JPH09272198A - インクジェットプリント装置 - Google Patents

インクジェットプリント装置

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JPH09272198A
JPH09272198A JP8272396A JP8272396A JPH09272198A JP H09272198 A JPH09272198 A JP H09272198A JP 8272396 A JP8272396 A JP 8272396A JP 8272396 A JP8272396 A JP 8272396A JP H09272198 A JPH09272198 A JP H09272198A
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JP
Japan
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ink
printing apparatus
dot diameter
inkjet
heads
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Application number
JP8272396A
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English (en)
Inventor
Masataka Yashima
正孝 八島
Hideto Takayama
秀人 高山
Retsu Shibata
烈 柴田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濃度が異なる複数のインクを用いて階調プリ
ントを行う場合に、用いるインクによらず形成されるイ
ンクドットの径を一定にすることにより画像におけるす
じムラの発生を低減する。 【解決手段】 濃度の異なるそれぞれのインクを吐出す
る各ヘッドの電気熱変換体に印加する駆動パルスの幅を
それぞれ異ならせることによりそれぞれのインク吐出量
を異ならせ、これにより、いずれのヘッドから吐出され
る場合でもその吐出インクによりx×xの面積の画素に
対し、√2x+αの一定の径のドットを形成する。この
結果、形成されるドットは常に画素全体を覆い、画像に
おいてドット間の隙間が生じるのを防止でき、この隙間
を原因とするすじムラを抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットプリ
ント装置に関し、詳しくは階調プリントを行うインクジ
ェットプリント装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にインクジェットプリンタ等のプリ
ント装置においてインクドットにより階調画像をプリン
トする方法としては、インクジェットヘッドを駆動して
インクを吐出するために印加する電圧やパルス幅等を変
化させることにより、記録紙等に形成されるインクドッ
トの径を変える、いわゆるアナログ変調法、インクドッ
トの径は変えずに所定のマトリックス中に打ち込むドッ
ト数を変えることにより階調プリントを行うデジタル変
調法、さらにはアナログ変調法とデジタル変調法を組み
合せ、マトリックス中のドットの数およびその径を変化
させるデジタル・アナログ変調法等が知られている。
【0003】しかしながら、各画素において、インクド
ットの径を変化させるアナログ変調法においては、例え
ばインク吐出に伴うヘッドの蓄熱効果により、直前画素
に対するインク吐出の影響を受け、微妙なドット径の制
御は比較的困難であることが多い。また、インクジェッ
ト方式においては制御し得るドット径の範囲も限定さ
れ、この方法のみによって例えば256階調の比較的多
値の画像を出力することは困難である。
【0004】一方、マトリックスを用いるデジタル変調
法においては、例えば256階調を表現しようとした場
合、16×16のマトリックスが必要となり、その結
果、1画素の占める面積が大きくなり、プリント画像の
実質的解像度が低下したり、高解像度の画像出力が困難
であるといった問題が生じる。
【0005】そこで安定した高階調画像を得るために、
上記のようなアナログ変調法は用いずに、また、解像度
の実質的低下を避けるため、誤差拡散法等の2値化処理
を行い、階調画像を出力するのが一般的である。
【0006】しかしながら、この方法においても、イン
クドットの濃度と下地(記録紙面)との濃度差が大きい
場合には、特にハイライト部においてインクドットが目
立ち画像のざらつき感が生じるといった問題点があっ
た。
【0007】これに対し、階調特性、特にハイライト部
での特性を改善するため、同一色に対して複数の異なる
濃度のインクを使用して画像を出力する方法が提案され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同一色
