JPH09267062A - 蓄圧式ポンプディスペンサ− - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 片手だけでポンプ動作を行える蓄圧式ポンプ
ディスペンサ−。 【構成】 容器頂部に流出弁44、プッシュボタン20が設
けられ、容器底部からシリンダ14が下方から上方に延ば
され、シリンダ14にピストン16が摺動可能に設けられて
いる。リタ−ンばね36がポンプチャンバ35に配設されて
ピストン16を下方に押し出しているため、ピストン16の
引き出しが不要となり、ポンプ動作が片手で行える。ピ
ストン16に形成された突起38がストッパ40に当接される
ため、ピストン16の脱落が防止される。シリンダ下端、
ピストン下端の係止爪42o、42i からなる保持手段42によ
って、ピストン16はシリンダ内の押込み位置に保持され
る。つまり、係止爪42i、42o を重ねれば、係止爪42i が
係止爪42o に押圧、係止されて、ピストン16が押込み位
置に保持され、ピストン16を回転して、係止爪42i、42o
の重複位置からずらせば、係止爪42o に妨げられずにポ
ンプ動作が行える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ポンプ動作によ
って加圧空気を容器内に送って蓄圧し、加圧空気を利用
して液面を押圧し液体を流出させる蓄圧式のポンプディ
スペンサ−に関する。

【０００２】

【従来の技術】ディスペンサ−として、容器内部に加圧
ガスを封入したエアゾ−ル式のディスペンサ−が広く知
られている。エアゾ−ル式ディスペンサ−は、加圧ガス
によって液体を十分に加圧して連続的に流出でき、誰で
も容易に使用できる利点がある。

【０００３】しかしながら、フロンガスのような高圧ガ
スを加圧ガスとして利用しているため、液体の容器とし
て金属缶のような耐圧容器が不可欠であり、安価なプラ
スチック容器が使用できない。

【０００４】また、高圧ガスは液体とともに放出され、
高圧ガスとして一般に使用されるフロンガスはオゾン層
を破壊し大気汚染の原因となるため、近年、その使用が
制限されている。

【０００５】これに対して、トリガ−式またはプッシュ
ボタン式で代表される手動式のディスペンサ−（ポンプ
ディスペンサ−）においては、高圧ガスを使用せず、ト
リガ−の牽引またはプッシュボタンの押下げによるポン
プ動作によって液体を加圧し、流出させている。そのた
め、耐圧容器に代えてプラスチック容器が使用できる。
無論、フロンガスを使用しないため、大気汚染の虞れが
ない。

【０００６】ここで、エアゾ−ル式ディスペンサ−にお
いては、液体を連続的に流出できる。これに対して、ポ
ンプディスペンサ−（手動式ディスペンサ−）では、ポ
ンプ動作ごとに液体が加圧、流出されており、液体を連
続的に流出させるためには、ポンプ動作をその都度行わ
なければならない。

【０００７】また、通常、液体は霧として流出され（噴
霧され）、その噴霧状態は加圧力と密接に関係する。そ
して、十分粒子化された噴霧を得るためには、ポンプ動
作で大きな加圧力を発生させねばならず、容易でない。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】そのため、ポンプ動作
によって容器内に加圧空気を送り、加圧空気を予め蓄え
た（蓄圧した）プッシュボタン式ポンプディスペンサ−
が提供されており、この種のものは蓄圧式ポンプディス
ペンサ−と称されている。

【０００９】蓄圧式ポンプディスペンサ−においては、
ポンプ動作によって加圧空気を予め蓄え、加圧空気が液
面を押圧して待機している。プッシュボタンはポンプ動
作のためでなく、単に流出弁を開放するために下降され
る。そして、プッシュボタンを下降すると、予め加圧さ
れた高圧空気によって、容器内の液体は押圧され、渦流
化手段（スピンナ−）で渦流化されて噴霧される。

【００１０】蓄圧式ポンプディスペンサ−では、プッシ
ュボタンを下降させるだけで、液体が直ちに噴霧でき
る。また、連続的に噴霧できる。

【００１１】蓄圧式ポンプディスペンサ−として、特開
昭51−138711号公報に開示するように、容器上部のキャ
ップを摺動させて加圧空気を上から容器内に送り込む構
成と、特公昭61−059783号公報に開示するように、容器
下部から容器内部にシリンダを延ばし、シリンダ内でピ
ストンを摺動させる構成が知られている。

