JPH09266674A - 直流電源装置及びこの直流電源装置を用いた空気調和機 - Google Patents

直流電源装置及びこの直流電源装置を用いた空気調和機

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JPH09266674A
JPH09266674A JP8074675A JP7467596A JPH09266674A JP H09266674 A JPH09266674 A JP H09266674A JP 8074675 A JP8074675 A JP 8074675A JP 7467596 A JP7467596 A JP 7467596A JP H09266674 A JPH09266674 A JP H09266674A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リアクトル等を含む装置の大型化を抑えたま
まで、高調波成分の低減と高力率化を達成することので
きる直流電源装置及びこの直流電源装置を用いた空気調
和機を提供する。 【解決手段】 直流電源装置は、交流電源(Vin) にリア
クトル(Lin) と整流回路(DH,DL,D3,D4) とを直列に接続
し、整流して得られた電圧を一つ又は複数のコンデンサ
(CH,CL) でなるコンデンサ回路に印加し、このコンデン
サ回路に充電された電荷を平滑用コンデンサ(CD)に放電
して直流電圧を得るに当たり、リアクトルと直列にして
交流電源に接続された強制通電回路(Q1,Q2) を設け、交
流電源の正、負の各半サイクルの前半の所定の位相区間
に強制通電回路をオン状態にしてリアクトルに強制的に
電流を流すように構成している。空気調和装置は、上述
した直流電源装置を用いて得られた直流をインバータ装
置に加え、このインバータ装置によって可変電圧、可変
周波数の交流に変換して圧縮機駆動電動機に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流電源から得ら
れた交流を直流に変換する直流電源装置及びこの直流電
源装置を用いた空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】交流電
源から得られた交流を直流に変換する大容量の直流電源
装置、例えば、200W乃至5KWの電力の供給が可能
な直流電源装置として、力率の向上及び電源高調波(電
流波形の歪み)の低減を図るべく、交流電源経路にリア
クトルを接続すると共に、このリアクトルを介して得ら
れた交流を倍電圧整流回路で整流する、パッシブフィル
タ方式の直流電源装置がある。
【0003】図19はこのパッシブフィルタ方式の直流
電源装置の構成を示す回路図である。同図において、交
流電源Vinから受電する電源経路の一方にリアクトル
Linが接続されている。リアクトルLinを介して得
られる交流電圧は、ダイオードDH,DL,D3,D4
で構成された全波整流回路に供給される。この場合、ダ
イオードDH,DLの直列接続回路と、ダイオードD
3,D4の直列接続回路とが並列接続され、ダイオード
DH,DLの相互接合点がリアクトルLinを介して交
流電源Vinの一端に接続され、ダイオードD3,D4
の相互接合点が交流電源Vinの他端に接続されてい
る。また、これらのダイオード直列回路には、中間コン
デンサと呼ばれるコンデンサCH,CLの直列接続回路
が並列に接続され、かつ、これらのコンデンサの相互接
合点がダイオードD3,D4の相互接合点に接続されて
いる。さらに、コンデンサ直列接続回路には、平滑コン
デンサCDと、負荷抵抗RLとが並列に接続されてい
る。
【0004】ここで、交流電源Vinが100Vで、
1.8KWの負荷抵抗RLが接続されているとき、リア
クトルLinのインダクタンスを6.2mH、中間コン
デンサCH,CLのキヤパシタンスを360μF、平滑
コンデンサCDのキャパシタンスを1500μFとした
場合、リアクトルLinに印加される電圧V(Li
n)、このリアクトルLinに流れる電流I(Li
n)、交流電源Vinの一端を基準電圧0Vとしてコン
デンサCHに発生する電圧V(CH)、コンデンサCL
に発生する電圧V(CH)は、それぞれ、交流電源の1
サイクル中に、図20の波形図に示したように変化す
る。
【0005】負荷抵抗RLに対する、このような電力供
給に応じて、図21にその成分を電流値で示した電源高
調波が発生する。図21はIEC(国際電気標準会議)
規格と併せて示したもので、I(Lin)とI(IE
C)とを各周波数成分で比較した場合、I(Lin)の
第3高調波成分がI(IEC)のそれを上回っている。
【0006】この第3高調波成分を低減するには、イン
ダクタンスのより大きなリアクトルを用いることが考え
られるが、この場合には電源装置が大型化するという問
題があった。一方、詳細を後述するが、ここに例示した
直流電源装置の力率は約93%であり、この直流電源装
置を空気調和機の圧縮機駆動電源として使用した場合、
負荷の増大に応じて交流入力電流も増大し、その値が予
め定めた制限値に到達しやすく、従って、圧縮機の回転
数等に制限が加えられることが多かった。
【0007】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、装置の大型化を抑えたままで、高調波成分の低減と
高力率化を達成することのできる直流電源装置及びこの
直流電源装置を用いた空気調和機を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る直流電源装
置は、交流電源にリアクトルと整流回路とを直列に接続
し、整流して得られた電圧を一つ又は複数のコンデンサ
でなるコンデンサ回路に印加し、このコンデンサ回路に
充電された電荷を平滑用コンデンサに放電して直流電圧