に対して濃度の異なる複数のインクを使用して階調画像
を出力する方法においては、異なる濃度のインクを同一
条件で吐出した際に、インクの物性値の違いにより、記
録紙上でインクのドット径が異なることが多い。具体的
には、濃度の低いインク、例えば濃度の高いインクを希
釈して得られるインクを用いる場合には、そのドット径
が濃度の高いインクを使用した場合に比べて小さくなる
傾向にある。その結果、濃度の低いインクで全面プリン
ト(いわゆるベタプリント)またはそれに近い状態のプ
リントを行っても、そのドット径が小さいことにより、
記録紙面がインクドットで完全に被覆されないことがあ
る。
【0009】また、インクジェットヘッドは、一般にプ
リント速度の向上等を目的として1種類のインクに対し
て複数の吐出口を持ついわゆるマルチノズルタイプのも
のが用いられるが、これらの吐出口等は精密に製造され
るものの個々の吐出口形成やその相対位置に多少のばら
つきが生じることも多い。このようなヘッドにあって
は、吐出方向の偏向や吐出量の減少等の吐出不良を生
じ、インクの着弾位置が本来の場所からわずかにずれる
ことがある。
【0010】このような場合、上述の濃度の低いインク
を用いた場合には、インクドットの間の隙間、すなわ
ち、記録紙面が露出している部分が特に顕著となり、こ
のような部分によってプリント画像においてすじ状の模
様(以下、すじムラともいう)が観察されることにな
る。
【0011】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、濃度が異な
る複数のインクを用いて階調プリントを行う場合におい
て、上記複数のインクのうち用いるインクによらず被プ
リント媒体上に形成されるインクドットの径を一定にす
ることによりすじムラの発生を低減することが可能なイ
ンクジェットプリント装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
それぞれ濃度の異なるインクを吐出する複数のインクジ
ェットヘッドを用い、該複数のインクジェットヘッドか
ら被プリント媒体にインクを吐出してプリントを行うイ
ンクジェットプリント装置において、前記複数のインク
ジェットヘッドそれぞれから吐出されるインクによって
被プリント媒体に形成される各々のドットの径を実質的
に等しくするドット径設定手段、を具えたことを特徴と
する。
【0013】さらに好ましくは、前記ドット径設定手段
は、前記複数のインクジェットヘッドそれぞれのインク
吐出量を異ならせることによりそれぞれ形成されるドッ
トの径を実質的に等しくすることを特徴とする。
【0014】また、前記ドット径設定手段は、前記複数
のインクジェットヘッドがそれぞれ吐出するインクの組
成において、当該インク含有される有機溶剤の重量比を
変化させることにより各々のドットの径を実質的に等し
くすることを特徴とする。
【0015】以上の構成によれば、濃度の異なるインク
をそれぞれ吐出するヘッド毎に、例えば吐出量またはイ
ンク成分が異ならせることができるので、それぞれ吐出
されたインクによって被プリント媒体に形成されるドッ
トの径を実質的に等しくすることができ、これにより吐
出されるインクの濃度の相違に起因して生じるドット径
の縮小を予め防止できドット間の隙間の発生を抑制する
ことが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態では、記録紙
等の被プリント媒体に形成されるインクドットの径を以
下のように定める。
【0017】図1は本実施形態において形成するドット
を模式的に示す図である。図に示すように、1画素とし
て想定されるx×xの正方形の部分にドットを形成する
場合、その径を√2x+αとし、本実施形態では濃度が
異なる複数のインクのいずれを用いても常にこの径を実
現するようにするものである。ここで、径√2x+αの
うち、αは着弾位置が多少ずれても、このずれを吸収し
て径が変化しないように設けられたものであり、αの値
としてはxの10%程度の値である。
【0018】すなわち、前述したように濃度の異なる複
数のインクを用いた場合、上記αによって吸収できる範
囲を越えて、径自体が比較的大きく変動するが、本実施
形態では、この用いるインクの濃度に起因した変動に応
じてドット径を変化させることにより上述のように径を
√2x+αの値にするものである。そして、このように
実現される径は、前述したようにベタプリントの場合の
ドット形成において隙間を生じさせないものである。
【0019】このようなインクのドット径を変化させる
方法としては大別して以下の2つの方法がある。
【0020】第1に、インクの吐出量を変化させる方
法、第2に、インクの物性値を変える方法である。一般
に形成されるインクドットの径は、その吐出量とインク
および被プリント媒体の性質によって定まる。例えば、
吐出量を多くすれば、ドット径は大きくなる。また、同
じ吐出量であっても、インクの被プリント媒体に対する
濡れ性が高い方が形成されるドット径は大きくなる。す