【００１２】ここで、エアゾ−ル式ディスペンサ−、プ
ッシュボタン式ポンプディスペンサ−ではプッシュボタ
ンを下降させるだけで、また、トリガ−式ポンプディス
ペンサ−ではトリガ−を牽引するだけで、液体が流出で
きる。そして、このような動作は片手だけで行える。つ
まり、ポンプ動作を要しないエアゾ−ル式ではいうまで
もなく、プッシュボタン式、トリガ−式のポンプディス
ペンサ−においても、ポンプ動作は片手で行え、片手だ
けで液体を流出できる。

【００１３】しかしながら、蓄圧式ポンプディスペンサ
−においては、加圧空気を加圧、蓄圧するために、加圧
空気を容器内に繰返し送り込まなければならない。つま
り、キャップまたはピストンを一度押込むだけでなく、
引き出して再度押し込まなければならず、キャップ、ピ
ストンに数回の往復動が要求される。そのため、キャッ
プまたはポンプを押込み、引き上げる手とは別の手で容
器を把持、固定しなければならず、ポンプ動作のために
両手が使われる。

【００１４】なお、特公昭61−059783号公報の容器下部
にピストンを設けた構成においては、通常、容器を反転
し容器底部を上にしてピストンを押し込んでいるため、
ピストンは押込んでから引き上げられる。

【００１５】このように蓄圧式ポンプディスペンサ−で
は、一方の手で容器を把持、固定しながら、他方の手で
キャップまたはポンプを掴んで往復動させなければなら
ず、両手を使わなければポンプ動作が行えない。

【００１６】この発明は、片手だけでポンプ動作を行え
る蓄圧式ポンプディスペンサ−の提供を目的としてい
る。

【００１７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明の蓄圧式ポンプディスペンサ−によれば、
リタ−ンばねをシリンダ内に配置することにより、ピス
トンを掴んで引き出すことなく、リタ−ンばねの偏倚力
でピストンが自動的に押し出される。また、ストッパが
シリンダに設けられ、ピストンがストッパに当接して、
シリンダからのピストンの脱落が防止される。

【００１８】ピストンは、リタ−ンばねの偏倚力に抗し
てシリンダ内の押込み位置に保持手段によって保持さ
れ、ピストンの回転によって保持が解除される。保持手
段は、たとえば、シリンダ、ピストンにそれぞれ設けら
れた係止爪からなり、ピストンの係止爪は、シリンダの
係止爪の切欠きを挿通して押込まれ、ピストンを回転し
て切欠きからずらせば、シリンダ、ピストンの係止爪が
重なり、リタ−ンばねの偏倚力によって、ピストンの係
止爪はシリンダの係止爪に押圧、係止され、ピストンが
押込み位置に保持される。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の実施の形態について詳細に説明する。

【００２０】図１に示すように、この発明に係る蓄圧式
ポンプディスペンサ−10は、容器12、シリンダ14、ピス
トン16、オ−バ−キャップ18、プッシュボタン20を主要
部品として備え、これらの部品は、リサイクルを考慮し
て、プラスチックから射出成形されている。

【００２１】容器12は、上下の開口した容器本体12-1と
容器本体の頂部に固定されて上の開口を閉塞するボトル
キャップ12-2とを有して、頂部を閉塞し底部を開放した
形状に成形されている。容器本体12-1の底部にはシリン
ダ14が固定されて容器内部を下方から上方に延びてい
る。

【００２２】図示の形態では、ボトルキャップ12-2にめ
ねじを、容器本体12-1の頂部におねじを形成し、螺着に
よってボトルキャップを容器本体に固定しているがこれ
に限定されない。たとえば、係止突起、係止溝の組合せ
や熔着によって、ボトルキャップ12-2を容器本体12-1に
固定してもよい。なお、封止材としてオ−リング26がボ
トルキャップ12-2、 容器本体頂部の間に配設されてい
る。

【００２３】また、シリンダ14は、その下端を上方に折
曲した形状とされ、容器本体底部の内面に嵌合されて容
器12に固定されている。しかし、これ以外の構成によっ
て、シリンダ14を容器底部に固定してもよいことはいう
までもない。

