JPH09273881A - コルゲート型ヒートパイプの製造方法 - Google Patents

コルゲート型ヒートパイプの製造方法

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JPH09273881A
JPH09273881A JP8106290A JP10629096A JPH09273881A JP H09273881 A JPH09273881 A JP H09273881A JP 8106290 A JP8106290 A JP 8106290A JP 10629096 A JP10629096 A JP 10629096A JP H09273881 A JPH09273881 A JP H09273881A
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JP
Japan
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tubular body
heat pipe
corrugated
working fluid
wire
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JP8106290A
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English (en)
Inventor
Koichi Masuko
耕一 益子
Mikiyuki Ono
幹幸 小野
Masataka Mochizuki
正孝 望月
Toshiichi Akai
敏一 赤井
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均熱特性および熱輸送力のいずれにも優れる
コルゲート型ヒートパイプを容易に製造する。 【解決手段】 まず、金属テープ2の両側縁部8を中空
状態に湾曲させ、かつその側縁部8同士を接合させて管
状体9を形成する。つぎに、この管状体9の内部に全体
として螺旋状を成しかつ断面が螺旋の内周側に開口した
略U字状の線条体6を挿入する。さらに、その管状体9
にコルゲート加工を施すとともに、その内壁面と線条体
6とを密着させる。その後、管状体9の両端部を密閉す
るとともに、内部に真空脱気した状態で凝縮性の流体を
作動流体として封入してヒートパイプ化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、外部からの入熱
を作動流体の潜熱として輸送するヒートパイプに関し、
特にコンテナが連続した波状を成すコルゲート型ヒート
パイプの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のようにヒートパイプは、真空脱気
した金属管などの容器の内部に、水やアルコール、フロ
ンなどの凝縮性の流体を作動流体として封入したもので
あり、温度差が生じることにより動作し、高温部で蒸発
した作動流体が低温部に流動して放熱・凝縮することに
より、作動流体の潜熱として熱輸送を行う。
【0003】ところで、ヒートパイプをほぼ垂直な状態
に布設して、かつその下端部を加熱部として用いる場合
には、上方の凝縮部で液化した作動流体がコンテナの壁
面を伝って流下する。その場合、作動流体との濡れ性の
良い材料でコンテナを形成してあるものの、作動流体は
幾筋かの流れとなりやすくコンテナの壁面全体に膜状に
広がることは殆んどない。そのため蒸発部のうち作動流
体が溜っている部分より上側の部分での作動流体が蒸発
する面積が狭くなり、この点で熱輸送能力が制限を受け
ている。また、特にコンテナの周方向における均熱特性
が損なわれる問題が生じる。
【0004】そこで従来、上記の課題を解決するための
手段が種々開発されており、その一例として、ヒートパ
イプのコンテナ内壁面に沿って金属製のスパイラル線を
配置することが知られている(特願平5−10697
号)。この種のヒートパイプによれば、液相の作動流体
がスパイラル線によってコンテナの内面の周方向に案内
されつつを流下するので、コンテナ内面のほぼ全域に作
動流体が供給される。したがって局部的な放熱ムラが発
生せず、しかも、コンテナ壁面と作動流体との接触面積
が大きいことから、作動流体の蒸発量ひいてはヒートパ