を得るに当たり、リアクトルと直列にして交流電源に接
続された強制通電回路を設け、交流電源の瞬時値が、コ
ンデンサの両端電圧を超えない位相区間の一部又は全部
において強制通電回路をオン状態にしてリアクトルに強
制的に電流を流すようにしたもので、これによってリア
クトルに流れる電流の実効値を変えることなく位相が進
められ、その結果、装置の大型化を抑えたままで、高調
波成分の低減と高力率化を達成することができ、また、
負荷の変動による交流入力電流の変動を僅少に抑えるこ
とができる。
【0009】特に、交流電源の瞬時値が、コンデンサの
両端電圧を超えない位相区間の一部又は全部において強
制通電回路をオン状態にして、リアクトルに電気エネル
ギーが蓄積されるため、コンデンサ回路に対する充電開
始タイミングが早められ、さらに、交流電源の正、負の
各半サイクルの後半の所定の位相区間においても強制通
電回路をオン状態にすることにより、コンデンサ回路に
対する充電終了タイミングを遅らせることができ、これ
によって、インダクタンスの小さいリアクトルで、高調
波成分の低減と高力率化が達成される。
【0010】ここで、整流回路がリアクトルを介して交
流電源に接続されているときには、強制通電回路とし
て、リアクトルの負荷側の交流電圧経路に逆並列接続さ
れた一対の整流型スイッチ素子を用い、この整流型スイ
ッチ素子を制御する制御手段としては、交流電圧のゼロ
クロス点を検出するゼロクロス点検出手段と、ゼロクロ
ス点の検出から交流電源の瞬時値が前記コンデンサの両
端電圧と一致するまでそれぞれ交流電圧の極性に対応す
る整流型スイッチ素子をオンする手段により、容易にリ
アクトルの導通角を広げることができる。
【0011】また、強制通電回路として、リアクトルの
負荷側の交流電圧経路に交流入力端子が接続された全波
整流ダイオードブリッジと、この全波整流ダイオードブ
リッジの直流出力端子間に接続されたスイッチ素子とを
含むものを用いることにより、一つのスイッチ素子で交
流電源の正、負の各半サイクルの導通角の制御が可能と
なる。
【0012】さらに、強制通電回路として、コンデンサ
回路から見て、整流回路側の直流電圧経路に、逆流防止
用のダイオードを介してスイッチ素子を接続する構成に
すれば、一つのスイッチ素子で交流電源の正、負の各半
サイクルの導通角の制御が可能となる。
【0013】また、整流回路及びコンデンサ回路が倍電
圧整流回路を構成するとき、強制通電回路として、コン
デンサ回路を構成する直列接続コンデンサの整流回路側
に、それぞれ逆流防止用のダイオードを介して並列接続
されるスイッチ素子を接続する構成にすれば、半波整流
形式のパワートランジスタモジュールの使用が可能とな
り、実装も容易化される。
【0014】さらに、直流電源装置に接続される負荷の
大きさに応じて、リアクトルの強制通電区間を、設定さ
れた位相区間内かつ入力電流範囲内で変化させるよう構
成すると、負荷の要求電圧が変動しても、高調波成分の
低減と高効率化を達成しながら可変電圧を供給できる。
【0015】もう一つの発明に係る空気調和機は、交流
を直流に変換するコンバータ装置と、このコンバータ装
置で変換された直流を可変電圧、可変周波数の交流に変
換して圧縮機駆動電動機に供給する場合、コンバータ装
置として上述した直流電源装置を用いることにより、プ
ラグ及びコンセントに規定された入力電流の制限範囲内
で、圧縮機駆動電動機への供給電力を増大することがで
き、空調能力を格段に向上させる効果がある。
【0016】空気調和機の場合、交流電源から受給可能
な最大電流の制限値によって圧縮機駆動電動機の回転数
が制限されるとき、直流電源装置の強制通電位相区間を
変化させることによって直流出力電圧を増大させ、回転
数も増大させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形
態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る直流
電源装置の第1の実施形態の構成を示す回路図である。
この実施形態はダイオードDH,DL,D3,D4で構
成される全波整流回路を備え、一方の交流入力端子とし
てのダイオードDHとDLとの相互接合点が、リアクト
ルLinを介して交流電源Vinの一端に接続され、他
方の交流入力端子としてのダイオードD3とD4の相互
接合点が交流電源Vinの他端に接続されている。ま
た、全波整流回路の直流出力端子間、すなわち、ダイオ
ードD3とD4の直列接続回路の両端に中間コンデンサ
CHとCLの直列接続回路が接続され、さらに、ダイオ
ードD3とD4の相互接合点が中間コンデンサCHとC
Lの相互接合点に接続されている。また、中間コンデン
サCHとCLの直列接続回路に平滑用のコンデンサCD
と、負荷抵抗RLとが並列に接続されている。
【0018】この実施形態は、さらに、交流電源Vin
の一方の電源供給経路に接続されたリアクトルLinの
負荷側と、交流電源Vinの他方の電源供給経路との間
に、強制通電回路を形成するNPN形のトランジスタQ
1,Q2が逆並列に接続されている。そして、これらの
トランジスタQ1,Q2の各ベースにベース電流を供給
する、例えば、ベース駆動電源とホトカプラ等でなるベ
ース駆動回路G1,G2が設けられている。さらに、ベ
ース駆動回路G1,G2にパルス電圧を印加するパルス
発生回路I1,I2と、ダミー抵抗Rdmとを備えてい
る。パルス発生回路I1,I2は、その詳細な構成説明
を省略するが、それぞれ交流電圧のゼロクロス点を検出
する回路と、ゼロクロス点の検出から交流電源電圧V
(Lin)の瞬時値が中間コンデンサCHの両端電圧と
等しくなるまでダミー抵抗Rdmにパルス電流を流すパ
ルス電流回路とで構成されている。なお、パルス発生回
路I1は交流電源電圧の半サイクルの前半にてパルス電
