JPH09268409A - 衝撃吸収パッドおよびそれを装着した衣類 - Google Patents

衝撃吸収パッドおよびそれを装着した衣類

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JPH09268409A
JPH09268409A JP8071981A JP7198196A JPH09268409A JP H09268409 A JPH09268409 A JP H09268409A JP 8071981 A JP8071981 A JP 8071981A JP 7198196 A JP7198196 A JP 7198196A JP H09268409 A JPH09268409 A JP H09268409A
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pad
shock
acrylic copolymer
absorbing pad
foam
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JP8071981A
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Nanahiro Ozawa
七洋 小澤
Rika Kowatari
里香 小渡
Katsuhiko Oikawa
克彦 及川
Yoshigo Ito
善吾 伊藤
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TOYO CHEMITEC KK
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Gunze Ltd
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TOYO CHEMITEC KK
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Gunze Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 骨粗鬆症患者や、日常生活の中での不可抗力
による転倒あるいは衝突による骨折防護用の衣類用衝撃
吸収パッドおよびそれを用いた衣類を提供する。 【解決手段】 アクリル系共重合発泡体を衝撃吸収パッ
ドとして装着してなる衣類。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣類、特に下着の
腰回りの適宜の部位に装着することにより、転倒時の骨
折、ことに骨粗鬆症等の患者の転倒時の骨折を未然に防
止するようにした骨折防護用衝撃吸収材およびそれを装
着した衣類、特にパンツのごとき衣類に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、実開昭61−55008号や実
開平5−37911号などに記載されている如く、各種
のスポーツを行う際、身体に与える衝撃や傷の発生を防
止する目的で、衣服の各部位に空気袋のような防護具を
設けた衣服類がみられる。しかしながら、上記衣服の各
部位に防護具を直接装着したものは、スポーツ用として
は適当であるが、通常の衣類、特に下着用としては不向
きであり、また防護具を装着した好適な下着は見当たら
ない。また、最近老年者の間には足腰が弱くなって骨が
脆くなり、転倒による骨折、特に大腿骨頚部骨折が増加
している傾向がみられる。例えば、1990年発行の
「THE JOURNAL OF BONE AND
JOINT SURGERY, VOL.72−A,
NO.5 JUNE」におけるJ.C.LOTZ AN
D W.C.HAYESの報告書によるモデル実験で
は、約778ニュートン(約79Kgf)程度の力が加わ
ると骨折するとの報告がなされている。
【0003】さらに、1991年発行の「Geriatric、
Medicine,VOL.29 NO.5」における林泰史
の研究報告では、骨粗鬆症などが進行して骨が脆くなる
と、骨強度が健常者の約42〜79%に低下することが
報告されている。1992年発行の「Danish Medica
l Bulletin,VOL.39 NO.1/February」
におけるJes Bruun Laurizen & Vagn Askeg
aardの報告では、実際に腰部における大腿骨頚部の骨折
した患者と健常者の身体的な相違について検討されてい
る。この報告書によると、腰部を覆う皮下組織の厚みに
統計上大きな相違が見られる旨、報告されており、それ
によると身体の体密度が同じであり、かつ骨折した患者
と健康的な人の場合を比較すると、その皮下組織の厚み