イプとしての熱輸送量が増大する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記のヒート
パイプでは、コンテナとスパイラル線とが別構成である
から、特にコンテナが長尺のコルゲート管によって形成
されている場合等には、コンテナ壁面とスパイラル線と
に密着しない部分が生じ、その隙間から作動流体が流れ
落ちることがある。そして、このようにスパイラル線に
ガイドされずに流れ落ちる作動流体は、やはり液膜状に
広がることはなく筋状に流下する。その結果、上記のヒ
ートパイプにおいても、放熱ムラの発生ならびに熱輸送
能力の低下を完全には解消することができなかった。
【0006】このように従来では、高いレベルの均熱特
性と熱輸送力とを兼備したヒートパイプを得ることが困
難であり、またこの傾向は、前述の通りコンテナがコル
ゲート管からなるヒートパイプに顕著であった。
【0007】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、熱輸送能力および均熱特性のいずれもが優れたコ
ルゲート型ヒートパイプを容易に作成できる製造方法を
提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は上記の目的を達成するために、金属テープを中空状態
に湾曲させ、かつその側縁部同士を接合させて管状体を
形成するとともに、全体として螺旋状を成しかつ断面が
螺旋の内周側に開口した略U字状の線条体を前記管状体
の内部に挿入し、つぎに、その管状体にコルゲート加工
を施すとともに、その管状体の内壁面と前記線条体とを
密着させ、さらに、その管状体の両端部を密閉するとと
もに、内部に真空脱気した状態で凝縮性の流体を作動流
体として封入してヒートパイプ化することを特徴とする
ものである。
【0009】また、請求項2の発明は、金属テープを中
空状態に湾曲させ、かつその側縁部同士を接合させて管
状体を形成するとともに、筒状に形成したメッシュ材の
外周部に線材を螺旋状に巻回してなるガイド部材を、前
記管状体の内部に挿入し、つぎに、その管状体にコルゲ
ート加工を施すとともに、その管状体の内壁面と前記線
材とを密着させ、さらに、その管状体の両端部を密閉す
るとともに、内部に真空脱気した状態で凝縮性の流体を
作動流体として封入してヒートパイプ化することを特徴
とするものである。
【0010】さらに、請求項3の発明は、金属テープを
中空状態に湾曲させ、かつその側縁部同士を接合させて
管状体を形成するとともに、筒状に形成したメッシュ材
の外周部に線材を螺旋状に巻回しかつその線材の外側を
液保持用ウィックで覆ってなるガイド部材を、前記管状
体の内部に挿入し、つぎに、その管状体にコルゲート加
工を施すとともに、その管状体の内壁面と前記液保持用
ウィックとを密着させた状態させ、さらに、その両端部
を密閉するとともに、内部に真空脱気した状態で凝縮性
の流体を作動流体として封入してヒートパイプ化するこ
とを特徴とするものである。
【0011】したがって、請求項1に記載した発明の製
造方法によれば、まず、素材として金属テープが用意さ
れる。そして、その金属テープをU字状から円形断面
に、あるいは螺旋状に次第に湾曲させ、かつその側縁部
同士を接合する。これにより管状体が形成される。つぎ
に、全体として螺旋状を成しかつ断面が螺旋の内周側に
開口した略U字状の線条体を、前記管状体に挿入する。
ついで、コルゲート加工を管状体に施すとともに、管状
体の内壁面と線条体とを互いに密着した状態に保持す
る。さらに、管状体の両端部を密閉し、かつその内部に
真空脱気した状態で凝縮性の流体を作動流体として封入
する。以上の手順によりコルゲート型ヒートパイプが完
成する。
【0012】また、請求項2に記載した発明において
も、素材として金属テープが用意される。そして、その
金属テープを徐々に湾曲させるとともに、接合させて管
状体を形成し、この管状体に、筒状のメッシュの外周部
に線材を螺旋状に巻回したガイド部材を挿入する。つぎ
に、管状体にコルゲート加工を施すとともに、線材と管
状体の内壁面とを密着させた状態にする。さらに、管状
体の両端部を密閉し、かつヒートパイプ化する。以上の
手順によりコルゲート型ヒートパイプが作成される。
【0013】さらに、請求項3に記載した発明において
も、素材となる金属テープを徐々に湾曲させるととも
に、互いに接合させて管状体を形成する。そして、筒状