圧を発生させ、パルス発生回路I2は交流電源電圧の半
サイクルの後半にてパルス電圧を発生させるようになっ
ている。
【0019】上記のように構成された第1の実施形態の
動作について、そのモデルをシミュレーションして得ら
れる図2乃至図9をも参照して以下に説明する。交流電
源Vinの図面に示す下端を基準電位0Vとして、交流
電源Vinの図面に示す上端に正弦波交流電圧が発生す
るものとする。この正弦波交流電圧の正の半サイクルに
おいて、リアクトルLin及びダイオードDHを介して
中間コンデンサCHに充電電流が流れる。このとき、ダ
イオードD4は中間コンデンサCLが逆向きに充電され
ないようにその放電回路を形成する。また、正弦波電圧
の負の半サイクルにおいて、リアクトルLin及びダイ
オードDLを介して中間コンデンサCLに充電電流が流
れる。このとき、ダイオードD4は中間コンデンサCH
が逆向きに充電されないようにその放電回路を形成す
る。
【0020】中間コンデンサCH及びCLに充電が行わ
れ、各端子間に同じの向きの電圧、すなわち、図面の上
向きの電圧が存在する限り、ダイオードD3,D4は実
質的に機能することはなく、その後は、ダイオードDH
を介して中間コンデンサCHの充電が行われ、ダイオー
ドDLを介して中間コンデンサCLの充電が行われる。
【0021】このようにして、直列接続されたコンデン
サCLとCHの端子電圧の和が平滑コンデンサCDの両
端に印加され、この平滑コンデンサCDを充電する。つ
まり、中間コンデンサCLとCHに充電された電荷の放
電により平滑コンデンサCDが充電される。また、直列
接続されたコンデンサCLとCHの電圧の和が負荷抵抗
RLにも供給される。このとき、キャパシタンスの大き
い平滑コンデンサCDを用いることによって、抵抗器R
Lにほぼ一定の電圧が供給される。
【0022】パルス発生回路I1は交流電源Vinから
出力される交流電圧の半サイクルの前半にて、その瞬時
値の絶対値が中間コンデンサCHの両端電圧の絶対値よ
り小さい位相区間に、トランジスタQ1,Q2をオン状
態にするパルス電圧をダミー抵抗Rdmに発生させ、パ
ルス発生回路I2は交流電源Vinから出力される交流
電圧の半サイクルの後半のゼロクロス点に到達する直前
の所定の位相区間にてトランジスタQ1,Q2をオン状
態にするパルス電圧をダミー抵抗Rdmに発生させる。
従って、これらの位相区間でリアクトルLinに強制的
に短絡電流が流され、トランジスタQ1,Q2をオフ状
態にした瞬間に、これらのトランジスタに流れていた電
流が中間コンデンサCH,CLに方向を変えて流れ込
み、強制的な充電が行われる。
【0023】ここで、交流電源Vinが100Vで、
1.8KWの負荷抵抗RLが接続されているとき、リア
クトルLinのインダクタンスを6.2mH、中間コン
デンサCH,CLのキヤパシタンスをそれぞれ1000
μF、平滑コンデンサCDのキャパシタンスを1500
μFとした場合、リアクトルLinに印加される電圧V
(Lin)、このリアクトルLinに流れる電流I(L
in)、交流電源Vinの一端を基準電圧0Vとしてコ
ンデンサCHに発生する電圧V(CH)、コンデンサC
Lに発生する電圧V(CH)は、それぞれ、図2の波形
図に示すように変化する。
【0024】この場合、交流電圧の正の半サイクルの波
形と負の半サイクルの波形とは、ゼロクロス点に対して
点対称になっているため、重複説明を避けるため、正の
半サイクルについてのみ、さらに詳しい動作説明を行
う。
【0025】交流電圧V(Lin)のゼロクロス点を時
刻t0 として、この電圧V(Lin)が中間コンデンサ
CHの電圧V(CH)にほぼ等しくなる時刻をt1 とす
る。いま、時刻t0 から時刻t1 まで、トランジスタQ
1をオン状態にし、時刻t1にてこのトランジスタQ1
をターンオフさせたとする。これにより、時刻t0 から
時刻t1 まで、リアクトルに流れる電流I(Lin)
は、変化率Vin/Linで速やかに増大する。この
間、中間コンデンサCHに対する充電は行われないの
で、負荷に対して電力を供給した分だけ中間コンデンサ
CHの電圧V(CH)は低下する。そして、電圧V(L
in)と電圧V(CH)が等しくなる時刻t1にてトラ
ンジスタQ1をターンオフさせれば、この瞬間からリア
クトルLinに流れていた電流I(Lin)は、トラン
ジスタQ1から中間コンデンサCHに方向を変えて流れ
込み、中間コンデンサCHの充電が行われる。このた
め、中間コンデンサCHのキャパシタンスが大きいにも
拘らず電圧V(CH)は時刻t1 から大きな変化率で上
昇し、交流電源電圧Vinがピーク値に到達するかなり
前の時点で交流電源電圧Vinのピーク値に近付く。こ
こで、リアクトルLinに流れていた電流I(Lin)
の、トランジスタQ1から中間コンデンサCHへの方向
変更は電源高調波の要因となるが、この場合は交流電源
電圧の瞬時値が中間コンデンサの電圧に一致する点を選
定しているので、電源高調波の発生は低く抑えられる。
【0026】このような回路で、リアクトルLinに
は、交流電源電圧Vinと中間コンデンサの電圧V(C
H)との差に応じた電流I(Lin)が流れるのである
が、交流電源電圧Vinのピーク値の近傍でその差が小
さくなっているので、リアクトルLinに流れる電流の
その後の増加率は小さく、しかも、早いタイミングで減
少に転ずる。
【0027】このように、リアクトルLinに流れる電
流が早いタイミングで減少に転じると、中間コンデンサ
CHのキャパシタンスが大きいことと相俟って、その電
圧V(CH)の増加率は低く抑えられる。このことは、
すでに減少に転じている交流電源電圧Vinとの差も小
さく抑えられ、その結果、リアクトルの電流I(Li
n)の低下も穏やかになり、このリアクトルLinの通
電区間を長くとることができ、力率の向上に寄与する。