【００２４】シリンダ14の頂部中央に孔15が形成され、
この孔の上に二次弁（流出弁）28が配置されている。二
次弁28は、たとえば、ゴム製の板から形成され、シリン
ダ14の頂部に設けた弁押さえ30によって、弁座に押圧さ
れている。弁押さえ30は、有底の２重筒形状に形成さ
れ、外方筒部がシリンダ14の頂部に挟持されてシリンダ
頂部に固定され、内方筒部の先端が二次弁28を弁座に押
圧している。内外の筒部の間で弁押さえ30の基部（底
部）に孔31が形成されている・

【００２５】ピストン16は、筒状のピストンシャフト16
-1と、ピストンシャフトの下部に固定されたピストンキ
ャップ16-2と、シャフトキャップに被せられたピストン
カバ−16-3とを備えて形成されている。

【００２６】たとえば、ピストンキャップ16-2は２つの
二重筒部分17i、17o を持ち、半径方向内方の二重筒部分
17i は内方に開口されてピストンシャフト16-1の下端を
挟持し、半径方向外方の二重筒部分17o は外方に開口し
てピストンカバ−16-3を挟持し、それによって、ピスト
ンシャフト、ピストンキャップ、ピストンカバ−が一体
化されている。

【００２７】勿論、図示の形態は一例であり、ピストン
シャフト16-1、 ピストンキャップ16-2、 ピストンカバ−
16-3を一体化する構成はこれに限定されない。また、ピ
ストンキャップ16-2、ピストンカバ−16-3を別途に成形
しているが、一体成形してもよい。

【００２８】ピストンシャフト16-1の上端に、一次弁
（流入弁）32が設けられている。流入弁32は、たとえば
実公昭58−021562号公報に開示する公知のものであり、
円板状の弁体32-1と、円筒状の弁基盤32-2と、それらを
連結する３本の連結片32-3とを一体的に備えてプラスチ
ックから成形され、弁体は、連結片の弾力のもとで、ピ
ストンシャフト上の弁座に押圧されて、ピストンシャフ
ト上端の孔33を閉塞している。なお、シリンダ14の内面
を摺接するスカ−ト状シ−ル片34が弁基盤32-2の外端に
一体成形されている。

【００２９】図示の形態では二次弁28をゴム製板から形
成して弁押さえ30で弁座に押圧しているが、一次弁32と
同様に、実公昭58−021562号公報に開示する公知の弁を
二次弁としてもよい。

【００３０】ピストン上の一次弁32、シリンダ上の二次
弁28の間でシリンダ内にポンプチャンバ（加圧室）35が
規定され、後述するように、空気は孔33から一次弁を経
てポンプチャンバに流入し、ポンプチャンバ内で加圧さ
れて孔15、二次弁、孔31を経て容器内に流れ、容器内が
蓄圧される。

【００３１】この発明では、リタ−ンばね36がピストン
16、シリンダ14間のポンプチャンバ35内に配置されてい
る。リタ−ンばね36は、たとえば、圧縮コイルばねから
なり、ピストン16をシリンダ内から押し出すように偏倚
している。

【００３２】リタ−ンばね36がピストン16を外方に押し
ているため、シリンダ14からのピストンの脱落を防止す
る必要がある。そのため、ピストン16の上部に突起38が
形成されるとともに、突起の当接するストッパ40がシリ
ンダ14の内面下部に嵌合されている。

【００３３】図示の形態では、ピストン16と一体に成形
したフランジを突起38とし、シリンダ14と別体のリング
をストッパ40としている。しかしながら、突起38、スト
ッパ40はシリンダ14からのピストン16の脱落を防止すれ
ば足り、図示の形態に限定されない。リング（ストッパ
40）は空気の流れを妨げないようにリブ40a を内面に有
して形成される。たとえば、別体のフランジをピストン
に嵌合して突起38としたり、フランジでなく凸部を突起
としてもよい。また、ストッパ40をシリンダ14と一体に
成形してもよい。

【００３４】上記のように、従来の蓄圧式ポンプディス
ペンサ−においては、ピストンを引き上げなければ、ピ
ストンの連続的な往復動、つまりは、ポンプ動作が行え
ない。そのため、一方の手で容器を押さえながら、他方
の手でピストンを押込み、引き上げる必要があり、両手
を使用しなければポンプ動作が行えない。

