JPH09270359A - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

金属化フィルムコンデンサ

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JPH09270359A
JPH09270359A JP11297196A JP11297196A JPH09270359A JP H09270359 A JPH09270359 A JP H09270359A JP 11297196 A JP11297196 A JP 11297196A JP 11297196 A JP11297196 A JP 11297196A JP H09270359 A JPH09270359 A JP H09270359A
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vapor deposition
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metal vapor
electrode
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Kenji Furuki
健次 古木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁破壊に対する信頼性を確保すると共にヒ
ューズ動作等による容量減少を抑制し、これによってエ
ネルギー密度の向上を可能としながら、しかも小型、軽
量化の要望に応え得る金属化フィルムコンデンサを提供
する。 【解決手段】 片面に金属蒸着を施したプラスチックフ
ィルム1、4を2枚1対として巻回する。各金属蒸着面
は、金属蒸着のないスリット2b、5bによりセグメン
ト3a、6aに細分化する。スリット2b、5b間に形
成されたヒューズ部3b、6bによってセグメント3
a、6aを接続する。セグメント3a、6aは四角形で
あり、3個のコーナ部にヒューズ部3b、6bを設け
る。セグメント3a、6aの面積、ヒューズ部3b、6
bの寸法は所定範囲内のものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、保安機構を有す
る金属蒸着化プラスチックフィルム(以下、金属化フィ
ルムと称する)を使用したコンデンサに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】直流フィルターコンデンサは、直流に含
まれる交流成分を選択濾波し、純直流に近い電圧とする
ように利用されている。また充放電用コンデンサは充電
したエネルギーの急峻な放電により大電流を発生させる
ものである。これらは産業機器用コンデンサとして広く
一般に利用されている。
【0003】そして一般にコンデンサに蓄えられる誘電
体単位面積当たりのエネルギー蓄電量(以下、エネルギ
ー密度)は、次式で与えられる。 W/S・d=εε(E/d)/2=εε/2 〔J/m〕 W:蓄電エネルギー〔J〕 S:電極面積〔m〕 d:誘電体厚み〔m〕 ε:真空の誘電率 ε:比誘電率 G:電位傾度〔V/m〕
【0004】即ちコンデンサのエネルギー密度は、誘電
体の比誘電率に比例し、電位傾度の自乗に比例すること
になる。ここで比誘電率は素材固有の値であってコンデ
ンサに採用できるものはある狭い範囲に収まっているか
ら、コンデンサのエネルギー密度は電位傾度に依存する
ものと考えて差し支えない。
【0005】従来、この分野のコンデンサの誘電体は、
アルミ箔電極を使用した紙かプラスチックフィルム或い
はこれらを併用したものが採用されていたが、このよう
な従来のアルミ箔電極コンデンサでは、設定電位傾度は
せいぜい130V/μmが上限であった。これに対し
て、最近一部の分野で採用が広がっている金属化フィル
ムを用いた蒸着コンデンサ、すなわち金属化フィルムコ