【0028】本実施形態では、さらに、正の半サイクル
の後半のある期間、すなわち、時刻t2 から時刻t3
でトランジスタQ1をオン状態にするので、この区間に
おいてリアクトルLinの電流I(Lin)が、中間コ
ンデンサCHからトランジスタQ1に方向を変えて流れ
込み、一時的に電流I(Lin)は増大する。この結
果、リアクトルLinの通電終了のタイミングをさらに
遅らせることができる。なお、この制御は電流変化の極
性を変化させることになり、一部(例えば、後述する図
3の1.05KHz)の高調波成分を増大させる要因と
なるものでがあるが、その開始時刻t2 及び時間幅(t
2 〜t3 )を調整することによって、要求される値以下
に抑えることができる。
【0029】図3は第1の実施形態の電源高調波成分
を、IEC規格と併せて示したもので、従来装置でIE
C規格を上回っていたI(Lin)の第3高調波成分
を、IEC規格のそれよりも大幅に低減させることがで
き、全ての周波数範囲で、高調波成分をIEC規格以下
に抑えることができている。
【0030】図4はリアクトルLinを通して流れる入
力電流I(Lin)の瞬時値及び実効値I(Lin)
rms の変化を、従来装置のそれと併せて示したもので、
本実施形態の入力電流I(Lin)の最大値及び実効値
の最大値は従来装置と比較して低く抑えられ、また、本
実施形態での入力電流I(Lin)が流れる位相区間、
すなわち、通電区間は従来装置と比較して明らかに広く
なっていることが分かる。
【0031】図5は定義に基づいて演算した力率の算出
結果であり、交流電源電圧Vinの1サイクル区間終了
までの力率Pfの演算の累積値を示したもので、従来装
置にあっては力率の最終累積値は約93%であったが、
本実施形態では98%を超える値となっており、力率が
大幅に改善されていることが分かる。
【0032】図6は前述した電源高調波成分を、従来
例、IEC規格、本実施形態の三者について併せて示し
てもので、影響が大きいと思われる第3高調波について
比較すれば、本実施形態は従来例と比較して高調波成分
を格段に低く抑え得るだけでなく、IEC規格と比較し
ても1/2以下に抑制できており、その効果は極めて大
きいものになっている。
【0033】図7は中間コンデンサCHの両端電圧の1
サイクル区間の変化を示したもので、従来装置では約2
0Vから最大230Vまで大きく変動するので、この電
圧によって充電され、負荷に供給される平滑コンデンサ
CDの両端に現れる電圧リップルはかなり大きくなるの
に対して、本実施形態では常に100Vより大きく、1
80Vよりも小さい範囲に抑えられているため、負荷に
供給される電圧リップルを極めて低く抑える効果があ
る。
【0034】図8は中間コンデンサCH,CLをそれぞ
れ充電する充電電流の瞬時値I(CH),I(CL)及
び実効値I(CH)rms ,I(CL)rms を従来装置に
おけるものと併せて示したもので、従来装置は入力電流
波形に類似した(正弦波状に連続した)瞬時電流波形で
あるのに対して、本実施形態は強制通電によって大きく
変化することはあるが、少なくとも、最大値は従来装置
より小さく、また、1.000の位置に示した1回の充
放電サイクルでの電流実効値も小さくなっている。
【0035】図9は平滑コンデンサCDの両端電圧、す
なわち、出力電圧の瞬時値V(CD)及び平均値V(C
D)ave (1.000sのときの数値のみ有効)を、従
来装置のものと併せて示したもので、従来装置は電圧値
が低くまたリップル分も大きいのに対して、本実施形態
ではリップル分の小さい、より高い電圧が得られてい
る。
【0036】以上、図2乃至図9の各種波形図を用いて
説明したことから明らかなように、第1の実施形態によ
れば、交流電源からリアクトルに強制的に電流を流す強
制通電回路を有し、交流電源の正、負の各半サイクルの
前半において交流電源の瞬時値がコンデンサの両端電圧
を超えない位相区間において強制通電回路をオン状態に
し、かつ、交流電源の正、負の各半サイクルの後半の所
定の位相区間において強制通電回路をオン状態にしたこ
とにより、装置の大型化を抑えたままで、高調波成分の
低減と高力率化を達成することができる。
【0037】なお、上記の実施形態では、交流電源の
正、負の各半サイクルの前半において交流電源の瞬時値
がコンデンサの両端電圧を超えない全位相区間に亘って
リアクトルを強制通電させたが、交流電源の瞬時値がコ
ンデンサの両端電圧を超えない位相区間の一部でリアク
トルを強制通電させても上記実施形態に近い効果が得ら
れる。
【0038】なおまた、上記実施形態では、交流電源の
正、負の各半サイクルの後半の所定の位相区間において
強制通電回路をオン状態にしたが、この強制通電を省略
しても、上記実施形態に近い効果が得られる。
【0039】図10は本発明に係る直流電源装置の第2
の実施形態の構成を示す回路図である。図中、第1の実
施形態を示す図1と同一の要素には同一の符号を付して
その説明を省略する。この実施形態はリアクトルLin
を強制通電するためのトランジスタQ1,Q2の代わり
に、ダイオードD5〜D8をブリッジ接続してなる全波
整流ダイオードブリッジと、この全波整流ダイオードブ
リッジの電流を制御するトランジスタQ1とを用いたも
のである。この場合、全波整流ダイオードブリッジの交
流入力端子の一方が、交流電源Vinの一端に接続され
るリアクトルLinの負荷側に接続され、全波整流ダイ
オードブリッジの交流入力端子の他方が交流電源Vin
の他端に接続されている。また、全波整流ダイオードブ
リッジの直流出力端子間にトランジスタQ1が接続さ
れ、このトランジスタQ1をベース駆動回路G1で駆動
する構成になっている。この実施形態によれば、トラン
ジスタ及びそのベース駆動回路が1組で足りる利点があ
る。また前述したトランジスタQ1を整流型スイッチ素
