JPH09276929A - 熱延巻取機の制御方法 - Google Patents

熱延巻取機の制御方法

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JPH09276929A
JPH09276929A JP11705696A JP11705696A JPH09276929A JP H09276929 A JPH09276929 A JP H09276929A JP 11705696 A JP11705696 A JP 11705696A JP 11705696 A JP11705696 A JP 11705696A JP H09276929 A JPH09276929 A JP H09276929A
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rolled
tension
winder
coiler
equation
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JP11705696A
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English (en)
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Yasuhiko Takee
康彦 武衛
Kazuyoshi Kimura
和喜 木村
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 格別なコスト高を招く装置を必要とせずに
“仕上圧延器と巻取機との間に位置する被圧延材の張
力”の推定精度を向上させ、熱間圧延材巻取り時の幅狭
を的確に防止できる熱延巻取手段を提供する。 【構成】 熱間圧延機を出た被圧延材を巻取機でコイル
状に巻き取る際に生じる被圧延材の幅狭を防止するため
の熱延巻取機の制御方法であって、巻取機駆動用モ−タ
の回転数と電機子電流と逆起電力とから“仕上圧延機と
巻取機との間の被圧延材に生じる張力”を推定する推定
演算器を設け、 該演算器による張力推定値と巻取機駆動
モ−タの回転数及び電機子電流に基づいて巻取機の駆動
トルクを修正しつつ巻き取りを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱間圧延した被圧延
材を巻取機でコイル状に巻き取る際に生じがちな幅狭を
防止するための“熱延巻取機の制御方法”に関するもの
である。
【0002】
【従来技術とその課題】一般に、薄板材(薄鋼板等)の
熱間圧延では熱間圧延機から出てきた被圧延材を巻取機
でコイル状に巻き取って作業を終了するが、この工程の
概要を図7を用いて説明する。
【0003】図7において、複数のスタンドから成る熱
間圧延仕上圧延機群2によって仕上圧延された被圧延材
1は、続くランアウトテ−ブルにて必要な温度まで冷却
された後、巻取機6によりコイル状に巻き取られる。ラ
ンアウトテ−ブルには、被圧延材搬送用ロ−ラ(テ−ブ
ルロ−ル)3が設けられており、被圧延材の搬送を良好
にすべく仕上圧延機出側速度よりも大きい速度で回転し
ている。この時、巻取機6は巻取機駆動モ−タ7によっ
て駆動されるが、この巻取機駆動モ−タ7には次のよう
な制御がなされる。即ち、まず張力/電流換算装置8に
よって仕上圧延機群2と巻取機6間の被圧延材に生じさ
せようとする“目標張力”から電流指令値が計算され
る。そして、この電流指令値を受けて、“仕上圧延機群
2と巻取機6間の被圧延材に生じる張力”を“目標張
力”とすべく電流制御装置9が巻取機駆動モ−タ7のト
ルクを制御する。
【0004】なお、通常、このような設備では巻取機6
は被圧延材1のパスラインよりも低い位置に配置されて
いるので、巻取機6の上流には被圧延材1の走行方向を
パスラインの下側に向かわせるためのピンチロ−ル4が
設けられている。また、被圧延材1の先端部を巻取機6
に巻き付かせるため、巻取機6には3乃至4個のラッパ
−ロ−ル5が設けられており、被圧延材1が巻取機6に
巻き付いた直後から4乃至5巻する間はラッパ−ロ−ル
5により被圧延材1を巻取機6に押し付けながら巻取作
業が行われる。
【0005】ところで、上述のような熱間圧延設備では
巻取機6の回転速度を被圧延材搬送用ロ−ラ3の速度に
連動させて運転することが行われており、従ってランア