ンデンサでは、その特徴である自己回復作用(絶縁欠陥
部周辺の蒸着金属が瞬時的短絡によるエネルギーで蒸発
・飛散し、コンデンサの機能部分から切り離され、コン
デンサの機能が回復する現象)による絶縁破壊に対する
信頼性の向上により、より高電位傾度の設定が可能とな
り、180V/μm程度まで設計されるようになってき
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで最近は、この
種の産業機器用コンデンサの分野でも装置自体の小型・
軽量化が進み、コンデンサに対する小型・軽量化の要望
も次第に強くなってきている。しかしながら主として蒸
着金属の材質・薄膜の厚み等によって自己回復性を高め
ようとすることは限界となりつつあり、さらなる小型・
軽量化の要望に応えつつ、コンデンサのエネルギー密度
を向上させることは困難な状況となっている。
【0007】この発明は、上記従来の問題点を解決する
ためになされたものであって、その目的は、絶縁破壊に
対する信頼性を確保すると共にヒューズ動作等による容
量減少を抑制し、これによってエネルギー密度の向上を
可能としながら、しかも小型、軽量化の要望に応え得る
金属化フィルムコンデンサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1の金属化
フィルムコンデンサは、片面に金属蒸着を施したプラス
チックフィルムを2枚一対とするか、両面に金属蒸着を
施したプラスチックフィルムと金属蒸着を施さないプラ
スチックフィルムを2枚一対として巻回し、上記一対2
面の蒸着面の少なくとも1面は、金属蒸着の無いスリッ
トにより単位金属蒸着電極に細分化され、スリット間に
形成されたヒューズ部により単位金属蒸着電極が接続さ
れ、細分化された単位金属蒸着電極はn角形状(nは3
以上の整数)を有しておりかつ単位金属蒸着電極の蒸着
面積が10〜1000mmであり、単位金属蒸着電極
あたり上記n角形のコーナ部にあるヒューズ部の数は2
以上n未満であり、上記ヒューズ部の寸法は最狭部で
0.05mm以上1.5mm以下であることを特徴とし
ている。
【0009】従来は、例えば特開平4−359416号
公報に開示されたもののように、単位コンデンサ(以
下、セグメントという)を形成するスリットがフィルム
幅方向の一方向にのみ設けられているものが多かった。
このようなスリットでは、本用途のコンデンサ性能上必
要な単位コンデンサへの細分化(10から1000mm
)は、特に50mm以上のフィルム幅で極端に狭くな
り、加工技術上制約が多くなるということであり、また
第2は、スリット部の増加による容量減少が大きくなる
ということである。これに対して本願のものに於けるス
リットは、これらの制約がより少なく、任意に細分化さ
れたセグメントを形成することができる。
【0010】セグメントの面積については、10から1
000mmが適当である。10mm未満では、スリ
ット部の静電容量損失分が大きいのとヒューズ部を含む
加工技術上経済性に難点があり得策ではない。1000
mmを超過すれば、1回のヒューズ動作時に減少する
静電容量が大きくなり、コンデンサの静電容量寿命で電
位傾度が制約され、得策でない。
【0011】各セグメント間を接続するヒューズ部の寸
法は、最狭部で0.05〜1.5mmが適正である。
0.05mm未満では、通常電流による誤動作が多く、
静電容量の安定性を欠く。1.5mmを超過すればヒュ
ーズの感度が悪く、誘電体の損傷が生じ絶縁破壊の信頼
性を欠く。
【0012】前述したように、絶縁欠陥部での瞬時的短
絡によって発生するエネルギーの大きさに応じて、ヒュ
ーズ最狭部の寸法及びセグメント面積により適正なヒュ
ーズパターンを設定するのであるが、定格充電電圧が低
くなると短絡時に発生するエネルギーが小さくなり、ヒ
ューズ動作させることが困難となる場合がある。この場
合、請求項2の金属化フィルムコンデンサのように、1
セグメント当たりのヒューズの合計寸法(最狭部)を