【００３５】これに対して、この発明ではリタ−ンばね
36を設けているため、押し込んでからピストンを離す
か、または、ピストンを掴んだまま押込み力を除けば、
突起38がストッパ40に当接するまでピストン16は自動的
に押し出され（図２参照）、ポンプ動作のための初期位
置（外方位置、押出し位置）が自動的に設定される。そ
のため、一方の手でピストン16を押込むだけで足り、ピ
ストンを押込む手と別の手で容器を掴む必要がなく、ポ
ンプ動作が片手で行える。

【００３６】突起38がストッパ40に当接するピストン16
の初期位置にピストンを放置すれば、ポンプディスペン
サ−10の全長が長くなり、搬送、保管に不便であるある
ばかりか、立てたとき不安定で倒れやすい。そのため、
図１に示すように、リタ−ンばね36の偏倚力に抗してピ
ストン16をシリンダ14内に押込んだ位置（押込み位置、
内方位置）に係止、保持する保持手段42が設けられてい
る。

【００３７】図示の形態では、保持手段42は、係止爪ど
うしの組合せから構成されている。つまり、図３、図４
に示すように、シリンダ下端の屈曲端14-1の外面と、ピ
ストン下端のピストンキャップ16-2の外方の二重筒部分
17o の内面とに、一連の係止爪42o、42i がそれぞれ形成
されている。

【００３８】係止爪42o、42i は、たとえば、断面山形の
リングの一部を規則的に切欠いて成形され、シリンダサ
イドの係止爪42o の切欠き43はピストンサイドの係止爪
42iの挿通可能な幅を有している。図示の態様では、係
止爪42o、42i は、等角度離反して離反して６個されてい
るが、数、配列等はこれに限定されない。

【００３９】このような構成においては、ピストンサイ
ドの係止爪42i をシリンダサイドの係止爪42o の切欠き
43に整列させれば、ピストン16は係止爪42o に妨げられ
ることなく、リタ−ンばね36の偏倚力に抗してシリンダ
14に押し込まれる。シリンダ14に押し込んでから、ピス
トン16を左右いずれかに回転してピストンの係止爪42i
をシリンダの係止爪42o の切欠き43からずらせば、係止
爪42i、42o が重なる。そのため、ピストン16の押込み力
を除けば、リタ−ンばね36の偏倚力によって、ピストン
の係止爪42i はシリンダの係止爪42o に押圧、係止され
て、ピストン16は図１に示すように押込み位置に保持さ
れる。

【００４０】また、押込み位置において、ピストンを回
転させて係止爪42i をシリンダの係止爪42o の切欠き43
に整列すれば、リタ−ンばね36の偏倚力によって、ピス
トン16はシリンダ14から自動的に押し出されて図２に示
す押出し位置が設定される。つまり、ピストン16を回転
させるだけで、係止爪42i、42o の係止が解除され、ピス
トンは押込み可能な押出し位置に戻される。なお、回転
させる前にピストン16を少し押込んでおけば、ピストン
の回転が円滑に行える。

【００４１】そして、ピストンの係止爪42i をシリンダ
の係止爪42o の切欠き43に整列させたまま、リタ−ンば
ね36の偏倚力に抗して繰り返しシリンダ14に押込むこと
によって、加圧空気が容器12に送られて、蓄圧される。

【００４２】このように、ピストン16の回転だけで、ピ
ストンの保持、保持解除が行え、ピストンの回転は、た
とえば、オ−バ−キャップ18付の容器12を反転して机等
の固定物に押し付ければ、ピストンを片手で掴んで行え
る。

【００４３】上記のように、この発明では、リタ−ンば
ね36の存在によってポンプ動作が片手で行えるととも
に、押込み位置への保持、保持解除も片手で行え、押込
み位置からの保持解除、ポンプ動作、押込み位置への保
持（押込み位置の設定）という一連の動作が全て片手で
行える。

【００４４】空気の流れについて述べると、図１におい
て、ピストン16を押込み、回転してピストンの係止爪42
i をシリンダの係止爪42o の切欠き43に整列させれば、
図２に示すようにピストン16がシリンダ14から押し出さ
れ、ポンプチャンバ35が負圧化される。すると、図２に
実線で示すように、空気がピストンキャップの通気孔16
-2a からピストン内に流れ込む。