は、前者では20mm、後者では29mmであり、相当
の相違があったと報告されている。さらに、上記の報告
では、人間の皮下組織と同じ力学上の特性を持つ豚の組
織を使って上記の20mmおよび29mmの厚さにおけ
る衝撃吸収率の相違についても測定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】日常生活において不可
抗力の転倒等によって生じる大腿部頚部骨折が近年急増
している。これは転倒等の強い衝撃が大腿部頚部および
その周辺に加わったときに起こることで、特に骨の弱っ
た老人ならびにカルシウム不足等の何らかの原因によっ
て骨がもろくなっている状態の時に特に顕著に認められ
ている。本発明者らは、上記のように日常生活における
不慮の転倒に対し、骨折等の傷害を防止する目的で日常
着用していても着用感の損なわれずに、かつ大腿骨頚部
およびその周辺にかかる衝撃をやわらげるものとして、
アクリル系共重合体からなる発泡体のパッドを衣類に所
定の位置に取り付けて使用することにより望ましい結果
を得ることができることを見いだした。すなわち、本発
明者らは、衝撃吸収能力があり、衣類として常時着用し
ても着用感の優れる軽量、柔軟性を兼ね備え、また着用
時や洗濯時に予想される力に耐える機械的物性も兼ね備
える素材としてアクリル系共重合体の発泡体を使用し、
パンツ等のような衣類に組み込むことが最も効果的であ
ることを見いだした。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクリル系共
重合体の発泡体からなることを特徴とする衣類装着用衝
撃吸収パッドおよび腰回りにおける前身頃、脇部、後身
頃および臀部の適宜な部位に該衝撃吸収パッドを取り付
けてなる衣類、特にパンツのような下着を提供するもの
である。本発明の衝撃吸収パッド用いると、特に、老人
の歩行時に前方や後方、あるいは左脇や右脇方向などあ
らゆる方向に転倒した場合でも、衣類に設けた衝撃吸収
パッドによって、腰回り、すなわち前身頃や脇部、後身
頃の各部位ならびに臀部が保護され、大腿骨頚部の骨折
を未然に防止できる効果が得られる。
【0006】
【発明の実施の態様】本発明の衝撃吸収パッドに用いる
アクリル系共重合体は、アクリルモノマーを含む共重合
体で、例えば、アクリル酸エステルモノマーと他のモノ
マーとからなる共重合体等を例示できる。アクリル酸エ
ステルには、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−
ヒドロキシプロピルエステル等のアクリル酸の炭素数1
〜10のアルキルまたはヒドロキシアルキルのごときア
クリルモノマーが包含される。他のモノマーには、得ら
れる共重合体の柔軟性や耐候性等を向上させるためのア
クリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリロニ
トリル、エチレン、スチレン、アクロレイン、2−クロ
ロエチルアクリレート、ブタジエン、N−ビニルピロリ
ドン、アクリレート等のモノマーが包含される。アクリ
ル酸エステルモノマーと、他のモノマーとの共重合の比
率は適宜選択できるが、通常、アクリル酸エステルモノ
マー:他のモノマーのモル比が1:90〜90:1程度
が選られるパッドの性能から好ましい。共重合は自体公
知の方法で行うことができる。
【0007】また、当該共重合体に架橋剤をあらかじめ
添加し、強靭性、耐溶剤性、硬度等を改良することもで
きる。架橋剤としては、メラミン、エポキシ樹脂、アミ
ン樹脂等を例示できるが、これに限定されるものではな
い。発泡体形成は、通常用いられる増粘剤、起泡剤、触
媒等を用いることによって行うことができる。発泡方法
は、特に限定するものではなく、化学的発泡、物理的発
泡等の任意の発泡方法をとることができるが安全性、作
業の容易性等から物理的発泡方法が好ましい。例えば、
アクリル系共重合体のエマルジョンを、所定の配合で起
泡安定剤、架橋剤、触媒等を混合し、機械攪拌発泡機を
用い発泡させ、所望の見かけ密度にし、離型板または離
型紙上に所望の厚みに塗布し、加熱乾燥させフォームを
成形することができる。
【0008】本発明においては、アクリル系共重合体発
泡体の見掛け密度を、0.1〜0.8、好ましくは0.2
〜0.5程度とすることができる。これ以下の場合に
は、吸収パッドとしての強度、衝撃吸収性が悪くなり、
また、これ以上の場合には重くなりすぎて着用性の点で
不十分な物になることが判明した。また、発泡体の厚み
は3〜40mm、好ましくは5〜15mm程度とすることが
できる。
【0009】本発明のパッドは、また、アクリル系共重
合体発泡体の表面に綿、アクリル繊維、毛、ポリエステ
ル繊維等で編織された生地を、適宜、接着剤を使って貼