なわち、上記2つの方法によりインクのドット径を制御
することが可能となる。
【0021】一般にインクジェットプリントにおいて使
用されるインクとしては、吐出性能等を考慮して水系の
ものが多く用いられる。この水系インクの組成は、イン
ク染料、界面活性剤、水、およびその他添加剤としての
有機溶剤からなる。添加剤としては通常、保湿、防腐、
酸化防止、pH調整のためにグリセリン、グリコール、
尿素、IPA等が使用されるが、これらに限ったもので
はなく、適宜選択することができるものである。従っ
て、インクの濡れ性は、上述のインク組成によって定ま
ることになる。
【0022】一方、第1の方法であるインク吐出量を変
化させる具体的方法としては、インクを吐出するために
印加する電圧やパルス幅を変化させる方法や、複数のイ
ンクをそれぞれ吐出するヘッドの構造をインク毎に異な
らせてヘッド固有の吐出量を変える方法等により実現で
きる。本実施形態においては、いずれの方法を用いても
良いが、吐出安定性の観点から、実現すべきドット径に
応じて定められた吐出量となるよう専用に設計されたヘ
ッドを用いることは好ましいことである。
【0023】より具体的には、同一色に対してn(nは
2以上)種の異なる濃度のインクを用いる場合、最も濃
度の高いインクを吐出するときのインク量をV1 とし、
インクの濃度が低くなるに従ってそのインクを吐出する
量をそれぞれV2 ,…,Vnとするとき、 V1 ≦V2 ≦…≦Vn なる関係が成り立つようにすることにより、それらのド
ット径を一定の値√2x+αとする。
【0024】一方、インクの物性値によってドット径を
変化させる場合は、特にインク染料に対する界面活性剤
の含有比を変えることがインクの濡れ性を変化させ、結
果としてインクのドット径を制御する上で効果的であ
る。
【0025】具体的には、吐出量が同一の場合に界面活
性剤の含有比をインク濃度の高い法から順にW1 ,W
2 ,…,Wn とする等によって W1 ≦W2 ≦…≦Wn なる関係が成り立つようにすることにより、ドット径を
一定にすることができる。
【0026】以上の本実施形態によれば、記録紙面が周
期的に露出されることによって生じるすじムラの発生を
抑制することができる。
【0027】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を詳
細に説明する。
【0028】(実施例1)図2は、本発明を実施したイ
ンクジェットプリンタの概略構成を示す図である。本実
施例では、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー
(Y)およびブラック(K)の4色のインクそれぞれに
ついて、3段階の濃度のインクをそれぞれ吐出するシア
ンインク用ヘッド21a,21b,21c、マゼンタイ
ンク用ヘッド22a,22b,22c、イエローインク
用ヘッド23a,23b,23cおよびブラックインク
用ヘッド24a,24b,24cを用いる。そして、こ
れらのヘッドは、各濃度毎に3つのユニット1a,1b
および1cの形態で装着される。各インクジェットヘッ
ドは、それぞれ64個の吐出口を有し、それぞれの吐出
口に対応してインク吐出に利用される熱エネルギーを発
生するための電気熱変換体を備えている。なお、図1
は、各ヘッドを吐出口が配設される面側から視た図を示
している。
【0029】ヘッドユニット1a,1b,1cを一体に
装着するキャリッジ2はガイド軸7aおよび7bと摺動
可能に係合し、これにより、キャリッジモータ6の駆動
力によってガイド軸7a,7bに沿って移動することが
できる。このキャリッジの移動範囲の一部には被プリン
ト媒体としての記録紙3の搬送経路が設けられる。すな
わち、キャリッジ2の移動方向に直交する方向の2個所
にそれぞれ1対の紙送りローラ4(それぞれ一方のみが
図示)が設けられ、それぞれのローラ対が紙送りモータ
5によって駆動されることにより、記録紙3は上記キャ
リッジ2の移動方向と直交する方向に搬送される。
【0030】各インクジェットヘッドにおけるインク吐
出、キャリッジモータ6および紙送りモータ5の駆動
は、それぞれヘッド駆動部11、ヘッド移動用駆動部1
2および記録紙移動用駆動部13を介して、制御部・画
像処理部10によって制御される。
【0031】本実施例で用いる4種類のインクのうち、
シアン(C)を例にとり、3段階の各濃度のインク毎の
成分比およびそれぞれのインクをインクジェットプリン
ト用コート紙(キヤノン株式会社製 LC−201)に
プリントした際の反射濃度(大日本スクリーン株式会社
製 DM−800による測定)を以下の表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】これらのインクを吐出するシアン用ヘッド
21a,21bおよび21cの駆動は以下のようにして
行われる。256階調のシアン(C)の画像データは、
シアンインクによって実現できる反射濃度1.5、0.