子としたとき、全波整流ダイオードブリッジはそれ自体
が整流特性を有しているため、トランジスタQ1の代わ
りに単なるスイッチ素子をもちいても良い。
【0040】かくして、第2の実施形態によつても、交
流電源Vin瞬時値が、中間コンデンサCの両端電圧を
超えない位相区間の一部又は全部においてトランジスタ
をオン状態にすることによつて、装置の大型化を抑えた
ままで、高調波成分の低減と高力率化を達成することが
できる。
【0041】図11は本発明に係る直流電源装置の第3
の実施形態の構成を示す回路図である。図中、図1と同
一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この実施形態はリアクトルLinを介して得られる交流
電圧を、ダイオードD1〜D4をブリッジ接続してなる
全波整流回路の交流入力端子に印加し、その出力を中間
コンデンサCに充電し、この中間コンデンサCの電荷を
平滑コンデンサCDに放電して、負荷抵抗RLに直流電
圧を供給する構成としている。この場合、ダイオードD
1〜D4でなる全波整流回路と中間コンデンサCを接続
する正負の直流電流経路にトランジスタQ1を接続し、
このトランジスタQ1をベース駆動回路G1で駆動する
構成になっている。なお、トランジスタQ1をオン状態
にしてリアクトルLinに強制的に電流を流す場合、中
間コンデンサCの電荷がトランジスタQ1を通して放電
することがないように逆流防止用ダイオードD11が接
続され、さらに、中間コンデンサCの電荷を平滑コンデ
ンサCに放電する経路に、逆流防止用ダイオードD13
と、平滑効果を高めるリアクトルLdcが直列に接続さ
れている。
【0042】この第3の実施形態によつても、交流電源
Vin瞬時値が、中間コンデンサCの両端電圧を超えな
い位相区間の一部又は全部においてトランジスタをオン
状態にすることによつて、装置の大型化を抑えたまま
で、高調波成分の低減と高力率化を達成することができ
る。
【0043】図12は本発明に係る直流電源装置の第4
の実施形態の構成を示す回路図であり、図中、第3の実
施形態を示す図11と同一の要素には同一の符号を付し
てその説明を省略する。この実施形態は交流電源経路に
接続されていたリアクトルLinを、ダイオードD1〜
D4でなる全波整流回路と中間コンデンサCを接続する
経路に接続替えした点が図11と異なっている。そし
て、このリアクトルLinの負荷側に、トランジスタQ
1を接続してこのトランジスタを駆動する構成になって
いる。
【0044】この第4の実施形態によつても、交流電源
Vinの瞬時値が、中間コンデンサCの両端電圧を超え
ない位相区間の一部又は全部においてトランジスタQ1
をオン状態にすることによつて、装置の大型化を抑えた
ままで、高調波成分の低減と高力率化を達成することが
でき、また、強制通電回路として単一のスイッチ素子で
済むという利点もある。
【0045】図13は本発明に係る直流電源装置の第5
の実施形態の構成を示す回路図であり、上記図11にお
けるベース駆動回路G1、トランジスタQ1の代わりに
上記図10における回路構成と同様にダイオードD5〜
D8の全波整流ダイオードブリッジと、全波整流ダイオ
ードブリッジの電流を制御するトランジスタQ1の組合
わせに置き換えたものであり、この構成では図11、図
12におけるダイオードD11に相当する素子が不要に
なるため、ダイオードD1〜D4の全波整流回路から負
荷側へ供給する経路の素子が1個減ることになり、回路
素子による損失を軽減できる。
【0046】図14は本発明に係る直流電源装置の第6
の実施形態の構成を示す回路図である。図中、図1と同
一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1に示す第1の実施形態は、交流電源Vinに接続さ
れたリアクトルLinの負荷側に、トランジスタQ1及
びQ2を逆並列接続し、これらのトランジスタをベース
駆動回路G1,G2で駆動するものであったが、この第
6の実施形態は倍電圧整流回路の中間コンデンサCHの
前段の直流電圧経路にトランジスタQ1を、もう一つの
中間コンデンサCLの前段の直流電圧経路にトランジス
タQ2をそれぞれ接続し、これらのトンジスタをオン状
態にすることにより、リアクトルLinに強制的に電流
を流すようにしたもので、この場合、中間コンデンサC
Hの電荷がトランジスタQ1を通して放電することがな
いように逆流防止用ダイオードD11が接続され、さら
に、中間コンデンサCLの電荷がトランジスタQ2を通
して放電することがないように逆流防止用ダイオードD
12が接続されている。
【0047】この第6の実施形態によつても、交流電源
Vinの瞬時値が、中間コンデンサCの両端電圧を超え
ない位相区間の一部又は全部においてトランジスタQ
1,Q2をオン状態にすることによつて、装置の大型化
を抑えたままで、高調波成分の低減と高力率化を達成す
ることができる。
【0048】図15は上述した直流電源装置を適用した
空気調和機の実施形態の構成を示すブロック図である。
この実施形態は交流を直流に変換するコンバータ装置と
しての直流電源装置と、この直流電源装置から出力され
た直流を可変電圧、可変周波数の交流に変換して圧縮機
駆動電動機に供給するインバータ装置とを備えている。
ここに使用した直流電源装置は、図10に例示したもの
で、図10中のベース駆動回路G1として、ベースドラ
イブ電源13とホトカプラ19とを有し、負荷抵抗RLの代
わりに、インバータ装置20を介して、圧縮機駆動電動機
21が接続されている。また、図10に示したパルス発生
回路の機能をゼロクロス検出器14及び室外制御部15に持
たせたものである。
【0049】この空気調和機は室内機と室外機とでな
り、室内機を交流電源に接続する構成になっている。そ