り合わせても良い。この様に貼り合わせることによっ
て、発泡体の感触を良い物とし、さらに、運動時や高温
・多湿時の発汗時にこの貼り合わされた生地によって吸
汗作用を施すことが出きる。
【0010】また、本発明のパッドは、さらに、アクリ
ル系共重合体の発泡体と他の硬度の異なるシートとを組
合わせてもよく、硬度の高い物との組合わせることによ
り、転倒時の衝撃をさらに和らげる効果が得られること
が判明した。硬度の異なるシートには、JIS Aで5
〜90、好ましくは30〜80程度のものが包含され、
特に限定するものではないが、例えば、ポリオレフィン
系、アミド系合成樹脂体やウレタン系、エステル系等の
エラストマーや天然あるいは人工の皮革等のシートが包
含される。これらのシートはアクリル系共重合体と適宜
接着剤等で貼り合わせて使用しても良いが、重ねてそれ
ぞれ衣類に取り付けても良い。
【0011】上記アクリル系共重合体の発泡体を取り付
ける衣類は特に限定するものではなく、例えば、猿股類
やブリーフ、ショーツ、外着用ないしスポーツ用の各種
パンツ類およびズボン類が挙げられ、衝撃吸収の目的か
ら、特に、パンツが好ましい。パッドの取り付け方法も
特に限定しないが、パッドが、洗濯時にかかるせん断力
等によってずれないように、また、身体へのフィット性
の向上、運動のしやすさを付与するためにキルト状にパ
ッドを生地に縫いつけることができる。このために、パ
ッドを糸で縫いつけて固定してもよい。この時に、パッ
ドは、身体に触れる様にしても良いし、あるいは、生地
を介してもよい。また、例えば、ポケットを作りその中
に着脱自在で出し入れ出来る様にしても良い。取り付け
る位置としては、大腿骨頚部を中心に前身頃、脇部、後
身頃をカバーする部分に任意の1〜複数箇所に取り付け
られる。また、本来転倒等によって受ける衝撃を緩和す
る皮下脂肪が比較的薄く骨に対し衝撃が強くかかる所に
は衝撃吸収性を重視し厚手のアクリル系共重合体のパッ
ドを、また皮下組織は厚く本来の衝撃吸収能力は多少あ
るが尻もち等によっての衝撃を受けやすい臀部等には着
用性を重視したものを取り付ける等のように着用性を重
視して1つのパンツに2種類以上のパッドを組み合わせ
て使用しても良い。また、着用性等の点で必要であれば
衝撃の強く受ける場所にはアクリル系共重合体の発泡体
パッドを用い、さらに、衝撃の比較的緩和される様な所
には他のパッドを用いてもかまわない。他のパッドと
は、例えば、ウレタン発泡体やポリエチレン発泡体、ゴ
ムの発泡体、熱可塑性エラストマーの発泡体、シリコン
発泡体、不織布、立体織物等があげられる。
【0012】パッドの形状は特に限定するものことでは
ないが長方形、正方形、円形、楕円形、菱形などの多角
形や、短冊状やドーナツ型の内部がくり抜いてある物、
表面に任意の凹凸を付けた物等があげられる。また通気
性をもたせる為に適宜貫通孔をあけても良い。衝撃吸収
パッドの大きさは特に限定されるものではないが1cm2
〜1000cm2、好ましくは50cm2〜500cm2程度が
良い。
【0013】また、衣類に用いられる生地も、素材、編
織方法など特に限定されるものではないが、例えば、通
気性、衝撃吸収性を向上させるために、生地の表面に凹
凸を付けたものを用いることができ、表面に凹凸の形状
が現れる編み組織、パイル編み等が好ましい。特に、こ
れらの生地を衣類の身体側に位置する場所に装着するこ
とによって上記の様な効果を発揮することが判明した。
さらに、パッドを身体に密着させることで効率的に衝撃
を緩和させるために、パッドのまわりにストレッチ素材
を用いてもよい。
【0014】
【実施例】つぎに実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。実施例中、転倒衝撃を吸収する評価について
は下記の様な測定方法を使って評価した。まず、実際の
人間が支え無しに転倒した場合に大腿骨頚部に加わる転
倒衝撃は例えば、1991年発行の「Journal of Bio
mechanical Engineering,Vol.113 No.4 Novem
ber 366−374頁」におけるS.N.Robinovitchら
の報告や、1992年発行の「Danish Medical Bull
etin,Vol.39.91−93頁」におけるJes Bruun
Lauritzenらの報告書から、実際の転倒時の衝撃力を
640kgfと想定し、図1に示す衝撃試験装置を作製
し、試験吸収パッドの衝撃吸収能力を測定した。また、
骨折を予防できる強度は、転倒の仕方、個体差によって
千差万別なので特定できないが、1982年発行の「C
linical Orthopaedics and RelatedResearch,No.
