JPH09278047A - 食品包装用容器の蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ソースや合わせだれ等を入れた調味料小袋や薬
味小袋を食品とは別に収納することができて、しかも各
小袋及び内容物（食品）の位置ズレをも防止することの
できる蓋を、簡単な構成によって提供すること。 【解決手段】焼きソバ・中華ソバ・スパゲッティ等の食
品２０を収納するための食品包装用容器１０を構成する
容器本体１１の開口縁部１１ａに嵌合されてこの容器本
体１１内の食品２０を保護するための透明材料からなる
蓋１２であって、この蓋１２の上面１２ａに、食品２０
のための薬味や調味料を収納するための収納凹所１３を
形成するとともに、この収納凹所１３の底部に波型の滑
り止め１４を形成したこと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、焼きソバ・中華ソ
バ・スパゲッティ等の食品を収納するための合成樹脂製
の包装用容器の蓋に関し、特に薬味や調味料等を収納で
きるようにした蓋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】食品を包装するための包装用容器として
は、衛生的なものを安価かつ大量に生産することができ
ることから、合成樹脂を材料として形成したものが多く
使用されている。この種の食品包装用容器は、食品を収
納する容器本体と、これに嵌合されて食品を保護する蓋
とからなっているのが一般的であり、場合によってはそ
の全体をラップによって覆うこともなされている。

【０００３】食品として焼きソバやスパゲッティを例に
採ってみると、近年においては、これらを全く味付けさ
れていない所謂「調理メン」の状態にしておいて、この
「調理メン」の「もどし」や電子レンジによる加熱を、
容器本体に収納したまま行えるようにし、その後に味付
けや薬味の添加が行えるようにしたものが増加してきて
いる。このようにするのは、焼きソバ等を食する人の好
みが多様化してきており、その味付け等を消費者の好み
に十分合わせられるようにするためである。

【０００４】例えば、中華ソバの場合は、その主たる味
を決定するのが合わせだれであり、また薬味としては紅
ショウガやアオノリが使用されるのであるが、従来のも
のでは、合わせだれで味付けした中華ソバを容器本体内
に入れて、その上に紅ショウガやアオノリを添加した状
態にしてあった。このため、この中華ソバは、消費者の
好みに全く応じられない味付けのものとなってしまって
いたのである。

【０００５】勿論、合わせだれや薬味をそれぞれ分別し
て小袋に入れ、これを「調理メン」と一緒に容器本体内
に入れておくことも行われている。このようにすれば、
各小袋を開封して合わせだれ等を消費者自身の好みに応
じた量だけ使用することができるのであり、最初から味
付けをしたものや薬味を添加したものに比較すれば、消
費者のニーズにより応えることができるものとなってい
るのである。

【０００６】しかしながら、これらの合わせだれ等の袋
は、容器本体内の中華ソバの量に応じたものであるため
非常に小さなものであり、しかも「調理メン」と一緒に
容器本体内に入れられたものであるから、その表面に調
理油や水分等が付着していることが多い。従って、この
小袋を開封しようとしても、油や水によって手指が滑っ
てしまって、なかなかそれを行うことができないととも
に、容器本体内に収納された内容物が陳列及び搬送の際
にかたよってズレてしまうという問題があったのであ
る。

【０００７】そこで、本発明者等は、消費者のニーズに
応えながら、小袋が汚れて開封しづらいという点を改善
するにはどうしたらよいかについて種々検討を重ねてき
た結果、蓋体に小袋の収納部を形成し、同時に内容物の
ズレ防止をするようにすればよいことに気付き、本発明
を完成したのである。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の経緯
に基づいてなされたもので、その解決しようとする課題
は、食品包装用容器について調味料等の小袋を別途収納
できるとともに、内容物のズレ防止をすることである。

【０００９】すなわち、本発明の目的とするところは、
ソースや合わせだれ等の調味料小袋や薬味小袋を食品と
は別に収納することができて、しかも各小袋及び当該容
器本体内に収納された食品等の位置ズレをも防止するこ
とのできる蓋を、簡単な構成によって提供することにあ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明の採った手段は、以下の実施形態の説明中
において使用する符号を付して説明すると、「焼きソバ
・中華ソバ・スパゲッティ等の食品２０を収納するため
の食品包装用容器１０を構成する容器本体１１の開口縁
部１１ａに嵌合されて、この容器本体１１内の食品２０
を保護するための透明材料からなる蓋１２であって、こ
の蓋１２の上面１２ａに、食品２０のための薬味や調味
料を収納するための収納凹所１３を形成するとともに、
この収納凹所１３の底部に波形の滑り止め１４を形成し
たことを特徴とする食品包装用容器の蓋１２」である。

【００１１】すなわち、本発明に係る食品包装用容器１
０のための蓋１２は、その上面１２ａに食品２０のため
の調味料等の小袋２１を収納しておくための収納凹所１
３を形成したものであり、この収納凹所１３の底部に滑
り止め１４を形成したものであるが、これにより、各調
味料等の小袋２１を、容器本体１１内に収納される食品
２０とは全く別にしておくことのできるものである。