0.1mm〜6mmの範囲内にすることにより良好にヒ
ューズ動作させることができる。合計寸法が0.1mm
未満では通常電流による誤動作が多く、静電容量の安定
性を欠く。合計寸法が6mmを超えればヒューズの感度
が悪く、誘電体の損傷が生じ絶縁破壊の信頼性を欠く。
【0013】この様に従来の金属蒸着化フィルムでの高
電位傾度化では、主としてコンデンサの絶縁破壊に対す
る信頼性から限界が認められたので、本発明者等は、J
ISC 4901低圧進相コンデンサ、JIS C 4
908電気機器用コンデンサに採用されている交流用途
の保安機能付きコンデンサに注目し、これを直流コンデ
ンサに適用した構造についての検討を行い、この結果、
ヒューズ効果により蒸着フィルムの自己回復作用を高
め、絶縁破壊に対する信頼性を確保し、ヒューズ動作等
による容量減少を極めて小さくし得る金属化フィルムコ
ンデンサの実現を可能にした。そして本構成により、従
来のコンデンサに比較して大幅な小型・軽量化を達成す
ることができた。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、この発明の金属化フィルム
コンデンサの具体的な実施の形態について、図面を参照
しつつ詳細に説明する。各図はこの発明の一実施形態に
よる金属化フィルムコンデンサ素子を示すもので、図1
はその展開斜視図、図2は一対の金属化フィルムコンデ
ンサの断面図である。両図において、1は第1の金属化
フィルムで、ポリプロピレンフィルム等の第1の誘電体
フィルム2の表面に金属蒸着により電極被膜3が形成さ
れている。2aはマージン部で、この部分には電極被膜
3は形成されていない。2bは第1スリットで、この部
分にも電極被膜3は形成されていない。3bは第1ヒュ
ーズ部であり、コンデンサの機能部分の細分化された単
位金属蒸着電極であるセグメント3aを接続している。
3cは第2ヒューズ部であり、フィルムの長手方向に延
びる電極被膜の形成されていない第2スリット2cによ
り分離された機能部分の蒸着金属と電極引き出し部分の
蒸着金属とを接続している。4は第2の金属化フィルム
で、以下第1の金属化フィルムの各部の名称に同じく、
5は第2の誘電体フィルム、5aはマージン部、5bは
第1スリット、5cは第2スリット、6は電極被膜、6
aはセグメント、6bは第1ヒューズ部、6cは第2ヒ
ューズ部である。7、8はリード引き出し用の金属吹き
付け部である。そして上記第1の金属化フィルム1を例
にすると、セグメント部3aを形成するパターンとして
は、図3〜図6に示すものがあるが、これ以外のパター
ンを採用することも可能である。なお図3〜図6におい
て、w1は第1ヒューズ部最狭部寸法、w2は第2ヒュ
ーズ部最狭部寸法、そしてw3、w4はセグメント部寸
法をそれぞれ示している。
【0015】
【実施例】
(実施例1)次に試験用に製作した本構造(図3)の供
試コンデンサの仕様を以下に示す。 ・金属化フィルム 亜鉛蒸着ポリプロピレンフィルム ・被膜抵抗値 7Ω/□ ・寸法 幅100mm マージン3.0mm 厚さ5μm セグメント面積200mm 第1ヒューズ部最狭部0.25mm 第2ヒューズ部最狭部3.00mm スリット輻は全て一定 ・容量 130μF ・含浸剤 植物油(菜種油)含浸 ・外装 角形ブリキケース収納 ・試料数 10個 (比較用としてスリットを設けない従来品も10個) このコンデンサと比較用のコンデンサ(スリットを設け
ない従来品)各10個を使用して実験を行った。試験結
果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】試験方法はステップアップ耐電圧試験とい
われるもので、80℃に設定した熱風循環式恒温槽中に
コンデンサを入れて、180V/μm(900V)に相
当する直流電圧を10秒(27.8Hrs)印加す
る。印加後、常温にしてコンデンサの容量等の諸特性を
測定する。次に200V/μmに相当する電圧を同様に