して、室内機においては交流電源1から、ノイズフィル
タ2を介して、室内制御部3に動作電力を供給するよう
になっている。室内制御部3にはリモコン装置4からの
指令を受信する受信部5、室内温度を検出する温度セン
サ6、図示省略の室内熱交換器を通して風を室内に循環
させる室内ファン8、吹出し空気の方向を変えるルーバ
9が接続されている。一方、室外機においても、ノイズ
フィルタ11を介して、交流電源1から室外制御部15及び
圧縮機駆動電動機21に動作電力を供給するようになって
いる。この場合、ノイズフィルタ11の負荷側に電流値検
出器12が設けられ、その検出信号が室外制御部15に入力
される。また、ノイズフィルタ11の負荷側の交流電圧を
監視して、ゼロクロス点を検出するゼロクロス検出器14
が設けられ、その検出信号が室外制御部15に入力され
る。室外制御部15には、さらに、室外熱交換器の温度を
検出する温度センサ16、運転モードに応じて冷媒の循環
方向を変える四方弁17、図示省略の室外熱交換器に風を
送込む室外ファン18とが接続されている。また、室外制
御部15は室内制御部3と送受信してインバータ装置20を
制御すると共に、ホトカプラ19にパルス電流を供給して
トランジスタQ1をオン操作する構成になっている。
【0050】上記のように構成された空気調和機の実施
形態の概略動作について以下に説明する。先ず、リモコ
ン装置4から運転開始、運転モード、室内設定温度、室
内ファンの風速、風向等の指令が受信部5を介して室内
制御部3に加えられる。これに応じて室内制御部3は運
転状態等を表示器7に表示し、室内ファン8及びルーバ
9の駆動制御を実行すると共に、設定温度と室内温度と
の偏差に応じて圧縮機駆動電動機21を駆動する電源周波
数(以下圧縮機周波数と言う)を演算し、運転モード信
号と併せて圧縮機周波数信号を室外制御部15に送信す
る。室外制御部15は運転モード信号に応じて四方弁17を
励磁(または非励磁)状態とし、圧縮機周波数に従って
インバータ装置20を制御し、室外ファン18を駆動すると
共に、温度センサ16の検出信号等によって四方弁17を
制御して除霜運転等を行なう。また、室外制御部15は電
流値検出器12による電流検出値が予め設定された制限値
を超えないように、圧縮機周波数の補正等も行う。さら
に、室外制御部15は直流電源装置を構成するリアクトル
Linに対する強制通電制御をも実行する。室外制御部
15はこの強制通電制御によって、電源高調波の低減及び
力率の向上を図ると同時に、電流値検出器12による電流
検出値がプラグやコンセントで規定された制限値を超え
ようとするとき、リアクトルLinに対する強制通電の
位相区間を調整して、規定された制限値内でより多くの
電力を圧縮機駆動電動機21に供給する制御を実行する。
【0051】以下、室外制御部15がプラグやコンセント
で規定された制限値を超えない範囲で、リアクトルLi
nに対する強制通電の位相区間を調整して電力供給を増
やす点について詳しく説明する。図15に示した直流電
源装置は図10に例示したものを使用しているが、その
電流、電圧、高調波成分、力率等は図2乃至図9を用い
て説明したと同様である。ところで、図10に例示した
装置は負荷抵抗RLを一定としてリアクトルLinを強
制通電させたが、この直流電源装置を空気調和機に適用
した場合、空調負荷の変動に応じて圧縮機の能力が変更
制御されるので、負荷抵抗RLが変化することを前提と
してリアクトルLinの強制通電位相を決定しなければ
ならない。
【0052】そこで、負荷抵抗RLと強制通電回路を構
成するトランジスタQ1のターンオフのタイミングとを
下記の表1の組合わせでシミュレーションを実行した。
【0053】
【表1】 このシミュレーションによれば、交流電源電圧の1サイ
クル中に、リアクトル電流I(Lin)は図16に示す
ように、力率Pfの累積値は図17に示すように、出力
電圧累積値は図18に示すようにそれぞれ変化し、これ
に対応して、表1に示した直流出力電圧、力率、入力電
流の実行値、入力電力が算出された。
【0054】なお、図16乃至図18に示すシミュレー
ション波形A,B,…,Hは表1中に記載の符号A,
B,…,Hの欄の各パラメータに対応するものであり、
トランジスタQ1のターンオンのタイミングは、いずれ
もゼロクロス点から計測して0.1ミリ秒(msec)とし
た場合の結果である。
【0055】表1から、少なくとも、次の(a)、
(b)項の内容を読取ることができる。 (a)トランジスタQ1のターンオフのタイミングを遅
らせることによって、直流出力電圧を増大することがで
きる。
【0056】尚、短絡素子のオフのタイミングの調整に
よって得られる上記(a)、(b)の効果は、組み込み
機器が空気調和機に限らず、電動機を主体とした装置の
電源として有用である。 (b)負荷抵抗RLが変化して要求電圧が変動しても、
直流電源装置に接続される負荷の大小に応じてリアクト
ルの強制通電(オフタイミング区間を設定された位相区
間内かつ入力電流制限値の範囲内で適切に選択あるいは
変化させることにより、従来装置では達成し得なかっ
た、高調波を低減し、高力率化した運転が可能となる。
【0057】かくして、図1,図10乃至図14に例示
した直流電源装置のいずれであっても、これを空気調和
機に適用することにより、プラグやコンセントで規定さ
れた入力電流、例えば、15A又は20Aの範囲に保っ
たままで、大きな電力を圧縮機駆動電動機に供給できる
ので、使用電力にEER(Energy Effency Ratio)を乗
じた空調能力の向上が図られる。
【0058】また、従来装置と比較してより大きな直流
出力電圧が得られるので、圧縮機駆動電動機としてDC
ブラシレスモータを使用した場合でも高速回転させるこ
とが可能になり、気温がかなり低い条件下での暖房運転
開始時など、低トルク、高速回転が必要な場合に要求さ