【００１２】換言すれば、本発明に係る蓋１２は、食品
２０を収納した容器本体１１の開口縁部１１ａに嵌合さ
れるものなのであるが、図２に示すように、食品２０に
対して使用される調味料等の小袋２１を、蓋１２の上面
１２ａ側に形成した収納凹所１３内に収納できるように
して、これらの調味料等の小袋２１が食品２０に直接触
れることがないようにしたものなのである。勿論、各調
味料等の小袋２１は、当該食品包装用容器１０から離れ
てはならないから、収納凹所１３内に収納した後には、
図２にも示したように、食品包装用容器１０全体をラッ
プ３０により包み込むことにより収納凹所１３内に収納
保持されるのである。もし、ラップ３０を使用しないの
であれば、収納凹所１３内に収納した調味料等の小袋２
１は例えば粘着テープ等によって蓋１２の上面１２ａ側
に固定するようにすればよい。

【００１３】以上のように、容器本体１１内に収納され
る食品２０に対して使用される調味料等の小袋２１が、
蓋１２の上面１２ａによって容器本体１１内とは完全に
区画されている収納凹所１３内に収納されることになれ
ば、容器本体１１内の食品２０が油や水分を有していた
としても、これらの油等が調味料等の小袋２１に付着す
ることはない。従って、調味料等の小袋２１を防水性等
の材料によって形成する必要がないだけでなく、この調
味料等の小袋２１が油や水によって汚れることがないの
であるから、これを手指によって開封する作業も簡単に
行えることになる。

【００１４】また、収納凹所１３の底部には滑り止め１
４が波形に形成してあるから、この収納凹所１３内に収
納した調味料等の小袋２１が中でズレにくくなってお
り、互いに重なり合うことがない。従って、これらの子
袋２１に印刷した文字による表示や中味の内容をラップ
３０を通して確実に確認することができるだけでなく、
収納凹所１３以外の上面１２ａから容器本体１１内の内
容物の確認を容易に行うことができることになる。な
お、波形の滑り止め１４は、蓋１２の上面１２ａにおけ
る補強の役目をも果たすことになるから、蓋１２の剛性
の確保にも役立っていることは言うまでもない。

【００１５】さらに、この蓋１２は、その上面１２ａに
波形の滑り止め１４を有した収納凹所１３を形成すれば
よいのであるから、合成樹脂のシートによってこれを製
造することが非常に容易になっている。この蓋１２のよ
うな蓋体は、通常合成樹脂シートを真空または圧空成型
によって形成することが多いものであるが、その成形型
に収納凹所１３や滑り止め１４のための部分を形成して
おくだけで、従来の製造方法を大きく変えないで、本発
明の蓋１２は形成・製造することができるものなのであ
る。

【００１６】なお、以下の実施形態で説明する蓋１２に
おいては、図２及び図３に示すように、その収納凹所１
３を上面１２ａの面積の約１／４程度の面積を有したも
のとして形成し、かつ上面１２ａの中心からいずれか一
方に遍在したものとして形成してある。これにより、調
味料等の小袋２１のための空間として十分なものとする
ことができ、また、前述したように、容器本体１１内に
収納した食品２０が具体的に何でどのような状態になっ
ているかを、蓋１２の収納凹所１３以外の上面１２ａの
平らな部分から容易に視認することができるのである。
つまり、今手に取っているものがどのような食品２０を
収納したものであり、これに対する味付等は、収納凹所
１３内に入れてある各調味料等の小袋２１によって行え
ばよいこと等を消費者が即座に理解できるものとしてあ
るのである。

【００１７】

【発明の実施の形態】次に、本発明を、図面に示した実
施の形態である食品包装用容器１０を中心にして説明す
ると、図１には本発明に係る蓋１２を採用した食品包装
用容器１０の分解斜視図が示してあり、この食品包装用
容器１０は、食品２０が直接収納される容器本体１１
と、この容器本体１１の開口縁部１１ａに嵌合される蓋
１２とからなっているものである。なお、この容器本体
１１を構成する材料としては、タルクを代表とするフィ
ラーを混入したポリプロピレンが採用される。

【００１８】蓋１２は、前述したように、容器本体１１
の開口縁部１１ａに上方から嵌合されるものであるが、
２軸延伸ポリスチレンまたは非結晶ポリエチレンテレフ
タレートを材料とする、厚さ０．１５ｍｍ〜０．４ｍｍ
程度の透明な合成樹脂シートを、真空または圧空成形に
より型成形して形成されるものである。この蓋１２の上
面１２ａの大部分は平にしてあるが、その一部には、図
２及び図３に示したように、深さが約９ｍｍの収納凹所
１３が型成してある。なお、この蓋１２の上面１２ａ
は、長軸方向が約１８８ｍｍで、短軸方向が約１５０ｍ
ｍ程度の略ダ円形状のものとしてある。