のメッシュの外周部に線材を螺旋状に巻回し、さらにそ
の外側を液保持用ウィックで覆ったガイド部材を、管状
体の内部に挿入する。つぎに、管状体にコルゲート加工
を施す。なお、その場合に、液保持用ウィックと管状体
の内壁面とを密着させる。さらに、管状体の両端部を密
閉するとともに、ヒートパイプ化する。以上の手順によ
ってコルゲート型ヒートパイプが作成される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施例を図面
を参照して説明する。図1はコルゲート型のヒートパイ
プ用管材を製造するパイプ製造ラインの全体を示す概略
図であり、また、図2はヒートパイプの完成体を示す図
である。図1においてパイプ製造ライン1には、管材の
材料となる長尺の金属テープ2を巻き取ったテープ送出
し機3と線条体・ガイド部材送出し機4とTIG溶接機
5等が備えられている。その線条体・ガイド部材送出し
機4には、後述の管状体に挿着される長尺の線条体6が
巻き取られている。この線条体6は、一例として図2に
示すように、素材の略U字状断面の金属線を、その凹部
面を中心軸側に向けた均等ピッチの螺旋状に形成したも
のである。そのため、特に幅方向(径方向)の弾性力が
高くなっている。
【0015】他方、前記テープ送出し機3を駆動させる
ことによって、金属テープ2が所定速度でその長さ方向
に繰り出される。なお、金属テープ2の素材としては、
銅やステンレス鋼等のヒートパイプのコンテナ材料とし
て一般的な金属が採用されている。つぎに、金属テープ
2はロール成形工程7に送られ、その両側縁部8が徐々
に湾曲加工されて円筒状に形成される。そして、円筒状
に形成された後に、金属テープ2の側縁部8同士の突き
合わせ部分をTIG溶接機5によって気密に溶接し、管
状体9が形成される。さらに、その管状体9の内部に
は、その送り速度に同調して前記線条体6が順次挿入さ
れる。
【0016】ついで、管状体9は洗浄工程(図示せず)
に送られて、内面に付着した切削くずや潤滑油等が除去
されるとともに、さらに、コルゲート化工程10に送ら
れて、そこでコルゲート加工が施される。すなわち、こ
こで管状体9が円筒形状から線条体6のピッチ間に小径
の部分が形成されたコルゲート形状に加工される。その
際に、この工程では機械的な圧力が線条体6に加えられ
るが、線条体6自体の弾性復帰力が高いことから、局部
的な歪みや破損が発生せず、その結果、線条体6の螺旋
形状が良好な状態に維持される。また、前述の通り金属
テープ2によって管状体9が形成されており、それ自体
の可撓性の高いことも相俟って、線条体6の外側面と管
状体9の波状にうねる内壁面とを密着させることが可能
になる。すなわち、ガイド部材が緊密に挿着されたコル
ゲート型の管状体9を容易に作成することができる。
【0017】そして、そのコルゲート状の管状体9は、
適当な長さで切断されるとともに、図示しないヒートパ
イプ化工程に送られて、両端部を端板などで密閉される
とともに、内部に真空脱気した状態でアルコールや水等
の凝縮性流体が作動体として封入され、ヒートパイプ1
2とされる。このヒートパイプ化のための方法・工程
は、従来知られている方法・工程を採用することができ
る。
【0018】上述の手順によって製造されたヒートパイ
プ12は、コンテナの内面に線条体6が密着し、かつ可
撓性を持ったものとなる。そして、このヒートパイプ1
2を例えば図2に示すように垂直に立設させ、またその
下端部分を蒸発部として動作させた場合には、蒸発部に
おける入熱により作動流体が蒸発し、その蒸気は圧力の
低い凝縮部に流動し、そこで熱を奪われて凝縮する。そ
の作動流体は、管状体9の内面を伝わって重力により蒸
発部側に流下するが、線条体6と管状体9との間に隙間
がないため、その大半は線条体6に沿って螺旋状に流れ
る。なお、作動流体の一部が線条体6から溢れ出すこと
もあるが、線条体6が螺旋状を成していることにより、
その溢れ出した分の作動流体は管状体9内壁面に薄い膜
状になって広がる。したがって、管状体9の内周面のほ
ぼ全域に作動流体が供給される。その結果、このヒート
パイプ12では、長尺で、しかもコルゲート型のコンテ
ナであるにも拘らず、特に周方向における放熱ムラが発
生しない。
【0019】また、以上のようにして蒸発部の全体に分
散させられた作動流体は、それぞれの箇所で再度加熱さ