163.272−281頁」におけるI.Leichterらの
報告等から、おおよそ300kgf以下であることがいえ
る。しかし、この値に限定されるものではない。
【0015】図1において、被衝撃側としてフローリン
グ材6の上に衝撃吸収パッド5を置き、その上に0.3m
mの厚みの塩化ビニール製のフィルム4を置き、さら
に、皮下脂肪の変わりに20mm厚みの牛脂3を置いた。
衝撃側として短軸が21mm、長軸が35mmの楕円形をし
た樫の木を衝撃子2としてアーム1にとりつけ、さらに
その衝撃子の上に加速度センサー9を取り付け、アーム
の先端に重りを装着した。(株)共和電業社製加速度セン
サー、品番「AS−50HB」から、同じく(株)共和電
業社製動ひずみ測定器、品番「DPM−711B」をア
ンプ7として接続し、オシロスコープ8でピーク電圧を
測定するシステムとした。吸収パッドが無いときに64
0kgfとなるような高さである、床から25cmの高さに
アームの先端をあげ、そこから初速が入らないように自
然落下させる方法をとった。衝撃吸収率は下記式から求
めた。
【0016】
【数1】衝撃吸収率={(640−k)/640}×100
【0017】式中、kはパッドがある時の衝撃力を意味
する。また、以下、「部」とあるは、いずれも重量部を
意味する。 実施例1 アクリル系共重合体発泡体を下記のように配合で形成さ
せた。アクリル系共重合体樹脂として日本カーバイト工
業製、製品名ニカゾール455を100部、ステアリン
酸アンモニウム塩10部、水溶化エポキシ7部、触媒
0.05部および炭酸カルシウム30部を混合したエマ
ルジョンを調製した。このエマルジョンを機械攪拌発泡
機を用い攪拌しながら、約2倍になるように起泡させて
発泡し、ベルトの上に4mm厚みで塗布し、100℃にて
10分間乾燥させ、2.5mm厚みの発泡シートを得た。
この様にして得られたシートを3枚重ね合わせ、ウレタ
ン接着剤で貼り合わせた。こうして得られたアクリル系
共重合体の発泡体は、見掛け密度0.45、厚み6.4mm
のシートで、これを図1の衝撃吸収試験機で衝撃吸収力
を測定したところ、277kgfで、衝撃吸収率は56.7
%であった。この吸収パッドを大腿骨頚部を覆うように
長軸15cm、単軸10cmの楕円形の形にし綿生地で覆い
キルト状に直接左右の大腿骨頚部の部所のパンツに縫い
込んだ。これらのパンツは着用感も優れ、常時着用して
いても違和感のない物であった。
【0018】実施例2 同様にアクリル系共重合体発泡体を下記の様な配合で形
成させた。アクリル系共重合体樹脂として日本カーバイ
ト工業製、製品名ニカゾール455を100部、起泡安
定剤としてアライトコロイド社製、製品名アルコポール
FAを10部、水溶化エポキシ6部、触媒0.05部お
よび炭酸カルシウム25部を混合したエマルジョンを調
製した。このエマルジョンを機械攪拌発泡機を用い攪拌
しながら、約2.5倍になるように起泡させ、離型性の
良いベルト上に4.5mm厚みで塗布し100℃にて10
分間乾燥させ、2.7mm厚みの発泡シートを得た。こう
して得られたシートを3枚重ね合わせウレタン系の接着
剤で貼り合わせて、見掛け密度0.35、厚み8.4mmの
1枚のシートを得た。このシートを図1の衝撃吸収試験
機で衝撃吸収力を測定したところ、167kgfであり、
衝撃吸収率は74%であった。この吸収パッドを同様に
パンツに縫い込んだ。このパンツは着用感も優れ、常時
着用していても違和感のない物であった。
【0019】実施例3 実施例1で得られた6.4mmのアクリル系共重合発泡体
(表面硬度JIS C型 15.2)に、1.5mm厚みの
人工皮革のクラレ(株)製、商品名クラリーノ、品番#2
910(表面硬度JIS A型 48)を貼り合わせ
た。同様に衝撃吸収率を測定したところ、190.2kgf
で、衝撃吸収率は70.2%であった。この吸収パッド
