
した非伸縮性のPPスパンボンド不織布(出光石油化学
社製「ストラテック」RW2023、目付23g/m
2 )を用いて、実施例1と同様な方法でおむつを製造し
た。次に得られたおむつの着用時の立体ギャザーの高さ
を測定した。非伸縮性PPスパンボンド不織布の立体ギ
ャザーの高さは30mmであった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】以上のことから次のことがわかった。実施
例1,2,および3は、おむつ製造機に対する機械適性
に優れている。また、製品(おむつ)として使用する場
合でも、横方向に伸び易く、張力をフリーにするとバン
ドが縮むので、装着して止め易い。実施例4は、立体ギ
ャザーに使用すると、装着時のギャザーの立ちが良くな
り、おむつや生理用品の横漏れ防止性能向上につなが
る。比較例6は、未延伸原反を使用した場合であるが、
おむつ製造機に対する機械適性が劣り、連続生産に不向
きである。試作したおむつは横方向には伸び難く、無理
に伸ばすとバンドが伸びたままになり、ファスニングテ
ープで止めにくく、しっかり固定されない。比較例3
は、延伸倍率が低いので、繊維が縦方向に十分に配列し
ていない。おむつ製造機に対する機械適性が不十分で、
生産トラブルも未延伸原反ほどではないが発生する。ま
た、横方向に伸び難く、無理に伸ばすとバンドが伸びた
ままになり、ファスニングテープで止めにくく、また、
しっかり固定されない。比較例5は、ニップロール間隔
が短いので、単なる縦延伸した不織布の場合に該当する
が、おむつ製造機に対する機械適性は優れるものの、横
方向には非常に伸び難く、無理に伸ばすとバンドが伸び
たままになり、ファスニングテープで止めにくく、しっ
かり固定されない。比較例7は、PPステープルファイ
バーを使用した未延伸の不織布を用いた例であり、おむ
つ製造機に対する機械適性、ファスニング適性とも不良
である。比較例8は、一方向性を持たない不織布を、立
体ギャザーに使用した例であり、実施例4に比べギャザ
ーの立ちが低く、横漏れ防止機能も悪い。
【0041】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によっ
て、一方向だけに伸縮性を有する不織布を提供すること
ができるとともに、その簡便で効率的な製造方法を提供
することができる。本発明の一方向伸縮性不織布を用い
た、おむつ,生理用品は、立体ギャザーにした場合、糸
ゴムと直行する方向にギャザーが立ちやすくなる。すな
わち、おむつを装着して立体ギャザー端部の糸ゴムが伸
ばされた時のギャザーの高さが非伸縮性不織布の場合よ
り高くなることにより身体との密着性がよくなり、横漏
れ防止性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一方向伸縮性不織布およびその製造方
法の一実施例に用いられる一軸延伸工程の構成を模式的
に示す断面説明図である。
【図2】本発明の不織布を用いたパンツタイプおむつの
一例を模式的に示す平面図である。
【図3】本発明の不織布を用いたパンツタイプおむつの
一例を模式的に立体斜視図である。
【符号の説明】
1 ニップロール 2 不織布 3 熱炉 10 パンツタイプおむつ 11 ファスニングテープ 12 レッグギャザー 13 立体ギャザー 14 ウエストギャザー 15 サイドトラップ 16 バックシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61F 13/18 320 (72)発明者 奥野 俊英 東京都中央区銀座4−12−18 出光石油化 学株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として熱可塑性樹脂の繊維からなる不
    織布において、一方向の伸び率が5〜70%であり、か
    つそれと直交する方向の伸び率が100〜500%であ
    ることを特徴とする一方向伸縮性不織布。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一方向伸縮性不織布にお
    いて、一方向のJIS−L−1096に準拠した10%
    伸長回復率(SMD)と、それと直交する方向の前記1
    0%伸長回復率(STD)との比(SMD/STD)が
    0.9以下であることを特徴とする一方向伸縮性不織
    布。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の一方向伸縮性不織布にお
    いて、一方向のJIS−L−1096に規定された引張
    強さの測定方法に準拠した10%伸び応力(FMD)
    と、それと直交する方向の前記10%伸び応力(FT
    D)との比(FMD/FTD)が10以上であることを
    特徴とする一方向伸縮性不織布。
  4. 【請求項4】 (A)主として熱可塑性樹脂の繊維から
    なる不織布を作製し、(B)この未延伸原反を、延伸温
    度が樹脂の融点より60℃低い温度から融点より10℃
    低い温度の間の温度で、また、延伸倍率が1.4〜4.
    0、かつニップロール間隔が未延伸原反幅の0.5〜1
    0倍の条件で一軸延伸をすること、を特徴とする一方向
    伸縮性不織布の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性樹脂の繊維が、エラストマ
    ー成分を含まないポリオレフィン樹脂繊維であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の一方向伸
    縮性不織布またはその製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3または5のいずれか1
    項記載の一方向伸縮性不織布を用いたことを特徴とする
    おむつ,生理用品用部材。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の生理用品用部材を用いた
    おむつ,生理用品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0933460A1 (en) * 1998-01-30 1999-08-04 Nippon Petrochemicals Company, Limited Extendable nonwoven fabric and method for producing the same
JP2008093224A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Hakujuji Co Ltd 使い捨て吸収性物品
JP2010065373A (ja) * 2002-04-15 2010-03-25 Invista Technologies Sarl 弾性不織シート
WO2023171535A1 (ja) * 2022-03-10 2023-09-14 日本ゼオン株式会社 熱可塑性エラストマー

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