れて蒸発し、熱輸送を行う。したがって作動流体の蒸発
が生じる面積、すなわち実効蒸発部面積が広くなるの
で、作動流体の蒸発量が多くなって熱輸送量に優れたも
のとなる。
【0020】なお、この発明の製造方法によれば、管状
体9および線条体6を共に連続的に送りつつ、それらの
組み付け加工が実施されるから、作成されるコルゲート
型のヒートパイプ12は、全長に制約されない長尺なも
のとすることができる。
【0021】つぎに図1および図3を参照して、この発
明のヒートパイプ製造方法の第二実施例を説明する。な
お、上記の実施例と同様の部材あるいは装置等には同じ
符号を付し、その詳細な説明を省略する。図1における
パイプ製造ライン1の線条体・ガイド部材送出し機3に
は、線条体6に代えて長尺なガイド部材13が巻き取ら
れている。このガイド部材13は、作動流体を好ましい
状態で還流させるために備えられるものであり、例えば
円筒状に編成した金網14の外周部に、形状記憶合金か
らなる円形断面の金属線15を螺旋状に巻き付けて形成
したものである。なお、金属線15は形状記憶合金の臨
界温度より高温から急冷することによって、所定の形
状、すなわち挿入される管状体9の内径よりも若干太い
螺旋形状が予め記憶されている。
【0022】他方、前記テープ送出し機4を駆動させる
ことによって、金属テープ2がその長さ方向に繰り出さ
れるとともに、ロール成形工程7に送られ、その両側縁
部8が徐々に湾曲加工されて円筒状に形成される。そし
て、その金属テープ2の側縁部8同士の突き合わせ部分
をTIG溶接機5によって溶接し、管状体9が形成され
る。さらに、その管状体9の内部に前記ガイド部材13
が挿着されるとともに、洗浄工程(図示せず)に送られ
て、内面に付着した切削くずや潤滑油等が除去される。
つぎに、管状体9はコルゲート化工程10に送られて、
そこで円筒形状からコルゲート形状に加工される。な
お、その際には、機械的な圧力がガイド部材13に与え
られるが、円筒状に形成された金属網14の半径方向の
弾性力により金属線15が良好な状態、すなわち初期の
螺旋形状に維持される。また、管状体9が金属テープ2
により形成されていて可撓性が高いことからも、管状体
9の波状にうねった内壁面にガイド部材13の金属線1
5を密着させることができる。すなわち、ガイド部材1
3が緊密に挿着されたコルゲート型の管状体9を容易に
作成することができる。
【0023】つぎに、コルゲート状の管状体9は、所定
の長さで切断されるとともに、図示しないヒートパイプ
化工程に送られて、両端部を端板などで密閉されるとと
もに、内部に真空脱気した状態で適当な凝縮性流体が作
動体として封入され、ヒートパイプ化される。このヒー
トパイプ化のための方法・工程は、上記実施例と同様の
方法・工程を採用できる。
【0024】以上の工程を経て作成されたヒートパイプ
12(図3参照)を垂直に立設させて下端部を加熱する
とともに、ガイド部材13の金属線15の温度が形状記
憶合金の臨界温度を越えると、金属線15が予め記憶さ
せてある元の形状に回復して若干大径の螺旋状を形成す
るため、上記挿入時点に対してより完全に管状体9の内
壁面に金属線15が密着する。
【0025】他方、下方部から上方部に流動し、そこで
放熱して凝縮した作動流体は、管状体9の内壁面に沿っ
て重力によって流下するが、その壁面とガイド部材13
の外側の面と金属線15とに隙間がないことにより、作
動流体は金属線15にガイドされて螺旋状に流下し、ま
たその一部が溢れ出したとしても、やはり薄膜状に広が
りつつ流下する。したがって、特に周方向における放熱
ムラが発生せず、また、作動流体の蒸発が生じる実効蒸
発部面積が広くなるので、熱輸送量に優れたヒートパイ
プ12となる。
【0026】また、上記の製造方法によれば、管状体9
およびガイド部材13を共に連続的に送りつつ、それら
の組み付け加工が実施されるから、作成されるコルゲー
ト型のヒートパイプ12は、全長に制約されない長尺な
ものとすることができる。
【0027】つぎに図1および図4を参照して、この発
明のヒートパイプ製造方法の第三実施例を説明する。な
お、上記の実施例と同様の部材あるいは装置等には同じ
符号を付し、その詳細な説明を省略する。図1において
のパイプ製造ライン1の線条体・ガイド部材送出し機3
には、線条体6に代えて長尺なガイド部材13が備えら
れている。このガイド部材13は、例えば円筒状に編成