を実施例1と同様な形にし、パンツに縫い込んだ。この
パンツは着用感も優れ、常時着用していても違和感のな
いものであった。
【0020】実施例4 実施例1で得られたアクリル系共重合発泡体に直径2mm
の貫通孔を5mm間隔で、全体にあけた。このときの衝撃
強度は288kgfで、衝撃吸収力は55%であった。貫
通孔の有無によっての衝撃強度の差は認められず、この
貫通孔によって通気性が向上し、実施例1と同様にパン
ツに縫い込んだ状態での通気性も向上し着用感も優れ、
むれることがなく良好なものであった。
【0021】実施例5 実施例2で得られたアクリル系共重合発泡体の8.4mm
のパッドを大腿骨頚部を覆う部分の脇身頃の部分に長軸
15cm、短軸10cmの楕円形にし、綿生地でキルト状に
パンツに縫い込んだ。さらに、臀部に熱可塑エラストマ
ーの発泡体である朝日ラバー(株)製の商品名ハイストレ
ッチフォーム、厚み8mm、見掛け密度0.24を長軸8c
m、短軸5cmの楕円形にし、同じくキルト状に縫い込ん
だ。できあがったパンツは重さも常時着用するには差し
支えのないものであり、大腿骨頚部を保護するだけでな
く尻もち等をついたときでも痛みを和らげることができ
る。
【0022】実施例6 パンツの脇部つまり大腿骨頚部を覆う部位に、パンツの
外側に上部に開口部を設けた、実施例2で得られたアク
リル系共重合発泡体を入れることができるポケットを形
成した。開口部にはファスナーを取り付けてあり着脱自
在になっている。この様に着脱自在にすることによりア
クリル系共重合体のパッドを外しておき洗濯、乾燥をす
ることができる。また転倒等の衝撃のかかる恐れのない
就寝時等は外しておくことができるという利点もある。
着用性もポケット状にしても何ら違和感のないものであ
った。
【0023】比較例1 ポリウレタン発泡体のイノアックコーポレーションの商
品名PORON、品番U32 厚み5mmのものを実施例
1と同様に衝撃強度を測定したところ、衝撃強度で39
4.2kgf、衝撃吸収力で38.4%であった。これを実
施例1と同様にパンツに縫い込んだ。長時間着用すると
擦れた感じになり不快感を及ぼすものであった。
【0024】比較例2 クロロプレンゴムの発泡体であるナショナル護膜(株)製
商品名ネオプレンスポンジ、品番HD、厚み6.2mm
を同様に測定したところ、衝撃強度は429kgf、衝撃
吸収率は33%であった。これを実施例1と同様にパン
ツに縫い込んだ。これも比較例1と同様に擦れた感じに
なり、不快感を及ぼすものであった。
【0025】以下、図2〜図11を用いて、本発明の衝
撃吸収パッドを装着したパンツの例を説明する。図2
は、本発明の衝撃吸収パッドを装着したパンツの具体例
の模式的斜視図であり、綿メリヤス生地や綿織物地等で
構成されたパンツ20は、前身頃21、脇部側後身頃2
2、中央部側後身頃23および股部25で構成されてい
る。図3および図4に示すごとく、被覆部31および3
2に、脇部側後身頃22の内面(裏面側、図4)に綿メリ
ヤス生地や綿織物地等で構成された被覆用生地35を介
して衝撃吸収パッド30が被覆され、かつ、脇部側後身
頃22と一体的に縫着36されている(図6参照)。図
5および図6は、被覆部31の分解図および図4におけ
るX−X線に沿った断面図である。同様に中央部側後身
頃23の臀部24付近における内面(裏面側)に綿メリヤ
ス生地や綿織物地等で構成された被覆用生地37を介し
て衝撃吸収パッド30が被覆され、かつ、中央部側後身
頃23と一体的に縫着38されている。
【0026】図7は、本発明の衝撃吸収パッドを装置し
たサイクル用パンツの具体例の模式的斜視図であり、綿
メリヤス生地や綿織物地等で構成されたサイクル用パン
ツ50は、前身頃51、脇身頃52および後身頃53で
構成されている。図8〜図10に示すごとく、被覆部6
1に、脇身頃52の内面(裏面側、図10)に綿メリヤ