【００１９】収納凹所１３は、図３に示したように、前
述した大きさの上面１２ａに対してその中心から図示右
方に寄せて形成したものであり、縦が約６０ｍｍ、横が
約９０ｍｍの長方形状のものである。この収納凹所１３
の、上面１２ａの中心から左方部分の出る量は約１５ｍ
ｍ程度であり、図３の図示上下方向についてはズラして
いないものである。そして、この収納凹所１３の底部に
は、図２に示したように、凹凸の連続する滑り止め１４
としてあり、これらの滑り止め１４のピッチは約８ｍｍ
であり、山と谷の高低差は約３ｍｍとしてある。

【００２０】勿論、各滑り止め１４は、当該収納凹所１
３内に収納されるべき調味料等の小袋２１及び内容物
（食品２０）の位置ズレ防止を課すものである。従っ
て、これらの滑り止め１４は、平面部分を多く占める波
形断面を有するものとしたから、仮に各小袋２１等が収
納されていても、できるだけ内容物の視認を可能とする
とともに、内容物等のズレが生ずる際の接触部分を少な
くすることによって外観体裁をよくするものである。な
お、この滑り止め１４は、図２に示したようなカギ状の
波形断面を有するものとするだけでなく、サイン・コサ
インカーブのような丸型の波形断面を有するものであっ
てもよいということはいうまでもない。

【００２１】この収納凹所１３内には、紅ショウガ等の
薬味を直接収納しておくこともできるが、通常は、合わ
せだれ等の調味料とも併せて収納されるから、これらの
調味料や薬味は、図２に示したように、小袋２１を使用
して分離される。これらの調味料等の小袋２１は、容器
本体１１内に収納される食品２０に直接触れることがな
いものとなるのであるから、食品２０に使用されている
油や水に対して耐久性ある材料によって形成する必要は
ない。

【００２２】なお、図１を示したように、食品２０を収
納した容器本体１１に蓋１２を嵌合し、この蓋１２内に
所定の調味料等の小袋２１を入れてから、図２に示した
ように、当該食品包装用容器１０全体をラップ３０によ
って包み込むことがなされるが、このラップ３０によっ
て収納凹所１３内に収納しておいた調味料等の小袋２１
が収納凹所１３から飛び出すことはない。勿論、ラップ
３０を使用しない場合には、各調味料等の小袋２１を粘
着テープ等によって蓋１２側に貼付しておけばよい。

【００２３】また、本発明に係る蓋１２は、前述した真
空成形等によって、一連の合成樹脂シートから多数個取
りされて、それぞれ積み重ねておかれるものであるた
め、その上面１２ａから外方に突出することになるフラ
ンジ部には、各蓋１２が完全に重なり合うことを防止す
るための重なり止め１５が形成してある。

【００２４】

【発明の効果】以上詳述した通り、本発明においては、
上記実施形態において例示した如く、「焼きソバ・中華
ソバ・スパゲッティ等の食品２０を収納するための食品
包装用容器１０を構成する容器本体１１の開口縁部１１
ａに嵌合されて、この容器本体１１内の食品２０を保護
するための透明材料からなる蓋１２であって、この蓋１
２の上面１２ａに、食品２０のための薬味や調味料を収
納するための収納凹所１３を形成するとともに、この収
納凹所１３の底部に波形の滑り止め１４を形成したこ
と」にその構成上の特徴があり、これにより、ソースや
合わせだれ等を入れた調味料小袋や薬味小袋を食品とは
別に収納することができて、しかも各小袋及び内容物
（食品）の位置ズレをも防止することのできる蓋を、簡
単な構成によって提供することができるのである。

【００２５】また、各滑り止め１４は、当該収納凹所１
３内に収納されるべき調味料等の小袋２１及び内容物
（食品２０）の位置ズレ防止を課すものであるから、結
果として本発明に係る当該蓋１２を、各小袋及び内容物
（食品）の位置ズレをも防止することのできるものとす
ることができる。つまり、これらの滑り止め１４は、平
面部分を多く占める波形断面を有するものとしたから、
仮に各小袋２１等が収納されていても、内容物の視認を
可能とするとともに、内容物等のズレが生ずる際の接触
部分を少なくして、当該蓋体１２の外観体裁をよくする
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る蓋を採用した食品包装用容器の分
解斜視図である。

【図２】同食品包装用容器の容器本体内に食品を収納し
て全体をラップによって包み込んだときの拡大断面図で
ある。

【図３】本発明に係る蓋の平面図である。

【符号の説明】

１０ 食品包装用容器 １１ 容器本体 １１ａ 開口縁部 １２ 蓋 １２ａ 上面 １３ 収納凹所 １４ 滑り止め ２０ 食品 ２１ 調味料等の小袋 ３０ ラップ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】焼きソバ・中華ソバ・スパゲッティ等の食
   品を収納するための食品包装用容器を構成する容器本体
   の開口縁部に嵌合されて、この容器本体内の食品を保護
   するための透明材料からなる蓋であって、 この蓋の上面に、前記食品のための薬味や調味料を収納
   するための収納凹所を形成するとともに、この収納凹所
   の底部に波形の滑り止めを形成したことを特徴とする食
   品包装用容器の蓋。