75、0.3を考慮し制御部・画像処理部10において
多値誤差拡散法により二値データに変換され、ヘッド駆
動部11はこのデータに基づきそれぞれのヘッド21a
〜21cを駆動する。この際、ヘッド駆動パルスのパル
ス幅は、インクC1 用ヘッド21aにおいては3.0μ
sec、インクC2 用ヘッド21bにおいては3.8μ
sec、インクC3 用ヘッド21Cにおいては5.0μ
secに設定される。その結果、それぞれのヘッドから
吐出されるインク量はV1 =40pl、V2 =42p
l、V3 =44plとなる。
【0034】以下の表2は、上記駆動パルスの電圧を2
0Vとしたときのそれぞれのインク用ヘッドに対してパ
ルス幅を3.0μsecに設定したときと上記のように
設定した時のインクドットの径を測定した結果を示すも
のである。
【0035】
【表2】
【0036】このように濃度の異なるインクごとにヘッ
ドの駆動パルス幅を変化させることにより、それぞれの
ヘッドから吐出されるインクにより形成されるドットの
径を略等しい値である90μm前後の範囲とすることが
できる。
【0037】同様の方法で、マゼンタ(M),イエロー
(Y),ブラック(K)においても同様の処理を行うこ
とにより、フルカラーのプリント画像においてすじムラ
を低減することができる。
【0038】(実施例2)上述の実施例1と同様にC,
M,Y,K各色においてそれぞれ3段階の異なる濃度の
インクを使用して階調画像を出力するものである。
【0039】上記実施例1は駆動パルスの幅を変調させ
ることにより吐出量を変化させてドット径を一定とする
のに対し、本実施例はヘッドの構造を異ならせることに
より吐出量を変化させてドット径を一定とするものであ
る。すなわち、本例で用いるヘッドは、電気熱変換体と
してのヒータとインク路先端の吐出口までの距離が異な
るものである。
【0040】それぞれのヘッドにおいて駆動電圧20
V、駆動周波数6kHz、駆動パルス幅3.0μsec
の条件下でのインク吐出量を以下の表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】すなわち、最大濃度の各インクC1 ,M
1 ,Y1 ,K1 用のヘッドとして表3に示すヘッドa
を、中間の濃度の各インクC2 ,M2 ,Y2 ,K2 用の
ヘッドとしてヘッドbを、さらに最小濃度の各インクC
3 ,M3 ,Y3 ,K3 用のヘッドとしてヘッドcを、そ
れぞれ用いる。そして、上述のヒータから吐出口までの
距離をヘッドc、ヘッドb、ヘッドaの順の大きさとす
る。この時のシアンの各ヘッドによるドット径を表3に
合わせて示す。
【0043】このようにインクの吐出量をヘッド構造を
異ならせることにより、それぞれのインク濃度により変
化させ、各インクにおいて常に所望のドット径にするこ
とができ、その結果、すじムラの目立たない階調画像を
得ることができる。
【0044】(実施例3)本実施例においても実施例1
と同様にして階調画像をプリントするが、ここでは、使
用するヘッド、および駆動電圧等は全て同じものを用い
るが、使用するインクを以下の表4の組成のものとす
る。なお、表4では簡単のためシアン(C)について示
す。
【0045】
【表4】
【0046】表4に示すように、染料に対する界面活性
剤の含有比Wは、W1 =1/4、W2 =5/4、W3
5となり、W1 <W2 <W3 の関係を満たしている。
【0047】これらインクを用いて、駆動周波数6kH
z、駆動電圧20V、駆動パルス幅3.0μsecの条
件で吐出を行うことにより、それぞれのドット径は略同
じ大きさとすることができる。
【0048】このようにして、C,M,Y,K各色につ
いて出力することによりすじムラの低減された画像を得
ることができる。
【0049】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手
段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱
エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式の
記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすも
のである。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細
化が達成できるからである。
【0050】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0051】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0052】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0053】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0054】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0055】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0056】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0057】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