ス生地や綿織物地等で構成された被覆用生地65を介し
て衝撃吸収パッド60が被覆され、かつ、脇身頃52と
被覆用生地65が、格子状に一体的に縫着66されてな
る袋部70内に被覆、保持されると共に、脇身頃52と
前身頃51および後身頃53の側部側が、それぞれ縫着
67および68されている(図10および図11参
照)。図11は図10のY−Y線に沿った断面図であ
る。以上記載したごとく、本発明によれば、衣類に設け
た衝撃吸収パッドによって、腰回り、すなわち前身頃や
脇部、後身頃の各部位ならびに臀部が保護され、大腿骨
頚部の骨折を未然に防止できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 衝撃吸収率測定装置を示す図である。
【図2】 本発明の衝撃吸収パッドを装着したパンツの
正面図である。
【図3】 図2のパンツの背面図である。
【図4】 図3の裏面図である。
【図5】 図4における被覆部の分解説明図である。
【図6】 図4のX−X線に沿った断面図である。
【図7】 本発明の衝撃吸収パッドを装着したサイクル
用パンツの正面図である。
【図8】 図7のサイクル用パンツの背面図である。
【図9】 図7のサイクル用パンツの側面図である。
【図10】 図9の裏面図である。
【図11】 図10のY−Y線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1・・・アーム 5・・・吸収パッド 8・・・オシロスコープ 9・・・加速度センサー 20・・・パンツ 21・・・前身頃 22・・・脇部側後身頃 23・・・脇部側後身頃 30・・・衝撃吸収パッド 31および32・・・被覆部 35および37・・・被覆用生地 50・・・サイクル用パンツ 60・・・衝撃吸収パッド 61・・・被覆部 65・・・被覆用生地
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/30 B32B 27/30 A // C08F 20/10 MLY C08F 20/10 MLY (72)発明者 小渡 里香 京都府宮津市惣262番地 グンゼ株式会社 アパレル事業本部内 (72)発明者 及川 克彦 滋賀県守山市森川原町163番地 グンゼ株 式会社滋賀研究所内 (72)発明者 伊藤 善吾 兵庫県神戸市長田区五位池1丁目5番21号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系共重合体の発泡体からなるこ
    とを特徴とする衣類装着用衝撃吸収パッド。
  2. 【請求項2】 アクリル系共重合体の発泡体が0.1〜
    0.8の見掛け密度である請求項1記載の衝撃吸収パッ
    ド。
  3. 【請求項3】 アクリル共重合体の発泡体の表面に生地
    を貼り合わせてなる請求項1記載の衝撃吸収パッド。
  4. 【請求項4】 アクリル共重合体の発泡体と硬度の異な
    るシートとの多層構造を有する積層体である請求項1記
    載の衝撃吸収パッド。
  5. 【請求項5】 アクリル系共重合体と積層するシートが
    硬度JIS Aで5〜90の合成樹脂体である請求項4
    記載の衝撃吸収パッド。
  6. 【請求項6】 腰回りにおける前身頃、脇部、後身頃お
    よび臀部の適宜な部位に請求項1〜5いずれか1項に記
    載の衝撃吸収パッドを取り付けてなる衣類。
  7. 【請求項7】 衝撃吸収パッドを着脱自在に取り付けて
    なる請求項6記載の衣類。
  8. 【請求項8】 パンツである請求項6または7記載の衣
    類。
JP8071981A 1996-03-27 1996-03-27 衝撃吸収パッドおよびそれを装着した衣類 Pending JPH09268409A (ja)

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