れる電圧を供給することができる。圧縮機駆動電動機と
して誘導電動機を使用する場合でも、電圧周波数比V/
Fの大きい電動機の仕様が可能となり、通常時の運転電
流を低減する効果がある。
【0059】さらに、強制通電する位相区間を変化させ
ることにより、高力率を保持したままで直流出力電圧の
調整ができるため、インバータ装置によってPWM制御
をする代わりに、デューティを100%に固定して強制
通電位相区間を調整して電動機の速度制御をすれば、イ
ンバータ素子のスイッチング損失の低減が可能になり、
リーク電流を低く抑えることができる効果もある。
【0060】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、本
発明に係る直流電源装置によれば、リアクトルと直列に
して交流電源に接続された強制通電回路を設け、交流電
源の正、負の各半サイクルの前半の所定の位相区間にリ
アクトルに強制的に電流を流すことによって、リアクト
ルに流れる電流の実効値を変えることなく位相が進めら
れ、装置の大型化を抑えたままで、高調波成分の低減と
高力率化を達成することができ、また、負荷の変動によ
る交流入力電流の変動を僅少に抑えることができる。
【0061】この場合、交流電源の瞬時値が、コンデン
サの両端電圧を超えない位相区間の一部又は全部におい
て強制通電することにより、リアクトルの電流位相が進
められて高調波成分の低減と高力率化が達成される。
【0062】また、交流電源の正、負の各半サイクルの
後半の一部の区間においてもリアクトルに強制通電する
ことにより、リアクトルの通電区間を拡げて高力率化の
効果が高められる。
【0063】さらに、リアクトルに強制通電させるため
に、交流電圧のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出
手段と、ゼロクロス点の検出から交流電源の瞬時値が前
記コンデンサの両端電圧と一致するまでそれぞれ交流電
圧の極性に対応する整流型スイッチ素子をオン、オフ制
御することにより確実な制御が可能となる。
【0064】もう一つの発明に係る空気調和装置は、交
流を直流に変換するコンバータ装置として上述した直流
電源装置を用いることにより、プラグ及びコンセントに
規定された入力電流の制限範囲内で、圧縮機駆動電動機
への供給電力を増大することができ、空調能力を格段に
向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る直流電源装置の第1の実施形態の
構成を示す回路図。
【図2】図1に示した直流電源装置の動作を説明するた
めに、電流及び電圧と時間との関係を示した線図。
【図3】図1に示した直流電源装置の動作を説明するた
めに、高調波成分と周波数との関係を示した線図(I
(Lin)rms は数値を示した点のデータのみ有効)。
【図4】図1に示した直流電源装置の動作を説明するた
めに、リアクトルの電流と時間との関係を示した線図。
【図5】図1に示した直流電源装置の動作を説明するた
めに、力率の演算累積値と時間との関係を示した線図
(数値を示した点のデータのみ有効)。
【図6】図1に示した直流電源装置の動作を説明するた
めに、高調波成分と周波数との関係を示した線図。
【図7】図1に示した直流電源装置の動作を説明するた
めに、中間コンデンサの電圧と時間との関係を示した線
図。
【図8】図1に示した直流電源装置の動作を説明するた
めに、中間コンデンサの充電電流と時間との関係を示し
た線図(I(Lin)rms は数値を示した点のデータの
み有効)。
【図9】図1に示した直流電源装置の動作を説明するた
めに、直流出力電圧と時間との関係を示した線図(V
(CD)ave は数値を示した点のデータのみ有効)。
【図10】本発明に係る直流電源装置の第2の実施形態
の構成を示す回路図。
【図11】本発明に係る直流電源装置の第3の実施形態
の構成を示す回路図。
【図12】本発明に係る直流電源装置の第4の実施形態
の構成を示す回路図。
【図13】本発明に係る直流電源装置の第5の実施形態
の構成を示す回路図。
【図14】本発明に係る直流電源装置の第6の実施形態
の構成を示す回路図。
【図15】本発明に係る空気調和機の実施形態の構成を
示すブロック図。
【図16】図15に示した空気調和機の動作を説明する
ために、リアクトルの電流と時間との関係を示した線
図。
【図17】図15に示した空気調和機の動作を説明する
ために、力率の累積値と時間との関係を示した線図。
【図18】図15に示した空気調和機の動作を説明する
ために、直流出力電圧の累積値と時間との関係を示した
線図。
【図19】従来の直流電源装置の構成を示す回路図。
【図20】図19に示した直流電源装置の動作を説明す
るために、リアクトルの電流及び中間コンデンサの電圧
と時間との関係を示した線図。
【図21】図19に示した直流電源装置の動作を説明す
るために、高調波成分と周波数との関係を示した線図。
【符号の説明】
Vin 交流電源 Lin リアクトル D1〜D8,D11〜D13,DH,DL ダイオード C,CH,CL 中間コンデンサ CD 平滑コンデンサ RL 負荷抵抗 Q1,Q2 トランジスタ G1,G2 ベース駆動回路 I1,I2 パルス発生回路 1 交流電源 3 室内制御部 12 電流値検出器 13 ベースドライブ電源 14 ゼロクロス検出器 15 室外制御部 20 インバータ装置 21 圧縮機駆動電動機

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電源にリアクトルと整流回路とを直列
    に接続し、整流して得られた電圧を一つ又は複数のコン
    デンサでなるコンデンサ回路に印加し、このコンデンサ
    回路に充電された電荷を平滑用コンデンサに放電して平