ウトテ−ブル上を走行して巻取機6に達した被圧延材1
が巻取機に巻き付く速度は仕上圧延機出側速度よりも大
きくなる。そのため、被圧延材が巻取機に巻き付いた直
後に“仕上圧延機群2と巻取機6との間に位置する被圧
延材”には過大張力が発生し、これにより被圧延材に
「局所的な幅狭(ネッキング)」と呼ばれる“くびれ”
が生じて歩留低下の原因になることが問題となってい
た。
【0006】更に、被圧延材の巻取り中も、巻取形状を
良好にするため、巻取機6での巻取速度を仕上圧延機出
側速度よりも大きくして適当な大きさの張力が“仕上圧
延機群2と巻取機6との間に位置する被圧延材”に付与
されるように図られる。この付与張力は、通常、「定常
的な幅狭」が生じない程度の大きさに設定されるが、巻
取機駆動モ−タ7の制御が良好に働かない時には設定し
た値よりも大きな張力が“仕上圧延機群2と巻取機6と
の間に位置する被圧延材”に働くことになり、その“張
力”の大きさに応じた幅狭が被圧延材1の全長にわたっ
て生じる。この「定常的な幅狭」も歩留低下の原因にな
っていた。
【0007】もっとも、前述したような被圧延材の「局
所的な幅狭(ネッキング)」や「定常的な幅狭」を防止
するための方法はこれまでにも幾つか提案されている。
例えば、特開平6−297015号公報を見ると、「被
圧延材が巻取機に巻き付いた直後の“巻取機のモ−タ回
転数”と“仕上圧延機出口の被圧延材速度”との速度差
により“巻取機に巻き付いた直後の被圧延材の張力”が
生じる」とし、“巻取機の回転数”と“仕上圧延機出口
の被圧延材速度”との速度差を基に被圧延材の張力を算
出すると共に、求められた張力に基づいて巻取機の回転
速度を修正する方法が示されている。
【0008】しかし、まず巻取機の回転速度と仕上圧延
機出口の被圧延材速度とから被圧延材の張力を推定する
という上記方法では、熱間仕上圧延機出口で被圧延材速
度を絶えず精度良く測定しなければならないが、熱間仕
上圧延機出口のような高温,高湿度の悪環境下で被圧延
材速度を絶えず精度良く測定することは非常に困難であ
って、このような環境での速度計(レ−ザ−ドップラ−
方式の速度計等)の測定値は誤差が大きく、従ってこの
測定値を基に推定した“被圧延材の張力”は的確性に欠
けるという問題があった。加えて、速度計を設置するこ
とによるコスト上昇も大きな問題であった。
【0009】これに対して、速度計を用いることなく、
仕上圧延機のロ−ル周速度と計算先進率とから仕上圧延
機出口の被圧延材速度を次式に基づいて求める方法もあ
る。 V=VR ( 1+f) 〔但し、 V:被圧延材速度,VR :ロ−ル周速度,f:
計算先進率〕
【0010】しかしながら、計算先進率には予測誤差が
あって精度良く被圧延材速度を求めることができず、こ
れを用いて推定した被圧延材張力もやはり予測誤差が大
きいという問題を免れ得なかった。
【0011】このようなことから、本発明が目的とした
のは、格別なコスト高を招く装置を必要とせずに“仕上
圧延器と巻取機との間に位置する被圧延材の張力”の推
定精度を向上させ、熱間圧延材巻取り時の幅狭をより的
確に防止できる熱延巻取手段を提供することであった。
【0012】
【課題を解決するための手段】もっとも、本発明者等は
上述のような目的を達成すべく、先に、「巻取機駆動用
モ−タの回転数と電機子電流とから“仕上圧延機と巻取
機との間の被圧延材に生じる張力”を推定する推定演算
器を設け、 該演算器による張力推定値に基づいて巻取機
の駆動トルクを修正する張力制御器により被圧延材の張
力を目標張力に制御する方法」を提案しているが(特願
平7-227381号)、その後、この提案方法の更なる検討の
中で次のような認識を持つに至っている。
【0013】即ち、上記提案方法を実施するに当っては
“張力推定演算器”の中で巻取器駆動用モ−タの界磁磁
束を用いて張力を推定することが行われるが、この界磁
磁束は直接的に測定することができないため予め設定さ
れた値を使用せざるを得ないという問題が認識されたの
である。また、実際操業を通じて、上記提案方法により
望む制御効果を十分に得るためには“推定張力を基に張
力制御器装置で目標張力値を実現するまでの過渡誤差”
を無視することができず、これを小さく抑える工夫が是
非とも必要であることも明らかとなった。
【0014】そこで、これらの問題をも解決すべく更に
研究を続けた結果、「被圧延材が巻取機に巻き付いた直