濃度の異なるインクをそれぞれ吐出するヘッド毎に、例
えば吐出量またはインク成分が異ならせることができる
ので、それぞれ吐出されたインクによって被プリント媒
体に形成されるドットの径を実質的に等しくすることが
でき、これにより吐出されるインクの濃度の相違に起因
して生じるドット径の縮小を予め防止できドット間の隙
間の発生を抑制することが可能となる。
【0059】この結果、プリント画像においてすじムラ
を低減することができ、すべての階調において画質の高
い画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるドット形成を説明
する図である。
【図2】本発明を実施したインクジェットプリンタの概
略構成を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c ヘッドユニット 2 キャリッジ 3 記録紙 4 紙送りローラ 5 紙送りモータ 6 キャリッジモータ 7a,7b ガイド軸 10 制御部・画像処理部 11 ヘッド駆動部 12 ヘッド移動用駆動部 13 記録紙移動用駆動部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ濃度の異なるインクを吐出する
    複数のインクジェットヘッドを用い、該複数のインクジ
    ェットヘッドから被プリント媒体にインクを吐出してプ
    リントを行うインクジェットプリント装置において、 前記複数のインクジェットヘッドそれぞれから吐出され
    るインクによって被プリント媒体に形成される各々のド
    ットの径を実質的に等しくするドット径設定手段、 を具えたことを特徴とするインクジェットプリント装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ドット径設定手段は、その等しく設
    定する径を、当該ドットが形成される画素を覆うものと
    することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    プリント装置。
  3. 【請求項3】 前記ドット径設定手段は、前記複数のイ
    ンクジェットヘッドそれぞれのインク吐出量を異ならせ
    ることによりそれぞれ形成されるドットの径を実質的に
    等しくすることを特徴とする請求項1または2に記載の
    インクジェットプリント装置。
  4. 【請求項4】 前記ドット径設定手段は、前記複数のイ
    ンクジェットヘッドそれぞれから吐出されるインク濃度
    が低くなるに従って順次インク吐出量を多くすることを
    特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリント装
    置。
  5. 【請求項5】 前記ドット径設定手段は、前記複数のイ
    ンクジェットヘッドそれぞれのインク吐出に利用される
    熱エネルギーを発生する電気熱変換体に印加する駆動パ
    ルスのパルス幅を変化させて吐出量を異ならせることを
    特徴とする請求項3または4に記載のインクジェットプ
    リント装置。
  6. 【請求項6】 前記ドット径設定手段は、前記複数のイ
    ンクジェットヘッドそれぞれの構造を異ならせることに
    よりそれぞれのインク吐出量を異ならせることを特徴と
    する請求項3または4に記載のインクジェットプリント
    装置。
  7. 【請求項7】 前記ドット径設定手段は、前記複数のイ
    ンクジェットヘッドそれぞれのインク吐出に利用される
    熱エネルギーを発生する電気熱変換体とインク吐出口と
    の距離を異ならせることによりそれぞれのインク吐出量
    を異ならせることを特徴とする請求項6に記載のインク
    ジェットプリント装置。
  8. 【請求項8】 前記ドット径設定手段は、前記複数のイ
    ンクジェットヘッドがそれぞれ吐出するインクの組成に
    おいて、当該インクに含有される有機溶剤の重量比を変
    化させることにより各々のドットの径を実質的に等しく
    することを特徴とする請求項1または2に記載のインク
    ジェットプリント装置。
  9. 【請求項9】 前記ドット径設定手段は、有機溶剤のう
    ち界面活性剤のインク染料に対する含有比を、前記複数
    のインクジェットヘッドが吐出するインクにおいて濃度
    が低いインク程、大きくすることを特徴とする請求項8
    に記載のインクジェットプリント装置。
  10. 【請求項10】 前記複数のインクジェットヘッドはそ
    れぞれインクを吐出するために利用される熱エネルギー
    を発生する熱エネルギー発生体を有することを特徴とす
    る請求項8または9に記載のインクジェットプリント装
    置。
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