    滑された直流電圧を得る直流電源装置において、スイッ
    チ素子をオン状態にすることによって前記交流電源から
    前記リアクトルに強制的に電流を流す強制通電回路と、
    前記交流電源の瞬時値が、前記コンデンサの両端電圧を
    超えない位相区間の一部又は全部において前記強制通電
    回路をオン状態にする制御手段とを備えたことを特徴と
    する直流電源装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、前記交流電源の正、負の
    各半サイクルの後半の所定の位相区間において前記強制
    通電回路をオン状態にすることを特徴とする請求項1に
    記載の直流電源装置。
  3. 【請求項3】前記強制通電回路は、前記リアクトルを介
    して前記整流回路に加えられる交流電圧経路間に逆並列
    接続された一対の整流型スイッチ素子でなり、前記制御
    手段は、交流電圧のゼロクロス点を検出するゼロクロス
    点検出手段と、ゼロクロス点の検出から交流電源の瞬時
    値が前記コンデンサの両端電圧と一致するまでそれぞれ
    交流電圧の極性に対応する前記整流型スイッチ素子をオ
    ンする手段とからなることを特徴とする請求項1に記載
    の直流電源装置。
  4. 【請求項4】前記強制通電回路は、前記リアクトルを介
    して前記整流回路に加えられる交流電圧経路間に交流入
    力端子が接続された全波整流ダイオードブリッジと、こ
    の全波整流ダイオードブリッジの直流出力端子間に接続
    されたスイッチ素子とを含み、前記制御手段は、交流電
    圧のゼロクロス点を検出するゼロクロス点検出手段と、
    ゼロクロス点の検出から交流電源の瞬時値が前記コンデ
    ンサの両端電圧と一致するまで前記スイッチ素子をオン
    する手段とからなることを特徴とする請求項1に記載の
    直流電源装置。
  5. 【請求項5】前記整流回路が全波整流回路であるとき、
    前記強制通電回路は、前記コンデンサ回路の充電側端子
    間に接続されたスイッチ素子と、前記コンデンサ回路か
    ら前記スイッチ素子への逆流を防止するダイオードとで
    なり、前記制御手段は、交流電圧のゼロクロス点を検出
    するゼロクロス点検出手段と、ゼロクロス点の検出から
    交流電源の瞬時値が前記コンデンサの両端電圧と一致す
    るまで前記スイッチ素子をオンする手段とからなること
    を特徴とする請求項1に記載の直流電源装置。
  6. 【請求項6】前記整流回路が全波整流回路であるとき、
    前記強制通電回路は、前記リアクトルを介して前記整流
    回路に加えられる交流電圧経路間に交流入力端子が接続
    された全波整流ダイオードブリッジと、この全波整流ダ
    イオードブリッジの直流出力端子間に接続されたスイッ
    チ素子とを含み、前記制御手段は、交流電圧のゼロクロ
    ス点を検出するゼロクロス点検出手段と、ゼロクロス点
    の検出から交流電源の瞬時値が前記コンデンサの両端電
    圧と一致するまで前記スイッチ素子をオンする手段とか
    らなることを特徴とする請求項1に記載の直流電源装
    置。
  7. 【請求項7】前記整流回路及びコンデンサ回路が倍電圧
    整流回路を構成するとき、前記強制通電回路は、前記コ
    ンデンサ回路を構成する各直列接続コンデンサの充電側
    端子間にそれぞれ接続されたスイッチ素子と、前記直列
    接続コンデンサから前記スイッチ素子への逆流を防止す
    るダイオードとでなり、前記制御手段は、交流電圧のゼ
    ロクロス点を検出するゼロクロス点検出手段と、ゼロク
    ロス点の検出から交流電源の瞬時値が前記コンデンサの
    両端電圧と一致するまでそれぞれ交流電圧の極性に対応
    する前記スイッチ素子をオンする手段とからなることを
    特徴とする請求項1に記載の直流電源装置。
  8. 【請求項8】直流電源装置に接続される負荷の大きさに
    応じて、前記リアクトルの強制通電区間を、設定された
    位相区間内かつ入力電流範囲内で変化させたことを特徴
    とする請求項1に記載の直流電源装置。
  9. 【請求項9】交流を直流に変換するコンバータ装置と、
    このコンバータ装置で変換された直流を可変電圧、可変
    周波数の交流に変換して圧縮機駆動電動機に供給するイ
    ンバータ装置とを備えた空気調和機において、前記コン
    バータ装置として請求項1乃至8のいずれかに記載の直
    流電源装置を用いたことを特徴とする空気調和機。
  10. 【請求項10】交流電源にリアクトルと整流回路とを直
    列に接続し、整流して得られた電圧を一つ又は複数のコ
    ンデンサでなるコンデンサ回路に印加し、このコンデン
    サ回路に充電された電荷を平滑用コンデンサに放電して
    平滑された直流電圧を得る直流電源装置を備え、この直
    流電源装置から出力される直流電圧をインバータ装置に
    より周波数可変の交流電圧に変換して圧縮機或いは送風
    機の駆動電動機に電源供給する空気調和機において、 スイッチ素子をオン状態にすることによって前記交流電
    源から前記リアクトルに強制的に電流を流す強制通電回
    路と、 前記駆動電動機の回転数が、前記交流電源から受給可能
    な最大電流の制限値によって制限されるとき、前記リア
    クトルの強制通電の位相区間を変化させる制御手段を設
    け、直流出力電圧を増大させ、前記駆動電動機の回転数
    の増大を可能にしたことを特徴とする空気調和機。
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