後からの被圧延材張力は巻取機駆動用モ−タの回転数と
電機子電流に加えて逆起電力を考慮することによって的
確に推定でき、 この推定値と巻取機駆動用モ−タの回転
数と電機子電流とに基づいて巻取機の駆動トルクを制御
するようにすれば、 被圧延材の幅狭を的確かつ効果的に
抑えることができる」との知見を得ることができた。
【0015】本発明は、上記知見事項等を基になされた
ものであり、「巻取機駆動用電動機(巻取機駆動モ−
タ)の回転数と電機子電流と逆起電力とから“仕上圧延
機と巻取機との間の被圧延材に生じる張力”を推定する
推定演算器を設け、 該演算器による張力推定値と巻取機
駆動モ−タの回転数及び電機子電流に基づいて巻取機の
駆動トルクを修正することによって、 熱間仕上圧延機を
出た被圧延材を巻取機でコイル状に巻き取る際に生じる
被圧延材の幅狭を的確に防止し得るようにした点」に大
きな特徴を有している。
【0016】
【発明の実施形態】上述のように、本発明は、被圧延材
が巻取機に巻き付いた直後からの被圧延材張力を巻取機
駆動モ−タの回転数と電機子電流と逆起電力とから推定
する張力推定演算器を設けて、上記張力推定演算器によ
り推定された張力が巻き付き直後及び巻取中に大きな値
とならずに目標値となるよう、“上記推定張力”と“上
記推定張力と目標張力との偏差”と“巻取機駆動モ−タ
の回転数と電機子電流”とに基づいて巻取機の駆動トル
クを修正しつつ巻取機の回転数を制御し、被圧延材に働
く張力変動を抑えて幅狭を防止する技術に関するもので
あるが、以下、本発明をその作用と共により詳細に説明
する。
【0017】まず、巻取機に巻き付いた後の“仕上圧延
機と巻取機との間の被圧延材に生じる張力”について検
討する。被圧延材が巻取機に巻き付いた後の巻取機の運
動方程式は次の微分方程式で表すことができる。
【0018】
【数1】 但し、ω:巻取機の角速度, J:巻取機の慣性モ−メント, I:巻取機駆動モ−タの電機子電流, τT :被圧延材の張力による負荷トルク, τB :巻取機で被圧延材を巻き取る際の曲げトルク, τL :巻取駆動系のロストルク, Φ:巻取機駆動モ−タの界磁磁束, R:巻取機におけるコイル半径(被圧延材が巻き取られ
るに従って大きくなる), ζ:定数(巻取機駆動モ−タの磁極数,電機子の導体数
及び並列回路数に依存する)。
【0019】このとき、巻取機駆動モ−タの界磁磁束Φ
は直接測定できないため、巻取機の角速度ωと逆起電力
EMF を用いて、式(2) の関係より間接的に求めておく。
【数2】
【0020】ここで、下記の式(3) で示すトルクを状態
変数として定義すると、前記運動方程式は下記の式(4)
のように表される。 τD =τT +τB +τL =FT Rn+τB +τL …(3) 但し、FT :仕上圧延機と巻取機との間の被圧延材に生
じる張力, n :巻取機駆動モ−タのギヤ比。
【数3】
【0021】仕上圧延機と巻取機との間の被圧延材に生
じる張力は、巻取機への巻き付き速度と仕上圧延機から
ランアウトテ−ブルへ送出される速度との差によって生
じるので、仕上圧延機と巻取機との間の被圧延材に働く
張力応力と歪の関係から、次式の関係が成立する。
【0022】
【数4】 但し、σ:仕上圧延機と巻取機との間の被圧延材に働く
張力応力, v7 :仕上圧延機からランアウトテ−ブルへ送出される
被圧延材の速度, vM :被圧延材の巻取機への巻き付き速度, E:ヤング率, L:ランアウトテ−ブル(仕上圧延機から巻取機まで)
の長さ。
【0023】ここで、巻取機駆動モ−タの曲げトルク及
びロストルクの時間応答は、張力の変動に比べて十分遅
く、仕上圧延機の駆動モ−タは一般的に巻取機駆動モ−
タに比べて慣性モ−メントが極めて大きいために、仕上
圧延機からランアウトテ−ブルへの送出速度変動は巻取
機への巻取速度変動に比べて無視できるので、次式が成
立する。
【0024】
【数5】 但し、B:被圧延材の製造板幅, h:被圧延材の製造板厚。
【0025】以上の微分方程式をまとめることによっ
て、この制御対象は次のように行列表現することができ
る。
【数6】 ここで、x(t) :状態ベクトル, u(t) :入力, y(t) :出力, T:ベクトルの転置。
【0026】上記状態方程式において、直接測定できな
いトルクτD ( 便宜上、 張力トルクと呼ぶ)を推定する
推定器を次のように構成する。
【数7】 上記式におけるkは推定器のゲインであって、この推定