【００４５】ポンプチャンバ35が負圧化されているた
め、一次弁（流入弁）32の弁体32-1は連結片32-3の弾性
に抗して弁座から離反し、一次弁が開放される。そのた
め、図１に一点鎖線で示すように、空気は孔33、流入弁
32を経て、ポンプチャンバ35に流入する。

【００４６】押出し位置にあるピストン16をリタ−ンば
ね36の偏倚力に抗して押込むと、一次弁32は弁座に押圧
されて閉じられ、ポンプチャンバ内の空気が加圧され
る。加圧空気はゴム製の二次弁28を圧縮するとともに、
弁押さえ30を押圧、変形させて、二次弁を弁座から離反
させて開放し、弁押さえの孔31を経て容器内に流入す
る。その後、ピストン16の押込み力を除けば、リタ−ン
ばね36の偏倚力によって押出し位置に戻され、再度、ピ
ストンが押込まれて、加圧空気が容器に繰り返し流入し
て容器内が蓄圧される。

【００４７】容器内に蓄圧された加圧空気は、容器内の
液面を押圧しているため、容器頂部のプッシュボタン20
を押して、流出弁を開けば、液体は流出される。

【００４８】プッシュボタン20、流出弁は、この発明の
要旨でなく、公知のものであるため、詳細な説明を省略
するが、容器頂部のボトルキャップ12-2は、円筒形の延
出部12-2a を持ち、延出部に流出弁44が嵌合されてい
る。流出弁44は上に延びたステム44a を持ち、ステムの
上端はプッシュボタン20の下方延出部20a に嵌合され、
プッシュボタンを押せば、ステムも下降して流出弁が開
放される。流出弁44として、たとえば、特公平61−0597
83号公報に示す弁を利用できる。

【００４９】プッシュボタン20はボトルキャップ12-2に
被せられている。しかし、プッシュボタン20の背面（図
１の右側）、左右面（図１において紙面の手前および向
こう側）で肩部に切欠き20b が形成されているため、押
込み可能となっている。

【００５０】プッシュボタン20を覆って容器頂部にオ−
バ−キャップ18が着脱自在に装着されており、ポンプ動
作が終わってから、容器12を正立させて、オ−バ−キャ
ップが外される。そして、プッシュボタン20を押せば、
プッシュボタンとともにステム44a が下降して流出弁44
が開放される。すると、容器内の液体は流出弁下端のサ
クションチュ−ブ50を上がり、流出弁44を経てプッシュ
ボタンの流出路20c を流れ、流出路先端のノズル52のオ
リフィス（流出口）から流出される。

【００５１】なお、ノズル52の背面に渦流化手段（スピ
ンナ）が設けられており、加圧液はスピンナで渦流化さ
れて噴霧液として流出される。渦流化手段として、加圧
液を接線方向の流路から中央凹部に流して渦流化する公
知のもの（たとえば、実公昭50−035367号公報の第３図
参照）が採用される。スピンナを設けることなく、噴流
として流出してもよい。

【００５２】なお、図示の形態では、図３(A) に示すよ
うにシリンダ14の下端を折曲させ、この折曲部14-1に係
止爪42o を設けているが、係止爪42o を容器12に設けて
もよい。たとえば、図５に示すように、シリンダ14の下
端を曲げないでストレ−トに成形し、折曲部14-1に相当
する折曲部14-1' を容器本体12-1の下端に形成し、この
折曲部14-1' に係止爪42o を設けてもよい。

【００５３】上述した実施の形態は、この発明を説明す
るためのものであり、この発明を何等限定するものでな
く、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたも
のも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。

【００５４】

【発明の効果】上記のようにこの発明に係る蓄圧式ポン
プディスペンサ−によれば、リタ−ンばねをシリンダ内
に配置することにより、リタ−ンばねの偏倚力でピスト
ンが自動的に押し出され、ポンプ動作は片手で行える。
無論、ストッパを設けているため、シリンダからピスト
ンが脱落することもない。

【００５５】保持手段によってピストンを押込み位置に
保持できるともに、ピストンの回転だけで、ピストンの
保持、保持解除が行え、ピストンの回転は、ピストンを
片手で掴んで行える。