した金網14の外周部に円形断面の金属線15を螺旋状
に巻き付け、さらにその外周部を液保持用ウィックとし
てのカーボン繊維16で覆ったものであって、すなわ
ち、金属線15を金網14とカーボン繊維16とによっ
て挟んだサンドウィッチ構造となっている。なお、液保
持用ウィックとしては、ヒートパイプの動作温度域に則
して適当な材料が選択され、例えばヒートパイプが高温
用の場合にはここに示したカーボン繊維16等が用いら
れ、また一方、低温用のヒートパイプには、発泡材等が
用いられる。
【0028】他方、金属テープ2が所定速度でその長さ
方向に繰り出されるとともに、ロール成形工程7におい
て、その両側縁部8が徐々に湾曲加工され円筒状に形成
される。そして、その金属テープ2の側縁部8同士の突
き合わせ部分がTIG溶接されて、管状体9が形成され
る。つぎに、その管状体9の内部に前記ガイド部材13
が順次挿入される。
【0029】上記のようにガイド部材13が装着された
管状体9は、洗浄工程(図示せず)に送られるととも
に、コルゲート化工程10に送られて、そこで円筒形状
からコルゲート形状に加工される。なお、その際には、
機械的な圧力がガイド部材13全体に与えられるが、半
径方向の弾性力を有する円筒状の金網14に金属線15
が巻回されているから、その金属線15は圧潰されたり
せず、初期の螺旋形状に維持される。また、金属テープ
2によって形成されていることで管状体9自体の可撓性
が高いことからも、ガイド部材13が緊密に挿着された
コルゲート型の管状体9を容易に作成することができ
る。
【0030】上記コルゲート状の管状体9は、適当な長
さで切断されるとともに、図示しないヒートパイプ化工
程に送られて、両端部を端板などで密閉されるととも
に、内部に真空脱気した状態で適当な作動流体が封入さ
れ、すなわちヒートパイプ化される。このヒートパイプ
化のための方法・工程は、上記各実施例に示した方法・
工程を採用することができる。
【0031】以上の工程を経て作成されたヒートパイプ
12(図4参照)を垂直に立設させて下端部を加熱する
と、発生した作動流体蒸気は上方部に流動するととも
に、そこで放熱して凝縮する。その液化した作動流体
は、カーボン繊維16に含浸されつつ流下し、また、そ
の一部は金属線15に沿って螺旋状に流下する。その場
合、若干の作動流体が溢れ出ることもあるが、やはり下
方のカーボン繊維16に含浸されるから、その分の作動
流体は筋状には流下しない。このように、この実施例の
ヒートパイプ12では、管状体9の壁面と金属線15と
は密着しないが、それらの間に介在するカーボン繊維1
6によって液相作動流体が適度に保持され、また、一方
で金属線15にガイドつつ流下するから、管状体9の内
周面のほぼ全域に作動流体が供給される。したがって、
特に周方向における放熱ムラが発生せず、また、作動流
体の蒸発が生じる実効蒸発部面積が広くなるので、熱輸
送量に優れたヒートパイプとなる。
【0032】また、上記の製造方法によれば、管状体9
およびガイド部材13を共に連続的に送りつつ、それら
の組み付け加工が実施されるから、コルゲート型のヒー
トパイプ12は、全長に制約されない長尺なものとする
ことができる。
【0033】なお、上記各実施例では、成形ロールによ
って金属テープを幅方向に湾曲させてパイプ状に成形
し、かつ溶接して製管する、いわゆる電縫管方式を例に
とって説明したが、この発明は上記の実施例に限定され
るものではなく、他に、金属テープをスパイラル状に成
形し、かつ継目を溶接して製管する、いわゆるスパイラ
ル方式の製造方法の場合にも好適に実施することができ
る。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明の製造方法は、金属テープから形成された管状体の内
部に、全体として螺旋状を成しかつ断面が螺旋の内周側
に開口した略U字状の線条体を挿入し、その後、コルゲ
ート加工を施すとともに、線条体と管状体の内壁面と密
着させ、さらにヒートパイプ化する方法であるから、均
熱特性と熱輸送力とに優れるコルゲート型ヒートパイプ
を効率よく製造することができる。
【0035】また請求項2に記載の発明は、筒状に形成
したメッシュ材の外周部に、線材を螺旋状に巻回してな
るガイド部材を、金属テープからなる管状体に挿入し、
その後、コルゲート加工を施すとともに、その内壁面と