器による推定値の真値への収束時間(Tc ) を調節できる
ものであり、後述する本発明の実施例では「収束時間 T
c =0.01秒」とした。
【0027】このようにして計算した推定トルク値を前
記式(3) に代入することで、被圧延材の張力FT は次式
を基にして求められる。
【数8】 上述のように、巻取機駆動モ−タの角速度と電機子電流
とから“仕上圧延機と巻取機との間の被圧延材に生じる
張力”を推定することができる。
【0028】次に、この張力推定値に基づいて巻取機の
駆動トルクを修正し、被圧延材の張力を目標張力に制御
する張力制御器の構成について説明する。張力制御を実
施する際には、目標張力との過渡誤差ができるだけ少な
い制御系を設計することが望ましい。そこで、張力制御
器として現代制御理論を適用した最適サ−ボシステムを
構成する方法について述べる。
【0029】“仕上圧延機と巻取機との間の被圧延材に
生じる張力”は前記推定器によって推定できるので、こ
こでは制御対象の出力を張力トルクτD とし、このトル
ク出力を目標トルクに追従させるサ−ボ機構を設計する
ものとする。即ち、制御対象を次式のように状態ベクト
ル表現し、目標張力トルクτD refは目標張力FT ref
から前記式(3) を基に求めるものとする。
【数9】
【0030】τD ref がどのような入力であってもサ−
ボ機構は理論的に設定できることが保証されているが、
ここでは説明を簡単にするため、ステップ状の目標入力
に対して追従するサ−ボ機構を設計するものとする。こ
こで、サ−ボシステムを図2に示す構成とし、出力y
(t) =τD を目標トルクτD ref に定常偏差なく追従さ
せるために、目標トルクと出力との差に定常偏差補償器
として積分器を配置する。また、図2においてF,Kは
制御系を漸近安定にするためのフィ−ドバック行列であ
る。
【0031】なお、図2のシステムは、前記式(10)に加
え、次式で表される。
【数10】
【0032】ここで、次の式(12)を得る。
【数11】
【0033】次に、定常値からの誤差システムを求め
る。誤差システムの状態変数として、次の変数を用意す
る。
【数12】
【0034】この時、式(10)〜(13)より、誤差システム
を行列表現すると式(14)(15)のように表せる。
【数13】
【数14】
【0035】これは、式(14)の系に式(15)の状態フィ−
ドバックを施したものとみなすことができる。そこで、
3次の拡大システム{式(14)}において、重み行列A,
Bを選び、次式で表される評価関数を最小にするvを最
適出力レギュレ−タ問題を解く。
【数15】
【0036】この結果、最適フィ−ドバックベクトルが
式(17)のように解くことができたとする。
【数16】
【0037】前記式(15)と上記式(17)を比較すると、次
式が成立する。
【数17】
【0038】従って、図2のフィ−ドバック行列F,K
は、次式を基にして求めることができる。
【数18】
【0039】以下、本発明を実施例により説明する。
【実施例】図1は、本実施例で使用した鋼板の熱間圧延
設備に係る説明図である。この図1において、1は被圧
延材、2は熱間仕上圧延器群、3は被圧延材搬送用ロ−
ラ(テ−ブルロ−ラ)、4はピンチロ−ル、5はラッパ
−ロ−ル、6は巻取機、7は巻取機駆動モ−タ、9は電
流制御装置、10は電流測定器、11はモ−タ角速度測定
器、12はモ−タ逆起電力測定器、13は張力推定演算器、
14は張力制御装置、15は演算器である。
【0040】図1に示す熱間圧延設備において、複数の
スタンドからなる熱間圧延機群2にて圧延された被圧延
材1は、続くランアウトテ−ブルにて必要な温度まで冷
却された後、巻取機6によりコイル状に巻き取られる。
ここで、被圧延材1が巻取機6に巻き付いた瞬間から本
発明に係る張力制御による幅狭防止制御が動作するが、
まず巻取機駆動モ−タ7の電機子電流とモ−タ角速度,
逆起電力がそれぞれ電流測定器10,角速度測定器11,逆
起電力測定器12にて測定され、これらの測定信号は張力
推定演算器13に入力される。張力推定演算器13では、先
に述べた方法により、モ−タ電機子電流とモ−タ角速度
及びモ−タ逆起電力とから被圧延材1の張力が推定され
る。
【0041】この張力推定値から計算された推定トルク
は演算器15に送られるが、演算器15によって目標トルク
との偏差が計算され、計算された偏差は張力制御装置14
に入力される。なお、張力制御装置14は図2で示す如く