して印加し、印加・測定を順次繰り返し、コンデンサが
絶縁破壊するか容量が殆ど無くなるまで印加電圧を上昇
させ継続する。
【0018】以上の試験結果より以下のことが判明し
た。即ち従来のコンデンサが240V/μm(1200
V)で全数絶縁破壊したのに対して、本実施例のコンデ
ンサはフィルム本来の耐電圧領域まで絶縁破壊すること
なく、従来例において全数絶縁破壊が発生した240/
μmにおいても、大きな容量減少もなく耐用した。この
ように高い容量安定性と絶縁破壊に対する信頼性が確認
された。
【0019】なおフィルムの電位傾度すなわち通常の使
用電圧(定格電圧)をフィルム厚さで除したものは、1
30V/μm以上に設定するのが適当である。130V
/μm未満では、従来の通常コンデンサに対する優位性
がなく、本方式を採用する意味がない。
【0020】(実施例2)実施例1の図3に示す構成
で、セグメント部寸法w3、w4を変えてセグメント面
積が4〜2000mmとなる亜鉛蒸着ポリプロピレン
フィルムを5種製作し、下記仕様の供試コンデンサを製
作した。 ・金属化フィルム 亜鉛蒸着ポリプロピレンフィルム ・被膜抵抗値 7Ω/□ ・寸法 幅100mm マージン3.0mm 厚さ8μm セグメント面積4〜2000mmで5種 第1ヒューズ部最狭部0.6mm 第2ヒューズ部最狭部3.0mm ・用途 直流フィルターコンデンサ ・コンデンサ定格 電圧1600VDC 容量60μF ・外装 エポキシ樹脂封止乾式外装 ・試料数 各10個
【0021】試験結果を図7に示す。試験の方法は、
(1)スリット部がない通常のコンデンサの初期静電容
量に対して、スリットを設ける事による初期段階での容
量損失率が、セグメント面積によりどう変化するかを容
量測定により求める。(2)80℃の温度で定格電圧の
1.3倍の直流電圧を2000時間連続印加し、初期に
対する容量減少率を求める。
【0022】以上のことから次のことが判明した。先ず
セグメント面積が小さくなれば、非電極部の増加により
初期容量が減少するが、これとは逆にセグメント面積が
大きくなれば、寿命試験に於ける容量減少率が大きくな
るという事であり、結局セグメント面積が10〜100
0mmの範囲では、相反する両項目を満足する事が出
来る。
【0023】尚フィルムの種類、厚さ、蒸着金属と抵抗
値、含浸有無等を変えても、この範囲であれば両性能を
満足することも確認した。
【0024】(実施例3)実施例1の図3に示す構成
で、金属蒸着フィルムとして、フィルムの種類がポリプ
ロピレンフィルムとポリエチレンテレフタレートの2種
類、フィルムの厚さが5〜20μmの範囲で、任意のセ
グメント面積と定格電圧を設定したコンデンサ素子を製
作した。この素子をブリキ製のケースに収納し、石油系
ワックスとポリブデン油を混合した含浸剤を真空含浸し
たものを供試コンデンサとした。フィルムの種類は6種
だが、セグメント面積を変えて、1セグメント当たりの
蓄電エネルギー(W)が異なる合計13種の供試コンデ
ンサとした。
【0025】試験方法 試験1 直流連続通電試験:70℃の熱風循環式恒温槽
中で定格設定電圧の1.2倍の直流電圧を2000時間
連続印加する。このとき試験中に絶縁破壊が生じるか否
か、試験完了後の静電容量変化率が10%以内か否かで
判定した。 試験2 充放電試験:70℃の熱風循環式恒温槽中で定
格電圧での充放電を電圧反転率約10%、放電パルス幅
100〜300μsec、充放電頻度2〜3ppsの条
件で充放電回数1000万回を実施した。判定の基準は
試験1に同じである。試験の結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】以上の結果から次のことが判明した。1セ
グメント当たりの蓄電エネルギー(W)が大きくなれば
(定格充電電圧が大きくなる、1セグメントの面積が大
きくなる、比誘電率が大きくなればエネルギーが増加す
る)、直流連続通電試験、充放電試験ともに絶縁破壊、