【００５６】つまり、この発明では、リタ−ンばねの存
在によってポンプ動作が片手で行えるとともに、押込み
位置への保持、保持解除も片手で行え、押込み位置から
の保持解除、ポンプ動作、押込み位置への保持（押込み
位置の設定）という一連の動作が全て片手で行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】押込み位置での、この発明の蓄圧式ポンプディ
スペンサ−の概略縦断面図である。

【図２】押出し位置での、蓄圧式ポンプディスペンサ−
の一部破断の概略縦断面図である。

【図３】(A) はシリンダの一部破断の概略縦断面図、
(B) は底面図である。

【図４】(A) はピストンキャップの概略縦断面図、(B)
は平面図である。

【図５】別の態様における、蓄圧式ポンプディスペンサ
−の一部破断の概略縦断面図である。

【符号の説明】

10 蓄圧式ポンプディスペンサ− 12 容器 12-1、12-2 容器本体、ボトルキャップ 14 シリンダ 14-1 折曲げ部 14-1' （容器の）折曲げ部 16 ピストン 16-1、16-2、16-3 ピストンシャフト、ピストンキャッ
プ、ピストンカバ− 18 オ−バ−キャップ 20 プッシュボタン 28 二次弁（流出弁） 30 弁押さえ 32 一次弁（流入弁） 35 ポンプチャンバ 36 リタ−ンばね 38 突起 40 ストッパ 42 保持手段 42i、42o 係止爪 44 流出弁 50 サクションチュ−ブ 52 ノズル

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 開放された底部と閉塞された頂部とを持
   つ容器と、 バルブスプリングによって上方に押圧されたバルブステ
   ムを持ち、容器頂部に装着された流出弁と、 流出弁の下部に取付けられたサクションチュ−ブと、 流出弁のバルブステムを保持し、バルブスプリングの偏
   倚力に抗してバルブステムとともに押込まれて流出弁を
   開放するプッシュボタンと、 容器底部に取付けられて容器底部を閉塞するとともに容
   器内部に下方から延び、その上部に二次弁を持つシリン
   ダと、 その上部に一次弁を持ち、シリンダ内に摺動可能に設け
   られ、摺動によって一次弁、二次弁の間のポンプチャン
   バに空気を吸込み、加圧して加圧空気を二次弁を介して
   容器内に送り込むピストンと、 シリンダ内に設けられてピストンを外方に偏倚するリタ
   −ンばねと、 シリンダからのピストンの脱落を防止するストッパと、 リタ−ンばねの偏倚力に抗してシリンダ内の押込み位置
   にピストンを保持し、ピストンの回転によってピストン
   の保持を解除する保持手段と、 を備えた蓄圧式ポンプディスペンサ−。
2. 【請求項２】 容器底部から容器内にシリンダが延ばさ
   れ、シリンダ内でピストンを摺動させることによって加
   圧空気を容器内に送って蓄圧し、容器頂部でのプッシュ
   ボタンの下降による流出弁の開放によって、容器内の液
   体を連続的に流出させる蓄圧式ポンプディスペンサ−に
   おいて、 シリンダ内に配置したリタ−ンばねの偏倚力によってピ
   ストンを外方に押し戻し、 ピストンの当接するストッパをシリンダに設けて、シリ
   ンダからのピストンの脱落を防止し、 保持手段によってリタ−ンばねの偏倚力に抗してシリン
   ダ内の押込み位置にピストンを保持し、ピストンの回転
   によって保持を解除できることを特徴とする蓄圧式ポン
   プディスペンサ−。
3. 【請求項３】 保持手段が、シリンダ、容器のいずれか
   の底部に形成された一連の係止爪と、ピストン底部に形
   成され、リタ−ンばねの偏倚力のもとで前記係止爪に押
   圧、保持されるとともに、前記係止爪の切欠きを挿通可
   能な対応する係止爪とを備えた請求項１または２記載の
   蓄圧式ポンプディスペンサ−。
4. 【請求項４】 ストッパはシリンダ内面に嵌合されたさ
   れたリブ付リングであり、ストッパに当接する突起がピ
   ストンの外面に設けられている請求項１ないし３のいず
   れか記載の蓄圧式ポンプディスペンサ−。