に構成されている。
【0042】張力制御装置14では、先に述べた方法によ
って、張力推定演算器13にて推定したトルク推定値とモ
−タ角速度の状態フィ−ドバックにより張力と目標張力
との過渡偏差が少なくなるような電流指令値が計算さ
れ、その結果が電流制御装置9に入力される。そして、
電流制御装置9は上記電流指令値に基づき、巻取機駆動
モ−タ7を制御する。
【0043】この一連の制御動作により、被圧延材の張
力は、巻取機に巻き付いた直後から過渡誤差を最小限に
抑えることによって、直ちに目標張力に制御されるた
め、幅狭が生じることはない。
【0044】さて、本発明の効果を検証すべく、図1に
示した実施例設備(鋼板の熱間圧延設備実機)を使って
前記本発明に係る熱延巻取機の制御テストを行った。こ
の結果を、図3及び図4に示す。また、比較として、本
発明に係る熱延巻取機の制御を実施しなかった場合(図
7で示した如き従来の制御を行った場合)のテスト結果
を図5及び図6に示す。
【0045】図3及び図4に示される結果からは、本発
明に係る熱延巻取機の制御を実施した場合には、被圧延
材の張力が巻取り開始と同時にほぼ目標張力に制御され
るため、被圧延材には幅狭が発生していないことが確認
できる。
【0046】これに対して、図5及び図6に示される比
較例(本発明に係る熱延巻取機の制御を実施しなかった
場合)の結果は、被圧延材が巻取機に巻き付いた直後に
過大な張力が発生し、その後の巻取り中も張力を直接制
御していないために目標張力との間に誤差が生じること
を示している。このため、被圧延材には幅狭が生じてい
ることが分かる。この比較例の結果は、被圧延材の刻々
とした張力変動に留意することなく巻取機駆動モ−タの
電機子電流の制御のみを実施するに止まっていたことに
起因したものである。
【0047】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、熱間圧延後の被圧延材を巻き取る際に生じがちな幅
狭を高価な設備を要することなく簡単かつ的確に防止す
ることが可能となり、適正な熱間圧延材を高歩留で能率
生産できるなど、産業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した鋼板の熱間圧延設備に係る説
明図である。
【図2】実施例で使用した張力制御装置に係る説明図で
ある。
【図3】本発明に従った実機制御における「経過時間と
被圧延材の張力との関係」を示したグラフである。
【図4】本発明に従った実機制御における「被圧延材長
さ位置と板幅偏差との関係」を示したグラフである。
【図5】従来法による実機制御における「経過時間と被
圧延材の張力との関係」を示したグラフである。
【図6】従来法による実機制御における「被圧延材長さ
位置と板幅偏差との関係」を示したグラフである。
【図7】従来実施されていた熱延巻取機の制御方法に係
る説明図である。
【符号の説明】
1 被圧延材 2 熱間仕上圧延機群 3 被圧延材帆走用ロ−ラ(テ−ブルロ−ラ) 4 ピンチロ−ル 5 ラッパ−ロ−ル 6 巻取機 7 巻取機駆動モ−タ 8 張力/電流換算装置 9 電流制御装置 10 電流測定器 11 モ−タ角速度測定器 12 モ−タ逆起電力測定器 13 張力推定演算器 14 張力制御装置 15 演算器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間仕上圧延機を出た被圧延材を巻取機
    でコイル状に巻き取る際に生じる被圧延材の幅狭を防止
    するための熱延巻取機の制御方法であって、巻取機駆動
    用電動機の回転数と電機子電流と逆起電力とから“仕上
    圧延機と巻取機との間の被圧延材に生じる張力”を推定
    する推定演算器を設け、該演算器による張力推定値と巻
    取機駆動用電動機の回転数及び電機子電流に基づいて巻
    取機の駆動トルクを修正することによって被圧延材の張
    力を目標張力に制御することを特徴とする、熱延巻取機
    の制御方法。
JP11705696A 1996-04-15 1996-04-15 熱延巻取機の制御方法 Pending JPH09276929A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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