線材とを密着させる。そしてさらに、ヒートパイプ化す
る方法であるから、高度の熱輸送能力と均熱特性とを合
わせ持つコルゲート型ヒートパイプを効率よく作成する
ことができる。
【0036】請求項3に記載の発明は、まず、金属テー
プから管状体を形成し、つぎに筒状のメッシュ材の外周
部に線材を螺旋状に巻回し、かつその線材の外側を液保
持用ウィックで覆ってなるガイド部材を、前記管状体の
内部に挿入する。さらに、管状体にコルゲート加工を施
すとともに、液保持用ウィックと管状体の内壁面とを密
着させた後に、ヒートパイプ化する製造方法であるか
ら、優れた熱輸送能力と均熱特性とを兼備するコルゲー
ト型ヒートパイプを容易に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パイプ製造ラインを示す概略図である。
【図2】第一実施例に係るヒートパイプを、一部切り欠
いて示す図である。
【図3】第二実施例に係るヒートパイプを、一部切り欠
いて示す図である。
【図4】第三実施例に係るヒートパイプを、一部切り欠
いて示す図である。
【符号の説明】
2…金属テープ、 6…線条体、 8…側縁部、 9…
管状体、 12…ヒートパイプ、 13…ガイド部材、
14…金網、 15…金属線、 16…カーボン繊
維。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤井 敏一 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属テープを中空状態に湾曲させ、かつ
    その側縁部同士を接合させて管状体を形成するととも
    に、全体として螺旋状を成しかつ断面が螺旋の内周側に
    開口した略U字状の線条体を前記管状体の内部に挿入
    し、つぎに、その管状体にコルゲート加工を施すととも
    に、その管状体の内壁面と前記線条体とを密着させ、さ
    らに、その管状体の両端部を密閉するとともに、内部に
    真空脱気した状態で凝縮性の流体を作動流体として封入
    してヒートパイプ化することを特徴とするコルゲート型
    ヒートパイプの製造方法。
  2. 【請求項2】 金属テープを中空状態に湾曲させ、かつ
    その側縁部同士を接合させて管状体を形成するととも
    に、筒状に形成したメッシュ材の外周部に線材を螺旋状
    に巻回してなるガイド部材を、前記管状体の内部に挿入
    し、つぎに、その管状体にコルゲート加工を施すととも
    に、その管状体の内壁面と前記線材とを密着させ、さら
    に、その管状体の両端部を密閉するとともに、内部に真
    空脱気した状態で凝縮性の流体を作動流体として封入し
    てヒートパイプ化することを特徴とするコルゲート型ヒ
    ートパイプの製造方法。
  3. 【請求項3】 金属テープを中空状態に湾曲させ、かつ
    その側縁部同士を接合させて管状体を形成するととも
    に、筒状に形成したメッシュ材の外周部に線材を螺旋状
    に巻回しかつその線材の外側を液保持用ウィックで覆っ
    てなるガイド部材を、前記管状体の内部に挿入し、つぎ
    に、その管状体にコルゲート加工を施すとともに、その
    管状体の内壁面と前記液保持用ウィックとを密着させた
    状態させ、さらに、その両端部を密閉するとともに、内
    部に真空脱気した状態で凝縮性の流体を作動流体として
    封入してヒートパイプ化することを特徴とするコルゲー
    ト型ヒートパイプの製造方法。
JP8106290A 1996-04-03 1996-04-03 コルゲート型ヒートパイプの製造方法 Pending JPH09273881A (ja)

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JP8106290A JPH09273881A (ja) 1996-04-03 1996-04-03 コルゲート型ヒートパイプの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011245366A (ja) * 2010-05-24 2011-12-08 Fujikura Ltd 金属加工油循環機構および金属加工油循環方法

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