容量減少に対する信頼性が低下する。適正な性能を付与
するには、1セグメント当たりの定格電圧充電時の蓄電
エネルギー(W)を0.03J以下にする必要がある。
0.03Jを超過すれば、適正なヒューズ設定が困難と
なり、誘導体の損傷が生じ絶縁破壊に対する信頼性が低
下する。また容量の減少率も大きくなる。
【0028】(実施例4)実施例1の図3に示す構成
で、金属蒸着フィルムとしてフィルムの厚さが4.5〜
15μmの範囲で任意のヒューズ合計寸法を設定した1
5種のコンデンサ素子を製作した。この素子をブリキ製
ケースに収納し植物油(菜種油)を真空含浸したものを
供試コンデンサとした。なお、このときのセグメント面
積は50〜500cm、定格電圧は900〜3000
VDCである。
【0029】試験方法 実施例3.試験1.と同様、70℃の熱風循環式恒温槽
中で定格電圧の1.2倍の直流電圧を2000時間連続
印加し、絶縁破壊が生じるか否か、試験完了後の静電容
量変化率が10%以内か否かで判断した。試験の結果を
表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】以上の結果から、次の事が判明した。定格
電圧が低くなると、絶縁欠陥部での瞬時的短絡によって
発生するエネルギーが小さくなり、ヒューズ最狭部寸法
及びセグメント面積のみで絶縁破壊及び容量減少に対す
る信頼性を維持する事が出来なくなる。適正な性能を付
与するには、1セグメント当たりのヒューズ合計寸法を
定格電圧に応じ、0.1mm以上6mm以下の範囲内で
適宜設定する必要がある。本試験結果を、定格電圧にお
ける適正な1セグメント当たりのヒューズ合計寸法範囲
として示したのが図8である。
【0032】(実施例5)次に実施例1に示すものと同
様の構成で、第2ヒューズ部寸法w2(図3(c)〜図
6(c))を変えて第1ヒューズ部3bと第2ヒューズ
部3cの寸法比率が1:0.5から1:30となる亜鉛
蒸着ポリプロピレンを6種製作し、以下の仕様の供試コ
ンデンサを製作した。 ・金属化フィルム 亜鉛蒸着ポリプロピレンフィルム ・被膜抵抗値 5Ω/□ ・寸法 幅100mm マージン3.0mm 厚さ10μm セグメント面積200mm 第1ヒューズ部最狭部0.6mm 第2ヒューズ部最狭部0.3、0.6、1.2、3.0、 12.0、18.0mm スリット幅は全て一定 ・容量 25μF ・含浸剤 植物油(菜種油)含浸 ・外装 角形ブリキケース収納 ・試料数 各10個 (比較用としてスリットを設けない従来品を10個及び第 2スリット・第2ヒューズを設けないものを10個) 試験の方法は、実施例3.試験1と同様70℃の熱風循
環式恒温槽中で定格電圧の1.2倍の直流電圧を200
0時間連続印加し、絶縁破壊が生じるか否か、試験完了
後の静電容量変化率が10%以内か否かで判断した。こ
の結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】以上の結果より、第2スリット及び第2ヒ
ューズ部を設け、第1ヒューズ部と第2ヒューズ部の寸
法比率を1:1から1:20の範囲内とする事により絶
縁破壊及び容量減少に対する高い信頼性を維持すること
ができる。
【0035】上記実施例において第1スリットはフィル
ム面上の異なる2方向に不連続に形成されており、隣接
する各セグメントはこの第1スリット間に形成された第
1ヒューズ部で互いに接続されている。これにより第1
ヒューズ部の動作時、各セグメントで形成される各単位
コンデンサを個々に切り離すことができ、容量損失を極
めて小さくおさえることができる。
【0036】なお第1スリットは2方向ではなく異なる
3以上の方向に形成されていてもよい。すなわち第1ス
リットにより細分化されたセグメントは正方形ではなく
多角形であればよく、面積も10〜1000mmの範
囲内であれば全て同一でなくてもよい。
【0037】各実施例において、セグメントあたりコー
ナ部にあるヒューズ数は2〜3個であり、セグメントあ
たり全てのコーナにヒューズを設けずに隣接する各セグ
メントを接続し、異常時には異常が生じた単位コンデン
サのみを切り離すことによりコンデンサの機能を維持す
ることができる。セグメントの全てのコーナにヒューズ
を設けヒューズ数を多くした場合、使用電圧が低くなる
と自己回復時にヒューズに流れる電流が小さくなり、ヒ
ューズ動作が安定しない。
【0038】この場合、ヒューズ寸法精度を上げること
でヒューズ機能を維持することができるが、実際には、
ヒューズ寸法精度向上にはスリット形成の加工上限界が
あり適正なヒューズ設定が困難なため、n角形状のセグ
メントあたりのヒューズ個数をnより少なくする必要が
ある。この時、n角形状のセグメントあたりのヒューズ
数がn/2個(nが奇数のときは(n+1)/2個)よ
り少ない場合、またn角形状のセグメントあたりのヒュ
ーズ数がn/2個(nが奇数のときは(n+1)/2
個)であり、その各ヒューズ位置がセグメントのコーナ
部にない場合は、異常が生じたセグメントのみを必ずし
も切り離すことができない構成になってしまい、当該セ
グメントに異常が生じヒューズが動作したとしても、そ
のセグメントのみならず隣接するセグメントも同時に切
り離され機能を失ってしまう場合が生じる。これを避け
るため、n角形状のセグメントあたりのヒューズ数は少
なくともn/2個(nが奇数のときは(n+1)/2
個)設ければよく、ヒューズ数が最小のn/2個(nが
奇数のときは(n+1)/2個)である場合は、各ヒュ
ーズをn角形状のセグメントのコーナ部に位置させれば
よい。
【0039】なお金属蒸着電極の構造については、電極
面全体が一様な金属蒸着被膜抵抗値を有する標準的な蒸
着金属か、あるいは第2スリットにより分離された電極
引き出し部分の金属蒸着被膜抵抗値が、コンデンサの機
能部分の金属蒸着被膜抵抗値よりも低いヘビーエッジ構
造の金属蒸着構造でも良い。ヘビーエッジ構造の金属蒸
着の場合には、第2ヒューズ部3cを、第2スリット2
cにより分離されたコンデンサの機能部分の金属蒸着被
膜抵抗値よりも低いヘビーエッジ部分の範囲内とするの
がよい。ヘビーエッジ構造の金属蒸着で、第2ヒューズ
部3cをヘビーエッジ部分の範囲外とすれば、特に第1
ヒューズ部3bと第2ヒューズ部3cの寸法比率が小さ
い場合において、電極引き出し部分からの電流集中によ
る誤動作が多く、静電容量の安定性を欠くために得策で
ない。
【0040】上記実施例では誘電体フィルムとしてポリ
プロピレンフィルムを使用したが、ポリエチレンテレフ
タレートフィルム等他の種類のフィルムであっても良
い。また上記実施例では蒸着金属として亜鉛を使用した
が、亜鉛に特定されるものでなく、アルミニウムや亜鉛
/アルミニウム混合物等他の金属でも良い。今回は植物
油油浸コンデンサで実施したが、含浸剤・充填剤はこれ
に限定されるものではない。また油浸・乾式を問わず適
用することができる。本例では、一対2面両方の蒸着面
がスリットにより細分化された電極であるが、片方を細
分化されない通常の蒸着フィルムとしても何等差し支え
ない。
【0041】
【発明の効果】以上のように、この発明は1素子のコン
デンサを多数の単位コンデンサの集合体にし、それぞれ
の単位コンデンサにヒューズを設け、異常時に絶縁破壊
することなく、容量減少を極めて低く押さえてコンデン
サの機能を確保できるようにしたものであり、絶縁性能
が高く、小型・軽量のコンデンサを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の金属化フィルムコンデンサの一実施
形態における金属化フィルムコンデンサ素子を示す展開
斜視図である。
【図2】一対の金属化フィルムの断面図である。
【図3】上記金属化フィルムコンデンサのセグメントを
示す図である。
【図4】上記金属化フィルムコンデンサのセグメントを
示す図である。
【図5】上記金属化フィルムコンデンサのセグメントを
示す図である。
【図6】上記金属化フィルムコンデンサのセグメントを
示す図である。
【図7】実施例2における試験結果を示すグラフであ
る。
【図8】実施例4における試験結果を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 第1金属化フィルム 2b 第1スリット 2c 第2スリット 3a セグメント 3b 第1ヒューズ部 3c 第2ヒューズ部 4 第2金属化フィルム 5b 第1スリット 5c 第2スリット 6a セグメント 6b 第1ヒューズ部 6c 第2ヒューズ部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面に金属蒸着を施したプラスチックフ
    ィルムを2枚一対とするか、両面に金属蒸着を施したプ
    ラスチックフィルムと金属蒸着を施さないプラスチック
    フィルムを2枚一対として巻回し、上記一対2面の蒸着
    面の少なくとも1面は、金属蒸着の無いスリットにより
    単位金属蒸着電極に細分化され、スリット間に形成され
    たヒューズ部により単位金属蒸着電極が接続され、細分
    化された単位金属蒸着電極はn角形状(nは3以上の整
    数)を有しておりかつ単位金属蒸着電極の蒸着面積が1
    0〜1000mmであり、単位金属蒸着電極あたり上
    記n角形のコーナ部にあるヒューズ部の数は2以上n未
    満であり、上記ヒューズ部の寸法は最狭部で0.05m
    m以上1.5mm以下であることを特徴とする金属化フ
    ィルムコンデンサ。
  2. 【請求項2】 上記単位金属蒸着電極あたりヒューズ部
    の合計寸法が0.1mm以上6mm以下であることを特
    徴とする請求項1の金属化フィルムコンデンサ。
  3. 【請求項3】 上記単位金属蒸着電極は4角形状であっ
    て、そのコーナ部にあるヒューズ部の数は2又は3であ
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2の金属化フィ
    ルムコンデンサ。
  4. 【請求項4】 片面に金属蒸着を施したプラスチックフ
    ィルムを2枚一対とするか、両面に金属蒸着を施したプ
    ラスチックフィルムと金属蒸着を施さないプラスチック
    フィルムを2枚一対として巻回し、上記一対2面の蒸着
    面の少なくとも1面は、金属蒸着の無い第1スリットに
    より単位金属蒸着電極に細分化され、第1スリット間に
    形成された第1ヒューズ部により単位金属蒸着電極が接
    続され、単位金属蒸着電極は多角形状を有すると共に、
    単位金属蒸着電極の蒸着面積は10〜1000mm
    あり、第1ヒューズ部の寸法を最狭部で0.05mm以
    上1.5mm以下とすると共に第1ヒューズ部は単位金
    属蒸着電極あたり多角形のコーナ部にある少なくとも2
    個のヒューズ部を備え、かつ第1ヒューズ部により各単
    位金属蒸着電極が互いに接続されたコンデンサとしての
    機能部分の蒸着金属と、金属の溶射等により導通を得る
    ための電極引き出し部分の蒸着金属とを、フィルムの長
    手方向に延びる蒸着金属のない第2スリットにより分離
    し、その第2スリットにより分離されたコンデンサの機
    能部分の蒸着金属と電極引き出し部分の蒸着金属とが、
    第2スリット間に形成された第2ヒューズ部により接続
    されていることを特徴とする金属化フィルムコンデン
    サ。
  5. 【請求項5】 第1ヒューズ部と第2ヒューズ部の最狭
    部の寸法比率が第1ヒューズ部を1としたときに第2ヒ
    ューズ部が1〜20の範囲内であることを特徴とする請
    求項4の金属化フィルムコンデンサ。
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